JP5290130B2 - クリップ - Google Patents

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本発明は、クリップに関するものである。
自動車のフロントあるいはリアのガラスと車体パネルとの間の隙間には装飾用のモールが取付けられることがある。このようなモールの取付けの際には、樹脂クリップを用いてなされることが多い。例えば、フロントガラスが装着される窓枠部における縦壁部分にはリベット等による係止軸を適当間隔毎に突設しておき、この係止軸を利用してクリップの固定を行なうようにする形式が知られている。そのような形式として、下記特許文献1を挙げることができる。
特開2001−328425号公報
上記した先行技術に開示されたクリップの取り付け作業は、クリップを窓枠部の縦壁に沿わせながら係止軸へ向けて押し込むことによってなされる。クリップにおいて縦壁と対向する基板には、下縁側へ開口するようにして装着孔が形成されていて、クリップの押し込みに伴って装着孔内へ係止軸を導き入れるようにしている。また、装着孔内の入口部分には一対の抜け止め爪が対向して設けられ、通常時には先端同士の間隔を狭めるようにして斜めに突出して設けられている。係止軸が進入する過程で、両抜け止め爪は係止軸によって拡開方向へ撓ませられ、係止軸が完全に装着孔内へ導入される過程で弾性復帰する。かくして、係止軸は両抜け止め爪の先端によって突き当てられた状態となり、抜け止めがなされ、これによってクリップの取り付け作業が完了する。
ところで、係止軸が装着孔内へ導入される過程の後半では、両抜け止め爪は最も拡開変形した状態から徐々に復帰変形するのであるが、その間は両抜け止め爪の先端は係止軸の外周面に摺接した状態が継続し、そのまま最終の係止位置へと至る。ここで、クリップの取り付け作業がなされる間の挿入抵抗を考えると、両抜け止め爪が係止軸に当たり始めてから挿入抵抗を徐々に増してゆき、最大の撓み位置においてピークを迎える。その後はクリップの組み付け完了に至るまでの間、挿入抵抗を徐々に減じてゆく。このように、従来のものでは、挿入抵抗が徐々に減じてゆくため、作業者はいつの時点で取り付け作業が完了したのかが判然としない。したがって、クリップの押し込み作業が不完全のまま終えられてしまう虞があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、クリップの取り付け作業の完了時期を作業者に把握させることができるクリップを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、被装着物を保持した状態で車体パネルへ固定するためのクリップであって、前記クリップが前記車体パネルのクリップ装着面に沿う方向から組み付けられたときに前記クリップ装着面と対向する基板と、この基板に開口し前記クリップの組み付け時に前記クリップ装着面から前記基板と対向する側へ向けて突出する係止軸を受け入れ可能な装着孔の入口部分に設けられ、前記クリップの組み付け動作に伴って拡開変形し、組み付け完了に伴って復帰して前記係止軸を前記装着孔から抜け止めした状態で係止する少なくとも一対の抜け止め爪と、前記クリップの組み付け動作に伴い、前記抜け止め爪の拡開変形開始から遅れて弾性変形を開始し、前記抜け止め爪が前記係止軸に係止するまでの間に前記係止軸に対し弾性変形した状態で摺接することによって摩擦抵抗を発生する抵抗アームとを備えてなり、前記係止軸のうち前記抵抗アームと対向する部位には前記クリップの組み付け方向とほぼ直交する方向の段差が設けられ、前記クリップの組み付け完了時に前記抵抗アームをこの段差へ向けて弾性復帰させて前記摩擦抵抗の解放を行なう構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記基板との間に前記被装着物の一部が挿入される空間を介して対向する保持板を有し、前記空間へは前記被装着物が挿入可能になっており、かつ、前記抵抗アームはその幅方向両側において前記保持板の上縁からスリットが切り込まれることによって、弾性撓みが許容されるとともに、このスリットは前記保持板側から見たときに前記係止軸の一部を露出させる溝幅に形成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記抵抗アーム前記段差に係止することで、前記クリップが組み付け方向と逆方向へ変位するのを規制可能となっているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記係止軸は、前記クリップ装着面に開口する挿入孔を貫通する金属製の軸本体とこの軸本体の外周部を取り囲むようにして設けられ前記挿入孔の孔縁との間のシールを行なう樹脂製のシール部材とからなり、前記シール部材には前記段差が形成され、また前記軸本体のうち前記抵抗アームと対向する面には露出面が形成される一方、前記抵抗アームは、前記段差へ向けて弾性復帰するときに前記露出面に形成された被叩打面を叩打するところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、クリップをクリップ装着面に沿った方向から組み付け操作を行うと、係止軸が装着孔の入口から内部に進入する。