JP2019156996A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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公亮 中村
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Abstract

【課題】反りやウェルド部の強度低下が抑制された熱可塑性樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練する工程を有する。溶融混練する工程は、混練物に2回以上に分割してフィラーを混合する工程を含む。フィラーの1回目の混合位置と、フィラーの2回目の混合位置とは、熱可塑性樹脂を投入する投入口から吐出口までの長さを100%としたときに、30〜70%の間隔を有する。【選択図】図なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
一般に、家電機器、自動車やOA機器などに使用されている樹脂製品は、射出成形などにより成形されている。近年、環境負担の軽減や、材料コストの低減の観点から、樹脂製品の樹脂材料の使用量を削減することが望まれている。
そして、樹脂材料の使用量を削減する方法として、薄肉成形する方法が知られている。しかしながら、薄肉の樹脂製品は、剛性が低くなってしまうことがある。当該剛性を高くするためには、繊維状のフィラーを添加することが有効である。
しかしながら、繊維状のフィラーの配向性が高い場合、配向方向における熱膨張係数と、配向方向に垂直な平面方向との熱膨張係数との差により、反りが生じてしまうことがあった。
成形品の反りを軽減させるために、ガラス繊維およびガラスフレークを熱可塑性樹脂に添加する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の繊維強化ポリカーボネート熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂と、扁平断面ガラス繊維と、ガラスフレークとを含んでいる。
特開2014−055255号公報
しかしながら、特許文献1に記載の繊維強化ポリカーボネート熱可塑性樹脂組成物は、ガラスフレークを添加しているため、成形体の強度を高める効果が小さい。一方、ガラス繊維は、配向性が高いため、成形品のウェルド部分では強度が低下することがあった。このように、従来の技術では、強度の向上と、反りなどの外観の悪化を抑制する観点から改善の余地があった。
本発明は、反りやウェルド部の強度低下が抑制された熱可塑性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するための一態様として、熱可塑性樹脂組成物の製造方法はバレルの投入口から熱可塑性樹脂を投入し、繊維状のフィラーを混合した後、前記バレルの吐出口から前記熱可塑性樹脂および前記フィラーを含む熱可塑性樹脂組成物が吐出される混練機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、前記熱可塑性樹脂および前記フィラーを溶融混練する工程を有し、前記溶融混練する工程は、混練物に2回以上に分割して前記フィラーを混合する工程を含み、前記フィラーの1回目の混合位置と、前記フィラーの2回目の混合位置とは、前記熱可塑性樹脂を投入する前記投入口から前記吐出口までの長さを100%としたときに、30〜70%の間隔を有する。
本発明によれば、反りやウェルド部の強度低下が抑制された熱可塑性樹脂組成物を製造できる。
図1は、混練機の一例を示す模式図である。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
[熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本実施の一形態に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、溶融混練する工程を含む。
溶融混練する工程では、混練機を用いて、熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練する。
まず、溶融混練する工程で使用する混練機の例について説明する。図1は、混練機の一例を示す模式図である。図1に示されるように、混練機100は、いわゆる二軸混練機であってもよい。混練機100は、バレル110と、複数の投入口120と、1つの吐出口130と、を有する。
バレル110は、その内部で、熱可塑性樹脂およびフィラーを溶融混練する。バレル110の上流側端部に配置された投入口120と、吐出口130との間の長さを「バレル長L」とする。バレル110の上流側には、複数の投入口120が配置されており、下流側には、吐出口130が配置されている。
複数の投入口120は、熱可塑性樹脂またはフィラーをバレル110に投入するために使用される。複数の投入口120は、所定の間隔でバレル110に接続されている。投入口120の数は、複数であれば特に限定されない。本実施の形態では、投入口120の数は、3個である。バレル110の上流側端部に配置された投入口120と、当該投入口120に隣接する投入口120とは、バレル長Lを100%としたときに30〜70%に相当する長さ(0.3L〜0.7L)離間している。また、投入口120と、当該投入口120に下流側で隣接する投入口120とは、バレル長Lを100%としたときに30〜70%に相当する長さ(0.3L〜0.7L)離間していることが好ましい。
