JP2019123085A - 射出成形品の製造方法および射出成形品 - Google Patents

射出成形品の製造方法および射出成形品 Download PDF

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宗夫 塚本
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中島  陽
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Kosuke Nakamura
公亮 中村
雅 間簑
Masa Mamino
雅 間簑
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Abstract

【課題】成形性を維持しつつ、剛性および外観を両立させた射出成形品を提供すること。【解決手段】射出成形品の製造方法は、第1熱可塑性樹脂と、フィラーとを溶融混練して第1混練物を得る工程と、前記第1熱可塑性樹脂と、前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂とを溶融混練して第2混練物を得る工程と、前記第1混練物および前記第2混練物をドライブレンドして射出成形する工程とを含む。せん断速度1×103/秒での前記第1混練物の第1せん断粘度は、前記せん断速度での前記第2混練物の第2せん断粘度よりも大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、射出成形品の製造方法および射出成形品に関する。
一般に、家電機器、自動車やOA機器などに使用されている樹脂製品は、射出成形などにより成形されている。近年、環境負担の軽減や、材料コストの低減の観点から、樹脂製品の樹脂材料の使用量を削減することが望まれている。
そして、樹脂材料の使用量を削減する方法として、薄肉形成する方法が知られている。しかしながら、薄肉の樹脂製品を射出成形によって成形する場合、金型内で溶融した樹脂材料の流動性が低下することがある。また、薄肉化した樹脂製品は、剛性が下がることがある。
金型内で溶融した樹脂材料の流動性を高める方法として、樹脂材料中に分子量の小さい樹脂を含有させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、溶融流動性の高い樹脂およびフィラーを溶融させた樹脂ペレットと、溶融流動性の低い樹脂(分子量の小さい樹脂)とをドライブレンドして射出成形している。
また、特許文献2には、ポリアミド樹脂と、長繊維強化材と、改質オレフィン結晶性重合体とを有する長繊維強化ポリマーアロイ樹脂組成物が記載されている。
特開2001−026031号公報 特開平07−330917号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、フィラーを添加しているため、外観が悪化することがある。また、特許文献1に記載の方法および特許文献2に記載の技術では、耐熱性および剛性が低下するおそれがある。このように、薄肉成形した射出成形品では、剛性および外観を両立させる観点から検討の余地が残されている。
本発明は、成形性を維持しつつ、剛性および外観を両立させた射出成形品を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するための一手段としての射出成形品の製造方法は、第1熱可塑性樹脂と、フィラーとを溶融混練して第1混練物を得る工程と、前記第1熱可塑性樹脂と、前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂とを溶融混練して第2混練物を得る工程と、前記第1混練物および前記第2混練物をドライブレンドして射出成形する工程と、を含み、せん断速度1×10/秒での前記第1混練物の第1せん断粘度は、前記せん断速度での前記第2混練物の第2せん断粘度よりも大きい。
また、本発明は、上記の課題を解決するための他の手段としての射出成形品は、第1熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練してなる第1混練物と、前記第1熱可塑性樹脂および前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂を溶融混練してなる第2混練物とをドライブレンドして射出成形によって製造された射出成形品であって、前記フィラーは、前記射出成形品の内側に偏在しており、前記第2熱可塑性樹脂は、前記射出成形品の外側に偏在している。
本発明によれば、剛性、外観および成形性を両立させた射出成形品を提供できる。
本発明の実施の形態における射出成形品の製造方法の一例を概略的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施の形態に係る射出成形品の製造方法は、第1混練物および第2混練物を混合し、得られた混合物を材料として射出成形する。より具体的には、第1熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練して第1混練物を得る工程と、第1熱可塑性樹脂および第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂を溶融混練して第2混練物を得る工程と、第1混練物および第2混練物をドライブレンドして射出成形する工程と、を含む。第1混練物および第2混練物は、射出成形の材料として公知の形態であればよい。このような形態の例には、ペレット、フレークおよびこれらの破砕物が含まれる。
