JP5988026B2 - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として変圧器や発電機等の鉄心に用いられる方向性電磁鋼板の製造方法に関し、具体的には、板厚が0.15〜0.23mmの極薄かつ低鉄損の方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
Siを含有し、結晶方位が{110}<001>方位(Goss方位)や{100}<001>方位(Cube方位)に高度に配向した方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を示すことから、商用周波数領域で用いられる各種電気機器の鉄心材料として広く用いられている。このような用途に用いられる方向性電磁鋼板には、一般に、50Hzの周波数で1.7Tに磁化させたときの磁気損失を表す鉄損W17/50(W/kg)が低いことが求められる。その理由は、発電機や変圧器の効率は、W17/50の値が低い鉄心材料を用いることで、大幅に向上することができるからである。そのため、鉄損の低い材料の開発が益々強く求められるようになってきている。
電磁鋼板の鉄損は、結晶方位や純度等に依存するヒステリシス損と、板厚や比抵抗、磁区の大きさ等に依存する渦電流損との和で表される。したがって、鉄損を低減する方法としては、結晶方位の集積度を高めて磁束密度を向上し、ヒステリシス損を低減する方法や、電気抵抗を高めるSiの含有量を増加させたり、鋼板の板厚を低減したり、磁区を細分化したりすることで渦電流損を低減する方法等が知られている。
これらの鉄損低減方法のうち、磁束密度を向上させる方法に関しては、例えば、特許文献1および特許文献2には、AlNをインヒビタとする方向性電磁鋼板の製造方法において、Niを添加しかつNi添加量に応じてSbを所定の範囲で添加することで、一次再結晶粒の成長に対し極めて強い抑制力効果が得られ、一次再結晶粒集合組織の改善と二次再結晶粒の微細化が図れるだけでなく、{110}<001>方位から圧延方向の平均面内ずれ角を小さくすることができ、鉄損を大きく低減できることが開示されている。
また、板厚を低減する方法に関しては、圧延による方法と、化学研磨する方法とが知られているが、化学研磨で薄くする方法は、歩留まりの低下が大きく、工業的規模での生産には適さない。そのため、板厚を薄くする方法には、専ら圧延による方法が用いられている。しかし、圧延して板厚を薄くすると、仕上焼鈍における二次再結晶が不安定となり、磁気特性の優れた製品を安定して製造することが難しくなるという問題がある。
この問題に対しては、例えば、特許文献3には、AlNを主インヒビタとし、強圧下最終冷延を特徴とする薄手一方向性電磁鋼板の製造において、SnとSeの複合添加に加えてさらにCuおよび/またはSbを添加することにより優れた鉄損値が得られることが、特許文献4には、板厚0.20mm以下の薄手一方向性電磁鋼板の製造方法において、Nbを添加することによって炭窒化物の微細分散が促進されてインヒビタが強化され、磁気特性が向上することが提案されている。また、特許文献5には、熱延板の板厚を薄くし、コイルの巻取温度を下げ、仕上焼鈍パターンを適性に制御することで、1回の冷延で磁気特性の優れた薄手一方向性電磁鋼板を製造する方法が、特許文献6には、熱延コイルの板厚を1.9mm以下とすることで、0.23mm以下の方向性電磁鋼板を一回冷延法で製造する方法が提案されている。
特許3357601号公報 特許3357578号公報 特公平07−017956号公報 特開平06−025747号公報 特公平07−042507号公報 特開平04−341518号公報
方向性電磁鋼板の鉄損を低減する方法としては、上述した従来技術を適用し、圧延で板厚を薄くし、渦電流損を低下させることが有効である。しかし、最終冷延後の板厚が0.15〜0.23mmという極薄の方向性電磁鋼板では、上記従来技術に開示された技術を適用しても、依然としてコイルの一部で二次再結晶不良が発生し、歩留りが低下するという問題が発生している。
そこで、本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、板厚が0.15〜0.23mmの極薄の方向性電磁鋼板でも二次再結晶を安定して起こさせ、製品コイル内の鉄損が均一かつ極めて鉄損が低い方向性電磁鋼板を製造する有利な方法を提案することにある。
