JP2019122553A - X線ct装置及びスキャン計画装置 - Google Patents

X線ct装置及びスキャン計画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019122553A
JP2019122553A JP2018004911A JP2018004911A JP2019122553A JP 2019122553 A JP2019122553 A JP 2019122553A JP 2018004911 A JP2018004911 A JP 2018004911A JP 2018004911 A JP2018004911 A JP 2018004911A JP 2019122553 A JP2019122553 A JP 2019122553A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
protocol
ray
metal
scan
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018004911A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7005354B2 (ja
Inventor
拓也 根本
Takuya Nemoto
拓也 根本
成臣 秋野
Shigeomi Akino
成臣 秋野
博基 田口
Hiromoto Taguchi
博基 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Priority to JP2018004911A priority Critical patent/JP7005354B2/ja
Publication of JP2019122553A publication Critical patent/JP2019122553A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7005354B2 publication Critical patent/JP7005354B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】 金属アーチファクトの対策を適切に選択することである。【解決手段】 実施形態に係るX線CT装置は、記憶部と、プロトコル選択部と、表示制御部とを具備する。前記記憶部は、被検体の第1画像を記憶する。前記プロトコル選択部は、前記第1画像に基づいて、前記被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択する。前記表示制御部は、前記選択されたプロトコルをディスプレイに表示させる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、X線CT装置及びスキャン計画装置に関する。
X線CT(Computed Tomography)装置では、金属(metal)が埋め込まれた被検体を撮像した際に、放射状の金属アーチファクトを含むCT画像を生成する場合がある。金属アーチファクトには、2つの大きな要因がある。第1の要因は、X線が金属の透過中に略ゼロに減衰したことに起因するカウント破綻(Photon Starvation)である。第2の要因は、X線の金属透過による線質の変化に起因する線質硬化(Beam Hardening)である。カウント破綻の対策にはMAR(Metal Artifact Reduction)処理が原理的に有効であり、線質硬化の対策にはマルチエナジー(例、デュアルエナジー)スキャンから推定される仮想単色X線画像(Monochromatic Image)が原理的に有効である。
ここで、MAR処理は、一般撮像における投影空間上で補正を行う方式であり、通常スキャン後の再構成処理として実行される。なお、MAR処理は、画像空間上での推定と投影空間上でのデータ補正を逐次的に実施するため、長い処理時間を必要とする。
一方、マルチエナジー処理は、2つ以上の異なるエネルギーを用いたマルチエナジースキャンにより得られた投影データもしくは画像データから、線質硬化の影響が少ない高エネルギー帯の仮想単色X線画像を生成する方式である。このようなマルチエナジー処理は、生データを収集するスキャンの時点で、MAR処理とは撮像プロトコルが異なる。
これに伴い、金属アーチファクトの対策のうち、MAR処理の結果が不適切だったため、マルチエナジー処理を実行する場合には、別途、スキャンをし直す必要がある。逆に、マルチエナジー処理が不適切だったために、MAR処理を実行する場合には、マルチエナジースキャンで得られた異なるエネルギーの投影データにそれぞれ補正を行う必要がある。このため、デュアルエナジースキャンで得られた投影データを補正する場合には約2倍,の処理時間が必要となる。従って、金属アーチファクトの対策を適切に選択できることが望ましい。
特開2015−62657号公報
発明が解決しようとする課題は、金属アーチファクトの対策を適切に選択することである。
実施形態に係るX線CT装置は、記憶部と、プロトコル選択部と、表示制御部とを具備する。前記記憶部は、被検体の第1画像を記憶する。
前記プロトコル選択部は、前記第1画像に基づいて、前記被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択する。
前記表示制御部は、前記選択されたプロトコルをディスプレイに表示させる。
第1の実施形態に係るX線CT装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態におけるテーブルを説明するための模式図である。 第1の実施形態におけるスキャノ画像及び金属分布画像の一例を示す模式図である。 第1の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態におけるMAR処理の一例を説明するための模式図である。 第1の実施形態におけるデュアルエナジー処理の一例を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における第1変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における第2変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における第3変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 図10の変形動作を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態における第4変形例の動作を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係るX線CTシステムの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態におけるスキャン計画装置70の構成を示すブロック図である。
以下、各実施形態について図面を用いて説明する。なお、X線CT装置には、X線管とX線検出器とが一体として被検体の周囲を回転するRotate/Rotate-Type(第3世代CT)、リング状にアレイされた多数のX線検出素子が固定され、X線管のみが被検体の周囲を回転するStationary/Rotate-Type(第4世代CT)等の様々なタイプがあり、いずれのタイプでも一実施形態へ適用可能である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成を示すブロック図である。X線CT装置1は、X線管11から被検体Pに対してX線を照射し、当該照射されたX線をX線検出器12で検出する。X線CT装置1は、当該X線検出器12からの出力に基づいて、被検体Pに関するCT画像を生成する。
図1に示すX線CT装置1は、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを有する。架台装置10は、被検体PをX線CT撮影するための構成を有するスキャン装置である。寝台装置30は、X線CT撮影の対象となる被検体Pを載置し、X線CT撮影を実行する位置まで移動するための装置である。コンソール装置40は、架台装置10を制御するコンピュータである。
例えば、架台装置10および寝台装置30はCT検査室に設置され、コンソール装置40はCT検査室に隣接する制御室に設置される。なお、コンソール装置40は、必ずしも制御室に設置されなくてもよい。例えば、コンソール装置40は、架台装置10及び寝台装置30とともに同一の部屋に設置されてもよい。いずれにしても架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とは互いに通信可能に有線または無線で接続されている。
架台装置10は、X線管11、X線検出器12、回転フレーム13、X線高電圧装置14、制御装置15、ウェッジ16、コリメータ17及びDAS18を有する。
X線管11は、X線高電圧装置14からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生させる真空管である。照射された熱電子は、ターゲットの焦点に衝突した際のエネルギーによってX線に変換される。これにより、X線管11は、熱電子が衝突したターゲットの焦点から、被検体Pへ照射するX線を発生する。X線管11で発生したX線は、コリメータ17を介してコーンビーム形に成形され、被検体Pに照射される。