第1混練物は、第1熱可塑性樹脂およびフィラーを含有する組成物の溶融混練物である。第2混練物は、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂を含有する組成物の溶融混練物である。
第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度よりも第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度が低く、かつせん断粘度の要件を満たす範囲において、適宜に選択できる。第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、合成してもよいし、市販品を購入してもよい。第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、同じ種類の樹脂であってもよいし、異なる種類の樹脂であってもよい。ここで「同じ種類の樹脂」とは、主鎖が同じ樹脂を意味する。より具体的には、「同じ種類の樹脂」とは、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂を構成するモノマーのうち、8割のモノマーが同じ場合を意味する。例えば、単に分子量が異なる樹脂は、同じ種類の樹脂とする。また、末端の原子を変性させた樹脂は、変性前の樹脂と同じ種類の樹脂とする。第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂が同じ種類の樹脂であることは、ガラス転移温度の要件およびせん断粘度の要件を容易に達成する観点と、射出成形時における両混練物の相溶性を高める観点とから好ましい。
第1熱可塑性樹脂の例には、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、が含まれる。ポリカーボネートの例には、芳香族ポリカーボネートが含まれる。スチレン系樹脂の例には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)および耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が含まれる。ポリカーボネートのガラス転移温度は145℃であり、ABS樹脂のガラス転移温度は110℃であり、ポリスチレンのガラス転移温度は90℃であり、HIPSの融点は90℃である。
非晶性の第2熱可塑性樹脂の例には、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が含まれる。
市販されている芳香族ポリカーボネートの例には、住化スタイロンポリカーボネート株式会社製の「カリバー(Calibre)」シリーズ(「カリバー」は、トリンセオ ヨーロッパ社の登録商標)、および、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製の各種ポリカーボネート、が含まれる。市販されているABS樹脂の例には、東レ株式会社製の「トヨラック」シリーズ(「トヨラック」は、同社の登録商標)が含まれる。
第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂は、射出成形品における剛性や靱性などの機械特性およびコストの観点から、それぞれ芳香族ポリカーボネートが好ましい。
なお、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂が上記した樹脂以外の樹脂であって、完全に異種の樹脂である場合、後述のせん断粘度以外の表面エネルギーなどの影響を受けるため、所望の構造とならない。
前述したように、第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度は、第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度よりも低い。これにより、第2混練物の流動性が高くなり、射出成形において、第2混練物がキャビティーの外縁部分に周り込み、フィラーが外部に露出しないため、外観を良好にできる。第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度は、上記観点から、第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度よりも30℃以上低いことが好ましい。逆に、第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度が第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度よりも高い場合、射出成形において、第1混練物がキャビティーの外縁部分に周り込んでしまい、フィラーが外部に露出するため、外観が悪化してしまう。
第1混練物のガラス転移温度と、第2混練物のガラス転移温度との差異は、選択する第2熱可塑性樹脂の種類、第2熱可塑性樹脂の添加量などを変化させることにより調整できる。
