JP2001002858A - ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いた成形体の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物およびそれを用いた成形体の製造方法

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JP2001002858A
JP2001002858A JP17635299A JP17635299A JP2001002858A JP 2001002858 A JP2001002858 A JP 2001002858A JP 17635299 A JP17635299 A JP 17635299A JP 17635299 A JP17635299 A JP 17635299A JP 2001002858 A JP2001002858 A JP 2001002858A
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Japan
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polypropylene resin
glass fiber
length
pellet
mini
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JP17635299A
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English (en)
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Masao Sakaizawa
正夫 境澤
Kenji Matsuoka
健二 松岡
Ikuo Tsutsumi
育雄 堤
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン樹脂とガラス繊維とを溶融混
練工程なしに直接射出成形を行う際、樹脂中へのガラス
繊維の分散が良好で、かつ、長繊維強化ポリプロピレン
樹脂並みの機械強度、および衝撃強度に優れると共に、
射出成形時の分級が少なく、成形体毎の品質安定性を高
める樹脂混合物からの組成物及び成形体の製造方法を提
供。 【解決手段】 直径0.4mm〜1.5mm、長さ0.
5mm〜15mmのミニペレット形状のポリプロピレン
樹脂(a)および直径8μm〜20μm、長さ2mm〜
15mmのガラス繊維(b)の混合物からなる直接射出
成形用ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物及びそ
れを用いた成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直接射出成形用ガ
ラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物及びそれを用い
た成形体の製造方法に関し、特に、ポリプロピレン樹脂
中のガラス繊維の分散が良好で、かつ、機械的強度の優
れたガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、軽く、機械的強
度や外観に優れ、成形も容易で入手し易いので、各種の
分野で広く用いられている。特に自動車分野や建築部材
分野あるいは機械部品等においては、軽量化、コスト低
減化或いは美観等の理由で、部品のプラスチック化が進
められており、強度が特に要求される部品についてはガ
ラス繊維で補強されたポリプロピレン樹脂が一般的に用
いられている。ポリプロピレン樹脂をガラス繊維で補強
した射出成形体を製造する方法としては、一般的に樹脂
のペレット又はパウダーにガラス繊維を配合し、溶融混
練機を用いてガラス繊維を含有した2〜5mm粒径のペ
レットにして、次いで、その混練ペレットを射出成形す
る方法が採用されている。しかしながら、このような方
法では、ペレット化するための混練工程における樹脂や
ガラス繊維への剪断応力により、ガラス繊維の切断が起
こり、混練ペレット中のガラス繊維の長さは配合時の長
さよりも著しく短くなっている。更に、射出成形時の可
塑化工程において二度目の剪断を受けるので、射出成形
体に存在するガラス繊維の長さは一段と短くなってお
り、機械的強度、特に剛性、衝撃強度を満足する射出成
形体が得られないという欠点がある。
【0003】このような欠点の改良方法としては、ポリ
プロピレン樹脂ペレット又はパウダーとガラス繊維とを
樹脂の未溶融状態で混合して、溶融混練工程無しに、直
接射出成形することで剪断応力によるガラス繊維の切断
を減少させる方法が検討されているが、成形体にガラス
繊維の束が発生するいわゆる解繊不良が生じる。また、
樹脂パウダーとガラス繊維を混合する方法としては、特