発明者らは、板厚が薄い方向性電磁鋼板における二次再結晶挙動が不安定となる原因を解明するため、一次再結晶焼鈍後の鋼板を仕上焼鈍する際、二次再結晶焼鈍途中の鋼板を取り出して、インヒビタの析出状態および結晶粒の成長状態を調査した。その結果、仕上焼鈍の加熱過程においては、インヒビタが粗大化し、結晶粒成長を抑制する力が低下すること、875℃以上の温度領域では、鋼板の表面酸化によりインヒビタ成分が酸化、消失し、表層粒の粗大化が起きていること、特に、その傾向は975℃以上で著しくなること、そして、板厚が0.15〜0.23mの極薄の方向性電磁鋼板では、上記したインヒビタの粗大化による結晶粒成長抑制力の低下、および、表層粒の粗大化の進行が二次再結晶不良の主原因であることが明らかとなった。
そこで、発明者らは、二次再結晶に必要な駆動力を十分に確保する方法について、一次再結晶粒の成長を抑制してやることで、二次再結晶をコイル全長に亘って安定的に起こさせることができるのではないかとの考えの下、さらに検討を重ねた。その結果、製品板厚、即ち、冷間圧延後の最終板厚dに応じて、素材となる鋼スラブ中のsol.AlとNの含有量の比(sol.Al/N)を適正範囲に制御して鋼板板厚の中心層の粒径を二次再結晶に適した大きさとするとともに、仕上焼鈍の加熱過程において、二次再結晶前の鋼板を所定の保定温度に所定時間保持してコイル内の温度を均一化した後、昇温速度を10〜60℃/hrとして急速加熱して鋼板表層の粒径を適正範囲に制御することによって、二次再結晶がコイルの全長に亘って安定的に発現するようになり、コイル全長の鉄損が均一かつ極めて低い方向性電磁鋼板を得ることができることを見出した。
上記知見に基づき開発した本発明は、C:0.04〜0.12mass%、Si:1.5〜5.0mass%、Mn:0.01〜1.0mass%、sol.Al:0.010〜0.040mass%、N:0.004〜0.02mass%、SおよびSeから選ばれる1種または2種:合計0.005〜0.05mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1250℃以上に加熱後、熱間圧延して板厚1.8mm以上の熱延板とし、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚0.15〜0.23mmの冷延板とし、一次再結晶焼鈍した後、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、上記鋼スラブのsol.AlとNの含有量の比(sol.Al/N)と、最終板厚d(mm)とが下記(1)式;
4d+1.52≦sol.Al/N≦4d+2.32 ・・・(1)
を満たし、上記一次再結晶焼鈍の加熱過程における200〜700℃間を昇温速度50℃/s以上で加熱するとともに、250〜600℃間のいずれかの温度において、1〜10秒間、等温に保持し、かつ、上記仕上焼鈍の加熱過程で鋼板を775〜875℃の温度に40〜200時間保持した後、875〜1050℃の温度域を昇温速度10〜60℃/hrで加熱することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法である。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法における上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Ni:0.1〜1.0mass%、Cu:0.02〜1.0mass%およびSb:0.01〜0.10mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法における上記鋼スラブは、上記成分組成に加えてさらに、Ge,Bi,V,Nb,Te,Cr,SnおよびMoのうちから選らばれる1種または2種以上を合計で0.002〜1.0mass%含有することを特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、冷間圧延後のいずれかの段階で、鋼板表面に圧延方向と交差する方向に溝を形成して磁区細分化処理を施すことを特徴とする。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、絶縁被膜を被成した鋼板表面に、圧延方向と交差する方向に連続的または断続的に電子ビームあるいはレーザを照射して磁区細分化処理を施すことを特徴とする。
本発明によれば、鋼素材(スラブ)中の(sol.Al/N)の値を製品板厚(最終板厚)に応じで適正範囲に制御することによって、二次再結晶焼鈍時におけるインヒビタの抑制力低下を抑止して板厚中心層の粒径を適正化し、さらに、仕上焼鈍の加熱時に二次再結晶前の鋼板を所定温度に所定時間保持してコイル内の温度を均一化した後、急激に二次再結晶温度まで昇温して鋼板表層粒の粗大化を抑制するので、コイル全長に亘って二次再結晶を安定的に発現させることができ、鉄損特性に優れた方向性電磁鋼板を高い歩留りで製造することが可能となる。
磁束密度B:1.90T以上が得られる最終板厚dと(sol.Al/N)の範囲を示すグラフである。 仕上焼鈍における850〜1050℃間の昇温速度と鉄損W17/50のコイル内保証値との関係を示すグラフである。