第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度および第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度は、動的粘弾性装置ARES G2(TAインスツルメント社製)を用いて、周波数6.28rad/sec、歪10%各樹脂の融点から、2℃/分で降温させながら測定を行い、測定されたtanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
フィラーは、繊維状のフィラーであってもよいし、粒状のフィラーであってもよい。ここで「繊維状」とは、太さの平均値が20μm以下であり、かつアスペクト比(長径/短径の比)が5以上の形を意味する。フィラーは、射出成形品の剛性を高める観点から、繊維状のフィラーが好ましい。一般に、射出成形品に繊維状のフィラーを含有させると、射出成形品の外観における滑らかさが損なわれる。しかしながら、本発明では、後述する理由により外観の悪化を抑制する効果に優れているため、剛性の向上のために繊維状のフィラーを使用できる。繊維状のフィラーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
繊維状のフィラーは、第1混練物を調製する際の溶融混練や、その後の射出成形時において折れることがある。繊維状のフィラーの長さが短すぎると、射出成形品の強度(剛性)が不十分になることがある。一方、繊維状のフィラーの長さが長すぎると、射出成形品の外観に悪影響をおよぼす傾向があり、外観が不十分となることがある。また、第1混練物中における繊維状のフィラーの分散が不十分になることがある。射出成形品中における繊維状のフィラーの長さの平均値は、射出成形品の十分な剛性を実現する観点から、100μm以上が好ましく、繊維状のフィラーの分散性の観点から500μm以下が好ましい。
粒状のフィラーの形態は、繊維状ではない形状である。粒状のフィラーの形態の例には、球状、樹脂組成物の破砕物のような不定形が含まれる。粒状のフィラーのアスペクト比は、5未満が好ましく、2以下がより好ましく、1.5以下が特に好ましい。粒状のフィラーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
粒状のフィラーは、大きすぎると射出成形品の外観が損なわれることがある。粒状のフィラーの大きさは、射出成形品の外観および剛性のそれぞれの観点において、小さいほど好ましい。例えば、粒状のフィラーの最大径は、50μm以下が好ましい。
繊維状のフィラーの材料および粒状のフィラーの材料は、樹脂組成物におけるフィラー(骨材)に通常使用される無機化合物から適宜に選択できる。繊維状のフィラーの材料と粒状のフィラーの材料とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。フィラーの材料の例には、ガラス、タルク、マイカおよびカーボンが含まれる。また、繊維状のフィラーには、ガラス繊維を用いることが好ましい。
繊維状のフィラーおよび粒状のフィラーの形状および大きさは、樹脂組成物中のフィラーの形状、大きさを測定するための通常の方法で求めることができる。例えば、フィラーの形状および大きさは、混練物または射出成形品の断面の拡大画像の解析によって求めることができる。
第1混練物および第2混練物には、せん断速度1×10/秒での第1混練物の第1せん断粘度が上記せん断速度での第2混練物の第2せん断粘度よりも大きな混練物をそれぞれ用いる。すなわち、第2せん断粘度に対する第1せん断粘度の比は、1.0よりも大きい。当該比が1.0以下であると、射出成形品における外観が損なわれやすい。射出成形品の剛性および外観の両方を十分に発現させる観点から、上記比は、1.5以上が好ましい。上記比は、大きすぎると、それによる効果が頭打ちになることから、所期の剛性および外観を十分に発現させる範囲内で適宜にその上限値を決めてよい。
第1せん断粘度および第2せん断粘度は、樹脂組成物のせん断粘度を測定する通常の方法で求めることができる。例えば、第1せん断粘度および第2せん断粘度は、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフを用いて測定できる。
また、第1せん断粘度、第2せん断粘度およびこれらの比は、樹脂組成物のせん断粘度を調整する通常の方法で調整できる。例えば、第1混練物および第2混練物における熱可塑性樹脂材料の種類、第1混練物におけるフィラーの含有量、第1混練物および第2混練物の溶融混練の条件など、によって調整できる。
第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂の上記混練物中の含有量は、射出成形品における含有量に応じて決めることが可能であり、射出成形品における上記成分の含有量は、所期の効果が得られる範囲において適宜に決定できる。
例えば、射出成形品において、第1混練物における第1熱可塑性樹脂の含有量が少なすぎると、フィラーの含有量が相対的に多くなることによって外観が損なわれることがある。一方、第1混練物における第1熱可塑性樹脂の含有量が多すぎると、フィラーの含有量が相対的に少なくなることによって剛性が不十分になることがある。
このように、射出成形品における剛性、外観および流動性のそれぞれを高める観点から、射出成形品における第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂の総量を100質量部としたときに、第1熱可塑性樹脂の含有量は、60〜90質量部が好ましく、65〜85質量部がより好ましい。
