JP2010230086A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ軸が回転せずに軸方向に直線移動する形態で使用される際に好適なボールねじ装置を提供する。
【解決手段】軸方向に直線移動するねじ軸2と、これにボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナット3と、ボールねじナット3と一体に回転する中空軸4と、転がり軸受7,8を介して中空軸4を回転可能に支持するハウジング6とを備えているボールねじ装置1において、転がり軸受7,8が正面組合せの複列アンギュラ玉軸受7,8とされて、ボールねじナット3の外周面および中空軸4の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受7,8の内輪軌道溝13,14が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】軸方向に直線移動するねじ軸2と、これにボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナット3と、ボールねじナット3と一体に回転する中空軸4と、転がり軸受7,8を介して中空軸4を回転可能に支持するハウジング6とを備えているボールねじ装置1において、転がり軸受7,8が正面組合せの複列アンギュラ玉軸受7,8とされて、ボールねじナット3の外周面および中空軸4の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受7,8の内輪軌道溝13,14が形成されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、ボールねじ装置に関し、特に、ねじ軸が回転せずに軸方向に直線移動する形態で使用されるボールねじ装置に関する。
ねじ軸およびこれにボールを介してねじ合わされたボールねじナットを備えているボールねじ装置は、電動アクチュエータ用や緩衝器用としてよく使用されており、例えば、特許文献1には、ボールねじナットにモータを接続し、ねじ軸が直進移動する形態とされたボールねじ装置を緩衝器に適用することが開示されている。
緩衝器では、通常、外部から強い力を受けた場合のねじ軸の所定量以上の移動を防止するために、ストッパが設けられる。ストッパによってねじ軸が停止する直前は、ねじ軸が高速で移動し、ボールねじナットが高速で回転しているため、ねじ軸の急激な停止によって、ボールねじナットに大きい回転慣性力が発生し、この回転慣性力によってボールねじの軌道部に圧痕が発生する可能性がある。
この発明の目的は、ねじ軸が回転せずに軸方向に直線移動する形態で使用される際に好適なボールねじ装置を提供することにある。
この発明によるボールねじ装置は、軸方向に直線移動するねじ軸と、これにボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナットと、ボールねじナットと一体に回転する中空軸と、転がり軸受を介して中空軸を回転可能に支持するハウジングとを備えているボールねじ装置において、転がり軸受が正面組合せの複列アンギュラ玉軸受とされて、ボールねじナットの外周面および中空軸の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝が形成されているものである。
ボールねじナットと中空軸とが一体に回転するようにするには、ボールねじナットに中空軸をしまりばめで圧入することで可能であり、また、ボールねじナットと中空軸とをスプライン結合することでも可能である。
ねじ軸およびボールねじナットは、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製あるいはSAE4150鋼製とされ、また、ボールは、例えば、軸受鋼(SUJ2)製とされる。ボールねじナットは、軸受鋼(SUJ2)製としてもよい。中空軸は、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製とされる。
中空軸は、内輪軌道溝が形成されて転がり軸受の内輪を兼ねる部分と、モータが取り付けられるモータロータ部分とを有しているものとされ、少なくとも内輪を兼ねる部分に、浸炭焼入れ・焼戻しが施される。
例えば、中空軸は、ねじ軸の外径よりも大きい小径部とこれよりも内径および外径がともに大きい大径部とからなるものとされて、その大径部に軌道溝が形成され、ボールねじナットは、小径部および大径部よりなるものとされて、小径部が中空軸の内周に嵌め入れられ、大径部の外径が中空軸の大径部の外径と同じにされて、大径部に軌道溝が形成される。そして、ボールねじナットの軌道溝に対応する軌道溝が形成された第1の外輪がハウジングの内周に嵌め入れられてその段部で受けられ、これにボールを介してボールねじナットが対向させられ、ボールねじナットに中空軸が嵌め合わせられ、これにボールを介して中空軸の軌道溝に対応する軌道溝が形成された第2の外輪がハウジングの内周に嵌め入れられ、ハウジング内周に設けられためねじにおねじ部材がねじ合わされることで、第1および第2の外輪がハウジングに固定されるとともに、ボールねじナットおよび中空軸の軸方向の移動が防止される。おねじ部材の締付け量を調整することにより、複列アンギュラ玉軸受に適正な予圧を付与することができ、また、必要に応じて、複列アンギュラ玉軸受に適正な隙間を付与することができる。
この発明によるボールねじ装置は、アクチュエータ(モータによって中空軸およびボールねじナットが回転させられ、これにより、ねじ軸が直線移動する形態)として使用されることがあり、緩衝器(ねじ軸が外部からの力によって直線移動させられ、これにより、中空軸およびボールねじナットが回転し、モータが発生する電磁力が減衰力となる形態)として使用されることがある。
