JP2019110810A - イチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットおよびイチゴの病原ウイルスの検出方法 - Google Patents

イチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットおよびイチゴの病原ウイルスの検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イチゴの病原ウイルスの検定方法としてより感度の高い方法の提供を可能とする、イチゴの病原ウイルス由来の核酸をLAMP法により特異的に増幅するためのプライマーセットを提供する。【解決手段】LAMP法により、SMYEV、SMoV及びSVBVから選択される1つ以上のイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであって、FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマーが夫々特定の配列により示されるポリヌクレオチド等であるセットのいずれか1つ以上を含むプライマーセット、並びに上記プライマーセットを用いて、検体から抽出された核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うことを含むイチゴの病原ウイルスの検出方法。【選択図】なし

Description

本発明は、イチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットおよびイチゴの病原ウイルスの検出方法に関する。
イチゴの病原ウイルスとしては国内において、イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴモットルウイルス(SMoV)、およびイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)が確認されている。これらウイルスそれぞれが単独感染しても、苗の草勢は健全苗と変わらず、病徴は明確に現れない。しかし、重複感染すると草丈が低くなり、株が矮化する。さらにイチゴ果実が肥大せず小さくなり、くず果が多くなるので、果実の価値が著しく低下する。親株が感染した場合、ランナーの発生が少なくなり、生産性に悪影響を及ぼす。ウイルスフリーのイチゴ苗の作製が茎頂培養技術によって既に確立されているが、培養後の検定が求められる。
イチゴの病原ウイルスの検定方法としては、従来から小葉接ぎ木法が知られているが、検定に長期間を要するという問題があった。
非特許文献1においては、イチゴの病原ウイルスの検定方法としてPCR法を利用した遺伝子診断方法が報告されている。この方法は、接ぎ木作業のような熟練を要せず、検出時間も大幅に短縮されるため、実用化されている。さらに近年、別の遺伝子診断方法として、LAMP法を利用した方法も報告されている(非特許文献2および3)。
Journal of Virological Methods, Volume 111, Issue 2, August 2003, Pages 85-93 平成20年度北海道農業研究成果情報(http://www.naro.affrc.go.jp/org/harc/seika/h20/09.06/0105/main.htm) Scientia Agricultura Sinica, 2015, 48(3), 613-620
本発明は、イチゴの病原ウイルスの検定方法としてより感度の高い方法の提供を課題とするものである。より具体的には、本発明は、上記の方法に利用できるイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットを提供することを課題とする。
LAMP法はPCR法において必要とされる高額機器が不要であり、処理時間も短いという利点がある。本発明者らは、LAMP法に用いるプライマーを種々検討していたところ、既知のLAMP法に基づく方法と比較してイチゴの病原ウイルスの感度を向上させることができるプライマーセットを見出した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明は以下<1>〜<10>を提供するものである。
<1>LAMP法により、イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴモットルウイルス(SMoV)およびイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)からなる群より選択される1つ以上のイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであって、以下の(1)〜(3)からなる群より選択される1つ以上を含むプライマーセット:
(1)配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
上記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー;
(2)配列番号7の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号7の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号8の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号8の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号9の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号9の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
配列番号10の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号10の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
上記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー;
(3)配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
上記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー。
<2>上記(1)がさらに、
配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
配列番号6の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上、または、
上記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含み、
上記(2)がさらに、
配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマー
から選択される1つ以上、または、
上記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含み、ならびに
上記(3)がさらに、
配列番号17の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号17の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
配列番号18の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号18の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマー
から選択される1つ以上、または、
上記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含む<1>に記載のプライマーセット。
<3>上記(1)〜(3)がいずれもLFプライマーおよびLBプライマーの双方を含む<2>に記載のプライマーセット。
<4>イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、上記プライマーセットが上記(1)を含む<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット。
<5>イチゴモットルウイルス(SMoV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、上記プライマーセットが上記(2)を含む<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット。
