JP2019111041A - 固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】手を固定しながら、切開した傷を開いた状態に維持する開創片を備えた固定具を提供する。【解決手段】本実施形態に係る固定具1は、手のひらまたは手の甲を載置する載置部と、載置部から伸長した、載置部に載置された手の指を固定する指固定片と、載置部から伸長した、載置部に載置された手首を固定する手首固定部と、載置部に形成された、切開部位を開いた状態に保持する2本の棒状の開創片とを有し、載置部、指固定片、手首固定部、及び開創片は、金属により平板状に形成され、金属は、手で曲げられる程度の硬さである。【選択図】図1

Description

本発明は、固定具に関するものである。
例えば、特許文献1には、純度97.00wt%〜99.99wt%の錫で形成したことを特徴とする医療器具が開示されている。
特開2013−90856号公報
本発明は、手を固定しながら、切開した傷を開いた状態で維持する開創片を備えた固定具を提供することを目的とする。
本発明に係る固定具は、手のひらまたは手の甲を載置する載置部と、前記載置部から伸長した、前記載置部に載置された手の指を固定する指固定片と、前記載置部から伸長した、前記載置部に載置された手の手首を固定する手首固定部と、前記載置部から伸張した、切開部位を開いた状態に保持する2本の棒状の開創片とを有し、前記載置部、前記指固定片、前記手首固定部、及び前記開創片は、金属により平板状に形成され、前記金属は、手で曲げられる程度の硬さである。
好適には、前記金属は、99wt%以上の錫合金である。
好適には、前記開創片の先端は、前記開創片の付け根部分の厚さよりも薄い。
好適には、前記載置部、前記指固定片、前記手首固定部、及び前記開創片は、前記金属により、同じ厚さで一体的に形成されており、前記指固定片は、前記載置部の外縁から伸長した5本の金属片であり、前記各指固定片の長さは、人の手の各指の長さに対応している。
好適には、前記開創片は、前記載置部の外縁から伸長した2本の金属片であり、前記開創片の付け根部分の厚さは、前記指固定片の厚さよりも厚い。
好適には、前記固定具の一方の面は、1.5mm以上の凹凸を有し、前記固定具の他方の面は、0.5mm以下の凹凸を有し、前記載置部は、1.5mm以上の凹凸を有する面に手のひらまたは手の甲を載置する
本発明によれば、手を固定しながら、切開した傷を開いた状態に維持することができる。
本実施例における固定具1の構成を説明する平面図である。 固定具1の使用例である。 (a)開創片40が板状である場合の曲げについて説明する図であり、(b)は、開創片40が棒状である場合の曲げについて説明する図である。 (a)は、本実施例における固定具1の斜視図であり、(b)は、A部分を拡大した側面図である。 変形例における固定具1を例示する図である。
以下、本発明に係る実施形態の構成を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。また、本実施形態では、説明の便宜上、左手用の固定具について説明するが、左手用と右手用は略左右対称であり、右手用においても、左手用と同様の構成を採用することができるものとする。
まず、本実施形態に係る背景と概要とを説明する。
従来、手を治療するために手を固定する固定具が存在する。しかしながら、開創器を兼ね備えるものはなく、手を手術する際、手を固定具に固定し、切開した傷を開いた状態に維持しておくための器具がさらに必要であった。また、既存の手の固定具は、固定具の一方の面を右手用、他方の面を左手用として使用しており、一つの固定具を左右兼用としているため、固定具を表裏の両面側に曲げるため、使用回数を重ねると曲げを繰り返していた部分が折れる虞があった。
そこで、本実施形態に係る固定具1は、手を固定する固定具に、術野を確保しておくための開創器を備えることで、傷を開いた状態に維持するための、器具または助手を必要とすることなく、執刀医1人で手術を可能にし、さらに、固定具1を片面使用とすることにより、固定具1の耐久性を高めるものである。
図1は、本実施例における固定具1の構成を説明する平面図である。
