JP2022013679A - 医用画像処理方法、医用画像処理装置及びx線ct装置 - Google Patents

医用画像処理方法、医用画像処理装置及びx線ct装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基準物質画像の画質を向上させること。【解決手段】実施形態の医用画像処理方法は、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得し、前記第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を前記第1の単色X線画像に適用することにより第1の補正後単色X線画像を得、前記第2のX線エネルギーに対応する、前記第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を前記第2の単色X線画像に適用することにより第2の補正後単色X線画像を得、前記第1の補正後単色X線画像と前記第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する、ことを含む。【選択図】図5

Description

本明細書等に開示の実施形態は、医用画像処理方法、医用画像処理装置及びX線CT装置に関する。
従来、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)装置が臨床の場において広く使用されている。X線CT装置によれば、被検体にX線を照射することで投影データを収集し、CT値の情報を各画素に割り当てたCT画像を再構成することが可能である。また、近年、X線CT装置により収集された投影データに基づいて基準物質の存在率に基づく画像(基準物質画像)を生成する応用技術も使用されている。
特開2014-144274号公報
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、基準物質画像の画質を向上させることである。ただし、本明細書等に開示の実施形態により解決される課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を、本明細書等に開示の実施形態が解決する他の課題として位置付けることもできる。
実施形態の医用画像処理方法は、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得し、前記第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を前記第1の単色X線画像に適用することにより第1の補正後単色X線画像を得、前記第2のX線エネルギーに対応する、前記第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を前記第2の単色X線画像に適用することにより第2の補正後単色X線画像を得、前記第1の補正後単色X線画像と前記第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する、ことを含む。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの処理の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る処理回路の一連の処理を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る処理回路の一連の処理を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る画像処理の一例について説明するための図である。 図7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係るX線CT装置10の構成の一例を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照して、医用画像処理方法、医用画像処理装置及びX線CT装置の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、図1に示すように、X線CT装置10及び医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1を例として説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では、図1に示すX線CT装置10により収集された投影データに基づいて後述の各処理が実行されるものとして説明する。X線CT装置10及び医用画像処理装置20は、ネットワークNWを介して相互に接続される。
なお、ネットワークNWを介して接続可能であれば、X線CT装置10及び医用画像処理装置20が設置される場所は任意である。例えば、X線CT装置10及び医用画像処理装置20は、互いに異なる施設内に設置されていてもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークであってもよい。また、X線CT装置10と医用画像処理装置20との間の通信は、画像保管装置等の他の装置を介して行なわれてもよいし、他の装置を介さず直接的に行なわれてもよい。このような画像保管装置の例としては、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバが挙げられる。
医用画像処理装置20は、X線CT装置10によって収集されたデータセットに基づいて、基準物質画像の生成を含む各種の処理を実行する。例えば、医用画像処理装置20は、図1に示すように、メモリ21、ディスプレイ22、入力インタフェース23及び処理回路24を備える。
メモリ21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ21は、医用画像処理装置20に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。また、メモリ21は、X線CT装置10から受信した各種のデータを記憶する。なお、メモリ21は、医用画像処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
ディスプレイ22は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、処理回路24によって生成された基準物質画像を表示する。また、例えば、ディスプレイ22は、入力インタフェース23を介してユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。例えば、ディスプレイ22は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ22は、デスクトップ型でもよいし、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
なお、図1においては医用画像処理装置20がディスプレイ22を備えるものとして説明するが、医用画像処理装置20は、ディスプレイ22に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路24による制御の下、スクリーンや壁、床、被検体Pの体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
入力インタフェース23は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路24に出力する。例えば、入力インタフェース23は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インタフェース23は、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インタフェース23は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インタフェース23は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インタフェース23は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用画像処理装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路24へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース23の例に含まれる。
処理回路24は、制御機能24a、第1生成機能24b、特定機能24c、第2生成機能24d、画像処理機能24e及び出力機能24fを実行することで、医用画像処理装置20全体の動作を制御する。ここで、制御機能24a及び第2生成機能24dは、取得部の一例である。また、画像処理機能24eは、画像処理部の一例である。また、第1生成機能24bは、生成部の一例である。
例えば、処理回路24は、制御機能24aに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、入力インタフェース23を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、第1生成機能24b、特定機能24c、第2生成機能24d、画像処理機能24e及び出力機能24fといった各種の機能を制御する。また、制御機能24aは、ネットワークNWを介したデータの受信を制御する。例えば、制御機能24aは、X線CT装置10によって収集された投影データをネットワークNWを介して受信し、メモリ21に記憶させる。
また、例えば、処理回路24は、第1生成機能24bに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、基準物質画像の生成処理を行なう。また、例えば、処理回路24は、特定機能24cに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーの特定を行なう。また、例えば、処理回路24は、第2生成機能24dに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、単色X線画像の生成処理を行なう。また、例えば、処理回路24は、画像処理機能24eに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、単色X線画像に対する画像処理を行なう。また、例えば、処理回路24は、出力機能24fに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、第1生成機能24bによって生成された基準物質画像、又は、基準物質画像に基づいて生成された各種の画像を出力する。なお、処理回路24における各機能の詳細については後述する。
図1に示す医用画像処理装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ21へ記憶されている。処理回路24は、メモリ21からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路24は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図1においては単一の処理回路24にて、制御機能24a、第1生成機能24b、特定機能24c、第2生成機能24d、画像処理機能24e、出力機能24fが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路24を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路24が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、処理回路24は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路24は、メモリ21から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用画像処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
次に、X線CT装置10について、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係るX線CT装置10の構成の一例を示すブロック図である。例えば、X線CT装置10は、架台装置110と、寝台装置130と、コンソール装置140とを有する。
