JP2019112553A - 樹脂複合材フィルム及び電子デバイス - Google Patents

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才華 大坪
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梨恵 藤田
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【課題】 高い吸水性能を有する樹脂複合材フィルムを提供することを目的とする。【解決手段】 ゼオライトと、樹脂と、を含有する樹脂複合材フィルムであって、前記樹脂が、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有することをと特徴とする水素化ブロック共重合体系樹脂である、樹脂複合材フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂複合材フィルム及び電子デバイスに関する。
樹脂に吸湿性のフィラーを含有させた樹脂複合材は、電子デバイスの長寿命化といった観点から、水蒸気透過度を低くするための構成材料として広く用いられている。例えば、特許文献1〜3には、フィラーとして有機アルミニウムや酸化バリウム、ゼオライト等のフィラーを用いた樹脂複合材フィルムが記載されている。
特開2013−108057号公報 特開2006−272190号公報 国際公開第2015/133152号パンフレット
電子デバイスの耐久性の向上のためには、樹脂複合材フィルムの吸水性の向上が必要となる。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1〜3に記載の樹脂複合材フィルムの場合、取扱い性が悪かったり、十分に高い吸水性が得られない場合があることが判明した。例えば、吸湿性フィラーとして、有機アルミニウムを用いた場合、有機アルミニウムは反応性が高いために、樹脂複合材フィルムの安定性が悪くなる場合があることが判明した。また、吸湿性フィラーとして酸化バリウムを用いた場合、発熱等の影響により樹脂複合材フィルムが脆化しやすい場合があることが判明した。そのため、樹脂複合材フィルムを構成する吸湿性フィラーとしてゼオライトを用いることが好ましいと考えられるが、樹脂複合材フィルムを構成する樹脂によっても吸水性が悪くなってしまう場合があることも判明した。特に、特許文献2には、樹脂複合材フィルムを構成する樹脂として、スチレンと、1,3−ブタジエンの共重合体を水素添加した樹脂が記載されているが、直鎖の構造を持つ該樹脂とゼオライトとを混合すると、樹脂及びゼオライトが絡み合ってしまい、樹脂中のゼオライトの分散性が損なわれて、一部凝集し、透過してきた水蒸気が樹脂を素通りしてしまうことにより、吸湿フィルムとしての特性が著しく低くなるという課題があることが判明した。そこで、本発明は高い吸水性能を有する樹脂複合材フィルムを提供することを目的とする。
上記実情に鑑み鋭意検討の結果、本発明者らは、樹脂複合材フィルムの構成材料として、ゼオライトと、特定の樹脂を用いることにより、上記問題を解決でき、本発明を達成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] ゼオライトと、樹脂と、を含有する樹脂複合材フィルムであって、前記樹脂が、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有することをと特徴とする水素化ブロック共重合体系樹脂である、樹脂複合材フィルム。
[2]前記ゼオライトの平均一次粒径が15〜200nmである、[1]に記載の樹脂複合材フィルム。
[3][1]又は[2]に記載の樹脂複合材フィルムを含有する電子デバイス。
吸湿性が高く、水蒸気透過度を抑えることができる樹脂複合材フィルムを提供することができる。また、当該樹脂複合材フィルムにより高い耐久性を備えた電子デバイスを提供することができる。
本発明の一実施形態としてのゼオライトと、樹脂と、を含む樹脂複合材フィルムを模式的に表す図である。 本発明の一実施形態としての、ゼオライトと、樹脂と、その他の化合物と、を含む樹脂複合材フィルムを模式的に表す図である。 本発明の一実施形態としての電界効果トランジスタ素子の構成を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態としての電界発光素子の構成を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池の構成を模式的に表す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に表す断面図である。 実施例で測定したフィルム1の透過率を示す図である。 実施例で測定したフィルム1の高湿条件における吸湿量を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、これら説明は本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
<1.樹脂複合材フィルム>
図1は、本発明の一実施形態である樹脂複合体を模式的に表す図であり、図1に示すように、樹脂複合材フィルムは、少なくとも、ゼオライトと、樹脂と、を含有する。以下に樹脂複合材フィルムを構成する各成分について説明する。
<1.1.ゼオライト>
本発明において、ゼオライトとは、結晶性多孔質の、アルミノケイ酸塩、アルミノリン酸塩又はシリコアルミノリン酸塩の総称であり、より具体的には、TO4ユニット(T元素とは、骨格を構成する酸素以外の元素)を基本単位としたものであり、複数のTiO4ユニットがつながった、Composite Building Unit(CBU)と呼ばれる構造単位から構成されるものである。そのために、規則的なチャンネル(管状細孔)とキャビティ(空洞)を有している。
ゼオライトがアルミノケイ酸塩の場合、ゼオライトのシリカ/アルミナのモル比率(SAR)は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは30以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは10以下である。この値が小さいほど親水的になり、吸湿しやすくなる。
ゼオライトがアルミノリン酸塩の場合、リン/アルミナのモル比率は、通常1である。
ゼオライトがシリコアルミノリン酸塩の場合、Si/(Si+Al+P)モル比率は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.15以上、特に好ましくは0.2以上、最も好ましくは0.3以上である。この値が大きいほど親水的になり、吸湿しやすくなる。
なお、上記モル比率は、元素分析により特定することができる。例えば、島津製作所社製蛍光X線分析装置RaynyEDX−700を用いて測定することができる。
また、上記ゼオライトは、樹脂複合材フィルムの性能を大きく損なわない限りアルミニウムの代わりにガリウム、鉄、ホウ素、チタン、ジルコニウム、スズ、亜鉛等の元素を用いてもよく、アルミニウムと共に、ガリウム、鉄、ホウ素、チタン、ジルコニウム、スズ、亜鉛等の元素を含んでいてもよい。
以下、ゼオライトとして、好ましいアルミノケイ酸塩の場合について述べる。
ゼオライトの構造は、一般的にはInternational Zeolite Association(IZA)が定めるゼオライトの構造を規定するコードで示すことができる。なお、ゼオライトの構造は、X線構造解析装置(例えば、BRUKER社製卓上型X線回析装置D2PHASER)で決定することができ、IZAが、ゼオライト構造データベース2017年版(http://www.iza−structure.org/databases/)において、各ゼオライト構造のX線回折のパターンを紹介している。
ゼオライトの種類は、特段の制限はないが、樹脂複合材フィルムの吸湿性を向上させるという観点から、フレームワーク密度が17.0T/1000Å3以下であることが好ましい。フレームワーク密度とは、ゼオライトの単位体積あたりに存在するT原子の数を意味し、ゼオライトの構造によって定まる値である。即ち、同じ組成のゼオライトであれば、フレームワーク密度の値が小さいほど、空隙率が高くなり、吸湿性を高めることができる。なお、本発明におけるフレームワーク密度は、IZAのゼオライト構造データベース2017年版(http://www.iza−structure.org/databases/)に記載の数値を用いることができる。
上記の中でも、ゼオライトのフレームワーク密度は、好ましくは16.0T/1000Å3以下であり、より好ましくは15.0T/1000Å3以下であり、更に好ましくは14.0T/1000Å3以下である。
フレームワーク密度が16.0T/1000Å3より大きく、17.0T/1000Å3以下のゼオライトの例としては、ACO、AFG、AFI、ATS、AWW、BOG、CAN、CFI、CGS、CSV、DOH、EDI、EON、ERI、GIS、ITG、IWW、JOZ、LOS、LOV、LTF、LTL、LTN、MAZ、MER、MOR、MOZ、MSE、MEF、NAB、NAT、NES、OFF、PHI、RSN、RTH、SAT、SBN、SEW、SFH、SFN、SFS、SIV、SOD、SOF、SOS、SSF、*−SSO、SSY、STF、STI、STT、STW、TER、UOV、UWY、VSV、WEI、−WEN型を挙げることができる。
フレームワーク密度が15.0T/1000Å3より大きく、16.0T/1000Å3以下のゼオライトの例としては、AEI、AFR、AFT、AFV、AFX、AST、AVL、*BEA、BEC、CHA、CON、EAB、ETR、GME、IFW、IRN、ITE、*−ITN、IWR、LEV、MWW、NPO、PAU、POS、SFO、SFW、THO、UFI、USI、UTL型を挙げることができる。
