JP2019117196A - 測定誤差の低減方法 - Google Patents

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【課題】 試薬プローブを用いる生化学検査でのコンタミネーションを抑制し、測定誤差を低減する方法及び試薬を提供すること。【解決手段】 本発明は、異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置において酵素を含有する生化学検査試薬を使用することにより発生する測定誤差を低減する方法であって、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする方法に関する。一つの実施態様では、非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、生化学検査試薬における測定誤差の低減方法に関する。
臨床検査における生化学検査の分野では、血清等のサンプルに所望の試薬を混合させた反応液を分析対象とし、その吸光度を測定することで物質の濃度を定量的に分析する吸光光度法が汎用されている。この分析を簡便かつ迅速に行うため、臨床検査の現場では、生化学自動分析装置が用いられることが一般的である。この種の生化学自動分析装置では通常、サンプルや試薬を収納する容器、サンプルおよび試薬を収納する反応セル、サンプルおよび試薬を反応セルに自動注入する分注機構、反応セル内のサンプルおよび試薬を混合する自動撹拌機構、反応中または反応が終了したサンプルの分光スペクトルを測定する機構、分光スペクトル測定終了後の反応溶液を吸引・排出し反応セルを洗浄する自動洗浄機構等を備えている(例えば特許文献1)。
ここで、このような生化学自動分析装置における試薬を反応セルに自動分注する機構は、分注ノズル、分注プローブ、または試薬プローブなどと呼ばれる、一般に金属製(例えば、ステンレス製)の筒状の構造体から成っており、定期的なメンテナンスを必要とするなど、装置の中でも特に性能に及ぼす重要な部分構造である。しかし、一本の試薬プローブですべての試薬を分注するため、この筒状構造体の内部等に試薬が残り、次の試薬を吸入した際に筒状構造体の中で混合され、その混合物が反応セルに分注され分析に使用されることにより、正確に分析が行えない場合があるという装置の構造上避けられない問題がある。このような問題は所謂コンタミネーションと呼ばれ、測定誤差を生じさせることから臨床現場においても特に問題視されている。
これに対し、装置側の対策として、様々な回避方法が知られている。例えば、複数の試料の種々の成分の測定のため、複数の試料の分注又は試薬の分注をノズルによって連続的に行う自動分析装置において、導電性の管の内壁をポリテトラフルオロエチレンでコーティングした分注ノズルを用いることを特徴とする自動分析装置(特許文献2)が知られている。また、その他の方法として、洗浄機能を強化する方法(例えば特許文献3)なども開示されている。しかしながら、このような対策を行ったとしても、分析装置の経年劣化や洗浄の状態によりコーティングがはがれ試薬プローブの内壁に試薬または成分が付着しやすくなり、経年と共にコンタミネーションが多発するようになる。
一方で、オペレーション面の対策として、コンタミネーションの発生が確認された時、コンタミネーションの起こる組み合わせ間で洗浄サイクルを指定して洗浄を行う、などの対処をするが、この場合、処理速度の低下を招き、得策でない。また、試薬の分注順序を変える方法(例えば特許文献4)なども開示されているが、装置の使用者が十分に熟練していない場合実施できない、また、そもそも装置によってはそのような機能が付属しておらず実施できない場合がある。
特公平3−75827号公報 特開平11−271329号公報 実開平5−50362号公報 特開平5−126836号公報
本発明が解決しようとする課題は、金属製試薬プローブでのコンタミネーションを低減し、他試薬への影響を抑え正確な分析値が得られる測定誤差の低減方法および測定誤差を低減した試薬を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、生化学検査試薬にある種の界面活性剤を添加することにより、試薬プローブでのコンタミネーションが抑制されることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の構成からなる。
[項1]
異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置において酵素を含有する生化学検査試薬を使用することにより発生する測定誤差を低減する方法であって、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする、測定誤差の低減方法。
[項2]
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、項1記載の測定誤差の低減方法。
[項3]
前記試薬プローブの少なくとも一部がステンレス製である、項1又は2に記載の測定誤差の低減方法。
[項4]
前記酵素が、コレステロールオキシダーゼである、項1〜3のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
[項5]
前記生化学検査試薬が、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬である、項1〜4のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
[項6]
前記生化学検査試薬における酵素の濃度が0.01〜30U/mLである、項1〜5のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
[項7]
前記生化学検査試薬のpHが5〜10である、項1〜6のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
[項8]
前記非イオン性界面活性剤が、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114,Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409PV、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、エマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)A500、およびエマルゲン(登録商標)B66からなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、項1〜7のいずれかに記載の方法。
[項9]
異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置に用いられる場合に発生する測定誤差が低減された生化学検査試薬であって、酵素と共に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、生化学検査試薬。
[項10]
前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、項9記載の生化学検査試薬。
[項11]
前記試薬プローブの少なくとも一部がステンレス製である、項9又は10に記載の試薬。
[項12]
前記生化学検査試薬が、酵素としてコレステロールオキシダーゼを含有する、項9〜11のいずれかに記載の試薬。
[項13]
前記生化学検査が、コレステロール測定検査である、項9〜12のいずれかに記載の試薬。
[項14]
前記生化学検査試薬が、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬である、項9〜13のいずれかに記載の試薬。
[項15]
前記生化学検査試薬における酵素の濃度が0.01〜30U/mLである、項9〜14のいずれかに記載の試薬。
[項16]
