JP2019113771A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Kazunori Noguchi
和範 野口
大垣 晴信
Harunobu Ogaki
晴信 大垣
彰 榊原
Akira Sakakibara
彰 榊原
達也 山合
Tatsuya Yamaai
達也 山合
修平 岩崎
Shuhei Iwasaki
修平 岩崎
大祐 三浦
Daisuke Miura
大祐 三浦
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Abstract

【課題】 繰り返し使用時において、電気特性に優れた電子写真感光体、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。【解決手段】 電荷輸送物質、4級アンモニウム塩量20ppm以下のポリエステル樹脂を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真プロセスにおいて、近年、電子写真装置の小型化、印刷可能枚数の増加が望まれている。これに対応して、特定のポリエステル樹脂を用いた表面層を有する感光体を用いる方法が検討されている(特許文献1及び2)。
特許第4246621号公報 特開昭61−238061号公報
しかしながら、上述した特許文献1や特許文献2に記載のポリエステル樹脂を用いた電子写真感光体において、繰り返し使用時に電気特性の悪化生じ、繰り返し使用後に出力画像の濃度薄が観られる場合があった。
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂が、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有し、該一般式(II)で示される構造が、一般式(II−1)で示される構造又は一般式(II−2)で示される構造を有し、該樹脂中の4級アンモニウム塩の含有量が20ppm以下であることを特徴とする。
(一般式(I)において、Xは、2価の基を表す。)
(一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、アルキリデン基又はシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。)
(一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22、R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、0〜3の整数である。)
(一般式(II−2)において、R31、R32は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R33〜R36は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。nは、11以上18以下の整数である。)
また、本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、上述の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、繰り返し使用時において、電気特性に優れた電子写真感光体、係る電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能である。
プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂が、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有し、該一般式(II)で示される構造が、一般式(II−1)で示される構造又は一般式(II−2)で示される構造を有し、該樹脂中の4級アンモニウム塩の含有量が20ppm以下であることを特徴とする。
(一般式(I)において、Xは、2価の基を表す。)
(一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、アルキリデン基又はシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。)
(一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22、R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、0〜3の整数である。)
(一般式(II−2)において、R31、R32は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R33〜R36は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。nは、11以上18以下の整数である。)
<ポリエステル樹脂>
本発明において、ポリエステル樹脂は、一般式(I)で示される構造と、一般式(II−1)で示される構造又は一般式(II−2)で示される構造を有する一般式(II)で示される構造と、を有する。
本発明において、ポリエステル樹脂の共重合形態は、ブロック共重合、ランダム共重合、交互共重合などの何れの形態であってもよい。中でも、ランダム共重合体の場合、高い耐摩耗性、耐傷性を得られる点で好ましい。
(1)一般式(I)で示される構造
本発明において、ポリエステル樹脂が有する一般式(I)で示される構造としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などのカルボン酸に由来する構造が挙げられる。具体的には、以下の構造が挙げられる。
これらの中でも式(I−1)で示される構造を有することが好ましい。
(2)一般式(II)で示される構造
(2−1)一般式(II−1)で示される構造
一般式(II−1)で示される構造の具体例を以下に示す。
中でも式(II−1−1)で示される構造が高い耐久性と耐傷性を両立する点で好ましい。
(2−2)一般式(II−2)で示される構造
一般式(II−2)で示される構造の具体例を以下に示す。
中でも式(II−2−1)で示される構造が高い耐久性と耐傷性を両立する点で好ましい。
(2−3)その他の構造
一般式(II)で示される構造は、一般式(II−1)、一般式(II−2)で示される構造以外のその他の構造を有しても良い。その他の構造としては、例えば、以下のような構造が挙げられる。
中でも、(II−3−1)、(II−3−2)、(II−3−3)の構造を有することが好ましい。
<ポリエステル樹脂以外の結着樹脂>
表面層は、結着樹脂として、上記ポリエステル樹脂以外に、その他の樹脂を用いてもよい。具体的には、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。その他の樹脂は、複数種類をブレンドしても、共重合させてもよい。その他の樹脂を用いる場合は、全ての結着樹脂の全質量に対する、本発明におけるポリエステル樹脂の質量が、80質量%以上であることが好ましい。ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、40,000以上200,000以下が好ましく、70,000以上120,000以下がより好ましい。このとき、樹脂の重量平均分子量は、特開2007−79555号公報に記載の方法により測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量である。
<ポリエステル樹脂の製造方法>
電子写真感光体用の樹脂としてポリエステル樹脂は強度的に適した材料の一つであり、繰り返し使用においてより安定した特性を提供するためには更に良好な耐摩耗性が要求される。そのための樹脂の機械的強度等を達成するためには高分子量化が必要であり、そのためには界面重合法が適している。界面重合法は、ビスフェノールを溶解したアルカリ水溶液(水相)とジカルボン酸ハロゲン化物を溶解した疎水性有機溶媒溶液(有機相)とを接触させて、その界面において重縮合を行うためモノマーのモル量を適正化する必要はあるが、高分子量化、反応系の制御等が比較的容易であるため本発明の電子写真感光体用の樹脂として適したものが得られやすい。重合においては、その反応性を高めるために相間移動触媒を用いることが好ましい。高分子量化を達成するために用いる相間移動触媒は、水相と有機相への溶解性(親水性・親油性)が反応効率に影響され、親油性を高めることにより有機相に該触媒がイオン対の形で移動しやすくなることにより反応効率が高められ高分子量化が可能となる。
<4級アンモニウム塩>
本発明における樹脂を得るための反応触媒としては下記一般式(IV)で示される4級アンモニウム塩が好ましい。
(一般式(IV)において、R41、R42は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基又はアリール基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)