まず、本発明を開発するに至った実験について説明する。
<実験1>
表1に示したように、C:0.07mass%、Si:3.4mass%、Mn:0.07mass%、Se:0.015mass%、Ni:0.3mass%、Cu:0.03mass%およびSb:0.04mass%を含有し、かつ、sol.AlとNの含有量の比(sol.Al/N)を2.10〜3.56の範囲で種々に変化させた成分組成を有する7種の鋼スラブを熱間圧延して板厚2.4mmの熱延コイルとし、900℃×40秒の熱延板焼鈍し、酸洗し、一次冷間圧延して板厚1.5mmとし、1150℃×80秒の中間焼鈍し、170℃の温度で温間圧延して0.12〜0.25mmの範囲の種々の板厚の冷延コイルとし、脱脂した後、60vol%H−40vol%Nの湿水素雰囲気下で850℃×2分の脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。
次いで、一次再結晶後の上記鋼板表面に、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布、乾燥した後、850℃までをN雰囲気下で昇温速度20℃/hrで加熱し、850℃で50時間保定処理を施した後、昇温速度20℃/hrで、850〜1150℃間を25vol%N−75vol%のHの混合雰囲気下、1150〜1200℃間をH雰囲気下で加熱昇温し、さらに、H雰囲気下で1200℃×10時間の均熱処理した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸アルミニウムとコロイダルシリカを主成分とする絶縁被膜を被成し、製品コイルとした。
Figure 0005988026
斯くして得た全長約4000mの製品コイルの長手方向0m、1000m、2000m、3000および4000mの5箇所から、磁気測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度Bを測定し、コイル内で磁束密度が最も低い値をコイル内保証値、最も高い値をコイル内良好値とし、その結果を表1に併記した。また、図1には、磁束密度B:1.90T以上が得られる板厚dと(sol.Al/N)の範囲を示した。ここで、磁束密度Bは、二次再結晶が適正に起こったことを判断するのに有効な指標であり、Bのコイル内保証値が高いことは、コイル内で均一に二次再結晶が起こっていることを示している。
これらの結果から、鋼素材(スラブ)中の(sol.Al/N)の値を、二次再結晶焼鈍時の板厚(最終板厚)に応じて適正範囲に制御する、具体的には、下記(1)式;
4d+1.52≦sol.Al/N≦4d+2.32 ・・・(1)
を満たすよう制御することで、コイル全長に亘って二次再結晶が発現し、磁気特性が向上することがわかる。
<実験2>
C:0.07mass%、Si:3.4mass%、Mn:0.07mass%、sol.Al:0.020mass%、N:0.007mass%、Se:0.015mass%、Ni:0.3mass%、Cu:0.03mass%およびSb:0.04mass%を含有する鋼スラブを熱間圧延して板厚2.4mmの熱延コイルとし、900℃×40秒の熱延板焼鈍し、酸洗し、一次冷間圧延して板厚1.5mmとし、1150℃×80秒の中間焼鈍し、170℃の温度で温間圧延して最終板厚0.20mmの冷延コイルとし、脱脂し、その後、60vol%H−40vol%Nの湿水素雰囲気下で850℃×2分の脱炭を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。
次いで、一次再結晶後の上記鋼板表面に、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布、乾燥した後、850℃までをN雰囲気下で昇温速度20℃/hrで加熱し、その後、表2に示したように、850℃での保定処理の有無および850〜1050℃間の昇温速度を変えたA〜Gの加熱パターンで1200℃まで、850〜1150℃間は25vol%N−75vol%Hの混合雰囲気下、1150〜1200℃間はH雰囲気下で加熱し、さらに、H雰囲気下で1200℃×10時間の均熱処理した後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸アルミニウムとコロイダルシリカを主成分とする絶縁被膜を被成し、製品コイルとした。
Figure 0005988026