前記生化学検査試薬のpHが5〜10である、項9〜15のいずれかに記載の試薬。
[項17]
前記非イオン性界面活性剤が、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114,Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409PV、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、エマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)A500、およびエマルゲン(登録商標)B66からなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、項9〜16のいずれかに記載の試薬。
本発明により、金属製の試薬プローブでのコンタミネーションを容易に回避可能な生化学検査試薬を提供でき、長期間または過酷な条件下で使用された生化学分析装置で使用した場合においても他試薬へ影響を低減し、測定誤差を引き起こしにくく正確な測定値を得ることができる。
本発明の実施態様の一つは、異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置において酵素を含有する生化学検査試薬を使用することにより発生する測定誤差を低減する方法であって、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする、測定誤差の低減方法である。本発明は、生化学検査試薬中に含まれる酵素が金属製試薬プローブに吸着・残留して発生するコンタミネーションを抑制することにより測定誤差を低減できると推定され得る。従って別の観点から、本発明は、酵素を含有する生化学検査試薬を用いる場合の測定誤差を低減する方法であって、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることにより、生化学自動分析装置における金属製試薬プローブへの該酵素の吸着を抑制することを特徴とする、測定誤差の低減方法ということもできる。
本発明の更なる実施態様の一つは、異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置に用いられる場合に発生する測定誤差が低減された生化学検査試薬であって、酵素と共に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、生化学検査試薬である。本発明は、生化学検査試薬中に含まれる酵素が金属製試薬プローブに吸着・残留して発生するコンタミネーションを抑制することにより測定誤差を低減できると推定され得る。従って別の観点から、本発明は、酵素と共に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする、生化学自動分析装置における金属製の試薬プローブへの該酵素の吸着を抑制し測定誤差の発生を低減した生化学検査試薬ということもできる。
本発明では、異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置に用いられる場合に発生する測定誤差を低減するため、又は金属製試薬プローブへの酵素の吸着を抑制するために、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする。本明細書において、非イオン性界面活性剤を用いるとは、酵素を含有する生化学検査試薬を用いた生化学自動分析装置における操作の場面で、金属製試薬プローブに接触するように非イオン性界面活性剤を用いる態様であれば特に限定はされない。例えば、金属製試薬プローブに接触する溶液中に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含有させて用いればよく、好ましくは、酵素を含有する生化学検査試薬中に酵素と共に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含有させ、両成分を共存させることが好ましい。例えば、生化学検査試薬が複数の試薬から構成される場合(例えば、第一試薬と第二試薬、第一試薬と第二試薬と第三試薬とから構成される場合)、金属製試薬プローブに吸着してコンタミネーションを引き起こしやすい酵素が第一試薬中に含まれる場合には、該第一試薬中に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を添加し、両成分を共存させることが好ましい。コンタミネーションを引き起こしやすい酵素が第二試薬、又は第三試薬に含まれる場合も同様にして共存させることができる。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤は、本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル系の非イオン性界面活性剤を用いることができる。好ましくは、ポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤が用いられる。
本発明に用いられる非イオン性界面活性剤のHLB値もまた、本発明の効果を奏する限り、特に限定されない。例えば、HLB10〜20程度の非イオン性界面活性剤、好ましくはHLB12〜18程度の非イオン性界面活性剤を用いることができる。
本発明の実施態様の一つは、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種のポリオキシエチレン系の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする、金属製試薬プローブへの酵素の吸着を抑制することによる生化学検査試薬の測定誤差を低減する方法である。
生化学自動分析装置におけるプローブへの試薬の吸着による測定誤差は、試薬のコンタミネーションとも呼ばれる。従って、本発明は、上記のような非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする、コンタミネーションの回避方法ということもできる。
また、本発明の実施態様の一つとして、本発明を利用した生化学検査試薬が上げられる。生化学検査とは、血液検査や一般検査とともに疾患の鑑別や治療のモニタリング、および予後の判定などのために用いられる検査である。検査材料として、一般的には血清が用いられるが、検査の目的によっては血漿、尿、胸・腹水、髄液、血球などが用いられ、化学的に分析される。検査項目(分析の対象となる物質)には、各種酵素、電解質・金属、蛋白質、含窒素成分、脂質、および糖関連物質などがある。各種酵素として、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH(乳酸脱水素酵素)とアイソザイム、ALP(アルカリ性フォスファターゼ)とアイソザイム、CK(クレアチンキナーゼ)とアイソザイム、アミラーゼ(Amy)とアイソザイム、リパーゼ、γ−GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)、コリンエステラーゼ(ChE)などが挙げられる。また、電解質・金属として、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、リン(P)〔無機リン(IP)〕、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)などが挙げられる。蛋白質として、総蛋白(TP)、血清蛋白分画(PF)などが挙げられる。含窒素成分として、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、尿酸(UA)、ビリルビン(Bil)、アンモニアなどが挙げられる。脂質として、コレステロール、HDL−コレステロール(HDL−C、高密度リポタンパクコレステロールともいう)、LDLコレステロール(LDL−C、低密度リポタンパクコレステロールともいう)、中性脂肪(トリグリセリド)(TG)などが挙げられる。糖関連物質として、血糖(BS、GLU)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が挙げられる。このような、生化学検査を行うための試薬が生化学検査試薬と呼ばれており、その形状は液状または凍結乾燥品として販売されており、凍結乾燥品の場合も使用前に溶解され、最終的に液状で使用される。液状のものも、使用前に水等の溶媒で適宜希釈して用いてもよい。
