JP2019119933A - 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019119933A
JP2019119933A JP2018245803A JP2018245803A JP2019119933A JP 2019119933 A JP2019119933 A JP 2019119933A JP 2018245803 A JP2018245803 A JP 2018245803A JP 2018245803 A JP2018245803 A JP 2018245803A JP 2019119933 A JP2019119933 A JP 2019119933A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
annealing
steel sheet
temperature
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018245803A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6838601B2 (ja
Inventor
雅紀 竹中
Masanori Takenaka
雅紀 竹中
渡辺 誠
Makoto Watanabe
渡辺  誠
有衣子 江橋
Yuiko EHASHI
有衣子 江橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2019119933A publication Critical patent/JP2019119933A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6838601B2 publication Critical patent/JP6838601B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

【課題】極薄の板厚でも、仕上焼鈍における急速加熱を行うことなく、二次再結晶不良を抑止可能な方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。【解決手段】Si:2.0〜5.0%を含有し、インヒビター形成成分として、Al、N、SおよびSeを所定量含有する鋼スラブを1250℃以下に加熱し、熱間圧延し、冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍し、仕上焼鈍を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、上記一次再結晶焼鈍から仕上焼鈍の間に窒化処理を施して上記鋼スラブ中のsol.Alと仕上焼鈍前のNの含有量N*との比(sol.Al/N*)と最終板厚dとが所定の関係を満たすとともに、上記仕上焼鈍では、加熱過程の850℃超え950℃以下で5〜200hr間の保定処理し、950〜1050℃間を5〜30℃/hrで加熱し、さらに、1100℃以上の温度に2hr以上保持する純化処理を施す。【選択図】図1

Description

本発明は、低鉄損の方向性電磁鋼板とその製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板は、二次再結晶を利用して、結晶粒を{110}<001>方位(以降、「ゴス方位」という)に集積させることで、低鉄損で高磁束密度という優れた磁気特性を付与した軟磁性材料であることから、主として変圧器等の電気機器の鉄芯材料として用いられている。方向性電磁鋼板の磁気特性を示す指標としては、一般に、磁場の強さが800A/mにおける磁束密度B(T)と、励磁周波数が50Hzの交流磁場で1.7Tまで磁化したときの鋼板1kgあたりの鉄損W17/50(W/kg)が用いられている。
方向性電磁鋼板の鉄損は、結晶方位や鋼板純度等に依存するヒステリシス損と、板厚や比抵抗、磁区の大きさ等に依存する渦電流損との和で表される。そのため、鉄損を低減する方法としては、結晶方位のGoss方位への集積度を高めて磁束密度を向上させることでヒステリシス損を低減する方法や、電気抵抗を高めるSi等の含有量を高めたり、鋼板の板厚を低減したり、磁区を細分化したりすることで渦電流損を低減する方法等が知られている。
これらの鉄損低減方法のうち、磁束密度を向上させる方法については、方向性電磁鋼板を製造する際、インヒビターと呼ばれる析出物を利用して最終仕上焼鈍中に粒界に易動度差をつけることで、ゴス方位のみを優先成長させる方法が一般的な技術として利用されている。例えば、特許文献1には、インヒビターとして、AlNやMnSを利用する方法が、また、特許文献2には、インヒビターとして、MnSやMnSeを利用する方法が開示されており、いずれも既に工業的に実用化されている。
しかしながら、上記特許文献1および2に開示の技術は、熱間圧延に先立つスラブ加熱において、1250℃以上の高温に加熱することが必要であり、多大なエネルギーを必要とするという問題があった。そこで、上記問題を解決するため、例えば、特許文献3には、スラブ加熱の段階では、インヒビター形成成分、例えばAl,N,Mn,SおよびSe等の鋼中への固溶を完全には行わず、脱炭焼鈍後に、鋼板を走行させる状態下で窒化処理することにより、(Al,Si)Nを主成分とするインヒビターを形成することによって、1200℃以下の低温スラブ加熱においても高温スラブ加熱並みの磁気特性を発現させる、いわゆる「窒化処理技術」が提案されている。
また、板厚を薄くする方法に関しては、圧延による方法と、化学研磨による方法とが知られているが、化学研磨する方法は、歩留まりの低下が大きく、工業的規模での生産には適さない。そのため、専ら圧延により板厚を薄くする方法が用いられている。しかし、圧延して板厚を薄くすると、仕上焼鈍における二次再結晶が不安定となり、磁気特性の優れた製品を安定して製造することが難しくなるという問題がある。
この問題に対して、例えば、特許文献4には、主インヒビターとしてAlNを使用し、強圧下の最終冷間圧延することで薄手の一方向性電磁鋼板を製造する方法において、SnとSeの複合添加に加えてさらにCuおよび/またはSbを添加することで、より優れた鉄損値が得られることが、また、特許文献5には、板厚0.20mm以下の薄手の一方向性電磁鋼板の製造方法において、Nbを添加することで、炭窒化物の微細分散が促進されてインヒビター効果が強化され、磁気特性が向上することが開示されている。また、特許文献6には、熱延板の板厚を薄くし、コイルの巻取温度を下げ、仕上焼鈍のヒートパターンを適性に制御することで、1回の冷延で磁気特性の優れた薄手の一方向性電磁鋼板を製造する方法が、また、特許文献7には、熱延板の板厚を1.9mm以下とすることで、0.23mm以下の方向性電磁鋼板を一回冷延法で製造する方法が開示されている。
しかしながら、最終冷延後の板厚が0.15〜0.23mmという極薄の方向性電磁鋼板では、上記特許文献4〜7の技術を適用しても、依然として二次再結晶不良が発生し、歩留りが低下し易いという問題があった。
そこで、上記問題を解決する技術として、特許文献8には、製品板厚に応じて素材となる鋼スラブ中のsol.AlとNの含有量の比を適正範囲に制御し、鋼板板厚の中心層の一次再結晶粒径を二次再結晶に適した大きさとするとともに、仕上焼鈍の加熱過程において、二次再結晶前の鋼板を所定の温度に所定時間保持する保定処理を施してコイル内の温度を均一化した後、10〜60℃/hrの昇温速度で急速加熱して鋼板表層の粒径を適正範囲に制御することによって二次再結晶不良を防止する技術が開示されている。
特公昭40−015644号公報 特公昭51−013469号公報 特開平05−112827号公報 特公平07−017956号公報 特開平06−025747号公報 特公平07−042507号公報 特開平04−341518号公報 特開2013−047382号公報
しかしながら、製品板厚(最終冷延板厚)が0.15〜0.23mmという極薄厚の方向性電磁鋼板では、上記特許文献3に開示の窒化処理技術および特許文献8に開示の仕上焼鈍における保定処理技術を適用しても、その後の二次再結晶させる急速加熱時にコイル内に大きな温度差が生じるため、特にコイル中巻き部などの昇温速度が比較的遅い部位では依然として二次再結晶不良が発生し、抜本的な問題の解決には至っていなかった。また、保定処理後の高温域で急速加熱するためには、強力な加熱設備や多量の燃料供給が必要となるため、工業的観点からも好ましくない。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温スラブ加熱と窒化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、極薄の板厚でも、仕上焼鈍における急速加熱を行うことなく、二次再結晶不良の発生を抑止可能な製造方法を提案することにある。
