JP2019112367A - 積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法 - Google Patents

積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】経時に伴う炭酸ガス等の発生が抑えられて医薬製剤における包装体の膨張を抑制できる積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法。【解決手段】下記(A)成分を含有し、下記(B)成分を実質的に含有しないα層と、下記(B)成分を含有し、下記(A)成分を実質的に含有しないβ層と、を有し、前記α層及び前記β層の一方又は双方に下記(C)成分を含有する、積層錠。(A)成分:アセチルサリチル酸及びその塩から選択される1種以上。(B)成分:マグネシウム系制酸剤。(C)成分:乳糖水和物、乳糖造粒物、ショ糖、部分α化デンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシメチルセルロース及びマンニトールから選択される1種以上。【選択図】なし

Description

本発明は、積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法に関する。
非ステロイド系抗炎症剤の中でもアセチルサリチル酸(アスピリン)やイブプロフェン等は、優れた消炎、鎮痛、解熱作用を有することから、鎮痛・解熱剤の成分として広く用いられている。
アセチルサリチル酸は、胃障害性を有することから制酸剤と組み合わせて配合されることが多い。アセチルサリチル酸と制酸剤とが製剤中で接触すると、炭酸ガス等が徐々に発生する。炭酸ガス等が発生すると、例えば、PTP(プレススルーパッケージ)包装等の気密容器に充填される医薬製剤においては、個々の薬物収容部が経時で膨張しやすく、アルミシールが剥がれるという問題がある。
こうした問題に対し、特許文献1には、アセチルサリチル酸等の酸性薬物と、崩壊剤と、制酸剤とを併有する層を有する錠剤が提案されている。特許文献1の積層錠では、医薬製剤における薬物収容部の膨張を生じにくくし、アルミシールの剥がれを抑制している。
特開2015−229663号公報
しかしながら、医薬製剤における薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)、アルミシールの剥がれの抑制には、更なる改善が求められている。
そこで、本発明は、経時に伴う炭酸ガス等の発生が抑えられて医薬製剤における薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)、アルミシールの剥がれを抑制できる積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法を目的とする。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、アセチルサリチル酸と制酸剤とをそれぞれ異なる層に含有させた積層錠において、いずれかの層に特定の賦形剤を配合することで、医薬製剤の薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)、アルミシールの剥がれ(以下、包装体の膨張、と称する場合がある)を抑制できることを見出した。
即ち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記(A)成分を含有し、下記(B)成分を実質的に含有しないα層と、下記(B)成分を含有し、下記(A)成分を実質的に含有しないβ層と、を有し、前記α層及び前記β層の一方又は双方に下記(C)成分を含有する、積層錠。(A)成分:アセチルサリチル酸及びその塩から選択される1種以上。(B)成分:マグネシウム系制酸剤。(C)成分:乳糖水和物、乳糖造粒物、ショ糖、部分α化デンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシメチルセルロース及びマンニトールから選択される1種以上。
[2]前記(B)成分が、合成ヒドロタルサイトである、[1]に記載の積層錠。
[3]円柱部と、前記円柱部の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する第一の膨出部と、前記円柱部の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する第二の膨出部と、を有し、前記第一の膨出部における天頂の曲率半径が7mm以上であり、前記第二の膨出部における天頂の曲率半径が7mm以上である、[1]又は[2]に記載の積層錠。
[4]前記第一の膨出部における前記天頂を含む任意の領域及び前記第二の膨出部における前記天頂を含む任意の領域の双方又はいずれか一方が平面である、[3]に記載の積層錠。
[5]錠剤硬度が4〜20kgfである、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層錠。
[6]前記(B)成分の含有量が、積層錠の総質量に対して、5〜50質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の積層錠。
[7]前記β層における前記(C)成分の含有量が、前記β層の総質量に対して、0.1〜67質量%である、[1]〜[6]のいずれかに記載の積層錠。