<6>イチゴベインバンディングウイルス(SVBV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、上記プライマーセットが上記(3)を含む<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット。
<7>上記(1)〜(3)をいずれも含む<1>〜<3>のいずれかに記載のプライマーセット。
<8>イチゴの病原ウイルスの検出方法であって、
検体から核酸を抽出すること、
<1>〜<7>のいずれかに記載のプライマーセットを用いて、上記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
増幅産物があると判断された場合に検体にイチゴの病原ウイルスが存在すると判断することを含む、検出方法。
<9>イチゴの病原ウイルスの検出方法であって、
検体から核酸を抽出すること、
<7>に記載のプライマーセットを用いて、上記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
上記増幅反応後のDNAの二本鎖への会合曲線解析により、検体におけるイチゴの病原ウイルスの存在の有無および存在するイチゴの病原ウイルスの種類の数を判断することを含む、検出方法。
<10><1>〜<7>のいずれかに記載のプライマーセット、鎖置換型DNA合成酵素、dNTPs、および緩衝液を含む、イチゴの病原ウイルスの検出用キット。
本発明により、LAMP法によりイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットが提供される。このプライマーセットを用いて、イチゴの病原ウイルスをより高い感度で検出することができる。
FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーと標的領域(ゲノムRNAの例)との位置関係を示す図である。 SMYEV、SMoV、およびSVBV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットを用いてウイルスの同時検出を行った例を示す写真である。 SMYEV、SMoV、およびSVBV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットを用いてLAMP法による増幅を行った増幅産物の会合曲線を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について更に詳しく述べる。
本明細書中において、核酸の塩基配列中のA、G、T、Cは、デオキシリボヌクレオチド中のアデニン塩基、グアニン塩基、チミン塩基、シトシン塩基を示す。また、本明細書中で、「/」を用いて複数の塩基が記載されているときは、記載されているいずれの塩基でもよいことを示し、例えば「C/T」と記載されているときは、シトシン塩基であってもチミン塩基であってもよいことを示す。
LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法は、Notomiらによって開発され、日本特許第3313358号公報、Nucleic Acids Research, 28, e63, 2000、Biochemical and Biophysical Research Communications, 290, 1195-1198, 2002、Clinical Chemistry, 47, No.9, 1742-1743,2001に報告されている核酸の増幅方法である。一般的に、LAMP法は、PCRを用いた方法に比べ増幅効率が優れていると共に、サンプル中の不純物の影響も受けにくい。そのため、簡便なサンプルの前処理で目的の核酸の増幅を行うことが可能である。
本明細書において「LAMP法」は、RT−LAMP(Reverse transcription−Loop−mediated isothermal amplification)法を含む意味で用いられる。RT−LAMP法においては、逆転写反応とLAMP反応を同時に行うことによってRNAを鋳型に核酸の増幅を行う。
<LAMP法に用いるプライマー>
LAMP法におけるプライマーおよびプライマー設計について、以下説明する。
LAMP法に用いられるプライマーセットは、少なくとも、FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーを含む。図1は、RT−LAMPを行う場合の、FIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマー、B3プライマーとウイルスのゲノムRNAの標的領域との位置関係を示した図である。
FIPプライマーおよびBIPプライマーは、各々二つの領域を含む。即ち、FIPはF1cとF2を含み、BIPはB2とB1cを含む。F3プライマーはF3領域を含んでいる。B3プライマーはB3領域を含む。各プライマーはそれぞれ以下のように設計する。
(1)FIPプライマー:標的核酸のF2領域を3'端に持ち、5'末端側に標的核酸のF1cと同じ配列を持つように設計する。
(2)F3プライマー:標的核酸のF3領域を持つように設計する。
(3)BIPプライマー:標的核酸のB2領域を3'端に持ち、5'末端側に標的核酸のB1cと同じ配列を持つように設計する。
(4)B3プライマー:標的核酸のB3領域を持つように設計する。
ここで、F3、F2、F1、B1c、B2c、B3c領域は、RNAの5'末端側から3'末端側方向にかけてこの順で設定された領域である。またB3、B2、B1、F1c、F2c、F3c領域は、その相補鎖のcDNAの5'末端側から3'末端側方向にかけてこの順で設定された領域である。このときB3とB3c、B2とB2c、B1とB1c、F1cとF1、F2cとF2、F3cとF3は相補鎖である。
このようなFIPプライマー、F3プライマー、BIPプライマーおよびB3プライマーを用いてLAMP増幅を行なうと、図1のcDNAから、ダンベル型のステム・アンド・ループ構造の増幅産物が得られる。その増幅機構については、例えば、Webサイトhttp://www.eiken.co.jp/、または特開2002−186781号公報を参照することが可能である。
プライマーセットは、上記4種のプライマーのほかにループプライマーを含むことが好ましい。ループプライマーとしては、LFプライマー、LBプライマー、またはLFプライマーおよびLBプライマーを用いることが好ましい。LFプライマーおよびLBプライマーは、増幅反応の起点となるダンベル構造の5'末端側のループの1本鎖部分に相補的な配列を持つループプライマーである。LFプライマーは、図1中のF1領域とF2領域の間の配列に相補的な配列を持つようにすれば設計でき、LBプライマーは、図1中のB1領域とB2領域の間の配列に相補的な配列を持つように設計できる。LFプライマーおよびLBプライマーを用いることにより、DNA合成の起点を増やすことが可能となり、増幅効率が上がり、増幅に要する時間を1/3〜1/2に短縮することが可能となる。
<プライマーセット>
本発明のプライマーセットはLAMP法によりイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットである。イチゴの病原ウイルスはイチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴモットルウイルス(SMoV)およびイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)からなる群より選択される1つ以上である。
本発明のプライマーセットは、下記の(1)〜(3)からなる群より選択される1つ以上を含み、含まれるプライマーセットに応じたイチゴの病原ウイルスを検出することができる。
(1)イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット、
(2)イチゴモットルウイルス(SMoV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット、
(3)イチゴベインバンディングウイルス(SVBV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット。
上記(1)、(2)、および(3)は、それぞれ単独で用いてもよく、いずれか2つ以上を組み合わせて用いてもよい。上記プライマーセット3つを組み合わせて用いることも好ましい。後述の実施例で示すように、上記プライマーセット3つを組み合わせて用いても、偽陽性は確認されない。3種のウイルスの核酸をそれぞれ特異的に増幅するために用いられるプライマーセットを組み合わせて用いることにより、イチゴのいずれか1つ以上のウイルスへの感染を容易、迅速に低コストで検出することができる。
上述のように、イチゴは重複感染することにより病徴が明確に現れるため、イチゴ栽培においては、重複感染を判別することが特に求められる。異なるウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットの複数を組み合わせて用いた測定においては、増幅産物であるDNAの二本鎖への会合曲線解析により、検出されているイチゴの病原ウイルスの種類の数を判断することが可能であり、単独感染であるかまたは重複感染であるかを判別することができる。