図2においては、非チルト状態での回転フレーム113の回転軸又は寝台装置130の天板133の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し水平である軸方向をX軸方向とする。また、Z軸方向に直交し、床面に対し垂直である軸方向をY軸方向とする。なお、図2は、説明のために架台装置110を複数方向から描画したものであり、X線CT装置10が架台装置110を1つ有する場合を示す。
架台装置110は、X線管111と、X線検出器112と、回転フレーム113と、X線高電圧装置114と、制御装置115と、ウェッジ116と、コリメータ117と、DAS(Data Acquisition System)118とを有する。
X線管111は、熱電子を発生する陰極(フィラメント)と、熱電子の衝突を受けてX線を発生する陽極(ターゲット)とを有する真空管である。X線管111は、X線高電圧装置114からの高電圧の印加により、陰極から陽極に向けて熱電子を照射することで、被検体Pに対し照射するX線を発生する。
X線検出器112は、X線管111から照射されて被検体Pを通過したX線を検出し、検出したX線量に対応した信号をDAS118へと出力する。X線検出器112は、例えば、X線管111の焦点を中心とした1つの円弧に沿ってチャンネル方向(チャネル方向)に複数の検出素子が配列された複数の検出素子列を有する。X線検出器112は、例えば、チャネル方向に複数の検出素子が配列された検出素子列が列方向(スライス方向、row方向)に複数配列された構造を有する。
例えば、X線検出器112は、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接変換型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。シンチレータは入射X線量に応じた光子量の光を出力するシンチレータ結晶を有する。グリッドは、シンチレータアレイのX線入射側の面に配置され、散乱X線を吸収するX線遮蔽板を有する。なお、グリッドはコリメータ(1次元コリメータ又は2次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、シンチレータからの光量に応じた電気信号に変換する機能を有し、例えば、フォトダイオード等の光センサを有する。なお、X線検出器112は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であっても構わない。
回転フレーム113は、X線管111とX線検出器112とを対向支持し、制御装置115によってX線管111とX線検出器112とを回転させる円環状のフレームである。例えば、回転フレーム113は、アルミニウムを材料とした鋳物である。なお、回転フレーム113は、X線管111及びX線検出器112に加えて、X線高電圧装置114やウェッジ116、コリメータ117、DAS118等を更に支持することもできる。更に、回転フレーム113は、図2において図示しない種々の構成を更に支持することもできる。以下では、架台装置110において、回転フレーム113、及び、回転フレーム113と共に回転移動する部分を、回転部とも記載する。
X線高電圧装置114は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路を有し、X線管111に印加する高電圧を発生する高電圧発生装置と、X線管111が発生するX線に応じた出力電圧の制御を行なうX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。なお、X線高電圧装置114は、回転フレーム113に設けられてもよいし、図示しない固定フレームに設けられても構わない。
制御装置115は、CPU(Central Processing Unit)等を有する処理回路と、モータ及びアクチュエータ等の駆動機構とを有する。制御装置115は、入力インタフェース143からの入力信号を受けて、架台装置110及び寝台装置130の動作制御を行なう。例えば、制御装置115は、回転フレーム113の回転や架台装置110のチルト、寝台装置130の動作等について制御を行なう。一例を挙げると、制御装置115は、架台装置110をチルトさせる制御として、入力された傾斜角度(チルト角度)情報により、X軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム113を回転させる。なお、制御装置115は架台装置110に設けられてもよいし、コンソール装置140に設けられてもよい。
ウェッジ116は、X線管111から照射されたX線量を調節するためのX線フィルタである。具体的には、ウェッジ116は、X線管111から被検体Pへ照射されるX線が予め定められた分布になるように、X線管111から照射されたX線を減衰させるX線フィルタである。例えば、ウェッジ116は、ウェッジフィルタ(wedge filter)やボウタイフィルタ(bow-tie filter)であり、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウム等を加工して作製される。
コリメータ117は、ウェッジ116を透過したX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。なお、コリメータ117は、X線絞りと呼ばれる場合もある。また、図2においては、X線管111とコリメータ117との間にウェッジ116が配置される場合を示すが、X線管111とウェッジ116との間にコリメータ117が配置される場合であってもよい。この場合、ウェッジ116は、X線管111から照射され、コリメータ117により照射範囲が制限されたX線を透過して減衰させる。
DAS118は、X線検出器112が有する各検出素子によって検出されるX線の信号を収集する。例えば、DAS118は、各検出素子から出力される電気信号に対して増幅処理を行なう増幅器と、電気信号をデジタル信号に変換するA/D変換器とを有し、検出データを生成する。DAS118は、例えば、プロセッサにより実現される。
DAS118が生成したデータは、回転フレーム113に設けられた発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置110の非回転部分(例えば、固定フレーム等。図2での図示は省略している)に設けられた、フォトダイオードを有する受信機に送信され、コンソール装置140へと転送される。ここで、非回転部分とは、例えば、回転フレーム113を回転可能に支持する固定フレーム等である。なお、回転フレーム113から架台装置110の非回転部分へのデータの送信方法は、光通信に限らず、非接触型の如何なるデータ伝送方式を採用してもよいし、接触型のデータ伝送方式を採用しても構わない。
寝台装置130は、スキャン対象の被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台131と、寝台駆動装置132と、天板133と、支持フレーム134とを有する。基台131は、支持フレーム134を鉛直方向に移動可能に支持する筐体である。寝台駆動装置132は、被検体Pが載置された天板133を、天板133の長軸方向に移動する駆動機構であり、モータ及びアクチュエータ等を含む。支持フレーム134の上面に設けられた天板133は、被検体Pが載置される板である。なお、寝台駆動装置132は、天板133に加え、支持フレーム134を天板133の長軸方向に移動してもよい。
コンソール装置140は、メモリ141と、ディスプレイ142と、入力インタフェース143と、処理回路144とを有する。なお、コンソール装置140は架台装置110とは別体として説明するが、架台装置110にコンソール装置140又はコンソール装置140の各構成要素の一部が含まれてもよい。
メモリ141は、上述したメモリ21と同様にして構成することができる。例えば、メモリ141は、被検体Pから収集された各種データの保存を行なったり、X線CT装置10に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶したりする。
ディスプレイ142は、上述したディスプレイ22と同様にして構成することができる。例えば、ディスプレイ142は、処理回路144による制御の下、医用画像処理装置20において生成された基準物質画像や、ユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUIを表示させることができる。また、X線CT装置10は、ディスプレイ142に代えて又は加えてプロジェクタを備えることとしてもよい。
入力インタフェース143は、上述した入力インタフェース23と同様にして構成することができる。例えば、入力インタフェース143は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路144に出力する。
処理回路144は、制御機能144a、収集機能144b及び出力機能144cを実行することで、X線CT装置10全体の動作を制御する。
例えば、処理回路144は、制御機能144aに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、入力インタフェース143を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、収集機能144b、出力機能144cといった各種の機能を制御する。
また、例えば、処理回路144は、収集機能144bに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、被検体Pに対するスキャンを実行する。例えば、収集機能144bは、X線高電圧装置114を制御することにより、X線管111に高電圧を供給する。これにより、X線管111は、被検体Pに対し照射するX線を発生する。また、収集機能144bは、寝台駆動装置132を制御することにより、被検体Pを架台装置110の撮影口内へ移動させる。また、収集機能144bは、ウェッジ116の位置、及び、コリメータ117の開口度及び位置を調整することで、被検体Pに照射されるX線の分布を制御する。また、収集機能144bは、制御装置115を制御することにより回転部を回転させる。また、収集機能144bによってスキャンが実行される間、DAS118は、X線検出器112における各検出素子からX線の信号を収集し、検出データを生成する。
また、収集機能144bは、DAS118から出力された検出データに対して、前処理を施す。例えば、収集機能144bは、DAS118から出力された検出データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャンネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。なお、前処理を施した後のデータについては生データとも記載する。また、前処理を施す前の検出データ及び前処理を施した後の生データを総称して、投影データとも記載する。
また、例えば、処理回路144は、出力機能144cに対応するプログラムをメモリ141から読み出して実行することにより、被検体Pから収集された各種のデータを出力する。例えば、出力機能144cは、被検体Pに対するスキャンを実行することで収集されたデータを、ネットワークNWを介して、医用画像処理装置20に送信する。また、例えば、出力機能144cは、ディスプレイ142における表示の制御を行なう。
図2に示すX線CT装置10においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ141へ記憶されている。処理回路144は、メモリ141からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路144は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
なお、図2においては単一の処理回路144にて、制御機能144a、収集機能144b及び出力機能144cが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路144を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路144が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、処理回路144は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路144は、メモリ141から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、X線CT装置10とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図2に示す各機能を実現する。