発明者らは、上記課題を解決するべく、インヒビター形成成分としてのsol.AlとNの含有量および製品板厚との関係に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、低温スラブ加熱と窒化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、製品板厚に対する、素材となる鋼スラブ中のsol.Alと仕上焼鈍前の鋼板のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)の値を、特許文献8に記載の従来技術よりも低い範囲に制御することによって、インヒビターとして作用するAlNの仕上焼鈍におけるオストワルド成長が抑止され、二次再結晶前の一次再結晶粒が二次再結晶に適した大きさとなり、しかも、仕上焼鈍における加熱過程の保定処理後の昇温速度も、特許文献8に記載の従来技術よりも適正範囲が低速度側に移行すること、したがって、急速加熱することなくコイル全長にわたって二次再結晶を安定して発現することができることを見出し、本発明を開発するに至った。
上記知見に基く本発明は、C:0.005mass%以下、Si:2.0〜5.0mass%、Mn:0.01〜0.30mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、結晶粒の円相当径の平均値が10〜100mmで、結晶粒の(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で表わされるアスペクト比の平均値が2.0未満、かつ、上記アスペクト比の標準偏差が1.0以下である二次再結晶組織を有することを特徴とする方向性電磁鋼板である。
本発明の上記方向性電磁鋼板は、上記結晶粒のアスペクト比の標準偏差が0.7以下であることを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板は、円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率が1%以下であることを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.00mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、Ti:0.001〜0.010mass%、Nb:0.001〜0.010mass%、V:0.001〜0.010mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Te:0.0005〜0.010mass%およびTa:0.001〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
また、本発明は、C:0.02〜0.10mass%、Si:2.0〜5.0mass%、Mn:0.01〜0.30mass%、sol.Al:0.01〜0.04mass%、N:0.004〜0.020mass%、SおよびSeのうちから選ばれる1種または2種を合計で0.002〜0.040mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1250℃以下の温度に加熱した後、熱間圧延し、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍し、仕上焼鈍を施すとともに、上記一次再結晶焼鈍の後半もしくは一次再結晶焼鈍から仕上焼鈍の間のいずれかの工程において鋼板の窒素量を増加させる窒化処理を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、上記鋼スラブのsol.Alと上記仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nの比(sol.Al/N)と最終板厚d(mm)とが、下記(1)式;
4d+0.80≦sol.Al/N≦4d+1.50 ・・・(1)
を満たし、上記仕上焼鈍では、加熱過程の850℃超え950℃以下の温度域に5〜200hr保持する保定処理した後、引き続き、もしくは、一旦、700℃以下まで降温した後、再加熱し、950〜1050℃間の温度域を5〜30℃/hrの昇温速度で加熱し、さらに、1100℃以上の温度に2hr以上保持する純化処理を施すことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法を提案する。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記一次再結晶焼鈍の加熱過程における500〜700℃間を50℃/s以上の昇温速度で加熱することを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法に用いる上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.00mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、Ti:0.001〜0.010mass%、Nb:0.001〜0.010mass%、V:0.001〜0.010mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Te:0.0005〜0.010mass%およびTa:0.001〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記最終板厚とする冷間圧延以降のいずれかの工程で、磁区細分化処理を施すことを特徴とする。
また、本発明の上記方向性電磁鋼板の製造方法は、上記磁区細分化処理を、平坦化焼鈍後の鋼板表面に電子ビームまたはレーザービームを照射して行うことを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、低温スラブ加熱と窒化処理を施す方向性電磁鋼板の製造方法において、健全な二次再結晶が困難であった板厚が0.15〜0.23mmという極薄厚の鋼板でも、二次再結晶が安定的に発現するので、板厚低減による鉄損特性の改善効果をコイル全長にわたって享受することが可能となる。また、本発明によれば、仕上焼鈍の加熱過程における800〜950℃間の急速加熱が不要となるので、工業的な観点からも有利である。
鋼スラブ中のsol.Alと上記仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)と最終板厚dが、磁束密度Bに及ぼす影響を示すグラフである。
まず、本発明を開発するに至った実験について説明する。
<実験1>
表1に示したように、C:0.05〜0.06mass%、Si:3.2〜3.3mass%、Mn:0.07〜0.08mass%、S:0.014〜0.015mass%およびSe:0.004〜0.006mass%、sol.Al:0.01〜0.04mass%、N:0.004〜0.012mass%を含有する成分組成を有する10種の鋼スラブを1180℃の温度に加熱した後、熱間圧延して板厚2.7mmの熱延板とし、1000℃×60秒の熱延板焼鈍を施した後、1回目の冷間圧延して中間板厚1.8mmとし、1100℃×60秒の中間焼鈍を施した後、2回目(最終)の冷間圧延して最終板厚が0.12〜0.27mmの範囲の種々の冷延板とした。
Figure 2019119933
次いで、50vol%H−50vol%Nの湿水素雰囲気下で820℃×2minの脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、NHとNとHの混合雰囲気下で750℃×30sの窒化処理を施し、表1中に示したように、鋼スラブ中のsol.Alと窒化処理後、すなわち、仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)を0.84〜2.88の範囲で種々に変化させた。なお、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の昇温速度は20℃/sとした。