プライマーセットにおける各プライマーは、それぞれの塩基配列情報をもとに、一般的なDNA合成機で合成することができる。
また、プライマーセットにおけるプライマー量比は特に限定されず、LAMP法において一般的である量比で用いればよい。例えば、反応液12.5マイクロリットルで目視判定する場合、1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ2.5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ20ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ10ピコモルとすることができる。反応液25マイクロリットルで目視判定もしくはカネカ温調機能付き吸光度計MyAbscope(登録商標)、エンドポイント濁度測定装置LT−16(ニッポンジーン)、LAMP法用測定装置LF−8 Plus(ニッポンジーン)を使用する場合、1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ40ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ20ピコモルで用いることができる。またGenelyzer F(TOSHIBA MEDICAL)及び等温増幅蛍光測定装置Genie(登録商標)III(ニッポンジーン)を用いたモニタリングを行う場合、反応液25マイクロリットルで1サンプル当たり、F3プライマーとB3プライマーはそれぞれ5ピコモル、FIPプライマーとBIPプライマーはそれぞれ20ピコモル、LFプライマーとLBプライマーはそれぞれ10ピコモルで用いることができる。
以下、(1)〜(3)の各プライマーセットの設計について説明する。
[(1)イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット]
本発明において、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットは、複数のSMYEV株のゲノムについてのアライメントを行い、保存性の高い領域において、F3、F2、F1c、B1c、B2、B3領域を選択して設計された。
表1に、複数のSMYEV株のゲノム(コートタンパク質遺伝子)についてのアライメントを示す。
表1のMYEVF3、MYEVFIP(F2)、MYEVFIP(F1)、MYEVBIP(B1)、MYEVBIP(B2)、MYEVB3で示される領域は、本発明におけるSMYEV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットの設計において、それぞれF3、F2、F1、B1c、B2c、B3c領域とされた領域である。各領域の特定の配列を、表1で、特にsy03株(Bhagwat et al., 2016b)の配列および表1に示していない未公開の株の配列に基づいて決定し、それらの配列に基づいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅するためのFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーとして、それぞれ配列番号1、配列番号2、配列番号3、および配列番号4でそれぞれ示されるポリヌクレオチドを設計した。
対応するF2、F1c、B2、B1c領域の配列は表2のとおりである。
さらに、表1のMYEVLF2、MYEVLB2で示される領域を選択し、それぞれ配列番号5および配列番号6でそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなる、LFプライマーおよびLBプライマーを設計した。
なお、表1においては、後述の実施例で示す、別のプライマーセットの設計に用いられたF3、F2、F1、B1c、B2c、B3c、LF、LB領域も示されている。これらの領域に基づいて同様にプライマーセットを設計して作製したが、後述の実施例で示すように、特異性が十分ではないと考えられる結果であった。
また、表1においては、先行文献で用いられているプライマーセットの各領域も示されている。本発明で用いられるプライマーセットの設計に用いられた領域の位置は先行文献で用いられているプライマーセットの各領域の位置と大きく異なっていることがわかる。
上記FIPプライマーは、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記FIPプライマーは、配列番号1で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
F2領域(配列番号61)について、5’側から1番目はCの代わりにA/Tであってもよく、5番目はAの代わりにC/T/Gであってもよく、7番目はCの代わりにA/T/Gであってもよく、10番目はAの代わりにG/C/Tであってもよく、11番目はCの代わりにTであってもよく、13番目はTの代わりにCであってもよく、16番目はCの代わりにTであってもよい;
F1c領域(配列番号62)について、5’側から5番目はTの代わりにC/A/Gであってもよく、8番目はAの代わりにC/Tであってもよく、11番目はGの代わりにAであってもよく、14番目はAの代わりにC/Tであってもよく、17番目はGの代わりにC/A/Tであってもよく、20番目はGの代わりにAであってもよい。
また、配列番号1で示されるポリヌクレオチドは配列番号61で表されるF2領域と配列番号61で表されるF1c領域とが直接結合したものであるが、FIPプライマーは、配列番号1の配列で示されるポリヌクレオチドのF2領域とF1c領域との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)が含まれていている配列を有していてもよい。ただし、FIPプライマーにおいて、F2領域とF1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は上記FIPプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記BIPプライマーは、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記BIPプライマーは、配列番号2の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
B2領域(配列番号63)について、
5’側から1番目はCの代わりにA/Gであってもよく、4番目はAの代わりにGであってもよく、7番目はGの代わりにT/Aであってもよく、10番目はTの代わりにG/A/Cであってもよく、13番目はAの代わりにGであってもよい;
B1c領域(配列番号64)について、5’側から3番目はCの代わりにTであってもよく、6番目はCの代わりにTであってもよく、7番目はGの代わりにAであってもよく、9番目はCの代わりにTであってもよく、11番目はTの代わりにCであってもよく、7番目はGの代わりにAであってもよく、12、13番目はGAの代わりに、CC、TA、TCであってもよく、15番目はAの代わりにGであってもよい。
また、配列番号2で示されるポリヌクレオチドは、配列番号63で表されるB2領域と配列番号64で表されるB1c領域とが直接結合したものであるが、BIPプライマーは、B2領域の配列とB1c領域の配列との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含んでいてもよい。ただし、BIPプライマーにおいて、B2領域とB1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は上記BIPプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれSMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、それぞれ配列番号3から6それぞれの配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
F3プライマー(配列番号3)について、5’側から2番目はTの代わりにG/Aでもよく、8番目はCの代わりにTでもよく、11番目はTの代わりにCでもよく、14番目はAの代わりにGでもよく、17番目はTの代わりにCでもよい;
B3プライマー(配列番号4)について、5’側から3番目はCの代わりにTでもよく、4番目はCの代わりにTでもよく、5番目はGの代わりにTでもよく、6番目はGの代わりにAでもよく、9番目はTの代わりにAでもよく、12番目はCの代わりにTでもよい;