フレームワーク密度が14.0T/1000Å3より大きく、15.0T/1000Å3以下のゼオライトの例としては、AFS、AFY、BPH、DFO、*−EWT、ISV、IWS、IWV、JST、KFI、LTA、MEI、PUN、RHO、SAO、SAS、SAV、及びVFI型を挙げることができる。
フレームワーク密度が14.0T/1000Å3以下の範囲に存在するゼオライトの例としては、BOZ、−CLO、EMT、FAU、−IFU、IRR、−IRY、ITT、−ITV、JSR、NPT、OBW、OSO、RWY、SBE、SBS、SBT、及びTSC型を挙げることができる。
上記の中でも、吸水性及び樹脂複合材フィルムが蓄えた水を保持しやすいという観点から、ゼオライトは、FAU型又はLTA型であることが特に好ましい。
ゼオライトの粒子径については、本発明の効果を損なわない限りにおいて特段の制限はないが、ゼオライトの平均一次粒子径は、好ましくは15nm以上であり、より好ましくは20nm以上であり、さらに好ましくは25nm以上であり、特に好ましくは30nm以上であり、一方、好ましくは200nm以下であり、より好ましくは175nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは125nm以下であり、最も好ましくは100nm以下である。
一般的に、ゼオライトの粒子径が小さくなると得られる樹脂複合フィルムは高い透明性が得られやすいと考えられるが、ゼオライトの粒子径が小さくなると、ゼオライトの表面エネルギーが大きくなり、ゼオライトが凝集して、二次粒子が形成されやすくなる傾向があるので、高い透明性を備えた樹脂複合材フィルムは得られにくくなる。上記上限値以下であれば高い透明性を備えた樹脂複合材フィルムの提供が可能となり、一方、上記下限値以上であれば、ゼオライト骨格を維持し結晶性を保ちやすくなるために、得られる樹脂複合材フィルムの耐久性を向上することができる。
なお、ゼオライトの平均一次粒子径は、走査電子顕微鏡(SEM)による粒子の観察において、任意に選択した30個以上の一次粒子について粒子径を測定し、その一次粒子の粒子径を平均して求める。なお、粒子径は、粒子の投影面積と等しい面積を持つ、最大径となる円の直径を意味するものとする。
ゼオライトのカウンターカチオンは、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特段の制限はないが、通常は、構造規定剤、プロトン、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンであり、好ましくは、プロトン、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンであり、より好ましくは、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンであり、さらに好ましくは、アルカリ金属イオンである。アルカリ金属イオンであれば、その水和能力により、ゼオライトの吸湿性の向上が期待できる。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はカリウムイオンが挙げられる。なかでも、好ましくは、ナトリウムイオン又はカリウムイオンであり、最も好ましくは、ナトリウムイオンである。
ゼオライトの製造方法としては、特段の制限はなく、公知の水熱合成法により製造することができる。例えば、CHA型のゼオライトを製造する場合、日本国特許4896110号に記載の方法を参照として、製造することができる。
なお、平均粒子径の小さなゼオライトを製造する場合には、合成時間や温度を通常よりも制御して水熱合成すればよいし、または、水熱合成により得られたゼオライトを、ビーズミル、ボールミル等の湿式粉砕で解砕、及び/又は粉砕すればよい。
上記の解砕、及び/又は粉砕に用いられる粉砕装置としては、例えば、フロイント・ターボ社製「OBミル」、アシザワ・ファインテック社製「ナノ・ゲッター」、「ナノ・ゲッター・ミニ」、「スターミル」、及び「ラボスター」、スギノマシン社製「スターバースト」等が挙げられる。また、一般的に、粉砕後のゼオライトの結晶性は、低下するが、特開2014−189476号公報に記載の方法のように、アルミナ、シリカ等を含む溶液中で再結晶化することができる。
解砕、及び/又は粉砕後のゼオライトの再凝集を抑制する点で、溶媒中で湿式粉砕して、溶媒中に平均粒子径の小さなゼオライトを分散させることが好ましい。なかでも、平均粒子径を小さくできる点で、ビーズミルを行うことが特に好ましい。また、分散後の再凝集を抑制するために、湿式粉砕時に、分散剤を用いてもよい。上記、溶媒、及び分散剤としては、後述で挙げる、溶媒、及び分散剤を用いることができる。
また、ゼオライトの平均粒子径をさらに小さくする目的で、遠心分離を行うことにより、平均粒子径の大きな粒子を取り除くことができる。その結果、ゼオライトが樹脂複合材フィルム内により均一に分散しやすくなり、さらには、得られる樹脂複合材フィルムの透明性が高くなるので、好ましい。なお、遠心分離に用いる遠心機は、市販の装置を用いることができる。
ゼオライトは、樹脂複合材フィルム中に、1重量%以上、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは7重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、最も好ましくは15重量%以上であり、一方、80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下、最も好ましくは50重量%以下である。上記範囲内であることで、添加したゼオライトの効果が、樹脂複合材フィルムの特性として表れることから好ましい。また、80重量%以下であることは、過剰な添加による樹脂の脆化を抑制することから好ましい。
ゼオライトは、樹脂複合材フィルム中に、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1.2.樹脂>
樹脂複合材フィルム中に含有される樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよいが、少なくとも1種は、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有することをと特徴とする共重合体系樹脂である。
このような樹脂の具体例としては、特開2016−135860号公報記載の樹脂や特開2013−216902号公報記載の樹脂が挙げられる。
具体的には、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAを構成する、水素化前の単量体のビニル芳香族類としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環等の芳香環にビニル基が結合したものが挙げられ、この芳香環にはビニル基以外の置換基が結合していてもよい。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、4−クロロメチルスチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−t−ブトキシスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレンが好ましく用いられ、さらにスチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレンが好ましく用いられる。最も好ましくはスチレンが用いられる。これらのビニル芳香族類は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAは、通常、単量体として芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族類のみで構成される共重合体ブロックであるが、本発明の効果を損なうことのない範囲において、例えば芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAの全重量の50重量%以下の割合でビニル芳香族類以外の単量体成分を含んでいてもよい。
一方、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBは、単量体成分としてイソブチレンを、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBの全重量の50重量%より多く含有するものであり、好ましくは55質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上含有するものであり、上記の範囲において、他の単量体が共重合されていてもよい。イソブチレンを主体とする重合体のブロックB中に単量体成分として、イソブチレンを上記の範囲で含むことにより、透明性、光学特性、柔軟性、機械物性、ガスバリア性、低吸湿性、薬液非吸着性にバランスよく優れたブロック共重合体が得られる。イソブチレンを主体とする重合体のブロックBがイソブチレン以外の他の単量体成分を含む場合、他の単量体としては、イソブチレンとカチオン重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、上記のビニル芳香族類、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種又は2種以上が挙げられる。