いずれの場合でも、ねじ軸は、往復直線移動し、通常、その所定方向(この明細書では「前進方向」と称す。この「前進方向」は、ストッパに衝突する移動方向を意味し、具体的には、上下、前後、左右およびその他の方向のいずれであってもよい。)の所定量以上の移動を防止するためのストッパが設けられる。ストッパは、例えば、ねじ軸が所定量以上移動した際にハウジングに当接するフランジ部をねじ軸に設けることで形成することができ、また、ストッパは、ねじ軸と一体に直線移動する部材に形成してもよく、直線移動しない方の部材(ハウジングや中空軸)に設けることもできる。ストッパによってねじ軸の前進方向の極限位置が規定されていることで、極限位置に達すると、ねじ軸が強制的に停止させられる。この際のねじ軸の移動速度が速い場合、ねじ軸の急停止時におけるナットの回転慣性力が大きいため、ボールねじ軌道に圧痕が生じることがある。
この発明のボールねじ装置によると、ボールねじナットおよび中空軸に軌道溝が形成されて、複列アンギュラ玉軸受の内輪が省略されており、この結果、慣性力が低減し、ボールねじ軌道部に圧痕が生じるような大きい力が作用することが防止される。また、ボールねじ装置の小型・軽量化が可能で、部品数低減によるコスト低減も可能となる。
ボールねじ装置は、ねじ軸に設けられたスプラインみぞおよびこれに嵌め合わされたスプライン外筒によって、ねじ軸の直線移動が案内されるものであることが好ましく、この場合、スプラインは、ボールスプラインであってもよく、例えばインボリュートスプラインのような嵌合式のスプラインであってもよい。
この発明のボールねじ装置によると、転がり軸受が正面組合せの複列アンギュラ玉軸受とされて、ボールねじナットの外周面および中空軸の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝が形成されているので、ボールねじ装置を小型化および軽量化することができる。
(1) ボールねじ装置
(2) ねじ軸
(3) ボールねじナット
(4) 中空軸(中空軸)
(6) ハウジング
(7)(8) 複列アンギュラ玉軸受
(13)(14) 内輪軌道溝
(2) ねじ軸
(3) ボールねじナット
(4) 中空軸(中空軸)
(6) ハウジング
(7)(8) 複列アンギュラ玉軸受
(13)(14) 内輪軌道溝
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、左右は、図の左右をいうものとし、また、左方を前進方向とする。
図1は、この発明によるボールねじ装置の1実施形態を示している。
ボールねじ装置(1)は、ねじみぞ(2a)が設けられた左右にのびる鋼製ねじ軸(2)と、ねじ軸(2)のねじみぞ(2a)にボールを介してねじ合わされたボールねじナット(3)と、ボールねじナット(3)とともに回転する右方にのびる中空軸(4)と、転がり軸受装置(5)を介して中空軸(4)を回転可能に支持するハウジング(6)とを備えている。
ねじ軸(2)と中空軸(4)とは、同心状に配置されており、ボールねじ装置(1)は、中空軸(4)がモータのロータを兼ねさせられることにより、中空軸(4)およびボールねじナット(3)を回転させて、ねじ軸(2)を直線移動させる形態で使用される。
転がり軸受装置(5)は、複列アンギュラ玉軸受(7)(8)からなり、左(第1)および右(第2)の外輪(11)(12)がハウジング(6)に支持されるとともに、ボールねじナット(3)の外周面および中空軸(4)の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝(13)(14)が形成されている。
ボールねじナット(3)は、大径部(21)および小径部(22)よりなり、大径部(21)にアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝(13)が形成されている。
中空軸(4)は、ボールねじナット(3)の大径部(21)と同じ外径を有しボールねじナット(3)の小径部(22)に嵌め合わせられる大径部(23)と、大径部(23)よりも内径および外径がともに小さい小径部(24)とからなり、大径部(23)にアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝(14)が形成されている。
ボールねじナット(3)の小径部(22)の外周面と中空軸(4)の大径部(23)の内周面とは、スプライン(25)を介して結合されており、また、ボールねじナット(3)の大径部(21)と中空軸(4)の大径部(23)との突き合わせ面には、互いに嵌め合わされる凹凸(26)が設けられている。こうして、ボールねじナット(3)と中空軸(4)とは、一体で回転するようになっている。なお、ボールねじナット(3)と中空軸(4)とが一体で回転するための構成は、この例に限らず種々変更することができる。
左の外輪(11)は、ハウジング(6)の内周に嵌め入れられて、ハウジング(6)に形成された段部(6a)によって受け止められている。左の外輪(11)に、保持器(17)に保持されたボール(15)を介してボールねじナット(3)の内輪軌道溝(13)付きの大径部(21)が対向させられている。ボールねじナット(3)の小径部(22)に嵌め合わせられた中空軸(4)の内輪軌道溝(14)付きの大径部(23)は、左の外輪(11)に続いてハウジング(6)の内周に嵌め入れられた右の外輪(12)に、保持器(18)に保持されたボール(16)を介して対向させられている。
