JP2019112575A - 水性インキ組成物、および発光機能膜 - Google Patents

水性インキ組成物、および発光機能膜 Download PDF

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二郎 千阪
鬼久保 俊一
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俊一 鬼久保
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Shuichi Kimura
秀一 木村
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Abstract

【課題】 本発明は、高い安定性を有し、ムラや滲みの無い綺麗な画像やパターンを形成可能としつつ、量子ドットの発光特性にも高い耐久性を付与可能な水性の量子ドット含有の水性インキ組成物を提供すること、さらに、それを用いて、高精細で発光特性に優れた印刷物やコート物、さらには、波長変換カラーフィルターを提供することを目的とする。【解決手段】 半導体ナノ粒子(A)とリガンド(B)から成る量子ドット(C)と、液状媒体100質量%中に50質量%以上の水を含む液状媒体(D)とを含む水性インキ組成物であって、前記リガンド(B)が、特定のチオール基、ジスルフィド基、置換のホスフィン構造、および、置換のホスフィンオキシド構造と、特定の親水性の官能基とを有する化合物を少なくとも一種含むことを特徴とする水性インキ組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、量子ドットを含有する水性インキ組成物、および、該水性インキを用いて形成された発光機能膜に関する。
4K・8K解像度の超高精細画質テレビ(UHDTV)が満たすべき仕様についての国際規格次世代の放送規格としてBT.2020(Broadcasting service (Television) 2020)が策定されている。BT.2020は実在する物体色の色空間のうち、99.9パーセントを再現する様に設定されているが、そのような色域を従来のバックライトとカラーフィルタを用いた液晶では再現が困難である
BT.2020の色域を達成可能とする材料として量子ドットが注目されている。量子ドットは、ナノスケールの小さな粒子であり、原子又は分子的な挙動と巨視的固体(バルク形態)の挙動との中間的な挙動を示す。電荷キャリア及び励起子が3次元の全ての方向に閉じ込められたナノスケールの材料(半導体ナノ粒子)は、量子ドットと呼ばれ、サイズの減少にともない、有効なバンドギャップが増大する。即ち、量子ドットのサイズが小さくなると、その吸収と発光がより短波長側へ、言い換えれば赤色方向から青色方向へとシフトする。また、量子ドットの組成とサイズとを組み合わせて制御することにより、赤外領域から紫外領域までの広範囲のスペクトルを得ることができ、更にサイズ分布を制御することにより、半値幅の狭い、色純度に優れたスペクトルを得ることができる。
そこで、近年、これらの特性を生かして、発光材料として半導体ナノ結晶からなる量子ドットを用いた、量子ドット型の有機EL素子が提案されている(特許文献1〜3)。
また、量子ドットを含んだ膜を波長(色)変換フィルターやバックライト光源に活用することも提案されている。
特開2013−531883号公報 特開2011−195810号公報 特開2004−172102号公報
量子ドットは極めて高価であることから材料の利用効率の高い製造方法が望まれており、その代表的な方法としてインクジェット印刷が挙げられる。量子ドットは、通常疎水性のリガンドで覆われているため、疎水性の有機溶剤に分散された状態で用いられる。そのため、量子ドットを含有する従来のインクジェットインキは、基本的には有機溶剤含有の油系であった。そこで、特別な防爆仕様の作業環境を必要とせず、環境負荷の低減の点から、量子ドットを含有するインクの水系化が望まれている。
しかし、インクジェットインキを水性化することは、インキの保存安定性、非吸収基材上でも高精細性な画像形成の点から難しく、未だに性能が不十分である。また、ディスプレイ向けに非吸収性の基材に対してインクジェット方式で印刷する場合、水性インクジェットインキは溶剤インクジェットインキと違い、着弾した液滴が難吸収性基材上で濡れ広がり難いので、ムラが発生しやすいという課題が有る。
また、水性インクジェットインキは溶剤インクジェットインキに比して、着弾後乾燥に時間がかかるために、インキ液滴が乾燥するまでに長い時間が必要となる。このため、滲みが発生しやすく、綺麗な画像やパターンを形成する事が困難となる。IRヒーターなどで加熱しながら印刷する方法も行われているが、インクジェットのヘッド詰まりの原因となるため、有用とは言えず、根本的な解決が求められていた。
本発明は、高い安定性を有し、ムラや滲みの無い綺麗な画像やパターンを形成可能としつつ、量子ドットの発光特性にも高い耐久性を付与可能な水性の量子ドット含有の水性インキ組成物を提供すること、さらに、それを用いて、高精細で発光特性に優れた印刷物やコート物、さらには、波長変換カラーフィルターを提供することを目的とする。
[1] 半導体ナノ粒子(A)およびリガンド(B)から成る量子ドット(C)と、液状媒体100質量%中に50質量%以上の水を含む液状媒体(D)とを含む水性インキ組成物であって、
前記リガンド(B)が、下記一般式(1)〜(4)の何れかで表される化合物を少なくとも一種含むことを特徴とする水性インキ組成物。


一般式(1)〜(4)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、
1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−OH、−COO、−PO(O、−O−PO(O)、−SO 、−OSO 、−NH、−COONH、および−N101 、−NO、および、−CNからなる群より選ばれる親水基で置換されているものであるか、
1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−(O−CYCY−R103で置換されているものであり、
前記親水基における、
は、一価のカチオンであり、H、Li、Na、K、および、(N102 )、を表す、
は、一価のアニオンであり、F、Cl、Br、I、(ClO、(R102COO)、および、(R102SOを表す。
さらに、R101は、それぞれ独立に、水素原子、および、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、
102は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、複数のR101、および、R102は、同一でも異なっていても良い。
からYは、それぞれ独立に水素原子、または前記親水基を表し、
103は、水素原子、または前記親水基を表し、mは1〜16の整数を表す。
[2] リガンド(B)が下記一般式(3)で表される、[1]記載の水性インキ組成物。
