JP3995795B2 - ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂中へのガラス繊維の分散が良好で、かつ、機械的強度の優れた射出成形体を得るガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン樹脂は、軽く、機械的強度や外観に優れ、成形も容易で入手し易いので、各種の分野で広く用いられている。
特に自動車分野や建築部材分野或いは機械部品等においては、軽量化、コスト低減化或いは美観等の理由で、部品のプラスチック化が進められており、強度が特に要求される部品についてはガラス繊維で補強された樹脂が一般に用いられている。
ポリプロピレン樹脂をガラス繊維で補強した射出成形体を製造する方法としては、一般には樹脂のペレット又はパウダーにガラス繊維を配合し、溶融混練機を用いてガラス繊維を含有した2〜5mm粒径の混練ペレットにして、次いで、その混練ペレットを射出成形する方法が採用されている。
しかしながら、このような方法では、ペレット化するための混練工程における樹脂やガラス繊維への剪断応力により、ガラス繊維の切断が起こり、混練ペレット中のガラス繊維の長さは配合時の長さより著しく短くなっている。更に、射出成形時の可塑化工程において二度目の剪断を受けるので、射出成形体に存在するガラス繊維の長さは一段と短くなっており、機械的強度、特に剛性、衝撃強度を満足する射出成形体が得られないという欠点がある。
【0003】
この様な欠点の改良方法としては、ポリプロピレン樹脂ペレット又はパウダーとガラス繊維とを樹脂の未溶融状態で混合して、溶融混練工程無しに、直接射出成形することで剪断応力によるガラス繊維の切断を減少させる方法が検討されているが、成形体にガラス繊維の束が発生するいわゆる解繊不良が生じる。また、樹脂パウダーとガラス繊維を混合する方法として、特開昭58−155925号、特開昭58−183230号、特開昭58−215425号、特開平1−218825号の各公報によると、特定の形状を有するポリプロピレン樹脂パウダー(粉末)とガラス繊維を該パウダーの未溶融状態で混合した後、溶融混練工程無しに、直接射出成形する製造法で、分散性、機械的強度に優れた射出成形体を得ることが可能であると開示されている。
【0004】
しかし、この様なパウダーは、その性状上からハンドリング性が悪く、出荷形態も紙袋に限定されるため作業性が劣ったり、また、飛散すると環境を悪化し、粒径200μm以下のものが一定の濃度で存在すると、粉塵爆発を引き起こし易く、長期保存はできない。更に、射出成形時には、必要な耐熱安定剤をガラス繊維と同時に混合することとなり、各成分を十分に混合しようとすると攪拌時間が長くなり、ガラス繊維の切断により物性が低下する。また、ガラス繊維が綿状に膨れ上がってホッパーへの食込み不良の原因となったり、パウダーの射出成形では可塑化の際に空気を巻き込み易いので、ベント付きの成形機の使用が必要となる。更に、プロピレン・エチレン共重合体のポリプロピレンのパウダーを使用した直接成形においては、ポリプロピレン中に存在するゴム分の分散が十分ではなく、物性の低下や製品表面にゴム分が輝点となって発生し、外観不良となる等の問題が生じるので、昨今ではパウダーの使用は減少傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、これらの欠点を解消することを目的としてなされたものであり、ポリプロピレン樹脂のペレットとガラス繊維とを溶融混練工程無しに、直接射出成形を行い、樹脂中へのガラス繊維の分散が良好で、かつ、機械的強度の優れた射出成形体を得る製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点に鑑み種々検討を重ねた結果、高流動性を有するポリプロピレン樹脂ペレットを用いて、ガラス繊維と混合することで、直接射出成形した際、ガラス繊維の解繊不良が無く、分散性が良好であり、かつ、機械的強度に優れた射出成形体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法は、下記の成分(a)及び成分(b)を、成分(a)のポリプロピレン樹脂ペレットが未溶融の状態で混合させた後、射出成形することを特徴とするものである。
成分(a): MFR30〜300g/10分のペレット状のポリプロピレン樹脂 100重量部
成分(b): ガラス繊維 5〜100重量部
【0007】
【発明の実施の形態】
[I] ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造
(1) 原料素材
(a) ポリプロピレン樹脂[成分(a)]
本発明において用いられる成分(a)のペレット状のポリプロピレン樹脂としては、高流動性の樹脂のペレット、具体的には、JIS−K7210によるメルトフローレート(MFR)測定装置を用いて、温度230℃、荷重2.16kgの条件下で測定した値が30〜300g/10分、好ましくは50〜300g/10分、特に好ましくは60〜200g/10分であるポリプロピレン樹脂のペレットであれば、特に制限はない。
