JP2019113120A - 車両用固定部品 - Google Patents

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Kyo Honda
亨 本多
川口 英之
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Abstract

【課題】車両用固定部品において、柱部と弾性片とを備えるアンカー部が雌ねじ穴内に進入した際に、組み付け完了となる所定進入位置まで進入したことを作業者が音によって把握しやすいようにする。【解決手段】 被取付部材100の雌ねじ穴101Hに固定される車両用固定部品1であって、雌ねじ穴101H内に挿入されて係止状態となるアンカー部10と、アンカー部10の後端側の座部4と、を備え、座部4には、第二貫通孔4H2と、アンカー部10が雌ねじ穴101Hに挿入される際に雌ねじ穴101Hの挿入口周辺面101aによって、第二貫通孔4H2内を雌ねじ穴101H側とは逆に押し出される第二弾性片42と、が設けられる。第二弾性片42は、アンカー部10が所定進入位置まで進入して係止状態となる組み付け完了の際に、第二貫通孔4H2の内壁面4cと接触して音を発生し、これにより組み付け完了を知ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用固定部品に関する。
車体に設けられる被取付部材の雌ねじ穴に固定される車両用固定部品として、例えば車両に配策されるワイヤーハーネス等を保護するプロテクターがある(特許文献1参照)。こうした車両用固定部品には、柱部と、柱部の前端側から後端側に向かって柱部の径方向外向きに広がる弾性片と、を備えるアンカー部が複数個所に設けられている。車両用固定部品は、これら複数個所のアンカー部を、被取付部材に設けられた対応する雌ねじ穴にそれぞれ押し込むことにより、被取付部材に対し固定される。具体的にいえば、各アンカー部は、弾性片を柱部に接近させる形に撓ませた挿入形態となって雌ねじ穴に挿入される。そして、雌ねじ穴内にてその撓みを開放することで、弾性片に設けられた突起部が雌ねじ穴のねじ溝内に入り込んだ係止状態となり、雌ねじ穴に固定される。
特願2016−215822号 特開2012−225431号公報
こうした車両用固定部品では、アンカー部を雌ねじ穴に押し込む際、弾性片に設けられた突起部が雌ねじ穴内のねじ山を乗り越えるときに「カチッ」と音がする。特許文献1の場合、突起部が雌ねじ穴内の複数のねじ山を乗り越えるためその音が複数回発生する。したがって、この音を判断基準にしてアンカー部を雌ねじ穴内の最適な位置まで進入させたいところではあるが、実際に発生する音は、連続する1つの音として聞こえるため、音の回数から組み付け完了位置を把握することは難しい。
一方、特許文献2には、突起部が雌ねじ穴内のねじ山を乗り越えて係止される係合部とは別の係合部を設け、その別の係合部が係合することによってアンカー部が雌ねじ穴内の最適位置に達したことを知らせる技術について記載がある。ところが、この場合、その別の係合部による係合が雌ねじ穴内で発生している。このため、係合時の音に関しては、アンカー部基端側の座部が被さる雌ねじ穴の中で鳴るため分かりにくいという課題がある。
本発明の課題は、車両用固定部品において、柱部と弾性片とを備えるアンカー部が雌ねじ穴内に進入した際に、組み付け完了となる所定進入位置まで進入したことを作業者が音によって把握しやすいようにすることにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決する車両用固定部品は、
所定の被取付部材の雌ねじ穴に固定される車両用固定部品であって、
雌ねじ穴内に挿入される柱部と、前記柱部に接近する弾性変形が可能に設けられ、当該弾性変形を伴う形で前記柱部と共に該雌ねじ穴内に挿入される第一弾性片と、を有したアンカー部と、
前記柱部の前記雌ねじ穴に対する挿入方向の後端側に設けられ、前記アンカー部が前記雌ねじ穴内に所定深さまで挿入された際に該雌ねじ穴の挿入口周辺面と当接して挿入されない座部と、