LFプライマー(配列番号5)について、5’側から3番目はGの代わりにAであってもよく、6番目はGの代わりにAであってもよく、9番目はGの代わりにAであってもよく、18番目はTの代わりにCであってもよく、20番目はAの代わりにGであってもよい;
LBプライマー(配列番号6)について、5’端から4番目はAの代わりにG/Tでもよく、7番目はTの代わりにCでもよく、19番目はTの代わりにCでもよい。
さらに、変異は上記のそれぞれのプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、それぞれ混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれについて上述されるポリヌクレオチドを、全て同時に相補配列としたものによりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなっていてもよい。
[(2)イチゴモットルウイルス(SMoV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット]
本発明において、SMoV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットは、複数のSMoV株のゲノムについてのアライメントを行い、保存性の高い領域において、F3、F2、F1c、B1c、B2、B3領域を選択して設計された。
表3に複数のSMoV株のゲノムのアライメントを示す。
表3のSMoVF3GC、SMoVFIPGC(F2)、SMoVFIPGC(F1)、SMoVBIPGC(B1)、SMoVBIPGC(B2)、SMoVB3GCで示される領域は、本発明におけるSMoV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットの設計において、それぞれF3、F2、F1、B1c、B2c、B3c領域とされた領域である。各領域の特定の配列を、表3のNSper51株のRNA2遺伝子の塩基配列(Accession No. KU200461、Bhagwat et al., 2016a)の配列に基づいて決定し、それらの配列に基づいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅するためのFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーとして、それぞれ配列番号7、配列番号8、配列番号9、および配列番号10でそれぞれ示されるポリヌクレオチドを設計した。
対応するF2、F1、B1c、B2c領域の配列は表4のとおりである。

さらに、表3において、SMoVLFGC、SMoVLBGCで示される領域を選択し、それぞれ、配列番号11および配列番号12でそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなる、LFプライマー、およびLBプライマーを含むプライマーを設計した。
なお、表3においては、後述の実施例で示す、別のプライマーセットの設計に用いられたF3、F2、F1、B1c、B2c、B3c、LF、LB領域も示されている。これらの領域に基づいて同様にプライマーセットを設計して作製したが、後述の実施例で示すように、特異性が十分ではないと考えられる結果であった。
また、表3においては、先行文献で用いられているプライマーセットの各領域も示されている。本発明で用いられるプライマーセットの設計に用いられた領域の位置は先行文献で用いられているプライマーセットの各領域の位置と大きく異なっていることがわかる。
上記FIPプライマーは、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記FIPプライマーは、配列番号7の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。そのようなポリヌクレオチドの例はF2領域(配列番号65)において、5’側から15番目のTがAであるものが挙げられる。
また、配列番号7で示されるポリヌクレオチドは配列番号65で表されるF2領域と配列番号66で表されるF1c領域とが直接結合したものであるが、FIPプライマーは、F2領域とF1c領域との間に、好ましくは1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含んでいてもよい。ただし、FIPプライマーにおいて、F2領域とF1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は上記FIPプライマー中のGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記BIPプライマーは、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記BIPプライマーは、配列番号8の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
B2領域(配列番号67)について、5’側から2番目はAの代わりにTであってもよく、4番目はCの代わりにTであってもよく、5番目はAの代わりにGであってもよく、6番目はTの代わりにCであってもよく、19番目はGの代わりにAであってもよく、20番目はAの代わりにGであってもよい;
B1c領域(配列番号68)について、5’側から4番目はGの代わりにAであってもよく、9番目はCの代わりにA/Tであってもよく、10番目はTの代わりにCであってもよく、11番目はTの代わりにA/G/Cであってもよく、12番目はGの代わりにAであってもよく、20番目はCの代わりにTであってもよく、21番目はCの代わりにTであってもよく、22番目はAの代わりにGであってもよい。
さらに、変異はいずれの領域についてもGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
また、配列番号8で示されるポリヌクレオチドは、配列番号67で表されるB2領域と配列番号68で表されるB1c領域とが直接結合したものであるが、BIPプライマーは、B2領域に対応する配列とB1c領域に対応する配列との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列の一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含んでいてもよい。ただし、BIPプライマーにおいて、B2領域とB1c領域は直接結合していることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、それぞれ配列番号9から12それぞれの配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
F3プライマー(配列番号9)について、5’側から4番目はGの代わりにTであってもよく、9番目はGの代わりにAであってもよく、13番目はAの代わりにGであってもよい;
B3プライマー(配列番号10)について、5’側から6番目はTの代わりにCであってもよく、8番目はAの代わりにGであってもよく、10番目はGの代わりにAであってもよく、13番目はAの代わりにTであってもよい;
LFプライマー(配列番号11)について、5’側から14番目はTの代わりにAであってもよい;
LBプライマー(配列番号12)について、5’側から12番目はGの代わりにAであってもよく、13番目のAの代わりにGであってもよく、22番目のAの代わりにGであってもよい。
さらに、変異はいずれのプライマーについてもGC含量が50〜60%になるような範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、それぞれ混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれについて上述されるポリヌクレオチドを全て同時に相補配列としたものによりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなっていてもよい。
[(3)イチゴベインバンディングウイルス(SVBV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセット]
本発明において、SVBV由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットは、複数のSVBV株のゲノムについてのアライメントを行い、保存性の高い領域において、F3、F2、F1c、B1c、B2、B3領域を選択して設計された。
表5に複数のSVBV株のゲノム(コートタンパク質遺伝子)のアライメントを示す。
表5に示すようにF3、F2、F1、B1c、B2c、B3c領域を選択した。各領域の特定の配列を、SVBVチュウゴク株の部分配列(Accession No. AY862389, Zhou et al., 2005)の配列に基づいて決定し、それらの配列に基づいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅するためのFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーとして、それぞれ配列番号13、配列番号14、配列番号15、および配列番号16でそれぞれ示されるポリヌクレオチドを設計した。
