JP2019122974A - エナメル線用導体の製造方法及び製造装置並びにエナメル線の製造方法及び製造装置 - Google Patents

エナメル線用導体の製造方法及び製造装置並びにエナメル線の製造方法及び製造装置 Download PDF

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【課題】焼鈍機構を得ずによる敷地コストや設備コスト、またはエナメル線用導体及びエナメル線の製造コストの増大を抑制してエナメル線用導体及びエナメル線を製造することができる、エナメル線用導体の製造方法及び製造装置並びにエナメル線の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】導体の断面を6角形以上の偶数角形状に圧延する工程と、前記偶数角形状の導体を円形状又は平角形状にする工程と、を含む、エナメル線用導体の製造方法及びエナメル線の製造方法。導体の断面を6角形以上の偶数角形状に圧延する一対の圧延ロールを含む偶数角成形機と、偶数角形状の導体を伸線する伸線ダイスと、を備える、エナメル線用導体の製造装置及びエナメル線の製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、エナメル線用導体の製造方法及び製造装置並びにエナメル線の製造方法及び製造装置に関する。
エナメル線の製造方法としては、例えば、導体を所望の横断面形状や外径に加工する工程と、加工後の導体を焼鈍機構によって焼鈍する工程と、焼鈍後の導体上に皮膜を形成する工程と、を備えた方法がある(例えば、特許文献1参照。)
特開2015−202502号公報
しかし、導体を所望の横断面形状や外径に加工する工程を備えるエナメル線の製造方法では、導体を加工したあとに、導体を焼鈍するための設備や冷却するための設備を備えた焼鈍機構が必要となることから、敷地コスト及び設備コストが増大する。また、焼鈍機構では、焼鈍時の加熱エネルギー及び冷却時の冷却エネルギーが必要となることから、エナメル線の製造コストの増大を招く虞があった。
よって、本発明は、焼鈍機構による敷地コストや設備コスト、またはエナメル線の製造コストの増大を抑制してエナメル線用導体及びエナメル線を製造することができる、エナメル線用導体の製造方法及び製造装置並びにエナメル線の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の[1]〜[3]のエナメル線用導体の製造方法、[4]〜[6]のエナメル線用導体の製造装置、[7]〜[9]のエナメル線の製造方法、及び[10]〜[13]のエナメル線の製造装置を提供する。
[1]導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する工程と、前記偶数角形状の導体を円形状又は平角形状にする工程と、を含む、エナメル線用導体の製造方法。
[2]前記所定の減面率は、10%未満である、前記[1]に記載のエナメル線用導体の製造方法。
[3]前記圧延する工程は、複数回に亘って前記所定の減面率で前記導体を圧延する、前記[1]又は[2]に記載のエナメル線用導体の製造方法。
[4]導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する工程と、前記偶数角形状の導体を円形状又は平角形状にする工程と、前記円形状又は平角形状の導体からなるエナメル線用導体の表面に皮膜を形成する工程と、を含む、エナメル線の製造方法。
[5]前記所定の減面率は、10%未満である、前記[4]に記載のエナメル線の製造方法。
[6]前記圧延する工程は、複数回に亘って前記所定の減面率で前記導体を圧延する、前記[5]又は[6]に記載のエナメル線の製造方法。
[7]導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する一対の圧延ロールを含む偶数角成形機と、前記偶数角形状の導体を伸線する伸線ダイスと、を備える、エナメル線用導体の製造装置。
[8]前記一対の圧延ロールは、外周面に区画された平坦な面で構成された凹部を有し、前記凹部と前記導体とが接触することにより前記導体を前記偶数角形状に圧延する、前記[7]に記載のエナメル線用導体の製造装置。
[9]前記偶数角成形機は、前記一対の圧延ロールを複数備え、互いに隣接する前記一対の圧延ロール同士は、前記導体の長手方向を中心軸として互いに90度ずつ回転して設けられている、前記[7]又は[8]に記載のエナメル線用導体の製造装置。
[10]導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する一対の圧延ロールを含む偶数角成形機と、前記偶数角形状の導体を伸線する伸線ダイスと、伸線された前記導体からなるエナメル線用導体にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布機と、前記エナメル線用導体に塗布された前記エナメル線塗料の焼付を行う焼付炉とを備える、エナメル線の製造装置。