を備え、
前記第一弾性片は、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に該雌ねじ穴の複数のねじ山を乗り越え、乗り越えた先で弾性復帰して該雌ねじ穴のねじ溝内に進入し、乗り越えたねじ山に係止される係止状態となる係止突起部を有し、
前記座部は、
前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面と対向する座面とそれ以外の外表面との双方に開口する貫通孔が設けられた座部本体と、
前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面によって前記貫通孔内を前記座面側とは逆の開口側に押し出される弾性変形を生じる第二弾性片と、
前記第二弾性片に設けられ、前記柱部及び前記第一弾性片が前記雌ねじ穴内を所定進入位置まで進入して前記係止状態となる組み付け完了の際に、前記貫通孔の内壁面と接触して音を発生させる打音部と、
を有することを特徴とする。
上記本発明によれば、雌ねじ穴のねじ山に係止される第一弾性片とは別に、第一弾性片が雌ねじ穴内の所定進入位置まで達した時に座部の貫通孔内で音を発生させる第二弾性片が設けられる。このため、第二弾性片によって発生する音によって、アンカー部が雌ねじ穴の所定進入位置まで進入したことを作業者が把握できる。また、第二弾性片によって発生する音は雌ねじ穴の外で鳴り、かつその音は貫通孔から直接外に届けられるため、作業者に聞こえやすい。また、その音が貫通孔から直接外に届けられることで、雌ねじ穴の内部で鳴る第一弾性片とねじ山との音とは異質な音として聞こえるため、作業者にとってわかりやすい。
上記本発明における前記第二弾性片は、前記組み付け完了の状態において、前記貫通孔の前記座面とは異なる外表面側の開口側に位置する端部が、該開口の周辺面に対し面一となる、あるいは該周辺面よりも外に突出するように設けることができる。この構成によれば、組み付け完了状態において、第二弾性片が開口の周辺面に対し面一になっているか、あるいは該周辺面よりも外に突出しているか否かを、目視又は手感(手触り)で判断することができるから、作業者は音だけに頼らない確実な判断を下すことができる。
上記本発明における前記第二弾性片は、前記座部本体から前記貫通孔の内側に向けて突出形成され、先端側を該貫通孔の前記座面側からその裏面側に向けて移動させる弾性変形が可能な弾性片主部と、前記弾性片主部から突出形成され、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面によって前記挿入方向とは逆向きに押し付けられることにより前記第二弾性片全体を前記座面側とは逆の開口側に押し出す押付突出部と、前記弾性片主部から前記押付突出部とは別に突出形成され、先端側に前記打音部を有し、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記押付突出部及び前記挿入口周辺面と非接触となるよう形成された打音突出部と、を有することができる。この構成によれば、座部の貫通孔内部での係止構造を簡易に実現することができる。また、打音突出部は、挿入口周辺面や、挿入口周辺面に押される押付突出部によって干渉されることなく、安定して内壁面との接触音を発生させることができる。
上記本発明における前記第二弾性片は、前記組み付け完了の状態において、前記挿入口周辺面を押し付けるよう弾性変形した状態に維持されることにより、部品全体に対し前記雌ねじ穴から抜き出す方向の力を継続的に与えるよう構成できる。この構成によれば、アンカー部が雌ねじ穴内に挿入された際に、最後に乗り越えたねじ山に対し係止突起部を挿入方向とは逆向きに押し当てた状態に保持することができるから、アンカー部が雌ねじ穴内で安定して締結された状態に保持できる。