フィラーの含有量は、射出成形品における第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂組成物の総量を100質量部としたときに、5〜20質量部が好ましい。フィラーの当該含有量が5質量部未満の場合、強度が低下することがある。一方、フィラーの当該含有量が20質量部超の場合、射出成形品の外観が悪化することがある。
第2熱可塑性樹脂の含有量は、射出成形品における第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂組成物の総量を100質量部としたときに、5〜20質量部が好ましい。第2熱可塑性樹脂の当該含有量が5質量部未満の場合、流動性が向上しないことがある。一方、第2熱可塑性樹脂の当該含有量が20質量部超の場合、剛性および耐熱性が低下することがある。
第1混練物および第2混練物の質量比(第1混練物:第2混練物)は、90:10〜60:40が好ましい。第1混練物と、第2混練物とがこの範囲内にあると、第2混練物が第1混練物を覆うため、外観が悪化しにくい。また、第1混練物は、第2混練物よりも多いため、射出成形品の剛性を維持できる。第1混練物および第2混練物の質量比が上記範囲外の場合、外観が悪化するとともに、射出成形品の剛性が低下してしまう。
第2混練物中における第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂の質量比(第1熱可塑性樹脂:第2熱可塑性樹脂)は、第1熱可塑性樹脂の種類、第1混練物中のフィラーの含有量、第2熱可塑性樹脂の種類などに応じて適宜に設定できる。
射出成形品は、本実施の形態の効果が得られる範囲において、第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂以外の他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分の例には、相溶化剤、着色剤、紫外線吸収剤およびエラストマーが含まれる。これらの他の成分の射出成形品における含有量は、本実施の形態の効果とともに、他の成分による効果が得られる範囲において適宜に決めることができる。他の成分は、第1混練物および第2混練物の一方または両方に添加されていてもよい。
相溶化剤は、第2混練物中において、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂を相溶させる。相溶化剤の例には、アクリル系や、アクリロニトリル−スチレン構造を有する、メタブレンC−223A、C−323A、E−901、W−450A、S−2001、S−2006)、SRK−200、SX−006(三菱レイヨン株式会社製)や、ポリカーボネートにポリスチレンをグラフト重合させた構造を有するModiperA3400、ModiperA4100、ModiperCL130D、ModiperCL430−G(日油株式会社社製)などが含まれる。相溶化剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂の総量に対する相溶化剤の含有量は、相溶化剤の効果を適切に発揮させる観点から、1〜20質量%が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
第1混練物および第2混練物の混合は、両混練物が射出成形時にシリンダ内において一様な組成物となるのに十分な程度に混合されればよい。第1混練物および第2混練物の混合は、射出成形における材料の混合の通常の方法によって行うことができる。混合は、ドライブレンドであり、例えばタンブラーを用いて行うことができる。ここで、「ドライブレンド」とは、溶剤などの媒体を使用せずに材料を直接混ぜ合わせて混合する方法を意味する。
射出成形は、樹脂材料を用いる通常の条件で行うことができる。射出成形の条件は、第1熱可塑性樹脂の種類および第2熱可塑性樹脂の種類などに応じて適宜に決定できる。
また、射出成形品の製造方法は、前述した第1混練物を得る工程、第2混練物を得る工程および得られた混合物の射出成形工程以外の他の工程をさらに含んでいてもよい。他の工程の例には第1混練物および第2混練物のそれぞれを射出成形の材料用の形状に加工する造粒工程と、両混練物の混合物を射出成形前に乾燥させる工程とが含まれる。これらの他の工程は、前述したガラス転移温度の要件およびせん断粘度の比の要件が満たされる範囲において、樹脂組成物の射出成形で行われる通常の条件で行うことができる。
射出成形によって得られた射出成形品は、第1熱可塑性樹脂、フィラーおよび第2熱可塑性樹脂を含有し、その内側にフィラーが偏在し、フィラーの外側に第2熱可塑性樹脂が偏在する。「偏在」とは、偏った分布を有して存在することを意味する。すなわち、射出成形品において、フィラーは、射出成形品の内側へ偏って分布しており、第2熱可塑性樹脂は、射出成形品の表面側へ偏って分布している。このような偏った分布は、所定の方向に向けての存在割合の増加または減少を含んでいてもよいし、そのような増減を含んでいなくてもよい。また、上記の分布の偏りが見られる範囲において、フィラーの一部が射出成形品の表面側に存在していてもよいし、第2熱可塑性樹脂の一部が射出成形品の内部(中央部)に存在していてもよい。
射出成形品におけるフィラーおよび相溶化剤は、公知の技術により検出できる。例えば、射出成形品を切断し、その断面を顕微鏡で観察したり、元素分析を行うことにより検出できる。