以上、X線CT装置10及び医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1の構成例について説明した。かかる構成の下、医用画像処理装置20における処理回路24は、以下で説明する処理によって、基準物質画像の画質を向上させる。
まず、被検体Pから投影データを収集し、基準物質画像を生成するまでの一連の処理について図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の処理の一例を示す図である。被検体Pに対するスキャンが実行されている間、DAS118は、投影データを生成し、処理回路144は、生成された投影データに対して前処理や分離処理といった各種の処理を施す。
ここで、収集機能144bは、被検体Pに対して、デュアルエナジー(Dual Energy)のスキャンを実行することができる。デュアルエナジーは、異なるX線エネルギーのそれぞれに対応した投影データを収集する技術である。デュアルエナジーの方式については特に限定されるものではないが、収集機能144bは、例えば、Slow-kVスイッチングや、Fast-kVスイッチング、積層型検出器(デュアルレイヤー)、デュアルソース方式、スプリット方式といった方式により、デュアルエナジーのスキャンを実行することができる。
Slow-kVスイッチングの方式でデュアルエナジー収集を実行する場合、収集機能144bは、エネルギーE1のX線を用いて1回目のスキャンを行なった後、エネルギーE2のX線を用いて2回目のスキャンを行なう。なお、エネルギーE2は、エネルギーE1と異なるX線エネルギーである。例えば、収集機能144bは、X線高電圧装置114を制御し、X線管111に供給する管電圧を制御することで、エネルギーE1とエネルギーE2との切り替えを行なうことができる。これにより、収集機能144bは、1回目のスキャンにおいてエネルギーE1に対応する投影データを収集し、2回目のスキャンにおいてエネルギーE2に対応する投影データを収集することができる。
Fast-kVスイッチングの方式でデュアルエナジー収集を実行する場合、収集機能144bは、1回のスキャンの中でビューごとにX線のエネルギーを変化させて、エネルギーE1に対応する投影データとエネルギーE2に対応する投影データとを略同時に収集する。即ち、スキャン中、X線管111は図2に示したZ軸を回転軸として被検体Pの周囲を回転し、照射角度を変えながら被検体PにX線を照射する。ここで、収集機能144bは、照射角度(ビュー)ごとに、X線のエネルギーをエネルギーE1とエネルギーE2との間で高速に切り替えることで、エネルギーE1に対応する投影データとエネルギーE2に対応する投影データとを収集する。
デュアルレイヤーの方式でデュアルエナジー収集を実行する場合、X線CT装置10は、X線検出器112として、積層型検出器を備える。例えば、X線検出器112は、第1の層112aと、第2の層112bとから構成され、X線管111から照射されたX線を分光して検出する。例えば、第1の層112aはエネルギーE1のX線を検出し、第2の層112bは、第1の層112aを透過したエネルギーE2のX線を検出する。この場合、収集機能144bは、第1の層112aからの出力に基づいてエネルギーE1に対応する投影データを収集し、第2の層112bからの出力に基づいてエネルギーE2に対応する投影データを収集することができる。
デュアルソースの方式でデュアルエナジー収集を実行する場合、X線CT装置10は、X線管111として、第1のX線管111a及び第2のX線管111bを備える。また、X線CT装置10は、X線検出器112として、第1のX線管111aから照射されたX線を検出する第1のX線検出器112cと、第2のX線管111bから照射されたX線を検出する第2のX線検出器112dとを備える。この場合、収集機能144bは、第1のX線管111aからエネルギーE1のX線を照射させ、第2のX線管111bからエネルギーE2のX線を照射させる。これにより、収集機能144bは、第1のX線検出器112cからの出力に基づいてエネルギーE1に対応する投影データを収集し、第2のX線検出器112dからの出力に基づいてエネルギーE2に対応する投影データを収集することができる。
スプリット方式でデュアルエナジー収集を実行する場合、X線CT装置10は、ウェッジ116として、X線管111から照射されたX線をエネルギーの異なる複数のX線に分割するフィルタを備える。例えば、X線CT装置10は、ウェッジ116として、X線フィルタ116a及びX線フィルタ116bを備える。この場合、収集機能144bは、X線管111から照射されてX線フィルタ116aを透過したX線の検出結果に基づいてエネルギーE1に対応する投影データを収集し、X線管111から照射されてX線フィルタ116bを透過したX線の検出結果に基づいてエネルギーE2に対応する投影データを収集することができる。
上述した通り、収集機能144bは、デュアルエナジーのスキャンを実行し、エネルギーE1及びエネルギーE2に対応する投影データを収集する。また、収集機能144bは、収集した投影データに対して、対数変換処理やオフセット補正処理、チャンネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正等の前処理を施す。更に、収集機能144bは、前処理後の投影データに対して分離処理を施す。
ここで、図3に示す分離処理は、例えば、前処理後の投影データを、複数の基準物質それぞれの投影データに分離する処理である。以下では、基準物質ごとに分離された投影データを、線積分データとも記載する。例えば、収集機能144bは、デュアルエナジーのスキャンによって収集した投影データを、第1基準物質の線積分データと、第2基準物質の線積分データとに分離する。なお、基準物質は、様々なエネルギーにおける減弱係数(線減弱係数や質量減弱係数)が既知である物質から設定される。基準物質の具体例については特に限定されるものではないが、収集機能144bは、例えば骨及び水を第1基準物質及び第2基準物質として設定することができる。
このような分離処理は、エネルギー「E」における撮影部位のある位置の減弱係数が、エネルギー「E」における2つの基準物質それぞれの減弱係数と、当該位置に存在する2つの基準物質それぞれの存在率とで表せるという前提に基づくものである。ここで、X線透過線「l」における第1基準物質の存在率「c1」の線積分及び第2基準物質の存在率「c2」の線積分それぞれを、「第1線積分データ」及び「第2線積分データ」とする。また、多色である高エネルギーにおける第1基準物質の平均減弱係数及び第2基準物質の平均減弱係数それぞれを、「高エネルギー第1平均減弱係数」及び「高エネルギー第2平均減弱係数」とする。また、多色である低エネルギーにおける第1基準物質の平均減弱係数及び第2基準物質の平均減弱係数それぞれを、「低エネルギー第1平均減弱係数」及び「低エネルギー第2平均減弱係数」とする。また、X線透過線「l」における高エネルギー照射時のビームハードニングによる誤差及び低エネルギー照射時のビームハードニングによる誤差それぞれを、「高エネルギー誤差」及び「低エネルギー誤差」とする。
収集機能144bは、「高エネルギー第1平均減弱係数」、「第1線積分データ」、「高エネルギー第2平均減弱係数」、「第2線積分データ」及び「高エネルギー誤差」を用いた式により、高エネルギー投影データを近似する。また、収集機能144bは、「低エネルギー第1平均減弱係数」、「第1線積分データ」、「低エネルギー第2平均減弱係数」、「第2線積分データ」及び「低エネルギー誤差」を用いた式により、低エネルギー投影データを近似する。そして、収集機能144bは、かかる2つの近似式を反復的に解法することで、第1線積分データ及び第2線積分データを求めることができる。
出力機能144cは、収集機能144bによって生成された線積分データを、ネットワークNWを介して医用画像処理装置20に送信する。また、制御機能24aは線積分データを受信し、メモリ21に記憶させる。また、第1生成機能24bは、線積分データに基づいて基準物質画像の生成処理を実行する。即ち、第1生成機能24bは、各画素(ピクセル又はボクセル)の画素値が当該画素に存在する基準物質の存在率を示す基準物質画像を、複数の基準物質それぞれの線積分データから再構成する。
例えば、第1生成機能24bは、第1線積分データを逆投影処理することで、第1基準物質の基準物質画像を再構成する。また、第1生成機能24bは、第2線積分データを逆投影処理することで、第2基準物質の基準物質画像を再構成する。なお、以下では、第1基準物質の基準物質画像を第1基準物質画像とも記載する。また、以下では、第2基準物質の基準物質画像を第2基準物質画像とも記載する。第1基準物質画像の画素「i」の画素値は、画素「i」における第1基準物質の存在率「c1」となる。また、第2基準物質画像の画素「i」の画素値は、画素「i」における第2基準物質の存在率「c2」となる。
ここで、生成した画像については、画質を向上させるため、種々の画像処理を行なうことが考えられる。例えば、CT値の情報を各画素に割り当てたX線CT画像に対しては、ノイズ低減処理やコントラスト強調処理、エッジ強調処理、補正処理等といった種々な画像処理が適用可能である。但し、基準物質画像はX線CT画像とは異なり、CT値の情報を有する画像ではないため、X線CT画像に関する画像処理技術を基準物質画像にそのまま適用することはできない。
そこで、処理回路24は、図3に示すように、基準物質画像に基づいて単色X線画像を生成し、単色X線画像に対して画像処理を実行する。単色X線画像はCT値の情報を有する画像であるため、X線CT画像に関する画像処理技術を適用することが可能である。更に、処理回路24は、画像処理後の単色X線画像に基づいて、基準物質画像を再度生成する。これにより、処理回路24は、X線CT画像に関する画像処理技術を利用して、基準物質画像の画質を向上させることができる。
以下、単色X線画像の生成処理及び画像処理を含む一連の処理について、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係る処理回路24の一連の処理を示す図である。図4においては、第1基準物質画像及び第2基準物質画像の例として、基準物質画像I11及び基準物質画像I12について説明する。また、図4においては、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I21と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I22とを生成する場合について説明する。
例えば、単色X線画像の生成処理に先立って、特定機能24cは、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを特定する。例えば、特定機能24cは、撮影部位または撮影目的の少なくともいずれかの情報に基づいて、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを特定することができる。
一例を挙げると、撮影部位及び撮影目的とX線エネルギーとを対応付けた対応情報が事前に生成され、メモリ21に格納される。このような対応情報は特定機能24cが作成してもよいし、外部装置において生成された対応情報をネットワークNWを介して取得することとしても構わない。また、このような対応情報は、ユーザがマニュアルで作成しても構わない。そして、単色X線画像の生成処理を行なう際、特定機能24cは、被検体Pにおける撮影部位及び撮影目的の情報を取得し、対応情報と照らし合わせることで、X線エネルギーを特定する。例えば、被検体Pにおける撮影部位が「頭部」であり、撮影目的が「脳腫瘍の診断」である場合、特定機能24cは、「頭部/脳腫瘍」に対応付けられたX線エネルギーを対応情報から読み出すことで、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを特定する。
なお、特定機能24cは、被検体Pにおける撮影部位及び撮影目的の情報を、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)や、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)等のシステムから自動で取得することができる。また、特定機能24cは、被検体Pにおける撮影部位及び撮影目的の情報を、ユーザからの入力操作に基づいて取得することもできる。また、特定機能24cがX線エネルギーの特定を行なう代わりに、ユーザがマニュアルで第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを設定することとしても構わない。