具体的には、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂を用いる電子写真感光体において、該ポリエステル樹脂中の4級アンモニウム塩の量を20ppm以下にすることで、繰り返し使用時において、電気特性に優れた電子写真感光体が得られる。ポリエステル樹脂の4級アンモニウム塩の量は、より好ましくは、10ppm以下、更には5ppm以下、特には2ppm以下であることが好ましい。
また、上記触媒のポリマー中への残留量を少なくする手段における限定はないが、重合反応における触媒種の選択、使用量を可能な限り少なくすること及び再沈殿精製の条件(溶媒、濃度、回数等)、乾燥条件(温度、時間等)を適正化することで達成される。
また、本発明のポリエステル樹脂はフェノール等により末端のカルボキシル基を停止させることが好ましい。具体的には酸価を15mmol/kg以下とすることが好ましく、特に5mmol/kg以下とすることが好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂は水分量が2.5mgHO/1g以下であることが好ましい。また、本発明のポリエステル樹脂の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)3.0以下であることが好ましい。
[電子写真感光体]
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有する表面層を有する。更に、支持体や、感光層を有することが好ましい。電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。本発明においては、(1)積層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する表面層が電荷輸送層となり、(2)単層型感光層の場合は、電荷輸送物質を含有する表面層が感光層となる。
電子写真感光体を製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
以下、各層について説明する。
<導電層>
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
<下引き層>
本発明において、支持体又は導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。
電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
<感光層>
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
(1−1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂を含有する。
電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。
また、電荷輸送物質は複数の種類を共に含有させてもよい。以下、電荷輸送物質の具体例を示す。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、20質量%以上60質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜10:10がより好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を溶剤に溶解させて調製された電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることで形成することができる。電荷輸送層を形成するための塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。
具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様の材料が使用できる。
<保護層>
表面層の上に、本発明の効果を奏する範囲で、保護層を有してもよい。保護層は、導電性粒子又は電荷輸送物質と、結着樹脂と、を含有することが好ましい。更に、保護層には、潤滑剤などの添加剤を含有してもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよい。尚、その場合、保護層には、別途、導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)により硬化させてなる硬化性樹脂であってもよい。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、円筒状の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正又は負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光(画像露光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されて電子写真感光体1にトナー像を形成する。次いで、電子写真感光体1の表面のトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。電子写真感光体1の表面のトナー像は、中間転写体を介して転写材(紙など)へ転写しても良い。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像が転写された転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されてトナー像が定着されることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
トナー像の転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)が電子写真感光体1の表面から除去される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーの如き接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターの如き電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。尚、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
(合成例1)
下記式で示されるジカルボン酸ハライド59g
をジクロロメタンに溶解させ、酸ハロゲン化物溶液を調製した。また、別途、下記式で示されるジオール24.2g、
下記式で示されるジオール27g
を10%水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、重合触媒としてベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムクロライド(ライオン株式会社製、「BTBAC−50」)を1.4g添加して攪拌し、ジオール化合物溶液を調製した。
次に、上記酸ハロゲン化物溶液を上記ジオール化合物溶液に攪拌しながら加え、重合を開始した。重合は、反応温度を25℃以下に保ち、攪拌しながら、3時間行った。重合反応中に重合調整剤として、p−ターシャルブチルフェノールを加えた。その後、酢酸の添加により重合反応を終了させ、水での洗浄を10回繰り返した。洗浄後、有機相を攪拌下のn−ヘキサンに滴下して、重合物を沈殿させ、この重合物を120℃で1日間乾燥させてポリエステル樹脂A65.2gを得た。得られたポリエステル樹脂Aは、式(I)で示される構造として、式(I−1)で示される構造を100モル%有し、式(II)で示される構造として、式(II−1−1)で示される構造を50モル%、式(II−3−3)で示される構造を50モル%有するポリエステル樹脂であった。また、得られたポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は85,000であった。分子量および分子量分布は、特許第3825852号に記載の方法に基づいて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムを用いて測定した。ポリエステル樹脂中の残留アンモニウム塩量は、特開2002−107971に記載の方法により求めた。
得られたポリエステル樹脂の重合比率は、核磁気共鳴スペクトル分析により、組成分析を行った。酸価の測定は、特許第3585197号に基づいて、逆滴定法により測定を行った。水分量の測定は、特許第3761990号に基づいて、カールフィッシャー法により測定を行った。
結果を表1に示す。
(合成例2〜18)
上記の(合成例1)を基に、樹脂構造、洗浄条件および乾燥条件を変更し、表1に示すポリエステル樹脂B〜Pを製造した。