本発明を利用した生化学検査試薬は、上記の任意の検査項目に用いられる生化学検査試薬であり得るが、なかでも、脂質を測定する生化学検査試薬で利用されることが好ましく、コレステロール測定試薬で利用されることがより好ましく、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬及び/又は低密度リポタンパクコレステロール測定試薬で利用されることが更に好ましく、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬で利用されることが特に好ましい。脂質を測定する生化学検査試薬は一般に、脂溶性の部分を有する成分(酵素等)を含むことが多い。本発明によれば、金属製試薬プローブに吸着して測定誤差を生じさせ易い脂溶性の部分を有する成分を含み得る、脂質の測定のための生化学検査試薬であっても、測定誤差を低減させることが可能となる。
生化学分析装置とは、生化学検査試薬を使用する装置であり、特に限定されるものではないが、サンプルや試薬を収納する容器、サンプルおよび試薬を収納する反応セル、サンプルおよび試薬を反応セルに自動注入する分注機構、反応セル内のサンプルおよび試薬を混合する自動撹拌機構、反応中または反応が終了したサンプルの分光スペクトルを測定する機構、分光スペクトル測定終了後の反応溶液を吸引・排出し反応セルを洗浄する自動洗浄機構などで構成されている。これらの生化学自動分析装置は、複数の異なる測定項目を一緒に測定することも可能である。複数の異なる測定項目を測定する場合、異なる試薬をそれぞれ収納した容器をセットし、これら複数の異なる試薬を収納した容器から同一のプローブにより吸引・排出して反応セルに分注させる工程を繰り返して分析が行われることになり得る。本発明は、このように異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注するような態様において好適で実施される。
試薬を吸引し反応セルに自動分注する機構のうち、特にノズルの部分が試薬プローブと呼ばれている。試薬プローブは、試薬を吸引・吐出するなど、試薬と直接接する装置側とのインターフェイスであり、一般に筒状の構造体である。試薬プローブの材質としては通常は金属が用いられることが多い。なかでも、試薬プローブの材質としてはステンレスが多く用いられるが、特に限定されるものではない。本発明は、金属製の試薬プローブを用いる生化学検査で実施されるが、試薬プローブはその全体が金属製である必要はなく、試薬と接触する可能性がある表面の少なくとも一部が金属製であればよい。特定の実施態様において、本発明は、試薬と接触する可能性がある表面の少なくとも一部がステンレス製の試薬プローブを用いる生化学検査で好適に実施することができる。また、試薬プローブの内壁はコンタミネーション防止のためコーティングが施されていることがあり、その素材はポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、試薬プローブの使用環境は様々である。例えば、使用環境については特に限定されるものではないが、経年によりコーティングがはがれ、液体が内壁等の金属製試薬プローブ表面に吸着しやすい状態となっていることもある。さらに、洗浄の不具合により、内壁等の試薬プローブ表面に酵素などのタンパク質やポリスチレン粒子などの高分子化合物が残留していることもある。また、通常は定期的なメンテナンスにより1〜2年に一度新品と交換されることが望ましいが、発展途上国などでは費用の節約のためであったり、メンテナンス可能な技術者がいないなどの理由で定期的な交換がなされず、コーティングが剥がれて内側の金属が露出したり、金属部分が錆びているなど劣悪な状態で使用されることもある。
本明細書におけるコンタミネーションとは、特に限定されないが、金属製(例えばステンレス製)試薬プローブにて1つ目の試薬を吸引・吐出した後、同一の試薬プローブにて2つ目の別の試薬を吸引・吐出した場合において、試薬プローブの表面(内部表面を含む)に吸着した1つ目の試薬が、この試薬プローブの表面、反応セル、または試薬ボトル中にて1つ目の試薬と2つ目の試薬とが混合される状態を言う。このように1つ目の試薬及び2つ目の試薬が混合されることで測定誤差が生じることが知られている。
本発明における「測定誤差の低減」又は「コンタミネーションの回避」とは、例えば、本発明の内容を含む1つ目の試薬を試薬プローブが吸引・吐出した後、同一の試薬プローブにて2つ目の別の試薬を吸引・吐出した場合において、2つ目の別の試薬により得られた測定値が、本来得られるはずであった値から±5%未満である状態を言う。好ましくは、本来得られるはずであった値から±4%未満であり、より好ましくは±3%未満であり、更に好ましくは±2%未満であり、更により好ましくは±1%未満であり、特に好ましくは±0.5%未満である。本来得られるはずであった値からの測定誤差は、後述の試験例と同様にして測定することができる。
本発明に使用される非イオン性界面活性剤の種類は特に限定されない。非イオン性界面活性剤としては、例えば、以下のような市販品も好適に用いることができる。
例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルとして、Triton X−100、Triton X−114が挙げられる(「Triton」は登録商標。以下同様。)。
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートとして、Tween20が挙げられる(「Tween」は登録商標。以下同様。)。
例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートとして、Tween80が挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、またはポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルが挙げられる。さらにポリオキシエチレンラウリルエーテルとして花王製エマルゲン103(「エマルゲン」は登録商標。以下同様。)、エマルゲン104P、エマルゲン105、エマルゲン106、エマルゲン108、エマルゲン109P、エマルゲン120、エマルゲン123P、エマルゲン130K、エマルゲン147、またはエマルゲン150が挙げられ、ポリオキシエチレンセチルエーテルとしてエマルゲン210Pまたはエマルゲン220が挙げられ、ポリオキシエチレンステアリルエーテルとしてエマルゲン306P、エマルゲン320Pまたはエマルゲン350が挙げれられ、ポリオキシエチレンオレイルエーテルとしてエマルゲン404、エマルゲン408、エマルゲン409PV、エマルゲン420、またはエマルゲン430が挙げられ、ポリオキシエチレンミリステルエーテルとしてエマルゲン4085が挙げられ、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテルとしてエマルゲン2020G−HAまたはエマルゲン2025Gが挙げられ、その他のポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてエマルゲン705、エマルゲン707、エマルゲン709、エマルゲン1108、エマルゲン1118S−70、エマルゲン1135S−70、またはエマルゲン1150S−60が挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルとして、エマルゲンA60、エマルゲンA90またはエマルゲンA500が挙げられる。