[11]前記焼付炉は、前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させずに前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させるための乾燥炉を備える、前記[10]に記載のエナメル線の製造装置。
[12]前記一対の圧延ロールは、外周面に区画された平坦な面で構成された凹部を有し、前記凹部と前記導体とが接触することにより前記導体を偶数角形状に圧延する、前記[10]又は[11]に記載のエナメル線の製造装置。
[13]前記偶数角成形機は、前記一対の圧延ロールを複数備え、互いに隣接する前記一対の圧延ロール同士は、前記導体の長手方向を中心軸として互いに90度ずつ回転して設けられている、前記[10]から[12]のいずれか1つに記載のエナメル線用導体の製造装置。
本発明のエナメル線用導体の製造方法及び製造装置によれば、焼鈍機構による敷地コストや設備コスト、またはエナメル線用導体の製造コストの増大を抑制してエナメル線用導体を製造することができる。また、本発明のエナメル線の製造方法及び製造装置によれば、焼鈍機構による敷地コストや設備コスト、またはエナメル線の製造コストの増大を抑制してエナメル線を製造することができる。
本発明の実施の形態に係る導体及びエナメル線の製造装置の一例を示す概略図である。 図1の製造装置の偶数角成形機の一例を示す概略図であり、(a)は、上面から見た図、(b)は、導体の進行方向に直交する断面図(図2(a)のA−A断面図)である。 図2の偶数角成形機の圧延ロールの配置の一例を示す図である。 (a),(b),(c)各図は、比較例に係る丸線圧延機によって導体を丸型に圧延する工程の一例を説明する図である。
〔導体の製造装置及びエナメル線の製造装置〕
図1は、本発明の実施の形態に係る導体及びエナメル線の製造装置10の一例を示す概略図である。図1に示されるように、エナメル線の製造装置10は、例えば、導体1が巻き付けられているボビン100と、ボビン100から供給された導体1を偶数角形状に圧延する偶数角成形機11と、偶数角形状の導体1を平角形状に圧延する平角圧延機12と、平角形状の導体1を伸線する平角伸線機13と、伸線された導体1を洗浄する洗浄装置14と、洗浄後の導体1にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布機15と、導体1に塗布されたエナメル線塗料中の溶剤の蒸発及びエナメル線塗料中の樹脂の硬化、すなわち乾燥・焼付けを行いエネメル線2にする焼付炉16と、エナメル線2を巻き取る巻取機17とを備えて構成されている。ここで、「偶数角形状」とは、偶数個の辺により形成された多角形の形状をいう。また、以下では、エナメル線塗料を塗布する直前の状態の導体1を他の状態の導体1と区別して特に「エナメル線用導体1A」ともいう。
(偶数角成形機11)
図2は、偶数角成形機11の一例を示す概略図であり、(a)は、上面から見た図、(b)は、導体1の進行方向(すなわち、長手方向)に直交する断面図(図2(a)のA−A断面図)である。図2(a)に示すように、偶数角成形機11は、導体1の外周面1aを中心方向に圧延する一対の圧延ロール110を備えている。この一対の圧延ロール110は、導体1を挟んで互いに対向する位置に設けられている。
また、この2つ圧延ロール110は、それぞれ導体1に接触しながら中心軸(図2(a)の「+」印及び図2(b)の一点鎖線参照)周りに互いに反対方向に回転することにより、導体1を進行させることができる。
図2(b)に示すように、圧延ロール110は、側面に凹部110aが区画された略円柱状の形状を有している。圧延ロール110の外周の最大外径(例えば、上端部111及び下端部115の直径)は、例えば、50mm〜60mm程度である。凹部110aは、底面113aと、この底面113aの両端において底面113aと90度よりも大きいなす角でそれぞれ接続する壁面112a,114aとにより構成されている。圧延ロール110は、この底面113a及び壁面112a,114aを導体1の外周面1aに接触させて、互いに近づくように移動することにより導体1を圧延する。
換言すれば、圧延ロール110は、円柱状の上端部111と、上端部111の下面側と連続的に接続し下側に向かって縮径する外周面を有する円錐台状の上側中間部112と、上側中間部112の下面側と連続的に接続する円柱状の中央部113と、中央部113の下面側と連続的に接続し下側に向かって拡径する外周面を有する円錐台状の下側中間部114と、下側中間部114の下面側と連続的に接続し、上端部111の直径と略等しい直径を有する円柱状の下端部115とを一体に備えて構成されている。なお、中央部113の外周面は、凹部110aの底面113aを形成する。上側中間部112の外周面及び下側中間部114の外周面は、それぞれ凹部110aの壁面112a,114aを形成する。