本発明の一実施例をなす車両用固定部品の第一の斜視図。 図1の車両用固定部品の第二の斜視図。 図1の車両用固定部品の第三の斜視図。 図1の車両用固定部品の雌ねじ穴への挿入前状態を、第一貫通孔及びアンカー部を切断した断面を用いて示した図。 図1の車両用固定部品を雌ねじ穴に組み付ける際の第一弾性片の動作を示した第一の図。 図5に続く第二の図。 図6に続く第三の図。 図1の車両用固定部品の雌ねじ穴への挿入前状態を、第二貫通孔の断面を用いて示した図。 図1の車両用固定部品の雌ねじ穴への組み付ける際の第二弾性片の動作を示した第一の図。 図9に続く図。 図10に続く図。 図9〜図11と同じ断面の図を用いて、雌ねじ穴の挿入口周辺部を第二弾性片が押し付けている状態を示した図。 図12の状態を、図5〜図7と同じ断面の図を用いて示した図。 図5〜図7と同じ断面の図を用いて、雌ねじ穴に固定された図1の車両用固定部品を取り外す方法を説明する図。
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。
本実施例の車両用固定部品1は、図1及び図2に示すように、上下方向Zに貫通する第一貫通孔4H1及び第二貫通孔4H2が形成された座部4(基端部)と、座部4から突出し、車体側に組み付けられる所定の被取付部材100(図4参照)に組み付くアンカー部10と、一体に備えた樹脂射出成形体である。樹脂材料には、例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリアセタール等を使用することができる。なお、本発明における貫通孔は、第二貫通孔4H2のことである。
被取付部材100には、図4に示すように、雌ねじ穴101Hが形成されている。車両用固定部品1は、この雌ねじ穴101Hにアンカー部10を挿入することにより、被取付部材100に対し抜け止め状態となって固定される。ここでの被取付部材100は例えばパネル材等とすることができ、その所定部分には雌ねじ穴101Hが貫通形成された固定部101が設けられる。なお、雌ねじ穴101Hは貫通形状でなくともよい。
アンカー部10は、図1〜図3に示すように、柱部3と第一弾性片2とを一体に有する。
柱部3は、座部4の座面4bから突出形成され、図5〜図7に示すように、雌ねじ穴101H内に挿入される。雌ねじ穴101Hに挿入される際には、柱部3の先端部31側(挿入方向Z1の前端側)から挿入され、雌ねじ穴101H内に配置された際には、挿入方向Z1(上下方向Z)に直交する方向Xの第一側(図5〜図7の右側)に偏って位置する。
第一弾性片2は、図5〜図7に示すように、柱部3に接近する弾性変形が可能に設けられ、当該弾性変形を伴う形で該雌ねじ穴101H内に柱部3と共に挿入される部位である。第一弾性片2には突起部2C(係止突起部)が設けられており、第一弾性片2が上記弾性変形を伴う形で雌ねじ穴101Hに挿入される際に、その突起部2Cは、雌ねじ穴101H内の複数のねじ山101Vを乗り越えるとともに、乗り越えた先で第一弾性片2が弾性復帰することにより該雌ねじ穴101Hのねじ溝101U内に進入し、乗り越えたねじ山101Vに係止される係止状態となる。これにより、部品1全体を雌ねじ穴101Hに対する抜け止め状態とすることができる。
ここでの第一弾性片2は、図4に示すように、弾性部2Bと、傾斜部2Aと、を一体に有する。
弾性部2Bは、柱部3の先端部31側から、上記第一側とは逆の第二側(図4の矢印Xの左上側)へと延出形成されている。ここでの弾性部2Bは、上記第二側に向かって平板状をなして延出しており、第一弾性片2を柱部3側へ接近させる弾性変形は主にこの平板状部分で生じるよう構成されている。
傾斜部2Aは、柱部3から延出する弾性部2Bの先から、座部4側(図4の上側)へと向きを変えて座部4の第一貫通孔4H1内に向かうよう延出形成されており、座部4側ほど上記第二側(図4の矢印Xの左上側)に位置する形で傾斜している。傾斜部2Aは、座部4の第一貫通孔4H1を貫通して配置されている。
また、傾斜部2Aは、弾性部2Bよりも厚肉に設けられ、弾性部2Bよりも高剛性に形成されている。これにより、弾性部2B側での積極的な弾性変形が促されている。また、傾斜部2Aの上記第二側(図4の矢印Xの左上側)の外表面には、雌ねじ穴101Hに車両用固定部品1が先端部31側から挿入された際に、当該雌ねじ穴101Hの第二側のねじ溝101Uに進入する突起部2Cが設けられている(図5〜図7参照)。ここでの突起部2Cは、ねじ溝101Uの第二側の一部区間においてのみ進入して螺合状態となるよう、挿入方向Z1に複数並んで形成されたねじ山部である。