次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、920℃までを、N雰囲気下で、20℃/hrの昇温速度で加熱し、920℃の温度で10hr保持する保定処理を施した後、920℃から1150℃までを、25vol%N−75vol%のHの混合雰囲気下で、950〜1050℃間の昇温速度が20℃/hrとなるよう加熱し、1150℃から1220℃までを、H雰囲気下で、昇温速度10℃/hrで加熱し、さらに、H雰囲気下で1220℃の温度に30hr保持する純化処理を施した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する、二次再結晶焼鈍と純化処理からなる仕上焼鈍を施した。
次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布し、被膜の焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た全長約4000mの製品板の長手方向0m、1000m、2000m、3000および4000mの5箇所から、磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度Bを測定し、コイル内で磁束密度が最も低い値をコイル内保証値、最も高い値をコイル内最良値とし、その結果を表1に併記した。また、図1には、コイル内保証値の磁束密度B:1.92T以上が得られる板厚dと(sol.Al/N)の範囲を示した。ここで、コイル内保証値の磁束密度Bが高いということは、コイル内で二次再結晶が均一に起こっていることを示しており、二次再結晶が適正に発現したことを判断するのに有効な指標となる。
これらの結果から、鋼素材(スラブ)中のsolAlと仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)を、製品板厚(最終板厚)に応じて適正範囲に制御する、具体的には、下記(1)式;
4d+0.80≦sol.Al/N≦4d+1.50 ・・・(1)
を満たすよう制御することで、コイル全長に亘って二次再結晶が安定して発現し、製品板の磁気特性が大きく向上することがわかった。
上記のように、(sol.Al/N)の適正範囲が板厚によって変化する理由について、発明者らは以下のように考えている。
板厚が薄くなると、板厚方向の一次再結晶粒の数が減少するため、二次再結晶を起こす駆動力が低下する。そのため、最終板厚d(mm)の低下に応じて、二次再結晶前の一次再結晶粒を微細に維持したまま、何らかの方法で、二次再結晶の駆動力を高めてやる必要がある。しかしながら、(sol.Al/N)の値が大きくなり過ぎると、AlNのオストワルド成長が却って促進するため、二次再結晶に必要な駆動力を確保できず、図1に示したように、二次再結晶不良を招く。一方、(sol.Al/N)が小さくなり過ぎると、Goss方位からの角度差が大きい粒も二次再結晶を起こすようになるため、二次再結晶後の磁束密度が低下したり、鉄損が増大したりする。
<実験2>
C:0.05mass%、Si:3.4mass%、Mn:0.12mass%、sol.Al:0.028mass%、N:0.0044mass%、S:0.011mass%、Cu:0.10mass%およびSn:0.08mass%を含有する鋼スラブを1240℃の温度に加熱した後、熱間圧延して板厚2.6mmの熱延板とし、1020℃×10秒の熱延板焼鈍を施した後、1回目の冷間圧延して中間板厚1.8mmとし、1050℃×50秒の中間焼鈍を施し、さらに2回目の冷間圧延して最終板厚0.18mmの冷延板とした。
次いで、60vol%H−40vol%Nの湿水素雰囲気下で880℃×2minの脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、NHとNとHの混合雰囲気下で800℃×40sの窒化処理を施し、鋼スラブ中のsol.Alと窒化処理後、すなわち、仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)を1.71とした。なお、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の昇温速度は30℃/sとした。
次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、860℃までを、N雰囲気下で、20℃/hrの昇温速度で加熱した後、860から1200℃までを、H雰囲気下で加熱し、さらに、H雰囲気下で、1200℃の温度に5hr保持する純化処理を施した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する二次再結晶焼鈍と純化処理からなる仕上焼鈍を施した。この際、上記860℃から1200℃までの加熱においては、860℃の温度で50hr保持する保定処理の有無と、950〜1050℃間の昇温速度を、表2に示したA〜Hの加熱パターンのように変化させた。ここで、表2中に示した「降温無し」とは、保定処理後、引続いで、高温に加熱したことを、また、「降温有り」とは、保定処理後、一旦、200℃以下まで降温した後、再加熱したことを示している。
Figure 2019119933
次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布した後、被膜の焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た全長約4000mの製品板の長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの5箇所から磁気特性測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度Bおよび磁束密度の振幅1.7T、50Hzにおける鉄損値W17/50を測定し、コイル内で最も悪いBおよびW17/50の値をコイル内保証値、コイル内で最も良好なBおよびW17/50の値をコイル内最良値とし、それらの結果を表2に併記した。また、上記サンプルの幅中央部1000mm×圧延方向長さ500mmの領域の結晶粒について、円相当径の平均値、(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で表わされるアスペクト比の平均値とその標準偏差σ、および、円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率を測定し、その結果も表2に併記した。
これらの結果から、仕上焼鈍の加熱途中の860℃において50hrの保定処理を行わなかった加熱パターンAおよび950〜1050℃間の昇温速度が2℃/hrと低い加熱パターンBは、コイル内で均一に二次再結晶が発現しなかったため、コイル内保証値が悪いが、860℃で50hrの保定処理後、5℃/hr以上の昇温速度で加熱した加熱パターンC〜Gでは、二次再結晶が安定して発現し、コイル内全長に亘って磁気特性が向上している。また、加熱パターンDとEを比較するとわかるように、保定処理後、引続き、高温まで加熱した場合と、保定処理後、一旦、200℃以下まで降温し、その後、高温まで再加熱した場合とでは、磁気特性に差が認められない。ただし、保定処理後の昇温速度が30℃/hrを超える加熱パターンHおよびIの場合には、磁気特性が若干劣化する傾向が認められた。
また、コイル内保証値の磁気特性が向上した条件では、製品板の結晶粒が、円相当径の平均値が10mm以上で、アスペクト比の平均値が2.0未満、かつ、標準偏差σが1.0以下であった。
ここで、上記のように仕上焼鈍の加熱過程で適度な保定処理を施すことで、その後の加熱が低昇温速度でも磁気特性が改善される理由について、発明者らは、以下のように考えている。
加熱過程の二次再結晶開始前の860℃の温度で50hrの保定処理を施す目的は、コイル内の温度を均一化するためである。しかし、上記保定処理中にも、インヒビターとして作用するAlNのオストワルド成長は進行して粗大化し、インヒビター能は低下する。そのため、従来技術においては、その後の二次再結晶が起こる高温域(950〜1050℃間)での加熱を急速加熱とする必要があった。しかし、本発明では、鋼素材(スラブ)中のsolAlと仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)を従来よりも低い範囲に制御しているので、仕上焼鈍の保定処理完了までの間におけるAlNのオストワルド成長が抑制される。したがって、一次再結晶粒が微細な状態のまま、つまり、二次再結晶の駆動力を高く保ったまま、二次再結晶が起こる高温域へ移行することが可能となるので急速加熱する必要性がなくなる。さらに、低速加熱が可能となることによって、コイル内の温度差がより低減されるので、コイル全長にわたって二次再結晶を安定して発現することが可能となる。