X線検出器12は、X線管11から照射され、被検体Pを通過したX線を検出し、当該X線量に対応した電気信号をDAS18へと出力する。X線検出器12は、例えば、X線管の焦点を中心として1つの円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列された複数のX線検出素子列を有する。X線検出器12は、例えば、チャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたX線検出素子列がスライス方向(列方向、row方向)に複数配列された構造を有する。また、X線検出器12は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有し、シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)等の光センサを有する。なお、X線検出器12は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器(半導体検出器)であっても構わない。
回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを回転軸回りに回転可能に支持する。具体的には、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12とを対向支持し、後述する制御装置15によってX線管11とX線検出器12とを回転させる円環状のフレームである。回転フレーム13は、アルミニウム等の金属により形成された固定フレーム(図示せず)に回転可能に支持される。詳しくは、回転フレーム13は、ベアリングを介して固定フレームの縁部に接続されている。なお、本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム13の回転軸又は寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とそれぞれ定義するものとする。回転フレーム13は、制御装置15の駆動機構からの動力を受けて回転軸Z回りに一定の角速度で回転する。なお、回転フレーム13は、X線管11とX線検出器12に加えて、X線高電圧装置14やDAS18を更に備えて支持する。このような回転フレーム13は、撮影空間をなす開口(ボア)が形成された略円筒形状の筐体に収容されている。開口の中心軸は、回転フレーム13の回転軸Zに一致する。回転フレーム13の回転軸Zは、X線管11の回転軸Zと呼んでもよい。なお、DAS18が生成した検出データは、回転フレームに設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から光通信によって架台装置の非回転部分(例えば固定フレーム)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置40へと転送される。なお、回転フレームから架台装置の非回転部分への検出データの送信方法は、前述の光通信に限らず、非接触型のデータ伝送であれば如何なる方式を採用しても構わない。
X線高電圧装置14は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧及びX線管11に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管11が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置14は、後述する回転フレーム13に設けられてもよいし、架台装置10の固定フレーム(図示しない)側に設けられても構わない。
制御装置15は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。処理回路は、ハードウェア資源として、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。また、制御装置15は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により実現されてもよい。制御装置15は、コンソール装置40からの指令に従い、X線高電圧装置14およびDAS18等を制御する。当該プロセッサは、当該メモリに保存されたプログラムを読み出して実現することで上記制御を実現する。また、制御装置15は、コンソール装置40若しくは架台装置10に取り付けられた入力インターフェースからの入力信号を受けて、架台装置10及び寝台装置30の動作制御を行う機能を有する。なお、制御装置15は架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられても構わない。なお、制御装置15は、当該メモリにプログラムを保存する代わりに、当該プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、当該プロセッサは、当該回路内に組み込まれたプログラムを読み出して実行することで上記制御を実現する。
ウェッジ16は、X線管11から照射されたX線量を調節するためのフィルタである。具体的には、ウェッジ16は、X線管11から被検体Pへ照射されるX線が、予め定められた分布になるように、X線管11から照射されたX線を透過して減衰するフィルタである。例えば、ウェッジ16(ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter))は、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したフィルタである。
コリメータ17は、ウェッジ16を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。
DAS18(Data Acquisition System)は、X線検出器12の各X線検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行う増幅器と、増幅された電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、当該デジタル信号が示すデジタル値を有する検出データを生成する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、および収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値のセットである。なお、ビュー番号としては、ビューが収集された順番(収集時刻)を用いてもよく、X線管11の回転角度を表す番号(例、1〜1000)を用いてもよい。以下、検出データにおけるX線強度のデジタル値を、カウント数と呼ぶ。カウント数は、カウント値と呼んでもよい。また、DAS18が生成した検出データは、架台装置10に収容された非接触データ伝送回路(図示せず)を介してコンソール装置40へと転送される。
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
基台31は、支持フレーム34を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。
寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を天板33の長軸方向に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、コンソール装置40による制御、または制御装置15による制御に従い、天板33を移動する。例えば、寝台駆動装置32は、天板33に載置された被検体Pの体軸が回転フレーム13の開口の中心軸に一致するよう、天板33を被検体Pに対して直交方向に移動する。また、寝台駆動装置32は、架台装置10を用いて実行されるX線CT撮影に応じて、天板33を被検体Pの体軸方向に沿って移動してもよい。寝台駆動装置32は、制御装置15からの駆動信号のデューティ比等に応じた回転速度で駆動することにより動力を発生する。寝台駆動装置32は、例えば、ダイレクトドライブモータやサーボモータ等のモータにより実現される。
支持フレーム34の上面に設けられた天板33は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置40は、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44とを有する。メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路44との間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
メモリ41は、種々の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ41は、例えば、第1画像、第2画像、金属分布画像、投影データ、再構成画像データ、処理途中の画像や表示画像のデータ、本実施形態に係る制御プログラムやテーブルを記憶する。
第1画像は、本スキャンと同一検査にて取得されるスキャノ画像(位置決め画像)又は過去に取得された画像である。過去に取得された画像としては、例えば、スキャノ画像、本画像(CT画像)、X線一般撮影画像が適宜、使用可能となっている。スキャノ画像は、単一の撮像方向に限らず、複数の撮像方向により得られた画像でもよく、3D画像でもよい。
第2画像は、本スキャンに対応する画像であり、第1画像、第1画像の第1撮像条件及び本スキャンの第2撮像条件に基づいて、推定機能442aによる推定により得られる。この推定には、例えば、管電圧・管電流に依存するカウント数の変化量の測定結果を示すテーブルが用いられる。テーブルには、カウント数だけでなく、スキャノで計算する水の透過長を記述してもよい。すなわち、テーブルは、予め撮像条件間の差分と、X線強度のデジタル値であるカウント数の変化量とが関連付けられて記述されている。あるいは、テーブルは、予め撮像条件間の差分と、水の透過長の変化量とが関連付けられて記述されていてもよい。例えば撮像条件が管電圧・管電流の場合、図2に示すように、テーブルT1は、管電流及び管電圧の増加分と、カウント数の変化量(又は水の透過長の変化量)とが関連付けて記述されている。第1画像がスキャノ画像の場合、管電流及び管電圧の増加分が大きい値となり、カウント数の変化量も大きな値となる。第1画像が過去のCT画像の場合、管電流及び管電圧の増加分が略ゼロ値となり、カウント数の変化量も略ゼロ値となる。なお、テーブルT1は、増加分に代えて、減少分を用いてもよい。なお、このようなテーブルT1は、キャリブレーションデータを収集する際に、機器毎に作成すればよい。キャリブレーションデータは、予め算出した値としてもよい。
