JP2019116264A - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、フロントフェンダと保護部材でより強固に保護されると共に、フロントフェンダと保護部材が一体感を持って取り付けられた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
自動二輪車1は、車体フレーム10に支持されたエンジン11と、車体フレーム10の前端部にフロントフォーク12を介して操舵可能に支持された前輪2と、車体フレーム10の下部にスイングアーム13を介して上下動可能に支持された後輪3とを備える。
自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗型車両である。
ヘッドパイプ15は、車体フレーム10の前端部を構成する。メインフレーム16は、ヘッドパイプ15から後斜め下方に延びている。センターフレーム17は、メインフレーム16の後端部から下方に延びている。センターフレーム17の下部には、プレス材によって構成されるピボット支持部(不図示)が設けられる。ダウンフレーム18は、ヘッドパイプ15からメインフレーム16の下方を後斜め下方に延びている。
左右のシートフレーム19は、メインフレーム16の後端部の左右からそれぞれ後方に延びている。左右のサブフレーム20は、センターフレーム17の下部左右と左右のシートフレーム19とに渡されている。
ガセット21は、メインフレーム16の前端部左右とダウンフレーム18の前端部とを連結している。クロスフレーム22は、左右のシートフレーム19を車幅方向に連結している。左右のステップフレーム23は、センターフレーム17の下部の左右側部からそれぞれ後方に延びている。左右の補強フレーム24は、左右のシートフレーム19の後部の下面に沿って延びている。左右の補強フレーム24の各前端部は、左右のサブフレーム20の後部の下面にそれぞれ連結されている。
フロントフォーク12は、ステアリングシャフト(不図示)、左右一対のフォークパイプ26、トップブリッジ27、ボトムブリッジ28を備える。
上記ステアリングシャフトは、ヘッドパイプ15に回動可能に支持されている。左右のフォークパイプ26は、前輪2の左右両側に配置されたテレスコピック型の緩衝器であり、左右のフォークパイプ26の下端部間に渡された車軸2aに前輪2が回転可能に支持されている。左右のフォークパイプ26のそれぞれの摺動部26aは、前方からフォークパイプ26に取付けられたチップガード25によって覆われている。トップブリッジ27は、上記ステアリングシャフトの上端部に固定されて左右のフォークパイプ26の上部を連結している。トップブリッジ27の上部にはハンドル29が固定されている。ボトムブリッジ28は、上記ステアリングシャフトの下端部に固定されて左右のフォークパイプ26を連結している。
スイングアーム13は、上記ピボット支持部に支持されるピボット軸30に前端部を揺動可能に支持され、後端部に車軸3aを介して後輪3が回転可能に支持されている。
エンジン11は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース31と、クランクケース31の前部上部から上方に延びるシリンダ部32とを備える。クランクケース31の後部には、変速機(不図示)が内蔵される。シリンダ部32のシリンダ軸線32aは、前方斜め上方に延びている。
シリンダ部32は、後部に吸気装置(不図示)が接続され、前部に排気装置33が接続されている。
排気装置33は、シリンダ部32(詳しくは、シリンダヘッド(不図示))の前面から下方に引き出される排気管34と、排気管34の後端に接続されて後輪3の右側方に配置されたマフラー35とを備える。
シート14は、運転者用の前側シート14aと、前側シート14aの後方に設けられた同乗者用の後側シート14bとを備える。
運転者用の左右一対のステップ39は、左右のステップフレーム23の前部にそれぞれ設けられている。同乗者用の左右一対のピリオンステップ40は、左右のステップフレーム23の後端部にそれぞれ設けられている。
車体カバー41は、フロントカバー42、タンクカバー43、センターカバー44、リアカバー45、アンダーカバー46を備える。
フロントカバー42は、ヘッドパイプ15及び左右のフォークパイプ26の上部を前方から覆っている。タンクカバー43は、車体フレーム10の前部及び燃料タンク38を覆っている。センターカバー44は、前側シート14aの下方を覆っている。リアカバー45は、センターカバー44の後方でシート14の下方を覆っている。アンダーカバー46は、エンジン11のクランクケース31の下部を前方、側方及び下方から覆っている。
タンクカバー43の前部下部には、ダウンフレーム18の左右側方を覆う左右一対のフロントサイドカバー36が設けられている。左右一対のフロントサイドカバー36は、車体カバー41の一部を構成する。