[3] 一般式(1)〜(4)におけるR〜R中の置換基を除く1価の脂肪族炭化水素基の炭素数が3以上である、[1]または[2]記載の水性インキ組成物。
[4] 一般式(1)〜(4)におけるR〜R中の置換基を除く1価の脂肪族炭化水素基の炭素数が5以上である、[1]〜[3]いずれか記載の水性インキ組成物。
[5] 親水基が、−OH、−COO、−PO(O、−O−PO(O)、―SO 、−OSO 、−NH、−COONH、または、−N101 から選ばれる、[1]〜[4]いずれか記載の水性インキ組成物。
[6] 液状媒体(D)が、常圧での沸点が100℃以上である水溶性有機溶剤として、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤とアルコール溶剤とを含む、[1]〜[5]いずれか記載の水性インキ組成物。
[7] 前記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤が、一般式(5)で表される溶剤である、[6]記載の水性インキ組成物。
10(OR11ZOR12・・・(5)
(式中、R11はエチレン基又はプロピレン基又はブチレン基、R10、R12はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
[8] 前記アルコール溶剤が、表面張力が50mN/m以下のアルカンジオールである、[6]または[7]記載の水性インキ組成物。
[9] 前記アルカンジオールが、炭素数6以下の1,2−アルカンジオールである、[8]記載の水性インキ組成物。
[10] さらにバインダー樹脂(E)を含む、[1]〜[9]いずれか記載の水性インキ組成物。
[11] さらに常圧での沸点が100℃以上である水溶性有機溶剤として、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系の溶剤を少なくとも含む、[6]〜[10]いずれか記載の水性インキ組成物。
[12] [6]〜[11]記載の水性インキ組成物で形成された発光機能膜。
本発明により、高い安定性を有し、ムラや滲みの無い綺麗な画像やパターンを形成可能としつつ、量子ドットの発光特性にも高い耐久性を付与可能な水性の量子ドット含有の水性インキ組成物を提供することができ、さらに、それを用いて、高精細で発光特性に優れた印刷物やコート物、さらには、波長変換カラーフィルターを提供することができる。
本発明の水性インキ組成物は、半導体ナノ粒子(A)とリガンド(B)から成る量子ドット(C)と、少なくとも50質量%以上の水を含む液状媒体(D)とを含むものであり、
前記リガンド(B)が後述の一般式(1)〜(4)の何れかで表されるリガンドを少なくとも一種含むことを特徴とする水性インキ組成物である。
<半導体ナノ粒子(A)>
半導体ナノ粒子(A)の材質としては、炭素(C)(不定形炭素、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、ダイアモンド等)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、錫(Sn)等の周期表第IV族元素の単体、リン(P)(黒リン)等の周期表第V族元素の単体、
セレン(Se)、テルル(Te)等の周期表第VI族元素の単体、
酸化錫(IV)窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第III族元素と周期表第V族元素との化合物、
硫化アルミニウム(Al)、セレン化アルミニウム(AlSe)、硫化ガリウム(Ga)、セレン化ガリウム(GaSe、GaSe)テルル化ガリウム(GaTe、GaTe)、酸化インジウム(In)、硫化インジウム(In、InS)、セレン化インジウム(InSe)、テルル化インジウム(InTe)等の周期表第III族元素と周期表第VI族元素との化合物、
酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第II族元素と周期表第VI族元素との化合物、
酸化銅(I)(CuO)等の周期表第I族元素と周期表第VI族元素との化合物、
塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第I族元素と周期表第VII族元素との化合物などが挙げられ、必要によりこれらの2種以上を併用しても良い。
なお、周期表第II族元素と周期表第VI族元素との化合物をII−VI族半導体と称したり、周期表第III族元素と周期表第V族元素との化合物をIII−V族半導体と称したりする。
これらの材料には、構成元素以外の元素が含有されていても構わない。
例えばIII−V族を例にとれば、InGaP、InGaNの様な合金系であってもよい。また上記材料中に、希土類元素あるいは遷移金属元素がドープされた半導体ナノ粒子も使われる。例えば、ZnS:Mn、ZnS:Tb、ZnS:Ce、LaPO:Ceなどが挙げられる。
この中でもケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、セレン化ガリウム(GaSe、Ga2Se3)、硫化インジウム(In、InS)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、InGaP、InGaNなどの合金系が好ましく用いられ、特に、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)が特に好ましく用いられる。
さらに、半導体ナノ粒子(A)としては、ペロブスカイト結晶も特に好ましく用いることができる。本発名で言うペロブスカイト結晶は、下記式で表される組成を有し、3次元結晶構造を持つものである。
組成式:A’QX’
上記式において、A’はメチルアンモニウム(CHNH)、および、ホルムアミジニウム(NHCHNH)から選ばれる少なくとも1つであるアミン化合物の1価陽イオンであるか、または、ルビジウム(Rb)、セシウム(Ce)、および、フランシウ(Fr)から選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属元素の1価陽イオンであり、Qは鉛(Pb)および錫(Sn)から選ばれる少なくとも1つである金属元素の2価陽イオンであり、X’はヨウ素(I)、臭素(Br)、および塩素(Cl)から選ばれる少なくとも1つのハロゲン元素の1価陰イオンである。
半導体ナノ粒子(A)は、コアシェル構造を有するものであることが好ましい。コアシェル型の半導体ナノ粒子1はコアを形成する材質と異なる成分からなる材質でコアが被覆されたものである。シェルをバントギャップの大きい半導体をすることで、光励起によって生成された励起子(電子−正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、粒子表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率および蛍光特性の安定性が向上する。また、シェルは複数層あっても良い。さらに、コアとシェル、および、あるシェルと他のシェルの境界は明確であっても濃度勾配を設けて徐々に接合されたグラージェント構造で合っても良い。
<リガンド(B)>
本発明におけるリガンドについて説明する。