このとき、係止軸は対をなす抜け止め爪を拡開方向へ変形させながら装着孔の内部へ入り込んでゆき、係止軸が抜け止め爪を通過すると抜け止め爪が復帰する。これによって、抜け止め爪によって係止軸が抜け止めされた状態で係止し、クリップの組み付け作業が完了する。
上記の抜け止め爪の拡開変形する間、抜け止め爪の変形に遅れて抵抗アームが係止軸に撓み変形した状態で摺接するため、作業者は抜け止め爪の撓み変形に伴う抵抗に加えて抵抗アームの撓み変形に伴う抵抗が付加される。しかし、クリップの組み付け完了時には少なくとも抵抗アームが段差へ向けて復帰変形することで抵抗が一気に低下するため、作業者はこの抵抗の急激な変化を感じて組み付け作業が完了したことを体感することができる。
<請求項2の発明>
クリップが抜け止め爪によって係止されている状況は保持板によって覆われているため、容易には視認しえない。しかし、請求項2の発明のように、抵抗アームを形成するために、保持板にスリットを形成することで、このスリットを通して係止軸の先端部の位置を外部から視認することができる。このため、外観によって係止軸とクリップとの係止状況を確認することができる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、クリップは抜け止め爪と係止軸との係止力に加え、抵抗アームの係止力も付加されるため、クリップの抜き荷重をさらに高めることができる。
<請求項4の発明>
抵抗アームが段差面へ向けて復帰変形するときに、金属製の被叩打面を叩いて打音が発生するため、作業者は節度感の体感とともに打音を聞いてクリップの組み付けが完了したことを知ることができる。
クリップの装着状態を示す側断面図 クリップの正面図 クリップの背面図 クリップの平面図 係止軸がパネルに取付けられた状態を示す側断面図 (a)〜(c)は係止軸に対する抜け止め爪の係止動作を示す動作説明図 抵抗アームの係合途上の状態を示す側断面図 挿入抵抗と組み付けストロークとの関係を示すグラフ 本発明の参考例に係るクリップの背面図
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて具体的に説明する。図1は、自動車のフロントガラス(以下、単にガラスGという)が装着される窓枠部1を示している。窓枠部1はガラスGが嵌め入れられる開口部2を有している。この開口部2には、上壁3の開口縁から車室側へ向けて縦壁4が屈曲して形成され、ガラスGの周面に沿って対向している。縦壁4の底縁(車室内側の縁)からは所定幅の底壁5が全周に沿って内向きに張り出し形成されている。
縦壁4においてガラスGと対向する側の面は、クリップCを装着するためのクリップ装着面6となっていて、ここにはクリップCの装着に先立って係止軸SがガラスG側へ向けて突設されている。係止軸Sはクリップ装着面6の周方向に沿って適当間隔毎に複数本が配置されている。
係止軸Sは、金属製(例えばアルミ合金製)の軸本体7と、この軸本体7に被せ付けられ良好な柔軟性を有する樹脂製のシール部材8とから構成されている。軸本体7は公知のブラインドリベットが使用されている。ブラインドリベットは、よく知られるように、インナー部材7Aとアウター部材7Bとから構成されている。係止軸Sは、軸本体7にシール部材8を被せ付けた状態でクリップ装着面6に形成された挿入孔9へ、ガラスGが設けられる側から挿通される。その後、抜け止めのための作業がなされる。この作業では、係止軸Sのうち挿入孔9へ差し込まれた部分に対して軸方向へ圧縮力が加えられる(現実には、インナー部材7AをガラスG側から軸方向に沿って引っ張り力を加えることによってなされる)。これに伴い、挿入孔9の裏側(車室側)では圧潰によって膨出した部分が形成される。かくして、係止軸Sは上記膨出した部分と、シール部材8において円筒状をなして形成されたストッパ部8Aとの間で縦壁4を強く挟持して全体の固定がなされる。