前輪2は、上方からフロントフェンダ48で覆われ、後輪3は、左右のシートフレーム19の後端部側から後方へ延びるリアフェンダ49で上方から覆われている。
また、リアフェンダ49の下方には、後輪3を覆うフェンダ50が設けられている。フェンダ50は、後輪3を前方斜め上方から覆う前側フェンダ55と、後輪を後方斜め上方から覆う後側フェンダ56とから構成される。
フロントフォーク12の前方にはフロントカバー42が配置され、フロントカバー42内にヘッドライト61が配置されている。左右のフォークパイプ26の各摺動部26aは、一部が前方からチップガード25によって覆われ保護されている。左右のチップガード25は、前面視でフロントフェンダ48よりも上方まで延びている。左右のフォークパイプ26の後方であって左右のフロントサイドカバー36の内側には隔壁部63が設けられ、隔壁部63に左右一対のルーバー64が設けられている。左右のルーバー64は、車両前方からの走行風を隔壁部63の後方に位置するエンジン11側に導く。
フロントフォーク12の左右のフォークパイプ26には、フロントフェンダ48と、チップガード(保護部材)25が支持される。
左右一対のフォークパイプ26は、トップブリッジ27およびボトムブリッジ28に取り付けられた固定チューブ70と、固定チューブ70に沿って移動可能に支持された可動チューブ71と、を備える。
本実施形態のフォークパイプ26は正立型であり、可動チューブ71が、可動チューブ71よりも小径の固定チューブ70に装着されている。可動チューブ71の上端71gに対応して、可動チューブ71の内周部には、固定チューブ70の外周面と可動チューブ71の内周面との隙間を密閉する不図示のシール部材が配置されている。可動チューブ71は、不図示のシール部材を介して摺動部26aに沿って摺動する。摺動部26aは固定チューブ70の外表面である。左右の可動チューブ71の下端部間には、車軸2aが支持されている。車軸2aには、前輪(車輪)2が支持されている。
前方の上ステー部71aに対して、可動チューブ71の長手方向の下側には、下ステー部71cが形成されている。下ステー部71cは、車両側面視において、車軸2aよりも上方で、ブレーキディスク37aに重なる位置に形成されている。
フロントフェンダ48は、フォークパイプ26よりも前側部分の前輪2を覆う前フェンダ72と、フォークパイプ26よりも後側部分の前輪2を覆う後フェンダ73と、により構成される。
後フェンダ本体部74の上部には、フェンダ収容部74aが形成されている。フェンダ収容部74aは、前フェンダ72の頂部72aの後方部分72eの外形形状に対応して凹んでいる。フェンダ収容部74aには、前フェンダ72の後方部分72eが進入して、前フェンダ72および後フェンダ73が上下に重なった状態で支持される。後フェンダ本体部74の左右の側部には、後方の上ステー部71bに固定される固定部74cが形成されている。
走行時などに、前方から飛んで来た砂や石などは、フォークガード部75に当たって車幅方向外側に案内される。フォークガード部75により、前方から飛んで来た砂や石などは、可動チューブ71に当たることが抑制される。
後フェンダ73には、フォークパイプ26が収容されるパイプ収容部76が形成されている。パイプ収容部76は、フォークパイプ26の可動チューブ71の外周形状に対応して車幅方向内側に半円弧状に凹んでいる。パイプ収容部76には、可動チューブ71の車幅方向内側部71fが収容される。
パイプ収容部76の前方には、車幅方向内側に凹んだ凹部77が形成されている。凹部77は、フォークガード部75よりも車幅方向内側に凹んでいる。凹部77は、図4に示すように、可動チューブ71の上端71gの位置に対応して形成されており、上端71gの前側に形成されている。この凹部77には、チップガード25が進入した状態で配置される。
ガード部82は、走行時などに、前方から飛んで来た砂や石などがフォークパイプ26に当たることを防止可能であり、フォークパイプ26における可動チューブ71の上端71gに砂などが当たることを防止している。ガード部82は、フォークパイプ26から離間しているため、砂などが当たった際の衝撃は、フォークパイプ26に直接は伝わり難くなっている。
前方からの飛石や泥は、フォークガード部75に当たり、フォークガード部75に沿って後方に移動する際には車幅方向外側や上方に案内される。そして、フォークガード部75の後方では、フォークガード部75よりも車幅方向外側や上方に膨出したチップガード25に沿ってさらに車体外方に案内される。この構成によれば、前方からの飛石や泥が、フロントフェンダ48とチップガード25の間に挟まり難くなっている。また、フォークガード部75に沿って流れる空気が、チップガード25に沿って車体外方に案内され、前方からの走行風が整流されるため、走行抵抗を削減できる。