前記リガンド(B)は、下記一般式(1)〜(4)の何れかで表される化合物を少なくとも一種含む。

一般式(1)〜(4)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、
1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−OH、−COO、−PO(O、−O−PO(O)、−SO 、−OSO 、−NH、−COONH、および−N101 、−NO、および、−CNからなる群より選ばれる親水基で置換されているものであるか、
1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−(O−CYCY−R103で置換されているものであり、
前記親水基における、
は、一価のカチオンであり、H、Li、Na、K、および、(N102 )、を表す、
は、一価のアニオンであり、F、Cl、Br、I、(ClO、(R102COO)、および、(R102SOを表す。
さらに、R101は、それぞれ独立に、水素原子、および、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、
102は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、複数のR101、および、R102は、同一でも異なっていても良い。
からYは、それぞれ独立に水素原子、または前記親水基を表し、
103は、水素原子、または前記親水基を表し、mは1〜16の整数を表す。
また、R〜Rは、それぞれ同一であっても異なっていても良いが、一般式(2)におけるRとRとRとは同一であることが好ましく、一般式(3)におけるRとRとは同一であることが好ましく、一般式(4)におけるRとRとは同一であることが好ましい。
一般式(1)〜(4)において、PやSと、親水基や−(O−CYCY−R103との間に位置する2価の脂肪族炭化水素基について説明する。
2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖でもよいし、分岐していてもよい。また、飽和でもよいし不飽和でもよい。さらに前記の親水基とは別の置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、F、Cl、Br、および、Iのハロゲン原子、シリル基、トリメチルシリル基、および、トリエチルシリル基などの置換または未置換のシリル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのアリール基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基等のヘテロアリール等が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は3以上が好ましく、5以上がより好ましい。2価の脂肪族炭化水素基の炭素数は18以下であることが好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ドデシレン基等、その他、分鎖状や環状のアルキレン基が挙げられる。
次に前記2価の脂肪族炭化水素基に結合する親水基におけるR101、R102は、前述の通り、それぞれ独立に、水素原子、および、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基である。
炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、および、オクチル基などが挙げられる。複数のR101、R102は、同一でも異なっていても良い。
また、−N101 において、R101は、(R102COO)、(R102SO、または、(R102OSOのR102と連結していても良い。
また、これら炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基は、直鎖でもよいし、分岐していてもよい。また、飽和でもよいし不飽和でもよい。さらに前記の親水基とは別の置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、F、Cl、Br、および、Iのハロゲン原子、シリル基、トリメチルシリル基、および、トリエチルシリル基などの置換または未置換のシリル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのアリール基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基等のヘテロアリール等が挙げられる。
炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基が挙げられる。この中では、アルキル基、および、アルケニル基が好ましく、また、炭素数が3以上であることが好ましく、炭素数が6以上であることが特に好ましい。
炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基のうち、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルへキシル基が挙げられる。
次に前記2価の脂肪族炭化水素基に結合する−(O−CYCY−R103について説明する。
からYは、それぞれ独立に水素、または水素の少なくとも1つが前記親水基で置換され、
103は、水素原子、または前記親水基を表し、mは1〜16の整数を表す。
−(O−CYCY−は、アルキレンオキシド鎖であり、YからYがいずれも水素原子の場合、リガンド(B)はエチレンオキシド鎖を有することとなり、親水基を有さなくても、量子ドット(C)に親水性を付与することが可能となる。親水性向上の観点から、YからYのいずれかが前記親水基であるか、R103が前記親水基であることが好ましい。なお、mが2以上の場合、複数あるYからYの全てが前記親水基である必要はなく、複数あるYからYの一部が前記親水基であればよい。
量子ドット(C)の凝集を抑制する点から、2価の脂肪族炭化水素基の炭素数が3以下の場合、R〜R9の有する前記親水基の数は、1つが好ましく、2価の脂肪族炭化水素基の炭素数が4以上の場合、R〜R9の有する前記親水基の数は、2価の脂肪族炭化水素基の炭素数の1/3(小数点切り上げ)の数以下であることが好ましい。
上記R〜R9が有する親水基は、末端か末端に近い位置に存在することが好ましい。2つ以上に分岐している場合は、最も長い炭素鎖の末端かその末端に近い位置に存在することが好ましい。
一般式(1)〜(4)におけるチオール基、ジスルフィド基、置換のホスフィン構造、および、置換のホスフィンオキシド構造は、親水性が低い一方で半導体表面と相互作用が強い。一方、一般式(1)〜(4)におけるR〜R9は、少なくとも1つの親水基、または、アルキレンオキシド構造を有するため、親水性が高い。この結果、チオール基、ジスルフィド着、置換のホスフィン構造、および、置換のホスフィンオキシド構造が半導体粒子(A)に付着し、親水性のR〜R9が半導体粒子(A)を覆う構造となり、水などと高い親和性を発揮することが出来る。