また、磁気特性が向上した条件で、製品板の結晶粒の円相当径の平均値が10mm以上、アスペクト比の平均値が2.0未満で標準偏差σが1.0以下となる理由については、上記条件では、二次再結晶の駆動力を高く保ったまま、二次再結晶を発現することが可能となるため、粗大かつアスペクト比の小さな二次再結晶組織がより多く形成されるためであると考えられる。その結果、円相当径が2mm未満の微細な結晶粒の形成も抑制されることになる。
本発明は、上記の新規な知見に基づいてなされたものである。
次に、本発明の方向性電磁鋼板について説明する。
結晶粒の円相当径の平均値:10〜100mm
本発明の無方向性電磁鋼板は、二次再結晶後の結晶組織における結晶粒の円相当径が、平均値で10〜100mmの範囲内にあることが必要である。円相当径の平均値が10mm未満では、上記実験結果からわかるように、良好な磁気特性が得られない。一方、100mmを超えると、180°磁区幅が増大し、鉄損特性が劣化するためである。より良好な磁気特性を得るためには、30〜80mmの範囲であることが好ましい。
円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率:1%以下
本発明の無方向性電磁鋼板は、より優れた磁気特性を得るためには、二次再結晶後の結晶組織における円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率が1%以下であることが好ましい。1%を超えると、上記した結晶粒の円相当径の平均値の低下を招くからである。より良好な磁気特性を得るためには、0.5%以下であることが好ましい。
結晶粒のアスペクト比の平均値:2.0未満かつ標準偏差:1.0以下
本発明の無方向性電磁鋼板は、二次再結晶後の結晶組織における結晶粒の、(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で定義されるアスペクト比の平均値が2.0未満かつ標準偏差σが1.0以下であることが必要である。上記実験結果からわかるように、アスペクト比の平均値が2.0以上または標準偏差σが1.0超えでは、良好な磁気特性が得られないからである。より良好な磁気特性を得るためには、アスペクト比の平均値は1.5以下、標準偏差σは0.7以下であることが好ましい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の素材となる鋼スラブの成分組成について説明する。
C:0.02〜0.10mass%
Cは、熱延および熱延板焼鈍の均熱時に起こるγ−α変態を利用して熱延板組織の改善を図るために必要な元素である。C含有量が0.02mass%に満たないと、上記熱延板組織の改善効果が小さく、所望の一次再結晶集合組織を得ることが難しくなる。一方、C含有量が0.10mass%を超えると、脱炭処理の負荷が増大するばかりでなく、脱炭自体が不完全となり、製品板において磁気時効を起こす原因ともなる。そのため、Cの含有量は0.02〜0.10mass%の範囲とする。好ましくは0.03〜0.08mass%の範囲である。
Si:2.0〜5.0mass%
Siは、鋼の電気抵抗を増大させ、鉄損の一部を構成する渦電流損を低減するのに極めて有効な元素である。Si含有量が2.0mass%未満では、電気抵抗が小さく、良好な鉄損特性を得ることができない。一方、鋼板にSiを添加した場合、含有量が11mass%までは、電気抵抗が単調に増加するものの、含有量が5.0mass%を超えると、加工性が著しく低下し、圧延して製造することが困難となる。そのため、Siの含有量は2.0〜5.0mass%の範囲とする。好ましくは3.0〜4.0mass%の範囲である。
Mn:0.01〜0.30mass%
Mnは、仕上焼鈍の昇温過程でMnSおよびMnSeを形成して析出し、正常粒成長を抑制するインヒビターとして機能するため、方向性電磁鋼板の製造においては重要な元素である。しかし、Mn含有量が0.01mass%に満たないと、インヒビターの絶対量が不足するために、正常粒成長の抑制力が不足する。一方、Mn含有量が0.30mass%を超えると、熱延前のスラブ加熱過程で、Mnを完全固溶させるために、スラブの高温加熱が必要となる。また、インヒビターがオストワルド成長して粗大化し、正常粒成長の抑制力が不足する。そのため、Mnの含有量は0.01〜0.30mass%の範囲とする。好ましくは0.05〜0.20mass%の範囲である。
sol.Al:0.01〜0.04mass%
Alは、AlNを形成して析出し、二次再結晶焼鈍において、正常粒成長を抑制するインヒビターとして機能する元素であり、方向性電磁鋼板においては重要な元素である。しかし、Al含有量が、酸可溶性Al(sol.Al)で0.01mass%に満たないと、インヒビターの絶対量が不足し、正常粒成長の抑制力が不足する。一方、sol.Alで0.04mass%を超えると、AlNがオストワルド成長して粗大化し、やはり正常粒成長の抑制力が不足する。そのため、Alの含有量はsol.Alで0.01〜0.04mass%の範囲とする。好ましくは0.015〜0.030mass%の範囲である。
N:0.004〜0.020mass%
Nは、Alと結合・析出してインヒビターとなるAlNを形成するが、含有量が0.004mass%未満では、インヒビターの絶対量が不足し、正常粒成長の抑制力不足となる。一方、含有量が0.020mass%を超えると、熱間圧延時にスラブが膨れを起こすおそれがある。そのため、Nの含有量は0.004〜0.020mass%とする。好ましくは0.006〜0.010mass%の範囲である。
SおよびSeのうちの1種または2種:合計で0.002〜0.040mass%
SおよびSeは、Mnと結合してインヒビターとなるMnSおよびMnSeを形成する。しかし、単独もしくは合計で0.002mass%に満たないと、その効果が十分に得られない。一方、0.040mass%を超えると、インヒビターがオストワルド成長して粗大化し、正常粒成長の抑制力が不足する。よって、SおよびSeの含有量は、合計で0.002〜0.040mass%の範囲とする。好ましくは0.005〜0.030mass%の範囲である。
本発明に用いる鋼スラブは、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、さらなる磁気特性の向上を目的として、上記成分に加えて、Ni,Sb,Sn,Cu,Cr,P,Mo,Ti,Nb,V,B,Bi,TeおよびTaを、それぞれNi:0.01〜1.00mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、Ti:0.001〜0.010mass%、Nb:0.001〜0.010mass%、V:0.001〜0.010mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Te:0.0005〜0.010mass%およびTa:0.001〜0.010mass%の範囲で含有してもよい。Ni,Sb,Sn,Cu,Cr,P,Mo,Ti,Nb,V,B,Bi,TeおよびTaは、いずれも磁気特性向上に有用な元素であるが、それぞれの含有量が上記範囲の下限値に満たないと、磁気特性の改善効果が乏しく、一方、それぞれの含有量が上記範囲の上限値を超えると、二次再結晶が不安定になり磁気特性の劣化を招く。
次に、上記鋼スラブを用いた本発明の方向性電磁鋼板の製造方法について説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、まず、上記に説明した成分組成を有する鋼スラブを1250℃以下の温度に加熱した後、熱間圧延する。スラブの加熱温度が1250℃超えでは、投入する熱エネルギーの消費量が増加し、工業的に好ましくないからである。ただし、スラブ中に析出した粗大析出物を固溶させる観点から、また、熱延負荷を増大させない観点から、スラブ加熱温度は1150℃以上とするのが好ましい。より好ましくは1180〜1220℃の範囲である。なお、スラブを加熱する手段は、ガス炉、誘導加熱炉、通電炉などの公知の手段を用いることができる。また、スラブの加熱に続く熱間圧延は、従来公知の条件で行なえばよく、特に制限はない。
次いで、上記熱間圧延後の鋼板(熱延板)には、熱延板組織の改善を目的として、熱延板焼鈍を施してもよい。この熱延板焼鈍は、均熱温度:800〜1200℃、均熱時間:2〜300sの条件で行うのが好ましい。均熱温度が800℃未満および/または均熱時間が2s未満では、熱延板組織の改善効果が十分に得られず、また、未再結晶部が残存して、所望の熱延板焼鈍板組織を得ることができないおそれがある。一方、均熱温度が1200℃超えおよび/または均熱時間が300s超えでは、AlN,MnSeおよびMnSのオストワルド成長が進行し、二次再結晶に必要なインヒビターの抑制力が不足し、磁気特性の劣化を引き起こす。