支持部81とガード部82との間には、前後方向に延びる溝83が形成されている。溝83は、車幅方向内側に凹んでいる。溝83は、車幅方向外側になるほど下方に傾斜した下壁部83aと、車幅方向外側になるほど上方に傾斜した上壁部83bとで構成されている。上壁部83bは、後方に進むに連れて上下方向の幅が広くなっており、溝83は、後方に進むに連れて上下方向の幅が広がっている。溝83の前端は凹部77に進入しており、図2に示すように、前面視では、フォークガード部75の上面部75aから後方に連なるように延びている。したがって、上面部75aで案内された走行風等は、溝83により整流できる。また、前方からの走行風を整流できるため、走行抵抗を削減できる。
図7、図8に示すように、前フェンダ72、後フェンダ73およびチップガード25は、ブラケット90やボルト100を介して、フロントフォーク12の可動チューブ71に支持される。
ブラケット90の上方には、後フェンダ73が配置され、後フェンダ73の上方には前フェンダ72が配置されている。ブラケット90の前方部91および後方部92には、上方に延びる軸状の固定部材95がそれぞれ支持されている。前後一対の固定部材95は、ブラケット90および後フェンダ73を貫通して、上端部が、前フェンダ72の頂部72aの下部に締結されている。前後一対の固定部材95により、後フェンダ73および前フェンダ72がブラケット90に固定されている。
また、可動チューブ71の前方の上ステー部71aは下方に形成されており、後方の上ステー部71bは上方に形成されている。したがって、上ステー部71a、71bに固定される後フェンダ73や、チップガード25は、前方部分は低い位置まで形成され、後方部分は高い位置まで形成された形状である。よって、前方の低い箇所の保護に加えて、後方まで高く跳ねる砂や石に対しても後フェンダ73やチップガード25が当たって保護可能であり、様々な状況に対して幅広くフロントフォーク12を保護できる。
なお、後フェンダ73は、フォークガード部75の下部の固定部75eが、下ステー部71cにボルト100で固定されている。
例えば、上記実施形態において、正立型のフォークパイプ26の構成を説明したが、倒立型のフォークパイプに適用することも可能である。
さらに、本発明は、自動二輪車1に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗型車両にも適用可能である。なお、鞍乗型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
12 フロントフォーク
25 保護部材
48 フロントフェンダ
71a、71b 接続部
75 膨出部
81 支持部
82 保護部
83 溝
Claims (6)
- フロントフォーク(12)と、
前記フロントフォーク(12)に取り付けられ、前記フロントフォーク(12)に支持される車輪(2)に沿って配置されるフロントフェンダ(48)と、
前記フロントフォーク(12)に取り付けられ、前記フロントフォーク(12)を保護する保護部材(25)を備える鞍乗型車両において、
前記フロントフェンダ(48)は、前記フロントフォーク(12)の前方で車幅方向に膨出する膨出部(75)を有し、前面視において前記保護部材(25)と前記膨出部(75)の少なくとも一部が重なることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前面視で前記保護部材(25)と前記膨出部(75)の少なくとも一部が重なる位置において、
前記膨出部(75)が前面に配置され、前記保護部材(25)は後方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記保護部材(25)は、前記フロントフォーク(12)に支持される支持部(81)と前記フロントフォーク(12)に沿って形成される保護部(82)を備え、
前記支持部(81)と前記保護部(82)の間に車両後方に向かうに従い幅広となる溝(83)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両。 - 前記フロントフェンダ(48)は前記フロントフォーク(12)に設けられた接続部(71a、71b)において前記フロントフォーク(12)に接続され、前記保護部材(25)は前記接続部(71a、71b)において前記フロントフェンダ(48)と共締めされることを特徴とする請求項1から3に記載の鞍乗型車両。
- 前記接続部(71a、71b)は前記フロントフォーク(12)の前後に高さの異なる箇所に2箇所設けられることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗型車両。
- 前記接続部(71a、71b)は前方の接続部(71a)が下方であり、後方の接続部(71b)が上方であることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両。
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