以下の表1に、一般式(1)〜(4)で表される、前述のリガンド(B)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
































<量子ドット(C)>
本発明における量子ドット(C)は、前述のリガンド(B)で半導体ナノ粒子(A)の表面が処理されたものであり、前記半導体ナノ粒子の表面の少なくとも一部が前述のリガンド(B)により覆われたものである。表面処理の方法としては、例えば半導体ナノ粒子(A)の際に添加することにより、あらかじめ前述のリガンド(B)が化学吸着し表面処理された量子ドットを作成する方法、半導体ナノ粒子(または、すでに別のリガンドで表面処理された量子ドット)とリガンド(B)とを溶剤中で撹拌することで、半導体ナノ粒子の表面にリガンド(B)が化学吸着、物理吸着、または、化学結合し、表面処理することで量子ドットを得る方法。半導体ナノ粒子(または、すでに別のリガンドで表面処理された量子ドット)を遠心沈降などで溶剤をおおよそ取り除いた後、前述のリガンド(B)を含む溶剤に半導体ナノ粒子を再分散させる際に化学吸着、物理吸着、または、化学結合し表面処理された量子ドットを作成する方法などを例としてあげられる。
本発明における量子ドット(C)は、前述のリガンド(B)以外の他の公知のリガンドで一部が表面処理されていても良く、公知のリガンドの具体的な例としては、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、ベンジルチオール;メタンアミン、エタンアミン、プロパンアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン;メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ドデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、オレイン酸、安息香酸;置換又は非置換のメチルホスフィン(例:トリメチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィンなど)、置換又は非置換のエチルホスフィン(例:トリエチルホスフィン、エチルジフェニルホスフィンなど)、置換又は非置換のプロピルホスフィン、置換又は非置換のブチルホスフィン、置換又は非置換のペンチルホスフィン、置換又は非置換のオクチルホスフィン(例:トリオクチルホスフィン(TOP))などのホスフィン;置換又は非置換のメチルホスフィンオキシド(例:トリメチルホスフィンオキシド、メチルジフェニルホスフィンオキシドなど)、置換又は非置換のエチルホスフィンオキシド(例:トリエチルホスフィンオキシド、エチルジフェニルホスフィンオキシドなど)、置換又は非置換のプロピルホスフィンオキシド、置換又は非置換のブチルホスフィンオキシド、置換又は非置換のオクチルホスフィン(例:トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)などのホスフィンオキシド;ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン化合物、又はそのオキシド化合物;ホスホン酸(phosphonic acid)などが挙げられる。
本発明における半導体ナノ粒子(A)および量子ドット(C)の平均粒子径は100nm以下であって、好ましくは0.1〜50nm、さらに好ましくは0.5nm〜20nmである。
ここで言う平均粒子径とは、半導体ナノ粒子(A)、または量子ドット(C)を透過型電子顕微鏡で観察し、無作為に30個のサイズを計測してその平均値を採用した値を指す。この際、量子ドット(C)では、エネルギー分散型X線分析が付帯した走査型透過電子顕微鏡を用いることで、半導体材質部を特定した上で、透過型電子顕微鏡像において電子密度の違いから後述のリガンド(B)に対し半導体ナノ粒子(A)部分は暗く撮像されることを利用し粒径を計測する。
本発明の水性インキ組成物は、量子ドット(C)はインキ中に0.1〜10質量%含まれることが好ましい。
<液状媒体(D)>
本発明における液状媒体(D)は、25℃で液状のものを言い、少なくとも50質量%以上の水を含む。
一種以上の水溶性有機溶剤を併用しても良い。本発明の水性インキ組成物は、量子ドット(C)が液状媒体(D)に分散しているものなので、水溶性有機溶剤は厳密には「溶剤」とは言えないが、簡略化のために「溶剤」と称することとする。
水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、テトラブチルアルコールなどのアルコール系溶剤、アセトン、および、ダイアセトンアルコールなどのケトン系溶剤、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、プリン、キナゾリン、および、プテリジンなどの含窒素芳香族系溶剤、さらに、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類、その他、テトラヒドロフラン、モルホリン、および、後述の水溶性有機溶剤が挙げられ、これらの溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできる。
水溶性有機溶剤は常圧での沸点が100℃以上であることが好ましい。難吸収性基材への印刷を行う観点で、本発明では、常圧での沸点が100℃以上の水溶性有機溶剤として、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤とアルコール溶剤を含む事が好ましく、常圧での沸点が100℃以上300℃以下が更に好ましく、常圧での沸点が180℃以上250℃以下が最も好ましい。常圧での沸点が100℃以上のものを用いることにより、インクジェットヘッドノズル上でのインキの乾きを抑制し、インキ液滴を吐出安定性を向上できる。常圧での沸点が300℃以下のものを用いることにより、基材上でのインキの乾燥性が向上し、印刷物のブロッキングを効果的に抑制できる。
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤
本発明において、前記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤は、下記式(6)で表される溶剤であることが好ましい。
10(OR11ZOR12・・・(6)
(式中、R11はエチレン基又はプロピレン基又はブチレン基、R10、R12はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