[8]前記α層における前記(C)成分の含有量が、前記α層の総質量に対して、0.1〜55質量%である、[1]〜[7]のいずれかに記載の積層錠。
[9]包装用シートで形成された薬物収容部と、前記薬物収容部を覆う封止シートとを備える気密保存が可能な包装体に、[1]〜[8]のいずれかに記載の積層錠が充填されている、医薬製剤。
[10][1]〜[8]のいずれかに記載の積層錠の製造方法であって、臼と杵とを有する打錠機を用いて、前記β層を構成するβ層原料を前記臼に充填した後に、前記α層を構成するα層原料を前記β層原料の上に充填して打錠する、積層錠の製造方法。
本発明の積層錠、医薬製剤及び積層錠の製造方法によれば、経時に伴う炭酸ガス等の発生が抑えられて医薬製剤における包装体の膨張を抑制できる。
本発明の一実施形態にかかる積層錠剤(標準R錠)の側面図である。 本発明の一実施形態にかかる積層錠剤(2段R錠)の側面図である。 本発明の一実施形態にかかる積層錠剤(円形スミ角平錠)の側面図である。 本発明の一実施形態にかかる積層錠剤(円形スミ丸平錠)の側面図である。 実施例において、保存試験を行った後のPTP包装体の外観を示す写真である。
[積層錠]
本発明の積層錠は、α層とβ層とを有する。
α層は、(A)成分を含有し、(B)成分を実質的に含有しない。
β層は、(B)成分を含有し、(A)成分を実質的に含有しない。
α層及びβ層の一方又は双方は、(C)成分を含有する。
α層とβ層とは、接触していてもよいし、α層とβ層との間に中間層が設けられていてもよい。中間層としては、(A)成分及び(B)成分を実質的に含まない層が挙げられる。
また、本明細書において「実質的に含まない」とは、対象の層における対象成分の含有量が5質量%以下であることを意味する。
≪α層≫
α層は、(A)成分を含有し、(B)成分を実質的に含有しない。α層は、(C)成分を含有してもよく、含有しなくてもよい。ただし、後述するβ層が(C)成分を含有しない場合、α層は、(C)成分を含有する。
<(A)成分>
(A)成分は、アセチルサリチル酸及びその塩から選択される1種以上である。(A)成分は、薬物成分(有効成分)であり、本発明の積層錠は、(A)成分を含有することで、解熱鎮痛薬として機能する。
アセチルサリチル酸は、その薬学的に許容される塩類も用いることができる。アセチルサリチル酸の塩としては、アセチルサリチル酸アルミニウム等が挙げられる。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の平均粒子径としては、10〜1000μmが好ましく、50〜700μmがより好ましい。(A)成分の平均粒子径が上記下限値以上であると、製造時の流動性が向上しやすい。(A)成分の平均粒子径が上記上限値以下であると、打錠時の圧伝達性(圧力の伝わりやすさ)が良好になりやすい。
なお、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定法で測定できる。
α層中の(A)成分の含有量は、α層の質量に対して、80質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。α層中の(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
(A)成分の含有量は、積層錠1錠あたり、0.1〜300mgが好ましく、50〜280mgがより好ましく、100〜250mgがさらに好ましい。
(A)成分の含有量は、積層錠の総質量に対して、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜60質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、解熱鎮痛効果を高められる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、積層錠を服用しやすい大きさにしやすい。
<(B)成分>
(B)成分は、マグネシウム系制酸剤である。本発明の積層錠は、(B)成分を含有することで、服用後の制酸効果、胃障害抑制効果を有する。
(B)成分は、分子中にマグネシウム原子を含むアルカリ性化合物であり、アルミニウム原子やカルシウム原子、カリウム原子を含んでいても良い。アルカリ性化合物とは、胃液と反応し、pHを上昇させる化合物を意味する。
(B)成分としては、例えば、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈生成物等が挙げられる。これら(B)成分の中でも、炭酸ガス等の発生を抑制し医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、合成ヒドロタルサイト、水酸化マグネシウムが好ましく、合成ヒドロタルサイトがより好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の平均粒子径としては、0.1〜500μmが好ましく、1〜300μmがより好ましい。(B)成分の平均粒子径が上記下限値以上であると、製造時の流動性が向上しやすい。(B)成分の平均粒子径が上記上限値以下であると、打錠時の圧伝達性(圧力の伝わりやすさ)が良好になりやすい。
(B)成分の平均粒子径は、(A)成分の平均粒子径と同様の方法で測定できる。