座部4は、柱部3の雌ねじ穴101Hに対する挿入方向Z1の後端側において、雌ねじ穴101Hに挿入不可となる形状に形成されている。具体的にいえば、座部4は、図1及び図2に示すように、アンカー部10に対しその径方向に拡がる形状をなしており、アンカー部10が雌ねじ穴101H内に所定深さまで挿入された際には雌ねじ穴101Hの挿入口周辺面101aと当接するため、雌ねじ穴101H内に挿入不可となっている。
ここでの座部4は、図3及び4に示すように、座部本体40と、音発生部44と、第二弾性片42と、打音部43と、を有する。
座部本体40は、上下方向Zに貫通する第一貫通孔2H1及び第二貫通孔4H2を有する。ここでの座部4は、図3に示すように、座面4bを形成する座面部41を有するとともに、座面部41から柱部3とは逆側に立ち上がる形で外側壁部41A、分断壁部41B、第一内側壁部41C、第二内側壁部41Dを有する。
座面部41は、図7に示すように、被取付部材100の雌ねじ穴101Hに車両用固定部品1が固定された際に被取付部材100の主面100aと対面する座面4bを形成する。そして、その座面4bを上下方向Zに貫通する形で、第一貫通孔4H1及び第二貫通孔4H2が互いに非連通に形成されている。第一貫通孔4H1内には、第一弾性片2(傾斜部2A)が貫通して配置されており、その先端が座面部41を貫通して外に突出している。
外側壁部41Aは、座面部41の第一貫通孔4H1及び第二貫通孔4H2を取り囲むよう、それら貫通孔4H1、4H2よりも外側から立ち上がる壁部であり、ここではそれら貫通孔4H1、4H2の双方を取り囲む環状壁部(外周壁部)として形成されている。分断壁部41Bは、外周壁部41Aに接続する形で、第一貫通孔4H1と第二貫通孔4H2との間を分断する壁部であり、ここでは直線状の壁部として形成されている。第一内側壁部41Cは、分断壁部41Bの第一貫通孔4H1側から第一貫通孔4H1を挟む形で延び出し、外側壁部41Aと接続する壁部である。他方、第二内側壁部41Dは、分断壁部41Bの第二貫通孔4H2側から第二貫通孔4H2を挟む形で延び出し、外側壁部41Aと接続する壁部である。第二内側壁部41Dの対向面は、第二貫通孔4H2の内壁面4cを形成している。
なお、ここでの第一貫通孔4H1は、座面部41を貫通する貫通孔であり、第二貫通孔4H2は、座面部41を貫通し、その先で対向する第二内側壁部41Dと、分断壁部41Bと、外側壁部41Aとに取り囲まれた筒状の貫通孔である。
第二弾性片42は、図9〜図11に示すように、アンカー部10が雌ねじ穴101Hに挿入される際に、挿入口周辺面101aによって第二貫通孔4H2内を座面4b側とは逆の開口4Ha側に押し出される弾性変形を生じる部位である。ここでの第二弾性片42は、弾性片主部42Aと、押付突出部42Bと、打音突出部42Cと、を有し、弾性片主部42Aの先端側から押付突出部42Bと打音突出部42Cとが平行に突出したF型の形状をなす。
弾性片主部42Aは、図8に示すように、座部4の座面4b側(座部本体40)から第二貫通孔4H2の内側に向けて突出形成されている。弾性片主部42Aは、基端側(座部本体40との接続側)を支点にして、先端側を該第二貫通孔4H2の座面4b側からその裏面側に向けて移動する弾性変形が可能である(図9〜図11参照)。押付突出部42Bは、弾性片主部42Aから打音突出部42Cよりも長く突出形成されている。打音突出部42Cは、弾性片主部42Aから押付突出部42Bとは別に弾性片主部42Aから突出形成され、先端側に打音部43を有する。
