JP2019114346A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルオロエチレンカーボネートの添加に伴うガス量の増加を抑制すること。【解決手段】リチウムイオン二次電池は正極、負極および電解液を少なくとも含む。負極は黒鉛および酸化珪素を少なくとも含む。電解液はリチウム塩、添加剤および残部の溶媒を含む。添加剤は第1化合物および第2化合物を少なくとも含む。第1化合物はフルオロエチレンカーボネートである。第2化合物はp−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、アミン誘導体またはフェノール誘導体である。かつ第2化合物は分子内にカルボキシラートおよびスルホナートを含まない。【選択図】なし

Description

本開示はリチウムイオン二次電池に関する。
特開2010−044957号公報(特許文献1)は、ハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステル(例えばフルオロエチレンカーボネート,FEC等)およびラジカル捕捉化合物を電解液に添加することを開示している。
特開2010−044957号公報
従来リチウムイオン二次電池(以下「電池」と略記され得る)の負極活物質には、黒鉛が使用されている。黒鉛の一部を酸化珪素で置換することも検討されている。酸化珪素は黒鉛よりも大きい比容量を有する。黒鉛の一部が酸化珪素で置換されることにより、エネルギー密度の向上が期待される。
しかし黒鉛および酸化珪素の混合系では、黒鉛の単独系に比してサイクル耐久性が低下する傾向がある。その原因の一つとして、リチウム(Li)イオンの不活性化が考えられる。すなわち酸化珪素の表面に生成される被膜がLiイオンを取り込むことにより、Liイオンの一部が充放電反応に寄与しなくなると考えられる。該被膜は電解液溶媒(以下単に「溶媒」とも記される)の還元分解により生成されると考えられる。
電解液にFECを添加することにより、Liイオンの不活性化が抑制されることが期待される。すなわちFECの還元分解により酸化珪素の表面にフッ化リチウム(LiF)の被膜が生成されると考えられる。LiFの被膜により、酸化珪素と溶媒との接触が抑制されるため、溶媒の還元分解およびそれに伴うLiイオンの不活性化が抑制されると考えられる。ただしFECの添加により、高温保存時のガス量が増加する傾向がある。
本開示の目的はFECの添加に伴うガス量の増加を抑制することである。
以下本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池は正極、負極および電解液を少なくとも含む。負極は黒鉛および酸化珪素を少なくとも含む。電解液はリチウム塩、添加剤および残部の溶媒を含む。添加剤は第1化合物および第2化合物を少なくとも含む。第1化合物はフルオロエチレンカーボネートである。第2化合物はp−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、アミン誘導体またはフェノール誘導体である。かつ第2化合物は分子内にカルボキシラートおよびスルホナートを含まない。
FECの還元分解は開環を伴うと考えられる。FECの還元分解によりLiF(被膜)およびラジカルが生成されると考えられる。該ラジカルは2個のカルボニル基(>C=O)を有すると考えられる。該ラジカルの分解反応等により、一酸化炭素ガス(CO)、二酸化炭素ガス(CO2)等が生じると考えられる。
本開示の添加剤は、第1化合物(FEC)に加えて第2化合物を含む。第2化合物はp−ベンゾキノン(1,4−ベンゾキノン)、p−ベンゾキノン誘導体、アミン誘導体またはフェノール誘導体である。第2化合物はFEC由来のラジカルとの反応性が高いと考えられる。そのため第2化合物はラジカル捕捉剤として機能することが期待される。すなわち第2化合物がFEC由来のラジカルと反応することにより、ガス発生に繋がる反応(ラジカルの分解反応等)の抑制が期待される。すなわちFECの添加に伴うガス量の増加が抑制されることが期待される。
ただし第2化合物は分子内にカルボキシラートおよびスルホナートを含まない。本開示の「カルボキシラート」はカルボキシラートアニオン(−COO-)およびカルボン酸金属塩(−COOM,ただしMは金属を示す)を含む。「スルホナート」はスルホナートアニオン(−SO3 -)およびスルホン酸金属塩(−SO3M,ただしMは金属を示す)を含む。これらの構造は電池内において1電子還元、加水分解等を受けやすいと考えられる。第2化合物が分子内にこれらの構造を含む場合、高温保存時、第2化合物自身の分解反応によりガス(CO、CO2、SO2等)が発生する可能性があると考えられる。その結果、ガス量の増加を抑制できない可能性があると考えられる。
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第1概略図である。 図2は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第2概略図である。
以下本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池>
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第1概略図である。
電池100は外装材50を含む。外装材50は例えばアルミラミネートフィルム製のパウチである。すなわち電池100はラミネート型電池である。ただし電池100の型式(type)および形式(shape)は特に限定されるべきではない。電池100は例えば円筒形電池であってもよい。電池100は例えば角形電池であってもよい。正極タブ51および負極タブ52は外装材50の内外を連通している。正極タブ51は例えばアルミニウム(Al)薄板等であってもよい。負極タブ52は例えば銅(Cu)薄板等であってもよい。