好ましくは、底面113a及び壁面112a,114aはともに、平坦な面である。また、好ましくは、底面113a及び壁面112a,114aはともに、所定の値以下の表面粗さを有する。圧延ロール110が導体1を圧延するとき、導体1との摩擦力を低下させるとともに導体1の表面に傷を発生させることを抑制するためである。
また、一対の圧延ロール110を構成する2つの圧延ロール110は、互いに所定の距離(「L」参照)を離れた位置に配置されている。このように配置することにより、導体1の進行方向に直交する断面視(図2(b)の図面視)において、圧延ロール110の凹部110aの2つの底面113a及び4つの壁面112a,114aが略8角形状の一部(具体的には、8角形状のうちの6つの辺)を形成する。
なお、底面113a及び壁面112a,114aが略8角形状の辺を形成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、6角形以上の偶数角形状であればよい。ただし、圧延ロール110が導体1を圧延するとき、導体1と底面113a及び壁面112a,114aとの摩擦を低減するために、8角形以上の偶数角形状とするのが好ましい。より好ましくは、8角形状や、12角形状である。
偶数角成形機11は、上記の圧延ロール110を用いて導体1を互いに対向する方向から内側方向に向かって圧延することにより、導体1の断面を偶数角形状(図2(b)の例では、8角形状)にすることができる。
図3は、偶数角成形機11の圧延ロール110の配置の一例を示す図である。図3に示すように、好ましくは、導体1を挟んで互いに対応する一対の圧延ロール110を複数個設けてもよい。一対の圧延ロール110の数は、適宜調整可能であるが、好ましくは、8〜10個程度である。また、図3に示すように、隣り合う一対の圧延ロール110同士を、導体1の進行方向を中心軸として互いに約90度ずつ回転して配置してもよい。換言すれば、一対の圧延ロール110間において、圧延ロール110の中心軸の方向が導体1の進行方向を回転軸として互いに90度ずつ異なるように配置してもよい。
(平角圧延機12及び平角伸線機13)
平角圧延機12は、厚さと幅とが所定の寸法になるように導体1の上下及び左右を圧延し、導体1の断面を平角形状の形状に加工する。平角圧延機12には、例えば、カセットローラダイス(Cassette Roller Dice:CRD)を用いることができる。なお、平角圧延機12を設けることは必須ではない。平角伸線機13は、導体1を所望の寸法(例えば、製品の仕様に係る寸法)に加工する。平角伸線機13には、例えば、伸線ダイスを用いることができる。
(洗浄装置14及び塗料塗布機15)
洗浄装置14は、伸線後の導体1を洗浄する洗浄液を備えている。洗浄液には、例えば、純水(例えば、RO水)等の水を用いることができる。塗料塗布機15は、例えば、エナメル線塗料を収容する塗料タンク(不図示)と、塗料タンクからエナメル線塗料を汲み上げてエナメル線用導体1Aの外周面1aを被覆する塗料塗布ロール(不図示)と、エナメル線塗料の厚みが均一になるように調整する塗装ダイス(不図示)とを備えている。
(焼付炉16)
焼付炉16は、エナメル線塗料の乾燥(すなわちエナメル線塗料中の溶剤の蒸発)と、エナメル線塗料中の樹脂の硬化(すなわち皮膜の焼付)とを行う。なお、焼付炉16は、エナメル線塗料中の樹脂を硬化させずにエナメル線塗料中の溶剤を蒸発させることのみを行う乾燥炉(不図示)を備えるものであってもよい。
〔エナメル線用導体及びエナメル線の製造方法〕
図1〜図3を参照してエナメル線用導体1A及びエナメル線2の製造方法の概容を説明する。なお、以下では、エナメル線用導体1A及びエナメル線2用に供給される心線として、断面が円形状の導体1を用いる場合を例に挙げて説明する。また、本実施の形態において使用される導体1の素材には、例えば、銅、銅合金等を使用することができる。
(偶数角成形工程)
図1に示されるように、まず、ボビン100に巻きつけられた導体1が偶数角成形機11に導入される。上述のように、偶数角成形機11では、導体1の断面が円形状から偶数角形状に変形される。偶数角成形機11による減面率は、好ましくは、10%未満、より好ましくは、8%未満である。なお、従来の丸伸線加工では、減面率は、約15〜20%である。本発明に係る偶数角成形機11によると、上述した形状を有する圧延ロール110を用いて、従来の丸伸線加工と比較して小さな減面率で導体1を偶数角形状に加工することにより、加工硬化を低減することができる。
導体1の断面を円形状から偶数角形状に変形する工程は、図3に示すように、偶数角成形機11が備える圧延ロール110の数に応じて複数回行ってもよい。このようにすると、小さな減面率で段階的に導体1の断面のサイズを縮小していくことができる。導体1の断面積を小さな減面率で段階的に縮小することにより、導体1を一度に強く圧延することがなくなるため、導体1の加工硬化をさらに低減することができる。