音発生部44は、図8に示すように、第二貫通孔4H2の内壁面4cとして形成されており、第二弾性片42に音を発生させる形状を有する。具体的にいえば、音発生部44は、少なくとも雌ねじ穴101H内にアンカー部10が所定進入位置まで進入する直前位置にあるときに、第二弾性片42の打音突出部42Cを弾性変形が生じるよう押し付ける押し付け領域441と、雌ねじ穴101H内にアンカー部10が所定進入位置に進入したときに、押し付け領域441による押し付けが解除されて打音突出部42Cが弾性復帰するに伴い打音突出部42Cの先端の打音部43が打ち付けて音を発生させる打ち付け領域442と、を有する。ここでの押し付け領域441は、第二貫通孔4H2の内壁面4cから突出する内壁突起部4kが形成された領域であり、打ち付け領域442は、第二貫通孔4H2の内壁面4cにおいてその押し付け領域441から開口4Ha側に位置する領域である。
なお、座部4は、所定機能を果たす機能部として設けられ、ここでは図示されていない追加形状を有しており、その追加形状部分において所定機能を果たす形状を有する。例えば座部4に、車両用の所定部材(例えばワイヤーハーネス等)を保護する保護部としての機能を果たす追加形状部を形成して、車両用固定部品1をワイヤーハーネスプロテクターとすることができる。ただし、座部4は、本実施例の車両用固定部品1において座部本体40、第二弾性片42、打音部43を有する点等の本発明必須の構成に関しては、そうした追加形状部が存在していたとしても変わることは無い。
ここで、車両用固定部品1のアンカー部10を雌ねじ穴101Hに挿入して組み付け完了状態とする手順について、図5〜図7を用いて説明する。
車両用固定部品1のアンカー部10を雌ねじ穴101Hに組み付ける際には、図5に示すように、柱部3を先端部31側(前端側)から雌ねじ穴101Hに挿入する。その際、図6に示すように、第一貫通孔4H1の座面4bとは逆側(図中の上側)からのユーザー操作によって、傾斜部2Aを第一側(図6の矢印方向)に弾性的に変位させ、第一弾性片2を挿入形態とすることが可能である。このユーザー操作により、図中の上側に向かって広がる形状であった第一弾性片2が弾性変形して上側が広がらない挿入形態となるから、アンカー部10が雌ねじ穴101H内に挿入されていく際に、傾斜部2Aの第二側(図5〜図7の左側)の外表面に形成された突起部2Cと、雌ねじ穴101Hの第二側のねじ山101Vとの干渉が抑制され、その挿入が容易となる。
一方で、上記のようなユーザー操作をすることなく、図6のように突起部2Cとねじ山101Vとの干渉状態を生じさせた場合であっても、車両用固定部品1を雌ねじ穴101H内にさらに強く押し込んでいけば、ねじ山101Vの挿入口側斜面を、突起部2Cの挿入方向Z1側の斜面が押し付けることで、第一弾性片2を柱部3側に変位させる力(図6の矢印方向の力)が作用し、第一弾性片2を上記挿入形態へと移行させる弾性変形を生じさせることができるから、車両用固定部品1のアンカー部10をそのまま雌ねじ穴101Hの奥へと挿入することもできる。
このようにしてアンカー部10を雌ねじ穴101Hの奥へと挿入していく場合、第一弾性片2が上記の弾性変形を生じる形で第一弾性片2の突起部2Cが雌ねじ穴101Hのねじ山101Vを乗り越える。そして、乗り越えた先で第一弾性片2が弾性復帰することにより突起部2Cが雌ねじ穴101Hのねじ溝101U内に進入し、乗り越えた突起部2Cがねじ山101Vに係止される係止状態(第一係止状態)となる。雌ねじ穴101Hのねじ山101Vは挿入方向Z1に複数存在しているため、車両用固定部品1は、この係止状態を繰り返す形で雌ねじ穴101Hのより奥へと挿入されていく。そして、アンカー部10が雌ねじ穴101内を所定進入位置まで進入して上記の係止状態となることで、車両用固定部品1は、図7に示すように、雌ねじ穴101Hに対し組み付いた組み付け完了の状態となる。
さて、従来の車両用固定部品では、このようにしてアンカー部10が雌ねじ穴101Hに対し組み付いた組み付け完了の状態を、組み付け作業者が把握することが難しいという課題があった。即ち、アンカー部10が係止状態を繰り返す形で雌ねじ穴101Hのより奥へと挿入されていくとき、係止状態となるたびに「カチッ」と音が鳴るが、その音が何度も鳴るため、どこまで挿入してよいのかがわかりづらいし、組み付け完了の状態になったか否かの判断がつきにくい。