軸本体7におけるアウター部材7Bの一端側(ガラスG側)はフランジ部7Cが張り出している。一方、シール部材8の端部にはフランジ部7Cを収容するための収容凹部10が同心で凹み形成されている。収容凹部10はフランジ部7Cを、やや内方へ引っ込んだ状態で収容する深さを有している。フランジ部7Cは軸方向に露出した状態で収容される。この露出した面は、後述するように、クリップCの取付けが完了するときにクリップCの抵抗アーム11によって叩打される被叩打面14となる。
シール部材8において、収容凹部10を形成している部分の外周部は鍔部8Bとなって張り出している。この鍔部8Bはストッパ部8Aから連続して形成され、かつストッパ部8Aより大径の円盤状に形成されている。この鍔部8Bにおいて、ガラスGの周面と対向する側の面は外周縁側から内周縁側に向けて上り勾配となる摺接面12が形成されている。クリップCが係止軸Sに対して装着されるときには、図5に示すP矢視方向(ほぼクリップ装着面6に沿う方向)からなされるのであるが、この間においてクリップCの抵抗アーム11は摺接面12の外周縁側に当接した後、その勾配に沿いつつ撓み変形し、クリップCが正規に装着された時点で収容凹部10の孔縁10Aに係止する。収容凹部10の孔縁10Aは、摺接面12に対しクリップCの組み付け方向と直交する方向に延出し、本願発明における「段差」としての機能を果たす部位である。
次に、クリップCの構成について説明する。クリップCは合成樹脂材によって一体に形成されている。クリップCはクリップ装着面6と対向する基板13を有している。基板13は幅方向に長い長方形状に形成され、その中央部には係止軸Sを装着するための装着孔15が開口している。この装着孔15は基板13の下縁側へ開放していて、クリップCが図5のP矢視方向から組み付けられるときに、係止軸Sを下縁側から受け入れ可能としている。また、装着孔15は下部側に略方形状をなす導入部15Aとこの導入部15Aの上部側に連通して形成された円形状をなす係止部15Bとからなっている。但し、この係止部15Bの孔径はシール部材8のストッパ部8Aの外周径とほぼ等しくしてある。
導入部15Aの入口部分には、片持ち状に形成された一対の抜け止め爪16が対向して設けられている。両抜け止め爪16は係止部15Bのほぼ中心部へ向け先端同士が接近するよう斜めに延びており、相互に拡開する方向へ撓み変形可能である。そして、係止軸Sが係止部15Bとほぼ同心となる位置にまで導入されたときに、両抜け止め爪16の先端がシール部材8のストッパ部8Aの外周面に突き当てられ、これによってクリップCの抜け止めがなされる。
クリップCは、基板13とはガラスG側へ所定の空間を保有しつつ同幅をもって対向する保持板17を有している。基板13と保持板17とは下縁部同士及び幅方向両側端縁同士が連結されている。また、基板13と保持板17との間における幅方向中央部には、幅方向へ離間した位置に一対の仕切り壁18が縦向きに設けられている。このことによって、基板13と保持板17との間には左右一対のモール収容室19が区画されている。両モール収容室19は上方に開口し、装飾用のモールM(被装着物)の一部(モールMの本体部分から一体かつ離間した位置に垂下形成された図示しない係止脚片)をそれぞれ収容可能である。なお、保持板17の高さ方向ほぼ中央部には、両モール収容室19に対応するほぼ全幅に亘って係止溝20が開口している。係止溝20は上記した図示しない係止脚片を係止させてモールMの抜け止めを行なうことができる。
前記両仕切り壁18は基板13側の導入部15Aにおける縦向きの両開口縁にそれぞれ沿うようにして形成されており、基板13の下縁から上縁に至る全高さ範囲に亘って形成されている。両仕切り壁18の上部は両モール収容室19の入口部分を拡開するようにして、つまり相互に接近する方向に屈曲して形成されている。この屈曲部分は係止脚片(図示しない)をモール収容室19へ誘導するための誘導面21となっている。
保持板17において両仕切り壁18に挟まれた領域(中央壁部22)は、その幅方向外側の領域(両モール収容室19に対応する領域)よりもやや高めに形成されている。両仕切り壁18の上端面は基板13側から中央壁部22側に向けて下り勾配の傾斜面18Aが形成されている。中央壁部22の上端縁はこの傾斜面18Aに連続して円弧面22Aが形成されている。