開昭58−155925号、同58−183230号、
同58−215425号、特開平1−218825号の
各公報に、特定の形状を有するポリプロピレン樹脂パウ
ダー(粉末)とガラス繊維を該パウダーの未溶融状態で
混合した後、溶融混練工程無しに、直接射出成形する製
造法で、分散性、機械的強度に優れた射出成形体を得る
ことが可能であると開示されている。
【0004】しかし、このようなパウダーは、その性状
からハンドリング性が悪く、出荷形態も紙袋に限定され
るため作業性が劣ったり、また、飛散すると環境を悪化
し、粒径200μm以下のものが一定の濃度で存在する
と、粉塵爆発を引き起こし易く、長期保存はできない。
更に、射出成形時には、必要な耐熱安定剤をガラス繊維
と同時に混合することとなり、各成分を十分に混合しよ
うとすると攪拌時間が長くなり、ガラス繊維の切断によ
り物性が低下する。また、ガラス繊維が綿状に膨れ上が
ってホッパーへの食込み不良の原因となったり、パウダ
ーの射出成形では可塑化の際に空気を巻き込み易いの
で、ベント付きの成形機の使用が必要となる。更に、プ
ロピレン・エチレン共重合体のパウダーを使用した直接
成形においては、ポリプロピレン樹脂中に存在するゴム
分の分散が十分ではなく、物性の低下や製品表面にゴム
分が輝点となって発生し、外観不良となる等の問題が生
じるので、昨今ではパウダーの使用は減少傾向にある。
また、高強度ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂とし
て、長繊維強化ポリプロピレン樹脂が知られているが、
ガラス繊維高含量のマスターバッチ形態のため成形加工
時に分級が生じやすく、成形体毎のばらつきが大きい課
題が解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、ポリプロピレン樹脂とガラス繊維とを溶
融混練工程なしに直接射出成形を行う際、樹脂中へのガ
ラス繊維の分散が良好で、かつ長繊維強化ポリプロピレ
ン樹脂並みの機械強度、および衝撃強度に優れると共
に、射出成形時の分級が少なく、成形体毎の品質安定性
を高める樹脂組成物及び成形体の製造方法を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリプロピレン樹
脂ペレットの形状をガラス繊維形状に近付けたミニペレ
ット型にすることにより、直接射出成形する際、ガラス
繊維の解繊不良が無く、かつ破損を低減し、ガラス繊維
とポリプロピレン樹脂の分級が少なく、分散性が良好で
あり、かつ機械的強度に優れた射出成形体が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の第
1の発明は、直径0.4mm〜1.5mm、長さ0.5
mm〜15mmのミニペレット形状のポリプロピレン樹
脂(a)および直径8μm〜20μm、長さ2mm〜1
5mmのガラス繊維(b)の混合物からなる直接射出成
形用ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物である。
【0007】また、本発明の第2の発明は、直径0.4
mm〜1.5mm、長さ0.5mm〜15mmのミニペ
レット形状のポリプロピレン樹脂(a)および直径8μ
m〜20μm、長さ2mm〜15mmのガラス繊維
(b)からなる混合物を直接射出成形することを特徴と
するガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂成形体の製造方
法である。
【0008】
【発明の実施の形態】[I]ガラス繊維強化ポリプロピ
レン樹脂射出成形体の製造 (1)原料素材 (a)ポリプロピレン樹脂 本発明において用いられるポリプロピレン樹脂として
は、重合形態により、プロピレン単独重合体、プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレン
ランダム共重合体等に分類されるが、いずれを用いた場
合においても本発明の効果を十分に発揮することができ
る。また、本発明において用いられるポリプロピレン樹
脂のメルトフローレートは、JIS−K7210による
メルトフローレート(MFR)測定装置を用いて、温度
230℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値が3
0〜300g/10分、好ましくは50〜300g/1
0分、特に好ましくは60〜200g/10分である高
流動性のポリプロピレン樹脂であることが好ましい。M
FRが30g/10分未満であるとガラス繊維の分散性
が悪くなり、成形体に解繊不良が発生する。一方、30
0g/10分を超えると成形時の可塑化時間が長くなり
生産性が低下する。
【0009】上記ポリプロピレン樹脂の形状は、ミニペ
レット状であり、そのサイズは直径が0.4mm〜1.