前記、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤を添加する理由としては、インキ自体の表面張力を下げることで、難吸収性基材上でのインキ液滴の濡れ広がりを改善する事が目的である。(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤は、表面張力が低い溶剤が多い為、界面活性剤を添加せずに少量の溶剤添加でインキの表面張力を下げる事が容易である。添加する(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤としては、溶剤自体の表面張力が35mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以下であることが最も好ましい。溶剤自体の表面張力が35mN/m以上であると、インキの表面張力を落とす為に必要な溶剤添加量が多くなると共に、インキ自体の乾燥性能が低下する為、ドット融着を引き起こし印刷物画質劣化に繋がる。
式(6)に該当する有機溶剤としては、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル類、ペンタエチレングリコールジアルキルエーテル類、ヘキサエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールジアルキルエーテル類、テトラプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジブチレングリコールジアルキルエーテル類等のグリコールエーテル類であり、具体的にはエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジペンチルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジペンチルエーテル、トリエチレングリコールジヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジプロピルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル等がある。なかでも、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが好ましい溶剤である。
アルコール溶剤
前記アルコール溶剤を添加する理由としては、式(6)で表される(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤は水溶性溶剤ではあるものの曇点を有する溶剤が多く、インキ保存時にて溶剤と水の分離が見られる。そこで、アルコール溶剤を(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤と水を仲介する溶剤として添加する事により相溶化でき、分離を効果的に抑制出来る。
アルカンジオール溶剤
本発明において前記アルコール溶剤は、アルカンジオールを含むことが好ましい。アルカンジオールが好ましい理由としては、常圧での沸点が100℃以上で表面張力が低い溶剤が多い為である。トリオールやテトラオールでは常圧での沸点や溶剤自身の表面張力が高すぎる為、インキ液滴の乾燥性や難吸収基材上でのインキの濡れ広がり性能が悪化してしまいドット融着を引き起こしてしまう為、好ましくない。
更にアルカンジオールとしては、表面張力が50mN/m以下のアルカンジオールが好ましく、40mN/m以下のアルカンジオールが更に好ましく、35mN/m以下のアルカンジオールが最も好ましい。表面張力を低くする理由としては、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤を添加する理由と同様であり、インキ自体の表面張力を下げることで、難吸収性基材上でのインキ液滴の濡れ広がりを改善する事が目的である。溶剤自体の表面張力が50mN/m以上であると、インキの表面張力を落とす為に必要な溶剤添加量が多くなると共に、インキ自体の乾燥性能が低下する為、ドット融着を引き起こし印刷物画質劣化に繋がる。
前記アルカンジオールとして具体的には1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等がある。
本発明において前記アルカンジオールが、炭素数6以下のアルカンジオールであることが好ましく、2種以上併用して使用しても良い。炭素数が6以上だと、常圧での沸点が高すぎてしまうことから、インキ液滴の乾燥性が劣る傾向がある。
更に本発明において前記アルカンジオールが、1,2−アルカンジオールである事が最も好ましい。1,2−アルカンジオール以外のアルカンジオールは、水性インキの表面張力を下げる効果が弱いことから、難吸収性基材上での濡れ広がり性能が劣る傾向がある。
前記、常圧での沸点が100℃以上である(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤とアルコール溶剤の添加比率としては、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤:アルコール溶剤=10:1〜1:10(質量比)である事が好ましく、5:1〜1:5(質量比)が特に好ましい。アルコール系溶剤の添加量が少なすぎると(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤の曇点問題が改善されず、添加量が多すぎると(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤の働きである難吸収性基材上での濡れ広がり性能が悪化する。
本発明では常圧での沸点が100℃以上である水溶性有機溶剤として、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系の溶剤を少なくとも1つ以上含むことが好ましい。
前記常圧での沸点が100℃以上の含窒素系または含硫黄系またはラクトン系の溶剤を添加する理由としては、低温乾燥工程でも非吸収性基材上でインキ塗膜の物理的、化学的耐久性を溶剤インキ並みに向上する事が可能になるからである。
含窒素系または含硫黄系またはラクトン系溶剤に該当する水溶性有機溶剤としては、3−メチルオキサゾリジノン、3−エチルオキサゾリジノン、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクトン、δ−バレロラクタム、ジメチルスルホキシドやβ−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドをはじめとしたβ−アルコキシプロピオンアミド類がある。
<バインダー樹脂(E)>
バインダー樹脂としては、難吸収性基材表面に対する密着性に優れたバインダー樹脂が好ましい。たとえば、非水溶性樹脂エマルションまたは水溶性高分子化合物が好ましく、なかでも非水溶性樹脂エマルションが最も好ましい。非水溶性樹脂エマルションが最も好ましい理由としては、高樹脂固形分でありながら低粘度のインキを作成することができるため、インキ塗膜の耐性が良好であると共に、インクジェットヘッドからの吐出性能も良好だからである。