例えば、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルとして、エマルゲンB66が挙げられる。
中でも、前記非イオン性界面活性剤が、Triton X−114(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、HLB12.3)、Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB16.7)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、HLB15.0)、エマルゲン420(ポリオキシエチレンオレイルエーテル、HLB13.6)、エマルゲンA60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB12.8)、エマルゲンA90(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、HLB14.5)、およびエマルゲンB66(ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、HLB13.2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤であることが好ましい。
溶液中(使用前に溶解・希釈される場合には、溶解・希釈後の溶液中)の非イオン性界面活性剤の濃度としては特に限定されるものではないが、範囲の上限は、該溶液の全量に対して、好ましくは20g/L、さらに好ましくは10g/L、より好ましくは5g/Lである。範囲の下限は、該溶液の全量に対して、好ましくは0.01g/L、より好ましくは0.05g/L、さらに好ましくは0.1g/Lで、使用されるのが望ましい。なお、測定誤差を低減するための非イオン性界面活性剤を二つ以上用いる場合、それらの非イオン性界面活性剤の総量が上記濃度範囲であることが好ましい。
また、本発明では、溶液中に二つ以上の種類の非イオン性界面活性剤を混合して含有させてもよく、その混合比率は特に限定されるものではない。また、本発明では、非イオン性界面活性剤に加えて、他の界面活性剤(陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等)も、本発明の効果を損なわない限り、一緒に用いてもよい。
また、本発明の測定誤差の低減方法又はコンタミネーションの回避方法は、種々の生化学検査試薬に適用できる。該生化学検査試薬としては、例えば、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH(乳酸脱水素酵素)とアイソザイム、ALP(アルカリ性フォスファターゼ)とアイソザイム、CK(クレアチンキナーゼ)とアイソザイム、アミラーゼ(Amy)とアイソザイム、リパーゼ、γ−GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)、コリンエステラーゼ(ChE)などの各種酵素、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、リン(P)〔無機リン(IP)〕、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)などの電解質・金属、総蛋白(TP)、血清蛋白分画(PF)などの蛋白質、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、尿酸(UA)、ビリルビン(Bil)、アンモニアなどの含窒素成分、コレステロール、HDL−コレステロール(HDL−C)、LDLコレステロール(LDL−C)、中性脂肪(トリグリセリド)(TG)などの脂質、血糖(BS、GLU)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)などの糖関連物質が挙げられる。具体的には、本発明の測定誤差の低減方法又はコンタミネーションの回避方法には、前記生化学検査試薬に必要な他の構成成分を共存させてもよい。例えば中性脂肪測定試薬を構成する成分には、非イオン性界面活性剤のほか、他の界面活性剤、リパーゼ、グリセロールキナーゼ、ATP、マグネシウム、ペルオキシダーゼ、色原体などの他の成分を含むことができ、これらのすべてを共存させてもよいし、非イオン性界面活性剤に加えて、これらの他の成分中から適宜必要なものを選んで共存させてもよい。
本発明は、前記のいずれかに記載の成分又はそれらから構成される組成物を含む、生化学検査試薬であってもよい。種々の生化学検査試薬が既に当該技術分野において確立されている。よって、公知の方法に従い、本発明の測定誤差の低減方法又はコンタミネーション回避方法や、測定誤差を低減した組成物又はコンタミネーションを回避した組成物を生化学検査試薬に適用して、各種試料中の生体成分の量又は濃度を測定することができる。その組成は、非イオン性界面活性剤を含む限り、特に限定されない。また、本発明の組成物(キットに含まれる形態を含む)は、水溶液であっても凍結乾燥したものであってもよい。水溶液のものは使用前に水等の溶媒で適宜希釈して用いることもできる。凍結乾燥したものは、使用前に溶解され、最終的に液状で使用される。
また、本発明が適用される生化学検査試薬では、酵素を含有する。酵素を含有することにより正確な分析が可能となる。更に正確な分析を成すため、抗体などの機能性を有するタンパク質が含有を更に含有してもよい。例えば、生化学検査の分野では、酵素を使用した検出系が汎用されており、その場合においては、オキシダーゼ(酸化酵素)やデヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)、エステラーゼ、ペルオキシダーゼ等の酵素が用いられる。さらに、これらの検出系では、他の酵素や発色剤等が含まれ、例えば、オキシダーゼ(酸化酵素)を用いる検出系では、基質とオキシダーゼの反応により生成した過酸化水素を、ペルオキシダーゼと酸化系発色色素により検出する。また、デヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)を用いる検出系では、補酵素および還元型色素が用いられる。
本発明は酵素を含有する生化学検査試薬において実施される。本発明で用いられる酵素の種類は特に限定されないが、好ましくは、脂溶性の成分に対して作用する酵素である。脂溶性の成分に対して作用する酵素は一般に、脂溶性の部分を有することが多い。本発明によれば、金属製試薬プローブに吸着し易い脂溶性の成分を有する酵素を用いる場合であっても、効果的にプローブへの吸着が抑え、測定誤差を低減することができる。このような観点から、本発明で用いられる酵素としては、好ましくは、コレステロールオキシダーゼ(本明細書ではCOOと略記することもある)、コレステロールエステラーゼ(本明細書ではCOEと略記することもある)、リポプロテインリパーゼが挙げられ、より好ましくはコレステロールオキシダーゼ、コレステロールエステラーゼが挙げられ、更に好ましくはコレステロールオキシダーゼが挙げられる。一つの実施態様において、本発明の生化学検査試薬は、コレステロールオキシダーゼ及びコレステロールエステラーゼを組み合わせて含むことが好ましい。
このような生化学検査試薬に用いられる酵素の起源は特に限定されない。例えば、コレステロール測定試薬では、測定に必須の酵素としてコレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシダーゼが用いられ、コレステロールエステラーゼとしては、例えば、Schizophyllum属およびPseudomonas属等の微生物に由来する物等を用いることができる。また、コレステロールオキシダーゼとしては、例えば、Streptomyces属およびPseudomonas属等の微生物に由来する物等を用いることができる。また、これらの遺伝子を大腸菌等の微生物に組み込む遺伝子組み換え技術により製造したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改変したものも含まれる。これらは市販のものを入手することができる。