中央壁部22の上縁部における幅方向中央部には、幅方向へ離間した位置に一対のスリット23が縦向きに切り込み形成されている。このことによって、両スリット23間にはガラスG側へ向けて撓み変形可能な抵抗アーム11が形成される。抵抗アーム11は基板13側の装着孔15における係止部15Bと対向して配置されている。抵抗アーム11の上端には爪部11Aが内向きに突出して形成されている。この爪部11Aは、クリップCの取付け作業の後半(図6の(b)の状態のほぼ直後)からシール部材8の摺接面12への当接が開始される。以後も、抵抗アーム11は取り付け作業の進行にしたがって撓み量を増しながら摺接面12およびこれに連続する平坦面24に対する摺接状況を継続する。そして、クリップCの取り付け作業が完了(図6の(c)の状態)した時点で、爪部11Aは平坦面24を通過して収容凹部10の孔縁10Aに到達すると、抵抗アーム11は一気に弾性復帰して、係止軸Sの被叩打面14を叩打するとともに、収容凹部10の孔縁10Aである段差に係止するようになっている。
なお、抜け止め爪16の上端面にも、中央壁部22の上端縁に形成された円弧面22Aと同様の円弧面11Bが形成されている。
次に、上記のように構成された本実施形態のクリップCを用いてモールMを装着する作業例を説明する。クリップCの取り付けに先立って、係止軸Sは既述したような要領で窓枠部1の縦壁4に固定される。
その後、クリップCをクリップ装着面6に沿わせつつ装着孔15の導入部15Aの入口部分を係止軸Sに適合させる。この状態で、クリップCに対して押し下げ力を作用させると、抜け止め爪16は係止軸S(詳しくはストッパ部8A)の外周面に当接しクリップCの押し下げ動作の進行に伴って徐々に拡開変形する。この間、クリップCの組付け抵抗は図6(b)に示すように、抜け止め爪16が最も拡開変形した時点へ向けて徐々に増加してゆく。そして、さらにクリップCの押し下げが進行し係止軸Sが装着孔15の係止部15Bへとより深く進入してゆくと、抜け止め爪16は係止軸Sの直径部分を通過することから、係止軸Sの外周面に摺接しつつも徐々に弾性復帰してゆく。このため、組付け抵抗は図6(b)の時点をピークとして徐々に減少してゆく。
一方、クリップCの組付け作業の後半において、抜け止め爪16の撓み量が最大となった時点を過ぎて暫くすると、抵抗アーム11が係止軸Sの摺接面12の外周縁部に当接し、その後、抵抗アーム11は摺接面12の勾配に沿って徐々に撓み量を増加してゆく。この間、抵抗アーム11の爪部11Aが摺接面12に摺接することから、抵抗アーム11の撓み量の増加と共に抵抗アーム11による組付け抵抗も徐々に増加してゆく。したがって、作業者は、抜け止め爪16による組付け抵抗と抵抗アーム11による組付け抵抗とが合算された抵抗を感じる。抵抗アーム11による組付け抵抗は爪部11Aがシール部材8の平坦面24を通過する僅かな間にピークを迎えるが、このときのピークは抜け止め爪16による組み付け抵抗のピークよりは低くなるように設定されている。
かくして、係止軸Sが抜け止め爪16を通過して装着孔15の係止部15B内へと完全に進入すると、両抜け止め爪16はほぼ自然状態にまで復帰してそれぞれの先端部が係止軸Sの外周面に突き当たった状態となる(図6(c)状態)。これにより、クリップCは係止軸Sに対して抜け止めされた状態で取り付けがなされる。このようにしてクリップCの取り付け作業が完了した時点では、ほぼ同時に抵抗アーム11の爪部11Aがシール部材8の平坦面24を通過するため、抵抗アーム11は一気に弾性復帰する。これにより、爪部11Aは金属製の被叩打面14を叩いて打音を発生させるとともに、収容凹部10の孔縁10Aに係止する。したがって、クリップCは抜け止め爪16による係止と併せて抵抗アーム11による係止が加わった二重の係止構造が実現されるため、クリップCの抜け止め力を増強することができる。
ところで、抵抗アーム11は爪部11Aが摺接面12の勾配に沿って変位する間、徐々に摩擦抵抗が増してゆくが、平坦面24を通過して一気に弾性復帰するため、このときに摩擦抵抗から急速に解放される。したがって、作業者はこのときに感じる組付け抵抗の急激な低下によって、クリップCの組付け作業が正規に終了したことを体感することができる。このため、クリップCの取り付けが不完全な状態のままに終了してしまう事態を回避することができる。
また、クリップCが係止軸Sに正規に組み付けられた状態では、係止軸Sの先端部側(被叩打面14側)がスリット23を通して露出している。このため、係止軸Sの位置を両スリット23を通して覗き見ることができるため、クリップCの取り付け作業が完了した後においても、クリップCと係止軸Sとの位置関係を確認することによって、クリップCが正規装着状態にあるか否かを外観視によって確認することもできる。