なお、樹脂複合材フィルムが上記樹脂を含有することにより、水蒸気透過度を抑えることができる理由としては、以下の理由が考えられる。
芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAは、疎水性が高い傾向があるために、樹脂複合材フィルムの当該ブロックA部分に水分が存在しても水分をはじくことができる。一方、イソブチレンを主体とするブロックB部分は、親水性が高いが、枝分かれ構造を有しているために、樹脂複合材フィルム中のゼオライトが当該ブロックB部分にトラップされてこの部分に配置されやすくなる。従って、疎水性の高いブロックA部分において弾かれた水分がブロックB部分において効率良く吸着されるために、本実施形態に係る樹脂複合材フィルムは、吸湿フィルムとして効果的に使用できるものと考えられる。
また、当該樹脂は、ゼオライトとの相溶性にも優れ、樹脂複合材フィルムが高い可視光透過度を有する傾向があるために、透明性の高い樹脂複合材フィルムを提供することも可能となる。従って、本実施形態に係る樹脂複合材フィルムは、透明性が求められる用途における吸湿フィルムとして効果的に使用することができる。
上記樹脂の分子量は、本発明の効果を著しく損なわない限りは、特段の制限はないが、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の値で、通常1000以上、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上である。また、通常200000以下であり、好ましくは180000以下であり、より好ましくは150000以下である。上記範囲内であることで、溶媒に対する溶解性、粘度等が通常の製造設備で扱いやすい傾向となるため、好ましい。
上記樹脂の数平均分子量(Mn)も、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、通常500以上、好ましくは1000以上、より好ましくは2500以上である。また通常100000以下、好ましくは90000以下、より好ましくは80000以下である。上記範囲内であることで、溶媒に対する溶解性、粘度などが通常の製造設備で扱いやすい傾向となるため、好ましい。ポリスチレン換算の数平均分子量は、前記重量平均分子量と同様の方法で求めることができる。
また、上記樹脂のMwをMnで除した値(Mw/Mn)は、通常1.5以上、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上である。一方、その上限は、通常5以下、好ましくは4.5以下、より好ましくは4以下である。上記の範囲内であることで、樹脂複合材フィルム中のゼオライトの均一性が高くなる点や、平滑性に優れた樹脂複合材フィルムが得られるという点で好ましい。
樹脂の製造方法は、公知の方法により製造することができる。例えば、第5版実験化学講座26高分子化学第2章高分子合成(日本化学会編)や、特開2013−216902号公報に記載されている方法等の既知の方法で製造することができる。
樹脂複合材フィルム中における上記樹脂の含有率は、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは45重量%以上、特に好ましくは50重量%以上であり、一方、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。上記範囲内であることで、樹脂複合材フィルムにおいても、樹脂の特性を保ちつつ、ゼオライト由来の吸湿性等の効果が発揮される点で好ましい。
樹脂の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又は交互共重合体が挙げられる。中でも、ブロック共重合体が好ましく、吸湿性の観点から、ジブロック共重合体又はトリブロック共重合体が好ましい。
ブロック共重合体は、1以上のセグメントA芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックA)と1以上のセグメントB(イソブチレンを主体とする重合体のブロックB)を有し、その組み合わせは、本発明の効果を得られる範囲であれば特に限定されず、具体的にはA−B、A−(B−A)n、(A−B)m、B−A−(B−A)n−B(ただし、nは1以上の整数、mは2以上の整数を表す)等の構造が挙げられる。
この中でも、2以上のセグメントAと1以上のセグメントBを有することが吸湿性の観点から好ましく、これらのうち、A−(B−A)n、特にA−B−Aの構造を有するものがさらに好ましい。
また、上記の通り、樹脂複合材フィルムは、上記の樹脂以外に他の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルエーテル系樹脂等のポリエーテル系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリノルボルネン系樹脂;アクリル系樹脂;アセタール系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリフェニレンスルファイド系樹脂;アラミド、ナイロン等のポリアミド系樹脂;ア−セチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;ABS(アクリロニトリルーブタジエン−スチレン)系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリベンゾオキサゾール系樹脂;尿素系樹脂;ポリウレタン系樹脂;フェノール系樹脂;ベンゾシクロブテン系樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂の分子量は、特段の制限はないが、好ましい範囲としては、上記の樹脂と同様である。また、樹脂複合材フィルムにその他の樹脂が含有される場合、上記樹脂に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。
<1−3.その他の化合物>
樹脂複合材フィルムは、本発明の効果を損なわない限りにおいて、図2に示すように、ゼオライト及び樹脂以外に、他の化合物を含んでもよい。例えば、樹脂複合材フィルムは、後述するように樹脂複合材形成用インクにより製造することができるが、上記の所望の透過率及びヘイズ値が得られる限りにおいて、樹脂複合材フィルムは、ゼオライト及び樹脂以外の樹脂複合材形成用インク由来の残留成分又は残留成分由来の化合物等が含有されていてもよい。このような残留成分としては、例えば、分散剤、表面処理剤、界面活性剤、重合開始剤、溶媒等が挙げられる。
<1−3−1.分散剤>
分散剤とは、樹脂複合材フィルム中にゼオライトを均一に分散するための化合物を意味する。分散剤としては、本発明の効果を損なわない限りは、特段の制限はなく、既知の物を用いてよい。
例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリメトキシシラン、ジメチルポリシロキサン又はジメチコンPEG−7コハク酸塩等のポリシロキサン化合物及びその塩;シラン化合物等(メチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシラン又は3−カルボキシプロピルトリメチルトリメトキシシラン等)の有機ケイ素化合物;ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸等のカルボン酸化合物;ラウリルエーテルリン酸又はトリオクチルホスフィン等の有機リン化合物;ジメチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン又はポリエチレンイミン等のアミン化合物、カルボン酸アミン化合物、及びリン酸アミン化合物等が挙げられる。なお、カルボン酸アミン化合物とは、カルボキシル基とアミノ基の両方の官能基を有する化合物を、リン酸アミン化合物とは、リン酸基とアミノ基の両方の官能基を有する化合物を意味する。
なかでも、リン酸アミン化合物はゼオライトとの親和性が高いために、樹脂複合材フィルムを形成するための樹脂複合材形成用インクや混錬物に、リン酸アミン化合物を含有する分散剤を加えると、得られる樹脂複合材フィルム中においてゼオライトが均一に存在しやすくなり、その結果、ヘイズ値は低くなりやすくなる。このようなリン酸アミン化合物を含有する分散剤としては、例えば、ビックケミージャパン社製のBYK145が挙げられる。
なお、分散剤は、樹脂複合材フィルム中で一部分解されていてもよい。樹脂複合材フィルム中の分散剤及びその分解物の合計の含有率としては、通常0.05重量%以上であり、好ましくは0.1重量%以上であり、特に好ましくは0.5重量%以上である。一方で、通常10重量%以下であり、好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは2重量%以下である。上記範囲内であることは、ゼオライトの分散性を持たせつつ、樹脂特性を悪化させないという点で好ましい。
分散剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、後述の表面処理剤や界面活性剤が、分散剤として働いてもよい。
<1−3−2.表面処理剤>
樹脂複合材フィルム中にゼオライトが均一に分散して、得られる樹脂複合材フィルムの波長450nmにおける透過率を高くし、また、ヘイズ値を低くするために、樹脂複合材フィルムは表面処理剤を含有していてもよい。