F2、F1c、B1c、B2領域の配列は下記のとおりである。
さらに、表5に示すようにLF、LB領域を選択し、それぞれ、配列番号17および配列番号18でそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなる、LFプライマー、およびLBプライマーを含むプライマーを設計した。
表7に先行文献(非特許文献2)で用いられているプライマーセットの各領域を示す。本発明で用いられるプライマーセットの設計に用いられた領域の位置は先行文献で用いられているプライマーセットの各領域の位置と大きく異なっていることがわかる。
上記FIPプライマーは、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記FIPプライマーは、配列番号13の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
F2領域(配列番号69)について、5’側から2番目はAの代わりにTであってもよく、5番目はAの代わりにGであってもよく、17番目はTの代わりにCであってもよく、18番目はTの代わりにCであってもよく、20番目はGの代わりにAであってもよい;
F1c領域(配列番号70)について、5’側から7番目はTの代わりにCであってもよく10番目はAの代わりにCであってもよく、12番目はGの代わりにAであってもよく、13番目はAの代わりにGであってもよく、22番目はAの代わりにTであってもよい。
また、配列番号13で示されるポリヌクレオチドは配列番号69で表されるF2領域と配列番号70で表されるF1c領域とが直接結合したものであるが、FIPプライマーは、ポリヌクレオチドのF2領域とF1c領域との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含んでいてもよい。ただし、FIPプライマーにおいて、F2領域とF1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は、上記FIPプライマーのGC含量が40〜65%程度となる範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記BIPプライマーは、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。
具体的には、上記BIPプライマーは、配列番号14の配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
B2c領域(配列番号71)について、5’側から18番目はAの代わりにGであってもよく、16番目はTの代わりにGであってもよく、13番目はAの代わりにGであってもよく、9番目はGの代わりにAであってもよい;
B1領域(配列番号72)について、5’側から2番目はTの代わりにCであってもよく、5番目はTの代わりにAであってもよく、11番目はGの代わりにAであってもよく、3’末端はGの代わりにTであってもよい。
また、配列番号14で示されるポリヌクレオチドは、配列番号71で表されるB2領域の配列と配列番号72で表されるB1c領域の配列が直接結合したものであるが、BIPプライマーは、配列番号14の配列で示されるポリヌクレオチドのB2領域とB1c領域に対応する配列との間に、1〜6ヌクレオチドの配列(例えば、スペーサーとして使用される配列、一例としてA、T、TT、TTT、TTTT、TTTTA、TTTTT、TTTTTTもしくは制限酵素認識配列(GAATTC;制限酵素EcoRI認識部位、GGATTC;制限酵素BamHI認識部位、CTGCAC;制限酵素PstI認識部位、GATATC;制限酵素EcoRV認識部位)を含んでいてもよい。ただし、BIPプライマーにおいて、B2領域とB1c領域は直接結合していることが好ましい。
さらに、変異は、上記BIPプライマーのGC含量が40〜65%程度となる範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
上記F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含んでいてもよい。具体的には、それぞれ配列番号15から18それぞれの配列で示されるポリヌクレオチドの何れかの位置の1〜5個、好ましくは1〜数個のヌクレオチドが置換しているかまたは、欠失および/もしくは挿入を有していてもよい。特に1〜数個のヌクレオチドが置換していてもよい。
そのようなポリヌクレオチドの例としては以下が挙げられる:
F3プライマー(配列番号15)について5’側から6番目はTの代わりにA/Cであってもよく、9番目はCの代わりにTであってもよく、12番目はCの代わりにTであってもよい;
B3プライマー(配列番号16)について、5’側から7番目はTの代わりにAであってもよく、14番目はGの代わりにAであってもよい;
LF領域(配列番号17)について、5’側から5番目はGの代わりにAであってもよく、7番目はGの代わりにAであってもよく、16番目はTの代わりにCであってもよく、25番目はCの代わりにTであってもよい;
LBプライマー(配列番号18)について、5’側から9番目はTの代わりにAであってもよく、22番目はGの代わりにAであってもよい。
さらに、変異は、上記それぞれのプライマーのGC含量が40〜65%程度となる範囲の変異であることが好ましい。
プライマーは上記の範囲のポリヌクレオチドが、それぞれ混合プライマーとして調製されたものであってもよい。
FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、LFプライマー、およびLBプライマーは、それぞれについて上述されるポリヌクレオチドを全て同時に相補配列としたものでそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなっていてもよい。
<LAMP法:核酸の増幅>
LAMP法によるDNAの増幅反応においては、検体から抽出された核酸と、プライマーセットと、鎖置換型DNA合成酵素と、dNTPs(dATP、dTTP、dGTPおよびdCTP)と、緩衝液とを含む反応液を、等温で一定時間静置すればよい。RT−LAMP法によるcDNAの増幅反応においては、上記反応液にさらに逆転写酵素を加えればよい。
温度は、50℃以上75℃以下が好ましく、60℃以上65℃以下がより好ましく、63℃がさらに好ましい。静置時間は、15分以上であればcDNAの増幅を検出できるが、15分以上1時間以内が好ましく、20分以上40分以内がより好ましい。
逆転写酵素、鎖置換型DNA合成酵素、dNTPsおよび緩衝液としては、例えば、Loopamp(登録商標)RNA増幅試薬キット(栄研化学社製)に含まれる各試薬を使用できる。また植物病検査用LAMPプライマーセット専用RNA増幅試薬(ニッポンジーン)も使用可能である。
<ウイルスの検出>
上記のプライマーセットを用いて核酸の増幅を行うことにより、簡便、安価、高速に、特異的なウイルスの検出が可能である。具体的には、検体に含まれる核酸をLAMP増幅反応に供し、増幅反応の結果生じた増幅産物の有無を判定することにより、検体中のウイルスを特異的に検出することができる。
ここで「検体」であるイチゴとしては、葉、実、茎、根等、いずれの部位を用いてもよいが、葉を用いることが好ましい。
検体から、核酸を抽出し、抽出した核酸を鋳型としてLAMP法による増幅反応を行う。例えば、DNAを抽出し、抽出したDNAを鋳型としてLAMP法によるDNAの増幅反応を行うことができ、一方、RNAを抽出し、抽出したRNAを鋳型としてRT−LAMP法によるcDNAの増幅反応を行うことができる。
核酸の抽出は、公知の方法で行えばよく、一例として以下の手順で行うことができる。
採取したイチゴ苗の葉をチューブにいれ、抽出緩衝液を加えてこの緩衝液中で葉を潰す。任意で熱処理を行い、その後チューブを遠心しその上澄みを使用することができる。RNAの抽出の際は抽出緩衝液がメルカプトエタノールを含むことが好ましい。
増幅産物の有無の判断は、例えば、RT−LAMP法によるcDNAの増幅反応を行った後の反応液を肉眼で観察し、反応液の白濁が確認された場合にウイルスが存在すると判断できる。また、この反応液にSYBR Green I等の蛍光インターカレーターを加え、UV照射下でcDNAの増幅を示す発光が確認された場合にウイルスが存在すると判断できる。この判断は目視で行うことも可能である。
カネカ社製の温調機能付き吸光度計(MyAbscope(登録商標))、ニッポンジーン社製のエンドポイント濁度測定装置LT−16(登録商標)、ニッポンジーン社製のLAMP法用測定装置LF−8 Plus(登録商標)を用いて増幅産物量に応じた吸光度の変化を測定してもよい。増幅産物の有無に加えて、増幅産物の量を判断することが可能である。