α層中の(B)成分の含有量は、α層の質量に対して、5質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。α層中の(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
(B)成分の含有量は、積層錠1錠あたり、20〜200mgが好ましく、33.3〜150mgがより好ましく、100〜150mgがさらに好ましい。
(B)成分の含有量は、積層錠の総質量に対して、5〜50質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、服用後の胃障害抑制効果を高められる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制され、積層錠を服用しやすい大きさにしやすい。
<(C)成分>
(C)成分は、乳糖水和物、乳糖造粒物、ショ糖、部分α化デンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシメチルセルロース及びマンニトールから選択される1種以上である。(C)成分は、賦形剤であり、本発明の積層錠は、(C)成分を含有することで、医薬製剤の包装体の膨張を抑制できる。
(C)成分としては、炭酸ガス等の発生を抑制し医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、乳糖水和物、乳糖造粒物、ショ糖、部分α化デンプン、バレイショデンプン、α化デンプン及びマンニトールが好ましく、乳糖水和物及び乳糖造粒物がより好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(C)成分の平均粒子径としては、10〜500μmが好ましく、40〜200μmがより好ましい。(C)成分の平均粒子径が上記下限値以上であると、製造時の流動性が向上しやすい。(C)成分の平均粒子径が上記上限値以下であると、製造時の含量均一性が良好になりやすい。
(C)成分の平均粒子径は、(A)成分の平均粒子径と同様の方法で測定できる。
α層中の(C)成分の含有量は、α層の質量に対して、0.1〜55質量%が好ましく、2〜44質量%がより好ましく、3〜35質量%がさらに好ましい。α層中の(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制され、さらに錠剤の崩壊性が向上する。α層中の(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
(C)成分の含有量は、(C)成分がα層に配合されている場合、積層錠1錠あたり、0.1〜300mgが好ましく、5〜200mgがより好ましく、10〜100mgがさらに好ましい。
(C)成分の含有量は、(C)成分が後述するβ層に配合されている場合、積層錠1錠あたり、0.1〜300mgが好ましく、10〜200mgがより好ましく、20〜150mgがさらに好ましい。
(C)成分の含有量は、積層錠の総質量に対して、0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、医薬製剤の包装体の膨張をより抑制しやすくなり、かつ、積層錠の崩壊性を向上しやすくなる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
<任意成分>
本発明の積層錠は、本発明の効果を損なわない範囲内であれば、(A)成分、(B)成分、(C)成分以外の任意成分を含有してもよい。任意成分は、α層又はβ層のいずれに配合されていてもよく、α層及びβ層の双方に配合されていてもよい。
任意成分としては、例えば、生理活性成分や、各種添加剤等が挙げられる。
生理活性成分としては、例えば、(A)成分以外の解熱鎮痛成分(例えば、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、ロキソプロフェンナトリウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、スルピリン等)、鎮静催眠成分(例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン)、ビタミン成分(例えば、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)等が挙げられる。
これらの生理活性成分は、医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、α層に配合されることが好ましい。
各種添加剤としては、例えば、結合剤、(C)成分以外の賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、香料、色素、甘味料、酸味料等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等が挙げられる。
(C)成分以外の賦形剤としては、例えば、結晶セルロース、コーンスターチ、粉糖、L−システイン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
香料としては、例えば、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。
色素としては、例えば、三二酸化鉄が挙げられる。
甘味料としては、例えば、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等が挙げられる。