表面処理剤としては、樹脂複合材フィルムの透明性が担保される限りにおいて、特段の制限はなく、既知の物を用いてよく、上述の分散剤として用いたものを表面処理剤として用いてよい。具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリメトキシシラン、ジメチルポリシロキサン又はジメチコンPEG−7コハク酸塩等のポリシロキサン化合物及びその塩;シラン化合物等(メチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシラン又は3−カルボキシプロピルトリメチルトリメトキシシラン等)の有機ケイ素化合物;ギ酸、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸等のカルボン酸化合物;ラウリルエーテルリン酸又はトリオクチルホスフィン等の有機リン化合物;ジメチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン又はポリエチレンイミン等のアミン化合物、カルボン酸アミン化合物等が挙げられる。
表面処理剤は、樹脂複合材フィルム中に、一部分解されて存在していてもよい。樹脂複合材フィルム中の表面処理剤及びその分解物の合計の含有率としては、樹脂複合材中に、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、一方、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。上記範囲内であれば、ゼオライトの分散性を持たせつつ、樹脂特性を悪化させないという点で好ましい。
表面処理剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−3−3.界面活性剤>
樹脂複合材フィルムの製造時に、微小な泡もしくは異物の付着等で得られる樹脂複合材フィルムに凹みや乾燥ムラの発生が起こること等を防止する目的で、樹脂複合材フィルム製造時に界面活性剤を使用してもよく、得られる樹脂複合材フィルムは界面活性剤を含んでいてもよい。
界面活性剤は、樹脂複合材フィルムの透明性が損なわない限りにおいて、特段の制限はなく、公知の界面活性剤(カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤)を用いることができる。界面活性剤の具体例としては、ノニオン系界面活性剤としてトリトンX100(ダウケミカル社製)、フッ素系界面活性剤としてはゾニルFS300(デュポン社製)、ケイ素系界面活性剤としてはBYK−310、BYK−320、BYK−345(ビックケミー社製)、アセチレングリコール系界面活性剤としては、サーフィノール104、サーフィノール465(エアープロダクツ社製)、オルフィンEXP4036、又はオルフィンEXP4200(日信化学工業社製)が挙げられる。
界面活性剤は、樹脂複合材フィルム中に、一部分解して存在していてもよい。樹脂複合材フィルム中の界面活性剤及びその分解物の合計の含有率は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、一方、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。上記範囲内であることは、ゼオライトの分散性を持たせつつ、樹脂特性を悪化させないという点で好ましい。
界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、界面活性剤により、後述する樹脂複合材形成用インクの濡れ性を向上することができる。濡れ性は、実際に基材に塗布する以外に、接触角で評価できる。インクの接触角としては、PET基材に対して、通常45°以下、好ましくは30°以下、さらに好ましくは15°以下である。また、基材一面に広がることが、接触角が検出されないことであるので、特に好ましくは検出されないことである。45°以下であることにより、インクは、あらゆる基材上で塗布できる。なお、接触角は、接触角計で測定することができる。例えば、協和界面科学社製DM−501で測定することができる。
<1−3−4.重合開始剤>
樹脂複合材フィルムの製造において、樹脂前駆体を用いて、樹脂複合材フィルムの形成と同時に樹脂前駆体を重合させる目的で重合開始剤を使用してもよい。そのため、樹脂複合材フィルム中に重合開始剤が残存していてもよい。
重合開始剤は、樹脂複合材フィルムの透明性が損なわれない限りにおいて、特段の制限はなく、樹脂の製造方法に応じて選択すればよい。例えば、光硬化方法であれば光重合開始剤を、熱硬化方法であれば熱重合開始剤を選択すればよい。なお、光硬化方法とは、活性エネルギー線硬化方法の内、紫外線、可視光及び赤外線を用いる硬化方法である。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、ヒドロキシケトン類、アシルホスフィンオキシド類、ジアゾニウムカチオンオニウム塩、ヨードニウムカチオンオニウム塩又はスルホニウムカチオンオニウム塩等が挙げられる。また、熱重合開始剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール及びその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
重合開始剤は、樹脂複合材フィルム中に、一部分解されて存在していてもよい。樹脂複合材フィルム中の重合開始剤及びその分解物の合計の含有率は、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、一方、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下である。重合開始剤の含有率が0.5重量%以上であることは、得られる樹脂複合材フィルムから未反応成分が溶出することが抑えられる点で好ましい。また、重合開始剤の含有率が10重量%以下であることは、樹脂複合材フィルムの白濁及び脆化等が抑えられる点で好ましい。
重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。なお、重合開始剤は、組成物中において、単独で存在していてもよいし、溶媒等とともに錯体を形成していてもよい。また、多量体を形成していてもよい。
<1−3−5.溶媒>
樹脂複合材フィルムは、樹脂複合材形成用インクから製造する場合、該インク由来の溶媒を含んでもよい。溶媒は、特段の制限はないが、例えば、水;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン又はデカン等の脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン又はシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル又は乳酸メチル等のエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド等のアミド類;等が挙げられる。
なかでも、樹脂の溶解度が高い点で、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレン等のハロゲン炭化水素類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサン等のエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメルホルムアミド又はジメチルアセトアミド等のアミド類が好ましい。
特に、樹脂複合材フィルムを構成する上記樹脂の溶解性が高いという理由で、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類が好ましい。
また、溶媒は、樹脂複合材フィルム中に残留していても、していなくてもよいので、溶媒の含有率や沸点に、特段の制限はないが、樹脂複合材フィルムに溶媒がない方が、より樹脂複合材フィルムの特性を発揮するので、好ましい。
溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−4.樹脂複合材フィルムの物性>
樹脂複合材フィルムの波長450nmの光の透過率は、通常、70%より大きく、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが最も好ましい。一方、100%に近い程、好ましいので、上限に制限はない。透過率が高いほど、透明性に優れ、さらには、樹脂複合材フィルム中にゼオライトが均一に分散していることを意味するため、より吸水性を向上させることができる。なお、透過率は、例えば、島津製作所社製分光光度計UV−2500PC等の分光光度計により測定することができる。
また、樹脂複合材フィルムのヘイズ値は、通常10%未満であり、9%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、3%以下であることが特に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。一方、0%に近い程、好ましいので、下限に制限はない。ヘイズ値が小さいほど、透明性に優れ、さらには、樹脂複合材フィルム中にゼオライトが均一に分散していることを意味するため、より吸水性を向上させることができる。なお、ヘイズ値は、測色用補助イルミナントCを用いて、例えば、スガ試験機社製TMダブルビーム自動ヘーズコンピュータHZ−2等のヘイズ計により、測定することができる。
樹脂複合材フィルムの膜厚は、通常1μmより大きく、好ましくは10μm以上であり、よりに好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは50μm以上であり、特に好ましくは70μm以上であり、最も好ましくは100μm以上であり、一方、通常、1mm未満であり、好ましくは700μm以下であり、より好ましくは600μm以下であり、さらに好ましくは500μm以下であり、特に好ましくは400μm以下であり、最も好ましくは300μm以下である。なお、膜厚は、非接触式膜厚計や接触式膜厚計等、通常の膜厚計で測定できる。非接触式膜厚計としては、例えば、キーエンス社製形状測定レーザマイクロスコープVK−X200等の共焦点顕微鏡が挙げられる。