次に、第2生成機能24dは、基準物質画像I11及び基準物質画像I12に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I21と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I22とをそれぞれ生成する。以下、基準物質画像に基づく単色X線画像の生成処理について、数式を参照しながら説明する。
例えば、ピクセルとしての画素「i」の画像上の位置を示す座標を「x」及び「y」とする。そして、画素「x,y」における基準物質画像I11の画素値(第1基準物質の存在率)を「c1(x,y)」とし、画素「x,y」における基準物質画像I12の画素値(第2基準物質の存在率)を「c2(x,y)」とする。また、任意のエネルギー「E」における第1基準物質の線減弱係数を「μ1(E)」とする。また、任意のエネルギー「E」における第2基準物質の線減弱係数を「μ2(E)」とする。かかる場合、エネルギー「E」における画素「x,y」に対応する撮影部位の線減弱係数「μ(E,x,y)」は、2つの基準物質画像を用いて、以下の式(1)により求めることができる。
Figure 2022013679000002
また、「E」における画素「x,y」に対応する撮影部位のCT値「CT♯(E,x,y)」は、式(1)により求められる「μ(E,x,y)」と、水の「E」における線減弱係数「μwater(E)」とを、以下の式(2)に代入することで求まる。
Figure 2022013679000003
第2生成機能24dは、基準物質画像と、式(1)及び式(2)とを用いて、任意のエネルギー「E」における単色X線画像を生成することができる。すなわち、2つの基準物質画像が取得されれば、式(1)より任意のエネルギーでの線減弱係数を求めることができ、この線減弱係数を式(2)に代入することでCT値を求めることができる。第2生成機能24dは、かかる処理を、ピクセルごと又はボクセルごとに行なうことで、単色X線画像を生成する。
例えば、第1のX線エネルギーとして「AkeV」が特定され、第2のX線エネルギーとして「BkeV」が特定されている場合、第2生成機能24dは、「AkeV」に対応する単色X線画像I21と、「BkeV」に対応する単色X線画像I22とを生成する。なお、「AkeV」は、例えば、「BkeV」より高いX線エネルギーである。
具体的には、第2生成機能24dは、「AkeV」における画素「x,y」の線減弱係数を式(1)により求め、この線減弱係数と水の「AkeV」における線減弱係数「μwater(A)」とを式(2)に代入して画素「i」のCT値を算出することで、単色X線画像I21を生成する。また、第2生成機能24dは、「BkeV」における画素「x,y」の線減弱係数を式(1)により求め、この線減弱係数と水の「BkeV」における線減弱係数「μwater(B)」とを式(2)に代入して画素「x,y」のCT値を算出することで、単色X線画像I22を生成する。
次に、画像処理機能24eは、生成された単色X線画像に対して画像処理を実行する。ここで、単色X線画像の各画素はCT値の情報を有していることから、単色X線画像に対しては、従来のCT値情報を用いた様々な画像処理を適応することが可能である。例えば、画像処理機能24eは、図4に示すように、単色X線画像I21及び単色X線画像I22に対して画像処理A1を実行し、単色X線画像I31及び単色X線画像I32を生成する。画像処理A1は、例えば、CT値情報を用いたノイズ低減処理やコントラスト強調処理、エッジ強調処理、補正処理等である。
次に、第1生成機能24bは、単色X線画像I31及び単色X線画像I32を用いて、再度、基準物質画像の生成処理を実行する。即ち、第1生成機能24bは、複数の単色X線画像を基準物質ごとに分解して、複数の基準物質それぞれの基準物質画像を生成する。以下、単色X線画像に基づく基準物質画像の生成処理について、数式を参照しながら説明する。
例えば、画像処理後の単色X線画像I31(AkeV)の画素「x,y」のCT値「CT♯(A,x,y)」は、式(2)の「E」を「A」とした以下の「式(3)の上式」で示すことができる。また、画像処理後の単色X線画像I32(BkeV)の画素「x,y」のCT値「CT♯(B,x,y)」は、式(2)の「E」を「B」とした以下の「式(3)の下式」で示すことができる。
Figure 2022013679000004
ここで、式(3)の上式における「μ(A,x,y)」は、単色X線画像I31(AkeV)の画素「x,y」における線減弱係数を示している。また、式(3)の下式における「μ(B,x,y)」は、単色X線画像I32(BkeV)の画素「x,y」における線減弱係数を示している。かかる線減弱係数は、CT値情報を用いた画像処理A1が反映された線減弱係数となる。
式(3)の上式を、画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(A,x,y)」の式に変形すると、以下の式(4)の上式となる。また、式(3)の下式を、画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(B,x,y)」の式に変形すると、以下の式(4)の下式となる。
Figure 2022013679000005
一方、上述したように、任意のエネルギー「E」での画素「x,y」の線減弱係数は、「c1(x,y)」及び「c2(x,y)」と、「μ1(E)」及び「μ2(E)」とから式(1)で表される。従って、画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(A,x,y)」は、式(1)の「E」を「A」とした以下の「式(5)の上式」で示すことができる。また、画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(B,x,y)」は、式(1)の「E」を「B」とした以下の「式(5)の下式」で示すことができる。
Figure 2022013679000006
ただし、式(5)の上式における「c1(x,y)」は、画素「x,y」における第1基準物質の画像処理A1が反映された存在率である。また、式(5)の上式における「c2(x,y)」は、画素「x,y」における第2基準物質の画像処理A1が反映された存在率である。
式(5)の上式を、第1基準物質の画像処理A1が反映された存在率「c1(x,y)」の式に変形すると、以下の式(6)の上式となる。また、式(5)の下式を、第2基準物質の画像処理A1が反映された存在率「c2(x,y)」の式に変形すると、以下の式(6)の下式となる。
Figure 2022013679000007
ここで、第1基準物質の任意のエネルギーにおける線減弱係数と、第2基準物質の任意のエネルギーにおける線減弱係数とは、既知である。すなわち、第1生成機能24bは、式(6)に示す『第1基準物質の「A」及び「B」それぞれにおける線減弱係数「μ1(A)」及び「μ1(B)」』と、『第2基準物質の「A」及び「B」それぞれにおける線減弱係数「μ2(A)」及び「μ2(B)」』とを予め設定することができる。
また、画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(A,x,y)」及び画像処理A1が反映された線減弱係数「μ(B,x,y)」は、単色X線画像I31(AkeV)及び単色X線画像I32(BkeV)の画素値を用いて式(4)により算出することができる。
このことから、第1生成機能24bは、単色X線画像I31(AkeV)及び単色X線画像I32(BkeV)を用いて、式(4)の演算処理を画素ごとに行なう。そして、第1生成機能24bは、式(4)を用いた演算処理結果を、式(6)に代入することで、画像処理A1が反映された各基準物質の存在率を、画素ごとに算出する。これにより、第1生成機能24bは、2つの単色X線画像を、第1基準物質の基準物質画像I41と第2基準物質の基準物質画像I42とに分解する。即ち、第1生成機能24bは、画像処理A1が施された単色X線画像I31及び単色X線画像I32に基づいて、基準物質画像I41及び基準物質画像I42を生成することができる。
基準物質画像I41及び基準物質画像I42においては、画像処理A1の効果が反映されており、基準物質画像I11及び基準物質画像I12と比較して画質が向上している。即ち、処理回路24は、CT値情報を用いた画像処理により、基準物質画像の画質を向上させることができる。また、基準物質画像からは、単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像といった各種画像を更に生成することができるところ、処理回路24は、CT値情報を用いた画像処理により、基準物質画像に基づいて生成される各種画像の画質を向上させることもできる。
なお、図4においては、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I21と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I22との双方に対して、画像処理A1を実行するものとして説明した。ここで、画像処理の種類や処理パラメータについては、処理対象に応じて最適化することが好ましい。そこで、処理回路24は、複数の単色X線画像のそれぞれに対して異なる画像処理を施し、基準物質画像の画質を更に向上させることとしてもよい。
以下、単色X線画像ごとに異なる画像処理を施す場合の処理について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態に係る処理回路24の一連の処理を示す図である。図5においては、第1基準物質画像及び第2基準物質画像の例として、基準物質画像I13及び基準物質画像I14について説明する。また、図5においては、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I23と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I24とを生成する場合について説明する。
まず、特定機能24cは、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを特定する。例えば、特定機能24cは、撮影部位または撮影目的の少なくともいずれかの情報に基づいて、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーを特定する。或いは、ユーザは、撮影部位や撮影目的等の情報を考慮して、第1のX線エネルギー及び第2のX線エネルギーをマニュアルで設定してもよい。
次に、第2生成機能24dは、基準物質画像I13及び基準物質画像I14に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I23と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I24とをそれぞれ生成する。例えば、第2生成機能24dは、上述した式(1)及び式(2)を用いて、「AkeV」に対応する単色X線画像I23と、「BkeV」に対応する単色X線画像I24とを生成する。なお、単色X線画像I23は、第1の単色X線画像の一例である。また、単色X線画像I24は、第2の単色X線画像の一例である。
次に、画像処理機能24eは、生成された単色X線画像に対して画像処理を実行する。例えば、画像処理機能24eは、図5に示すように、単色X線画像I23に画像処理A2を適用することにより、単色X線画像I33を得る。また、画像処理機能24eは、単色X線画像I24に画像処理A3を適用することにより、単色X線画像I34を得る。なお、画像処理A2は、第1の画像処理の一例である。また、画像処理A3は、第2の画像処理の一例である。また、単色X線画像I33は、第1の補正後単色X線画像の一例である。また、単色X線画像I34は、第2の補正後単色X線画像の一例である。
ここで、画像処理A2及び画像処理A3は、例えば、CT値情報を用いたノイズ低減処理やコントラスト強調処理、エッジ強調処理、補正処理等である。また、画像処理A3は、画像処理A2とは異なる画像処理である。例えば、画像処理A2は「AkeV」に対応するパラメータ処理であり、画像処理A3は「BkeV」に対応するパラメータ処理である。