非水溶性樹脂エマルションとしては、塩化ビニル系樹脂エマルション・アクリル系樹脂エマルジョン・ポリプロピレン系樹脂エマルションが好ましく、なかでも乳化重合法によって得られたエマルションが最も好ましい。これは乳化分散法を使用する事により、高分子量,低酸価の塩化ビニル系樹脂を高固形分で乳化させることが可能であり、転相乳化法や乳化分散法にて得られたエマルションを使用したインキでは満たすことのできない非吸収性印刷媒体表面へのインキ塗膜密着性と耐性を実現できる為である。具体例としては、BASF社製ジョンクリルシリーズ、日信化学社製ビニブラン271、ビニブラン278、ビニブラン603、ビニブラン690、ビニブラン900、ビニブラン902、ビニブラン985、ダウケミカル社製UCAR AW−875、日本製紙ケミカル社製スーパークロンE−480T,スーパークロンE−503,スーパークロンE−604,スーパークロンS−4249,アウローレンAE−301,アウローレンS−6097が挙げられる。また、エマルション樹脂のガラス転移点(Tg)を高くする事で、インキ塗膜に耐擦過性、耐薬品性を付与できる事が一般的に知られている。その為、エマルション樹脂合成時のモノマー組成を変更する事で、樹脂Tgを容易に操作できるアクリル系樹脂エマルションは中でも特に好ましい。
バインダー樹脂はインキ中に0.1〜40質量%含まれることが好ましく、3.0〜30質量%含まれることが特に好ましい。添加量がインキ中0.1質量%以上あることによって基材表面への密着が向上し、塗膜の耐性が向上する。インキを低粘度にして、印刷適性を向上するという観点で、バインダー樹脂は40質量%以下であることが好ましい。
水溶性樹脂としては、質量平均分子量が5,000以上50,000以下の範囲内である事が好ましく、10,000以上40,000以下の範囲内である事がより好ましい。質量平均分子量を5,000以上とすることで、印刷物の塗膜耐性を良好なものとすることができ、質量平均分子量を50,000以下とすることで、インクジェットヘッドからの吐出安定性を良好なものとし、印刷安定性に優れた水性インキを得ることが可能となるためである。
また、バインダー樹脂として水溶性樹脂を選択する際には酸価も重要であり、酸価が10〜80mgKOH/gである事が好ましく、酸価が20〜50mgKOH/gである事がより好ましい。酸価が10mgKOH/g以下では、インキが固化してしまうと再度溶解する事が難しいため、樹脂微粒子同様インクジェットヘッドノズル上での目詰まりが発生し、印刷安定性が著しく低下するため、好ましくない。また酸価が80mgKOH/g以上であると、水性インキ組成物が固化しても再度溶解する事が可能であるものの、印刷物塗膜の耐水性が著しく悪化するため好ましくない。
前記のようなバインダー樹脂は、水性インキ組成物の固形分100質量%中、2質量%以上、10質量%以下の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは3質量%以上、8質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以上、6質量%以下である。
本発明の水性インキ組成物は可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、活性剤、分散剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明の水性インキ組成物は、光散乱粒子を含んでいても良い。例えば、シリカ、酸化亜鉛、および、酸化チタンなどの無機粒子、さらに、アクリル樹脂粒子、および、オレフィン樹脂粒子などがあげられる。これらは、中空やコアシェル構造になっていても良い。
また、印刷基材としては吸収性基材、難吸収性基材問わず印刷する事が可能である。中でも、上述の好ましい液状媒体(D)やバインダー樹脂(E)を用いることで、難吸収性基材にて低温乾燥工程でも高精細な印刷が可能である。難吸収性基材の具体例としては、ガラスをはじめ、ポリ塩化ビニルシート、PET、PE、PP等の透明フィルム、商業印刷基材として頻繁に使用されているコート紙やアート紙、さらに、金属箔、金属板等が代表例として挙げられる。
本発明の水性インキ組成物から形成される発光機能膜を好適に用いることができる具体的な用途について以下に述べる。
(LED用蛍光体)
青色の発光ダイオード(LED)上に、蛍光材料を取り付けることで、青色発光の一部を異なる色に変換することで白色発光を実現する技術がある。
このような蛍光材料として本発明の発光機能膜は好適に用いることができる。
(電界発光素子)
対向する陽極と陰極、そして、陽極と陰極の間に少なくとも発光層を有する電界発光素子(例えば有機エレクトロルミネッセンス素子)が知られている。近年、有機発光材料に代わり量子ドットを発光材料として用いた電界発光素子が開発されている。本発明の発光機能膜は、上述の量子ドットを発光材料として用いた電界発光素子の発光層として好適に用いることが出来る。
(波長変換カラーフィルター)
白色のバックライトと光吸収型のカラーフィルターを用いた液晶ディスプレイが従来用いられてきた。それに対し、青色のバックライトと波長変換型のカラーフィルターを組み合わせた液晶ディスプレイが近年開発されている。この波長変換型のカラーフィルターとして本発明の発光機能膜は好適に用いることが出来る。
本発明の水性インキ組成物の印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられ、特に好ましくはインクジェット印刷方式である。また、スピンコート、ディップコート、ブレードコート、コンマコートなどのコーティング方式を用いてもよい。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」および「%」は「質量部」および「質量%」を表す。
<製造例I>
無水酢酸亜鉛0.55g、ドデカンチオール4.82ml、オレイルアミン6mlを加熱溶解し添加液を作成した。
塩化インジウム0.22g、オクチルアミン10mlを反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら、165℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジエチルアミノホスフィン0.961mlを短時間で注入し、20分間165℃を制御した。その後、急冷し、40℃に冷却した。
次いで、上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。
放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈殿法で精製を行った。さらに減圧乾燥を行い、半導体ナノ粒子(コア:InP、シェル:ZnS)がドデカンチオールで表面処理された量子ドット(I)を得た。
<製造例II>
(アクリル樹脂エマルション製造方法)
モノマーとしてアクリル酸:1.2部、サイラエース210(ビニルトリメトキシシラン チッソ社製):6.3部、メタクリル酸メチル:72.1部、アクリル酸2−エチルヘキシル:25.8部、アクリルアミド:1.0部、乳化剤としてアクアクロンKH−20(第一工業製薬社製 反応性乳化剤):1.5部、精製水:53.1部の混合物をバッチ式ホモミキサーで乳化しモノマープレエマルションを滴下槽に入れた。
還流冷却器、攪拌機、温度計、窒素導入管、原料投入口を具備する容積2Lの4つ口フラスコを反応容器とし、該反応容器にイオン交換水89.4部を入れ、窒素を導入しながら液温を60℃に温めた。次いで反応容器中に、アルキルフェノールエーテル系の反応性乳化剤としてアクアクロンKH−20(第一工業製薬社製 反応性乳化剤):0.5部添加し、同時に5.0%過硫酸アンモニウム水溶液:6.0部を添加した。