次いで、上記熱間圧延後または熱延板焼鈍後の熱延板は、その後、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終板厚の冷延板とする。上記中間焼鈍は、従来公知の条件でもよいが、均熱温度:800〜1200℃、均熱時間:2〜300sの範囲とするのが好ましい。上記均熱温度が800℃未満および/または均熱時間が2s未満では、未再結晶組織が残存して、一次再結晶で整粒組織を得ることが難しくなり、所望の二次再結晶粒が得られず、磁気特性の劣化を引き起こすおそれがある。一方、均熱温度が1200℃超えおよび/または均熱時間を300s超えでは、AlN,MnSeおよびMnSのオストワルド成長が進行し、二次再結晶に必要なインヒビターの抑制力が不足して、二次再結晶しなくなり、磁気特性の劣化を引き起こすおそれがある。
また、上記中間焼鈍における均熱後の冷却は、800〜400℃間を10〜200℃/sで冷却速度で冷却するのが好ましい。上記冷却速度が10℃/s未満では、カーバイドの粗大化が進行し、その後の冷間圧延から一次再結晶焼鈍における集合組織の改善効果が弱くなり、磁気特性が劣化しやすくなる。一方、800〜400℃間の冷却速度が200℃/sを超えると、硬質のマルテンサイト相が生成し、一次再結晶後に所望の組織を得ることができず、磁気特性の劣化を引き起こすおそれがある。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製品板厚(冷間圧延における最終板厚)は、0.15〜0.23mmの範囲とする。板厚が0.23mm超えの鋼板に本発明を適用すると、二次再結晶の駆動力が過剰となり、二次再結晶粒のGoss方位からの分散が増大するおそれがある。一方、0.15mm未満となると、本発明を適用しても二次再結晶を安定的に発現することが難しくなる他、絶縁被膜の比率が相対的に大きくなって磁束密度が低下したり、圧延して製造することが難しくなったりするからである。
なお、本発明の製造方法においては、最終板厚とする冷間圧延(最終冷間圧延)において、パス間時効や温間圧延を適用してもよい。
上記最終板厚に冷間圧延した冷延板は、PH2O/PH2>0.1に制御した湿水素雰囲気下において、700〜1000℃の温度で、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施すことが好ましい。上記脱炭焼鈍温度が700℃未満では、脱炭反応が十分に進行せず、磁気時効を起こさないC:0.005mass%以下まで脱炭できなくなるおそれがある他、未再結晶部が残存して所望の一次再結晶組織を得ることができないおそれがある。一方、均熱温度が1000℃超では、二次再結晶が起こしてしまうおそれがある。より好ましい脱炭温度は800〜900℃の範囲である。
上記の条件を満たして脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施すことで、優れた磁気特性を有する方向性電磁鋼板に適した一次再結晶集合組織が得られる。なお、上記一次再結晶焼鈍の加熱過程で、冷間圧延後の組織が回復を起こす500〜700℃間の昇温速度は、50℃/s以上とするが好ましい。上記温度範囲を急速加熱することで、ゴス方位の回復が抑制され、高温度域で、優先的に再結晶を起こすため、一次再結晶組織中のゴス方位比率を高め、二次再結晶をより安定して発現できるようになる他、磁束密度を高めつつ、二次再結晶後の結晶粒を細粒化し、鉄損特性を改善することができる。より好ましくは80℃/s以上である。
なお、上記脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍における急速加熱時の雰囲気は、脱炭に適した酸化性雰囲気(例えばPH2O/PH2>0.1)とするのが好ましいが、設備などの制約により酸化性雰囲気とすることが困難な場合には、PH2O/PH2≦0.1の雰囲気としてもよい。脱炭反応は、急速加熱する温度領域よりも高温の800℃近傍で主に進行するためである。なお、脱炭を重視する場合には、急速加熱を伴う一次再結晶焼鈍と、脱炭焼鈍とを分けて実施してもよい。
また、先述したように、本発明においては、鋼スラブ中のsol.Alと窒化処理後、すなわち、仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nとの比(sol.Al/N)の値を適正範囲に制御することが重要であり、二次再結晶前のいずれかの工程で鋼中にNを100〜250massppm含有させる窒化処理を施し、上記(sol.Al/N)と製品板厚保dとの関係を適正化する、具体的には下記(1)式;
4d+0.80≦sol.Al/N*≦4d+1.50 ・・・(1)
を満たすよう含有させることが必要である。その理由は、前述したように、(sol.Al/N)の値を従来技術よりも低い範囲に制御することによって、AlNのオストワルド成長が促進を抑止し、極薄板厚における二次再結晶に必要な駆動力を確保するためである。
なお、窒化処理の手段としては、例えば、一次再結晶焼鈍中もしくはその後、NH雰囲気中で熱処理を施して窒化したり、焼鈍分離剤中に窒化物を含有させて浸窒したり、仕上焼鈍雰囲気を窒化性の雰囲気として浸窒したりする公知の技術が適用できる。
上記脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した冷延板は、その後、例えば、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、本発明においては最も重要な工程である仕上焼鈍を施す。なお、二次再結晶にインヒビターを利用する方向性電磁鋼板の製造方法における仕上焼鈍は、通常、二次再結晶を起こさせる二次再結晶焼鈍と、インヒビター形成成分等を除去する純化処理とからなり、上記純化処理においては、鋼板を1200℃程度の温度まで加熱するのが一般的である。また、上記純化処理は、鋼板表面へのフォルステライト被膜の形成を兼ねて行われることもある。
本発明における上記仕上焼鈍は、加熱過程の二次再結晶開始前の850℃超え950℃以下の温度域に5〜200hr保持する保定処理を施した後、引続き、950〜1050℃間を5〜30℃/hrの昇温速度で加熱して二次再結晶を完了させ、あるいは、保定処理を施した後、一旦、700℃以下まで冷却した後、再加熱し、950〜1050℃間を5〜30℃/hrの昇温速度で加熱して二次再結晶を完了させた後、さらに加熱し、1100℃以上の温度に2hr以上保持する純化処理を施すことが必要である。
以下、本発明の上記仕上焼鈍の各過程について具体的に説明する。
まず、加熱過程の850℃超え950℃以下の温度域で5〜200hrの保定処理を施す理由は、二次再結晶が起こる直下の温度に長時間保持することで、コイル内の温度を均一化し、その後の高温域への加熱時に、二次再結晶を均一に発現させるためである。上記保定処理温度が850℃以下では、二次再結晶が起こる高温域の温度との差が大きいため、上記高温域への加熱時にコイル内の温度不均一を招く。一方、950℃を超えると、コイル内で局部的に二次再結晶が発生してしまうおそれがある。また、上記保定時間が5hr未満では、コイル内温度の均一化効果が十分に得られず、二次再結晶が不均一に発現する。一方、200hrを超えると、上記効果が飽和する他、生産性の低下を招くからである。好ましくは、10〜100hrの範囲である。ここで、上記保定処理の時間とは、コイル内の最冷点の鋼板温度が850℃超え950℃以下に滞留している時間と定義する。
なお、上記保定処理は、850℃超え950℃以下のいずれかの特定温度に5〜200hr間保持する均熱保持でもよいし、850℃超え950℃以下の間を5〜200hrかけて徐々に昇温する徐加熱としてもよい。また、上記均熱保持と徐加熱とを組み合わせてもよい。
上記保定処理に続く、二次再結晶させるための高温域への加熱は、950〜1050℃間における昇温速度を5〜30℃/hrの範囲として行う必要がある。上記昇温速度が5℃/hrに満たないと、一次再結晶粒の正常粒成長が顕著に起こり、二次再結晶の駆動力が低下し、二次再結晶が発現しなくなる。一方、二次昇温速度が30℃/hrを超えると、二次再結晶粒のGoss方位への先鋭度が低下し、先述した表2からわかるように、磁気特性が劣化する傾向となる。