射出成形品の剛性および外観は、射出成形品の用途に応じて適宜に決めることができる。例えば、射出成形品は、プリンタなどの電気機器の構造材(外装材および内装材など)に使用できる。
以上のように、本実施の形態に係る射出成形品は、第1熱可塑性樹脂およびフィラーを有する第1混練物と、第1熱可塑性樹脂および第2熱可塑性樹脂を有する第2混練物とをドライブレンドして射出成形している。このため、溶融した第2混練物により流動性が発揮されるとともに、フィラーが射出成形品の内部に配置されることにより剛性を高くすることができ、第2混練物が射出成形品の表面側に位置することにより良好な外観を維持できる。
以下、本実施の形態について図を用いてより詳しく説明する。図1は、本実施の形態における射出成形品の製造方法の模式図である。
本実施の形態では、せん断粘度が大きい第1混練物10aと、せん断粘度が小さい第2混練物10bとのドライブレンドによる混合物を射出成形の材料に用いる。例えば、第1熱可塑性樹脂1とフィラー2とを溶融混練することによって第1混練物10aが生成される。同様に、第1熱可塑性樹脂1と、第2熱可塑性樹脂3と、相溶化剤4とを溶融混練することによって第2混練物10bが生成される。第1混練物10aおよび第2混練物10bは、例えばペレットとして生成される。
第1混練物10aおよび第2混練物10bは、ドライブレンドの射出成形に関する公知の方法によって十分に混合され、得られた混合物が射出成形機に投入される。射出成形機のシリンダ内において、両混練物は、一様の組成物20になる。より具体的には、組成物20には、フィラー2が豊富な領域20aと、第2熱可塑性樹脂3および相溶化剤4が豊富な領域20bとが混在すると考えられる。
第1混練物10aの第1せん断粘度は、第2混練物10bの第2せん断粘度よりも高いことから、シリンダ内において、フィラー2が豊富な領域20aの粘性は、第2熱可塑性樹脂3が豊富な領域20bの粘性よりも高いと考えられる。その結果、射出成形において、図中のY方向の両側に配置されている不図示の金型に組成物30がX方向に沿って射出されたときに、組成物30は、当該金型内においてファウンテンフローで流動し、組成物20におけるより低粘性な領域20bが、フィラー2が豊富な領域20aに比べて金型の表面(射出成形品の表面)側に移動する。よって、フィラー2が射出成形品の内側に、第2熱可塑性樹脂3が射出成形品の外側にそれぞれ偏在した構造が形成されると考えられる。
フィラーは、射出成形品の剛性を高める効果が高いが、射出成形品の表面およびその近傍に存在すると、射出成形品の外観を悪化させる。
以上のように、実施の形態に係る射出成形品は、外観への影響が少ない第2熱可塑性樹脂が射出成形品の表面およびその近傍に偏在し、剛性を高める効果が高いフィラーが射出成形品の、射出方向(X方向)を横断する断面における、金型の対向方向(Y方向)における中央部に偏在する。このようにフィラーが内部に配置された射出成形品は、剛性が高くなると考えられる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施形態のみに限定されるものではない。
[実施例1]
ポリカーボネート67質量部と、ガラス繊維3質量部とを、二軸混練機(HYPERKTX−30;株式会社神戸製鋼所製)を用いてシリンダ温度270℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練した。溶融混練物をペレダイサーで切断して、直径2〜3mm程度、長さ3〜4mm程度の円筒状のペレットとして、第1混練物を得た。
ポリカーボネート15質量部と、ABS樹脂15質量部とを、二軸混練機を用いてシリンダ温度270℃、スクリュー回転数250rpmで溶融混練した。溶融混練物をペレダイサーで切断して、直径2〜3mm程度、長さ3〜4mm程度の円筒状のペレットとして、第2混練物を得た。
ポリカーボネートは、「Calibre301−10(住化スタイロンポリカーボネート株式会社製)」を使用した。以下、当該ポリカーボネートを「PC1」ともいう。PC1のガラス転移温度は、145℃であった。ABS樹脂は、「トヨラック700−314(東レ株式会社製)」を使用した。ABS樹脂のガラス転移温度は、107℃であった。ガラス繊維は、「CSF 3 PE−455(日東紡績株式会社製)」を使用した。
第1混練物および第2混練物のそれぞれについて、溶融せん断速度1×10/秒でのせん断粘度を、キャピラリーレオメーター(キャピログラフ1D;株式会社東洋精機製作所)を用いて測定した。測定の結果、第1混練物のせん断粘度(第1せん断粘度)が第2混練物のせん断粘度(第2せん断粘度)より大きいことが確認され、さらに、第2混練物の第2せん断粘度に対する第1混練物の第1せん断粘度の比Rηは1.2であった。
第1混練物と第2混練物とをタンブラーによってドライブレンドし、これらのペレットの混合物を得た。得られた混合物を120℃で4時間乾燥させ、その後、射出成形機「JSW−110(株式会社日本製鋼所製)」のホッパーに投じ、射出成形して、射出成形品1を得、実施例1とした。上記射出成形の条件は、シリンダ温度270℃、金型温度80℃、射出速度30mm/秒、保圧50MPaとした。
射出成形品1の形状は、JIS K7171に記載の寸法に準じている。すなわち、射出成形品1は、縦1.6mm、横10mm、長さ100mmの直方体形状だった。