メモリ41は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、メモリ41の保存領域は、X線CT装置1内にあってもよいし、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路44によって生成された医用画像や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ42としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜、使用可能となっている。
入力インターフェース43は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路44に出力する。例えば、入力インターフェース43は、投影データを収集する際の収集条件や、CT画像を再構成する際の再構成条件、CT画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース43としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。なお、本実施形態において、入力インターフェース43は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース43の例に含まれる。
処理回路44は、入力インターフェース43から出力される入力操作の電気信号に応じてX線CT装置1全体の動作を制御する。例えば、処理回路44は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路44は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、システム制御機能441、プロトコル選択機能442、表示制御機能443、画像生成機能444及び画像処理機能445などを実行する。プロトコル選択機能442は、推定機能442a及び選択機能442bを含んでもよい。
システム制御機能441は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。具体的には、システム制御機能441は、メモリ41に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路44内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線CT装置1の各部を制御する。例えば、処理回路44は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路44の各機能を制御する。
プロトコル選択機能442は、メモリ41内の第1画像に基づいて、被検体Pの本スキャンに係るプロトコルとして、第1プロトコルか、又は第2プロトコルを選択する。第1プロトコルは、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す。第2プロトコルは、マルチエナジーCTスキャンを示す。
このようなプロトコル選択機能442は、第1画像に基づいて被検体の金属分布画像を推定する推定機能442aと、推定された金属分布画像に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する選択機能442bと、を備えてもよい。例えば被検体の股関節が人工関節である場合、推定機能442aは、図3(a)に示すように、第1画像としてのスキャノ画像に基づいて、図3(b)に示す如き、スキャノ画像内の人工関節を表す金属分布画像を推定する。選択機能442bは、人工関節の金属分布を有する被検体を本スキャンする前に、金属アーチファクトの対策となる第1プロトコル又は第2プロトコルを適切に選択する。
具体的には、推定機能442aは、第1画像、第1画像の第1撮像条件及び本スキャンの第2撮像条件に基づいて、本スキャンに対応する第2画像を推定し、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。
例えば、メモリ41が、予め撮像条件間の差分と、X線強度のデジタル値であるカウント数の変化量とを関連付けて記述したテーブルT1を記憶しているとする。この場合、推定機能442aは、第1画像の画素毎にカウント数を逆算し、第1撮像条件と第2撮像条件との間の差分に基づいてテーブルT1から変化量を読み出す。また、推定機能442aは、当該読み出した変化量及び逆算した結果から第2画像を推定する。しかる後、推定機能442aは、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。
あるいは、例えば、メモリ41が、予め撮像条件間の差分と、水の透過長の変化量とを関連付けて記述したテーブルT1を記憶しているとする。この場合、推定機能442aは、第1画像の画素毎に透過長を逆算し、第1撮像条件と第2撮像条件との間の差分に基づいてテーブルT1から変化量を読み出す。また、推定機能442aは、当該読み出した変化量及び逆算した結果から第2画像を推定する。しかる後、推定機能442aは、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。
選択機能442bは、推定された金属分布画像に含まれる金属領域の面積に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。
表示制御機能443は、処理回路44の処理に応じて、表示データ等をディスプレイ42に表示させる。例えば、表示制御機能443は、プロトコル選択機能442により選択されたプロトコルをディスプレイ42に表示させる。
画像生成機能444は、DAS18から出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理等の前処理を施したデータを生成する。なお、前処理前のデータ(検出データ)および前処理後のデータを総称して投影データと称する場合や生データと称する場合がある。
画像生成機能444は、当該生成した投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等を用いた再構成処理を行ってCT画像データを生成する。CT画像データは、被検体Pに関するCT値の空間分布を表している。
これに加え、画像生成機能444は、本スキャン時のプロトコルに応じた金属アーチファクト低減手法を用い、CT画像を生成する。例えば、画像生成機能444は、第1プロトコルに応じて、シングルエナジーCTスキャンにより得られた投影データからCT画像を再構成する場合に、金属アーチファクト低減(MAR)処理を実行する。MAR処理は、シングルエナジーCTスキャンにおいて画像を補正する処理であり、投影空間上の補正でもよく、画像空間上の補正でもよい。MAR処理としては、例えば、SEMAR(登録商標)、Smart MAR、O−MARが使用可能となっている。SEMARは、Single Energy Metal Artifact Reductionの略語である。O−MARは、Orthopedic-Metal Artifact Reductionの略語である。
また例えば、画像生成機能444は、第2プロトコルに応じて、マルチエナジーCTスキャンにより得られた生データから、金属アーチファクトを低減させたCT画像(仮想単色X線画像)を生成する。マルチエナジーCTスキャンは、複数種類の異なる管電圧を用いたスキャン手法である。本実施形態では、マルチエナジーCTスキャンのうち、2つの管電圧を用いたデュアルエナジーCTスキャンを一例として用いる。なお、マルチエナジーCTスキャンにおいて生データから基準物質画像を生成する処理に、前述したMAR処理を併用してもよい。
画像処理機能445は、入力インターフェース43を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、画像生成機能444によって生成されたCT画像データを公知の方法により、任意断面の断層像データや3次元画像データに変換する。変換後の断層像データや3次元画像データは、ディスプレイ42に表示される。公知の方法としては、例えば、ボリュームレンダリングや、サーフェスレンダリング、画像値投影処理、MPR(Multi-Planer Reconstruction)処理、CPR(Curved MPR)処理等の3次元画像処理が適宜、使用可能となっている。
なお、システム制御機能441、プロトコル選択機能442、推定機能442a、選択機能442b、表示制御機能443、画像生成機能444、画像処理機能445は、一つの基板の処理回路44により実装されてもよいし、複数の基板の処理回路44により分散して実装されてもよい。同様に、コンソール装置40は、単一のコンソールにて複数の機能を実行するものとして説明したが、複数の機能を別々のコンソールが実行することにしても構わない。
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図4乃至図7を用いて説明する。以下の説明は、第1画像がスキャノ画像である場合を例に挙げて述べる。
始めに、X線CT装置1は、図示しない通信インターフェースを介して検査予約システム等から検査対象の被検体に関する被検体情報(患者情報)を取得する。被検体情報は、患者ID、患者名、生年月日、年齢、体重、性別、検査部位である。なお、被検体情報は、被検体のインプラントを示すインプラント情報を含んでもよい。