なお、樹脂複合材フィルムの透過率やヘイズ値は、樹脂複合材フィルムに含まれるゼオライトの量や樹脂複合材フィルムの厚さにも影響を受けるが、所望の透過率やヘイズ値が得られるように、樹脂複合材フィルムの構成を適宜、調整すればよい。
また、樹脂複合材フィルムの380nm〜780nmの可視光線透過率は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特段の制限はないが、可視光線透過率が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、75%以上であることが特に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。可視光線透過率が高いほど、透明性が求められる用途に適している。なお、可視光線透過率は、JIS R3106(1998年)に準拠する方法により測定する。
また、樹脂複合材フィルムは、比誘電率が3以下であることが好ましく、2.7以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましく、2.3以下であることが特に好ましく、2以下であることが最も好ましい。比誘電率が低いほど、低誘電率部材用途に適している。なお、比誘電率は、インピーダンスアナライザ(例えばキーサイト社製E4991B)により測定することができる。
<2.樹脂複合材フィルムの製造方法>
樹脂複合材フィルムの製造方法は、特段の制限はないが、通常、ゼオライトと、樹脂又は樹脂前駆体とを混合した後に、80℃以上に加熱して製造する。本発明の樹脂複合材フィルムは、例えば以下の(1)又は(2)の方法で製造することができる。
(1)ゼオライトと、樹脂又は樹脂前駆体と、を混練した後に、加熱する。
(2)ゼオライトと、樹脂又は樹脂前駆体と、溶媒等を混合した樹脂複合材形成用インクを製造し、該インクを基材に塗布した後に、加熱乾燥する。
なお、樹脂前駆体としては、樹脂の原料であるモノマー、ダイマー、オリゴマー等が挙げられる。
<2−1.樹脂複合材形成用インクの構成成分>
樹脂複合材形成用インクは、通常、ゼオライトと、樹脂と、溶媒と、を混合して製造する。
ゼオライトは、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明したゼオライトを用いることができる。また、樹脂複合材形成用インク中のゼオライトの含有率は、通常、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、特に好ましくは7重量%以上であり、最も好ましいは10重量%以上である。一方、80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下、特に好ましくは55重量%以下で最も好ましくは50重量%以下である。上記下限値以上あることで、樹脂複合材フィルムが形成しやすくなるために好ましい。また、上記上限値以下であれば、過剰な添加によるゼオライトの凝集を抑制することができるために好ましい。なお、ゼオライトは、樹脂複合材形成用インク中に、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
樹脂複合材形成用インクに用いられる樹脂は、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明した樹脂を用いることができる。樹脂複合材形成用インク中の樹脂又は樹脂前駆体の含有量は、通常0.5重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、一方、通常90重量%以下、好ましくは85重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは75重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。上記範囲内であることで、樹脂複合材形成用インク中において、樹脂が沈殿等を起こしにくくなり、良好な分散状態を保つことができる。なお、樹脂は、樹脂複合材形成用インク中に、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
樹脂複合材形成用インクに用いられる溶媒は、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明した溶媒を用いることができる。樹脂複合材形成用インク中の溶媒の含有率は、通常5重量%以上、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上であり、一方、通常99重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下である。上記範囲内であれば、樹脂複合材形成用インクが適度な粘度を持ち、乾燥後に適度な厚みを持った樹脂複合材フィルムが得られるという点で好ましい。溶媒は、樹脂複合材形成用インク中に、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、樹脂複合材形成用インクには、ゼオライト、樹脂、及び溶媒以外のその他の化合物を含んでもよい。例えば、分散剤、表面処理剤、界面活性剤、重合開始剤等を含んでもよい。分散剤、表面処理剤、界面活性剤、重合開始剤は、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明した分散剤、表面処理剤、界面活性剤、重合開始剤を用いることができる。特に、得られる樹脂複合材フィルムの波長450nmの透過率を高め、ヘイズ値を低くするために、樹脂複合材形成用インクは、界面活性剤を含有していることが好ましく、なかでも、上述の理由により、リン酸アミン化合物を含有する分散剤を用いることが好ましい。なお、樹脂複合材形成用インク中のこれらの化合物の合計量は、通常0.001重量%以上、好ましくは0.003重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、さらに好ましくは0.01重量%以上、特に好ましくは0.05重量%以上であり、一方、通常10重量%以下、好ましくは7重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。上記範囲内であれば、樹脂複合材形成用インク中において、ゼオライトや樹脂が沈殿等を起こすことなく、良好な分散状態を保つことができる。
樹脂複合材形成用インクは、24時間以上安定であることが好ましく、1週間以上安定であることがさらに好ましい。安定であればあるほど、インクの大量合成や長期保存が可能となり、製造コストを安くすることができる。
なお、樹脂複合材形成用インクの安定性は、沈殿物の生成や粘度の変化等で評価することができる。沈殿物の生成は、目視や動的光散乱粒子径測定装置で判断することができる。また、粘度は、回転粘度計法(「物理化学実験のてびき」(足立吟也、石井康敬、吉田郷弘編、化学同人(1993)に記載)により求めることができる。
<2−2.混練物の構成成分>
混練物に用いられるゼオライトは、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明したゼオライトが用いることができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
混練物に用いられる樹脂は、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明したゼオライトが用いることができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、混練物に用いられるゼオライト、及び樹脂以外のその他の化合物を含んでもよい。例えば、樹脂複合材形成用インクと同様に、分散剤、表面処理剤、界面活性剤、重合開始剤等を含んでもよい。その他の化合物は、各々1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。これらの化合物の具体例としては、上述の樹脂複合材フィルムにおいて説明したその他の化合物が挙げられる。特に、得られる樹脂複合材フィルムの波長450nmの透過率を高め、ヘイズ値を低くするために、樹脂複合材形成用インクは、界面活性剤を含有していることが好ましく、なかでも、上述の理由により、リン酸アミン化合物を含有する分散剤を用いることが好ましい。
混練物に用いられるゼオライト、樹脂、及びその他の化合物の比率は、所望の樹脂複合材フィルムが得られるように適宜選択すればよい。
<2−3.樹脂複合材形成用インク及び混練物の調合>
樹脂複合材形成用インク、及び混練物は、公知の方法で調合することができ、各構成成分を混合することで製造することができる。なお、その際、樹脂複合材形成用インク及び混練物の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカー、ビーズミル、プラネタリミキサー、攪拌型分散機、ホモジナイザー、自公転攪拌混合機、三本ロール、ニーダー、単軸又は二軸混練機等の一般的な混練装置、及びスターラー等を用いて混合することが好ましい。
各構成成分の混合順序も、反応や沈殿物が発生する等の特段の問題がない限り任意であり、樹脂複合材形成用インク、及び混練物の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め混合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