5mm、好ましくは0.8mm〜1.0mm、長さが
0.5mm〜15mm、好ましくは1.0mm〜5mm
である。ミニペレットの直径が0.4mm未満のもの
は、製造コストが高くなり、1.5mmを超えると、成
形時の分球が問題となる。また、長さが0.5mm未満
であると、ハンドリング性に劣り、15mmを超える
と、成形機スクリューへの喰込み不良が発生する。上記
ミニペレットは、ストランドカット法により得られる
が、ポリプロピレンパウダーと同じく溶融し易い。
【0010】(b)ガラス繊維 本発明において用いられるガラス繊維は、一般に、市販
のものを適宜使用することができる。ガラス繊維の直径
としては、8μm〜20μm、好ましくは10μm〜1
5μmであり、ガラス繊維の長さとしては、2mm〜1
5mm、好ましくは3mm〜9mmであり、一繊維束中
にこの繊維を100〜4,000本含む繊維束として用
いるのが好ましい。ガラス繊維の直径が8μm未満で
は、価格が高く経済性に劣り、20μmを超えると機械
的強度が不十分である。また、ガラス繊維の長さが2m
m未満では、優れた機械的強度を発揮するものが得られ
なく、15mmを超えると分散性が悪くなり成形体に解
繊不良が発生する。
【0011】本発明で用いるポリプロピレン樹脂ミニペ
レットは、その形状をガラス繊維に近付けているため、
ガラス繊維の破損を低減し、高流動特性のポリプロピレ
ン樹脂を用いるとさらにガラス繊維の解繊維性を向上さ
せることができる。特に、本発明で用いるミニペレット
の長さ(Lp)とガラス繊維の長さ(Lf)との比であ
るLp/Lfは、好ましくは1/10〜2、より好まし
くは1/3〜2である。Lp/Lfが1/10未満であ
っても、2を超えても物性と生産安定性のバランスが保
てない。
【0012】(c)変性ポリプロピレン樹脂 本発明においては、必要に応じて、不飽和カルボン酸及
び/又はその誘導体で変性したポリプロピレン樹脂を配
合することができる。不飽和カルボン酸及び/又はその
誘導体で変性したポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレ
ン樹脂とガラス繊維の界面接着を目的に配合され、主に
機械的強度の向上を図るために配合されるものであり、
本発明におけるガラス繊維の分散性には殆ど寄与しない
が、機械的強度をより一層向上させる場合には配合する
必要がある。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と
しては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ク
ロトン酸、シトラコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸等
や、これら不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミ
ド、エステル等を挙げることができる。これらの変性さ
れたポリプロピレン樹脂を用いることが好ましく、更に
変性率が0.1〜10重量%のものを用いることが好ま
しい。不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性し
たポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂と溶融混
練し、上記のミニペレット形状にして用いるのが好まし
い。
【0013】(d)その他の成分 本発明においては、更にその他の成分として、射出成形
体の成形加工性、環境適応性を向上させるために添加剤
を配合しても良く、その様な添加剤としては、耐熱安定
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収
剤、中和剤、金属腐食抑制剤、滑剤、難燃剤、核剤、分
散剤、加工安定剤等を挙げることができる。これらの添
加剤は溶融混練等により、成分(a)であるポリプロピ
レン樹脂ミニペレットに予め配合しておくことが好まし
い。
【0014】(2)配合割合 上記原料素材の配合割合は、成分(a)のミニペレット
状のポリプロピレン樹脂100重量部に対し、成分
(b)のガラス繊維が5〜100重量部、好ましくは1
0〜70重量部である。ガラス繊維の量が5重量部未満
では、満足する機械的強度が得られない。一方、100
重量部を超えると、ガラス繊維の分散不良が発生し易く
なる他、費用対効果に劣る。また、必要に応じて配合さ
れる成分(c)の不飽和カルボン酸又はその誘導体で変
性されたポリプロピレン樹脂の配合割合としては、ガラ
ス繊維100重量部に対し、0.01〜10重量部、好