これら任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
積層錠は、必要に応じてコーティング剤によりコーティング処理を施してもよい。かかるコーティング剤としては、アセチルサリチル酸又はその塩の溶出性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、上述した結合剤、(C)成分以外の賦形剤、崩壊剤のほか、水溶性高分子化合物、可塑剤等が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース類;カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(ショ糖、乳糖を除く。)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等が挙げられる。
可塑剤としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン等の日本薬局方(広川書店)及び医薬品添加物規格((株)薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。
これらコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コーティング剤の被覆量は、アセチルサリチル酸又はその塩の溶出性を著しく損なわない範囲で適宜設定される。
本発明の積層錠が任意成分を含有する場合、任意成分の含有量は、積層錠の総質量に対して、0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜3質量%がより好ましい。
なお、本実施形態のα層を構成する各成分の合計量は、α層の質量基準に対して100質量%を超えない。
また、1錠あたりの各成分の合計量は、1錠あたりの質量基準に対して100質量%を超えない。
≪β層≫
β層は、(B)成分を含有し、(A)成分を実質的に含有しない。β層は、(C)成分を含有してもよく、含有しなくてもよい。ただし、α層が(C)成分を含有しない場合、β層は(C)成分を含有する。
医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、β層は(C)成分を含有することが好ましい。
β層中の(B)成分の含有量は、β層の質量に対して、60〜100質量%が好ましく、65〜89質量%がより好ましく、80〜89質量%がさらに好ましい。β層中の(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、服用後の胃障害抑制効果を高められる。β層中の(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、医薬製剤の包装体の膨張をより抑制しやすい。
β層中の(A)成分の含有量は、β層の質量に対して、5質量%以下であり、1質量%以下が好ましく、0質量%がより好ましい。β層中の(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
β層が、(C)成分を含有する場合、β層中の(C)成分の含有量は、β層の質量に対して、0.1〜67質量%が好ましく、6〜57質量%がより好ましく、10〜47質量%がさらに好ましい。β層中の(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制され、さらに錠剤の崩壊性が向上する。β層中の(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、炭酸ガス等の発生が抑制されるため医薬製剤の包装体の膨張が抑制される。
β層は、任意成分を含有してもよい。任意成分としては、α層の項で記載した任意成分が挙げられる。β層は、炭酸ガス等の発生を抑制し医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、α層の項で記載した任意成分のうち生理活性成分を含有しないことが好ましい。
なお、本実施形態のβ層を構成する各成分の合計量は、β層の質量基準に対して100質量%を超えない。
[積層錠の形状]
積層錠の形状は、標準R錠、2段R錠、円形スミ角平錠、円形スミ丸平錠等が挙げられる。積層錠の形状について、以下に図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、標準R錠100は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する。第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する。
第一の膨出部12における天頂12Aは、一方の端面に対して最も高いところに位置する点である。第二の膨出部22における天頂22Aは、他方の端面に対して最も低いところに位置する点である。
標準R錠100は、α層10と、このα層10に隣接するβ層20とを備える。
側面視においてα層10とβ層20との境目には、境界線30が形成されている。
天頂12Aの曲率半径はR1であり、天頂22Aの曲率半径はR2である。R1とR2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、R1とR2とは、同じであることが好ましい。