吐出口130は、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を外部に取り出すために使用される。吐出口130の数は、1個である。本実施の形態では、吐出口130は、バレル110の投入口120が配置された側の反対側の端部に配置されている。
投入口120に熱可塑性樹脂およびフィラーを投入すると、バレル110内で溶融混練され、所定の時間経過後に吐出口130から熱可塑性樹脂組成物が吐出する。
前述したように、溶融混練する工程では、熱可塑性樹脂およびフィラーを、例えば前述した混練機で溶融混練する。
熱可塑性樹脂の種類は、特に限定されない。熱可塑性樹脂の例には、ポリカーボネート、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラートおよびポリブチレンテレフタレートが含まれる。ポリカーボネートの例には、芳香族ポリカーボネートが含まれる。スチレン系樹脂の例には、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン(PS)および耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)が含まれる。
熱可塑性樹脂は、射出成形品における剛性や靱性などの機械特性およびコストの観点から、芳香族ポリカーボネートまたはスチレン系樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
フィラーは、繊維状のフィラーである。繊維状のフィラーは、射出成形品の剛性を高める。ここで「繊維状」とは、平均直径が20μm以下であり、かつアスペクト比(長径/短径の比)が5以上となる形を意味する。また、フィラーの長さは、成形品における十分な剛性を実現する観点から100μm以上が好ましく、分散性の観点から500μm以下が好ましい。
繊維状のフィラーの材料は、熱可塑性樹脂組成物におけるフィラー(骨材)に通常用いられる無機化合物から適宜に選択できる。繊維状のフィラーの材料の例には、ガラス、タルク、マイカおよびカーボンが含まれる。フィラーの材料は、機械物性とコストの観点から、ガラスが好ましい。繊維状のフィラーは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
繊維状のフィラー形状および大きさは、熱可塑性樹脂組成物中のフィラーの形状、大きさを測定するための通常の方法によって求めることができる。たとえば、フィラーの形状および大きさは、混練物または成形品の断面の拡大画像の解析によって求めることができる。
溶融混練する工程は、2回以上に分割してフィラーを混合する工程を含む。
フィラーを分割して混合する工程では、混練物の溶融混練状態に応じて、フィラーを分割して混合することで、熱可塑性樹脂組成物におけるフィラーの分布を所望の分布にする。
フィラーを分割して混合する工程において、2回目にフィラーを混合するタイミングは、バレル長を100%としたときに、混練物がバレル長の30〜70%に相当する位置を進行している間である。2回目にフィラーを混合するタイミングがバレル長を100%としたときに、混練物がバレル長の30%未満に相当する位置を進行しているときの場合、1回目のフィラーの混合タイミングと近いため、溶融混練される間に、1回目に混合したフィラーとほぼ同じ長さになってしまうおそれがある。一方、当該タイミングが70%超に相当する位置を進行しているときの場合、2回目に混合されるフィラーの溶融混練時間が短く、フィラーの分布が二峰性を有してしまい、所望の分布を得られないおそれがある。
また、混合するフィラーの長さは、以降に混合するフィラーの長さよりも短いことが好ましい。すなわち、1回目に混合するフィラーの長さは、2回目以降に混合するフィラーより短い。2回目に混合するフィラーの長さは、1回目に混合したフィラーより長く、かつ3回目に混合するフィラーよりも短い。混合するフィラーの長さが、以降に混合するフィラーの長さよりも長い場合、熱可塑性樹脂組成物において、短いフィラーが多くなりすぎてしまうため、所望の効果が得られないおそれがある。
熱可塑性樹脂組成物におけるフィラーの含有量は、熱可塑性樹脂組成物に対して5〜30質量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂組成物におけるフィラーの含有量が5質量%未満の場合、成形品の強度の改善効果が小さくなってしまうことがある。一方、熱可塑性樹脂組成物におけるフィラーの含有量が30質量%超の場合、反りが生じてしまい、成形品の外観が悪化することがある。
フィラーを分割して混合する工程において、1回に混合するフィラーの量は、特に限定されない。1回に混合するフィラーの量は、混合するフィラーの全量に対して10質量%以上であることが好ましい。例えば、フィラーの分割回数が2回の場合、1回目に混合するフィラー量:2回目に混合するフィラー量=90:10〜10:90である。また、フィラーの分割回数が3回の場合、例えば、1回目に混合するフィラー量:2回目に混合するフィラー量:3回目に混合するフィラー量=10:10:80、10:80:10などである。1回に混合するフィラーの量が10質量%未満の場合、フィラーを分割して混合する効果がなくなってしまうおそれがある。