斯くして得た全長約4000mの製品コイルの長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの5箇所から磁気測定用の試験片を採取し、磁化力800A/mにおける磁束密度Bおよび磁束密度の振幅1.7T、50Hzにおける質量あたりの鉄損値W17/50を測定し、コイル内で最も悪いBおよびW17/50の値をコイル内保証値、コイル内で最も良好なBおよびW17/50の値をコイル内良好値とし、それらの結果を表2に併記した。また、850〜1050℃間の昇温速度と、磁束密度Bおよび鉄損W17/50のコイル内保証値とコイル内良好値の関係を図2に示した。
これらの結果から、仕上焼鈍の加熱途中の850℃において50時間の保定処理を行わなかった加熱パターンAおよび850〜1050℃間の昇温速度が5℃/hrと低い加熱パターンBは、コイル内で均一に二次再結晶していないためコイル内保証値が悪いが、上記保定処理後、昇温速度を10℃/hr以上として急速加熱した加熱パターンC〜Gでは、二次再結晶が安定して発現し、コイル内全長に亘って磁気特性が向上していることがわかる。ただし、昇温速度が100℃/hr(加熱パターンG)では、磁気特性が若干低下している。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の鋼素材の成分組成について説明する。
C:0.04〜0.12mass%
Cは、熱間圧延、冷間圧延中の組織の均一微細化ならびにGoss方位の発達のために有用な元素であり、少なくとも0.04mass%を含有させる必要がある。しかし、0.12mass%を超えて添加すると、脱炭焼鈍で脱炭不足を起こし、磁気特性が劣化するおそれがある。よって、Cは0.04〜0.12mass%の範囲とする。好ましくは0.05〜0.10mass%の範囲である。
Si:1.5〜5.0mass%
Siは、鋼板の比抵抗を高めて鉄損の低減に有効に寄与する元素であり、良好な磁気特性を確保する観点から、本発明では1.5mass%以上含有させる。一方、5.0mass%を超える添加は、冷間加工性を著しく害するようになる。よって、Siは1.5〜5.0mass%の範囲とする。好ましくは2.0〜4.0mass%の範囲である。
Mn:0.01〜1.0mass%
Mnは、熱間加工性を改善し、熱間圧延時の表面疵を防止するのに有効な元素であり、斯かる効果を得るためには0.01mass%以上含有させる必要がある。しかし、1.0mass%を超えて添加すると、磁束密度が低下するようになる。よって、Mnは0.01〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.04〜0.2mass%の範囲である。
sol.Al:0.010〜0.040mass%
Alは、インヒビタであるAlNを構成する必須の元素であり、sol.Alとして0.010mass%未満では、熱延時や熱延板焼鈍の昇温過程等において析出するAlNの量が不足し、インヒビタの効果を得ることができない。一方、0.040mass%を超えて添加すると、析出するインヒビタが複合粗大化し、逆に抑制力が低下してしまう。よって、AlNのインヒビタ効果を十分に得るためには、Alはsol.Alで0.010〜0.040mass%の範囲とする必要がある。好ましくは0.02〜0.03mass%の範囲である。
N:0.004〜0.02mass%
Nは、Alと同様、インヒビタであるAlNを構成する必須の元素である。ただし、このNは、冷延工程において窒化処理を施し、添加することが可能であるので、スラブ段階では、0.004mass%以上含有していればよい。ただし、冷延工程において窒化処理を施さない場合には0.005mass%以上含有させる必要がある。一方、Nを0.02mass%超え添加した場合には、熱間圧延においてふくれを生じるおそれがある。よって、Nは0.004〜0.02mass%の範囲とする。好ましくは0.005〜0.01mass%の範囲である。
sol.Al/N
本発明では、冷間圧延の最終板厚(製品板厚)d(mm)に応じて、鋼素材中のsol.AlおよびNの含有量(mass%)の比を適正化する、具体的には下記(1)式;
の 4d+1.52≦sol.Al/N≦4d+2.32 ・・・(1)
関係を満たすよう含有させることが重要である。
図1に示したように、(sol.Al/N)の値が大きい場合は、AlNのインヒビタとしての抑制力が十分ではないため、鋼板の表層と中心層の結晶粒の粗大化を招いてしまう。一方、(sol.Al/N)が小さい場合には、Goss方位からの角度差が大きい粒も二次再結晶するようになるため、二次再結晶後の磁束密度が低下したり、鉄損が増大したりするからである。
なお、(sol.Al/N)の値を、最終板厚d(mm)および鋼素材中のsol.Alの含有量に応じて適正化するため、二次再結晶させる前に、窒化処理を施してNの含有量を調整してもよい。
SおよびSe:合計で0.005〜0.05mass%