上記MFRが上記範囲未満の樹脂であるとガラス繊維の分散性が悪くなり、成形体に解繊不良が発生する。一方、上記範囲を超過する樹脂であると成形時の可塑化時間が長くなり生産性が低下する。
【0008】
ペレット状のポリプロピレン樹脂は、耐熱安定剤等の添加剤と溶融混練されて得られた添加剤含有ペレットであることが好ましい。
上記ペレットは、一粒当たりの平均重量が5〜50mg、特に10〜40mgのものであることが好ましい。
ペレットの形状としては、特に限定はないが、ホットカット法により得られる丸型ペレット、ストランドカット法により得られる角型ペレット等を挙げることができる。
丸型ペレットのサイズは、全サイズの平均値として、直径1〜7mmφ、長さ1〜5mmのものが使用できるが、中でも直径2〜4mmφ、長さ1〜3mmのものを使用することが好ましい。
角型ペレットのサイズは、全サイズの平均値として、縦0.5〜5mm、横0.5〜5mm、長さ1〜10mmのものが使用できるが、中でも縦1〜3mm、横2〜4mm、長さ1〜5mmのものを使用することが好ましい。
【0009】
ポリプロピレン樹脂は、重合形態により、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体等に分類されるが、何を用いた場合においても本発明の効果を十分に発揮することができる。
【0010】
(b) ガラス繊維[成分(b)]
本発明において用いられる成分(b)のガラス繊維は、一般に、市販のものを適宜使用することができるが、通常、ガラス繊維の長さとして3〜20mmのものが使用され、中でも、長さが3〜13mmのガラス繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維の長さが上記範囲未満のものは分散性が良好であるが、優れた機械的強度を発揮するものが得られない。一方、上記範囲を超過するものは分散性が悪くなり、成形体に解繊不良が発生する。
また、ガラス繊維を構成するフィラメントの直径は一般に5〜20μmで一繊維束中にこのフィラメントを100〜4,000本含むものを用いることができる。
【0011】
(c) 不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体[成分(c)]
本発明において、必要に応じて用いられる成分(c)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、ポリプロピレン樹脂とガラス繊維の界面接着を目的に配合され、主に機械的強度の向上を図るために配合されるものであり、本発明におけるガラス繊維の分散性には殆ど寄与しないが、機械的強度をより一層向上させる場合には配合する必要がある。
不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸等や、これら不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等を挙げることができる。これらは単独で、若しくは、その誘導体によって変性されたポリオレフィン樹脂を用いることが好ましく、特にポリプロピレン樹脂を母体として変性したものが好ましく、変性率が0.1〜10重量%のものを用いることが好ましい。
その形態はペレット状であることが、成分(a)と成分(b)との分散性の点から好ましい。
【0012】
(d) その他の成分
本発明においては、その他の成分として、射出成形体の成形加工性、環境適応性を向上させるために添加剤を配合しても良く、その様な添加剤としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、金属腐食抑制剤、滑剤、難燃剤、核剤、分散剤、加工安定剤等を挙げることができる。
これらの添加剤は溶融混練等により、成分(a)であるポリプロピレン樹脂ペレットに予め配合しておくことが好ましい。
【0013】
(2) 配合割合
上記原料素材の配合割合としては、成分(a)の高流動性を有するペレット状のポリプロピレン樹脂100重量部に、成分(b)のガラス繊維を5〜100重量部、好ましくは10〜70重量部である。
また、必要に応じて配合される成分(c)の不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂としては、一般に0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。
【0014】
(3) 混 合
上記成分(a)の高流動性を有するペレット状のポリプロピレン樹脂、成分 (b)のガラス繊維、必要に応じて配合される成分(c)の不飽和カルボン酸又はその誘導体を上記配合割合で配合した後、成分(a)の高流動性を有するペレット状のポリプロピレン樹脂が未溶融の状態で混合する。
混合は、一般に、Vブレンダー、タンブラー等の既存の混合装置を用いて混合されるが、各成分の配合順序は、成分(a)と成分(c)を予め混合させた後、成分(b)を混合することが好ましいが、これらの順序に限定されるものではない。
【0015】
(4) 射出成形