図2に示すように、2段R錠200は、第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径において、周縁からの立ち上がり部の曲率半径R3と天頂12Aの曲率半径R4が異なる曲率半径を有し、R3<R4の両凸面錠剤である。
2段R錠200は、第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径において、周縁からの立ち上がり部の曲率半径R5と天頂22Aの曲率半径R6が異なる曲率半径を有し、R5<R6の両凸面錠剤である。
ここで、「第一の膨出部12の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂12Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第一の膨出部12の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
「第二の膨出部22の表面の曲線の曲率半径」とは、天頂22Aを通るように、円柱部8の端面に対して垂直方向に切断した際の断面において、第二の膨出部22の表面が描く曲線を円の一部とみなした際のその円の半径をいう。
曲率半径R3とR5とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
曲率半径R4とR6とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
錠剤強度の観点から、曲率半径R3とR5とは、同じであることが好ましい。
錠剤強度の観点から、曲率半径R4とR6とは、同じであることが好ましい。
図3に示すように、円形スミ角平錠300は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい角度θ1によって直線的に立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい角度θ2によって直線的に立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
第一の膨出部12における立ち上がり角度θ1と、第二の膨出部22における立ち上がり角度θ2とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、角度θ1とθ2とは、同じであることが好ましい。
図4に示すように、円形スミ丸平錠400は、円柱部8と、第一の膨出部12と、第二の膨出部22とを有する両凸面錠剤である。
第一の膨出部12は、円柱部8の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かい曲率半径R7により立ち上がり、天頂12Aを含む任意の領域が平面となる。
第二の膨出部22は、円柱部8の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かい曲率半径R8により立ち上がり、天頂22Aを含む任意の領域が平面となる。
曲率半径R7と曲率半径R8とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、曲率半径R7と曲率半径R8とは、同じであることが好ましい。
積層錠の形状は、標準R錠もしくは2段R錠、円形スミ角平錠、円形スミ丸平錠が好ましい。
積層錠の天頂の曲率半径R(2段R錠の場合はR4又はR6が相当)は、下限として、7mm以上が好ましく、12.5mm以上がより好ましく、天頂を含む領域が平面であることがさらに好ましい。曲率半径Rが上記下限値以上であると、医薬製剤の包装体の膨張をより抑制しやすくなり、かつ、打錠時の杵表面への原料粉体の付着を抑制しやすい。
標準R錠や2段R錠において、積層錠の天頂の曲率半径R(2段R錠の場合はR4又はR6が相当)の上限は、35mm以下が好ましく、30mm以下がさらに好ましい。上記上限以下であると、錠剤の服用性が良好になる。
図1〜4に示すように、本実施形態の積層錠は、第一の膨出部12の外周に平面視円環状の水平面(ランド部14)と、第二の膨出部22の外周に平面視円環状の水平面(ランド部24)とを有する。ランド部14の幅はWである。
ランド部24の幅は、Wと同じであってもよく、異なっていてもよい。錠剤強度の観点から、ランド部24の幅は、Wと同じであることが好ましい。
図1〜4に示すように、本実施形態の積層錠の大きさは、特に限定されない。
積層錠の直径Lは、6〜13mmが好ましく、8〜10mmがより好ましい。直径Lが上記下限値以上であると、積層錠がつまみやすく、服用者が扱いやすい。一方、直径Lが上記上限値以下であると、服用性がより向上する。
積層錠の高さHは、3〜10mmが好ましく、3〜7mmがより好ましい。
第一の膨出部(天面)12の膨出の程度(キャップ高さh1)は、錠剤強度の観点から、1〜2mmが好ましい。
第二の膨出部(底面)22の膨出の程度(キャップ高さh2)は、キャップ高さh1と同様である。キャップ高さh1とキャップ高さh2とは、同じでもよいし、異なってもよい。第一の膨出部12と第二の膨出部22とは、上下非対称であってもよいが、錠剤強度の観点から、上下対称であることが好ましい。
積層錠の質量は、200〜600mgが好ましく、300〜500mgがより好ましい。
積層錠の大きさは、服用性の観点から、以下の範囲に含まれることが好ましい。
・標準R錠100 曲率半径R1、R2=4.0〜24.0mm、ランド部14、24の幅W=0.05〜0.1mm。