図2は本実施形態のリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す第2概略図である。
外装材50は電極群40および電解液(図示されず)を収納している。電極群40は正極10、セパレータ30および負極20を含む。すなわち電池100は正極10、負極20および電解液を少なくとも含む。
電極群40は積層(スタック)型である。すなわち電極群40は正極10および負極20が交互にそれぞれ1枚以上積層されることにより形成されている。正極10および負極20の各間にはセパレータ30がそれぞれ配置されている。ただし電極群40は巻回型であってもよい。すなわち電極群40は例えば正極10、セパレータ30および負極20がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより形成されていてもよい。
《電解液》
電解液は電極群40に浸透している。電解液は電解質溶液である。電解液はLi塩、添加剤および残部の溶媒を含む。
(リチウム塩)
Li塩は支持電解質である。Li塩は溶媒に溶解している。電解液は例えば0.5mоl/l以上2mоl/l以下のLi塩を含んでもよい。Li塩は例えばLiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22]、Li[N(CF3SO22]等であってもよい。1種のLi塩が単独で使用されてもよい。2種以上のLi塩が組み合わされて使用されてもよい。
(溶媒)
溶媒は電解液からLi塩および添加剤を除いた残部である。溶媒は例えば環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合物であってもよい。混合比は例えば「環状カーボネート/鎖状カーボネート=1/9〜5/5(体積比)」であってもよい。環状カーボネートは、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。1種の環状カーボネートが単独で使用されてもよい。2種以上の環状カーボネートが組み合わされて使用されてもよい。
鎖状カーボネートは、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。1種の鎖状カーボネートが単独で使用されてもよい。2種以上の鎖状カーボネートが組み合わされて使用されてもよい。
溶媒は、例えばラクトン、環状エーテル、鎖状エーテル、カルボン酸エステル等を含んでもよい。ラクトンは、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、δ−バレロラクトン等であってもよい。環状エーテルは、例えばテトラヒドロフラン(THF)、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン等であってもよい。鎖状エーテルは、例えば1,2−ジメトキシエタン(DME)等であってもよい。カルボン酸エステルは、例えばメチルホルメート(MF)、メチルアセテート(MA)、メチルプロピオネート(MP)等であってもよい。
(添加剤)
添加剤は溶媒に溶解している。添加剤は第1化合物および第2化合物を少なくとも含む。第1化合物はFECである。添加剤がFECを含むことにより、酸化珪素の表面におけるLiイオンの不活性化が抑制されることが期待される。本明細書の「FEC」は、EC(エチレンカーボネート)の水素原子(H)の一部または全部がフッ素原子(F)で置換された化合物を示す。FECはモノフルオロエチレンカーボネート(mono−FEC)であってもよい。FECは例えばtrans−ジフルオロエチレンカーボネート(di−FEC)、トリフルオロエチレンカーボネート(tri−FEC)、テトラフルオロエチレンカーボネート(tetra−FEC)であってもよい。ただし還元電位等の観点から、FECはモノフルオロエチレンカーボネートであることが望ましい。
第1化合物の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば1質量部以上8質量部以下であってもよい。該範囲において例えばサイクル耐久性の向上が期待される。第1化合物の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば1質量部以上5質量部以下であってもよい。該範囲において例えばガス量の低減が期待される。
第2化合物はp−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、アミン誘導体またはフェノール誘導体である。第2化合物は分子内にカルボキシラートおよびスルホナートを含まない。第2化合物は、FECの還元分解により生成されるラジカルとの反応性が高いと考えられる。第2化合物がFEC由来のラジカルと反応することにより、FECの添加に伴うガス量の増加が抑制されることが期待される。さらに第2化合物はカルボキシラートおよびスルホナートを含まないため、高温保存時に第2化合物自身の分解反応は起こり難いと考えられる。
p−ベンゾキノン誘導体は、例えばヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−トルキノン、2−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等であってもよい。
アミン誘導体は、例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、フェノチアジン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン等であってもよい。
フェノール誘導体は、例えばp−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)等であってもよい。