上記混合を行った後、混合物を射出成形機のホッパーに投入して直接成形するが、インラインスクリュー式の射出成形機であれば特に限定されるものではないが、好ましくはシャットオフノズル等の鼻タレ防止機構が装備されているものが良い。
射出成形条件としては、特に限定されないが、ガラス繊維への樹脂の介在を良くする上で、成形温度は高めに設定することが好ましい。
また、ガラス繊維の均一な分散性を得るためには、スクリュー背圧を高めて可塑化時間を長くすることであるが、剪断応力の増加によりガラス繊維が切断され、機械的強度が低下するので、分散性と機械的強度のバランスのとれた背圧設定を行うことが好ましい。
【0016】
[II] ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体
上記射出成形によりガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の機械的強度が向上するのは、ポリプロピレン樹脂ペレットとガラス繊維を直接射出成形することにより、溶融混練によるガラス繊維の切断が回避でき、かつ、ポリプロピレン樹脂に流動性の高い素材を用いていることにより、ガラス繊維の一本一本の間にポリプロピレン樹脂が介在し易くなり、ポリプロピレン樹脂とガラス繊維の分散性が著しく向上して、繊維長さの長いガラス繊維が均一に分散した状態の射出成形体を得ることができるためである。
【0017】
[III] 用 途
この様な本発明のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体は、軽量で、機械的強度や外観に優れ、成形も容易であることから、種々の成形品に成形して各種分野で広範囲に使用することができるが、特に自動車分野や建築部材分野或いは機械部品分野等において特に有用である。
【0018】
【実施例】
以下に示す実施例及び比較例によって、本発明を更に具体的に説明する。
[I] 評価方法
(1) ガラス繊維の分散状態
80mm×120mm×2mm厚の外観評価用テストピースにて、ガラス繊維の解繊度合いを目視にて判定した。
判定基準は、集束されたガラス繊維がほぐれずにはっきり白色で残っている状態のものを数えて、次の4ランクで評価した。
○ :分散良好(解繊不良全く無し)
△ :梢不良(解繊不良が1〜2個有る)
× :不良(解繊不良が数個有る)
××:著しい不良(解繊不良が全面に有る)
【0019】
(2) JIS機械物性
機械物性の測定は23℃−50%RHの状態で測定した。
引張強度 :JIS−K7113準拠(JIS1号試験片、テストスピード5mm/分)
三点曲げ弾性率 :JIS−K7203準拠
最大曲げ応力 :JIS−K7203準拠
アイゾット衝撃強度 :JIS−K7110準拠(モールドノッチ付き)
荷重撓み温度 :JIS−K7207準拠(σ:1.81MPa)
フラットダート衝撃強度:日本ポリケム社法
(平板状の試験片に、打撃面がFlat形状であるDartを落下衝突させた時に発生する衝撃吸収エネルギーを測定し、試験材料の衝撃強度を評価する試験方法。
Flat Dart径:20mmφ
Support径 :40mmφ
Dart荷重 :4kg
落下高さ :2m
試験片厚み :2mm )
上記機械物性を総合的に判断し、下記の4ランクの基準で評価した。
◎:十分満足できる
○:満足できる
△:やや不満足
×:不満足
【0020】
[II] 実施例及び比較例
実施例1及び2
ポリプロピレン樹脂ペレットとして、日本ポリケム社製 BC06C(MFR:60g/10分、丸型ペレット形状、平均重量30mg/一粒、添加剤として酸化防止剤0.1重量部を配合し溶融混練したもの)(実施例1)、及び、日本ポリケム社製 TX1498T(MFR:140g/10分、角型ペレット形状、平均重量18mg/一粒、添加剤として酸化防止剤0.1重量部を配合し溶融混練したもの)(実施例2)の二種類の樹脂それぞれ100重量部に対し、ガラス繊維(長さ13mm、直径13μm、集束数1,000本、旭ファイバーグラス社製 13MA411J)を66.7重量部づつ、及び、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂(無水マレイン酸含有量1.2重量%、角型ペレット形状)を2重量部づつ配合し、Vブレンダーにて5分間混合した。
この混合物を日本製鋼所社製のシャットオフノズル機構付きのインラインスクリュー式射出成形機(J150SSIIVA)を用い、成形温度260℃、金型温度40℃、射出圧力600kg/cm2 、射出時間15秒、冷却時間30秒、スクリュー回転数70rpmの条件下にて、JIS機械物性測定用テストピースを成形したが、スクリュー背圧は、試験片に解繊不良が発生しない状態(分散性○)に設定した。
この成形において、射出前の樹脂可塑化の際に、可塑化に伴って射出樹脂量に見合う可塑化前の位置からこのリミットスイッチまでスクリューが後退するのに要する時間を計測し、これを可塑化時間として評価した。
この可塑化時間が短くて、解繊不良のないものが分散性に優れていると判断できる。表1に可塑化時間と分散性及びJIS機械物性を示す。
【0021】
比較例1及び2