例えば、画像処理A2及び画像処理A3は、事前に設定された画像処理である。一例を挙げると、画像処理の種類や処理パラメータとX線エネルギーとを対応付けた画像処理情報が事前に生成され、メモリ21に格納される。このような画像処理情報は、画像処理機能24eが作成してもよいし、外部装置において生成された画像処理情報をネットワークNWを介して取得することとしても構わない。また、このような画像処理情報は、ユーザがマニュアルで作成しても構わない。そして、画像処理を行なう際、特定機能24cは、「AkeV」や「BkeV」といったX線エネルギーの情報を取得し、画像処理情報と照らし合わせることで、画像処理A2及び画像処理A3を特定する。
ここで、画像処理A2及び画像処理A3は、撮影部位または撮影目的のいずれかに更に対応付いたものであってもよい。一例を挙げると、画像処理A2は、「AkeV」に対応する単色X線画像においてノイズ低減を最適化するようにパラメータが調整された画像処理である。また、画像処理A3は、「BkeV」に対応する単色X線画像においてノイズ低減を最適化するようにパラメータが調整された画像処理である。
ここで、画像処理A2及び画像処理A3は、ノイズ低減処理である場合には例えば次のようなものである。上述の通りデュアルエナジーのスキャンを実行し、エネルギーE1及びエネルギーE2に対応する投影データを収集した場合、かかるエネルギーE1、E2に応じて、かかる投影データから作成される単色X線のエネルギーとSD値(標準偏差値)は、典型的には図6のように下に凸のグラフとなる。それぞれのエネルギー(AkeV、BkeV)において単色X線のノイズ低減処理を実行する。このようにすることで、画像処理機能24eは、各単色X線に適したノイズ低減処理を行うことができる。なお、図6は、第1の実施形態に係る画像処理の一例について説明するための図である。
画像処理機能24eは、入力エネルギーE1、E2の値を入力して、当該入力エネルギーの組(E1,E2)に対応する、単色X線のエネルギーE_monoとSD値との対応関係を示す情報を得る。さらに画像処理機能24eは、単色X線のエネルギーA[keV],B[keV]のそれぞれを入力として、図6の対応関係を示す情報により、各単色X線のエネルギーに対応するSD値SD_A,SD_Bを得る。画像処理機能24eは、かかるSD_A,SD_Bの値を用いて、各単色X線画像のノイズ低減処理を行う。さらにかかるノイズ低減処理においては、撮影部位または撮影目的のいずれかに更に対応した強度を入力パラメータとして実行することとしてもよい。
上述の例は、各単色X線画像に対する個別の画像処理の例としてノイズ低減処理を示したが、これに限らず、各単色X線画像に対して個別のコントラスト強調処理や、エッジ強調処理、補正処理等を適用することとしてもよい。
また上述の例に加えてあるいは代えて、画像処理A2及び画像処理A3は、機械学習の手法による画像処理であってもよい。例えば、画像処理A2は、機械学習により得られるモデルを用いた第1の処理であり、画像処理A3は、機械学習により得られるモデルを用いた、第1の処理とは異なる第2の処理であってもよい。ここで、第1の処理に用いられるモデルと、第2の処理に用いられるモデルとは、共通のモデルであってもよいし、異なるモデルであってもよい。
まず、第1の処理に用いられるモデルと、第2の処理に用いられるモデルとが共通である場合について説明する。例えば、画像処理機能24eは、入力画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM1を事前に生成し、或いは医用画像処理装置20とは異なる他の装置において生成された学習済みモデルM1を事前に取得する。
学習済みモデルM1を画像処理機能24eが生成する場合を一例として説明する。この場合、画像処理機能24eは、まず、トレーニングデータを取得する。例えば、画像処理機能24eは、トレーニングデータとして、ノイズの多い第1画像と、高画質な第2画像との組を取得する。例えば、第1画像及び第2画像は、異なる線量で収集されたシングルエナジーのX線画像である。即ち、第1画像は低線量のX線を用いて収集されたX線CT画像であり、第2画像は高線量のX線を用いて収集されたX線CT画像である。次に、画像処理機能24eは、ノイズの多い第1画像を入力側データとし、高画質な第2画像を出力側データ(ターゲット)として、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)等の機械学習エンジンに入力する。そして、画像処理機能24eは、第1画像の入力を受けたCNNが好ましい結果を出力できるようパラメータを調整することで、学習済みモデルM1を生成する。例えば、第1画像の入力を受けたCNNの出力層からはノイズ低減画像が出力され、画像処理機能24eは、当該ノイズ低減画像と、高画質な第2画像との間の近さを表す関数(誤差関数)を最小化するようにCNNのパラメータを調整する。
なお、入力側の第1画像が低線量のX線を用いて収集されたX線CT画像である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第1画像は、ノイズシミュレータ等によってノイズを付加された画像であってもよい。また、例えば、第1画像は、FBP(Filtered Back Projection)法によって再構成された画像であり、第2画像は、FBP法より高精度の再構成方法(例えば逐次近似再構成法)によって再構成された画像であってもよい。また、出力側の第2画像が高画質である場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、第2画像は、第1画像とは独立した別のノイズを含む、ノイズの多い画像であってもよい。また、学習済みモデルM1がCNNであるものとして説明したが、他種の機械学習エンジンを採用しても構わない。例えば、学習済みモデルM1は、全結合ニューラルネットワークや再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)等のニューラルネットワークであってもよい。
学習済みモデルM1は、例えばメモリ21に格納される。画像処理機能24eは、メモリ21から学習済みモデルM1を適宜読み出して使用することができる。
例えば、画像処理機能24eは、単色X線画像I23に対して学習済みモデルM1を適用し、単色X線画像I23’を取得する。次に、画像処理機能24eは、単色X線画像I23’と単色X線画像I23とを所定の比率で合成することにより、単色X線画像I33を得る。なお、単色X線画像I23’は、第1の処理後画像の一例である。また、単色X線画像I23’と単色X線画像I23とを合成した比率は、第1の比率の一例である。
同様に、画像処理機能24eは、単色X線画像I24に対して学習済みモデルM1を適用し、単色X線画像I24’を取得する。次に、画像処理機能24eは、単色X線画像I24’と単色X線画像I24とを所定の比率で合成することにより、単色X線画像I34を得る。なお、単色X線画像I24’は、第2の処理後画像の一例である。また、単色X線画像I24’と単色X線画像I24とを合成した比率は、第2の比率の一例である。
ここで、第2の比率は、第1の非率とは異なる比率であってもよい。即ち、画像処理A2と画像処理A3とは異なる画像処理であってよい。例えば、単色X線画像I23が「AkeV」に対応し、単色X線画像I24が「AkeV」より低い「BkeV」に対応する場合において、第2の比率における単色X線画像I24’の割合は、第1の比率における単色X線画像I23’の割合より大きくなってもよい。即ち、単色X線画像では、一般に、エネルギーが低いほどSD(Standard Deviation)が高くなる。従って、低エネルギーであるほど学習済みモデル適用済みの単色X線画像の比率を高くして合成することにより、ノイズ低減の効果を得つつ自然な画像を得ることができる。
なお、学習済みモデルM1は、部位ごとに生成されてもよい。例えば、頭部について収集された単色X線画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM11と、腹部について収集された単色X線画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM12とがそれぞれ生成されてもよい。この場合、画像処理機能24eは、単色X線画像I23及び単色X線画像I24に含まれる被検体Pの部位に応じて、学習済みモデルM11や学習済みモデルM12といった複数の学習済みモデルのいずれかを読み出し、画像処理A2及び画像処理A3を実行することができる。
また、学習済みモデルM1は、撮影方式ごとに生成されてもよい。例えば、Slow-kVスイッチングで得られた単色X線画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM13と、Fast-kVスイッチングで得られた単色X線画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM14とがそれぞれ生成されてもよい。
ここで、Slow-kVスイッチングで得られた単色X線画像は、シングルエナジーで収集されたX線CT画像に対して、発生するノイズの種類等が類似することが知られている。従って、学習済みモデルM13については、上述した通り、シングルエナジーで収集されたX線CT画像をトレーニングデータとして生成することができる。例えば、Slow-kVスイッチングによる場合、単色X線画像I23および単色X線画像I24は、第1のエネルギーに対応するX線による第1のスキャンで得られる第1のスキャンデータと、第2のエネルギーに対応するX線による第2のスキャンで得られる第2のスキャンデータとに基づいて得られる。この場合、単色X線画像I23および単色X線画像I24に対して、シングルエナジーで収集されたX線CT画像、或いは、Slow-kVスイッチングで得られた単色X線画像をトレーニングデータとする機械学習により得られた学習済みモデルM13を用いることにより、画質の更なる向上を図ることができる。また、学習済みモデルM14については、例えば、Slow-kVスイッチングで得られた単色X線画像や、シングルエナジーで収集されたX線CT画像をターゲットとし、Fast-kVスイッチングで得られた単色X線画像を入力側データとしてCNN等のトレーニングを行なうことにより、生成することができる。
また、これまで、入力画像のノイズを低減するように機能付けられた学習済みモデルM1について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、入力画像のコントラストを向上させるように機能付けられた学習済みモデルM2や、入力画像の解像度(分解能)を向上させるように機能付けられた学習済みモデルM3といった別種の学習済みモデルであっても同様に生成し、また、画像処理A2及び画像処理A3を実行する際に使用することができる。
例えば、画像処理機能24eは、シングルエナジーで収集されたX線画像や、任意方式のデュアルエナジー撮影で得られた単色X線画像等を出力側データとし、当該出力側データの画像に対してコントラストを低下させる画像処理を行なった画像を入力側データとして、CNN等のトレーニングを行なうことにより、学習済みモデルM2を生成することができる。また、例えば、画像処理機能24eは、シングルエナジーで収集されたX線画像や、任意方式のデュアルエナジー撮影で得られた単色X線画像等を出力側データとし、当該出力側データの画像に対して解像度を低下させる画像処理(複数画素の束ね処理など)を行なった画像を入力側データとして、CNN等のトレーニングを行なうことにより、学習済みモデルM3を生成することができる。
学習済みモデルM1~M3のような各種の学習済みモデルは、撮影の目的や画質要求に応じて適宜選択される。例えば、ユーザは、低ノイズ性、コントラスト重視、分解能重視などの中から重視する要求を選択し、画像処理機能24eは、選択された要求に応じて適切な学習済みモデルを選択して、画像処理A2及び画像処理A3を実行することができる。なお、学習済みモデルM2や学習済みモデルM3を用いる場合においても、学習済みモデルM1を用いる場合と同様に、学習済みモデル適用前の単色X線画像に対する、学習済みモデル適用済みの単色X線画像の比率を変化させることもできる。