なお、上記の二次再結晶前の保定処理に引続いて行う、二次再結晶のための高温域への加熱は、保定処理に引続いて連続して行ってもよく、また、保定処理した後、一旦、700℃以下まで降温し、その後、再加熱して行ってもよい。
上記高温域で二次再結晶を完了させた鋼板は、その後、鋼素材(スラブ)中に添加されたインヒビター形成成分や不純物元素を排出するため、あるいはさらに、フォルステライト被膜を形成させるため、純化処理を施す。上記純化処理の条件としては、水素雰囲気下で、1100℃以上の温度に2hr以上保持する必要があり、具体的には、1150〜1250℃の温度に2〜20hr保持することが好ましい。上記純化処理によって、鋼板中に含まれるインヒビター形成成分であるAl,N,SおよびSeは、不可避的不純物レベルまで低減される。
なお、上記保定処理は、前述した二次再結晶を完了させる焼鈍に引続き行ってもよく、また、二次再結晶焼鈍後、一旦、700℃以下まで降温し、その後、再加熱して行ってもよい。
また、上記仕上焼鈍における雰囲気ガスとしては、N,HおよびArの単独ガスあるいはこれらの混合ガスを用いることができるが、温度が850℃以下の加熱過程および冷却過程ではNガスを、それ以上の温度域ではHまたはArの単独ガス、あるいは、HとNまたはHとArの混合ガスが一般に用いられる。なお、純化処理における雰囲気は、Hガスを用いることで、より純化が促進される。
なお、先述したように、本発明においては、仕上焼鈍で二次再結晶を起こさせる前の(sol.Al/N)の値を適正範囲に制御することが重要であり、二次再結晶前のいずれかの工程で窒化処理を施すことが好ましい。そのための手段としては、例えば、一次再結晶焼鈍中から仕上焼鈍までの間にNH雰囲気中で熱処理を施して窒化したり、焼鈍分離剤中に窒化物を含有させて浸窒したり、仕上焼鈍雰囲気を窒化性の雰囲気として浸窒したりする公知の技術が適用できる。
上記仕上焼鈍を施した鋼板は、その後、鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、絶縁被膜塗布工程および平坦化焼鈍工程を経て、所望の方向性電磁鋼板(製品板)とする。
上記の条件を満たして製造された方向性電磁鋼板(製品板)は、Cが0.0050mass%以下まで低減され、かつ、Mn以外のインヒビター形成成分であるS,Se、AlおよびNは不可避的不純物レベル(0.0030mass%以下)まで低減されている。なお、上記成分以外の必須成分であるSi,Mnおよび任意の添加成分であるNi,Sb,Sn,Cu,Cr,P,Mo,Ti,Nb,V,B,Bi,TeおよびTaの組成は、製造工程において変化することなく、素材である鋼スラブのときの組成がそのまま維持される。なお、上記製品板の好ましいC含有量は0.0030mass%以下、S,Se、AlおよびNの含有量はそれぞれ0.0020mass%以下である。
また、上記の条件を満たして製造された方向性電磁鋼板は、二次再結晶後に極めて高い磁束密度と低い鉄損とを有する。ここで、磁束密度が高いということは、二次再結晶において、理想方位であるゴス近傍の方位のみが優先成長したことを示している。また、二次再結晶粒の成長速度は、二次再結晶粒の方位がゴス近傍になるほど増大することが知られている。したがって、高い磁束密度を有するということは、二次再結晶粒が粗大化することをも示している。しかし、二次再結晶粒の粗大化は、ヒステリシス損を低減する観点からは有利であるが、渦電流損を低減する観点からは不利となる。
そこで、ヒステリシス損と渦電流損との総和である鉄損を低減する観点から、製品板厚とする最終冷間圧延以降のいずれかの工程で、磁区細分化処理を施すことが好ましい。磁区細分化することで、二次再結晶粒の粗大化により増大した渦電流損が低減し、Goss方位への高集積度化や高純度化によるヒステリシス損の低減とも相俟って、極めて低い鉄損を得ることができる。磁区細分化処理の方法としては、公知の耐熱型もしくは非耐熱型の磁区細分化処理方法を採用することができるが、二次再結晶後の鋼板表面に電子ビームもしくはレーザービームを照射する方法であれば、鋼板板厚内部まで磁区細分化効果を浸透することができるので、エッチング法などの他の磁区細分化処理方法よりも、優れた鉄損特性を得ることができる。
表3に示した種々の成分組成を有する鋼スラブを1200℃の温度に加熱した後、熱間圧延して板厚2.7mmの熱延板とし、1050℃×30秒の熱延板焼鈍を施し、1回目の冷間圧延して中間板厚1.8mmとし、1060℃×60sの中間焼鈍を施した後、2回目の冷間圧延(最終冷間圧延)して最終板厚0.23mmの冷延板とした。次いで、50vol%H−50vol%Nの湿水素雰囲気下(PH2O/PH2:0.41)で840℃×2minの脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、NHとNとHの混合雰囲気下で720℃×15sの窒化処理を施した。この際、中間焼鈍の800〜400℃間の冷却速度は30℃/s、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の昇温速度は30℃/sとした。
次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、930℃までを、N雰囲気下で20℃/hrの昇温速度で加熱し、930℃の温度で50hr保持する保定処理を施した後、930℃から1150℃までを、25vol%N−75vol%のHの混合雰囲気下で、950〜1050℃間の昇温速度を20℃/hrとして加熱し、1150℃から1230℃までをH雰囲気下で5℃/hrの昇温速度で加熱し、さらに、H雰囲気下で1230℃×10hrの純化処理を施した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布した後、被膜の焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
斯くして得た全長約4000mの製品板の長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの計5箇所から、磁気特性測定用の試験片を採取し、1.7Tの磁束密度における鉄損値W17/50を測定し、上記5箇所の中で鉄損が最も悪い値をコイル内保証値、最も良好な値をコイル内最良値とし、その結果を表4に併記した。また、製品コイル幅中央部1000mm×圧延方向500mmの領域の結晶粒について、円相当径の平均値、(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で表わされるアスペクト比の平均値と標準偏差、ならびに、円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率を測定し、その結果を表4に併記した。
Figure 2019119933
Figure 2019119933
実施例1で使用したNo.31(発明例)の成分組成を有する鋼スラブを1240℃に加熱した後、熱間圧延して板厚2.0mmの熱延コイルとし、1100℃×60sの熱延板焼鈍を施した後、冷間圧延して最終板厚0.18mmの冷延板とした。次いで、60vol%H−40vol%Nの湿水素雰囲気下(PH2O/PH2:0.44)で840℃×2minの脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、NHとNとHの混合雰囲気下で780℃×60sの窒化処理を施した。この際、熱延板焼鈍の800〜400℃間の冷却速度は60℃/s、一次再結晶焼鈍の500〜700℃間の昇温速度は表4に示すように種々に変化させた。
次いで、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布、乾燥した後、880℃までをN雰囲気下で、20℃/hrの昇温速度で加熱し、880℃で200hr保持する保定処理を施した後、880℃から1150℃までを、25vol%N−75vol%のHの混合雰囲気下で950〜1050℃間を昇温速度15℃/hrとして加熱し、1150℃から1200℃までをH雰囲気下で15℃/hrで加熱し、さらに、H雰囲気下で1200℃×20hrの純化処理を施した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸塩系の絶縁張力被膜を塗布した後、被膜の焼付けと鋼帯の平坦化を目的とする平坦化焼鈍を施して製品板とした。