10分後、反応容器を70℃に保ち、滴下槽から上記モノマープレエマルションを5時間かけて連続的に滴下し、別の滴下槽から5.0%過硫酸アンモニウム水溶液:6.0部を5時間かけて断続的に滴下した。反応容器内は70℃に保ち3時間反応させた。その後50℃まで冷却し、アンモニア水を添加し、180メッシュ濾布で濾過し、固形分39.5%のアクリル樹脂エマルションを得た。理論Tgは45℃であった。
<製造例III>
(β−メトキシ‐N,N−ジメチルプロピオンアミドの製造)
攪拌装置、熱電対および窒素ガス導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド198.0g、メタノール96.0gを入れ、窒素ガスを導入しながら攪拌した。次に、ナトリウムメトキシド1.08gを含むメタノール溶液20mlをゆっくりと滴下し加えた。反応開始後30分で反応温度が38℃に達したところで水浴を使用し、反応温度を30〜40℃に調整し5時間反応を行った。加熱終了後、酢酸を加え中和した後、エバポレーターで未反応物を除き、β−メトキシ‐N,N−ジメチルプロピオンアミドを得た。
<製造例IV>
(インクの濡れ広がり性試験用ブラックマトリックスの製造例)
セロソルブアセテート74質量部に、市販のカーボンブラックA(平均粒径30nm、比表面積254m/g、DBP(フタル酸ジブチル)吸油量174ml/100g)20質量部および分散剤(高分子量ポリウレタン系樹脂、質量平均分子量13000)6質量部を添加し、ダイノミルを用いて25℃で6時間にわたって撹拌混合し、分散状態が良好で、均一な組成のブラックマトリックス形成用分散液を得た。
次に、ブラックマトリックス形成用分散液16質量部を、紫外線硬化用の光重合性モノマー66質量部(ラウリルアクリレート46質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート20質量部)およびプレポリマー(エポキシアクリレート)16質量部、ならびに光重合開始剤(2−メチル−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン)2質量部で希釈し、特性測定用組成物とした。
前記特性測定用組成物を用い、ガラス板Corning EAGLE XG(登録商標)にスピンコートして100℃で15分間乾燥後、さらに30μm×200μmのパターンの露光部を設けたフォトマスクを介して150mJ紫外線露光した。得られた処理板をアルカリ現像液に1分間浸漬し、冷水で洗浄、220℃で1時間乾燥させて、厚みが1.5μm、幅が30μmの凸状ブラックマトリックスを得た。
<製造例1>
製造例Iで得た量子ドット(I)をテトラヒドロフラン(THF)に加え、オイルバスにて85℃に加温し、量子ドット(I)15mgに対し表1中(1)のリガンドを0.03mmolの割合で添加し12時間還流させた。
得られた未精製の本発明の量子ドットを、限外濾過(Millipore Microcon社製)と、セファデックスカラム(Amersham Biosciences、MicroSpin G−25Columns)を用いて精製を行った後減圧乾燥し、半導体ナノ粒子が表1中(1)のリガンドで表面処理された量子ドット(1)を製造した。
<製造例2〜244>
表1中(1)のリガンドの代わりに、表1中のリガンド(2)〜(244)を用いた以外は、製造例1と同様にして、半導体ナノ粒子が表1中のリガンド(2)〜(244)で表面処理された量子ドット(2)〜(244)を製造した。
<実施例1>
製造例1の量子ドット(1)5質量部、ジエチレングリコールメチルブチルエーテル(沸点:212℃,表面張力:26.7mN/m)10質量部、1,2−ヘキサンジオール(沸点:224℃,表面張力:25.9mN/m)10質量部、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド10質量部、アクリル樹脂エマルジョン25質量部、プロキセルGXL(アビシア社製 防腐剤)0.1質量部、精製水39.9質量部を、ハイスピードミキサーにて攪拌混合し、その後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターにて濾過し、水性インキ(1)を得た。
なお、前記水性インキ(1)は、液状媒体100質量%中、水を58.8質量%含む。
なお、プロキセルGXLは、液状媒体として、ジプロピレングリコールを58.7質量%、水を16.0質量%含むものとして算出をした。
<実施例2〜244>
製造例1の量子ドット(1)の代わりに、製造例2〜244の量子ドット(2)〜(244)を用いた以外は、製造例1と同様にして、水性インキ(2)〜(244)を得た。
<比較例1>
製造例1の量子ドット(1)の代わりに、製造例Iの量子ドット(I)を用いた以外は、製造例1と同様にして、水性インキ(I)を得た。
評価方法について下記に示す。
<インクジェット吐出試験条件>
印刷機:DimatixMaterialsPrinter
カートリッジ:10DimatixMaterialsCartriges、10pL
基板温度:25℃
[インキ安定性評価]
実施例および比較例のインキを用いて、40℃環境下に1日放置した後、インキの状態を確認した。
また、より負荷の高い試験として、80℃で4時間保持した後5℃で4時間保持することを2サイクルかけた冷熱サイクル試験の後、インキの状態を確認した。
濁りが無い物を『○』、僅かに濁っているものを『△』、濁りが強い物を『×』、最初から濁っており試験が不可能であったものを『−』とした。
[濡れ広がり性試験]
実施例および比較例のインキを用いて、インクジェット適性試験用のブラックマトリックスに、上記のようにインクジェット法でインキを吐出し、40℃で15分間乾燥させて、インクジェット適性を調べた。
画素内での色ムラと、水性インクとブラックマトリックス境界面でのカラーインクの濡れ広がりを調べることによって行った。
外観を目視および顕微鏡を用いて確認し、色ムラなどが無く良好な物から『◎』>『○』>『△』>『×』とした、ここで、実用に耐えないほど悪いものは『×』に該当する。また、インキがヘッドから吐出されず実験不可能であったものを『−』とした。
[発光特性の耐久性試験]
実施例および比較例のインキを用いて、ガラス基板Corning EAGLE XG(登録商標)に、1cm四方のベタのパターンを上述の条件のインクジェット印刷で形成した。乾燥条件は、40℃15分とした。印刷されたガラス基板を用いて、測定機絶対PL量子収率測定装置C9920−02によって、励起波長400nm積分範囲375−425nm、蛍光積分範囲430−800nm、の条件で蛍光量子収率を計測した。
この時、QY維持率(蛍光量子収率維持率)として、印刷初期のQYを1とし、室温で4週間保持した後の比率(保持率)と、より高負荷条件として温度85℃かつ湿度85%の環境で4週間保持した後の比率(保持率)をそれぞれ測定した。
保持率0.95以上を『◎』、0.95未満0.9以上を『○』、0.9未満0.8以上を『△』、0.8未満を『×』、インキがヘッドから射出されず実験不可能であったものを『−』とした。