また、LAMP反応で得られる一本鎖核酸の二本鎖への会合をモニタリングして会合曲線解析を行うことにより、増幅された核酸の検出が可能である。このような会合の解析は、例えば、東芝メディカルシステムズ株式会社の等温増幅蛍光測定装置Genelyzer F、及び等温増幅蛍光測定装置Genie(登録商標)III(ニッポンジーン)を用いて行うことができる。測定の際は、上記測定装置の専用試薬を用いればよい。
<ウイルス検出用キット>
また、本発明のウイルスの検出方法を使用するために必要な各種の試薬類は、予めパッケージングしてキット化することができる。具体的には、上記プライマーセット、核酸合成の基質となる4種類のdNTPs(dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP)、鎖置換活性を有する鎖置換型DNA合成酵素、酵素反応に好適な条件を与える緩衝液、補助因子としての塩類(マグネシウム塩又はマンガン塩等)、酵素や鋳型を安定化する保護剤、さらに必要に応じてRNAからcDNAを合成する逆転写酵素、反応生成物の検出に必要な試薬類を組み合わせてキットとして提供できる。
キットは、本発明のプライマーセットによってLAMP反応が正常に進行することを確認するための陽性対照(ポジティブコントロール)を含んでいてもよい。陽性対照としては、例えば、本発明のプライマーセットにより増幅される領域を含んだDNAが挙げられる。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例において、塩基配列の記載は全て、5’−3’である。
<プライマーセットの設計>
イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴモットルウイルス(SMoV)、およびイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)それぞれについて、プライマーセットを設計し、下記表に示すプライマーセットを用意した。
各ウイルスについて公知の配列情報をもとに、DNA解析ソフトウエアであるMEGA6を用いてアライメント解析を行い、保存性が高い領域を探索した。探索された領域において、上述のようにF3c、F2c、F1c、B1、B2、B3領域を選択し、(上記表1、表3、表5参照)各プライマーセットを設計した。設計の際、適宜Primer Explorer V.5も用いて、下記のように複数のプライマーセットを設計した。
SMoVプライマーセットは、GC含量が高くなるようループプライマーを含むプライマーセットを設計した。設計されたプライマーセット(プライマー)を化学合成した。脱塩グレードで精製し10nmolで合成後、滅菌蒸留水で100μMに濃度調整した。これを原液として−20℃で冷凍保存した。夫々のプライマーについて、所定の濃度に希釈して一定量確保した。希釈したプライマーも−20℃で冷凍保存した。
<核酸抽出>
1.5mlチューブとその蓋で挟んで、イチゴ苗の葉を採取した。1.5mlチューブに試料と抽出バッファー(50mM Tris−HCl 500μL+メルカプトエタノール 10μL)500μLを入れ、ピペットチップ先端で潰した。チューブを遠心(5,000rpm×1min)し、上澄みを新しい1.5mlチューブに入れ、ポリクラールVTを耳かき一杯添加し、ボルテックスで撹拌した。インキュベート(100℃・10分)後、氷水で急冷し、遠心(15,000rpm×5分)した。上澄みを新しいチューブに移し、抽出サンプルとした。
<ウイルス検出試験(単独検出)>
1)目視判定
(手順)
各ウイルス用プライマーセットとともに、Loopamp(登録商標)RNA増幅試薬キット(RT−LAMP)(栄研化学https://genome.e-mp.jp/products/rna.html)とLoopamp 蛍光・目視検出試薬 (栄研化学https://genome.e-mp.jp/products/mokusi.html)を使用した。1サンプル当たり、1.5μLの上記抽出サンプルと6.25μLの2×Reaction mixture、0.5μLのEnzyme mix、0.5μLの蛍光試薬、0.5μLのF3プライマー(5μM)、0.5μLのB3プライマー(5μM)、0.5μLのFIPプライマー(40μM)、0.5μLのBIPプライマー(40μM)、0.5μLのLFプライマー(20μM)、0.5μLのLBプライマー(20μM)、0.75μLの滅菌蒸留水を加えることで計12.5μLに調製した。もしくは3.0μLの上記抽出サンプルと12.5μLの2×Reaction mixture、1.0μLのEnzyme mix、1.0μLの蛍光試薬、1.0μLのF3プライマー(5μM)、1.0μLのB3プライマー(5μM)、1.0μLのFIPプライマー(40μM)、1.0μLのBIPプライマー(40μM)、1.0μLのLFプライマー(20μM)、1.0μLのLBプライマー(20μM)、1.5μLの滅菌蒸留水を加えることで計25.0μLに調製した。これらの調製は氷上で行った。LifeECOサーマルサイクラー(Bioer Technology Co., Ltd.)で63℃1時間反応させ、95℃2分間処理で反応停止させた後、目視判定した。ネガティブコントロールとしてRNAではなく滅菌蒸留水1.5μLを添加した。
(プライマーセットの機能の確認)
上記の各ウイルスに対するプライマーセットにつき、まず、SMYEV、SMoV、SVBV重複感染苗、健全苗、水の3検体を用いた上記目視判定を行った。ただし、LifeECOサーマルサイクラーでの反応は63℃で90分行った。
SMYEV感染株を含む検体について、SMYEVプライマーセット1〜5をそれぞれ用いて上記目視判定を行った。結果は以下のとおりである、
SMYEVプライマーセット1は、感染苗のみに明確に陽性を示した。
SMYEVプライマーセット2、4、5は、いずれも偽陽性(健全苗または水の検体でも陽性を示す)が確認された。
SMYEVプライマーセット3は、検出感度が不良であった。
SMoV感染株を含む検体について、SMoVプライマーセット1〜7をそれぞれ用いて同様に目視判定を行った。結果は以下のとおりである、
SMoVプライマーセット1は、感染苗のみに明確に陽性を示した。
SMoVプライマーセット2、4は、感染苗に対しても陰性であった。
SMoVプライマーセット3、5、7は、いずれも偽陽性が確認された。
SMoVプライマーセット6は、検出感度が不良であった。
SVBV感染株を含む検体について、SVBVプライマーセット1を用いて上記検出試験を行った結果、SVBVプライマーセットは、感染苗のみに明確に陽性を示した。
以上の結果に基づき、SMYEVプライマーセット1、SMoVプライマーセット1、およびSVBVプライマーセット1をさらなる試験に用いた。
(RT−PCRおよび既報のプライマーセットを用いたRT−LAMP法との比較)
それぞれのウイルスの感染苗から発生したランナーの苗9検体および健全(非感染)苗1検体につき、RT−PCRおよび各種プライマーセットを用いたRT−LAMP法による検出試験を行い、結果を比較した。
RT−PCRはThompson et al,.2003 (Journal of Virological Method, Vol. 111, Issue 2, 2003, Page 85-93)に記載の方法で行った。
SMYEV検出試験においては、プライマーセットとしてSMYEVプライマーセット1、非特許文献2(平成20年度北海道農業研究成果情報)の表3に記載のSMYEV用の4つのプライマーのセット、および非特許文献3(Scientia Agricultura Sinica, 2015, 48(3), 613-620)のTable 1に記載の4プライマー(FIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、B3プライマー、)を用いた。結果を表11に示す
RT−PCRや既報のRT−LAMP法で検出されない感染苗についてもSMYEVプライマーセット1で陽性反応を示した。
SMoV検出試験においては、プライマーセットとしてSMoVプライマーセット1、非特許文献2(平成20年度北海道農業研究成果情報)の表3に記載のSMoV用の4つのプライマーのセットを用いた。結果を表12に示す
RT−PCRや既報のRT−LAMP法で検出されない感染苗についてもSMYEVプライマーセット1で陽性反応を示した。
SVBV検出試験においては、プライマーセットとしてSVBVプライマーセット1、非特許文献2(平成20年度北海道農業研究成果情報)の表3に記載のSVBV用の4つのプライマーのセットを用いた。結果を表13に示す
SVBVプライマーセット1を用いた検出は、既報のLAMP法と異なってPCRで得られた検出と同じ結果を示した。