また、分割して混合するフィラーは、約等分されていることがより好ましい。混合するフィラーの量比の差が大きすぎると、所望のフィラーの分布が得られないおそれがある。分割して混合するフィラーが約等分されていると、より好ましいフィラーの分布を得ることができる。
フィラーを分割して混合する工程におけるフィラーの分割回数は、2回以上4回以下であり、3回が好ましい。フィラーの分割回数が1回(分割しないで一括で投入)の場合、従来技術と同じである。一方、フィラーを混合する間隔を、バレル長を100%としたときに、混練物がバレル長の30〜70%に相当する位置を進行している間としなければならないため、分割数の最大値は、4回である。
2回目以降にフィラーを混合するタイミングで、せん断速度1×10/secでの混合物のせん断粘度を下げる添加剤を投入してもよい。せん断粘度を下げる添加剤の添加量は、熱可塑性樹脂組成物に対して20質量%以下が好ましい。せん断粘度を下げる添加剤の添加量が20質量%超の場合、添加剤の効果が飽和してしまうおそれがある。
溶融混練する工程において、初期の混練物の粘度が高いとフィラーの分散がより進行する。途中で混練物のせん断粘度を低下させることで、その後に投入したフィラーの分散性が低下する。これにより、長いフィラーが折れる頻度が少なくなり、フィラーの長さがある程度確保されるため、成形品の強度が高くなりやすい。
添加剤の例には、アロイ樹脂、低分子量ポリマー、滑剤、難燃剤が含まれる。添加剤は、分子量が小さく極性が大きいため、熱可塑性樹脂中の分子鎖の自由体積を埋め、熱可塑性樹脂と相互作用し、成形品の強度を高くする観点から、難燃剤が好ましい。
難燃剤は、有機系難燃剤でもよいし、無機系難燃剤でもよい。有機系難燃剤の例には、ブロモ化合物、リン化合物が含まれる。無機系化合物の例には、アンチモン化合物、金属水酸化物が含まれる。難燃剤は、環境への負担を軽減する観点から、非ハロゲン化合物であるリン酸化合物が好ましい。難燃剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、他の工程を含んでもよい。他の工程の例には、溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を冷却する工程と、冷却した熱可塑性樹脂組成物を切断してペレット状にする工程とが含まれる。
溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を冷却する工程では、溶融混練機から吐出した熱可塑性樹脂組成物を冷却する。熱可塑性樹脂組成物を冷却するおよび冷却温度は、適宜設定できる。熱可塑性樹脂組成物を冷却する方法は、水冷でもよいし、空冷でもよい。熱可塑性樹脂組成物の冷却温度は、適宜設定できる。熱可塑性樹脂組成物の冷却温度は、例えば、30℃である。
熱可塑性樹脂組成物を切断する工程では、熱可塑性樹脂組成物をペレダイザーで巻き取りながらペレット状に切断する。
本実施の形態では、繊維状のフィラーを2回以上に分割して混練物に混合している。これにより、熱可塑性樹脂組成物中には、様々な長さの繊維状のフィラーが存在し、繊維状のフィラーは、その長さにより分散性に差異が生じる。これにより、本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物の製造方法により製造された熱可塑性樹脂組成物は、成形品における反りの低減と、ウェルド部における強度低下の抑制とを両立している。
通常、繊維状のフィラーは、取り扱いを容易にする観点から、集束剤により集束されている。溶融混練する工程において、初期に混合した繊維状のフィラー(第1フィラー)は、溶融混練される時間が長いため、熱可塑性樹脂組成物中において、長さが短くなる。また、第1フィラーは、溶融混練されることにより、集束剤による効果が失われるため、熱可塑性樹脂組成物中に広く一様に分散される。
一方、2回目に混合した繊維状のフィラー(第2フィラー)は、第1フィラーよりも溶融混練される時間が短い。よって、熱可塑性樹脂組成物中における第2フィラーの長さは、第1フィラーよりも長い。さらに、集束剤による効果も減少されるため、第1フィラーと比較して分散性も中程度となる。
前述したように、第2フィラーは、混練物が、バレル長を100%としたときに、30〜70%に相当する位置を進行している間に混合される。よって、熱可塑性樹脂組成物中には、所定の分布を有する第1フィラーと、所定の分布を有する第2フィラーが混在する。第1フィラーの分布および第2フィラーの分布は、一部が重なるため、全体として、広い幅の分布を有するフィラーが熱可塑性樹脂組成物に含有される。
一般に、熱可塑性樹脂および一括でフィラーを混合して溶融混練した熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品において、ウェルド部以外の通常部分では、フィラーが適切に配向するため、高い強度が得られる。一方、ウェルド部分では、熱可塑性樹脂組成物の流動方向が通常部分とは異なる(通常部分に対して垂直方向である)ため、強度が著しく低下してしまう。