ましくは0.05〜7重量部である。
【0015】(3)混合 上記成分(a)のポリプロピレン樹脂ミニペレット又は
必要に応じて成分(c)の不飽和カルボン酸又はその誘
導体で変性されたポリプロピレン樹脂を配合、溶融混練
して得たミニペレットに、成分(b)のガラス繊維を上
記配合割合で配合した後、ミニペレット状のポリプロピ
レン樹脂が未溶融の状態で混合する。混合は一般に、V
ブレンダー、タンブラー等の既存の混合装置を用いて混
合される。
【0016】(4)射出成形 上記混合を行った後、混合物を射出成形機のホッパーに
投入して直接成形するが、インラインスクリュー式の射
出成形機であれば特に限定されるものではないが、好ま
しくはシャットオフノズル等の鼻タレ防止機構が装備さ
れているものが良い。また、繊維系材料向けに開発され
た、剪断の少ないスクリュー(通称:長繊維用スクリュ
ー)を用いると、より高物性値が得られる。射出成形条
件としては、特に限定されないが、ガラス繊維への樹脂
の介在を良くする上で、成形温度は高めに設定すること
が好ましい。また、ガラス繊維の均一な分散性を得るた
めには、スクリュー背圧を高めて可塑化時間を長くすれ
ば良いが、剪断応力の増加によりガラス繊維が切断さ
れ、機械的強度が低下するので、分散性と機械的強度の
バランスのとれた背圧設定を行うことが好ましい。
【0017】[II]ガラス繊維強化ポリプロピレン樹
脂射出成形体 上記射出成形によりガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂
射出成形体の機械的強度が向上するのは、ポリプロピレ
ン樹脂ミニペレットとガラス繊維を直接射出成形するこ
とにより、溶融混練によるガラス繊維の切断が回避で
き、かつ、ポリプロピレン樹脂とガラス繊維の分級を最
小限に抑えることができるため、ポリプロピレン樹脂と
をガラス繊維の分散性が著しく向上して、繊維長さの長
いガラス繊維が均一に分散した状態の射出成形体を得る
ことができるためである。
【0018】[III]用途 この様な本発明のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射
出成形体は、軽量で、機械的強度や外観に優れ、成形も
容易であることから、種々の成形品に成形して自動車分
野、弱電製品分野、建築部材分野或いは機械部品分野等
において広範囲に使用することができる。例えば、自動
車部品分野では、ラジエータファン、シロッコファン、
ラジエータファンシュラウド、エアクリーナーケース、
タイミングベルトカバー、ドアハンドル、シフトレバ
ー、シフトレバーベース等があり、弱電製品部品では、
エアコンファン等が例示できる。
【0019】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例によって、本発
明を更に具体的に説明する。なお、評価方法は、次の通
りである。 (1)引張り強度:JIS−K7113に準拠して測定
した。 (2)引張り強度のばらつき:JIS−K7113に基
づきN=10で測定し、平均値と標準偏差を算出し、次
式より求めた。 引張り強度のばらつき=標準偏差/平均値 (3)曲げ弾性率:JIS−K7203に準拠して測定
した。 (4)曲げ弾性率のばらつき:JIS−K7203に基
づきN=10で測定し、平均値と標準偏差を算出し、次
式より求めた。曲げ弾性率のばらつき=標準偏差/平均
値 (5)アイゾット衝撃強度:JIS−K7110に準拠
して測定した。 (6)アイゾット衝撃強度のばらつき:JIS−K71
10に基づきN=10で測定し、平均値と標準偏差を算
出し、次式より求めた。 アイゾット衝撃強度のばらつき=標準偏差/平均値 (7)成形製品平均重量:成形品重量を3ショット目か
ら45ショット目の成形品重量の平均値より求めた。 (8)成形製品平均重量のばらつき:成形品重量の平均
値と標準偏差から次式より求めた。 成形製品平均重量のばらつき=標準偏差/平均値
【0020】実施例1 ポリプロピレン(日本ポリケム社製BC06C、MFR
60g/10分、丸型ペレット)98.3重量%、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学社製、無水マ
レイン酸含量1.2重量%、円柱ペレット)1.7重量
%からなる樹脂組成物に、酸化防止剤として、チバスペ
シャルティケミカルズ社製IRGANOX1010及び
チバスペシャルティケミカルズ社製IRGAFOS16
8を上記樹脂組成物100重量部に対してそれぞれ0.
1重量部加え、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合し