1種の第2化合物が単独で使用されてもよい。2種以上の第2化合物が組み合わされて使用されてもよい。例えば添加剤は、p−ベンゾキノン;ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p−トルキノン、2−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン;N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、フェノチアジン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン;p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)および4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール)からなる群より選択される少なくとも1種を第2化合物として含んでもよい。
例えば添加剤はp−ベンゾキノン、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンおよびp−メトキシフェノールからなる群より選択される少なくとも1種を第2化合物として含んでもよい。
第2化合物の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば0.5質量部以上5質量部以下であってもよい。該範囲においてガス量の低減が期待される。第2化合物の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば1質量部以上5質量部以下であってもよい。第2化合物の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば3質量部以上5質量部以下であってもよい。これらの範囲において例えばサイクル耐久性の向上が期待される。なお電解液に2種以上の第2化合物が含まれる場合、第2化合物の含量はそれらの合計含量を示す。
添加剤はその他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、例えばシクロヘキシルベンゼン(CHB)、ビフェニル(BP)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、Li[B(C242]、LiPO22、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等が挙げられる。その他の成分の含量は、100質量部の電解液に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。なおその他の成分が複数である場合、その他の成分の含量はそれらの合計含量を示す。
《負極》
負極20はシート状である。負極20は負極タブ52と電気的に接続されている。負極20は負極活物質層を少なくとも含む。負極20は負極集電体をさらに含んでもよい。負極集電体は例えばCu箔等であってもよい。負極集電体は例えば5μm以上30μm以下の厚さを有してもよい。
負極活物質層は例えば負極集電体の表面に形成されていてもよい。負極活物質層は負極集電体の表裏両面に形成されていてもよい。負極活物質層は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。
負極活物質層は黒鉛および酸化珪素を少なくとも含む。すなわち負極20は黒鉛および酸化珪素を少なくとも含む。黒鉛および酸化珪素はそれぞれ負極活物質である。負極活物質層は実質的に黒鉛および酸化珪素のみからなる層であってもよい。負極活物質層は負極活物質の他、導電材およびバインダをさらに含んでもよい。
本明細書の「黒鉛」は黒鉛結晶構造を含む炭素材料を示す。黒鉛結晶構造は炭素六角網面が積層された構造を示す。炭素六角網面の大きさおよび面間隔等は特に限定されるべきではない。したがって本明細書の黒鉛は黒鉛のみならず、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等も含む。本明細書の黒鉛は、黒鉛結晶構造を含む限り、非晶質炭素を含んでもよい。例えば黒鉛(粒子)の表面が非晶質炭素により被覆されていてもよい。黒鉛は天然黒鉛であってもよい。黒鉛は人造黒鉛であってもよい。
黒鉛は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。本明細書の「d50」はレーザ回折散乱法によって得られる体積基準の粒度分布において微粒側からの累積粒子体積が全粒子体積の50%になる粒径を示す。
本明細書の「酸化珪素」は珪素(Si)および酸素(O)の化合物を示す。ただし酸化珪素は珪素および酸素のみからなるとは限らない。たとえば酸化珪素は製造時に不可避的に混入する不純物等を微量に含んでいてもよい。珪素および酸素の組成比は特に限定されるべきではない。珪素および酸素は従来公知のあらゆる組成比を有し得る。
酸化珪素は例えば下記組成式:
SiOx(ただし式中、xは0<x≦1.5を満たす。)
により表されてもよい。
上記組成式中、xは0.5≦x≦1.5を満たしてもよい。上記組成式中、xは1≦x≦1.5を満たしてもよい。該範囲において例えばエネルギー密度とサイクル耐久性とのバランスが向上することが期待される。酸化珪素は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。
酸化珪素の含量は、黒鉛および酸化珪素の合計に対して、例えば1質量%以上30質量%以下であってもよい。該範囲においてエネルギー密度とサイクル耐久性とのバランスが良い傾向がある。酸化珪素の含量は、黒鉛および酸化珪素の合計に対して、例えば2質量%以上25質量%以下であってもよい。酸化珪素の含量は、黒鉛および酸化珪素の合計に対して、例えば5質量%以上20質量%以下であってもよい。これらの範囲において例えばエネルギー密度とサイクル耐久性とのバランスが向上することが期待される。