一方、本実施の形態に係る熱可塑性樹脂の製造方法により製造された熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品では、熱可塑性樹脂組成物の流動方向に沿ってフィラーが配向する傾向がある。このため、ウェルド部以外の通常部分では、フィラーが適切に配向するため、高い強度が得られる。本実施の形態における熱可塑性樹脂組成物は、フィラーの長さと、分散状態とが広い分布を有しているため、ウェルド部分におけるフィラーの配向が適度に乱されている。
具体的には、熱可塑性樹脂組成物中に一様に分布した短い第1フィラーは、長い第2フィラーと比較して配向しにくい。また、第1フィラーは、成形時における第2フィラーの流れを阻害することにより、第2フィラーの配向を乱す。
ここで、分布が重ならないほど長さが異なる2種類のフィラーが熱可塑性樹脂組成物に含有されていた場合、長いフィラー(第2フィラーに相当)に対して短いフィラー(第1フィラー)が短すぎると、短いフィラーが長いフィラーの流れを阻害できず、長いフィラーの配向を乱すことができない。
また、熱可塑性樹脂組成物中の分散状態から検討すると、分散が悪いフィラーは分散が良いフィラーと比較して、フィラー同士の衝突(干渉)が生じやすいため、分散が悪いフィラーは配向しにくい。しかし、熱可塑性樹脂組成物中に短いフィラーが存在しないと、配向を乱すきっかけとなる分子が存在しないため、フィラーの配向がある程度揃ってしまう。
よって、本実施の形態に係る熱可塑性樹脂の製造方法により製造された熱可塑性樹脂組成物は、適度に配向を乱すことができ、通常部分およびウェルド部分において強度を高めることができる。
[実施例1]
ポリカーボネート(PC)65質量%と、ABS樹脂10質量%と、フィラー7.5質量%とを二軸混練機(HYPERKTX 30;株式会社神戸製鋼所)の投入口に投入し(1回目)、温度250℃、回転数250rpmで溶融混練した。二軸混練機の中央部(バレル長の30%に相当する位置、以後「2回目の投入位置」ともいう)からフィラー7.5質量%と、難燃剤10質量%とをさらに混合し(2回目)、熱可塑性樹脂組成物1を得た。
ポリカーボネートとして、SD POLYCA 301−10(住化ポリカーボネート株式会社、「POLYCA」は、同社の登録商標)を使用した。ABS樹脂として、トヨラック 700−314(東レ株式会社、「トヨラック」は同社の登録商標)を使用した。フィラーとして、長さ3mmのガラス繊維であるCSF 3 PE−455(日東紡績株式会社)を使用した。難燃剤として縮合リン酸系化合物であるPX−200(大八化学株式会社)を使用した。
[実施例2]
2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例2の熱可塑性樹脂組成物2を得た。
[実施例3]
1回目においてPCの含有量を75質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更し、2回目で難燃剤を投入しなかったこと以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例3の熱可塑性樹脂組成物3を得た。
[実施例4]
2回目の投入位置をバレル長の70%に相当する位置に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例4の熱可塑性樹脂組成物4を得た。
[実施例5]
1回目でフィラーを投入せず、3回目としてバレル長の80%に相当する位置でフィラー7.5質量%を投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例5の熱可塑性樹脂組成物5を得た。
[実施例6]
1回目に投入するフィラーとして2mmの長さに切断したCSF 3 PE−455を使用し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例6の熱可塑性樹脂組成物6を得た。
[実施例7]
1回目においてPCの含有量を75質量%に変更し、1回目においてフィラーの含有量を2.5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を2.5質量%としたこと以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例7の熱可塑性樹脂組成物7を得た。
[実施例8]
1回目においてPCの含有量を55質量%に変更し、1回目においてフィラーの含有量を15質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を15質量%に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例8の熱可塑性樹脂組成物8を得た。
[実施例9]
1回目においてフィラーの含有量を1.5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を13.5質量%に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例9の熱可塑性樹脂組成物9を得た。
[実施例10]