これに対し本実施例の車両用固定部品1には、雌ねじ穴101H内に挿入されない座部4に、音発生部44及び第二弾性片42が設けられている。第二弾性片42には打音部43が設けられており、アンカー部10が雌ねじ穴101Hに所定進入位置まで進入して係止状態となる組み付け完了の際、その打音部43が、第二貫通孔4H2内の音発生部44と接触して音を発生させる。組み付け作業者は、この打音部43が発生させる音を聞くことで、組み付け完了を容易に確認できる。この音は雌ねじ穴101Hの外で鳴り、第二貫通孔2H2を介して直接外に届けられるため聞こえやすいし、また、その音は、雌ねじ穴101Hの中で鳴る第一弾性片2とねじ山101Vとによって鳴る音とは異質な音として聞こえるため聞き分けやすい。
以下、第二弾性片42の動きと音の発生について、図9〜図11を用いて具体的に説明する。
図9に示すように、第二弾性片42は、アンカー部10が雌ねじ穴101Hに挿入されるとき、最初に押付突出部42Bが雌ねじ穴101Hの挿入口周辺面101aによって挿入方向Z1とは逆向きに押し付けられる。これにより、第二弾性片42は、弾性片主部42Aにおいて基端側を支点にして先端側を、第二貫通孔4H2の座面4b側からその逆側に向けて移動させる弾性変形が生じる。その結果、第二弾性片42全体が、弾性片主部42Aの基端側を支点に回動する形で、座面4b側とは逆の開口4Ha側に押し出されていく。ここでの押付突出部42Bは、自身の突出方向に延び出して弾性片主部42Aと接続するリブ42BL(図8参照)を有しているため打音突出部4Cや弾性片主部42Aの基端側等よりも剛性が高く、挿入口周辺面101aによって押し付けられた力を弾性片主部42Aに効率的に伝えることができる。
その後、図10に示すように、打音突出部42Cは、アンカー部10が雌ねじ穴101H内を所定進入位置まで進入して上述した組み付け完了の状態となる際に、第二貫通孔4H2の内壁面4cの押し付け領域441に形成された内壁突起部4kに対し、先端側が座面4b側及び第二貫通孔4H2の内側へとたわむ弾性変形を伴う形で乗り上げる。そして、打音突出部42Cは、乗り越えた先で生じる弾性復帰によって先端の打音部43を内壁面4cの打ち付け領域442に打ち付ける形で接触して接触音を発生させる(図11参照)。この音により、組み付け作業者は、組み付け完了を確認できる。
なお、この打音部43が打ち付け領域442に接触した状態は、図11に示すように、打音部43が内壁突起部4kに係止された係止状態(第二係止状態)であるから、ここでの打音部43は打音係止部ということもできる。
また、車両用固定部品1の雌ねじ穴101Hへの挿入抵抗は、第一弾性片2の突起部2Cが雌ねじ穴のねじ山101Vを乗り越える弾性変形時に増大し、乗り越えてねじ溝101Uに進入する弾性復帰時に減少するから、挿入抵抗の一定レベルの増大を繰り返す形で組み付け完了の状態となる。ただし、組付け完了の状態となる直前には、第二弾性片42の打音突出部42Cが内壁突起部4kを乗り越える弾性変形が生じるから、このときの車両用固定部品1の雌ねじ穴101Hへの挿入抵抗は、上記の一定レベルよりも加算される形で増大し、内壁突起部4kを乗り越えて係止状態(第二係止状態)となることで減少する。この挿入抵抗の上昇によっても、組み付け作業者は、組み付け完了を確認することができる。本実施例では、この最終段階での挿入抵抗の上昇を考慮して、傾斜部2Aに形成される突起部2Cの数を減じたり、それぞれの厚みを薄くすることで、挿入抵抗を全体的に減少させ、挿入し難さを改善している。
また、この一連の第二弾性片42の動作の中で、打音突出部42Cは、押付突出部42B及び挿入口周辺面101aとの非接触を保ったまま、第二弾性片42の一部として、開口4Ha側に押し出されていく。この非接触状態は、上述した組み付け完了の状態においても継続している。