本発明で用いられる生化学検査試薬における酵素の濃度は、本発明の効果を発揮し得る限り、特に限定されない。例えば、溶液中(使用前に溶解・希釈される場合には、溶解・希釈後の溶液中、以下同様)の酵素の濃度は特に限定されないが、範囲の上限は、該溶液の全量に対して、好ましくは30U/mL程度、より好ましくは25U/mL程度である。範囲の下限は、該溶液の全量に対して、好ましくは0.01U/mL程度、より好ましくは0.1U/mL程度である。酵素として、コレステロールオキシダーゼ、又はコレステロールエステラーゼを用いる場合の各酵素の好ましい濃度は、以下の通りである。
(a)コレステロールオキシダーゼを用いる場合:溶液中の全量に対して、範囲の上限が、好ましくは、5U/mL程度、より好ましくは3U/mL程度であり、範囲の下限が、該溶液の全量に対して、好ましくは0.3U/mL程度、より好ましくは0.75U/mL程度、更に好ましくは1.5U/mL程度である。コレステロールオキシダーゼの濃度が高いほど、金属製試薬プローブへの吸着を招きやすく測定誤差を生じさせ易い傾向が認められている。本発明によれば、上記の濃度範囲内においても効果的に測定誤差を低減することができる。
(b)コレステロールエステラーゼを用いる場合:範囲の上限が、好ましくは、3U/mL程度、より好ましくは1U/mL程度であり、範囲の下限が、該溶液の全量に対して、好ましくは0.3U/mL程度、より好ましくは0.5U/mL程度である。
本発明は、異なる検査項目を対象とする二以上の異なる試薬を用いる場合に実施される。例えば、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH(乳酸脱水素酵素)とアイソザイム、ALP(アルカリ性フォスファターゼ)とアイソザイム、CK(クレアチンキナーゼ)とアイソザイム、アミラーゼ(Amy)とアイソザイム、リパーゼ、γ−GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)、コリンエステラーゼ(ChE)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、クロール(Cl)、カルシウム(Ca)、リン(P)〔無機リン(IP)〕、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、総蛋白(TP)、血清蛋白分画(PF)、尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cr)、尿酸(UA)、ビリルビン(Bil)、アンモニア、コレステロール、HDLコレステロール(HDL−C、高密度リポタンパクコレステロールともいう)、LDLコレステロール(LDL−C、低密度リポタンパクコレステロールともいう)、中性脂肪(トリグリセリド)(TG)、血糖(BS、GLU)、糖化ヘモグロビン(HbA1c)からなる群より選択される二以上の測定項目を対象とする二以上の異なる試薬を用いる場合が挙げられるが、特に限定されない。好ましくは、二以上の測定項目のうちの一つが高密度リポタンパクコレステロール(HDL−C)測定試薬であり、もう一つがHDL−C以外の測定項目を対象とする測定試薬である。一つの好ましい実施態様では、本発明は、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬と中性脂肪測定試薬とを用いる生化学検査で実施することができる。別の好ましい実施態様では、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬と尿酸測定試薬とを用いる生化学検査で実施することができる。上記の好ましい実施態様では、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬と、中性脂肪測定試薬又は尿酸測定試薬との組み合わせに加えて、他の検査項目を測定するための試薬を更に組み合わせて用いてもよい。
また、生体試料を分析対象とする場合、生体試料中に含まれる妨害物質の影響を回避するため、アスコルビン酸オキシダーゼなどの検出系には直接関与しない酵素や、EDTAなどのキレート剤を添加することがある。また、主用酵素の反応に悪い影響を及ぼさない範囲で防腐剤が添加されることがあり、防腐剤としては、アジ化物、キレート剤、抗生物質、および抗菌剤等を挙げることができる。酵素の安定化のため、CaやMgなど、種々の金属イオンを共存させることがある。
本発明の測定誤差の低減方法又はコンタミネーションの回避方法では、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、組成のpHが5〜10の範囲が好ましく、pH6.0〜8.0の範囲が特に好ましい。本発明で用いる生化学検査試薬の溶液中のpHは、後述の試験例の結果に示されるように、pHを高くすることで測定誤差をより効果的に低減できる傾向が認められている。従って、本発明の生化学検査試薬の溶液のpHを上記範囲に設定することで、より有効に測定誤差を低減することができる。また、前記pH範囲となるように用いる緩衝液としては、前記のpH範囲に緩衝能がある従来公知の緩衝液を適宜使用することができる。このような緩衝液としては、例えば、リン酸、ホウ酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、イミダゾール、グリシルグリシン、MES、Bis−Tris、ADA、ACES、Bis−Trisプロパン、PIPES、MOPSO、MOPS、BES、HEPES、TES、DIPSO、TAPSO、POPSO、HEPPS(別名:EPPS)、HEPPSO、Tricine、Bicine、TAPS等の各緩衝液を挙げることができる。特に限定されないが、本発明で用いる生化学検査試薬では、グッド緩衝液を用いることが好ましく、ADA緩衝液、MOPS緩衝液、MES緩衝液、Bis−Tris緩衝液、PIPES緩衝液、ACES緩衝液、MOPSO緩衝液、BES緩衝液、TES緩衝液、HEPES緩衝液、DIPSO緩衝液、TAPSO緩衝液、POPSO緩衝液、HEPPSO緩衝液、HEPPS緩衝液、Tricine緩衝液、Bicine緩衝液、TAPS緩衝液を用いることがより好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明は実施例により特に限定されるものではない。
[比較例および参考例]
下記組成からなる高密度リポタンパク(HDL)コレステロール測定試薬を調製し、中性脂肪測定試薬とのコンタミネーション試験を実施した。
(1)試薬の調製
<組成A>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成B−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成B−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
0.50U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成B−3>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成C>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(2)試験方法
<コンタミネーション試験>