た。得られた予備混合物を二軸押出機へ供給し、均一に
溶融混練後、細径ダイスよりストランド状に押出し、冷
却後高速カッターを用いて切断し、直径0.8mm、長
さ1.5mmのミニペレットを得た(これをBPP−2
という。)。
【0021】次いで、BPP−2を60重量%及びガラ
ス繊維(旭ファイバー社製CS03MA411J、平均
繊維直径13μm、平均長さ3mm)を40重量%秤量
し、V字型ブレンダーにて5分間混合した。得られた樹
脂混合物を日本製鋼所社製インラインスクリュー式射出
成形機(J150SSIIVA)へ供給し、成形温度2
60℃、金型温度40℃、射出圧力600kgf/cm
、射出時間15秒、冷却時間30秒、スクリュー回転
数70rpmの条件下にて、JIS準拠物性測定用テス
トピースを成形し、引張り強度、曲げ弾性率、アイゾッ
ト衝撃強度及びそれぞれの物性値のばらつきを求めた。
それらの値を表1に示す。
【0022】上記樹脂混合物を30kg作成し、日精樹
脂工業社製インラインスクリュー式射出成形機(FS3
60S100ASED)へ一度に供給し、長さ300m
m、幅200mm、高さ100mm、肉厚3mmの箱形
成形品を連続成形した。成形条件は、成形温度260
℃、金型温度30℃、射出圧力900kgf/cm
射出時間15秒、冷却時間30秒、スクリュー回転数7
0rpmとした。3ショット分をパージ後、連続成形を
開始し、1ショット目から材料がなくなるまでの成形品
重量を測定した。可塑化条件が安定する3ショット目か
ら45ショット目までの成形品から製品重量の平均値と
標準偏差を算出し、成形製品平均重量のばらつきを求め
た。その結果を表1に示す。
【0023】実施例2 ミニペレットの形状を直径0.8mm、長さ3mmのミ
ニペレット(これをBPP―3という。)としたこと以
外は、実施例1と同様にしてテストピース及び箱形成形
品を得、物性評価及び成形加工評価を行った。結果を表
1に示す。
【0024】実施例3 ミニペレットの形状を直径0.8mm、長さ6mmのミ
ニペレット(これをBPP―4という。)としたこと以
外は、実施例1と同様にしてテストピース及び箱形成形
品を得、物性評価及び成形加工評価を行った。結果を表
1に示す。
【0025】比較例1 ポリプロピレン(日本ポリケム社製BC06C、MFR
60g/10分、丸型ペレット、これをBPP−1とい
う。)59重量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン
(三菱化学社製、無水マレイン酸含量1.2重量%、円
柱ペレット、これを変性PP−1という。)1重量%、
ガラス繊維(旭ファイバー社製CS03MA411J、
平均繊維直径13μm、平均長さ3mm)40重量%か
らなる混合物に、酸化防止剤として、チバスペシャルテ
ィケミカルズ社製IRGANOX1010及びチバスペ
シャルティケミカルズ社製IRGAFOS168を上記
混合物100重量部に対してそれぞれ0.1重量部加
え、V字型ブレンダーにて5分間混合した。得られた混
合物を用いて実施例1と同様にして、JIS準拠物性測
定用テストピース及び箱形成形品を得、物性評価及び成
形加工評価を行った。結果を表1に示す。
【0026】比較例2 ポリプロピレン(MFR60g/10分、ライン抜き出
しのパウダー状物、これをBPP−5という。)59重
量%、無水マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学社
製、無水マレイン酸含量1.2重量%、円柱ペレット)
1重量%、ガラス繊維(旭ファイバー社製CS03MA
411J、平均繊維直径13μm、平均長さ3mm)4
0重量%からなる混合物に、酸化防止剤として、チバス
ペシャルティケミカルズ社製IRGANOX1010及
びチバスペシャルティケミカルズ社製IRGAFOS1
68を上記混合物100重量部に対してそれぞれ0.1
重量部加え、V字型ブレンダーにて5分間混合した。得
られた樹脂混合物を用いて実施例1と同様にして、JI
S準拠物性測定用テストピース及び箱形成形品を得、物
性評価及び成形加工評価を行った。結果を表1に示す。
【0027】比較例3 ポリプロピレン(日本ポリケム社製BC06C、MFR
60g/10分、丸型ペレット)98.3重量%、無水
マレイン酸変性ポリプロピレン(三菱化学社製、無水マ
レイン酸含量1.2重量%、円柱ペレット)1.7重量
%からなる樹脂組成物に、酸化防止剤として、チバスペ
シャルティケミカルズ社製IRGANOX1010及び
チバスペシャルティケミカルズ社製IRGAFOS16
8を上記樹脂組成物100重量部に対してそれぞれ0.