SおよびSeは、CuSやCuSe等を、AlNと複合して微細析出させるために必要な必須の元素である。斯かる目的のため、本発明では単独もしくは合計で0.005mass%以上を含有させる必要がある。しかし、0.05mass%を超えて添加すると、析出物の粗大化を招く。よって、SおよびSeは単独または合計で0.005〜0.05mass%の範囲とする。好ましくは0.01〜0.03mass%の範囲である。
本発明の方向性電磁鋼板は、上記成分に加えてさらに、Ni,CuおよびSbのうちから選ばれる1種または2種以上を添加してもよい。
Ni:0.10〜1.0mass%
Niは、粒界にSbと共偏析し、Sbの偏析効果を促進し、インヒビタの粗大化を抑止する元素であるので、0.10mass%以上含有させる。しかし、1.0mass%を超えて添加すると、一次再結晶焼鈍後の集合組織が劣化し、磁気特性が低下する原因となる。よって、Niは0.10〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.50mass%の範囲である。
Cu:0.02〜1.0mass%
Cuは、CuSやCuSeを構成する必須の元素である。極薄方向性電磁鋼板においては、インヒビタがMnSやMnSeであると、仕上焼鈍中に抑制力が低下し、二次再結晶が不安定となる。一方、インヒビタがCuS、CuSeであり、かつ、Ni,Sbと共に複合添加されている場合には、インヒビタの抑制力は低下し難い。そのため、本発明では、Cuを0.02mass%以上添加することを必須とする。しかし、1.0mass%を超えて含有させると、インヒビタの粗大化を招く。よって、Cuは0.02〜1.0mass%の範囲とする。好ましくは0.04〜0.5mass%の範囲である。
Sb:0.01〜0.10mass%
Sbは、析出したインヒビタであるAlNやCuS,CuSe,MnS,MnSeの表面に偏析し、インヒビタの粗大化を抑止するために必要な元素である。斯かる効果は0.01mass%以上の添加で得られる。しかし、0.10mass%を超えて添加すると、脱炭反応を阻害し、磁気特性の劣化を招くようになる。よって、Sbは0.01〜0.10mass%の範囲とする。好ましくは0.02〜0.05mass%の範囲である。
また、本発明の方向性電磁鋼板は、上記成分に加えてさらに、インヒビタ補助成分として、Ge,Bi,V,Nb,Te,Cr,SnおよびMoのうちから選ばれる1種または2種以上を、合計で0.002〜1.0mass%の範囲で含有させることができる。
これらの元素は、いずれも析出物を形成し、結晶粒界や析出物の表面に偏析して抑制力を強化する補助的機能を果たす。斯かる作用を得るためには、これらの元素を1種または2種類以上の合計で0.002mass%以上含有させる必要がある。しかし、1.0mass%を超える添加は、鋼の脆化や脱炭不良を招くようになるからである。よって、上記元素は合計で0.002〜1.0mass%の範囲で含有させるのが好ましい。
次に、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法ついて説明する。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、上述した成分組成に調整した鋼スラブを再加熱した後、熱間圧延し、必要に応じて熱延板焼鈍し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延し、一次再結晶焼鈍し、二次再結晶焼鈍と純化処理を兼ねた仕上焼鈍を施す一連の工程からなるものである。
上記鋼スラブは、上述した本発明の成分組成を満たして含有する限り、特に製造方法に制限はなく、通常公知の製造条件で製造することができる。
上記鋼スラブは、その後、1250℃以上の温度に再加熱した後、熱間圧延に供する。再加熱温度が1250℃未満では、添加した元素が鋼中に固溶しないからである。なお、再加熱する方法は、ガス炉、誘導加熱炉、通電炉などの公知の方法を用いることができる。また、熱間圧延の条件は、従来公知の条件であればよく、特に制限はない。
上記スラブ再加熱後、熱間圧延して板厚1.8mm以上の熱延板(コイルとする。ここで、熱延板厚を1.8mm以上に限定する理由は、圧延時間を短縮し、熱延鋼板の圧延方向の温度差を低減させるためである。なお、熱間圧延の条件は、常法に準じて行えばよく、特に制限はない。
熱間圧延して得た熱延板(熱延コイル)は、その後、必要に応じて熱延板焼鈍を施した後、酸洗し、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延して最終板厚の冷延板(冷延コイル)とする。