さらに、その後、一部の製品板に表4に示した3種類の磁区細分化処理を施した。なお、エッチング溝形成は、0.18mmの厚みまで冷間圧延した鋼板の片面に対し、幅:100μm、深さ:15μmの溝を、圧延直角方向に圧延方向に5mmの間隔で形成した。また、電子ビーム照射は、製品板の片面に対し、加速電圧:100kV、ビーム電流5mA、圧延方向間隔:5mmの条件で、圧延直角方向に連続照射した。また、レーザービーム照射は、製品板の片面に対し、ビーム径:0.3mm、出力:200W、走査速度:100m/s、圧延方向間隔:5mmの条件で、圧延直角方向に連続照射した。
斯くして得た全長約4000mの製品板の長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの計5箇所から、磁気特性測定用の試験片を採取し、1.7Tの磁束密度における鉄損値W17/50を測定し、上記5箇所の中で鉄損が最も悪い値をコイル内保証値、最も良好な値をコイル内最良値とし、その結果を表4に併記した。また、製品コイルの幅中央部1000mm×圧延方向長さ500mmの領域の結晶粒について、円相当径の平均値、(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で定義されるアスペクト比の平均値と標準偏差、および、円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率を測定し、その結果も表5に併記した。
表5からわかるように、一次再結晶焼鈍における500〜700℃間の昇温速度を高めるにつれて、鉄損特性が改善されること、また、全ての昇温速度において、磁区細分化処理を施すことで鉄損特性が改善され、中でも電子ビーム照射とレーザービーム照射の改善効果が大きいことがわかる。
Figure 2019119933

Claims (9)

  1. C:0.005mass%以下、Si:2.0〜5.0mass%、Mn:0.01〜0.30mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、結晶粒の円相当径の平均値が10〜100mmで、結晶粒の(圧延方向の長さ)/(圧延直角方向の長さ)で表わされるアスペクト比の平均値が2.0未満、かつ、上記アスペクト比の標準偏差が1.0以下である二次再結晶組織を有することを特徴とする方向性電磁鋼板。
  2. 上記結晶粒のアスペクト比の標準偏差が0.7以下であることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板。
  3. 円相当径が2mm未満の結晶粒の合計面積率が1%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.00mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、Ti:0.001〜0.010mass%、Nb:0.001〜0.010mass%、V:0.001〜0.010mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Te:0.0005〜0.010mass%およびTa:0.001〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板。
  5. C:0.02〜0.10mass%、Si:2.0〜5.0mass%、Mn:0.01〜0.30mass%、sol.Al:0.01〜0.04mass%、N:0.004〜0.020mass%、SおよびSeのうちから選ばれる1種または2種を合計で0.002〜0.040mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1250℃以下の温度に加熱した後、熱間圧延し、1回もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板とし、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍し、仕上焼鈍を施すとともに、上記一次再結晶焼鈍の後半もしくは一次再結晶焼鈍から仕上焼鈍の間のいずれかの工程において鋼板の窒素量を増加させる窒化処理を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    上記鋼スラブのsol.Alと上記仕上焼鈍前の鋼板中のNの含有量Nの比(sol.Al/N)と最終板厚d(mm)とが、下記(1)式を満たし、
    上記仕上焼鈍では、加熱過程の850℃超え950℃以下の温度域に5〜200hr保持する保定処理した後、引き続き、もしくは、一旦、700℃以下まで降温した後、再加熱し、950〜1050℃間の温度域を5〜30℃/hrの昇温速度で加熱し、さらに、1100℃以上の温度に2hr以上保持する純化処理を施すことを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
    4d+0.80≦sol.Al/N≦4d+1.50 ・・・(1)
  6. 上記一次再結晶焼鈍の加熱過程における500〜700℃間を50℃/s以上の昇温速度で加熱することを特徴とする請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.01〜1.00mass%、Sb:0.005〜0.50mass%、Sn:0.005〜0.50mass%、Cu:0.01〜0.50mass%、Cr:0.01〜0.50mass%、P:0.005〜0.50mass%、Mo:0.005〜0.10mass%、Ti:0.001〜0.010mass%、Nb:0.001〜0.010mass%、V:0.001〜0.010mass%、B:0.0002〜0.0025mass%、Bi:0.005〜0.50mass%、Te:0.0005〜0.010mass%およびTa:0.001〜0.010mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項5または6に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 上記最終板厚とする冷間圧延以降のいずれかの工程で、磁区細分化処理を施すことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  9. 上記磁区細分化処理を、平坦化焼鈍後の鋼板表面に電子ビームまたはレーザービームを照射して行うことを特徴とする請求項8に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
JP2018245803A 2017-12-28 2018-12-27 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法 Active JP6838601B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017253112 2017-12-28
JP2017253112 2017-12-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019119933A true JP2019119933A (ja) 2019-07-22
JP6838601B2 JP6838601B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=67306851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018245803A Active JP6838601B2 (ja) 2017-12-28 2018-12-27 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6838601B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021183722A (ja) * 2020-05-20 2021-12-02 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法ならびに歪導入装置
JP2022542380A (ja) * 2019-08-13 2022-10-03 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 高磁気誘導方向性ケイ素鋼およびその製造方法
CN115233082A (zh) * 2022-07-28 2022-10-25 东北大学 通过定向再结晶制备强{100}面织构电工钢薄带的方法