生化学分析装置として日立ハイテクノロジーズ社製7180型自動分析装置(ステンレス試薬プローブ使用)を用い、まず東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて血清試料を5回測定した後、前記の各HDLコレステロール測定試薬で上記試料を測定し、再び東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて上記試料を測定した。この一連の操作は、続けて実施した。ここで各測定試薬における第一試薬と第二試薬はそれぞれ異なる試薬プローブで吸引されるため、第一試薬と第二試薬との間でコンタミネーションが生じる恐れはない。また、測定毎に使用した反応セルは異なるため、反応セルに試薬成分が吸着・残留することによるコンタミネーションの発生の恐れもない条件下で試験を行った。なお、分析の前に標準試料を用いてキャリブレーションを行い、得られた検量線より吸光度を中性脂肪濃度に換算し測定値として出力した。
<結果の判定方法>
コンタミネーション試験において、6回目に測定したHDLコレステロール測定試薬が試薬プローブに残留し7回目に測定した中性脂肪測定試薬の測定値に影響を及ぼすかどうかを「影響度」で評価した。影響度が5%未満であればコンタミネーションなし、影響度が5%以上であればコンタミネーションあり、として判定した。影響度は、以下の式にて算出した。
影響度(%)=(7回目の測定値−1〜5回目の測定値)/1〜5回目の測定値×100
(3)分析結果
結果を表1に示す。表1の結果によれば、比較例1〜4では影響度≧5%と、陰イオン性界面活性剤であるコール酸の含有の有無およびコレステロールエステラーゼの濃度によらず試薬プローブでのコンタミネーションが確認された。一方で、参考例1では、試薬プローブでのコンタミネーションが起こらなかった。このことから、コレステロールオキシダーゼが試薬プローブに残留し、その後に吸引される試薬に悪影響を与えていることが示唆された。
なお別途、6回目の測定で使用する試薬プローブと7回目の測定で使用する試薬プローブを交換して評価したところ、測定誤差の改善が認められた。このことから、測定誤差を引き起こすコンタミネーションの原因が、試薬プローブへの吸着・残存によるものであることが明らかとなった。
[実施例1]
下記組成からなる高密度リポタンパク(HDL)コレステロール測定試薬を調製し、中性脂肪測定試薬とのコンタミネーション試験を実施した。
(1)試薬の調製
<組成D−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L Tween20
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成D−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L Tween20
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成E−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L Tween80
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成E−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L Tween80
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成F−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L Triton X−114
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成F−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L Triton X−114
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(2)試験方法
<コンタミネーション試験>
生化学分析装置として日立ハイテクノロジーズ社製7180型自動分析装置(ステンレス試薬プローブ使用)を用い、まず東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて血清試料を5回測定した後、前記の各HDLコレステロール測定試薬で上記試料を測定し、再び東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて上記試料を測定した。この一連の操作は、続けて実施した。ここで各測定試薬における第一試薬と第二試薬はそれぞれ異なる試薬プローブで吸引されるため、第一試薬と第二試薬との間でコンタミネーションが生じる恐れはない。また、測定毎に使用した反応セルは異なるため、反応セルに試薬成分が吸着・残留することによるコンタミネーションの発生の恐れもない条件下で試験を行った。なお、分析の前に標準試料を用いてキャリブレーションを行い、得られた検量線より吸光度を中性脂肪濃度に換算し測定値として出力した。
<結果の判定方法>
コンタミネーション試験において、6回目に測定したHDLコレステロール測定試薬が試薬プローブに残留し7回目に測定した中性脂肪測定試薬の測定値に影響を及ぼすかどうかを「影響度」で評価した。影響度が5%未満であればコンタミネーションなし、影響度が5%以上であればコンタミネーションあり、として判定した。影響度は、以下の式にて算出した。
影響度(%)=(7回目の測定値−1〜5回目の測定値)/1〜5回目の測定値×100
(3)分析結果
結果を表2に示す。表2の結果によれば、コレステロールオキシダーゼを含有する溶液(第一試薬)に非イオン性界面活性剤を含まない表1の比較例1〜4では影響度6.1〜8.9%であったのに対し、非イオン性界面活性剤(Tween20、Tween80、およびTriton X−114)を添加した実施例1−1〜1−6では、影響度は5%未満であり、試薬プローブでのコンタミネーションは起こらなかった。
[実施例2]
下記組成からなる高密度リポタンパク(HDL)コレステロール測定試薬を調製し、中性脂肪測定試薬とのコンタミネーション試験を実施した。
(1)試薬の調製
<組成G−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L エマルゲンA60(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成G−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L エマルゲンA60(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成H−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成H−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成I−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成I−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.000g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成J>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.500g/L エマルゲンA60(花王社製)
0.500g/L エマルゲンA90(花王社製)
0.500g/L エマルゲン420(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(2)試験方法
<コンタミネーション試験>