また、これまで、単色X線画像I23及び単色X線画像I24に対して共通の学習済みモデルを適用する場合について説明したが、単色X線画像I23及び単色X線画像I24のそれぞれに別の学習済みモデルを適用してもよい。例えば、単色X線画像I23が「AkeV」に対応し、単色X線画像I24が「BkeV」に対応する場合において、画像処理機能24eは、「AkeV」に対応する学習済みモデルM15と、「BkeV」に対応する学習済みモデルM16とをそれぞれ生成してもよい。例えば、「AkeV」で収集された低線量のX線画像を入力側データとし、「AkeV」で収集された高線量のX線画像を出力側データとして、学習済みモデルM15を生成することができる。同様に、「BkeV」で収集された低線量のX線画像を入力側データとし、「BkeV」で収集された高線量のX線画像を出力側データとして、学習済みモデルM16を生成することができる。そして、画像処理機能24eは、単色X線画像I23に対して学習済みモデルM15を適用することにより画像処理A2を実行し、単色X線画像I24に対して学習済みモデルM16を適用することにより画像処理A3を実行する。この場合、学習済みモデル適用前の単色X線画像と、学習済みモデル適用済みの単色X線画像との合成は行なわないこととしてもよい。
また、画像処理A2及び画像処理A3は、ユーザの要望に応じて適宜調整することとしても構わない。例えば、高エネルギー側の単色X線画像I23についてノイズ低減を抑制したい旨の入力操作をユーザが行なった場合、画像処理機能24eは、画像処理A2として、低強度のノイズ低減処理を実行する。また、低エネルギー側の単色X線画像I24についてノイズ低減を抑制したい旨の入力操作をユーザが行なった場合、画像処理機能24eは、画像処理A3として、低強度のノイズ低減処理を実行する。また、高エネルギー側の単色X線画像I23についてノイズをより抑制したい旨の入力操作をユーザが行なった場合、画像処理機能24eは、画像処理A2として、高強度のノイズ低減処理を実行する。また、低エネルギー側の単色X線画像I24についてノイズをより抑制したい旨の入力操作をユーザが行なった場合、画像処理機能24eは、画像処理A3として、高強度のノイズ低減処理を実行する。
次に、第1生成機能24bは、単色X線画像I33及び単色X線画像I34に基づいて、再度、基準物質画像の生成処理を実行する。即ち、第1生成機能24bは、複数の単色X線画像を基準物質ごとに分解して、複数の基準物質それぞれの基準物質画像を生成する。例えば、第1生成機能24bは、上述した式(3)~(6)を用いて、図5に示す基準物質画像I43及び基準物質画像I44を生成する。なお、基準物質画像I43及び基準物質画像I44は、補正後基準物質画像の一例である。
ここで、第2生成機能24dは、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づいて、単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像といった各種画像を更に生成してもよい。例えば、第2生成機能24dは、上述した式(1)及び式(2)を用いて、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づく単色X線画像を生成することができる。また、例えば、第2生成機能24dは、基準物質画像I43と基準物質画像I44とを用いた各種の重み付け計算を行なって、密度画像や実効原子番号画像等を生成することができる。また、出力機能24fは、基準物質画像I43及び基準物質画像I44、或いは、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づいて生成された各種画像をディスプレイ22に表示させる。
基準物質画像I43及び基準物質画像I44においては、画像処理A2及び画像処理A3の効果が反映されており、基準物質画像I13及び基準物質画像I14と比較して画質が向上している。即ち、処理回路24は、CT値情報を用いた画像処理により、基準物質画像の画質を向上させることができる。特に、画像処理A2及び画像処理A3は、単色X線画像I23及び単色X線画像I24のそれぞれに対して適宜調整された互いに異なる画像処理であり、単色X線画像I23及び単色X線画像I24に対して一律に同じ画像処理を施す場合と比較して、基準物質画像の画質について更なる向上が期待される。また、ユーザとしては、単色X線画像I23及び単色X線画像I24のそれぞれに対して互いに異なる画像処理を設定できるため、より高い自由度で基準物質画像の画質を調整することができる。また、処理回路24は、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づいて生成される各種画像の画質を向上させることもできる。
なお、画像処理A2及び画像処理A3は、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づいて生成される各種画像を参考に設定されてもよい。以下、この点について、第1のX線エネルギーが「AkeV」であり、第2のX線エネルギーが「BkeV」である場合を例として説明する。
まず、第2生成機能24dは、基準物質画像I13及び基準物質画像I14に基づいて、「AkeV」に対応する単色X線画像I23と「BkeV」に対応する単色X線画像I24とを生成する。また、画像処理機能24eは、「AkeV」に対応する画像処理A2を単色X線画像I23に適用することにより単色X線画像I33を得る。また、画像処理機能24eは、「BkeV」に対応する画像処理A3を単色X線画像I24に適用することにより単色X線画像I34を得る。次に、第1生成機能24bは、単色X線画像I33及び単色X線画像I34に基づいて、基準物質画像I43及び基準物質画像I44を生成する。ここで、第2生成機能24dは、基準物質画像I43及び基準物質画像I44に基づいて、任意のX線エネルギーに対応する単色X線画像を更に生成することができる。例えば、第2生成機能24dは、「CkeV」に対応する単色X線画像I51を生成することができる。例えば、「CkeV」は、「AkeV」及び「BkeV」よりも低いX線エネルギーである。
このような場合において、例えば単色X線画像I51についてノイズ低減を抑制したい旨の入力操作をユーザが行なった場合、画像処理機能24eは、画像処理A3として、低強度のノイズ低減処理を実行する。即ち、画像処理機能24eは、「AkeV」及び「BkeV」のうち低エネルギー側でのノイズ低減を抑制することにより、「CkeV」のような低エネルギー側でのノイズ低減についても抑制することができる。或いは、画像処理機能24eは、「AkeV」及び「BkeV」の両側でのノイズ低減を抑制することにより、「CkeV」でのノイズ低減を抑制することとしてもよい。
次に、医用画像処理装置20による処理の手順の一例を、図7を用いて説明する。図7は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20の処理の一連の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS101及びステップS108は、制御機能24aに対応する。ステップS102及びステップS106は、第1生成機能24bに対応する。ステップS103は、特定機能24cに対応する。ステップS104は、第2生成機能24dに対応する。ステップS105は、画像処理機能24eに対応する。ステップS107は、出力機能24fに対応する。
まず、処理回路24は、X線CT装置10から線積分データを取得したか否かを判定し(ステップS101)、取得していない場合には待機状態となる(ステップS101否定)。一方で、線積分データを取得した場合(ステップS101肯定)、処理回路24は、線積分データに基づいて基準物質画像I13及び基準物質画像I14を生成する(ステップS102)。
また、処理回路24は、第1のX線エネルギーと第2のX線エネルギーとを特定する(ステップS103)。例えば、処理回路24は、撮影部位または撮影目的の少なくともいずれかの情報に基づいて、第1のX線エネルギーと第2のX線エネルギーとを特定する。なお、ステップS103の処理は、ステップS101及びステップS102の前に実行することとしてもよいし、ステップS101及びステップS102と並行して行なうこととしてもよい。また、処理回路24がX線エネルギーの特定を行なう代わりに、ユーザがマニュアルでX線エネルギーを設定することとしても構わない。
次に、処理回路24は、基準物質画像I13及び基準物質画像I14に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する単色X線画像I23と、第2のX線エネルギーに対応する単色X線画像I24とを生成する(ステップS104)。次に、処理回路24は、第1の画像処理及び第2の画像処理をそれぞれ実行する(ステップS105)。例えば、処理回路24は、第1のX線エネルギーに対応する画像処理A2を単色X線画像I23に適用することにより単色X線画像I33を得る。また、処理回路24は、第2のX線エネルギーに対応する画像処理A3を単色X線画像I24に適用することにより単色X線画像I34を得る。
次に、処理回路24は、補正後基準物質画像を生成する(ステップS106)。例えば、処理回路24は、単色X線画像I33及び単色X線画像I34に基づいて、基準物質画像I43及び基準物質画像I44を生成する。また、処理回路24は、生成した基準物質画像I43及び基準物質画像I44をディスプレイ22に表示させる(ステップS107)。
次に、処理回路24は、画像処理を継続するか否かを判定する(ステップS108)。画像処理を継続する場合には(ステップS108肯定)、処理回路24は、再度ステップS103に移行し、X線エネルギーの特定を行なう。ここで、ユーザは、ステップS107にて表示された補正後基準物質画像を参照した結果に基づいて、X線エネルギーをマニュアルで設定しても構わない。即ち、ユーザは、診断に適した補正後基準物質画像が生成されるまで、X線エネルギーを調整しつつ、画像処理を含む一連の処理を繰り返し実行させることとしても構わない。一方で、画像処理を継続しない場合(ステップS108否定)、処理回路24は、処理を終了する。
上述したように、第1の実施形態によれば、第2生成機能24dは、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを生成する。また、画像処理機能24eは、第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を第1の単色X線画像に適用することにより、第1の補正後単色X線画像を得る。また、画像処理機能24eは、第2のX線エネルギーに対応する、第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を第2の単色X線画像に適用することにより、第2の補正後単色X線画像を得る。また、第1生成機能24bは、第1の補正後単色X線画像と第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する。これにより、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、CT値情報を用いた画像処理によって、基準物質画像の画質を向上させることができる。
また、上述したように、画像処理機能24eは、第1の単色X線画像と第2の単色X線画像とに対して異なる画像処理を適用する。これにより、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、CT値情報を用いた画像処理をより効果的に実行して、基準物質画像の画質を更に向上させることができる。例えば、画像処理機能24eは、デュアルエナジー撮影の方式に応じて適切な画像処理方法を上述のように選択することで、より各仮想単色X線画像に合った画像処理を実行し、ひいては基準物質画像にとって所望の画質を得ることができる。
また、上述したように、第2生成機能24dは、複数の補正後基準物質画像に基づいて、単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像といった各種画像を更に生成することができる。そして、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、基準物質画像の画質を向上させることにより、これら基準物質画像に基づく各種画像の画質も向上させることができる。
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
例えば、上述した実施形態では、X線CT装置10における収集機能144bが線積分データの生成を行なうものとして説明したが、線積分データの生成処理は医用画像処理装置20において行なわれてもよい。例えば、収集機能144bは、DAS118から出力された投影データに対して前処理を施す。また、出力機能144cは、前処理後の投影データを、ネットワークNWを介して、医用画像処理装置20に送信する。そして、第1生成機能24bは、前処理後の投影データに対する分離処理を行なって線積分データを生成し、線積分データに基づいて、基準物質画像I13や基準物質画像I14といった基準物質画像を生成する。