JP2023508029A (ja) * 2019-12-20 2023-02-28 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 方向性電磁鋼板およびその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0673509A (ja) * 1992-08-17 1994-03-15 Nippon Steel Corp 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板及びその製造方法
JPH08288115A (ja) * 1995-04-13 1996-11-01 Kawasaki Steel Corp 鉄損の低い方向性電磁鋼板
JPH11199939A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp 磁束密度が高く被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
WO2010110217A1 (ja) * 2009-03-23 2010-09-30 新日本製鐵株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法、巻き鉄心用方向性電磁鋼板、及び巻き鉄心
JP2013047383A (ja) * 2011-07-28 2013-03-07 Jfe Steel Corp 極薄方向性電磁鋼板の製造方法
KR20140084899A (ko) * 2012-12-27 2014-07-07 주식회사 포스코 방향성 전기강판 및 그 제조방법

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0673509A (ja) * 1992-08-17 1994-03-15 Nippon Steel Corp 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板及びその製造方法
JPH08288115A (ja) * 1995-04-13 1996-11-01 Kawasaki Steel Corp 鉄損の低い方向性電磁鋼板
JPH11199939A (ja) * 1998-01-14 1999-07-27 Kawasaki Steel Corp 磁束密度が高く被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法
WO2010110217A1 (ja) * 2009-03-23 2010-09-30 新日本製鐵株式会社 方向性電磁鋼板の製造方法、巻き鉄心用方向性電磁鋼板、及び巻き鉄心
JP2013047383A (ja) * 2011-07-28 2013-03-07 Jfe Steel Corp 極薄方向性電磁鋼板の製造方法
JP2013047382A (ja) * 2011-07-28 2013-03-07 Jfe Steel Corp 方向性電磁鋼板の製造方法
KR20140084899A (ko) * 2012-12-27 2014-07-07 주식회사 포스코 방향성 전기강판 및 그 제조방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022542380A (ja) * 2019-08-13 2022-10-03 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 高磁気誘導方向性ケイ素鋼およびその製造方法
JP7454646B2 (ja) 2019-08-13 2024-03-22 バオシャン アイアン アンド スティール カンパニー リミテッド 高磁気誘導方向性ケイ素鋼およびその製造方法
JP2023508029A (ja) * 2019-12-20 2023-02-28 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP7569381B2 (ja) 2019-12-20 2024-10-17 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP2021183722A (ja) * 2020-05-20 2021-12-02 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法ならびに歪導入装置
JP7318675B2 (ja) 2020-05-20 2023-08-01 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板とその製造方法ならびに歪導入装置
CN115233082A (zh) * 2022-07-28 2022-10-25 东北大学 通过定向再结晶制备强{100}面织构电工钢薄带的方法
CN115233082B (zh) * 2022-07-28 2023-02-24 东北大学 通过定向再结晶制备强{100}面织构电工钢薄带的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6838601B2 (ja) 2021-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5842400B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5780378B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP5988026B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2012086534A1 (ja) 無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2019119933A (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法
WO2014132354A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2018117671A1 (ko) 방향성 전기강판의 제조방법
JPWO2016084378A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7398444B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP6856179B1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP6601649B1 (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法
JP6011063B2 (ja) 低鉄損方向性電磁鋼板の製造方法
JP5648331B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
CN114867872A (zh) 取向电工钢板及其制造方法
JP5712652B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2014173103A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP7312255B2 (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
WO2022210503A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
WO2022210504A1 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP2020139174A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06207219A (ja) 磁気特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190724

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210125

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6838601

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250