・2段R錠200 曲率半径R3、R5=1.2〜8.0mm、曲率半径R4、R6=4.5〜21.5mm、ランド部14、24の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ角平錠300 立ち上がり角度θ1、θ2=25〜35°、ランド部14、24の幅W=0.05〜0.1mm。
・円形スミ丸平錠400 立ち上がり部の曲率半径R7、R8=0.7〜5.0mm、ランド部14、24の幅W=0.05〜0.1mm。
立ち上がり角度θ1、θ2とは、面取り部の水平方向に対する角度のことである。
積層錠の刻印はあってもよいし、無くてもよい。
積層錠の形状は、上述の実施形態には限定されない。
積層錠は、例えば、ランド部を有さず、錠剤周縁部と膨出立ち上がり部とが接していてもよい。
積層錠の形状が円形スミ角平錠又は円形スミ丸平錠の場合、第一の膨出部における天頂を含む任意の領域及び第二の膨出部における天頂を含む任意の領域のいずれか一方が平面でなくてもよい。
積層錠の形状は、平面視円形でなくてもよく、平面視楕円形や、平面視方形、平面視円形と平面視方形とが複合した形状であってもよい。
本発明の積層錠は多層錠であり、2層錠でも3層錠でもよい。積層錠は、医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、2層錠が好ましい。
積層錠の錠剤硬度は、4〜20kgf(39〜196N)が好ましく、6〜15kgf(59〜147N)がより好ましい。錠剤硬度が上記下限値以上であると、医薬製剤の包装体の膨張を抑制しやすい。錠剤硬度が上記上限値以下であると、錠剤が短時間で崩壊しやすくなり、即効性が得られやすい。
[積層錠の製造方法]
本発明の積層錠の製造方法としては、臼と杵とを有する打錠機を用いて、β層を構成するβ層原料を前記臼に充填した後に、α層を構成するα層原料をβ層原料の上に充填して打錠する方法が挙げられる。
α層を構成するα層原料(粉体)は、原末をそのまま用いてもよく、造粒したものを用いてもよい。
造粒したものを用いる場合、造粒方法は公知の造粒方法を採用できる。造粒方法としては、例えば乾式造粒法、流動層造粒法等が挙げられる。得られる造粒物の平均粒子径は10〜2000μmが好ましく、50〜1000μmがより好ましい。
β層を構成するβ層原料(粉体)については、α層を構成するα層原料(粉体)と同様である。
積層錠を打錠する際には、炭酸ガス等の発生を抑制し、医薬製剤の包装体の膨張を抑制する観点から、β層原料を先に充填してからα層原料を充填することが好ましい。
積層錠を打錠する際の打錠圧は、8〜14kNが好ましく、10〜14kNがより好ましく、14kNがさらに好ましい。打錠圧が上記下限値以上であると、医薬製剤の包装体の膨張を抑制しやすくなり、かつ、粉体が錠剤として成形されやすくなる。打錠圧が上記上限値以下であると、錠剤が短時間で崩壊しやすくなり、即効性が得られやすい。
打錠には、一般的に用いられる打錠機を用いることができる。打錠機としては、例えば、ロータリー式の打錠機等が挙げられる。
本発明の積層錠によれば、(A)成分であるアセチルサリチル酸及びその塩から選択される1種以上と、(B)成分であるマグネシウム系制酸剤とが別々の層に含まれ、(A)成分を含むα層又は(B)成分を含むβ層の少なくともいずれかに(C)成分である賦形剤が含まれるので、炭酸ガス等の発生が抑制され医薬製剤の包装体の膨張を抑制できる。
また、本発明の積層錠の製造方法によれば、打錠するときの圧伝達性が良好になるため、医薬製剤の包装体の膨張をより抑制できる。
[医薬製剤]
本実施形態の医薬製剤は、包装用シートで形成された薬物収容部と、薬物収容部を覆う封止シートとを備える気密保存が可能な包装体に、本発明の積層錠を収容する。薬物収容部は、包装用シートに形成された窪みである。この窪みに積層錠が収容される。包装用シートは、樹脂製である。樹脂は、主として、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、一般的にPTP用途に用いられる、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
包装用シートは、上記樹脂の単層シートでもよく、上記樹脂の複数を積層した積層シートでもよい。
封止シートは、シート状に形成されており、包装用シートと融着等により接合されている。封止シートは、薬物収容部を閉塞し気密容器とする。封止シートとしては、アルミ箔やフィルム等、従来公知のものを用いることができる。
本実施形態の医薬製剤は、本発明の積層錠を包装体に収容するため、薬物収容部を覆う封止シートの膨張をより抑制できる。
本実施形態の医薬製剤は、PTP包装体として好適に用いられる。医薬製剤は、封止シートを包装用シートから剥離するブリスター包装等の他の形式の包装体であってもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の[使用原料]に示す通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
アスピリンスターチ顆粒(アセチルサリチル酸とトウモロコシデンプンとを9:1の質量比で配合した顆粒)、製品名「Rhodine2312」(Novacyl社製)、平均粒子径550μm。
アセチルサリチル酸(アスピリン)、製品名「Rhodine3220」(Novacyl社製)、平均粒子径100μm。