続いて、X線CT装置1においては、操作者により、天板33上に患者がセッティングされる。また、操作者による入力インターフェース43の操作により、位置決め撮影の開始位置に天板33が移動する。操作者による入力インターフェース43の操作により、プリセットされたスキャン計画が選択され、当該スキャン計画の詳細条件が設定される。
しかる後、X線CT装置1は、スキャン計画に従って、被検体の位置決め撮影を実行し、被検体のスキャノ画像を生成する。スキャノ画像はメモリ41に保存される。
次に、処理回路44のプロトコル選択機能442は、図4に示すように、メモリ41内のスキャノ画像に基づいて、被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する(ステップST1〜ST4)。この例では、推定機能442aが、スキャノ画像に基づいて、被検体の金属分布画像を推定する(ステップST1〜ST3)。詳しくは、推定機能442aは、スキャノ画像、スキャノ画像の撮像条件、本スキャンの撮像条件に基づいて、本スキャンに対応する第2画像を推定する(ステップST1〜ST2)。また推定機能442aは、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する(ステップST3)。しかる後、選択機能442bが、推定された金属分布画像に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する(ステップST4)。
具体的には、ステップST1において、推定機能442aは、メモリ41内のスキャノ画像を読み込むと共に、メモリ41内のテーブルT1をパラメータとして読み込む。また、推定機能442aは、スキャノ画像の画素毎にカウント数を逆算する。スキャノ画像は被検体の透過像なので、X線強度のカウント数が逆算可能となっている。
ステップST1の後、ステップST2において、推定機能442aは、スキャノ画像の撮像条件(管電圧・管電流)と、本スキャン時の撮像条件(管電圧・管電流)との差分に基づいて、テーブルT1からカウント数の変化量を読み出す。推定機能442aは、逆算したカウント数に、読み出した変化量を加算することにより、本スキャン時のカウント数を推定する。これにより、推定したカウント数を要素(画素)とする第2画像が推定される。
ステップST2の後、ステップST3において、推定機能442aは、推定した第2画像の各要素のカウント数から閾値処理によって金属領域及びカウント破綻領域を判別し、金属分布画像を推定(作成)する。金属分布画像は、第2画像の各要素のうち、金属領域及びカウント破綻領域のカウント数を残し、その他の領域のカウント数を一定値に変換した画像である。一定値は、金属領域及びカウント破綻領域の判別に用いた閾値よりも大きい値である。
ステップST3の後、ステップST4において、選択機能442bは、金属分布画像に基づいて、カウント破綻、線質硬化の影響を判定することにより、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。第1プロトコルは、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す。第2プロトコルは、マルチエナジーCTスキャンを示す。このようなステップST4は、具体的には図5に示すように、ステップST4−1〜ST4−5として実行される。
ステップST4−1において、選択機能442bは、金属分布画像の各要素(画素)のカウント数を閾値判定することにより、金属分布画像を金属領域“1”、カウント破綻領域“2”、及びその他の領域“3”にラベリングする。なお、カウント破綻領域“2”は、カウント破綻の影響がある領域に対応し、第1閾値以下のカウント数の場合を示す。金属領域“1”は、線質硬化の影響がある領域に対応し、第1閾値と第2閾値との間のカウント数の場合を示す。但し、ゼロ値<第1閾値<第2閾値の関係がある。これにより、選択機能442bは、ラベリングした各領域からなる金属マップを作成する。
ステップST4−1の後、ステップST4−3において、選択機能442bは、金属マップに基づいて、金属領域の面積Nを算出する。金属領域の面積Nは、例えば、略連続した金属領域“1”の個数及びカウント破綻領域“2”の個数の合計である。選択機能442bは、金属領域の面積Nが閾値Nthを超えるか否かを判定し、閾値Nthを超える場合にはステップST4−4に移行する。否の場合にはステップST4−5に移行する。なお、金属領域の面積Nが大きい場合には、少なくとも線質硬化の影響があるため、少なくともデュアルエナジー処理を実行することが好ましい。
ステップST4−3の後、ステップST4−4において、選択機能442bは、金属領域S_Mに対するカウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)が閾値Sthを超えるか否かを判定する。金属領域S_Mは、金属領域の面積Nである。カウント破綻領域S_PSは、金属領域の面積Nのうち、カウント破綻領域“2”の個数である。すなわち、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)は、被検体内の金属により減弱した領域のうち、カウント破綻領域がどの位あるかを示している。なお、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)は、金属が大きくなるに従い、大きくなる傾向がある。従って、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)が大きい場合には、少なくともカウント破綻の影響が大きいため、少なくともMAR処理を実行することが好ましい。
ステップST4−4の判定の結果、閾値Sthを超える場合には、デュアルエナジーCTスキャンを含む第2プロトコルを選択する。但し、この場合、デュアルエナジーCTスキャンにおいて、MAR処理を併用するプロトコルとする。判定の結果が否の場合には、デュアルエナジーCTスキャンを含む第2プロトコルを選択する。
ステップST4−3の後、ステップST4−5において、選択機能442bは、金属領域S_Mに対するカウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)が閾値Sthを超えるか否かを判定する。ステップST4−5の判定の結果、閾値Sthを超える場合には、シングルエナジーCTスキャン及びMAR処理を含む第1プロトコルを選択する。判定の結果が否の場合には、デュアルエナジーCTスキャンを含む第2プロトコルを選択する。
ステップST4−4又はST4−5の後、ステップST5〜ST6において、表示制御機能443は、選択されたプロトコルをディスプレイ42に表示させる。これにより、本スキャン用に推奨されるプロトコルが操作者に提示される。
例えば、図3(a)に示すようにスキャノ画像が人工関節の場合、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)が大きいため、MAR処理を含む第1プロトコルが提示される。また、スキャノ画像が幾つかの脳動脈用クリップを含む場合、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)が小さいため、デュアルエナジー処理を含む第2プロトコルが提示される。また例えば、スキャノ画像が背骨に沿って配置された脊椎内固定具を含む場合、金属領域の面積Nと、カウント破綻領域S_PSの割合(S_PS/S_M)との両者が大きいため、MAR処理を併用したデュアルエナジー処理を含む第2プロトコルが提示される。
以下、提示されたプロトコルに基づいて、操作者が本スキャンに用いるプロトコルを決定する。続いて、X線CT装置1は、操作者による入力インターフェース43の操作に応じて、メモリ41内のスキャノ画像を用いて撮影範囲を設定し、撮影開始位置に天板33を移動させる。しかる後、X線CT装置1は、決定されたプロトコルに従って、本スキャンを実行する。
例えば、第1プロトコルに従って本スキャンを実行する場合、X線CT装置1は、シングルエナジーCTスキャンによりMAR処理を実行する。ここでは、MAR処理の一例であるSEMAR処理について図6を用いて述べる。SEMAR処理は、画像生成機能444により実行され、オリジナル投影データd1から様々なデータd2〜d8を介し、金属アーチファクトを低減したCT画像データとしての最終画像d9を生成する。
具体的には、DAS18の出力からオリジナル投影データd1を生成する。
オリジナル投影データd1を再構成し、CT画像データであるオリジナル画像d2を生成する。
オリジナル画像d2から金属領域を抽出して金属画像d3を生成する。
金属画像d3を順投影して金属領域の投影データd4を生成する。
金属領域の投影データd4を用い、オリジナル投影データd1の金属領域を補間により除去し、補間後の投影データd5を生成する。
補間後の投影データd5を逆投影し、補間後の画像d6を生成する。補間後の画像d6から金属領域をさらに除去するように、図示しない中間データや順投影を利用し、除去後の投影データd7を生成する。
除去後の投影データd7を逆投影し、除去後の画像d8を生成する。除去後の画像d8に金属画像d3を付加し、最終画像d9を生成する。最終画像d9はメモリ41に保存される。以上により、SEMAR処理が完了する。
また例えば、第2プロトコルに従って本スキャンを実行する場合、X線CT装置1は、デュアルエナジーCTスキャンによりデュアルエナジー処理を実行する。ここでは、デュアルエナジー処理の一例について図7を用いて述べる。なお、この例の詳細は、特許文献1に開示されている。このため、以下では、この例を簡単に述べる。