また、図2に示すように、圧延ロール110が導体1を圧延するとき、導体1の一部1bが上述した圧延ロール110間の所定の距離Lの隙間に入り込むことにより、導体1にかかる圧延の応力の一部を解放することができる。これにより、導体1の加工硬化をさらに低減することができる。
(平角圧延工程)
次に、偶数角形状の断面を有する導体1に平角圧延を施す。平角圧延は、1回のみでなく、例えば、多段圧延機を用いて複数に亘って段階的に行ってもよい。
(平角伸線工程)
次に、平角形状の導体1に平角伸線加工を施す。この工程では、導体1を伸線ダイス(不図示)に円滑に通すために、例えば、エマルジョンを含む潤滑油を用いることができる。なお、平角伸線における減面率は、一例として、約20%〜25%とすることができる。
(洗浄工程)
次に、伸線された平角形状の導体1を洗浄する。洗浄により、前述の平角伸線工程で潤滑油を用いた場合に導体1に付着する潤滑油を除去することができる。
(皮膜形成工程)
次に、洗浄後の導体1、すなわちエナメル線用導体1Aを塗装する。具体的には、エナメル線用導体1Aの外周にエナメル線塗料を塗布し、塗布したエナメル線塗料を乾燥及び硬化、つまり、乾燥・焼付を行うことによって、エナメル線用導体1Aの外周に所望の厚さからなる皮膜を有するエナメル線2を形成する。導体1の表面へのエナメル線塗料の塗布、エナメル線塗料を乾燥、及びエナメル線塗料中の樹脂を硬化は、皮膜が所望の厚さとなるまで繰り返し行ってもよい。
エナメル線塗料には、エナメル線2に使用可能なものであれば特に限定されることなく用いることができる。エナメル線塗料中の溶剤には、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、クレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、シクロヘキサノン等を用いることができる。また、エナメル線塗料中の樹脂には、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミド等を用いることができる。
(巻取工程)
塗装が終了したエナメル線2は、巻取機17によって巻き取られる。
前述の各工程は、同一の製造ライン上で実施してもよく、別の製造ライン上で実施してもよい。例えば、洗浄工程と塗装工程との間で製造ラインを切り分け、偶数角成形工程、平角圧延工程、平角伸線工程及び洗浄工程を第1の製造ライン上で実施し、皮膜形成工程及び巻取工程を第2の製造ライン上で実施してもよい。
また、導体1の形状としては、丸線、平角線、異形状の線等が挙げられるが、特に丸線の場合に従来方法に比べてメリットがある。
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、導体1を伸線する前に、圧延ロール110により、伸線による減面率よりも小さい減面率で導体1の断面を偶数角形状に圧延するため、例えば、導体1を丸伸線するときよりも加工硬化を低減することができる。このため、従来必要であった焼鈍工程を不要とすることができる。この結果、焼鈍に必要な焼鈍炉や、焼鈍後の加熱された導体1を冷却するための冷却機を撤廃することができ、焼鈍機構による敷地コスト及び設備コストを大幅に削減することができる。また、加熱エネルギー及び冷却エネルギーの消費量を大幅に削減することができる。これらにより、エナメル線用導体1A及びエナメル線2の製造コストを低減することができる。
(丸線圧延との比較)
図4の各図は、比較例に係る丸線圧延機によって導体1丸型(円形状)に圧延する工程の一例を説明する図である。かかる工程は、図4(a),(b),(c)に示す順で行われる。丸線圧延機21は、導体1をその中心方向に向かって略均一に圧延し導体1の断面のサイズを縮小する。この目的の実現のために、図4各図に示すように、丸線圧延機21は、外周面に半円状の形状を有する凹部210aが区画された円柱形状を有する一対の圧延ロール210を備えている。
一例として、図4(a)に示すように、丸線圧延機21の一対の圧延ロール210は、所定の方向から導体1を圧延し、丸型の導体1を略楕円形状に変形する。次に、図4(b)に示すように、丸線圧延機21の一対の圧延ロール210は、該所定の方向から約90度異なる方向から、略楕円形状導体1をさらに圧延する。図4(a)及び(b)に示す工程を所定の回数繰り返し、最終的に図4(c)に示すように、導体1を丸線圧延前の大きさ(図4(a)の破線参照)から円形状に縮小することができる(図4(c)の斜線を囲む実線参照)。