1重量部加え、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合し
た。得られた予備混合物を二軸押出機へ供給し、溶融混
練する際、下流のサイドフィーダーより、上記樹脂組成
物60重量%に対し、ガラス繊維(旭ファイバー社製C
S03MA411J、平均繊維直径13μm、平均長さ
3mm)を40重量%となるように強制的に供給し、均
一に溶融混練しダイスよりストランド状に押出し、冷却
後高速カッターを用いて切断し、ガラス短繊維強化ポリ
プロピレンのペレット(直径2.5mm、長さ3mm)
を得た(これをGFPP−1という。)。次いで、GF
PP−1を用いて実施例1と同様にして、JIS準拠物
性測定用テストピース及び箱形成形品を得、物性評価及
び成形加工評価を行った。結果を表1に示す。
【0028】比較例4 市販のガラス長繊維強化ポリプロピレン(ガラス繊維含
量70重量%、これをGFPP−2という。)を57重
量%、ポリプロピレン(日本ポリケム社製BC06C、
MFR60g/10分、丸型ペレット)を43重量%秤
量し、V字型ブレンダーにて5分間混合した。得られた
樹脂混合物を用いて実施例1と同様にして、JIS準拠
物性測定用テストピース及び箱形成形品を得、物性評価
及び成形加工評価を行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1から明らかなように、本発明の実施例
1、2及び3より、引張り強度、曲げ弾性率、アイゾッ
ト衝撃強度が高く、かつそのばらつきが少なく、さらに
成形品の重量のばらつきが少なく、安定した品質のガラ
ス繊維強化ポリプロピレン樹脂成形体が得られることが
わかる。一方、丸型ペレット及び粉末のポリプロピレン
を用いると、引張り強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃
強度が低く、かつそのばらつきが大きく、さらに成形品
の重量のばらつきが大きく、安定した品質のガラス繊維
強化ポリプロピレン樹脂成形体が得られない(比較例1
及び比較例2)。また、ガラス短繊維強化ポリプロピレ
ン樹脂を用いると、衝撃強度の低下が著しく(比較例
3)、さらにガラス長繊維強化ポリプロピレンを用いる
と、引張り強度及び衝撃強度のばらつき大きく、安定し
た品質の成形体が得られない(比較例4)。
【0031】
【発明の効果】本発明のガラス繊維強化ポリプロピレン
樹脂組成物は、ガラス繊維形状に近いミニペレット形状
のポリプロピレン樹脂を用いているので、直性射出成に
おいて、従来の樹脂ペレットを用いた場合の欠点であっ
たガラス繊維の解繊不良による分散性の悪さを解消し、
樹脂中へのガラス繊維の分散が良好で、引張強度、曲げ
弾性率、アイゾット衝撃強度に優れ、さらに安定した品
質の成形体が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 (72)発明者 堤 育雄 三重県四日市市東邦町1番地 日本ポリケ ム株式会社材料開発センター内 Fターム(参考) 4F206 AA11C AB25 AD04 AD16 AH17 AH46 JA07 JF02 4J002 BB12W BB21X DL006 FA046 FD016 GL00 GN00 GQ00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径0.4mm〜1.5mm、長さ0.
    5mm〜15mmのミニペレット形状のポリプロピレン
    樹脂(a)および直径8μm〜20μm、長さ2mm〜
    15mmのガラス繊維(b)の混合物からなる直接射出
    成形用ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン樹脂のMFRが、30〜
    300g/10分である請求項1記載の直接射出成形用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ミニペレット形状のポリプロピレン樹脂
    (a)が、予めポリプロピレン樹脂と変性されたポリプ
    ロピレン樹脂(c)とを溶融混練して造粒したミニペレ
    ットである請求項1又は2記載の直接射出成形用樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 ミニペレットの長さ(Lp)とガラス繊
    維の長さ(Lf)の比(Lp/Lf)がLp/Lf=1
    /10〜2である請求項1乃至3記載の直接射出成形用
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 直径0.4mm〜1.5mm、長さ0.
    5mm〜15mmのミニペレット形状のポリプロピレン
    樹脂(a)および直径8μm〜20μm、長さ2mm〜
    15mmのガラス繊維(b)からなる混合物を直接射出
    成形することを特徴とするガラス繊維強化ポリプロピレ
    ン樹脂成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 ポリプロピレン樹脂のMFRが、30〜
    300g/10分である請求項5記載のガラス繊維強化
    ポリプロピレン樹脂成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ミニペレット形状の結晶性ポリプロピレ
    ン樹脂が、予めポリプロピレン樹脂(a)と変性された
    ポリプロピレン樹脂(c)を溶融混練して造粒したミニ
    ペレットである請求項5又は6記載のガラス繊維強化ポ
    リプロピレン樹脂成形体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ミニペレットの長さ(Lp)とガラス繊
    維の長さ(Lf)の比(Lp/Lf)がLp/Lf=1
    /10〜2である請求項5乃至7記載のガラス繊維強化
    ポリプロピレン樹脂成形体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317792A (ja) * 2001-04-24 2002-10-31 Mitsubishi Electric Corp シロッコファン及びこのシロッコファンを使用した空気調和機
JP2006515815A (ja) * 2003-01-27 2006-06-08 コミュニティー エンタープライジズ, エルエルシー 成形マシンに対しパージ効果性を最大とさせる装置及び方法
WO2011152439A1 (ja) * 2010-06-03 2011-12-08 ユニチカ株式会社 ポリオレフィン樹脂組成物ペレット、およびそれより得られる成形体
CN114474815A (zh) * 2021-12-29 2022-05-13 南通昶锐模塑科技有限公司 一种儿童座椅注塑件快速成型工艺及产品

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