ステップST11において、低管電圧と高管電圧とを用いたデュアルエナジーCTスキャンが実行される。低管電圧が印加されたビューにおいては低管電圧生データセットLow(ch, seg, view)がDAS18により収集される。高管電圧が印加されたビューにおいては高管電圧生データセットHigh(ch, seg, view)がDAS18により収集される。低管電圧生データセットLow(ch, seg, view)と高管電圧生データセットHigh(ch, seg, view)とは、チャンネル(X線検出器12の読出しチャンネル)ch、セグメント(X線検出器12のX線検出素子列)seg、及びビューviewの関数として表記される。なお、低管電圧生データと高管電圧生データとを周回毎に交互に収集する方式は、2回転方式(Slow-kV switching方式)と呼ばれている。低管電圧生データと高管電圧生データとをビュー毎に交互に収集する方式は、高速スイッチング方式(Fast-kV switching方式)と呼ばれている。ステップST11は、2回転方式(Slow-kV switching方式)又は高速スイッチング方式(Fast-kV switching方式)のいずれで実施してもよい。いずれにしても、DAS18は、高管電圧生データセット及び低管電圧生データセットをコンソール装置40に出力する。
ステップST11の後、ステップST12−1,ST12−2において、画像生成機能444は、DAS18から出力された高管電圧生データセット及び低管電圧生データセットに前処理を施す。しかる後、前処理後の低管電圧生データセットinLow(ch, seg, view)及び前処理後の高管電圧生データセットinHigh(ch, seg, view)を得る。
ステップST12−1,ST12−2の後、ステップST13−1,ST13−2において、画像生成機能444は、前処理後の低管電圧生データセットinLow(ch, seg, view)及び前処理後の高管電圧生データセットinHigh(ch, seg, view)に、それぞれ補正係数を乗じてスケーリング処理を施す。補正係数は、管電圧各々について、X線の理想的なエネルギースペクトルからの実際のエネルギースペクトルのエネルギー差に起因するノイズ成分を抑制するための係数である。しかる後、スケーリング処理後の低管電圧生データセットoutLow(ch, seg, view)及びスケーリング処理後の高管電圧生データセットoutHigh(ch, seg, view)を得る。
ステップST13−1,ST13−2の後、ステップST14において、画像生成機能444は、それぞれスケーリング処理後の低管電圧生データセット及び高管電圧生データセットに生データ分解処理を施す。これにより、第1の基準物質に対応する第1のデータセット(以下、第1基準物質生データセットと呼ぶ)と第2の基準物質に対応する第2のデータセット(以下、第2基準物質生データセットと呼ぶ)とを発生する。基準物質としては、被検体P内に存在する如何なる物質でも適用可能である。例えば、第1の基準物質と第2の基準物質とは、水、脂肪、骨(カルシウム)、及びヨウ素等の中から適宜選択可能である。生データ分解処理は、既知の方法が用いられればよい。従って生データ分解処理の詳細な説明については省略する。
ステップST14の後、ステップST15−1,ST15−2において、画像生成機能444は、第1基準物質生データセットに再構成処理を施して第1基準物質画像データセットを発生する。第1基準物質画像は、第2基準物質に対する第1基準物質の存在比率の空間分布を示す画像である。同様に、画像生成機能444は、第2基準物質生データセットに再構成処理を施して第2基準物質画像データセットを発生する。第2基準物質画像は、第1基準物質に対する第2基準物質の存在比率の空間分布を示す画像である。再構成処理としては、例えば、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法等が適宜、使用可能となっている。また、デュアルエナジー処理にMAR処理を併用する場合、ステップST15−1,ST15−2の再構成処理において、図6に示した如き、MAR処理を実行する。
ステップST15−1,ST15−2の後、ステップST16において、画像生成機能444は、第1基準物質画像と第2基準物質画像とに基づいて、仮想単色X線画像を生成する。仮想単色X線画像は、メモリ41に保存される。以上により、デュアルエナジー処理が完了する。
上述したように本実施形態によれば、被検体の第1画像を記憶する。第1画像に基づいて、被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択する。選択されたプロトコルをディスプレイに表示させる。このように、被検体の第1画像に基づいて、金属アーチファクト低減処理か又はマルチエナジー処理を選択する構成により、金属アーチファクトの対策を適切に選択することができる。
また、本実施形態によれば、第1画像に基づいて被検体の金属分布画像を推定する。推定された金属分布画像に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。これにより、前述した作用効果に加え、被検体内の金属分布に応じて、プロトコルを選択することができる。例えば、金属分布画像において、少数の大きい金属を示す場合にはカウント破綻の影響が強く、細かい金属の点在を示す場合には線質硬化の影響が強いという傾向がある。この傾向に基づき、MAR処理、デュアルエナジー処理、又はその両方を含むようにプロトコルを選択すればよい。
また、本実施形態によれば、第1画像、第1画像の第1撮像条件及び本スキャンの第2撮像条件に基づいて、本スキャンに対応する第2画像を推定し、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。このように、撮像条件に基づいて本スキャンに対応する第2画像を推定し、第2画像から金属分布画像を推定するため、推定される金属分布画像の精度の向上を期待することができる。
また、本実施形態によれば、予め撮像条件間の差分と、X線強度のデジタル値であるカウント数の変化量とを関連付けて記述したテーブルを更に記憶する。第1画像の画素毎にカウント数を逆算する。第1撮像条件と第2撮像条件との間の差分に基づいてテーブルから変化量を読み出す。当該読み出した変化量及び逆算した結果から第2画像を推定し、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。このように、撮像条件間の差分に基づいてテーブルからカウント数の変化量を読み出すことにより、第2画像の推定を容易に実行することができる。
補足すると、推定されるカウント数が非常に小さいカウント破綻領域(背景ノイズ程度の場合)については、カウント破綻の影響が強いため、MAR処理が推奨される。また、推定されるカウント数が小さいが、ある程度の値を持つ金属領域については、線質硬化の影響が強いため、デュアルエナジー処理が推奨される。カウント破綻領域と金属領域とが密接する場合には、両処理の併用が推奨される。あるいは、カウント破綻領域の面積と金属領域の面積とを合計した面積Nが大きい場合で且つ、面積Nに占めるカウント破綻領域の面積の割合が高いときには、両処理の併用が推奨される。
また、本実施形態によれば、予め撮像条件間の差分と、水の透過長の変化量とを関連付けて記述したテーブルを更に記憶する。第1画像の画素毎に水の透過長を逆算する。第1撮像条件と第2撮像条件との間の差分に基づいてテーブルから変化量を読み出す。当該読み出した変化量及び逆算した結果から第2画像を推定し、推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、金属分布画像を推定する。このように、撮像条件間の差分に基づいてテーブルから水の透過長の変化量を読み出すことにより、第2画像の推定を容易に実行することができる。
また、本実施形態によれば、推定された金属分布画像に含まれる金属領域の面積に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。これにより、例えば、大きい金属の場合にはカウント破綻の影響が強いことから、少なくとも金属アーチファクト低減処理を実行するように、プロトコルを選択することができる。
なお、本実施形態は、金属領域の面積に限らず、さらに、金属領域の個数、金属領域の形状、金属領域の位置、被検体のインプラント(体内に埋め込まれた器具)といった様々な事項を用いるように変形できる。以下、第1乃至第4変形例として順に述べる。
<第1変形例>
第1変形例は、選択機能442bが、前述した機能に加え、金属領域の個数に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。補足すると、被検体内に小数の大きな金属を含む場合にはカウント破綻の影響が強く、複数の細かい金属が並ぶ場合には線質硬化の影響が強い。前者の場合にはMAR処理を推奨し、後者の場合にはデュアルエナジー処理を推奨することが好ましい。
これに伴い、選択機能442bは、連続した金属領域の個数と、金属領域の面積Nと、カウント破綻領域の割合(S_PS/S_M)との兼ね合いに応じて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。
他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、以上のように構成されたX線CT装置1の動作について図8を用いて説明する。
いま、前述同様に、ステップST1からステップST4−4又はST4−5までの処理が実行されたとする。
ステップST4−4又はST4−5の後、ステップST4−6において、選択機能442bは、残りの連続した金属領域があるか否かを判定する。残りの連続した金属領域がある場合にはステップST4−3に戻る。否の場合には、各々のプロトコルのオア条件をとる。例えば、1つ目の金属領域に対してMAR処理を含む第1プロトコルを選択し、2つめの金属領域に対してデュアルエナジー処理を含む第2プロトコルを選択した場合、デュアルエナジー処理にMAR処理を併用する第2プロトコルを選択する。
以下、前述同様に、ステップST5,ST6以降の処理を実行する。
上述したように第1変形例によれば、金属領域の個数に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。このように、金属領域の個数を考慮するため、第1の実施形態の作用効果に加え、より適切に金属アーチファクトの対策を選択することができる。