負極活物質層は導電材をさらに含んでもよい。導電材の含量は、100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は例えばカーボンブラック(例えばアセチレンブラック等)、炭素繊維、カーボンナノチューブ等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよい。2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。
負極活物質層はバインダをさらに含んでもよい。バインダの含量は、100質量部の負極活物質に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよい。2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
《正極》
正極10はシート状である。正極10は正極タブ51と電気的に接続されている。正極10は正極活物質層を少なくとも含む。正極10は正極集電体をさらに含んでもよい。正極集電体は例えばAl箔等であってもよい。正極集電体は例えば5μm以上30μm以下の厚さを有してもよい。
正極活物質層は例えば正極集電体の表面に形成されていてもよい。正極活物質層は正極集電体の表裏両面に形成されていてもよい。正極活物質層は例えば10μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。
正極活物質層は正極活物質を少なくとも含む。正極活物質は特に限定されるべきではない。正極活物質は、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn24、NCM(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32等)、NCA(例えばLiNi0.82Co0.13Al0.052等)、LiFePO4等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよい。2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。正極活物質は例えば1μm以上30μm以下のd50を有してもよい。
正極活物質層は導電材をさらに含んでもよい。導電材の含量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば1質量部以上10質量部以下であってもよい。導電材は特に限定されるべきではない。導電材は例えばカーボンブラック、黒鉛、炭素繊維等であってもよい。1種の導電材が単独で使用されてもよい。2種以上の導電材が組み合わされて使用されてもよい。
正極活物質層はバインダをさらに含んでもよい。バインダの含量は、100質量部の正極活物質に対して、例えば1質量部以上10質量部以下であってもよい。バインダは特に限定されるべきではない。バインダは例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、CMC、PAA等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよい。2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
《セパレータ》
セパレータ30は多孔質フィルムである。セパレータ30は例えば5μm以上30μm以下の厚さを有してもよい。セパレータ30は電気絶縁性である。セパレータ30は例えばポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等であってもよい。
セパレータ30は例えば単層構造を有してもよい。例えばセパレータ30はPE製の多孔質フィルムのみから形成されていてもよい。セパレータ30は例えば多層構造を有してもよい。例えばセパレータ30はPP製の多孔質フィルム、PE製の多孔質フィルムおよびPP製の多孔質フィルムがこの順序で積層されることにより形成されていてもよい。セパレータ30は例えばその表面に耐熱層を含んでもよい。耐熱層は耐熱材料を含む。耐熱材料は例えばアルミナ、ポリイミド等であってもよい。
以下本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<リチウムイオン二次電池の製造>
《実施例1》
1.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質:NCMおよびNCA [NCM/NCA=50/50(質量比)]
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
正極集電体:Al箔
正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、スラリーが調製された。固形分の混合比は[正極活物質/導電材/バインダ=93/4/3(質量比)]である。スラリーが正極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、正極活物質層が形成された。以上より正極原反が製造された。正極原反が所定の寸法に圧縮および裁断されることにより、正極10が製造された。
2.負極の製造
負極活物質:黒鉛および酸化珪素 [黒鉛/酸化珪素=95/5(質量比)]
バインダ:CMCおよびSBR [CMC/SBR=50/50(質量比)]
溶媒:水
負極集電体:Cu箔
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、スラリーが調製された。固形分の混合比は[負極活物質/バインダ=99/1(質量比)]である。スラリーが負極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、負極活物質層が形成された。以上より負極原反が製造された。負極原反が所定の寸法に圧縮および裁断されることにより、負極20が製造された。