複列アンギュラ玉軸受(7)(8)は、正面組合せであり、左のアンギュラ玉軸受(7)を構成しているボールねじナット(3)の大径部(21)は、右側にボール(15)を受ける肩部を有し、左側にカウンタボアを有している。そして、右のアンギュラ玉軸受(8)を構成している中空軸(4)の大径部(23)は、左側にボール(16)を受ける肩部を有し、右側にカウンタボアを有している。
左右の外輪(11)(12)は、ハウジング(6)内周に設けられためねじ(6b)におねじ部材(19)がねじ合わされることで、ハウジング(6)に固定されている。これにより、ボールねじナット(3)および中空軸(4)の軸方向の移動も防止されている。おねじ部材(19)の締付け量を調整することにより、複列アンギュラ玉軸受(7)(8)に適正な予圧を付与することができ、また、必要に応じて、複列アンギュラ玉軸受(7)(8)に適正な隙間を付与することができる。
このボールねじ装置(1)は、例えば、自動車の電磁サスペンション用として使用するのに適している。電磁サスペンションは、タイヤから伝わる軸方向運動をボールねじ機構により回転運動に変換し、この回転運動をモータに取り込んで、モータで発生する電磁力を減衰力として利用する緩衝器であり、突起乗り越し等のサスペンションオーバストローク時には、ねじ軸(2)が左方に速い速度で移動(前進)し、直線移動部分に設けられたバンプストッパがモータフランジ等に衝突することにより、高速回転していたモータが急停止し、モータの慣性トルクにより過大軸力がねじ軸(2)のねじみぞ(2a)およびボールねじナット(3)のねじみぞに負荷されることがある。
上記のボールねじ装置(1)によると、ボールねじナット(3)および中空軸(4)が複列アンギュラ玉軸受(7)(8)の内輪を兼ねていることにより、回転慣性力が小さいものとなり、この結果、ねじ軸(2)のねじみぞ(2a)およびボールねじナット(3)のねじみぞに圧痕が生じるような大きい力が作用することが防止される。
なお、上記のボールねじ装置(1)は、電動アクチュエータとして使用することもできる。この場合、モータの回転駆動力をボールねじナット(3)を介してねじ軸(2)の軸方向推力に変換し、推力の軸方向反力を複列アンギュラ玉軸受(7)(8)で支持してねじ軸(2)を直線運動させ、ねじ軸(2)に作用する軸方向荷重をボールねじナット(3)で負荷する形態での使用となる。
Claims (1)
- 軸方向に直線移動するねじ軸と、これにボールを介してねじ合わされた回転自在のボールねじナットと、ボールねじナットと一体に回転する中空軸と、転がり軸受を介して中空軸を回転可能に支持するハウジングとを備えているボールねじ装置において、
転がり軸受が正面組合せの複列アンギュラ玉軸受とされて、ボールねじナットの外周面および中空軸の外周面にそれぞれアンギュラ玉軸受の内輪軌道溝が形成されていることを特徴とするボールねじ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009078295A JP2010230086A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | ボールねじ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009078295A JP2010230086A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | ボールねじ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010230086A true JP2010230086A (ja) | 2010-10-14 |
Family
ID=43046110
Family Applications (1)
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JP2009078295A Withdrawn JP2010230086A (ja) | 2009-03-27 | 2009-03-27 | ボールねじ装置 |
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JP (1) | JP2010230086A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109294A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Minebea Co Ltd | リニアアクチュエータ |
CN106641157A (zh) * | 2017-02-15 | 2017-05-10 | 池州市邦鼐机电科技有限公司 | 一种螺旋传动式新型关节减速机 |
-
2009
- 2009-03-27 JP JP2009078295A patent/JP2010230086A/ja not_active Withdrawn
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CN106641157A (zh) * | 2017-02-15 | 2017-05-10 | 池州市邦鼐机电科技有限公司 | 一种螺旋传动式新型关节减速机 |
CN106641157B (zh) * | 2017-02-15 | 2023-11-17 | 广州弥优机床有限公司 | 一种螺旋传动式新型关节减速机 |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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