なお、第1変形例は、ステップST4−4において、デュアルエナジー処理とMAR処理とを併用する第2プロトコルを選択した場合には、ステップST4−6を省略するように変形してもよい。この場合、第1変形例の作用効果に加え、ステップST4−6からステップST4−3に戻るループを省略することができる。
<第2変形例>
第2変形例は、選択機能442bが、前述した機能に加え、金属領域の形状に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。補足すると、一般にストリーク状の金属アーチファクトは、高吸収体の突出した形状部から発生する。ペースメーカや脊椎内固定具などの複雑な形状の金属を含む場合、MAR処理における金属領域の同定が困難であり、MAR処理後に金属アーチファクトが残ることがある。よって、この場合、MAR処理とデュアルエナジー処理を併用することが好ましい。
これに伴い、選択機能442bは、金属領域の形状が複雑か否かに応じて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。例えば、金属領域の輪郭を抽出し、輪郭が突出部を含む場合には、金属領域の形状が複雑であると判定してもよい。
他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、以上のように構成されたX線CT装置1の動作について図9を用いて説明する。
いま、前述同様に、ステップST1からステップST4−1までの処理が実行されたとする。
ステップST4−1の後、ステップST4−2において、選択機能442bは、金属領域の形状が複雑か否かを判定する。金属領域の形状が複雑な場合には、ステップST4−3,ST4−4をスキップして、デュアルエナジー処理にMAR処理を併用する第2プロトコルを選択し、ステップST5,ST6以降の処理を実行する。また、ステップST4−2の判定の結果、否の場合にはステップST4−3に移行し、前述同様に、ステップST4−3以降の処理を実行する。
上述したように第2変形例によれば、金属領域の形状に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。このように、金属領域の形状を考慮するため、第1の実施形態の作用効果に加え、より適切に金属アーチファクトの対策を選択することができる。
<第3変形例>
第3変形例は、選択機能442bが、前述した機能に加え、金属領域の位置に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。補足すると、被検体Pの体軸と直交する方向に複数の金属領域が並ぶ場合には、カウント破綻及び線質硬化の各々の影響が強くなる。このため、連続した金属領域の位置と、金属領域の個数と、金属領域の面積Nと、カウント破綻領域の割合(S_PS/S_M)との兼ね合いに応じて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択することが好ましい。
これに伴い、選択機能442bは、体軸と直交する方向に複数の金属領域が並ぶか否かを判定し、判定結果に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。なお、この場合、第1画像としては、複数方向から撮像したスキャノ画像、又は過去のCT画像が好ましい。但し、第1画像が単一方向から撮像したスキャノ画像であっても、予め被検体のインプラントのパターン画像を記録しておき、金属マップとのパターンマッチングにより、上記判定を実行することは可能である。
他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、以上のように構成されたX線CT装置1の動作について図10を用いて説明する。図10は、図8に示した第1変形例のフローチャートに比べ、ステップST4−21a,ST4−22aが付加されている。これは、第1変形例には「体軸と直交する方向」という限定がないことによる。
いま、前述同様に、ステップST1からステップST4−1までの処理が実行されたとする。
ステップST4−1の後、ステップST4−21a、ST4−22aにおいて、選択機能442bは、体軸と直交する方向に複数の金属領域が並ぶか否かを判定する。複数の金属領域が並ぶ場合、閾値Nth、Sthを低くすることにより(ステップST4−22a)、MAR処理及びデュアルエナジー処理を併用するプロトコルを選択され易くする。これに対し、判定の結果、否の場合にはステップST4−3に移行する。
ステップST4−21a又はST4−22aの後、前述同様に、ステップST4−3以降の処理を実行する。
上述したように第3変形例によれば、金属領域の位置に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する。このように、金属領域の位置を考慮するため、第1の実施形態の作用効果に加え、より適切に金属アーチファクトの対策を選択することができる。
なお、第3変形例は、図11に示すように、ステップST4−21aにおいて、体軸と直交する方向に複数の金属領域が並ぶ旨を判定した場合、ステップST4−3〜ST4−5をスキップするように変形してもよい。スキップした場合、デュアルエナジー処理にMAR処理を併用する第2プロトコルを選択し、ステップST5,ST6以降の処理を実行する。また、ステップST4−21aの判定の結果、否の場合にはステップST4−3に移行し、前述同様に、ステップST4−3以降の処理を実行すればよい。
<第4変形例>
第4変形例は、選択機能442bが、前述した機能に加え、被検体のインプラントを示す被検体情報に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。補足すると、予め被検体にインプラントがあり、本スキャンの位置にインプラントが含まれる場合には、MAR処理とデュアルエナジー処理を併用することが好ましい。
これに伴い、メモリ41は、被検体Pのインプラントを示す被検体情報を更に記憶する。被検体情報としては、例えば、被検体のインプラントの一部の輪郭又は全体の輪郭を示すインプラント画像と、インプラントを識別する識別情報とが使用可能となっている。インプラント画像は、例えば、被検体をスキャノ画像と同じ方向から撮像することにより、作成可能となっている。但し、インプラント画像は、これに限らず、インプラントメーカのカタログ等の画像から作成してもよい。識別情報は、インプラントの名称、型番、コードなどが適宜、使用可能となっている。
選択機能442bは、前述した機能に加え、推定された金属分布画像と被検体情報とが整合する場合に、当該被検体情報に基づいて、第1プロトコル又は第2プロトコルを選択する構成となっている。例えば、金属領域の輪郭を抽出し、当該輪郭の画像と、被検体情報のインプラント画像とが整合するか否かを判定すればよい。
他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、以上のように構成されたX線CT装置1の動作について図12を用いて説明する。
いま、前述同様に、ステップST1からステップST4−1までの処理が実行されたとする。
ステップST4−1の後、ステップST4−21bにおいて、選択機能442bは、被検体Pのインプラントを示す被検体情報をメモリ41から読み出す。選択機能442bは、推定された金属分布画像から得られた金属マップと当該読み出した被検体情報内のインプラント画像とが整合するか否かを判定する。整合する場合にはステップST4−22bに移行する。否の場合にはステップST4−3に移行し、前述同様に、ステップST4−3以降の処理を実行する。
ステップST4−21bの後、ステップST4−22bにおいて、選択機能442bは、被検体情報に応じてプロトコルを選択する。
例えば、被検体情報がインプラントの名称“人工関節”を示す場合、MAR処理を含む第1プロトコルを選択する。
また、被検体情報がインプラントの名称“脳動脈用クリップ”を示す場合、デュアルエナジー処理を含む第2プロトコルを選択する。
また例えば、被検体情報がインプラントの名称“脊椎内固定具”を示す場合、MAR処理を併用したデュアルエナジー処理を含む第2プロトコルを選択する。
以下、前述同様に、ステップST5,ST6以降の処理を実行する。
上述したように第4変形例によれば、被検体のインプラントを示す被検体情報を更に記憶する。推定された金属分布画像と被検体情報とが整合する場合には、被検体情報に基づいて、第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する。このように、被検体のインプラントを示す被検体情報を考慮するため、第1の実施形態の作用効果に加え、より適切に金属アーチファクトの対策を選択することができる。
<第2の実施形態>
図13は、第2の実施形態に係るX線CTシステムの構成を示すブロック図である。図13に示すように、第2の実施形態に係るX線CTシステムは、1又は複数のX線CT装置50とスキャン計画装置70とを有する。1又は複数のX線CT装置50とスキャン計画装置70とは、ネットワークを介して通信可能に接続されている。
X線CT装置50は、スキャン計画装置70により生成されたスキャン計画に従いCT検査を行う。変形例に係るX線CT装置50は、図1のX線CT装置1からプロトコル選択機能442、推定機能442a、選択機能442bを除いた構成を有する。
スキャン計画装置70は、検査対象の被検体に関するスキャン計画を生成し、当該スキャン計画における第1プロトコル又は第2プロトコルを選択するコンピュータ装置である。
図14は、スキャン計画装置70の構成を示す図である。図11に示すように、スキャン計画装置70は、メモリ71、ディスプレイ72、入力インターフェース73、通信インターフェース74及び処理回路75を有する。メモリ71、ディスプレイ72、入力インターフェース73、通信インターフェース74及び処理回路75の間のデータ通信は、バス(BUS)を介して行われる。