樹脂複合材フィルムを製造する方法は、樹脂の製造に一般に用いられる方法を用いることができる。その際、樹脂複合材フィルムの製造と、更なる成形を同時に行ってもよい。
樹脂複合材フィルムを構成する樹脂が、熱硬化性樹脂である場合、樹脂複合材フィルムの成形、すなわち硬化は、それぞれの組成に応じた硬化温度条件で行うことができる。
硬化温度は、400℃未満であることが好ましく、370℃以下であることがさらに好ましく、340℃以下であることが特に好ましい。一方、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが更に好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。400℃未満であることは、ロールツーロール法のような、フレキシブル基材を用いる製造工程においても対応可能な温度である点で好ましい。また、80℃以上であることは、ある程度硬化が進行し、樹脂複合材フィルムから未反応成分が溶出することが抑えられる点で好ましい。
樹脂複合材フィルムを構成する樹脂が、熱可塑性樹脂である場合、樹脂複合材フィルムの成形は、熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度及び所定の成形速度や圧力の条件で行うことができる。
溶融温度は、400℃未満であることが好ましく、370℃以下であることがさらに好ましく、340℃以下であることが特に好ましい。一方、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが更に好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。400℃未満であることは、ロールツーロール法のような、フレキシブル基材を用いる製造工程においても対応可能な温度である点で好ましい。また80℃以上であることは、樹脂が均一に溶融できる点で好ましい。
また、樹脂複合材形成用インク等を有する樹脂複合材組成物を、所望の支持体に積層し(積層工程)、次いで熱処理を行うこと(熱処理工程)により、樹脂複合材フィルムを成形することができる。なお、所望の支持体は、製造後取り除いてもよい。
また、熱処理方法としては、例えば、熱風乾燥、赤外線ヒーターによる乾燥等の公知の乾燥方法が採用できる。
熱処理の温度は、400℃未満であることが好ましく、370℃以下であることがさらに好ましく、340℃以下であることが特に好ましい。一方、80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることが更に好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。400℃未満であることは、ロールツーロール法のような、フレキシブル基材を用いる製造工程においても対応可能な温度である点で好ましい。また80℃以上であることは、シート中の残存溶媒を除去できる点で好ましい。
加熱時間は、特に限定されないが、通常30秒以上、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは3分以上である。一方、通常24時間以下、好ましくは12時間以下、より好ましくは1時間以下、さらに好ましくは15分以下である。上記の範囲にあることは、ロールツーロール法のような実用的な製造工程に適合できる点で好ましい。
また、熱処理工程に加えて、さらに光処理工程を行うことにより、円滑に、短時間で、樹脂複合材フィルムを製造することも可能である。なお、光処理工程を行う場合は、上述の光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤を含むことにより、より短時間でフィルムを製造することができる。
光処理工程の時間は、特に限定されないが、通常30秒以上、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは3分以上である。一方、通常60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは20分以下、さらに好ましくは10分以下である。光処理工程の時間が上記の範囲にあることは、ロールツーロール法のような実用的な製造工程に適合できる点で好ましい。
支持体の材料は、本発明の効果を損なわない限りは、特に限定されない。基材の材料の好適な例としては、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料;及びフレキシブル基材が挙げられる。
本発明において、フレキシブル基材とは、曲率半径が通常、0.1mm以上であり、10000mm以下の基材である。なお、フレキシブルな電子デバイスを製造する場合は、屈曲性と支持体としての特性を両立するために、曲率半径が0.3mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがさらに好ましく、一方で、3000mm以下であることが好ましく、1000mm以下であることがさらに好ましい。なお、曲率半径は、ひずみや割れ等の破壊が現れないところまで曲げた基材を、共焦点顕微鏡(例えば、キーエンス社製形状測定レーザマイクロスコープVK−X200)で求めることができる。
フレキシブル基材の具体例としては、本発明の効果を損なわない限りは、特に限定されないが、エポキシ系樹脂等の上述の本発明に係る樹脂;紙又は合成紙等の紙材料;銀、銅、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属箔に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料が挙げられる。
なお、これらの中でも、フレキシブル基材を使用することができると、ロールツーロール方式による製造が可能となり、生産性が向上する。
樹脂基材を使用する場合には、ガスバリア性に留意する必要がある。すなわち、基材のガスバリア性が低過ぎると、基材を通過する外気により樹脂複合材フィルムが劣化することがあるので望ましくない。このため、樹脂基材を使用する場合には、少なくとも一方の板面に緻密な酸化ケイ素膜等を設ける等の方法により、ガスバリア性を確保するのが望ましい。
ガラスとしてはソーダガラス、青板ガラス又は無アルカリガラス等が挙げられる。ガラスからの溶出イオンが少ない点で、これらの中でも無アルカリガラスが好ましい。
支持体の形状に制限はなく、例えば、板状、フィルム状等のものを用いることができる。
また、支持体の膜厚に制限はないが、通常5μm以上、好ましくは20μm以上であり、一方、通常20mm以下、好ましくは10mm以下である。支持体の膜厚が5μm以上であることは、強度が不足する可能性が低くなるために好ましい。支持体の膜厚が20mm以下であることは、コストが抑えられ、かつ重量が重くならないために好ましい。
支持体の材料がガラスである場合の膜厚は、通常0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、一方、通常10mm以下、好ましくは5mm以下である。ガラス基材の膜厚が0.01mm以上であることは、機械的強度が増加し、割れにくくなるために、好ましい。また、ガラス基材の膜厚が5mm以下であることは、質量が重くならないために好ましい。
なお、ロールツーロール方式とは、ロール状に巻かれたフレキシブルな基材を繰り出して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間に加工を行う方式である。ロールツーロール方式によれば、kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、シートツーシート方式に比べて量産化に適した生産方式である。
なお、ロールツーロール方式に用いることのできるロールの大きさは、ロールツーロール方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、ロール芯の外径の上限は、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下である。一方、下限は通常1cm以上、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、さらに好ましくは10cm以上、特に好ましくは20cm以上である。これらの径が上記上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、上記下限以上であると、以下の各工程で成膜される層が、曲げ応力により破壊される可能性が低くなる点で好ましい。ロールの幅の下限は、通常5cm以上、好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上である。一方、上限は、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下である。幅が上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であると、樹脂複合材フィルムの用途の自由度が高くなるため好ましい。
また、熱処理を含む成形方法で成形した固形状の樹脂複合材から、所望の形状に削り出すことによって、樹脂複合材フィルムを得ることもできる。
<3.樹脂複合材フィルムの用途>