上述のように、導体1を円形状に縮小するように圧延するためには、一対の圧延ロール210をできる限り互いに近付けて配置することが好ましいが、圧延ロール210を回転させる都合上、この一対の圧延ロール210間には、微小な隙間(図4(c)の「l」参照)が生じてしまう。このため、従来の丸線圧延機21では、丸線圧延加工のとき、この小さな隙間に導体1が引っ掛かり、鋭い突起状の外観不良(「カブリ」ともいう。)が生じることがあった。そして、このカブリが生じた状態で導体1を塗装すると、塗膜と導体1との界面に空気、水分が残留し、それが発泡等の外観不良に繋がることがあった。
これに対し、上述した本発明の実施の形態によれば、導体1の断面を偶数角形状に圧延するために、一対の圧延ロール110を互いに所定の距離Lを離して配置している。このように、圧延ロール110間の間隔を広くとることにより、上述のような突起状の外観不良(カブリ)の発生を低減することができる。これにより、カブリを起因として発生する発泡等の外観不良を低減することもできる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々に変形実施が可能である。例えば、圧延ロール110は、必ずしも円柱形状に限られるものではなく、例えば、導体1と接触しない上端部111及び下端部115は、多角柱形状であってもよい。
100:ボビン、1:導体、1A:エナメル線用導体、1a:外周面、1b:一部、2:エナメル線、10:製造装置、11:偶数角成形機、110:圧延ロール、110a:凹部、110b:底部、110c:壁面、12:平角圧延機、13:平角伸線機、14:洗浄装置、15:塗料塗布機、16:焼付炉、17:巻取機

Claims (13)

  1. 導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する工程と、
    前記偶数角形状の導体を円形状又は平角形状にする工程と、
    を含む、エナメル線用導体の製造方法。
  2. 前記所定の減面率は、10%未満である、
    請求項1に記載のエナメル線用導体の製造方法。
  3. 前記圧延する工程は、複数回に亘って前記所定の減面率で前記導体を圧延する、
    請求項1又は2に記載のエナメル線用導体の製造方法。
  4. 導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する工程と、
    前記偶数角形状の導体を円形状又は平角形状にする工程と、
    前記円形状又は平角形状の導体からなるエナメル線用導体の表面に皮膜を形成する工程と、
    を含む、エナメル線の製造方法。
  5. 前記所定の減面率は、10%未満である、
    請求項4に記載のエナメル線の製造方法。
  6. 前記圧延する工程は、複数回に亘って前記所定の減面率で前記導体を圧延する、
    請求項5又は6に記載のエナメル線の製造方法。
  7. 導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する一対の圧延ロールを含む偶数角成形機と、
    前記偶数角形状の導体を伸線する伸線ダイスと、
    を備える、エナメル線用導体の製造装置。
  8. 前記一対の圧延ロールは、外周面に区画された平坦な面で構成された凹部を有し、前記凹部と前記導体とが接触することにより前記導体を前記偶数角形状に圧延する、
    請求項7に記載のエナメル線用導体の製造装置。
  9. 前記偶数角成形機は、前記一対の圧延ロールを複数備え、
    互いに隣接する前記一対の圧延ロール同士は、前記導体の長手方向を中心軸として互いに90度ずつ回転して設けられている、
    請求項7又は8に記載のエナメル線用導体の製造装置。
  10. 導体の断面を所定の減面率で6角形以上の偶数角形状に圧延する一対の圧延ロールを含む偶数角成形機と、
    前記偶数角形状の導体を伸線する伸線ダイスと、
    伸線された前記導体からなるエナメル線用導体にエナメル線塗料を塗布する塗料塗布機と、
    前記導体に塗布された前記エナメル線塗料の焼付を行う焼付炉と、
    を備える、エナメル線の製造装置。
  11. 前記焼付炉は、前記エナメル線塗料中の樹脂を硬化させずに前記エナメル線塗料中の溶剤を蒸発させるための乾燥炉を備える、
    請求項10に記載のエナメル線の製造装置。
  12. 前記一対の圧延ロールは、外周面に区画された平坦な面で構成された凹部を有し、前記凹部と前記導体とが接触することにより前記導体を前記偶数角形状に圧延する、
    請求項10又は11に記載のエナメル線の製造装置。
  13. 前記偶数角成形機は、前記一対の圧延ロールを複数備え、
    互いに隣接する前記一対の圧延ロール同士は、前記導体の長手方向を中心軸として互いに90度ずつ回転して設けられている、
    請求項10から12のいずれか1項に記載のエナメル線用導体の製造装置。
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