[実施例2]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から65質量部とし、ガラス繊維を3質量部から5質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品2(実施例2)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度より大きく、せん断粘度の比Rηは1.6であった。
[実施例3]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から60質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品3(実施例3)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは2.0であった。
[実施例4]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から50質量部とし、ガラス繊維を3質量部から20質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品4(実施例4)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度より大きく、せん断粘度の比Rηは3.0であった。
[実施例5]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から45質量部とし、ガラス繊維を3質量部から25質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品5(実施例5)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度より大きく、せん断粘度の比Rηは3.6であった。
[実施例6]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から40質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から35質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品6(実施例6)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.7であった。
[実施例7]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から50質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から25質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品7(実施例7)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.8であった。
[実施例8]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から80質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から5質量部とし、ABS樹脂を15質量部から5質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品8(実施例8)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.8であった。
[実施例9]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から82質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から5質量部とし、ABS樹脂を15質量部から3質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品9(実施例9)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.4であった。
[実施例10]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から60質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から10質量部とし、ABS樹脂を15質量部から20質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品10(実施例10)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは2.5であった。
[実施例11]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から60質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートを15質量部から5質量部とし、ABS樹脂を15質量部から25質量部とした以外は、実施例1と同様にして射出成形品11(実施例11)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは3.3であった。