本発明に係る樹脂複合材フィルムの用途は、特段に制限はなく、吸水性が求められる用途に使用することができる。また、本発明に係る樹脂複合材フィルムは透明性が高くなる傾向があるために、透明性が求められる用途において適用することが効果的である。具体的には、触媒モジュール、分子篩膜モジュール、光学部材、吸湿部材、食品、建築部材、及び電子デバイスの構成部材や包装部材等に用いることができる。なかでも、電子デバイスの構成部材、例えば、基材、ゲッター材フィルム、封止材等に用いることは、本発明に係る樹脂複合材フィルムの高い特性を活かせるために好ましい。以下、本発明に係る樹脂複合材フィルムの好ましい用途である電子デバイスについて説明する。
<3−1.電子デバイス>
電子デバイスは、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気又は化学物質等により制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場を発生させる装置である。具体的には、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、若しくは化学センサー等、又はこれらの素子を組み合わせ若しくは集積化したデバイスが挙げられる。また、光電流を生じるフォトダイオード若しくはフォトトランジスタ、電界を印加することにより発光する電界発光素子、及び光により起電力を生じる光電変換素子若しくは太陽電池等の光素子も挙げることができる。電子デバイスのより具体的な例は、S.M.Sze著、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition(Wiley Interscience 1981)に記載されているものを挙げることができる。
なかでも、電子デバイスの好ましい例としては、電界効果トランジスタ(FET)素子、電界発光素子(LED)、光電変換素子又は太陽電池が挙げられる。これらのデバイスで、本発明に係る樹脂複合材フィルムの高い特性を有効に活かすことができる。
以下、本発明に係る樹脂複合材フィルムを構成要素として有する電子デバイスの例として、電界効果トランジスタ素子、電界発光素子、光電変換素子、及び太陽電池について、以下、詳細に説明する。
<3−2.電界効果トランジスタ(FET)素子>
電界効果トランジスタ(FET)素子は、本発明に係る樹脂複合材フィルムを構成要素として有している。一実施形態に係る電界効果トランジスタ(FET)素子は、基材上に、半導体層と、絶縁体層と、ソース電極と、ゲート電極と、ドレイン電極とを有する。
以下、一実施形態に係るFET素子について詳細に説明する。図3は、FET素子の構造例を模式的に表す図である。図3において、11が半導体層、12が絶縁体層、13及び14がソース電極及びドレイン電極、15がゲート電極、16が基材、17がFET素子をそれぞれ示す。図3(A)〜(D)にはそれぞれ異なる構造のFET素子が記載されているが、どれもFET素子の構造例を示している。FET素子を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/180230号又は特開2015−134703号公報等の公知文献に記載の技術を使用することができる。
なお、本明細書において「半導体」とは、固体状態におけるキャリア移動度の大きさによって定義される。キャリア移動度とは、周知であるように、電荷(電子又は正孔)がどれだけ速く(又は多く)移動されうるかを示す指標となるものである。具体的には、本明細書における「半導体」は、室温におけるキャリア移動度が通常1.0x10-6cm2/V・s以上、好ましくは1.0x10-5cm2/V・s以上、より好ましくは5.0x10-5cm2/V・s以上、さらに好ましくは1.0x10-4cm2/V・s以上であることが望ましい。なお、キャリア移動度は、例えば電界効果トランジスタのIV特性の測定、等により測定できる。
<3−2−1.基材>
FET素子は、通常基材16上に作製する。基材16の材料は、特に限定されない。基材16の材料の好適な例は、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料;金属箔;又は樹脂や本発明に係る樹脂複合材フィルムを使用することができる。なかでも、生産性の点から、基材はフレキシブルな基材を用いることが好ましい。
本発明において、フレキシブル基材とは、曲率半径が通常、0.1mm以上であり、10000mm以下の基材である。なお、フレキシブルな電子デバイスを製造する場合は、屈曲性と支持体としての特性を両立するために、曲率半径が0.3mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがさらに好ましく、一方で、3000mm以下であることが好ましく、1000mm以下であることがさらに好ましい。なお、曲率半径は、ひずみや割れ等の破壊が現れないところまで曲げた基材を、共焦点顕微鏡(例えば、キーエンス社製形状測定レーザマイクロスコープVK−X200)で求めることができる。
フレキシブル基材の具体例としては、限定されるわけではないが、樹脂;紙又は合成紙等の紙材料;銀、銅、ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属箔に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料;本発明に係る樹脂複合材フィルムが挙げられる。
さらに、基材16に処理を施すことにより、FETの特性を向上させることができる。これは基材16の親水性/疎水性を調整することにより、成膜される半導体層11の膜質を向上させること、特に基材13と半導体層11との界面部分の特性を改良することによるものと推定される。このような基材処理としては、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等を用いた疎水化処理;塩酸、硫酸、及び酢酸等の酸を用いた酸処理;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及びアンモニア等を用いたアルカリ処理;オゾン処理;フッ素化処理;酸素やアルゴン等を用いたプラズマ処理;ラングミュアブロジェット膜の形成処理;その他の絶縁体又は半導体の薄膜の形成処理等が挙げられる。
<3−2−2.絶縁体層>
FET素子の絶縁体層12に用いられる材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、フェノール系樹脂等の樹脂及びこれらの共重合体;二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;窒化ケイ素等の金属窒化物;チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム等の強誘電性金属酸化物;並びにこれらの金属酸化物、金属窒化物、強誘電性金属酸化物等の粒子が分散されている樹脂、本発明に係る樹脂複合材フィルム等が挙げられる。
一般に絶縁体層12の静電容量が大きくなるほどゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので、有利になる。このことは、絶縁体層の厚さを薄くする事等で実現できる。
絶縁体層12の形成方法は、特段の制限はなく、例えば、スピンコート法、ブレードコート法及びスピンコート法等の湿式塗布法、蒸着法、スパッタリング法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、アルミニウムにアルマイトを形成するように金属上に酸化膜を形成する方法等、材料特性に合わせた公知の方法で形成することができる。
<3−3.電界発光素子(LED)>
電界発光素子(LED)は、本発明に係る樹脂複合材フィルムを含有する構成要素を有している。電界発光素子は、電界を印加することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子との再結合エネルギーによって蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。
以下に、電界発光素子について、図面を参照しながら説明する。図4は、電界発光素子の一実施形態を模式的に示す断面図である。図4において、符号31は基材、32は陽極、33は正孔注入層、34は正孔輸送層、35は発光層、36は電子輸送層、37は電子注入層、38は陰極、39は電界発光素子を示している。なお、電界発光素子がこれらの構成部材を全て有する必要はなく、必要な構成部材を任意に選択することができる。例えば、必ずしも、正孔注入層33、正孔輸送層34、電子輸送層36、及び電子注入層37を設ける必要はない。電界発光素子を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/180230号又は特開2015−134703号公報等の公知文献に記載の技術を使用することができる。
一実施形態において、基材31は本発明に係る樹脂複合材フィルムを有している。
<3−3−1.基材(31)>
基材31は、電界発光素子39の支持体となるものであり、その材料は、特に限定されない。具体的な例としては、上述の<3−2−1.基材(16)>で説明したものを使用することができる。
なお、図6は電界発光素子の一実施形態を示すものにすぎず、本発明に係る電界発光素子が図示された構成に限定されるわけではない。例えば、図6とは、逆の積層構造とすること、すなわち、基板31上に陰極38、電子注入層37、電子輸送層36、発光層35、正孔輸送層34、正孔注入層33及び陽極32をこの順に積層することも可能である。
本発明に係る電界発光素子の構成は特に限定されず、単一の素子であっても、アレイ状に配置された構造からなる素子であっても、陽極と陰極とがX−Yマトリックス状に配置された構造の素子であってもよい。
<3−4.光電変換素子>