SMYEVとSMoVはRNAウイルスである一方、SVBVはDNAウイルスである。しかし、Loopamp(登録商標)RNA増幅試薬キットを利用した上述の方法で、明確な結果が得られた。SVBV検出については、Loopamp(登録商標)DNA増幅試薬キット(栄研化学)を用いても同様に行ったが、RNA増幅試薬キットを用いた例のように明確な検出結果は得られなかった。抽出過程で用いたメルカプトエタノールが影響していると考えられる。
2)吸光度計を用いた判定
上記の各ウイルスに対するプライマーセットを用いた各ウイルスの検出として吸光度計を用いた判定も行った。一定の反応時間の経過後吸光度の増加が見られたときに陽性であると判断することができる。
Loopamp(登録商標)RNA増幅試薬キット(RT−LAMP)(栄研化学)とプライマーセットを使用する。1サンプル当たり、3.0μLの核酸抽出サンプルと12.5μLの2×Reaction mixture、1.0μLのEnzyme mix、1.0μLの蛍光試薬、1.0μLのF3プライマー(5μM)、1.0μLのB3プライマー(5μM)、1.0μLのFIPプライマー(40μM)、1.0μLのBIPプライマー(40μM)、1.0μLのLFプライマー(20μM)、1.0μLのLBプライマー(20μM)、2.5μLの滅菌蒸留水を加えることで計25μLに調製した(D−QUICK入りチューブ(KANEKA)もしくは通常のチューブを使用)。これらの調整は氷上で行った。MyAbscope(登録商標)(温調機能付き吸光度計、カネカ社)にセットし、63℃1時間処理で増幅反応し、85℃10分で反応停止させた。Gセンサで吸光度変化をリアルタイム測定し、一定の反応時間の経過後吸光度の増加が見られたときに陽性であると判断した。SMYEVプライマーセット1、およびSMoVプライマーセット1、SVBVプライマーセット1を用いて、上記と同じ感染苗9検体および健全(非感染)苗1検体について、判定を行ったところ、目視判定と同様の結果が得られた。
3)会合曲線解析による判定
3.0μLの核酸抽出サンプル、1.0μLのF3プライマー(5μM)、1.0μLのB3プライマー(5μM)、0.5μLのFIPプライマー(40μM)、0.5μLのBIPプライマー(40μM)、0.5μLのLFプライマー(20μM)、0.5μLのLBプライマー(20μM)、15μLのISO−004、0.25μLのAMV Reverse Transcriptase(RT−001)、2.75μLの滅菌蒸留水を加えることで計25μLに調製した。これらの調整は氷上で行った。Genelyzer F(TOSHIBA MEDICAL)にセットし、63℃1時間処理後、95℃2分間処理でLAMP反応を停止させた後、徐々に80℃まで下げた。SMYEVプライマーセット1,およびSMoVプライマーセット1,SVBVプライマーセット1を用いて、それぞれについて上記と同じ感染苗9検体および健全(非感染)苗1検体について、判定を行った。いずれも目視判定で陽性であった例において会合による蛍光値のピークが確認された。
<ウイルス検出試験(複数同時検出)>
1)目視判定
Loopamp(登録商標)RNA増幅試薬キット(RT−LAMP)(栄研化学)、Loopamp蛍光・目視検出試薬(栄研化学)を使用した。1.5μlの核酸抽出サンプル、6.25μLの2×Reaction mixture、0.5μLのLoopamp蛍光・目視検出試薬、0.5μLのEnzyme mix、0.125μLのMYEVF3プライマー(20μM、F3プライマー)、0.125μLのMYEVB3プライマー(20μM、B3プライマー)、0.25μLのMYEVFIPプライマー(80μM、FIPプライマー)、0.25μLのMYEVBIPプライマー(80μM、BIPプライマー)、0.25μLのMYEVLFプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのMYEVLBプライマー(40μM、LBプライマー)、0.125μLのSMoVF3GCプライマー(20μM、F3プライマー)、0.125μLのSMoVB3GCプライマー(20μM、B3プライマー)、0.25μLのSMoVFIPGCプライマー(80μM、FIPプライマー)、0.25μLのSMoVBIPGCプライマー(80μM、BIPプライマー)、0.25μLのSMoVLFGCプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのSMoVLBGCプライマー(40μM、LBプライマー)、0.125μLのSVBVF3プライマー(20μM、F3プライマー)、0.125μLのSVBVB3プライマー(20μM、B3プライマー)、0.25μLのSVBVFIPGCプライマー(80μM、FIPプライマー)、0.25μLのSVBVBIPGCプライマー(80μM、BIPプライマー)、0.25μLのSVBVLFGCプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのSVBVLBGCプライマー(40μM、LBプライマー)、そして0.55μLの滅菌蒸留水を加えることで計12.5μLに調製した。これらの調整は氷上で行った。偽陽性の確認のため63℃90分処理後、95℃2分処理で反応停止させた。目視判別してポジティブコントロールのみに陽性反応を示し、ネガティブコントロールは陰性反応であることを確認した。別に、63℃60分処理後、95℃2分処理で反応停止させた例を、図2に示す。図2に示される結果(同時検出)をSMYEVプライマーセット1、SMoVプライマーセット1、およびSVBVプライマーセット1をそれぞれ単独で用いた場合の結果とともに表14に示す。
図2および表14に示される結果から複数のイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットを合わせて用いても偽陽性なく感染苗の検出が可能であることがわかる。プライマーセットを合わせて使用することにより、いずれかのウイルスに感染した検体を、迅速に安価に検出することができる。
2)会合曲線解析による判定
3.0μLの核酸抽出サンプル、15μLのISO−004、0.25μLのAMV Reverse Transcriptase(RT−001)、0.25μLのMYEVF3プライマー(20μM、F3プライマー)、0.25μLのMYEVB3プライマー(20μM、B3プライマー)、0.5μLのMYEVFIPプライマー(40μM、FIPプライマー)、0.5μLのMYEVBIPプライマー(40μM、BIPプライマー)、0.25μLのMYEVLFプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのMYEVLBプライマー(40μM、LBプライマー)、0.25μLのSMoVF3GCプライマー(20μM、F3プライマー)、0.25μLのSMoVB3GCプライマー(20μM、B3プライマー)、0.5μLのSMoVFIPGCプライマー(40μM、FIPプライマー)、0.5μLのSMoVBIPGCプライマー(40μM、BIPプライマー)、0.25μLのSMoVLFGCプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのSMoVLBGCプライマー(40μM、LBプライマー)、0.25μLのSVBVF3プライマー(20μM、F3プライマー)、0.25μLのSVBVB3プライマー(20μM、B3プライマー)、0.25μLのSVBVFIPGCプライマー(40μM、FIPプライマー)、0.25μLのSVBVBIPGCプライマー(40μM、BIPプライマー)、0.25μLのSVBVLFGCプライマー(40μM、LFプライマー)、0.25μLのSVBVLBGCプライマー(40μM、LBプライマー)、0.75μLの滅菌蒸留水を加えることで計25μLに調製した。これらの調整は氷上で行った。Genelyzer Fにセットし、63℃1時間処理後、95℃2分間処理でLAMP反応を停止させた後、徐々に80℃まで下げた。その間に会合曲線解析を行った。結果を図3に示す。単独感染株では1つのピークを示した一方で、重複感染株は2つのピークを示した。
引用文献
Bhagwat,B., Dickison,V., Ding,X., Walker,M., Bernardy,M., Bouthillier,M., Creelman,A., DeYoung,R., Li,Y., Nie,X., Wang,A.,Xiang,Y. and Sanfacon,H."Genome sequence analysis of five Canadian isolates of strawberry mottle virus reveals extensive intra-species diversity and a longer RNA2 with increased coding capacity compared to a previously characterized European isolate." Archives of virology 161.6 (2016a): 1657-1663.