図1に例示するように、固定具1は、人の手の形状を模しており、人の手を固定し、手術または処置をするための処置台である。固定具1は、載置部10、手首固定部20、指固定片30、及び開創片40により構成されている。固定具1は、載置部10、手首固定部20、指固定片30、及び開創片40が同じ厚みで一体的に平板状に形成されている。また、固定具1は、手で曲げられる程度の硬さを備える金属材料により構成されている。具体的には、金属材料は、99wt%以上の錫合金により構成されている。錫で形成されているため、固定具1は、抗菌・滅菌作用を有する。また、固定具1は、99wt%以上である高純度の錫と、0.1%wt以下の銀とを含む合金により構成されていてもよい。銀を含有させることにより、固定具1の硬さを調節することができる。固定具1は、錫製であるため、使用後の滅菌の際に、オートクレーブを使用しても既存の鉛製の固定具に比べ変色しにくい。
図2は、固定具1の使用例を表す図である。
(載置部10)
図2に例示するように、載置部10は、手のひらまたは手の甲を載置する部分であり、本例では、載置部10に手の甲を接触させるものとする。
(手首固定部20)
手首固定部20は、載置部10から左右に伸張した帯状の形状であり、載置部10に載置された手の手首を固定する。具体的には、手首固定部20は、載置部10に載せた手の手首に向けて帯状の両端を折り曲げ、固定具1に対する手首の位置を固定する。図1に例示する手首固定部20の寸法は、縦Hは7cm、横Waは約25cmである。
(指固定片30)
指固定片30は、載置部10から伸長し、載置部10に載置された手の指を固定する。具体的には、指固定片30は、載置部10の外縁から伸長した5本の金属片であり、各指固定片の長さは、人の手の各指の長さに対応している。具体的には、各指固定片30の長さは、人の手の各指よりも長く、指固定片30は、端部を載置部10に載せた手の指の先端に向かって折り曲げることにより指の位置を固定する。さらに具体的には、各指固定片30の長さは、曲げた際に、大人の手の指の第1関節を覆う程度の長さであることが好ましい。各指固定片の寸法は、図1に例示する親指を固定する指固定片30の長さLaは、約5cm、人差し指を固定する指固定片30の長さLbは、約11cm、中指を固定する指固定片30の長さLcは、約12cm、薬指を固定する指固定片30の長さLdは、約10.5cm、小指を固定する指固定片30の長さLeは、約8cmである。また、指固定片30の幅Wbは、2.7cm以上3.2cm以下であり、具体的には、指固定片30の幅Wbは、3cmである。
固定具1は、載置部10、手首固定部20、及び指固定片30を曲げることにより、載置した手に適合する形状を維持するため、手で曲げられる程度の硬さを実現する厚さであること要する。具体的には載置部10、手首固定部20、及び指固定片30の厚さは、1.5mm以上2.5mm以下であり、より具体的には、載置部10、手首固定部20、及び指固定片30の厚さは、2mmである。
(開創片)
開創片40は、載置部10から伸長した、切開部位を開いた状態に保持する2本の棒状の開創器である。具体的には、開創片40は、載置部10の外縁から伸長しており、開創片40は、載置部10と手首固定部20との境界周辺から伸長し、開創片40の一方は、親指に対応する指固定片30側に、他方は、小指に対応する指固定片30側から伸長している。開創片40は、載置部10及び指固定片30を囲むように湾曲し、2本の開創片40は、略左右対称の形状である。開創片40の形成位置及び形状により、手のひらにおいて縦に切開された傷を横に開く張力がかかりやすく、効率的に傷を開いた状態に保持することを可能にする。
また、開創片40は、先端が載置部10に載置された手の手首から中指の先端まで届く程度の長さである。
図3に例示するように、開創片40は、捻じることで方向を変えられる。例えば、中指方向へ開創片40を曲げようとする場合、図3(a)のように開創片40が板状で、載置部10に固定されている固定部位が大きい場合に比べ、図3(b)のように開創片40が棒状であり、固定部位がより小さい方が捻じりやすい。つまり、開創片40は、棒状であるため、開創片40の角度を手首から中指の方向まで容易に変えることができる。