表1において、使用した4級アンモニウム塩について、説明する。
BTBAC:ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムクロライド
TMAC:テトラメチルアンモニウムクロライド
BTMAC:ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
表1において、樹脂の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)を示す。また、樹脂の部分構造の括弧の数字はモル比率である。例えば、「I−1/I−2(70/30)」はI−1とI−2の構造がそれぞれ70mol%と30mol%であることを意味する。
表面層中のポリエステル樹脂に含有される構造の比率は、一般的な分析手法で解析可能である。また、表面層中の全樹脂の全質量に対する本発明のポリエステル樹脂の含有率は、一般的な分析手法で解析可能である。以下に、分析手法の例を示す。
まず、電子写真感光体の表面層を溶剤で溶解させる。その後、サイズ排除クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーなどの各組成成分を分離回収可能な分取装置で、表面層に含有される種々の材料を分取する。分取されたポリエステル樹脂を核磁気共鳴スペクトル分析や質量分析をおこない、構造の繰り返し数やモル比率を算出する。または、アルカリ存在下などで加水分解させ、カルボン酸部分とビスフェノール部分に分解する。得られたビスフェノール部分に対し、核磁気共鳴スペクトル分析や質量分析をおこない、構造の繰り返し数やモル比率を算出する。
<電子写真感光体の製造>
〔実施例1〕
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体(導電性支持体)とした。
(導電層)
金属酸化物粒子としてのリン(P)がドープされている酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒径230nm)207部、結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60質量%)144部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して15質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を分散液に添加し、また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。
次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1−メトキシ−2−プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を前記支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥、熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
(下引き層)
N−メトキシメチル化ナイロン(商品名:トレジンEF−30T、ナガセケムテックス(株)製)4.5部及び共重合ナイロン(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)1.5部を、メタノール65部とn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した。
そこに酸化チタン粒子(粒子径40nm、ルチル型酸化チタン)10部、直径0.8mmのガラスビーズ300部を加え、サンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いて下引き層用塗布液を調整した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを10分間90℃で加熱することによって、膜厚が1.5μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層)
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た。
次に、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
次に、得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで湿式ミリング処理を室温(23℃)下で48時間行った。この際、容器は規格びん(製品コード:PS−6、柏洋硝子製)を用い、容器が1分間に120回転する条件で行った。こうして得られた分散液から有機化合物含有ガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、100部に溶解させた。この溶液に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°及び28.2°に強いピークを有する有機化合物含有ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。
次に得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン10部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散し、これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部を更に加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)9部、式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)1部、及び合成例1で合成したポリエステル樹脂(A)10部を、ジメトキシメタン50部、オルトキシレン20部、安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間125℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
(実施例2〜35)
上記の(実施例1)において、電荷輸送物質、ポリエステル樹脂及び溶剤を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
表2において使用した溶剤について説明する。
DMM:ジメトキシメタン
o−Xy:オルトキシレン
MB:安息香酸メチル
THF:テトラヒドロフラン
CPN:シクロペンタノン
(実施例36)
上記の(実施例1)において、シリコーングラフトポリマー GS−101(東亜合成株式会社製)0.4部を加えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例37)
上記の(実施例2)において、下記式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)0.5部を加えた以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を製造した。
(式(S−2)中、a:bは[]内の構造のモル比率を示す。cは()内の構造の繰り返し数の平均値を示し、c=20である。)
(実施例38)
上記の(実施例3)において、下記式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)0.5部を加えた以外は、実施例3と同様にして電子写真感光体を製造した。
(式(S−2)中、a:bは[]内の構造のモル比率を示す。cは()内の構造の繰り返し数の平均値を示し、c=20である。)
(実施例39)
上記の(実施例4)において、下記式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部を加えた以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を製造した。
(式(S−3)中、a:bは[]内の構造のモル比率を示す。cは()内の構造の繰り返し数の平均値を示し、c=40である。dは()内の構造の繰り返し数の平均値を示し、d=40である。式中の*1の続きが*2である。)
(実施例40)
上記の(実施例5)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び下記式(S−4)で示される化合物0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(式(S−4)中、dは()内の構造の繰り返し数の平均値を示し、d=40である。)
(実施例41)