Bhagwat, B., Dickison, V., Su, L., Bernardy, M., Wiersma, P. A., Nie, X., & Xiang, Y. Molecular characterization of divergent strawberry mild yellow edge virus isolates from eastern Canada. Journal of Phytopathology,164.9, (2016b): 691-696.

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本明細書において「LAMP法」は、RT−LAMP(Reverse transcription−Loop−mediated isothermal amplification)法を含む意味で用いられる。RT−LAMP法においては、逆転写反応とLAMP反応を同時に行うことによって核酸の増幅を行う
ここで「検体」であるイチゴとしては、葉、実、茎、根等、いずれの部位を用いてもよいが、葉を用いることが好ましい。
検体から、核酸を抽出し、LAMP法による増幅反応を行う。例えば、DNAを抽出し、LAMP法によるDNAの増幅反応を行うことができ、一方、RNAを抽出し、RT−LAMP法によるDNAの増幅反応を行うことができる。
核酸の抽出は、公知の方法で行えばよく、一例として以下の手順で行うことができる。
採取したイチゴ苗の葉をチューブにいれ、抽出緩衝液を加えてこの緩衝液中で葉を潰す。任意で熱処理を行い、その後チューブを遠心しその上澄みを使用することができる。RNAの抽出の際は抽出緩衝液がメルカプトエタノールを含むことが好ましい。

Claims (10)

  1. LAMP法により、イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)、イチゴモットルウイルス(SMoV)およびイチゴベインバンディングウイルス(SVBV)からなる群より選択される1つ以上のイチゴの病原ウイルス由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであって、以下の(1)〜(3)からなる群より選択される1つ以上を含むプライマーセット:
    (1)配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号2の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号3の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチド、もしくは配列番号4の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
    前記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー;
    (2)配列番号7の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号7の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号8の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号8の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号9の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号9の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号10の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号10の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
    前記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー;
    (3)配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号13の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、
    配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号14の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるBIPプライマー、
    配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号15の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるF3プライマー、および
    配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号16の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるB3プライマー、または、
    前記のFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるFIPプライマー、BIPプライマー、F3プライマー、およびB3プライマー。
  2. 前記(1)がさらに、
    配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは配列番号5の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
    配列番号6の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号1の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMYEV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマーから選択される1つ以上、または、
    前記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含み、
    前記(2)がさらに、
    配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号11の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
    配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号12の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SMoV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマー
    から選択される1つ以上、または、
    前記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含み、ならびに
    前記(3)がさらに、
    配列番号17の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号17の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLFプライマー、および
    配列番号18の配列により示されるポリヌクレオチドもしくは、配列番号18の配列により示されるポリヌクレオチドにおいて、SVBV由来の核酸を特異的に増幅可能な範囲で変異を含むポリヌクレオチドからなるLBプライマー
    から選択される1つ以上、または、
    前記のLFプライマーおよびLBプライマーをそれぞれ構成するポリヌクレオチドの配列の相補配列によりそれぞれ示されるポリヌクレオチドからなるLFプライマーおよびLBプライマーから選択される1つ以上を含む請求項1に記載のプライマーセット。
  3. 前記(1)〜(3)がいずれもLFプライマーおよびLBプライマーの双方を含む請求項2に記載のプライマーセット。
  4. イチゴマイルドイエローエッジウイルス(SMYEV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、前記プライマーセットが前記(1)を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマーセット。
  5. イチゴモットルウイルス(SMoV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、前記プライマーセットが前記(2)を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマーセット。
  6. イチゴベインバンディングウイルス(SVBV)由来の核酸を特異的に増幅するためのプライマーセットであり、前記プライマーセットが前記(3)を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマーセット。
  7. 前記(1)〜(3)をいずれも含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のプライマーセット。
  8. イチゴの病原ウイルスの検出方法であって、
    検体から核酸を抽出すること、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のプライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
    増幅産物があると判断された場合に検体にイチゴの病原ウイルスが存在すると判断することを含む、検出方法。
  9. イチゴの病原ウイルスの検出方法であって、
    検体から核酸を抽出すること、
    請求項7に記載のプライマーセットを用いて、前記核酸を鋳型にLAMP法によってDNAの増幅反応を行うこと、
    前記増幅反応後のDNAの二本鎖への会合曲線解析により、検体におけるイチゴの病原ウイルスの存在の有無および存在するイチゴの病原ウイルスの種類の数を判断することを含む、検出方法。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のプライマーセット、鎖置換型DNA合成酵素、dNTPs、および緩衝液を含む、イチゴの病原ウイルスの検出用キット。
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