メモリ71は、種々の情報を記憶するHDDやSSD、集積回路記憶装置等の記憶装置である。メモリ71は、HDDやSSD等以外にも、CD、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。メモリ41は、第1実施形態と同様に、例えば第1画像、第2画像、金属分布画像、投影データ、処理途中の画像や表示画像のデータ、本実施形態に係る制御プログラムやテーブルを記憶してもよい。
ディスプレイ72は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ72は、処理回路75によって生成されたスキャン計画及び上昇ルートや、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI等を出力する。例えば、ディスプレイ72としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが適宜使用可能である。
入力インターフェース73は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路75に出力する。入力インターフェース73としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜使用可能である。なお、本実施形態において入力インターフェース73は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を備えるものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路75へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース73の例に含まれる。
通信インターフェース74は、図示しない有線又は無線を介してX線CT装置50との間でデータ通信を行う。例えば、通信インターフェース74は、プロトコル選択機能752において選択されたプロトコルを、X線CT装置50に通知する。
処理回路75は、入力インターフェース73から出力される入力操作の電気信号に応じてスキャン計画装置70全体の動作を制御する。例えば、処理回路75は、ハードウェア資源として、CPUやMPU、GPU等のプロセッサとROMやRAM等のメモリとを有する。処理回路75は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより制御機能751、プロトコル選択機能752、表示制御機能753、通知機能754等を実行する。なお、プロトコル選択機能752は、推定機能752a、選択機能752bを含んでもよい。なお、各機能は単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。
制御機能751において処理回路75は、第1実施形態と同様に、入力インターフェース73を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、処理回路75の各機能を制御する。
プロトコル選択機能752において処理回路75は、メモリ71内の第1画像に基づいて、被検体Pの本スキャンに係るプロトコルとして、第1プロトコルか、又は第2プロトコルを選択する。第1プロトコルは、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す。第2プロトコルは、マルチエナジーCTスキャンを示す。
このようなプロトコル選択機能752は、前述した推定機能442aと同様の推定機能752aと、前述した選択機能442bと同様の選択機能752bと、を備えてもよい。
表示制御機能753は、処理回路75の処理に応じて、表示データ等をディスプレイ72に表示させる。例えば、表示制御機能753は、プロトコル選択機能752により選択されたプロトコルをディスプレイ72に表示させる。
通知機能754は、プロトコル選択機能752により選択されたプロトコルをX線CT装置50に通知する。また、通知機能754は、通知したプロトコルがX線CT装置50側で決定されたとき、当該決定されたプロトコルを含むスキャン計画をX線CT装置50に通知してもよい。
他の構成は、第1の実施形態又は第1〜第4の各変形例と同様である。
以上のような構成によれば、プロトコル選択機能752及び通知機能754がX線CT装置50の外部装置であるスキャン計画装置70に設けられる。当該構成により、第1の実施形態等の作用効果を同様に得ることができる。これに加え、当該構成により、X線CT装置50の処理回路44を改変せず、スキャン計画装置70の処理回路75にプロトコル選択機能752を設けることのみにより、金属アーチファクトの対策を適切に選択することができる。X線CTシステムにX線CT装置50が複数台存在する場合、X線CT装置50毎にプロトコル選択機能752を設ける必要がなくなるのでコストを低減することができる。
以上述べた少なくとも一つの実施形態によれば、被検体の第1画像を記憶する。第1画像に基づいて、被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択する。これにより、金属アーチファクトの対策を適切に選択することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,50…X線CT装置、10…架台装置、11…X線管、12…X線検出器、13…回転フレーム、14…X線高電圧装置、15…制御装置、16…ウェッジ、17…コリメータ、18…DAS、30…寝台装置、31…基台、32…寝台駆動装置、33…天板、34…支持フレーム、40…コンソール装置、41,71…メモリ、42,72…ディスプレイ、43,73…入力インターフェース、44…処理回路、441…システム制御機能、442,752…プロトコル選択機能、442a,752a…推定機能、442b,752b…選択機能、443…表示制御機能、444…画像生成機能、445…画像処理機能、70…スキャン計画装置、74…通信インターフェース、751…制御機能、754…通知機能、P…被検体。

Claims (12)

  1. 被検体の第1画像を記憶する記憶部と、
    前記第1画像に基づいて、前記被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択するプロトコル選択部と、
    前記選択されたプロトコルをディスプレイに表示させる表示制御部と、
    を具備するX線CT装置。
  2. 前記プロトコル選択部は、
    前記第1画像に基づいて前記被検体の金属分布画像を推定する推定部と、
    前記推定された金属分布画像に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する選択部と、
    を備える、請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記推定部は、前記第1画像、前記第1画像の第1撮像条件及び前記本スキャンの第2撮像条件に基づいて、前記本スキャンに対応する第2画像を推定し、前記推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、前記金属分布画像を推定する、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記記憶部は、予め撮像条件間の差分と、X線強度のデジタル値であるカウント数の変化量とを関連付けて記述したテーブルを更に記憶し、
    前記推定部は、前記第1画像の画素毎に前記カウント数を逆算し、前記第1撮像条件と前記第2撮像条件との間の差分に基づいて前記テーブルから前記変化量を読み出し、当該読み出した変化量及び前記逆算した結果から前記第2画像を推定し、前記推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、前記金属分布画像を推定する、
    請求項3に記載のX線CT装置。
  5. 前記記憶部は、予め撮像条件間の差分と、水の透過長の変化量とを関連付けて記述したテーブルを更に記憶し、
    前記推定部は、前記第1画像の画素毎に前記水の透過長を逆算し、前記第1撮像条件と前記第2撮像条件との間の差分に基づいて前記テーブルから前記変化量を読み出し、当該読み出した変化量及び前記逆算した結果から前記第2画像を推定し、前記推定した第2画像に閾値処理を施すことにより、前記金属分布画像を推定する、
    請求項3に記載のX線CT装置。
  6. 前記選択部は、前記推定された金属分布画像に含まれる金属領域の面積に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  7. 前記選択部は、前記金属領域の個数に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する、請求項6に記載のX線CT装置。
  8. 前記選択部は、前記金属領域の形状に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する、請求項6に記載のX線CT装置。
  9. 前記選択部は、前記金属領域の位置に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する、請求項6に記載のX線CT装置。
  10. 前記記憶部は、前記被検体のインプラントを示す被検体情報を更に記憶し、
    前記選択部は、前記推定された金属分布画像と前記被検体情報とが整合する場合には、前記被検体情報に基づいて、前記第1プロトコル又は前記第2プロトコルを選択する、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  11. 前記第1画像は、前記本スキャンと同一検査にて取得されるスキャノ画像又は過去に取得された画像である、請求項1に記載のX線CT装置。