上記熱延板焼鈍および中間焼鈍は、熱間圧延や冷間圧延で導入された歪を利用して再結晶せるため、800℃以上の温度で行うことが好ましい。また、上記焼鈍における冷却を、所定の冷却速度で急冷し、鋼中の固溶C量を高めることは、二次再結晶の核生成頻度を高める効果があるので好ましい。また、急速冷却した後、所定の温度範囲で保定することは、微細カーバイドを鋼中に析出させ上記効果を高めるのでより好ましい。上記の冷間圧延では、パス間時効や温間圧延を適用してもよいことは勿論である。
なお、本発明の方向性電磁鋼板の最終板厚(製品板厚)は、0.15〜0.23mmの範囲とする。板厚が0.23mmを超えると、二次再結晶の駆動力が過剰となり、二次再結晶粒のGoss方位からの分散が増大する。一方、0.15mm未満となると、二次再結晶が不安定化したり、相対的に絶縁被膜の比率が増加して磁束密度が低下したりするだけでなく、圧延して製造することが困難となるからである。
最終板厚とした冷延板は、その後、脱脂し、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した後、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し、コイルに巻き取った後、二次再結晶を起こさせるとともに純化処理する仕上焼鈍を施す。
ここで、上記一次再結晶焼鈍は、加熱過程における200〜700℃間を昇温速度50℃/s以上で加熱するとともに、250〜600℃間のいずれかの温度において、1〜10秒間、等温に保持することが好ましい。この急速加熱と保定処理を施すことで、二次再結晶後の再結晶がより細粒化されるので、低鉄損でかつ鉄損値のばらつきが小さい方向性電磁鋼板を得ることができるからである。
なお、上記一次再結晶焼鈍では、(sol.Al/N)の値を適正範囲に調整するため、必要に応じて窒化処理を兼ねて行ってもよく、また、一次再結晶焼鈍とは別に、冷間圧延後から仕上焼鈍前までの間に、窒化処理工程を付加してもよい。
上記冷延板は、一次再結晶焼鈍する前に、製品板の鉄損を低減するため、鋼板表面にエッチングで溝を形成する磁区細分化処理を施してもよい。また、上記冷延板は、二次再結晶させる前までに、公知の磁区細分化処理、たとえば、微細結晶粒を生成させる点状の局所的熱処理や化学的処理を施してもよい。
また、鋼板表面に塗布する焼鈍分離剤は、公知のものを用いることができるが、鋼板表面にフォルステライト質の被膜を形成するか否かによって使い分けるのが好ましく、例えば、上記の被膜を形成させる場合にはMgOを主成分とする焼鈍分離剤を、一方、鋼板表面を鏡面化したい場合には、被膜を形成しないAl系等の焼鈍分離剤を用いることが好ましい。
また、上記仕上焼鈍は、本発明の製造方法において、最も重要な工程である。通常、仕上焼鈍は、二次再結晶焼鈍と純化焼鈍を兼ねて、最高1200℃程度の温度で行われるが、本発明の方向性電磁鋼板の製造方法においては、上記仕上焼鈍の昇温過程において、二次再結晶前の775〜875℃の温度域で40〜200時間保定する必要がある。その理由は、以下のとおりである。
通常、二次再結晶は1000℃付近の温度で起こるが、875℃を超える温度域では、インヒビタ成分の酸化がおこり、鋼板表層の一次再結晶粒が粗大化する。そして、この表層一次再結晶粒の粗大化は、板厚が薄い方向性電磁鋼板においては、二次再結晶不良を引き起こす原因となる。
発明者らは、この問題点の解決策について研究を重ねた結果、二次再結晶を起こす前の鋼板を、775〜875℃の温度域で40〜200時間保定してやることによって、表層一次再結晶粒の粗大化が抑制されることを見出した。上記保定時間が40時間未満では、表層一次再結晶粒が粗大化し、二次再結晶不良となり、磁気特性が劣化する。一方、保定時間が200時間を超えると、一次再結晶粒が全体的に粗大化して、Goss方位以外の粒も粗大化するため二次再結晶が起こり難くなり、やはり、磁気特性が劣化する。
なお、上記二次再結晶前の保定処理は、775〜875℃間の特定温度で40〜200時間保定してもよいし、775〜875℃の間を40〜200時間かけて昇温するようにしてもよい。
775〜875℃の温度域で40〜200時間保持することで、表層一次再結晶粒の粗大化が抑制される理由については、以下のように考えている。
インヒビタとしてAlNを用いる方向性電磁鋼板の製造では、およそ920℃以上の温度でAlNが分解し、表層の一次再結晶粒の粗大化が生じる。ここで、二次再結晶を開始する前にAlNが分解するのを抑制するためには、二次再結晶温度域に速やかに昇温してやる必要があるが、コイル焼鈍では、加熱初期段階での昇温速度が緩やかとなるため、AlNの分解を抑制することができず、表層の一次再結晶粒の粗大化を招いていた。そこで、再結晶する温度まで加熱する前に、所定温度で所定時間の保定処理を行うことで、コイル内の温度分布が均一となり、AlNが分解する温度域での昇温速度が速くなり、二次再結晶前の一次再結晶粒の粗大化を抑制することができる。