[実施例12]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から60質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、ABS樹脂を15質量部から10質量部とし、相溶化剤を5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして射出成形品12(実施例12)を得た。本実施例においても、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.5であった。相溶化剤は、「Modiper A3400(日油株式会社製)(「Modiper」は、同社の登録商標)」を使用した。
[比較例1]
ポリカーボネート75質量部、ガラス繊維10質量部、ABS樹脂15質量部を一括で溶融混練して得た混練物のペレットを材料として射出成形を行った以外は、実施例1と同様にして射出成形品C1(比較例1)を得た。なお、比較例1は、第1混練物と第2混練物を混練する工程を経て射出成形品C1を作製していないので、せん断粘度を測定していない。
[比較例2]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から70質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第1混練物のポリカーボネートを15質量部から20質量部とし、ABS樹脂を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして射出成形品C2(比較例2)を得た。比較例2では、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは1.2であった。
[比較例3]
第1混練物のポリカーボネートを67質量部から75質量部とし、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第1混練物のポリカーボネートを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして射出成形品C3(比較例3)を得た。比較例3では、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも大きく、せん断粘度の比Rηは4.6であった。
[比較例4]
第1混練物のポリカーボネートに、「Calibre301−22(住化スタイロンポリカーボネート株式会社製)」(以下、PC2ともいう)を60質量部使用し、ガラス繊維を3質量部から10質量部とし、第2混練物のポリカーボネートに、「Calibre301−6(住化スタイロンポリカーボネート株式会社製)」(以下、PC3ともいう)を15質量部使用した以外は、実施例1と同様にして射出成形品C4(比較例4)を得た。比較例4では、第1混練物のせん断粘度が第2混練物のせん断粘度よりも小さく、せん断粘度の比Rηは0.9であった。PC2のガラス転移温度は、130℃であった。また、PC3のガラス転移温度は、150℃であった。
射出成形品1〜12(実施例1〜12)、C1〜C4(比較例1〜4)の組成と、第2せん断粘度に対する第1せん断粘度の粘度比Rη(=第1せん断粘度/第2せん断粘度)を表1に示す。
Figure 2019123085
[評価]
(外観の評価)
射出成形品1〜12(実施例1〜12)および射出成形品C1〜C4(比較例1〜4)のそれぞれについて、キーエンス社製VK−X100を用いて、射出成形品の表面を観察し、当該表面の画像を解析して10点粗さ平均Rzを算出した。そして、下記基準により評価した。
◎:Rzが4μm未満
○:Rzが4μm以上6μm未満
×:Rzが6μm以上
(荷重たわみ温度の評価)
射出成形品1〜12(実施例1〜12)および射出成形品C1〜C4(比較例1〜4)のそれぞれについて、ISO75−1,2に従って荷重たわみ温度を測定した。より詳しくは、HDTテスタ−S3−MH(株式会社東洋精機製作所)を使用し、荷重は1.8MPaとした。荷重たわみ温度は、以下の基準で評価した。
◎:温度が115℃以上
○:温度が100℃以上115℃未満
×:温度が100℃未満
(流動性の評価)
幅10mm、厚み2mmのらせん状の金型に、射出成形品1〜12(実施例1〜12)および射出成形品C1〜C4(比較例1〜4)のそれぞれを用いて、射出成形を行い、流動長さを測定した。金型温度50℃、成形温度270℃、射出速度30mm/秒、射出圧力90MPaとした。流動性は、以下の基準で評価した。
◎:300mm以上
○:250mm以上300mm未満
×:250mm未満
(曲げ弾性率の評価)
射出成形品1〜12(実施例1〜12)および射出成形品C1〜C4(比較例1〜4)のそれぞれについて、JIS K7127に準じた曲げ試験を行った。より詳しくは、株式会社エー・アンド・デイ製の万能材料試験機「テンシロン」を用い、押し込み速度を2mm/分とし、支点間距離を64mmとする測定条件にて、曲げ試験を行った。そして、曲げ弾性率Efを算出した。曲げ弾性率は、以下の基準で評価した。
◎:Efが3500MPa以上
○:Efが3000MPa以上3500MPa未満
×:Efが3000MPa未満
(内部構造)
射出成形品1〜12(実施例1〜12)および射出成形品C1〜C4(比較例1〜4)のそれぞれについて、その表面付近の部分と、それ以外の部分とに切断し、それぞれの部分の樹脂を燃やした後に残るガラス繊維の分布を観察した。その結果、射出成形品1〜12(実施例1〜12)では、射出成形品の表面から離れる程、ガラス繊維が増加していた。