  12. 被検体の第1画像を記憶する記憶部と、
    前記第1画像に基づいて、前記被検体の本スキャンに係るプロトコルとして、シングルエナジーCTスキャン及び金属アーチファクト低減処理を示す第1プロトコルか、又はマルチエナジーCTスキャンを示す第2プロトコルを選択する選択部と、
    前記選択されたプロトコルをX線CT装置に通知する通知部と、
    を具備するスキャン計画装置。
JP2018004911A 2018-01-16 2018-01-16 X線ct装置及びスキャン計画装置 Active JP7005354B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018004911A JP7005354B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 X線ct装置及びスキャン計画装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018004911A JP7005354B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 X線ct装置及びスキャン計画装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019122553A true JP2019122553A (ja) 2019-07-25
JP7005354B2 JP7005354B2 (ja) 2022-01-21

Family

ID=67397496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018004911A Active JP7005354B2 (ja) 2018-01-16 2018-01-16 X線ct装置及びスキャン計画装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7005354B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021048946A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社日立製作所 医用画像処理装置および医用画像処理方法
CN113331854A (zh) * 2020-03-03 2021-09-03 佳能医疗系统株式会社 医用信息处理装置、医用图像诊断装置及医用信息处理方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009069215A1 (ja) * 2007-11-29 2009-06-04 Shimadzu Corporation 断層撮影装置
US20140056497A1 (en) * 2012-08-23 2014-02-27 General Electric Company System and method for correcting for metal artifacts using multi-energy computed tomography
US20140328450A1 (en) * 2013-05-02 2014-11-06 General Electric Company System and method for reducing high density artifacts in computed tomography imaging
JP2014226321A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置、再構成処理方法および再構成処理プログラム
JP2015508001A (ja) * 2012-02-27 2015-03-16 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ スペクトルイメージング

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009069215A1 (ja) * 2007-11-29 2009-06-04 Shimadzu Corporation 断層撮影装置
JP2015508001A (ja) * 2012-02-27 2015-03-16 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ スペクトルイメージング
US20140056497A1 (en) * 2012-08-23 2014-02-27 General Electric Company System and method for correcting for metal artifacts using multi-energy computed tomography
US20140328450A1 (en) * 2013-05-02 2014-11-06 General Electric Company System and method for reducing high density artifacts in computed tomography imaging
JP2014226321A (ja) * 2013-05-22 2014-12-08 株式会社東芝 X線コンピュータ断層撮影装置、再構成処理方法および再構成処理プログラム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021048946A (ja) * 2019-09-24 2021-04-01 株式会社日立製作所 医用画像処理装置および医用画像処理方法
CN112617873A (zh) * 2019-09-24 2021-04-09 株式会社日立制作所 医用图像处理装置和医用图像处理方法
JP7317651B2 (ja) 2019-09-24 2023-07-31 富士フイルムヘルスケア株式会社 医用画像処理装置および医用画像処理方法
CN112617873B (zh) * 2019-09-24 2023-10-13 富士胶片医疗健康株式会社 医用图像处理装置和医用图像处理方法
CN113331854A (zh) * 2020-03-03 2021-09-03 佳能医疗系统株式会社 医用信息处理装置、医用图像诊断装置及医用信息处理方法
JP2021137189A (ja) * 2020-03-03 2021-09-16 キヤノンメディカルシステムズ株式会社 医用情報処理装置、医用画像診断装置及び医用情報処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7005354B2 (ja) 2022-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6261915B2 (ja) X線ct装置、画像処理装置、及び画像処理方法
US20120051500A1 (en) Method and tomosynthesis apparatus to show a predetermined volume segment of an examination subject
US11200709B2 (en) Radiation image diagnostic apparatus and medical image processing apparatus
JP6980668B2 (ja) Ct撮像システム及びct撮像システム用の方法
JP2008154718A (ja) 放射線断層撮影装置
JP2020201244A (ja) デュアルエネルギー撮像における自動管電位選択のためのシステムおよび方法
JP7005354B2 (ja) X線ct装置及びスキャン計画装置
JP2009047602A (ja) 陽電子放出コンピュータ断層撮影装置、減弱マップ作成装置および減弱マップ作成プログラム
US20180360541A1 (en) Medical image processing apparatus, medical image diagnostic apparatus, and medical image processing method
JP6466057B2 (ja) 医用画像診断装置
CN113331854A (zh) 医用信息处理装置、医用图像诊断装置及医用信息处理方法
JP7462433B2 (ja) 医用診断システム、医用診断装置、および医用情報処理装置
JP2022013679A (ja) 医用画像処理方法、医用画像処理装置及びx線ct装置
JP7039372B2 (ja) X線ct装置
JP2020103571A (ja) 医用処理装置及びx線診断システム
JP7139156B2 (ja) X線ct装置
JP7321846B2 (ja) X線ctシステム及び医用処理装置
JP7154871B2 (ja) X線ct装置、ワークステーション及びプログラム
JP7483361B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像診断装置および医用画像処理プログラム
JP7473313B2 (ja) 医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
JP7426310B2 (ja) X線コンピュータ断層撮像装置
JP7233911B2 (ja) X線ctシステム及び処理プログラム
JP7467222B2 (ja) 医用情報処理装置、医用情報処理方法及び医用情報処理プログラム
JP6073607B2 (ja) X線ct装置、x線ct装置の画像表示プログラム
JP2024048198A (ja) X線ct装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7005354

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150