3.組み立て
セパレータ30として多孔質フィルムが準備された。セパレータ30は3層構造を有する。すなわちセパレータ30はPP製の多孔質フィルム、PE製の多孔質フィルムおよびPP製の多孔質フィルムがこの順序で積層されることにより形成されている。
正極10および20が交互に積層されることにより電極群40が形成された。電極群40は8枚の正極10および9枚の負極20を含む。正極10および負極20の各間にはセパレータ30が配置されている。電極群40に正極タブ51および負極タブ52が取り付けられた。
外装材50としてアルミラミネートフィルム製のパウチが準備された。外装材50に電極群40が収納された。外装材50に電解液が注入された。電解液は以下の成分を含む。
Li塩:LiPF6 (1mоl/l)
添加剤:第1化合物(FEC 5質量部)、第2化合物(p−ベンゾキノン 3質量部)
溶媒:[EC/DMC/EMC=3/4/3(体積比)]
電解液の注入後、外装材50が密閉された。以上より電池100(ラミネート型リチウムイオン二次電池)が製造された。電池100は600mAhの設計容量を有する。
《実施例2および3》
下記表1に示されるように、第2化合物の種類が変更されることを除いては実施例1と同様に電池100が製造された。
《実施例4および5》
下記表1に示されるように、第2化合物の含量が変更されることを除いては実施例1と同様に電池100が製造された。
《実施例6および7》
下記表1に示されるように、第1化合物の含量が変更されることを除いては実施例1と同様に電池100が製造された。
《実施例8および9》
下記表1に示されるように、第1化合物および第2化合物の含量、ならびに第2化合物の種類が変更されることを除いては実施例1と同様に電池100が製造された。
《比較例1》
下記表1に示されるように、第1化合物および第2化合物の両方を含まない電解液が使用されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
《比較例2》
下記表1に示されるように、第2化合物を含まない電解液が使用されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
《比較例3》
下記表1に示されるように、第1化合物を含まない電解液が使用されることを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<評価>
1.高温保存試験
60℃に設定された恒温槽内で電池100が14日間保存された。保存の前後で放電容量が測定された。放電容量は2.5〜4.2Vの充放電により測定された。充電電流および放電電流は200mAである。保存後の放電容量が保存前の放電容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は下記表1に示される。
さらに保存の前後で電池100の体積が測定された。電池100の体積は電池100が2.5Vまで放電された状態で測定された。電池100の体積は比重計(モデル名「MDS−300」、アルファーミラージュ社製)により測定された。保存後の体積から保存前の体積が差し引かれることにより、体積の差分(単位:cm3)が算出された。該体積の差分は高温保存時に発生したガス量であると考えられる。さらにガス量(体積の差分)が初期の放電容量で除されることにより、容量あたりのガス量(単位:cm3/Ah)が算出された。結果は下記表1に示される。
2.サイクル試験
25℃に設定された恒温槽内に電池100が配置された。2.5〜4.2Vの充放電が500回繰り返された。充電電流および放電電流は300mAである。サイクル試験後の放電容量がサイクル試験前の放電容量で除されることにより、容量維持率が算出された。結果は下記表1に示される。容量維持率が高い程、サイクル耐久性が高いと考えられる。
Figure 2019114346
<結果>
比較例1および3はサイクル耐久性が低い。酸化珪素の表面に生成される被膜がLiイオンを取り込むことにより、Liイオンの一部が充放電反応に寄与しなくなるためと考えられる。
比較例2は比較例1および3に比してサイクル耐久性が向上している。電解液にFECが添加されることにより、酸化珪素の表面が保護されるためと考えられる。しかし比較例2は比較例1に比して高温保存時のガス量が増加している。
実施例1〜9は比較例1〜3に比してサイクル耐久性が向上している。さらに実施例1〜9は比較例2に比してガス量の増加が抑制されている。第2化合物がFEC由来のラジカルと反応することにより、ガス発生に繋がる反応(ラジカルの分解反応等)が抑制されていると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、20 負極、30 セパレータ、40 電極群、50 外装材、51 正極タブ、52 負極タブ、100 電池(リチウムイオン二次電池)。

Claims (1)

  1. 正極、負極および電解液を少なくとも含み、
    前記負極は黒鉛および酸化珪素を少なくとも含み、
    前記電解液はリチウム塩、添加剤および残部の溶媒を含み、
    前記添加剤は第1化合物および第2化合物を少なくとも含み、
    前記第1化合物はフルオロエチレンカーボネートであり、
    前記第2化合物はp−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン誘導体、アミン誘導体またはフェノール誘導体であり、かつ
    前記第2化合物は分子内にカルボキシラートおよびスルホナートを含まない、
    リチウムイオン二次電池。
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