別の例を挙げると、出力機能144cは、DAS118から出力された投影データを、ネットワークNWを介して、医用画像処理装置20に送信する。次に、第1生成機能24bは、投影データに対して各種の前処理を実行する。そして、第1生成機能24bは、前処理後の投影データに対する分離処理を行なって線積分データを生成し、線積分データに基づいて、基準物質画像I13や基準物質画像I14といった基準物質画像を生成する。
また、上述した実施形態では、基準物質画像I13や基準物質画像I14といった基準物質画像の生成処理を第1生成機能24bが実行するものとして説明した。即ち、上述した実施形態では、第1生成機能24bが基準物質画像の生成処理を実行することにより、複数の基準物質画像を取得するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線CT装置10等の他の装置において複数の基準物質画像が生成され、制御機能24aが、ネットワークNWを介して複数の基準物質画像を取得することとしても構わない。
また、上述した実施形態では、単色X線画像I23や単色X線画像I24といった単色X線画像の生成処理を第2生成機能24dが実行するものとして説明した。即ち、上述した実施形態では、第2生成機能24dが単色X線画像の生成処理を実行することにより、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線CT装置10等の他の装置において第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像が生成され、制御機能24aが、ネットワークNWを介して第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像を取得することとしても構わない。
また、上述した実施形態では、処理回路24において生成された画像をディスプレイ22に表示させるものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、出力機能24fは、第1の補正後単色X線画像と第2の補正後単色X線画像とに基づいて生成された補正後基準物質画像をX線CT装置10等の外部装置に送信し、当該外部装置において、補正後基準物質画像の表示が行なわれることとしてもよい。また、例えば、出力機能24fは、補正後基準物質画像に基づいて生成された密度画像等の各種画像をX線CT装置10等の外部装置に送信し、当該外部装置において、密度画像等の各種画像の表示が行なわれることとしてもよい。
また、上述した実施形態ではデュアルエネルギーの場合を例として説明したが、マルチエナジー(Multi Energy)のスキャンを実行する場合についても同様に適用が可能である。マルチエナジーは、3種類以上の異なるX線エネルギーのそれぞれに対応した投影データを収集する技術である。例えば、3以上の自然数をNとする場合において、収集機能144bは、N種類のX線エネルギーのそれぞれに対応した投影データを収集する。この場合、N種類の基準物質を設定して、基準物質画像の生成処理を行なうことが可能である。
また、上述した実施形態では、複数の基準物質画像に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを生成するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。即ち、第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像については、基準物質画像を介さずに生成することも可能である。
一例を挙げると、X線CT装置10は、X線検出器112として、被検体Pを透過したX線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器112eを備える。この場合、収集機能144bは、例えば管電圧を1種類に固定してスキャンを実行する。また、検出器112eは、X線光子が入射するごとに、X線光子のエネルギー値を計測可能な信号を出力する。また、DAS118は、検出器112eから出力される個々の信号を弁別し、X線光子の入射位置(検出位置)とX線光子のエネルギー値とを含む計数情報を、X線管111の位相(管球位相)ごとに収集する。即ち、DAS118は、投影データとして、X線光子のエネルギー情報を含む計数情報を収集する。
フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いる場合、第2生成機能24dは、X線光子のエネルギー情報を含んだ投影データに基づいて、任意のエネルギーの単色X線画像を生成することができる。例えば、第2生成機能24dは、第1のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像を再構成する。また、第2生成機能24dは、第2のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像を再構成する。なお、フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いる場合に第2生成機能24dが生成する単色X線画像は、特定のエネルギー値に対応するものであってもよいし、特定のエネルギー範囲(Bin)に対応するものであってもよい。
また、フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いて収集される投影データは、エネルギー情報に基づいて、X線エネルギーごとに分離することが可能である。例えば、フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いる場合には、デュアルエナジー収集を行なう場合と同様に、高エネルギーの投影データと低エネルギーの投影データとをそれぞれ取得することが可能である。従って、第1生成機能24bは、フォトンカウンティング方式の検出器112eを用いて収集された投影データに基づいて複数の基準物質画像を生成することができる。また、第2生成機能24dは、上述した通り、複数の基準物質画像に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを生成することができる。
即ち、第2生成機能24dは、X線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器112eで得られた投影データに基づいて、第1の単色X線画像と第2の単色X線画像とを生成することができる。或いは、X線CT装置10等の他の装置において第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像の再構成処理が行われ、制御機能24aが、ネットワークNWを介して第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像を取得することとしても構わない。そして、画像処理機能24eは、第1の画像処理及び第2の画像処理を第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像のそれぞれに適用することにより、第1の補正後単色X線画像及び第2の補正後単色X線画像を得る。また、第1生成機能24bは、第1の補正後単色X線画像と第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する。
また、上述した実施形態では、医用画像処理装置20における処理回路24が、制御機能24a、第1生成機能24b、特定機能24c、第2生成機能24d、画像処理機能24e、出力機能24fといった各種機能を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、X線CT装置10における処理回路144が、処理回路24の各機能に相当する機能を実行しても構わない。
以下、この点について図8を用いて説明する。図8は、第2の実施形態に係るX線CT装置10の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すX線CT装置10は、図2に示したX線CT装置10と比較して、処理回路144が第1生成機能144d、特定機能144e、第2生成機能144f及び画像処理機能144gを更に有する点で相違する。
第1生成機能144dは、第1生成機能24bに対応した機能である。特定機能144eは、特定機能24cに対応した機能である。第2生成機能144fは、第2生成機能24dに対応した機能である。画像処理機能144gは、画像処理機能24eに対応した機能である。また、制御機能144a及び第2生成機能144fは、取得部の一例である。また、画像処理機能144gは、画像処理部の一例である。また、第1生成機能144dは、生成部の一例である。
例えば、特定機能144eは、第1のX線エネルギーと第2のX線エネルギーとを特定する。例えば、特定機能144eは、撮影部位または撮影目的の少なくともいずれかの情報に基づいて、第1のX線エネルギーと第2のX線エネルギーとを特定する。
また、例えば、収集機能144bは、被検体PにX線を照射することにより投影データを収集する。例えば、収集機能144bは、デュアルエナジーのスキャンを実行して、複数のX線エネルギーに対応した投影データを収集する。また、収集機能144bは、投影データに対する前処理及び分離処理を行なって、前処理後の投影データを基準物質ごとに分離した線積分データを生成する。次に、第1生成機能144dは、線積分データに基づいて複数の基準物質画像を生成する。次に、第2生成機能144fは、複数の基準物質画像に基づいて第1の単色X線画像と第2の単色X線画像とを生成する。即ち、第2生成機能144fは、単色X線画像の生成処理を実行することにより、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得する。或いは、医用画像処理装置20等の他の装置において、複数の基準物質画像に基づく第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像が生成され、制御機能144aが、ネットワークNWを介して第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像を取得することとしても構わない。
別の例を挙げると、収集機能144bは、X線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器112eを用いてスキャンを実行し、X線光子のエネルギー情報を含んだ投影データを収集する。また、例えば、第2生成機能144fは、第1のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像を再構成する。また、第2生成機能144fは、第2のX線エネルギーに対応するX線光子の計数結果に基づいて、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像を再構成する。或いは、医用画像処理装置20等の他の装置において、フォトンカウンティング方式の検出器112eに基づく第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像が生成され、制御機能144aが、ネットワークNWを介して第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像を取得することとしても構わない。
次に、画像処理機能144gは、第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を第1の単色X線画像に適用することにより、第1の補正後単色X線画像を得る。また、画像処理機能144gは、第2のX線エネルギーに対応する、第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を第2の単色X線画像に適用することにより、第2の補正後単色X線画像を得る。次に、第1生成機能144dは、第1の補正後単色X線画像と第2の補正後単色X線画像とに基づいて、複数の補正後基準物質画像を生成する。ここで、第2生成機能144fは、複数の補正後基準物質画像に基づいて、単色X線画像や密度画像、実効原子番号画像といった各種画像を更に生成することとしてもよい。