1回目においてフィラーの含有量を13.5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の50%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を1.5質量%に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例10の熱可塑性樹脂組成物10を得た。
[実施例11]
1回目においてフィラーの含有量を5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の40%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を5質量%に変更し、3回目として、バレル長の80%に相当する位置から5質量%のフィラーを投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例11の熱可塑性樹脂組成物11を得た。
[実施例12]
1回目においてPCの含有量を75質量%に変更し、1回目においてフィラーの含有量を1質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の40%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を2質量%に変更し、3回目として、バレル長の80%に相当する位置から2質量%のフィラーを投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例12の熱可塑性樹脂組成物12を得た。
[実施例13]
1回目においてPCの含有量を55質量%に変更し、1回目においてABS樹脂の含有量を5質量%に変更し、1回目においてフィラーの含有量を10質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の40%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を10質量%に変更し、3回目として、バレル長の80%に相当する位置から10質量%のフィラーを投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例13の熱可塑性樹脂組成物13を得た。
[実施例14]
1回目においてフィラーの含有量を1.5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の40%に相当する位置に変更し、2回目においてフィラーの含有量を7質量%に変更し、3回目として、バレル長の80%に相当する位置から6.5質量%のフィラーを投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例14の熱可塑性樹脂組成物14を得た。
[実施例15]
1回目においてフィラーの含有量を6.5質量%に変更し、2回目の投入位置をバレル長の40%に相当する位置に変更し、2回目においてけるフィラーの含有量を7質量%に変更し、3回目として、バレル長の80%に相当する位置から1.5質量%のフィラーを投入した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして実施例15の熱可塑性樹脂組成物15を得た。
[比較例1]
1回目において、PC75質量%と、ABS樹脂10質量%と、フィラー15質量%とを二軸混練機の投入口に一括で投入し、温度250℃、回転数250rpmで溶融混練して、比較例1の熱可塑性樹脂組成物16を得た。
[比較例2]
1回目においてPCの含有量を75質量%に変更し、1回目においてフィラーを投入せず、2回目の投入位置をバレル長の80%に相当する位置に変更し、2回目において難燃剤を投入せず、2回目においてフィラーの含有量を15質量%に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして比較例2の熱可塑性樹脂組成物17を得た。
[比較例3]
2回目の投入位置をバレル長の80%に相当する位置に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして比較例3の熱可塑性樹脂組成物18を得た。
[比較例4]
2回目の投入位置をバレル長の10%に相当する位置に変更した以外は、実施例1の熱可塑性樹脂組成物1と同様にして比較例4の熱可塑性樹脂組成物19を得た。
各熱可塑性樹脂組成物の構成成分の含有量と、投入位置とを表1に示す。
Figure 2019156996
[評価]
(試験片の成形)
各熱可塑性樹脂組成物を80℃、4時間以上乾燥させた後、射出成形機(JSW−110、株式会社日本製鋼所)を用いて、JIS K 7171に準じた曲げ試験片と、JIS K 7110に準じた衝撃試験片とをそれぞれ作成した。成形条件は、シリンダー温度250℃、金型温度50℃、射出速度30mm/sec、保圧50MPaとした。
ウェルド部測定用の試験片は、試験片の中心部にウェルドが来るようにした金型を用いたこと以外は、前述した条件で成形した。
反り測定用の試験片は、その形状を長さ300mm、幅100mm、厚さ1.6mmとすること以外は、前述した条件で成形した。
[曲げ弾性率の評価]
曲げ弾性率の評価は、JIS K 7171に準拠して曲げ弾性率を測定し、以下の基準で評価した。
◎:4000MPa以上
○:3500MPa以上4000MPa未満