ポリプロピレン樹脂ペレットとして、日本ポリケム社製 BC6WHA(MFR:4g/10分、丸型ペレット形状、平均重量25mg/一粒、添加剤として酸化防止剤0.2重量部を配合溶融混練したもの)を用いて、実施例1の方法と同様の方法で材料を調製した後、射出成形を行った。但し、スクリュー背圧を変化させ、解繊不良品(分散性××)(比較例1)と解繊良品(分散性○)(比較例2)とを成形し、それぞれのJIS機械物性を評価した。その結果を表1に示す。
【0022】
比較例3
ポリプロピレン樹脂パウダーとして、日本ポリケム社製 BC03CQ(MFR:30g/10分、粉末、平均重量1mg/一粒)及び添加剤として酸化防止剤0.1重量部の樹脂を用いた以外は実施例1の方法と同様の方法で実施した。その結果を表1に示す。
【0023】
実施例3
実施例1の方法のガラス繊維の変わりに、ガラス繊維(長さ3mm、直径13μm、集束数1,000本、旭ファイバーグラス社製 03MA411J)を用いて、実施例1の方法と同様の方法で実施した。その結果を表2に示す。
【0024】
実施例4
実施例3において、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を添加しなかった以外は実施例3と同様の方法で実施した。その結果を表2に示す。
【0025】
比較例4
実施例3において、ポリプロピレン樹脂ペレットを日本ポリケム社製 BC6WHA(MFR:4g/10分、丸型ペレット形状、平均重量25mg/一粒、添加剤として酸化防止剤0.2重量部を配合し溶融混練したもの)を用いた以外は実施例3と同様の方法で実施した。その結果を表2に示す。
【0026】
比較例5
実施例3において、ポリプロピレン樹脂パウダーとして、日本ポリケム社製 BC03CQ(MFR:30g/10分、粉末、平均重量1mg/一粒)、添加剤として酸化防止剤0.1重量部を用いた以外は実施例3と同様の方法で実施した。その結果を表2に示す。
【0027】
比較例6
実施例3において、ポリプロピレン樹脂ペレット、ガラス繊維及び無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を溶融混練機を用いて混練ペレットにした後、射出成形を行った。その結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
表1より明らかな様に、本発明の実施例1、2及び3は、ポリプロピレンパウダー使用の比較例3及び5と同等の分散性を有しており、特に実施例2においては、可塑化時間も短くなることから、生産性の向上が図れる。また、機械物性についても優れた性能を有しており、ポリプロピレン樹脂パウダーの使用時より、高い物性レベルにあることから、成形体中へのガラス繊維の分散状態が均一で、かつ、長い繊維長さで存在していることが確認できる。
また、比較例1及び4は、樹脂ペレットの流動性が不足し、分散性が劣ることが確認でき、比較例2においては、可塑化時間を長くすることで分散性は良好となった反面、機械物性が十分でないことが確認できる。
実施例4においては、不飽和カルボン酸の含有は、ガラス繊維の分散性には寄与しないことが確認できる。
【0031】
【発明の効果】
このような本発明によれば、高流動性を有するポリプロピレン樹脂ペレットとガラス繊維を該ペレットの未溶融状態で混合して、直接射出成形することにより、従来の樹脂ペレットを用いた場合の欠点であったガラス繊維の解繊不良による分散性の悪さを解消し、樹脂中へのガラス繊維の分散が良好で、かつ、機械的強度、特に曲げ強度、曲げ弾性率等の剛性、引張強度、アイゾット衝撃強度、ポンチによる面衝撃等の耐衝撃性、荷重撓み温度等の耐熱性については、樹脂パウダーを用いた場合よりも優れた物性を得ることができる。
Claims (4)
- 下記の成分(a)及び成分(b)を、成分(a)のポリプロピレン樹脂ペレットが未溶融の状態で混合させた後、射出成形することを特徴とする、ガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法。
成分(a):一粒当たりの平均重量が5〜50mgであり、かつMFR30〜300g/10分のペレット状のポリプロピレン樹脂 100重量部
成分(b):ガラス繊維 5〜100重量部 - 成分(a)のペレット状のポリプロピレン樹脂が、添加剤と溶融混練されて得られた添加剤含有ペレットである、請求項1に記載のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法。
- 成分(b)のガラス繊維の長さが3〜20mmである、請求項1に記載のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法。
- 成分(c)の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によって変性されたポリオレフィン系樹脂0.01〜5重量部を配合してなる、請求項1に記載のガラス繊維強化ポリプロピレン樹脂射出成形体の製造方法。
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