図5は、光電変換素子の一実施形態を模式的に表す断面図である。図5に示される光電変換素子は、一般的な薄膜太陽電池に用いられる光電変換素子であるが、本発明に係る光電変換素子が図5に示されるものに限られるわけではない。光電変換素子57は、基材56、カソード(電極)51、電子取り出し層(バッファ層)52、活性層53、正孔取り出し層(バッファ層)54及びアノード(電極)55がこの順に形成された層構造を有する。なお、必ずしも電子取り出し層52及び正孔取り出し層54を設ける必要はない。光電変換素子を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/180230号又は特開2015−134703号公報等の公知文献に記載の技術を使用することができる。
<3−4−1.基材(31)>
基材31は、光電変換素子57の支持体となるものであり、その材料は、特に限定されない。具体的な例としては、上述の<3−2−1.基材(16)>で説明したものを使用することができる。
<3−5−1.太陽電池>
光電変換素子57は、太陽電池、なかでも薄膜太陽電池の太陽電池素子として使用されることが好ましい。図6は太陽電池の構成を模式的に表す断面図であり、図6には太陽電池である薄膜太陽電池が示されている。図6に示すように、本実施形態に係る薄膜太陽電池111は、耐候性保護フィルム101と、紫外線カットフィルム102と、ガスバリアフィルム103と、ゲッター材フィルム104と、封止材105と、太陽電池素子106と、封止材107と、ゲッター材フィルム108と、ガスバリアフィルム109と、バックシート110と、をこの順に備える。本実施形態に係る薄膜太陽電池111は、太陽電池素子106として、上記の光電変換素子を有している。そして、耐候性保護フィルム101が形成された側(図6中下方)から光が照射されて、太陽電池素子106が発電するようになっている。なお、薄膜太陽電池111は、これらの構成部材を全て有する必要はなく、必要な構成部材を任意に選択することができる。
薄膜太陽電池を構成するこれらの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、周知技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/180230号又は特開2015−134703号公報等の公知文献に記載の技術を使用することができる。
なお、本発明に係る樹脂複合材フィルムは、基材、耐候性保護フィルム、バックシート、紫外線カットフィルム、ガスバリアフィルム、ゲッター材フィルム、及び封止材のいずれかに使用することが好ましい。なかでも本発明に係る樹脂複合材フィルムは吸湿性が高いので、ゲッター材フィルムの材料に適している。
なお、ここで述べる耐候性保護フィルム、バックシート、紫外線カットフィルム、ガスバリアフィルム、ゲッター材フィルム、及び封止材は、上述の、電界効果トランジスタ素子(FET)、電界発光素子(LED)等のにも用いることができる。
太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池111は、そのまま用いてもよいし、太陽電池モジュールの構成要素として用いられてもよい。例えば、図7に示すように、太陽電池、特には上述した薄膜太陽電池111を基材112上に備える太陽電池モジュール113を作製し、この太陽電池モジュール113を使用場所に設置して用いることができる。
基材112としては、公知の材料を用いることができ、例えば、基材112の材料としては、国際公開第2013/180230号又は特開2015−134703号公報等に記載の材料を用いることができる。また、基材112に、本発明に係る樹脂複合材フィルムを用いてもよい。例えば、基材112として建材用板材を使用する場合、この板材の表面に薄膜太陽電池111を設けることにより、太陽電池モジュール113として、建物の外壁用太陽電池パネルを作製することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により制限されるものではない。
(ゼオライト含有分散剤1の作製)
LTA型ナノゼオライト(中村超硬社製 Zeoal Z4A−005)と、リン酸アミン化合物系分散剤(ビックケミージャパン社製 BYK145)と、トルエンと、質量比が1:0.2:10となる様にそれぞれを混合し、微粉砕分散用ビーズミル(アシザワ・ファインテック社製:ラボスタ―)を用いて、ゼオライト含有分散液1を作製した。ビーズミルの条件は0.05mmジルコニアビーズを用い、周速11m/s、充填率:70%とした。
(樹脂1の製造)
水素添加スチレンーイソブチレンースチレン共重合体は、特開2013−216902号公報に従って製造した。具体的には、下記の方法により行った。攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、ポリスチレンブロック含有率が30質量%で、重量平均分子量(Mw)=111000、数平均分子量(Mn)=82100のスチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(SIBS102T、株式会社カネカ社製)25質量部及びテトラヒドロフラン75質量部からなる溶液と、水素化触媒として5質量%パラジウム担持活性炭触媒4質量部を入れて混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素ガスを供給し、温度170℃、圧力10MPaにて4.5時間水素化反応を行った。
水素化反応終了後、反応液をテトラヒドロフラン100質量部で希釈し、その溶液を濾過して水素化触媒を除去した。濾液をメタノール1200質量部中へ攪拌しながら注ぎ、析出したブロック共重合体を濾過により分離後、減圧乾燥機により乾燥させて、樹脂1を得た。
(樹脂複合材形成用インク1の作製)
上述のゼオライト含有分散液1と、樹脂1と、を、ゼオライトと、樹脂との質量比が=1:10となるように混合し、IKAホモジナイザー(T18デジタルウルトラタックス)を用いて10分間分散させ、樹脂複合材形成用インク1を作製した。
<実施例1:樹脂複合材フィルム1の作製>
剥離PETフィルム(MRF50、厚み50μm、三菱ケミカル社製)の剥離面ではない側に、実施例2−1で得られたインク1を滴下し、硬化後の膜厚が40〜45マイクロメートルになるようバーコーターで延ばして硬化前の塗布膜を得た。その後、塗布膜を110℃で20分乾燥を行い、樹脂複合材フィルム1を得た。なお、東洋精機製作所社製THICKNESS METER B−1で測定した結果、樹脂複合材フィルム1の膜厚は40μmであった。
<透明性の測定>
樹脂複合材フィルム1のヘイズ値を、スガ試験機社製ヘーズコンピュータHZ−2を用いて、測色用補助イルミナントC(C光)により測定した。測定時にはマッチングオイル(カーギルジャパン製イマ−ジョンオイル タイプB)を用いることで、樹脂複合材表面の凹凸など、表面構造に由来する外部ヘイズを除去し、内部ヘイズ値を測定した。また、複合樹脂フィルム1の可視光領域の波長における透過率を島津製作所製分光光度計UV−2500PCを用いて測定した。得られた結果を図8及び表1に示す。なお、図8で示すReferenceとは、水素添加スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体(樹脂1)のみで作ったフィルムである。
Figure 2019112553
表1及び図8の結果より、実施例1に係る樹脂複合材フィルム1は、波長450nmの光の透過率が70%より大きく、ヘイズ値が10%以下であり、高い透明性を有していることが分かる。
<高湿条件における吸湿性の測定>
楠本化成社製の恒温恒湿機(ETAC FX213C)を用いて、実施例1で得られた樹脂複合材フィルム1を、40℃、90%RHの雰囲気に晒し、時間ごとのフィルムの重量変化を測定した。結果を図9に示す。実施例1で得られた樹脂複合材フィルム1は、高湿度条件においても高性能に吸湿することがわかる。
以上より、本発明に係る樹脂複合材フィルムは、高い吸湿性を示しており、電子デバイスの構成部材、特に吸湿フィルム、等に用いることにより適しているといえる。さらに、高い透明性も有しているので、透明性が求められる用途においても使用することができる。
1 樹脂複合材フィルム
2 ゼオライト
3 樹脂
4 その他の化合物
11 半導体層
12 絶縁体層
13、14 ソース電極及びドレイン電極
15 ゲート電極
16 基材
17 FET素子
31 基材
32 陽極
33 正孔注入層
34 正孔輸送層
35 発光層
36 電子輸送層
37 電子注入層
38 陰極
39 電界発光素子
51 カソード
52 電子取り出し層
53 活性層
54 正孔取り出し層
55 アノード
56 基材
57 光電変換素子
101 耐候性保護フィルム
102 紫外線カットフィルム
103、109 ガスバリアフィルム
104、108 ゲッター材フィルム
105、107 封止材
106 太陽電池素子
110 バックシート
111 薄膜太陽電池
112 基材
113 太陽電池モジュール

Claims (3)

  1. ゼオライトと、樹脂と、を含有する樹脂複合材フィルムであって、
    前記樹脂が、芳香環を核水素化した水素化ビニル芳香族重合体ブロックAと、イソブチレンを主体とする重合体のブロックBとを有することをと特徴とする水素化ブロック共重合体系樹脂である、樹脂複合材フィルム。
  2. 前記ゼオライトの平均一次粒径が15〜200nmである、請求項1に記載の樹脂複合材フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂複合材フィルムを含有する電子デバイス。
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