保定処理に続く1050℃までの昇温速度は、10℃/hr以上とするのが好ましく、20℃/hr以上がより好ましい。しかし、昇温速度を大きくし過ぎると、二次再結晶粒のGoss方位への先鋭度が低下して、磁気特性が劣化するおそれがあるので、上限は60℃/hrとする。また、1050℃から最高温度までの昇温速度は、経済性の観点から5℃/hr以上とするのが好ましく、一方、コイル内温度を均一化する観点から100℃/hr以下とするのが好ましい。
なお、上記の保定処理を十分に行おうとすると、AlN以外のインヒビタであるMnSやMnSeが粗大化して抑制力が低下するおそれがある。そこで、本発明では、インヒビタとして抑制力が低下し難いCuSやCuSeを用いると共に、Sbを添加し、析出したCuSやCuSeのインヒビタ表面にSbを偏析させて、インヒビタの粗大化を抑制するのが好ましい。さらに、Niを添加すると、Sbの偏析が促進されるので、CuSやCuSeの抑制力がより補強され、インヒビタの抑制力を高く保持することが可能となる。
また、上記仕上焼鈍における雰囲気ガスとしては、N、H,Arあるいはこれらの混合ガスを用いるが、一般に、温度が850℃以下の加熱過程および冷却過程では、Nが、それ以上の温度では、HまたはHとNあるいはHとArの混合ガスが用いられる。
仕上焼鈍した鋼板は、その後、鋼板表面の未反応の焼鈍分離剤を除去した後、必要に応じて、絶縁被膜液を塗布・焼付けたり、平坦化焼鈍を施したりして製品板とする。上記絶縁被膜は、鉄損を低減するためには、張力被膜を用いることが好ましい。また、仕上焼鈍後の鋼板に、鉄損を低減するため、連続的または断続的に電子ビームあるいはレーザを照射したり、突起状ロールで線状の歪を付与したりする公知の磁区細分化処理を施してもよい。また、仕上焼鈍で鋼板表面にフォルステライト被膜を形成しない場合には、鋼板表面をさらに鏡面化処理したり、NaCl電解などで粒方位選別処理等を施したりした後、さらに、張力被膜を被成して製品板としてもよい。
表3に示したA〜Nの成分組成を有する鋼スラブを常法に準じて熱間圧延し、板厚2.4mmの熱延コイルとし、900℃×40秒の熱延板焼鈍を施し、酸洗し、一次冷間圧延して板厚1.5mmとし、1150℃×80秒の中間焼鈍を施した後、170℃の温度で温間圧延して最終板厚0.17mmの冷延コイルとした。次いで、上記冷延コイルを脱脂した後、60vol%H−40vol%Nの湿水素雰囲気下で、850℃×2分の脱炭処理を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。次いで、上記鋼板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布、乾燥した後、N雰囲気下で850℃までを昇温速度40℃/hrで加熱し、850℃で50時間保定処理した後、引き続き、昇温速度20℃/hrで、850〜1150℃までを100vol%N雰囲気下で、1150〜1200℃までをH雰囲気下で加熱し、さらに、H雰囲気下で1200℃×10時間の均熱処理し、その後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍を施した鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、リン酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とする絶縁被膜を被成し、製品コイルとした。
Figure 0005988026
斯くして得た全長約4000mの製品コイルの長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの計5箇所から、磁気測定用の試験片を採取し、1.7Tの磁束密度における鉄損値W17/50を測定し、上記5箇所の鉄損の中で最も悪い値をコイル内保証値、最も良好な値をコイル内良好値とし、その結果を表3に併記した。
表3から、Ni,CuおよびSbのうちから選ばれる1種以上、あるいはさらに、Ge,Bi,V,Nb,Tb,Cr,SnおよびMoのうちから選ばれる1種以上を添加することによって鉄損特性がより改善されていること、また、(sol.Al/N)が外れると、鉄損特性が大きく劣化することがわかる。