以上のような要領で、各係止軸Sに対するクリップCの取り付け作業を終えたら、モールMの図示しない係止脚片を対応するモール収容室19へと差し込んで抜け止め状態とすれば、モールMの取り付け作業が完了する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、抵抗アーム11は弾性復帰した際に係止軸Sに対して係止するようにしたが、係止を伴うことなく弾性復帰するようにしてもよい。例えば、抵抗アーム11の先端のうち段差部分に引っ掛かる部分をテーパ面とし、クリップCを組み付け方向と反対側へ変位させれば、そのまま引っ掛かりが解除されるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、両抜け止め爪16は係止軸Sに対して最大に撓んだ状態から係止完了に至るまでの間、係止軸Sの外周面と摺接し続け、急速に弾性復帰しないが、抜け止め爪16が急速復帰して係止軸Sに係止するような形式を否定するものではない。
(3)上記実施形態では係止軸Sを、金属製の軸本体7と樹脂製のシール部材8とからの二部材構成としたが、金属製の軸本体7による単一構成とし、これをクリップ装着面6に溶接によって取付けるようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、抵抗アーム11を係止軸Sの軸方向に沿って撓み変形をするようにした場合を例示したが、径方向に撓み変形をするような形態も考えられる。
<参考例>
図9は、本発明の参考例に係るクリップC’を背面側から見た図である。参考例に係るクリップC’は抜け止め爪16が形成されておらず、基板113には装着孔115のみが開口している。クリップC’の抜け止めは抵抗アーム111の爪部111Aが係止軸Sに係止することによってのみなされる。勿論、この場合には、爪部111Aと係止軸Sとは必要な抜け止め強度を得るために、充分な係止代が確保されねばならない。抵抗アーム111の急速な弾性復帰に伴う組み付け抵抗の急激な低下を生じさせる点については、参考例も同様である。
C…クリップ
M…モール(被装着物)
S…係止軸
6…クリップ装着面
7…軸本体
8…シール部材
10A…収容凹部の孔縁(段差)
11…抵抗アーム
11A…爪部
13…基板
14…被叩打面
15…装着孔
16…抜け止め爪
17…保持板
23…スリット

Claims (4)

  1. 被装着物を保持した状態で車体パネルへ固定するためのクリップであって、
    前記クリップが前記車体パネルのクリップ装着面に沿う方向から組み付けられたときに前記クリップ装着面と対向する基板と、
    この基板に開口し前記クリップの組み付け時に前記クリップ装着面から前記基板と対向する側へ向けて突出する係止軸を受け入れ可能な装着孔の入口部分に設けられ、前記クリップの組み付け動作に伴って拡開変形し、組み付け完了に伴って復帰して前記係止軸を前記装着孔から抜け止めした状態で係止する少なくとも 一対の抜け止め爪と、
    前記クリップの組み付け動作に伴い、前記抜け止め爪の拡開変形開始から遅れて弾性変形を開始し、前記抜け止め爪が前記係止軸に係止するまでの間に前記係止軸に対し弾性変形した状態で摺接することによって摩擦抵抗を発生する抵抗アームとを備えてなり、
    前記係止軸のうち前記抵抗アームと対向する部位には前記クリップの組み付け方向とほぼ直交する方向の段差が設けられ、前記クリップの組み付け完了時に前記抵抗アームをこの段差へ向けて弾性復帰させて前記摩擦抵抗の解放を行なうことを特徴とするクリップ。
  2. 前記基板との間に前記被装着物の一部が挿入される空間を介して対向する保持板を有し、前記空間へは前記被装着物が挿入可能になっており、
    かつ、前記抵抗アームはその幅方向両側において前記保持板の上縁からスリットが切り込まれることによって、弾性撓みが許容されるとともに、このスリットは前記保持板側から見たときに前記係止軸の一部を露出させる溝幅に形成されていることを特徴とする請求項1記載のクリップ。
  3. 前記抵抗アーム前記段差に係止することで、前記クリップが組み付け方向と逆方向へ変位するのを規制可能となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクリップ。
  4. 前記係止軸は、前記クリップ装着面に開口する挿入孔を貫通する金属製の軸本体とこの軸本体の外周部を取り囲むようにして設けられ前記挿入孔の孔縁との間のシールを行なう樹脂製のシール部材とからなり、前記シール部材には前記段差が形成され、また前記軸本体のうち前記抵抗アームと対向する面には露出面が形成される一方、
    前記抵抗アームは、前記段差へ向けて弾性復帰するときに前記露出面に形成された被叩打面を叩打することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のクリップ。
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