上記の(実施例6)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)0.5部及び酸化防止剤として、IRGANOX1035(BASF社製)0.01部を加えた以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例42)
上記の(実施例7)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)0.5部及び酸化防止剤として、IRGANOX1010(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例43)
上記の(実施例8)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び紫外線吸収剤として、TINUVIN P(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例8と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例44)
上記の(実施例9)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び紫外線吸収剤として、TINUVIN 111FDL(BASF社製)0.01部を加えた以外は、実施例9と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例45)
上記の(実施例10)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例10と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例46)
上記の(実施例11)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)0.5部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例47)
上記の(実施例12)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)0.5部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例48)
上記の(実施例13)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)0.5部、シリコーングラフトポリマー GS−101(東亜合成株式会社製)0.4部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例49)
上記の(実施例14)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)2部を加えた以外は、実施例11と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例50)
上記の(実施例15)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)2部を加えた以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例51)
上記の(実施例16)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.1部を加えた以外は、実施例12と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例52)
上記の(実施例17)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び式(S−4)で示される化合物0.01部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例53)
上記の(実施例18)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)2部及び酸化防止剤として、IRGANOX1076(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例54)
上記の(実施例21)において、式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例55)
上記の(実施例22)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.2部及び酸化防止剤として、IRGANOX1330(BASF社製)0.01部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例56)
上記の(実施例24)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例57)
上記の(実施例29)において、式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部及び酸化防止剤として、IRGANOX1076(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例58)
上記の(実施例30)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)1部及び酸化防止剤として、IRGANOX1076(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例59)
上記の(実施例31)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)1部及び酸化防止剤として、IRGANOX1076(BASF社製)0.02部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例60)
上記の(実施例32)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)1部及び紫外線吸収剤として、TINUVIN 111FDL(BASF社製)0.01部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例61)
上記の(実施例33)において、式(S−2)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量23,500)1部及び紫外線吸収剤として、TINUVIN 111FDL(BASF社製)0.01部を加えた以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例62)
上記の(実施例1)において、式(CTM−1)で示される化合物)9部および式(CTM−2)で示される化合物部をオルトキシレン20部、安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させた後、トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)0.5部を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(A)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例63〜79)
上記の(実施例62)においてポリエステル樹脂を表4に示すように変更した以外は、実施例62と同様にして電子写真感光体を製造した。
表4において使用した粒子について、説明する
RX50:トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)
OX50:表面処理していないヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)
RX40:トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX40、日本アエロジル製)
RX200:トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX200、日本アエロジル製)
N2N:表面処理していない湿式シリカ(商品名:N2N、宇部エクシモ製)
LHP089:トリメチルシリル基で表面処理された湿式シリカ(商品名:LHP089、宇部エクシモ製)
KE−S10:表面処理していない湿式シリカ(商品名:シーホスター KE−S10、日本触媒)
KE−S30:表面処理していない湿式シリカ(商品名:シーホスター KE−S30、日本触媒)
KE−S50:表面処理していない湿式シリカ(商品名:シーホスター KE−S50、日本触媒)
AluC805:アルキルシリル基で表面処理されたアルミナ粒子(商品名:AluC805、日本アエロジル株式会社製)
(実施例80)