C:0.07mass%、Si:3.4mass%、Mn:0.07mass%、sol.Al:0.018mass%、N:0.007mass%、Se:0.015mass%、Ni:0.3mass%、Cu:0.03mass%およびSb:0.04mass%を含有する成分組成の鋼スラブを、熱間圧延して板厚2.4mmの熱延コイルとし、900℃×40秒の熱延板焼鈍し、酸洗し、一次冷間圧延して板厚1.5mmとし、1150℃で80秒の中間焼鈍した後、170℃の温度で温間圧延して最終板厚0.17mmの冷延コイルとした。次いで、上記冷延コイルを2つに分け、一方には鋼板表面に幅180μmで圧延方向に対して直角方向に延びる溝を圧延方向に5mm間隔で形成する磁区細分化処理を施した後、他方には上記磁区細分化処理を施すことなく、50vol%H−50vol%Nの湿潤雰囲気下で、脱炭焼鈍を兼ねた一次再結晶焼鈍を施した。なお、上記一次再結晶焼鈍における840℃に達するまでの加熱は、200℃から700℃までの昇温速度を、表4に示したように、20〜200℃/sの範囲で種々に変化させた。なお、上記200〜700℃間の昇温速度は一定とし、かつ、その加熱途中の450℃で0.5〜3秒間、保定を行う条件とし、また、一部のコイルには保定を実施しなかった。
Figure 0005988026
その後、鋼板表面にMgOを主体とする焼鈍分離剤を塗布した後、N雰囲気下で850℃までを昇温速度20℃/hrで加熱し、850℃で50時間の保定処理を施し、引き続き、850〜1150℃までを50vol%N−50vol%Hの混合雰囲気、1150〜1200℃までをH雰囲気として昇温速度40℃/hrで1200℃まで加熱し、さらに、H雰囲気下で1200℃×10時間の均熱を施し、その後、800℃以下をN雰囲気下で冷却する仕上焼鈍を施した。次いで、上記仕上焼鈍後の鋼板表面から未反応の焼鈍分離剤を除去した後、50mass%のコロイダルシリカとリン酸マグネシウムからなる張力被膜液を塗布し、焼付けて絶縁被膜を被成し、製品コイルとした。
斯くして得た全長約4000mの製品コイルの長手方向0m、1000m、2000m、3000mおよび4000mの計5箇所から磁気測定用の試験片を採取し、1.7Tの磁束密度における鉄損値W17/50を測定し、その平均値を求めた。
上記測定の結果を、磁区細分化処理の有無に区分して表4に併記した。表4から、仕上焼鈍の加熱条件の適正化に加えて、一次再結晶焼鈍における加熱過程において保定処理を施すことによって、鉄損特性がさらに改善されること、特に、磁区細分化処理を施した場合における鉄損改善効果が著しいことがわかる。

Claims (5)

  1. C:0.04〜0.12mass%、Si:1.5〜5.0mass%、Mn:0.01〜1.0mass%、sol.Al:0.010〜0.040mass%、N:0.004〜0.02mass%、SおよびSeから選ばれる1種または2種:合計0.005〜0.05mass%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有する鋼スラブを1250℃以上に加熱後、熱間圧延して板厚1.8mm以上の熱延板とし、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延により最終板厚0.15〜0.23mmの冷延板とし、一次再結晶焼鈍した後、仕上焼鈍を施す一連の工程からなる方向性電磁鋼板の製造方法において、
    前記鋼スラブのsol.AlとNの含有量の比(sol.Al/N)と、最終板厚d(mm)とが下記(1)式を満たし、
    前記一次再結晶焼鈍の加熱過程における200〜700℃間を昇温速度50℃/s以上で加熱するとともに、250〜600℃間のいずれかの温度において、1〜10秒間、等温に保持し、かつ、
    前記仕上焼鈍の加熱過程で鋼板を775〜875℃の温度に40〜200時間保持した後、875〜1050℃の温度域を昇温速度10〜60℃/hrで加熱することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。

    4d+1.52≦sol.Al/N≦4d+2.32 ・・・(1)
  2. 前記鋼スラブは、前記成分組成に加えてさらに、Ni:0.1〜1.0mass%、Cu:0.02〜1.0mass%およびSb:0.01〜0.10mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼スラブは、前記成分組成に加えてさらに、Ge,Bi,V,Nb,Te,Cr,SnおよびMoのうちから選らばれる1種または2種以上を合計で0.002〜1.0mass%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 冷間圧延後のいずれかの段階で、鋼板表面に圧延方向と交差する方向に溝を形成して磁区細分化処理を施すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 絶縁被膜を被成した鋼板表面に、圧延方向と交差する方向に連続的または断続的に電子ビームあるいはレーザを照射して磁区細分化処理を施すことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
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