一方、第二弾性片42は、挿入口周辺面101aによって押付突出部42Bが押し付けられることで弾性変形した後、組み付け完了の状態となっても、弾性変形が継続して生じている。つまり、第二弾性片42は、図11に示すように、組み付け完了の状態においても、挿入方向Z1とは逆向き(Z2)に押し付けられて弾性変形した状態にあり、挿入口周辺面101aを押し付けた状態に維持されている。そして、この押し付け状態の維持により、押付突出部42Bは、車両用固定部品1全体に対し雌ねじ穴101Hから抜き出す方向Z2の力を継続的に与えている。その結果、組み付け完了の状態において、アンカー部10が雌ねじ穴101H内に挿入されたときに乗り越えたねじ山101Vの少なくとも1つに対し、突起部2Cを挿入方向Z1とは逆向きに押し当てた状態に保持され(図7参照)、ガタつくことのない安定した締結状態としている。図7においては、3つの突起部2Cの最も上の突起部2Cが直上のねじ山101Vに押し当てられている。
さらにいえば、第二弾性片42は、図12に示すように、アンカー部10が雌ねじ穴101Hに対し組み付け完了の状態(図11参照)よりもさらに奥に進入した状態においても、挿入口周辺面101aを押し付けた状態に維持される。アンカー部10が組み付け完了の状態よりもさらに奥に進入した状態となるのは、例えば図13に示すように、座部4(座面4b)が雌ねじ穴101Hの挿入口周辺面101aに当接した状態において、ねじ山101Vの頂上部に突起部2Cが載り上げた状態となるような状況である。この場合、アンカー部10はさらに奥へと進入できないため、突起部2Cもその先のねじ溝101Uに進入することはできず、挿入方向Z1とは逆向き(図中の上向き)に戻り、1つ手前のねじ溝101U(図中の1つ下のねじ溝101U)に進入する他ない。第二弾性片42が挿入口周辺面101aを押し付けた状態に維持されることで、車両用固定部品1全体には、雌ねじ穴101Hから抜き出す方向Z2(図中の上向き)の力を継続的に加わっているから、図13のような状態でも車両用固定部品1は自然に抜き出す方向Z2(図中の上向き)に押し戻されて、可能な限り最も奥のねじ溝101Uに突起部2Cが進入する状態、即ち組み付け完了の状態に移行できる。
また、組み付け完了の状態における第二弾性片42は、図11に示すように、第二貫通孔4H2の座面4bとは異なる外表面4a側の開口4Ha側に位置する開口側端部42Tが、該開口4Haの周辺面40aに対し面一となる、あるいは該周辺面40aよりも外に突出した状態となっている。これにより、組み付け作業者は、目視によって組み付け完了の状態を確認できるし、また、外表面4aをなぞるように触って、開口4Haから突出あるいは面一となっている第二弾性片42に触れることでも組み付け完了の状態を確認できる。
最後に、組み付け完了状態にある車両用固定部品1を雌ねじ穴101Hから抜き取る手順について説明する。
上述の組み付け完了状態の車両用固定部品1を雌ねじ穴101Hから抜き取る際には、図14に示すように第一貫通孔4H1の上側からのユーザー操作によって傾斜部2Aを上述の第一側(図14の右側)に弾性的に変位させ、上述の挿入形態とする。これにより、車両用固定部品1は、第一弾性片2において、突起部2Cが雌ねじ穴101Hのねじ溝101Uから離脱した非係止状態へと移行するので、雌ねじ穴101Hからの離脱が可能となる。
以上、本発明の一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
以下、上記した実施例とは別の実施例やそれら実施例の変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と、下記変形例及び別実施例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
上記実施例において、第二貫通孔4H2は、座部4において座面4bとその裏面(外表面4a:図7及び図11参照)を貫通する方向(挿入方向Z1)に貫通形成されたものであったが、座面4bとその裏面以外の外表面との双方に開口するものであってもよい。
上記実施例において、被取付部材100は、パネル材とされているが、少なくとも雌ねじ穴101Hが形成されたものであれば、他の部材であってもよい。