<(B)成分>
合成ヒドロタルサイト、製品名「アルカマックSN」(協和化学工業(株)製)、平均粒子径250μm。
酸化マグネシウム、グレード「細粒」(富田製薬(株)製)、平均粒子径5μm。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、(富士化学工業(株)製)、平均粒子径15μm。
<(C)成分>
乳糖水和物、製品名「Pharmatose200M」(DSP五協フード&ケミカルズ(株)製)、平均粒子径50μm。
乳糖造粒物、製品名「乳糖G」(フロイント産業(株)製)、平均粒子径200μm。
部分α化デンプン、製品名「PC−10」(旭化成ケミカルズ(株)製)、平均粒子径70μm。
α化デンプン、製品名「WB−1」(旭化成ケミカルズ(株)製)、平均粒子径80μm。
カルボキシメチルスターチナトリウム、製品名「Primojel」(DMV international社製)、平均粒子径50μm。
カルボキシメチルセルロース、製品名「NS−300」(ニチリン化学工業(株)製)、平均粒子径60μm。
マンニトール、製品名「PEARLITOL」(ロケットジャパン(株)製)、平均粒子径150μm。
<(C)’成分((C)成分の比較成分)>
クロスポビドン(ポリビニルピロリドン)、製品名「ポリプラスドンXL」(アイエスピージャパン(株)製)、平均粒子径130μm。
<任意成分>
ステアリン酸マグネシウム(植物性)、グレード「軽質」(DSP五協フード&ケミカルズ(株)製)、平均粒子径5μm。
[実施例1〜26、比較例1〜2]
<α層原料の作製>
表1〜3に従い、(A)成分(実施例25では(A)成分及び(C)成分)を量り取り、ビニール袋に入れて振って混合し、α層原料を得た。
なお、表1〜3中、各成分の数値は積層錠1錠あたりの質量(mg)を表す。
表1〜3中、「第1層」は、打錠機の臼に最初に充填した層原料を表す。また、第2層は、第1層の次に充填した層原料を表す。
表1〜3中、「2段R」は、錠剤形状が2段R錠であることを意味する。
表2中、「スミ角平」は、錠剤形状が円形スミ角平錠であることを意味する。
表2中、「スミ丸平」は、錠剤形状が円形スミ丸平錠であることを意味する。
表2中、天頂の曲率半径の欄の「平面」は、天頂を含む任意の領域が平面であることを意味する。
表2中、「標準R(1)」、「標準R(2)」は、錠剤形状が標準R錠であることを意味する。
<β層原料の作製>
表1〜3に従い、(B)成分、(C)成分(比較例1では(C)’成分)及び任意成分を量り取り、ビニール袋に入れて振って混合し、β層原料を得た。
<積層錠の打錠>
β層原料を第1層、α層原料を第2層(実施例26では、α層原料を第1層、β層原料を第2層)となるように臼に充填し、ロータリー式打錠機((株)菊水製作所製、「リブラ 3L」)を用い、表1〜3に記載の打錠圧で打錠し、表1〜3に記載の形状の積層錠を得た。なお、打錠条件、杵臼の形状は下記の通りとした。
(打錠条件)
盤回転速度:15rpm。
予圧(第1層及び第2層充填後の予備圧縮における圧力):2kN。
本圧(予備圧縮後の本圧縮における圧力):8〜14kN(表1〜3に記載)。
(杵臼の形状)
2段R錠(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径9.0mm、キャップ高さh1=h2=1.5mm、曲率半径R3=R5=3.6mm、曲率半径R4=R6=10.5mm、ランド部の幅W=0.1mm、刻印なし、12本立て。
標準R錠(1)(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径8.5mm、キャップ高さh1=h2=0.85mm、曲率半径R1=R2=12.5mm、ランド部の幅W=0.1mm、刻印有り、12本立て。
標準R錠(2)(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径8.5mm、キャップ高さh1=h2=1.36mm、曲率半径R1=R2=7.0mm、ランド部の幅W=0.1mm、刻印有り、12本立て。
円形スミ角平錠(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径8.5mm、キャップ高さh1=h2=0.4mm、立ち上がり角度θ1=θ2=30°、ランド部の幅W=0.1mm、刻印有り、12本立て。
円形スミ丸平錠(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径8.5mm、キャップ高さh1=h2=0.4mm、立ち上がり部の曲率半径R7=R8=2.1mm、ランド部の幅W=0.1mm、刻印有り、12本立て。
[比較例3]
(単層原料の作製)
表4に従い、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び任意成分を量り取り、ビニール袋に入れて振って混合し、単層原料を得た。
(単層錠の打錠)
単層原料を臼に充填し、実施例1と同様に打錠した。
(打錠条件)
盤回転速度:15rpm。
本圧:10kN(表4に記載)。
(杵臼の形状)
2段R錠(第一の膨出部と第二の膨出部とは上下対称):直径9.0mm、キャップ高さh1=h2=1.5mm、曲率半径R3=R5=3.6mm、曲率半径R4=R6=10.5mm、ランド部の幅W=0.1mm、刻印なし、12本立て。
<包装体における薬物収容部の膨張を抑制する効果についての評価>