生化学分析装置として日立ハイテクノロジーズ社製7180型自動分析装置(ステンレス試薬プローブ使用)を用い、まず東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて血清試料を5回測定した後、前記の各HDLコレステロール測定試薬で上記試料を測定し、再び東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて上記試料を測定した。この一連の操作は、続けて実施した。ここで各測定試薬における第一試薬と第二試薬はそれぞれ異なる試薬プローブで吸引されるため、第一試薬と第二試薬との間でコンタミネーションが生じる恐れはない。また、測定毎に使用した反応セルは異なるため、反応セルに試薬成分が吸着・残留することによるコンタミネーションの発生の恐れもない条件下で試験を行った。なお、分析の前に標準試料を用いてキャリブレーションを行い、得られた検量線より吸光度を中性脂肪濃度に換算し測定値として出力した。
<結果の判定方法>
コンタミネーション試験において、6回目に測定したHDLコレステロール測定試薬が試薬プローブに残留し7回目に測定した中性脂肪測定試薬の測定値に影響を及ぼすかどうかを「影響度」で評価した。影響度が5%未満であればコンタミネーションなし、影響度が5%以上であればコンタミネーションあり、として判定した。影響度は、以下の式にて算出した。
影響度(%)=(7回目の測定値−1〜5回目の測定値)/1〜5回目の測定値×100
(3)分析結果
結果を表3に示す。表3の結果によれば、コレステロールオキシダーゼを含有する溶液(第一試薬)に非イオン性界面活性剤を含まない表1の比較例1〜4では影響度6.1〜8.9%であったのに対し、非イオン性界面活性剤(エマルゲンA60、エマルゲンA90、およびエマルゲンB66)を添加した実施例2−1〜2−7では、影響度は5%未満であり、試薬プローブでのコンタミネーションは起こらなかった。
[実施例3]
下記組成からなる高密度リポタンパク(HDL)コレステロール測定試薬を調製し、中性脂肪測定試薬とのコンタミネーション試験を実施した。
(1)試薬の調製
<組成K−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.100g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.200g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−3>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.300g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−4>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.400g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−5>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.500g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−6>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.600g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−7>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.700g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−8>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.800g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−9>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.900g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成K−10>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
3.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
1.000g/L エマルゲンA90(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(2)試験方法
<コンタミネーション試験>
生化学分析装置として日立ハイテクノロジーズ社製7180型自動分析装置(ステンレス試薬プローブ使用)を用い、まず東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて血清試料を5回測定した後、前記の各HDLコレステロール測定試薬で上記試料を測定し、再び東洋紡製中性脂肪測定試薬ダイヤカラー・リキッドTG−S(R1:R2/2:1混合)にて上記試料を測定した。この一連の操作は、続けて実施した。ここで各測定試薬における第一試薬と第二試薬はそれぞれ異なる試薬プローブで吸引されるため、第一試薬と第二試薬との間でコンタミネーションが生じる恐れはない。また、測定毎に使用した反応セルは異なるため、反応セルに試薬成分が吸着・残留することによるコンタミネーションの発生の恐れもない条件下で試験を行った。なお、分析の前に標準試料を用いてキャリブレーションを行い、得られた検量線より吸光度を中性脂肪濃度に換算し測定値として出力した。
<結果の判定方法>
コンタミネーション試験において、6回目に測定したHDLコレステロール測定試薬が試薬プローブに残留し7回目に測定した中性脂肪測定試薬の測定値に影響を及ぼすかどうかを「影響度」で評価した。影響度が5%未満であればコンタミネーションなし、影響度が5%以上であればコンタミネーションあり、として判定した。影響度は、以下の式にて算出した。
影響度(%)=(7回目の測定値−1〜5回目の測定値)/1〜5回目の測定値×100
(3)分析結果
結果を表4に示す。表4の結果によれば、コレステロールオキシダーゼを含有する溶液(第一試薬)に非イオン性界面活性剤を含まない表1の比較例1〜4では影響度6.1〜8.9%であったのに対し、非イオン性界面活性剤であるエマルゲンA90を0.1g/L以上添加した実施例3−1〜3−10では、影響度は5%未満であり、試薬プローブでのコンタミネーションは起こらなかった。
[実施例4]
下記組成からなる高密度リポタンパク(HDL)コレステロール測定試薬を調製し、尿酸測定試薬とのコンタミネーション試験を実施した。
(1)試薬の調製
<組成L−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 7.00)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.5g/L エマルゲンA90(花王社製)
0.5g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成L−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 7.40)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
0.5g/L エマルゲンA90(花王社製)
0.5g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成M−1>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
3.5g/L エマルゲンA90(花王社製)
1.5g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成M−2>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
4.0g/L エマルゲンA90(花王社製)
1.0g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成M−3>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