なお、実験が可能であった全ての印刷物は、赤色の発光を示した。したがって、青色の励起光を赤色へ波長変換しており、波長変換カラーフィルタとして機能することを確認した。
実施例1〜実施例244、および、比較例1の評価結果を表2に示す。

<実施例301〜324>
製造例131の量子ドット(131)5質量部に対し、表3に示す各有機溶剤等を配合し、実施例1と同様の手順にて水性インクジェットインキを作成し、実施例1と同様に評価した。実施例131(対照用)の評価結果も合わせて表3に示す。

表3中の略称,製品名は、以下に示す通りである。
(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤
・DMTeG:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
(沸点:275℃,表面張力:33.0mN/m)
・DMDPG:ジプロピレングリコールジメチルエーテル
(沸点:171℃,表面張力:29.1mN/m)
・MBTG:トリエチレングリコールメチルブチルエーテル
(沸点:261℃,表面張力:28.7mN/m)
・MBDG:ジエチレングリコールメチルブチルエーテル
(沸点:212℃,表面張力:26.7mN/m)
・DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
(沸点:189℃,表面張力:26.7mN/m)
(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類
・BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(沸点:230℃,表面張力:27.9mN/m)
・BTG:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
(沸点:271℃,表面張力:29.9mN/m)
アルコール溶剤
・グリセリン(沸点:290℃,表面張力:62.0mN/m)
・1,3−プロパンジオール(沸点:214℃,表面張力:47.1mN/m)
・1,6−ヘキサンジオール(沸点:208℃,表面張力:41.2mN/m)
・1,2−プロパンジオール(沸点:187℃,表面張力:35.1mN/m)
・1,2−ヘキサンジオール(沸点:224℃,表面張力:25.9mN/m)
含窒素系,含硫黄系,ラクトン系溶剤
・β−メトキシ:β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
・DMSO:ジメチルスルホキシド
実施例から明らかなように、本発明によって、水性の量子ドット含有インキに関し、高い安定性を有し、ムラや滲みの無い綺麗な画像やパターンを形成可能としつつ、量子ドットの発光特性にも高い耐久性を付与可能な水性の量子ドット含有インキを提供することができる。
さらに、本発明の水性インキを用いて、高精細で発光特性に優れた印刷物やコート物、さらには、波長変換カラーフィルターを提供することが可能である。

Claims (12)

  1. 半導体ナノ粒子(A)およびリガンド(B)から成る量子ドット(C)と、液状媒体100質量%中に50質量%以上の水を含む液状媒体(D)とを含む水性インキ組成物であって、
    前記リガンド(B)が、下記一般式(1)〜(4)の何れかで表される化合物を少なくとも一種含むことを特徴とする水性インキ組成物。




    一般式(1)〜(4)におけるR〜Rは、それぞれ独立に、
    1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−OH、−COO、−PO(O、−O−PO(O)、−SO 、−OSO 、−NH、−COONH、および−N101 、−NO、および、−CNからなる群より選ばれる親水基で置換されているものであるか、
    1価の脂肪族炭化水素基の水素の少なくとも1つが、−(O−CYCY−R103で置換されているものであり、
    前記親水基における、
    は、一価のカチオンであり、H、Li、Na、K、および、(N102 )、を表す、
    は、一価のアニオンであり、F、Cl、Br、I、(ClO、(R102COO)、および、(R102SOを表す。
    さらに、R101は、それぞれ独立に、水素原子、および、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、
    102は、それぞれ独立に、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表し、複数のR101、および、R102は、同一でも異なっていても良い。
    からYは、それぞれ独立に水素原子、または前記親水基を表し、
    103は、水素原子、または前記親水基を表し、mは1〜16の整数を表す。
  2. リガンド(B)が一般式(3)で表される、請求項1記載の水性インキ組成物。
  3. 一般式(1)〜(4)におけるR〜R中の置換基を除く1価の脂肪族炭化水素基の炭素数が3以上である、請求項1または2記載の水性インキ組成物。
  4. 一般式(1)〜(4)におけるR〜R中の置換基を除く1価の脂肪族炭化水素基の炭素数が5以上である、請求項1〜3いずれか記載の水性インキ組成物。
  5. 親水基が、−OH、−COO、−PO(O、−O−PO(O)、―SO 、−OSO 、−NH、−COONH、または、−N101 から選ばれる、請求項1〜4いずれか記載の水性インキ組成物。
  6. 液状媒体(D)が、常圧での沸点が100℃以上である水溶性有機溶剤として、(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤とアルコール溶剤とを含む、請求項1〜5いずれか記載の水性インキ組成物。
  7. 前記(ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類溶剤が、下記一般式(5)で表される溶剤である、請求項6記載の水性インキ組成物。
    10(OR11ZOR12・・・(5)
    (式中、R11はエチレン基又はプロピレン基又はブチレン基、R10、R12はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、Zは1〜6の整数を表す。)
  8. 前記アルコール溶剤が、表面張力が50mN/m以下のアルカンジオールである、請求項6または7記載の水性インキ組成物。
  9. 前記アルカンジオールが、炭素数6以下の1,2−アルカンジオールである、請求項8記載の水性インキ組成物。
  10. さらにバインダー樹脂(E)を含む、請求項1〜9いずれか記載の水性インキ組成物。
  11. さらに常圧での沸点が100℃以上である水溶性有機溶剤として、含窒素系または含硫黄系またはラクトン系の溶剤を少なくとも含む、請求項6〜10いずれか記載の水性インキ組成物。
  12. 請求項1〜11記載の水性インキ組成物で形成された発光機能膜。
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