×:3500MPa未満
[衝撃強度の評価]
衝撃強度の評価は、JIS K 7110に準拠したIzod衝撃試験により衝撃強度を算出し、以下の基準で評価した。
◎:7kJ/m以上
○:4kJ/m以上7kJ/m未満
×:4kJ/m未満
[反りの評価]
反りの評価は、作製した各試験片を目視で確認し、以下の基準で評価した。
◎:反っていない
○:反りは軽微であり、許容できる
×:反りが大きく、許容できない
各熱可塑性樹脂組成物を用いた各成形品における測定値と、その評価結果とを表2に示す。
Figure 2019156996
表2に示されるように、フィラーの1回目の混合位置と、フィラーの2回目の混合位置とが投入口から吐出口までの長さを100%としたときに、30〜70%の間隔を有する、実施例1〜15の熱可塑性樹脂組成物1〜15を用いた成形品では、曲げ強度および衝撃強度がいずれも十分であった。これは、熱可塑性樹脂組成物中において、繊維状のフィラーの分布がブロードであり、かつ適度に配向が乱されたためだと考えられる。
一方、フィラーが一括して混合された比較例1の熱可塑性樹脂組成物16を用いた成形品と、2回目の混合位置が投入口から吐出口までの長さを100%としたときに、10%に相当する位置であった比較例4の熱可塑性樹脂組成物19を用いた成形品とでは、曲げ強度が十分でなかった。これは、溶融混練中にフィラーが折れてしまい、成形品に長い繊維状のフィラーが存在しないためと考えられる。
また、2回目の混合位置が投入口から吐出口までの長さを100%としたときに、80%に相当する位置であった比較例2、3の熱可塑性樹脂組成物17、18を用いた成形品では、ウェルド部分における衝撃強度が十分でなかった。これは、成形品におけるフィラーの分布が二峰性を有すると考えられ、長いフィラーの配向を乱すことができなかったことによると考えられる。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物の製造方法により製造された熱可塑性樹脂組成物は、成形品において、反りおよび強度の低下を抑制できる。したがって、熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品のさらなる多様化とさらなる普及とが期待される。
100 混練機
110 バレル
120 投入口
130 吐出口
L バレル長

Claims (9)

  1. バレルの投入口から熱可塑性樹脂を投入し、繊維状のフィラーを混合した後、前記バレルの吐出口から前記熱可塑性樹脂および前記フィラーを含む熱可塑性樹脂組成物が吐出される混練機を用いて、熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記熱可塑性樹脂および前記フィラーを溶融混練する工程を有し、
    前記溶融混練する工程は、混練物に2回以上に分割して前記フィラーを混合する工程を含み、
    前記フィラーの1回目の混合位置と、前記フィラーの2回目の混合位置とは、前記熱可塑性樹脂を投入する前記投入口から前記吐出口までの長さを100%としたときに、30〜70%の間隔を有する、
    熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記フィラーを混合する工程では、前記混練物に3回以上に分割して前記フィラーを混合し、
    前記フィラーの2回目の混合位置と、前記フィラーの3回目の混合位置とは、前記熱可塑性樹脂を投入する前記投入口から前記吐出口までの長さを100%としたときに、30〜70%の間隔を有する、
    請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリカーボネートまたはスチレン系樹脂である、請求項1または請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記フィラーは、繊維状のガラスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記フィラーを混合する工程において、2回目以降に混合する前記フィラーの長さは、その直前に混合する前記フィラーの長さよりも長い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記フィラーを混合する工程において、2回目以降の前記フィラーの混合時には、せん断速度が1×10/secでの前記混合物のせん断粘度を低下させる添加剤をさらに混合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記添加剤は、難燃剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂組成物の総量に対して、5〜30質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記フィラーを混合する工程において、前記フィラーのそれぞれの混合量は、いずれも前記熱可塑性樹脂組成物に含まれる前記フィラーの総量に対して、10質量%以上である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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