各例の積層錠を、それぞれPTP(住友ベークライト(株)製、VSL−4610N)の薬物収容部に収容し、PTP包装機(大和化成工業(株)製、K−200Kシール機)を用いて、薬物収容部を塞ぐようにアルミ箔(東洋アルミニウム(株)製、PVC用)をPTPにシールすることによりPTP包装体を作製した。
次いで、得られたPTP包装体を、温度60℃、相対湿度75%RHの条件下で7日間保存する試験(PTP包装体の保存試験)を行った。
その後、PTP包装体の状態(外観)を目視で観察し、下記の評価基準に従い、包装体における薬物収容部の膨張、アルミシールの剥がれを抑制する効果について評価した。この結果を表1〜4に示した。かかる評価が◎◎、◎、○のいずれかであれば、本発明による効果が有り、と判断した。
《評価基準》
◎◎:薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)も、アルミシールの剥がれも認められなかった。
◎:薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)が少し認められたが、アルミシールの剥がれは認められなかった。
○:薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)が認められ、薬物収容部の縁の一部に、アルミシールの剥がれが認められた。
×:薬物収容部が膨張(アルミシール部が膨張)し、薬物収容部の縁全体に、アルミシールの剥がれが認められた。
図5は、上述の保存試験を行った後のPTP包装体の状態(外観)を示す写真であり、上記評価基準(◎◎、◎、○、×)のそれぞれの状態を示すPTP包装体の一例である。
図5に示すPTP包装体においては、平面視略円形状の薬物収容部に積層錠が収容され、アルミシールが薬物収容部を塞ぐように設けられている。
表1〜4に示すように、本発明を適用した実施例1〜26は、薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)を抑制する効果が「◎◎」、「◎」又は「○」で、薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)を抑制できていることが分かった。
一方、(C)成分の代わりに(C)’成分を用いた比較例1、(C)成分を含有しない比較例2、α層又はβ層を含有せず、単層錠である比較例3は、薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)を抑制する効果が「×」だった。
本発明の積層錠によれば、経時に伴う炭酸ガス等の発生が抑えられて包装体における薬物収容部の膨張(アルミシール部の膨張)をより生じにくくし、アルミシールの剥がれを抑制できることが分かった。
8 円柱部
10 α層
12 第一の膨出部
12A、22A 天頂
14、24 ランド部
20 β層
22 第二の膨出部
30 境界線
100 標準R錠
200 2段R錠
300 円形スミ角平錠
400 円形スミ丸平錠

Claims (7)

  1. 下記(A)成分を含有し、下記(B)成分を実質的に含有しないα層と、
    下記(B)成分を含有し、下記(A)成分を実質的に含有しないβ層と、を有し、
    前記α層及び前記β層の一方又は双方に下記(C)成分を含有する、積層錠。
    (A)成分:アセチルサリチル酸及びその塩から選択される1種以上。
    (B)成分:マグネシウム系制酸剤。
    (C)成分:乳糖水和物、乳糖造粒物、ショ糖、部分α化デンプン、バレイショデンプン、α化デンプン、カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ヒドロキシメチルセルロース及びマンニトールから選択される1種以上。
  2. 前記(B)成分が、合成ヒドロタルサイトである、請求項1に記載の積層錠。
  3. 円柱部と、前記円柱部の一方の端面の周縁近傍から、前記一方の端面の中心に向かうに従って膨出する第一の膨出部と、前記円柱部の他方の端面の周縁近傍から、前記他方の端面の中心に向かうに従って膨出する第二の膨出部と、を有し、
    前記第一の膨出部における天頂の曲率半径が7mm以上であり、
    前記第二の膨出部における天頂の曲率半径が7mm以上である、請求項1又は2に記載の積層錠。
  4. 前記第一の膨出部における前記天頂を含む任意の領域及び前記第二の膨出部における前記天頂を含む任意の領域の双方又はいずれか一方が平面である、請求項3に記載の積層錠。
  5. 錠剤硬度が4〜20kgfである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層錠。
  6. 包装用シートで形成された薬物収容部と、前記薬物収容部を覆う封止シートとを備える気密保存が可能な包装体に、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層錠が充填されている、医薬製剤。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層錠の製造方法であって、
    臼と杵とを有する打錠機を用いて、前記β層を構成するβ層原料を前記臼に充填した後に、前記α層を構成するα層原料を前記β層原料の上に充填して打錠する、積層錠の製造方法。
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