上記の(実施例19)において、式(CTM−1)で示される化合物)9部および式(CTM−2)で示される化合物部をシクロペンタノン50部に溶解させた後、トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)0.5部を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(A)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例81)
上記の(実施例25)において、式(CTM−1)で示される化合物)9部および式(CTM−3)で示される化合物部をオルトキシレン20部、安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させた後、トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)0.3部を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(A)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例25と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例82)
上記の(実施例62)において、電荷輸送用塗布液にシリコーングラフトポリマー GS−101(東亜合成株式会社製)0.4部を加えた以外は実施例62と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例83)
上記の(実施例63)において、電荷輸送用塗布液にシリコーングラフトポリマー GS−101(東亜合成株式会社製)0.4部を加えた以外は実施例63と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例84)
上記の(実施例64)において、電荷輸送用塗布液に式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部を加えた以外は実施例64と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例85)
上記の(実施例64)において、電荷輸送用塗布液に式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)0.4部加えた以外は実施例64と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例86)
上記の(実施例80)において、電荷輸送用塗布液に式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部及びIRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は実施例80と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例87)
上記の(実施例80)において、電荷輸送用塗布液に式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部及び紫外線吸収剤として、TINUVIN 111FDL(BASF社製)0.01部を加えた以外は実施例80と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例88)
上記の(実施例29)において、式(CTM−6)で示される化合物)8部をオルトキシレン20部、安息香酸メチル30部の混合溶液に溶解させた後、トリメチルシリル基で表面処理されたヒュームドシリカ(商品名:RX50、日本アエロジル製)0.5部を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(I)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例89)
上記の(実施例30)において、式(CTM−7)で示される化合物)8部をシクロペンタノン50部に溶解させた後、アルキルシリル基で表面処理されたアルミナ粒子(商品名:AluC805、日本アエロジル株式会社製)0.1を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(D)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例90)
上記の(実施例31)において、式(CTM−8)で示される化合物)8部をシクロペンタノン50部に溶解させた後、表面処理していないシリカ粒子(商品名:シーホスター KE−S10、日本触媒)8部を加え、超音波分散器を用いて2時間かけて分散し、その後、ポリエステル樹脂(D)10部及びジメトキシメタン50部を加えて溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した以外は実施例19と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例91)
上記の(実施例90)において、電荷輸送用塗布液に式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部及びIRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は実施例80と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例92)
上記の(実施例90)において、電荷輸送用塗布液に式(S−1)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量41,000)1部、式(S−4)で示される化合物0.02部及びIRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は実施例80と同様にして電子写真感光体を製造した。
(実施例93)
上記の(実施例90)において、電荷輸送用塗布液に式(S−3)で示される構造の樹脂(粘度平均分子量20,000)3部、式(S−4)で示される化合物0.02部及びIRGANOX1330(BASF社製)0.02部を加えた以外は実施例80と同様にして電子写真感光体を製造した。
[評価]
<耐摩耗性の評価>
評価装置としては、ヒューレットパッカード社製レーザープリンター(Color LaseJet Enterprise M775dn)を使用した。評価は温度23℃、湿度50%RH環境下で行った。A4サイズの普通紙を用いて2枚画像出力を行うごとに1度停止する間欠モードにて画像出力を行い、50,000枚の画像出力後、印字濃度100%のベタ画像を出力し、画像濃度が得られているかの確認を行った。評価結果を表2〜3に示す。
A:濃度薄が確認されなかった
B:やや濃度薄が確認された
D:濃度薄が確認された。

Claims (3)

  1. 電荷輸送物質及びポリエステル樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体において、
    該ポリエステル樹脂が、一般式(I)で示される構造及び一般式(II)で示される構造を有し、

    (一般式(I)において、Xは、2価の基を表す。)

    (一般式(II)において、Xは、単結合、酸素原子、アルキリデン基又はシクロアルキリデン基を表す。R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。)
    該一般式(II)で示される構造が、一般式(II−1)で示される構造又は一般式(II−2)で示される構造を有し、
    該ポリエステル樹脂中の4級アンモニウム塩の含有量が20ppm以下であることを特徴とする電子写真感光体。

    (一般式(II−1)において、R21は、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基を表す。R22、R23は、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を表す。mは、0〜3の整数である。)

    (一般式(II−2)において、R31、R32は、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R33〜R36は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。nは、11以上18以下の整数である。)
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  3. 請求項1に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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