射出成形品C1(比較例1)では、ガラス繊維がほぼ一様に分布していた。また、射出成形品C2(比較例2)では、ガラス繊維の一部が外層に分布していた。また、射出成形品C3(比較例3)では、ガラス繊維は、内部層に偏在していた。また、射出成形品C4(比較例4)では、ガラス繊維の一部が外層に偏在していた。
また、射出成形品12(実施例12)について、表面と、内部層を切りだしTEM観察を行い、相溶化剤の分布を観察した。その結果、射出成形品12(実施例12)では、相溶化剤は外部層に偏在していた。
実施例1〜12および比較例1〜4の評価結果を表2に示す。
Figure 2019123085
表2に示されるように、射出成形品1〜12(実施例1〜12)は、外観、荷重たわみ温度、流動性および曲げ弾性率のいずれもが十分なことがわかる。
これに対して、射出成形品C1(比較例1)は、外観、荷重たわみ温度、流動性および曲げ弾性率のいずれもが不十分であった。これは、熱可塑性樹脂およびガラス繊維を一括して溶融混練したため、ガラス繊維が均一に分散し、射出成形品の表面およびその近傍にも十分な量存在したためと考えられる。射出成形品C2(比較例2)では、外観および流動性が不十分であった。これは、第2混練物にABS樹脂が含有されていないため、流動性が低下しないためと考えられる。射出成形品C4(比較例4)でも、外観および流動性が不十分であった。これは、第1せん断粘度が第2せん断粘度よりも低かったため、フィラーが射出成形品の表面に位置するとともに、流動性が低下しないためと考えられる。射出成形品C3(比較例3)では、荷重たわみ温度および曲げ弾性率が不十分であった。これは、第1混練物にフィラーが含有されていないためと考えられる。
本発明によれば、フィラーと、せん断粘度が十分に異なる二種の溶融混練物とによって、剛性に優れ、かつ樹脂成形品に特有の、表面の見た目の滑らかさを有する射出成形品が得られる。よって、本発明によれば、上記射出成形品の生産性のさらなる向上と、その製造に伴う環境への負荷のさらなる低減との両立が期待される。
1 第1熱可塑性樹脂
2 フィラー
3 第2熱可塑性樹脂
4 相溶化剤
10a 第1混練物
10b 第2混練物
20 組成物
20a フィラーが豊富な領域
20b 第2熱可塑性樹脂および相溶化剤が豊富な領域
30 組成物

Claims (10)

  1. 第1熱可塑性樹脂と、フィラーとを溶融混練して第1混練物を得る工程と、
    前記第1熱可塑性樹脂と、前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂とを溶融混練して第2混練物を得る工程と、
    前記第1混練物および前記第2混練物をドライブレンドして射出成形する工程と、
    を含み、
    せん断速度1×10/秒での前記第1混練物の第1せん断粘度は、前記せん断速度での前記第2混練物の第2せん断粘度よりも大きい、
    射出成形品の製造方法。
  2. 前記第2せん断粘度に対する前記第1せん断粘度の比は、1.5以上である、請求項1に記載の射出成形品の製造方法。
  3. 前記第1熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネートである、請求項1または請求項2に記載の射出成形品の製造方法。
  4. 前記フィラーは、繊維状のフィラーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形品の製造方法。
  5. 前記繊維状のフィラーは、ガラス繊維である、請求項4に記載の射出成型品の製造方法。
  6. 前記第1熱可塑性樹脂、前記フィラーおよび前記第2熱可塑性樹脂の総量を100質量部としたとき、前記第1熱可塑性樹脂の含有量は60〜90質量部であり、前記フィラーの含有量は5〜20質量部であり、前記第2熱可塑性樹脂の含有量は5〜20質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形品の製造方法。
  7. 前記射出成形する工程における前記第1混練物および前記第2混練物の質量比は、90:10〜60:40である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の射出成形品の製造方法。
  8. 前記第2熱可塑性樹脂の第2ガラス転移温度は、前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度よりも30℃以上低い、請求項1〜7のいずれか一項に記載の射出成形品の製造方法。
  9. 前記第2混練物を得る工程では、さらに相溶化剤を溶融混練する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の射出成形品の製造方法。
  10. 第1熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練してなる第1混練物と、前記第1熱可塑性樹脂および前記第1熱可塑性樹脂の第1ガラス転移温度より低い第2ガラス転移温度を有する非晶性の第2熱可塑性樹脂を溶融混練してなる第2混練物とをドライブレンドして射出成形によって製造された射出成形品であって、
    前記フィラーは、前記射出成形品の内側に偏在しており、
    前記第2熱可塑性樹脂は、前記射出成形品の外側に偏在している、
    射出成形品。
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