上記実施例において、傾斜部2Aは、弾性部2Bの先端から側から座部4側に延び、座部4の第一貫通孔4H1を通過し、座部4から突出した形態をなすが、第一貫通孔4H1の裏側(座面4bの逆側)から第一貫通孔4H1を介してユーザー操作可能な形態となっていれば、他の形態であってもよい。例えば、弾性部2Bの先端から側から上方に延び、座部4の第一貫通孔4H1内に達していなくてもよいし、第一貫通孔4H1内に達するのみで第一貫通孔4H1の上方に突出していなくてもよい。
1 車両用固定部品
10 アンカー部
2 第一弾性片
2C 突起部(係止突起部)
3 柱部
4H1 第一貫通孔
4H2 第二貫通孔(本発明における貫通孔)
4Ha 第二貫通孔の開口
4 座部
4b 座面
4c 第二貫通孔の内壁面
40a 開口の周辺面
4k 内壁突起部
40 座部本体
42 第二弾性片
42A 弾性片主部
42B 押付突出部
42C 打音突出部
42T 開口側端部
43 打音部
44 音発生部
441 押し付け領域
442 打ち付け領域
100 被取付部材
101H 雌ねじ穴
101a 雌ねじ穴の挿入口周辺面

Claims (4)

  1. 所定の被取付部材の雌ねじ穴に固定される車両用固定部品であって、
    雌ねじ穴内に挿入される柱部と、前記柱部に接近する弾性変形が可能に設けられ、当該弾性変形を伴う形で前記柱部と共に該雌ねじ穴内に挿入される第一弾性片と、を有したアンカー部と、
    前記柱部の前記雌ねじ穴に対する挿入方向の後端側に設けられ、前記アンカー部が前記雌ねじ穴内に所定深さまで挿入された際に該雌ねじ穴の挿入口周辺面と当接して挿入されない座部と、
    を備え、
    前記第一弾性片は、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に該雌ねじ穴の複数のねじ山を乗り越え、乗り越えた先で弾性復帰して該雌ねじ穴のねじ溝内に進入し、乗り越えたねじ山に係止される係止状態となる係止突起部を有し、
    前記座部は、
    前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面と対向する座面とそれ以外の外表面との双方に開口する貫通孔が設けられた座部本体と、
    前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面によって前記貫通孔内を前記座面側とは逆の開口側に押し出される弾性変形を生じる第二弾性片と、
    前記第二弾性片に設けられ、前記柱部及び前記第一弾性片が前記雌ねじ穴内を所定進入位置まで進入して前記係止状態となる組み付け完了の際に、前記貫通孔の内壁面と接触して音を発生させる打音部と、
    を有することを特徴とする車両用固定部品。
  2. 前記第二弾性片は、前記組み付け完了の状態において、前記貫通孔の前記座面とは異なる外表面側の開口側に位置する端部が、該開口の周辺面に対し面一となる、あるいは該周辺面よりも外に突出する請求項1に記載の車両用固定部品。
  3. 前記第二弾性片は、
    前記座部本体から前記貫通孔の内側に向けて突出形成され、先端側を該貫通孔の前記座面側からその裏面側に向けて移動させる弾性変形が可能な弾性片主部と、
    前記弾性片主部から突出形成され、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記挿入口周辺面によって前記挿入方向とは逆向きに押し付けられることにより前記第二弾性片全体を前記座面側とは逆の開口側に押し出す押付突出部と、
    前記弾性片主部から前記押付突出部とは別に突出形成され、先端側に前記打音部を有し、前記アンカー部が前記雌ねじ穴に挿入される際に前記押付突出部及び前記挿入口周辺面と非接触となるよう形成された打音突出部と、
    を有する請求項1又は請求項2に記載の車両用固定部品。
  4. 前記第二弾性片は、前記組み付け完了の状態において、前記挿入口周辺面を押し付けるよう弾性変形した状態に維持されることにより、部品全体に対し前記雌ねじ穴から抜き出す方向の力を継続的に与えている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用固定部品。
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