4.5g/L エマルゲンA90(花王社製)
0.5g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
<組成M−4>
第一試薬
80.0mM ADA緩衝液(pH 6.50)
1.00U/mL コレステロールエステラーゼ(東洋紡製COE−301)
2.00U/mL コレステロールオキシダーゼ(東洋紡製COO−321)
2.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L N−エチル−N−スルホプロピル−m−アニシジン
0.900g/L コール酸
5.0g/L エマルゲンA90(花王社製)
0.5g/L エマルゲンB66(花王社製)
第二試薬
100.0mM MOPS緩衝液(pH 7.50)
7.00U/mL リポプロテインリパーゼ(東洋紡製)
8.00U/mL ペルオキシダーゼ(東洋紡製)
0.200g/L 4−アミノアンチピリン
9.000g/L ポリオキシエチレンラウリルエーテル
(2)試験方法
<コンタミネーション試験>
生化学分析装置としてMINDRAY社製BS−600(ステンレス試薬プローブを使用)を用い、まずSPINREACT製尿酸測定試薬にてSPINREACT社製コントロール血清試料を5回測定した後、前記の各HDLコレステロール測定試薬で上記試料を測定し、再びSPINREACT製尿酸測定試薬にて上記試料を測定した。この一連の操作は、続けて実施した。この操作を試験1〜7としてそれぞれ実施した。ここで各測定試薬における第一試薬と第二試薬はそれぞれ異なる試薬プローブで吸引されるため、第一試薬と第二試薬との間でコンタミネーションが生じる恐れはない。また、測定毎に使用した反応セルは異なるため、反応セルに試薬成分が吸着・残留することによるコンタミネーションの発生の恐れもない条件下で試験を行った。なお、分析の前に標準試料を用いてキャリブレーションを行い、得られた検量線より吸光度を尿酸濃度に換算し測定値として出力した。
<結果の判定方法>
コンタミネーション試験において、6回目に測定したHDLコレステロール測定試薬が試薬プローブに残留し7回目に測定した尿酸測定試薬の測定値に影響を及ぼすかどうかを「影響度」で評価した。影響度が5%未満であればコンタミネーションなし、影響度が5%以上であればコンタミネーションあり、として判定した。影響度は、以下の式にて算出した。
影響度(%)=(7回目の測定値−1〜5回目の測定値)/1〜5回目の測定値×100
(3)分析結果
結果を表5に示す。表5の結果によれば、コレステロールオキシダーゼを含有する溶液(第一試薬)に非イオン性界面活性剤を含まない比較例2では影響度7.6%と試薬プローブでのコンタミネーションが確認された。一方で、実施例4−1〜4−6のように、非イオン性界面活性剤(エマルゲンA90およびエマルゲンB66)の添加により影響度は5%未満となり、試薬プローブでのコンタミネーションは起こらなかった。さらに、実施例4−1および4−2に示されるように、pHを高くすることで影響度が低減された。また、実施例4−3〜4−6のように、複数の非イオン性界面活性剤の配合比率や配合量によらず、金属製試薬プローブでのコンタミネーションを低いレベルに保つことができた。
本発明により、金属製の試薬プローブでのコンタミネーションを抑制し、測定誤差が低減した生化学検査試薬等を提供できる。

Claims (17)

  1. 異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置において酵素を含有する生化学検査試薬を使用することにより発生する測定誤差を低減する方法であって、少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を用いることを特徴とする、測定誤差の低減方法。
  2. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項1記載の測定誤差の低減方法。
  3. 前記試薬プローブの少なくとも一部がステンレス製である、請求項1又は2に記載の測定誤差の低減方法。
  4. 前記酵素が、コレステロールオキシダーゼである、請求項1〜3のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
  5. 前記生化学検査試薬が、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬である、請求項1〜4のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
  6. 前記生化学検査試薬における酵素の濃度が0.01〜30U/mLである、請求項1〜5のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
  7. 前記生化学検査試薬のpHが5〜10である、請求項1〜6のいずれかに記載の測定誤差の低減方法。
  8. 前記非イオン性界面活性剤が、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114,Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409PV、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、エマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)A500、およびエマルゲン(登録商標)B66からなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 異なる試薬を同一の金属製試薬プローブで分注する機構を備えた生化学自動分析装置に用いられる場合に発生する測定誤差が低減された生化学検査試薬であって、酵素と共に少なくとも一種の非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする、生化学検査試薬。
  10. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、およびポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項9記載の生化学検査試薬。
  11. 前記試薬プローブの少なくとも一部がステンレス製である、請求項9又は10に記載の試薬。
  12. 前記生化学検査試薬が、酵素としてコレステロールオキシダーゼを含有する、請求項9〜11のいずれかに記載の試薬。
  13. 前記生化学検査が、コレステロール測定検査である、請求項9〜12のいずれかに記載の試薬。
  14. 前記生化学検査試薬が、高密度リポタンパクコレステロール測定試薬である、請求項9〜13のいずれかに記載の試薬。
  15. 前記生化学検査試薬における酵素の濃度が0.01〜30U/mLである、請求項9〜14のいずれかに記載の試薬。
  16. 前記生化学検査試薬のpHが5〜10である、請求項9〜15のいずれかに記載の試薬。
  17. 前記非イオン性界面活性剤が、Triton(登録商標)X−100、Triton(登録商標)X−114,Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、エマルゲン(登録商標)404、エマルゲン(登録商標)408、エマルゲン(登録商標)409PV、エマルゲン(登録商標)420、エマルゲン(登録商標)430、エマルゲン(登録商標)A60、エマルゲン(登録商標)A90、エマルゲン(登録商標)A500、およびエマルゲン(登録商標)B66からなる群より選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である、請求項9〜16のいずれかに記載の試薬。
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