また、図4(a)及び(b)に例示するように、開創片40の付け根部分は、指固定片30の厚さよりも厚い。具体的には、開創片40の厚さは、先端42を除き、3mm以上5mm以下であり、より具体的には、図4(b)において、開創片40の厚さDaは、4mmである。この厚さにより、開創片40は、様々な角度の曲げに耐え得る強度を備えることができる。また、開創片の幅Wcは、1cmである。
さらに、開創片40の先端42は、切開した傷に入り込める厚さである必要があり、開創片40の先端42以外の厚さよりも薄い。具体的には、図4(b)に例示する、開創片40の先端42の厚さDbは、1.5mm以上2.5mm以下であり、具体的には、開創片40の先端42の厚さDbは、2mmである。開創片40の先端42とは、開創片40の1/3程度を示し、具体的には、開創片40の先端の長さLfは、8cmである。
固定具1には表裏があり、一方の面は、1.5mm以上の凹凸を有し、他方の面は、0.5mm以下の凹凸を有する。固定具1の表面、つまり、1.5mm以上の凹凸を有する面に、手のひらは載置される。固定具1の裏面は、処置台等に固定具1を載置する際に、安定して固定具1を載置できる程度の凹凸でなければならない。より好適には、固定具1の裏面は、平滑であることが好ましい。手を載せる面が決まっているため、手首固定部20、指固定片30、及び開創片40を固定具1の裏面側へと曲げることはない。したがって、手首固定部20、指固定片30、及び開創片40を曲げる方向が決まっているため、固定具1を両面使用する場合よりも手首固定部20、指固定片30、及び開創片40が折れるリスクが低減される。
以上説明したように、固定具1は開創片40を備えるため、執刀医1人でも術野を確保しつつ手術を行うことができる。また、固定具1は、錫の抗菌・滅菌作用により衛生的であり、さらに、錫は金属アレルギーを引き起こしにくいため、固定具1は、肌に触れても他の金属よりも安全である。そして、固定具1は、片面使用であるため、開創片40を裏面側に向けて曲げる必要がなく、両面使用の固定具に比べ、耐久性が高くなる。
(変形例)
上記実施形態では、指固定片30が人の手の指に対応した数及び長さであるが、これに限定されず、例えば、図5に例示するように、指固定片30が3つであってもよく、具体的には、指固定片30は、親指、中指、及び小指を固定してもよい。そして、手首固定部20は、載置部10から左右一方のみに伸張した帯状であってもよく、載置部10から右、又左に伸びた先端を手首側に曲げ、手首固定部20を手首に巻き付けて手首を固定してもよい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
1 固定具
10 載置部
20 手首固定部
30 指固定片
40 開創片
42 先端

Claims (6)

  1. 手のひらまたは手の甲を載置する載置部と、
    前記載置部から伸長した、前記載置部に載置された手の指を固定する指固定片と、
    前記載置部から伸長した、前記載置部に載置された手の手首を固定する手首固定部と、
    前記載置部から伸張した、切開部位を開いた状態に保持する2本の棒状の開創片と
    を有し、
    前記載置部、前記指固定片、前記手首固定部、及び前記開創片は、金属により平板状に形成され、
    前記金属は、手で曲げられる程度の硬さである
    固定具。
  2. 前記金属は、99wt%以上の錫合金である
    請求項1に記載の固定具。
  3. 前記開創片の先端は、前記開創片の付け根部分の厚さよりも薄い
    請求項1に記載の固定具。
  4. 前記載置部、前記指固定片、前記手首固定部、及び前記開創片は、前記金属により、同じ厚さで一体的に形成されており、
    前記指固定片は、前記載置部の外縁から伸長した5本の金属片であり、
    前記各指固定片の長さは、人の手の各指の長さに対応している
    請求項1に記載の固定具。
  5. 前記開創片は、前記載置部の外縁から伸長した2本の金属片であり、
    前記開創片の付け根部分の厚さは、前記指固定片の厚さよりも厚い
    請求項1に記載の固定具。
  6. 前記固定具の一方の面は、1.5mm以上の凹凸を有し、前記固定具の他方の面は、0.5mm以下の凹凸を有し、
    前記載置部は、1.5mm以上の凹凸を有する面に手のひらまたは手の甲を載置する
    請求項1に記載の固定具。
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