そして、出力機能144cは、第1生成機能144dによって生成された補正後基準物質画像、及び、補正後基準物質画像に基づいて生成された各種画像を、ディスプレイ142に表示させる。或いは、出力機能144cは、画像をディスプレイ142に表示させることに代え、ネットワークNWを介して医用画像処理装置20等の外部装置に送信してもよい。この場合には、外部装置が備えるディスプレイにおいて、補正後基準物質画像や、補正後基準物質画像に基づいて生成された各種画像の表示が行なわれる。
また、上述した実施形態では、第1の画像処理及び第2の画像処理が機械学習の手法による画像処理である場合において、第1の単色X線画像および第2の単色X線画像には互いに異なるモデルが適用され、或いは、単色X線画像と当該単色X線画像に対してモデルを適用して得られる処理後画像との合成の比率を異ならせる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、第1の単色X線画像および第2の単色X線画像に共通のモデルを適用することで、第1の補正後単色X線画像および第2の補正後単色X線画像を得ることとしてもよい。例えば、第1の単色X線画像および第2の単色X線画像が、Fast-kVスイッチングと異なるスキャンにより得られるスキャンデータに基づき再構成される場合には、第1の単色X線画像および第2の単色X線画像には、機械学習により得られるモデルであって共通のモデルを適用することで、第1の補正後単色X線画像および第2の補正後単色X線画像を得ることとしてもよい。
また、上述した実施形態では、デュアルエナジー等のマルチエナジースキャンのスキャンによって得られた単色X線画像に対して、機械学習により得られるモデルを適用する例について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、非マルチエナジースキャンにより得られるX線CT画像に対して、機械学習により得られるモデルを適用することとしても構わない。例えば、上述した第1の単色X線画像及び第2の単色X線画像、並びに、非マルチエナジースキャンにより得られるX線CT画像に対して、共通の、機械学習により得られるモデルを適用することとしても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、図1においては、単一のメモリ21が処理回路24の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。また、図2及び図8においては、単一のメモリ141が処理回路144の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ21を分散して配置し、処理回路24は、個別のメモリ21から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。同様に、複数のメモリ141を分散して配置し、処理回路144は、個別のメモリ141から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ21又はメモリ141にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態で説明した医用画像処理方法は、予め用意された医用画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この医用画像処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この医用画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、基準物質画像の画質を向上させることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 医用画像処理システム
10 X線CT装置
140 コンソール装置
144 処理回路
144a 制御機能
144b 収集機能
144c 出力機能
144d 第1生成機能
144e 特定機能
144f 第2生成機能
144g 画像処理機能
20 医用画像処理装置
24 処理回路
24a 制御機能
24b 第1生成機能
24c 特定機能
24d 第2生成機能
24e 画像処理機能
24f 出力機能

Claims (19)

  1. 第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得し、
    前記第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を前記第1の単色X線画像に適用することにより第1の補正後単色X線画像を得、
    前記第2のX線エネルギーに対応する、前記第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を前記第2の単色X線画像に適用することにより第2の補正後単色X線画像を得、
    前記第1の補正後単色X線画像と前記第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する、医用画像処理方法。
  2. 複数の異なるX線エネルギーに対応した投影データに基づく複数の基準物質画像を生成し、
    当該複数の基準物質画像に基づいて前記第1の単色X線画像と前記第2の単色X線画像とを生成する、請求項1に記載の医用画像処理方法。
  3. 被検体にX線を照射することにより前記投影データを収集し、
    当該投影データに基づいて前記複数の基準物質画像を生成し、
    当該複数の基準物質画像に基づいて前記第1の単色X線画像と前記第2の単色X線画像とを生成する、請求項2に記載の医用画像処理方法。
  4. X線に由来する光を個々に計数するフォトンカウンティング方式の検出器で得られた投影データに基づいて前記第1の単色X線画像と前記第2の単色X線画像とを生成する、請求項1に記載の医用画像処理方法。
  5. 撮影部位または撮影目的の少なくともいずれかの情報に基づいて前記第1のX線エネルギーと前記第2のX線エネルギーとを特定し、
    当該第1のX線エネルギーに対応する前記第1の単色X線画像と、当該第2のX線エネルギーに対応する前記第2の単色X線画像とを生成する、請求項2~4のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  6. 前記第1の画像処理は、撮影部位または撮影目的のいずれかと、前記第1のX線エネルギーとに対応し、
    前記第2の画像処理は、前記撮影部位または前記撮影目的のいずれかと、前記第2のX線エネルギーとに対応する、請求項1~5のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  7. 前記第1の画像処理は、機械学習により得られるモデルを用いた第1の処理であり、
    前記第2の画像処理は、機械学習により得られるモデルを用いた、前記第1の処理とは異なる第2の処理である、請求項1~6のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  8. 前記第1の画像処理は、機械学習により得られるモデルを前記第1の単色X線画像に適用して得られる第1の処理後画像と、前記第1の単色X線画像とを第1の比率で合成することにより前記第1の補正後単色X線画像を得る処理であり、
    前記第2の画像処理は、前記モデルを前記第2の単色X線画像に適用して得られる第2の処理後画像と、前記第2の単色X線画像とを前記第1の比率とは異なる第2の比率で合成することにより前記第2の補正後単色X線画像を得る処理である、請求項1~6のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  9. 前記第1のX線エネルギーが前記第2のX線エネルギーよりも高い場合、前記第2の比率における第2の処理後画像の割合は、前記第1の比率における第1の処理後画像の割合よりも大きい、請求項8に記載の医用画像処理方法。
  10. 前記第1の単色X線画像および前記第2の単色X線画像は、前記第1のX線エネルギーに対応するX線による第1のスキャンで得られる第1のスキャンデータと、前記第2のX線エネルギーに対応するX線による第2のスキャンで得られる第2のスキャンデータとに基づいて得られる、請求項1~9のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  11. 前記第1の単色X線画像および前記第2の単色X線画像は、Fast-kVスイッチングでないスキャンで得られるスキャンデータに基づいて得られる、請求項1~9のいずれか一項に記載の医用画像処理方法。
  12. 第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得する取得部と、
    前記第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を前記第1の単色X線画像に適用することにより第1の補正後単色X線画像を得、前記第2のX線エネルギーに対応する、前記第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を前記第2の単色X線画像に適用することにより第2の補正後単色X線画像を得る画像処理部と、
    前記第1の補正後単色X線画像と前記第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する生成部と
    を備える、医用画像処理装置。
  13. 前記第1の画像処理は、機械学習により得られるモデルを用いた第1の処理であり、
    前記第2の画像処理は、機械学習により得られるモデルを用いた、前記第1の処理とは異なる第2の処理である、請求項12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記第1の画像処理は、機械学習により得られるモデルを前記第1の単色X線画像に適用して得られる第1の処理後画像と、前記第1の単色X線画像とを第1の比率で合成することにより前記第1の補正後単色X線画像を得る処理であり、
    前記第2の画像処理は、前記モデルを前記第2の単色X線画像に適用して得られる第2の処理後画像と、前記第2の単色X線画像とを前記第1の比率とは異なる第2の比率で合成することにより前記第2の補正後単色X線画像を得る処理である、請求項12に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記第1のX線エネルギーが前記第2のX線エネルギーよりも高い場合、前記第2の比率における第2の処理後画像の割合は、前記第1の比率における第1の処理後画像の割合よりも大きい、請求項14に記載の医用画像処理装置。
  16. 前記第1の単色X線画像および前記第2の単色X線画像は、前記第1のX線エネルギーに対応するX線による第1のスキャンで得られる第1のスキャンデータと、前記第2のX線エネルギーに対応するX線による第2のスキャンで得られる第2のスキャンデータとに基づいて得られる、請求項12~15のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  17. 前記第1の単色X線画像および前記第2の単色X線画像は、Fast-kVスイッチングでないスキャンで得られるスキャンデータに基づいて得られる、請求項12~15のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  18. 前記取得部はさらに、非マルチエナジースキャンにより得られるX線CT画像を取得し、
    前記画像処理部は、前記第1の単色X線画像、前記第2の単色X線画像、および前記X線CT画像に対し、共通の、機械学習により得られるモデルを適用する、請求項12~17のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  19. 第1のX線エネルギーに対応する第1の単色X線画像と、第2のX線エネルギーに対応する第2の単色X線画像とを取得する取得部と、
    前記第1のX線エネルギーに対応する第1の画像処理を前記第1の単色X線画像に適用することにより第1の補正後単色X線画像を得、前記第2のX線エネルギーに対応する、前記第1の画像処理とは異なる第2の画像処理を前記第2の単色X線画像に適用することにより第2の補正後単色X線画像を得る画像処理機能と、
    前記第1の補正後単色X線画像と前記第2の補正後単色X線画像とに基づいて複数の補正後基準物質画像を生成する生成部と
    を備える、X線CT装置。
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