JP2019110172A - 太陽電池モジュール、及び、その製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール、及び、その製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019110172A
JP2019110172A JP2017241071A JP2017241071A JP2019110172A JP 2019110172 A JP2019110172 A JP 2019110172A JP 2017241071 A JP2017241071 A JP 2017241071A JP 2017241071 A JP2017241071 A JP 2017241071A JP 2019110172 A JP2019110172 A JP 2019110172A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar cell
dark
pigment
cell module
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017241071A
Other languages
English (en)
Inventor
靖史 白髭
Yasushi Shirohige
靖史 白髭
智史 江本
Tomoji Emoto
智史 江本
和也 小峯
Kazuya Komine
和也 小峯
敦 中原
Atsushi Nakahara
敦 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2017241071A priority Critical patent/JP2019110172A/ja
Publication of JP2019110172A publication Critical patent/JP2019110172A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】太陽電池素子の暗色の外観の色味に合わせた、統一感のある外観を有する太陽電池モジュールを提供すること。【解決手段】太陽電池素子2及び絶縁フィルム1は、いずれも、表面の外観が、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa*値及びb*値が、−2.0≦a*≦5.0、且つ、−10.0≦b*≦1.0の範囲内にある暗色であって、該表面の一部が太陽電池モジュール10の前面側の外部から視認可能に露出していて、絶縁フィルム1には、a)赤外線透過性青色系暗色顔料と、b)赤外線透過性茶色系暗色顔料と、が、混合されてなる、c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されている、太陽電池モジュール10とする。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール、及び、その製造方法に関する。詳しくは、統一感のある暗色の外観を有する、太陽電池モジュール、及びその製造方法に関する。
従来、太陽電池モジュールの層構成は、図4に示す構成が一般的である。即ち、受光面側から、透明前面基板3、受光面側封止材シート4A、太陽電池素子2、非受光面側封止材シート4B、及び、裏面保護シート5が順に積層された構成である。
又、太陽電池素子2については、通常、各素子の表面又は裏面に、これらの各素子において発電した電気を集電するためのタブ線(出力リード線)6A、6Bが接続されている。
このような構成からなる太陽電池モジュールにおいては、これらのタブ線に代表される各種の導電部材同士の間における短絡を防ぐため、各種の絶縁材が、これらの各導電部材間に配置される。従来、太陽電池モジュール内に配置されるこのような絶縁材としては、主に、汎用的な電子部品止め用の粘着テープ(特許文献1参照)が用いられていた。
一方で、主として意匠性の観点から、太陽電池モジュールの特に受光面側の外観について、同面側の大部分を占めて配置されている太陽電池素子等の表面の色味に合わせて、外観の色味を統一することが求められる場合が多い。尚、太陽電池素子等の表面の色味は、一般的に黒に近い暗色であることが多い。この場合において、上記の絶縁材の一部が、太陽電池モジュールの受光面側から視認可能に露出して、意匠上の統一感を阻害してしまう点につき、改善策が求められていた。
例えば、絶縁材を暗色に着色するための方法としてはカーボンブラック等の汎用的な黒色顔料を用いることが先ず考えられる。しかしながら、太陽電池モジュールの表面は、暗色ではあるが、完全な黒色ではないことが多く、よって、上記の汎用的な黒色顔料の黒味では、太陽電池モジュールの外観の色味を十分に統一することが困難であった。
特開2016−213355号公報
本発明は、太陽電池素子表面の暗色の外観の色味に合わせた、絶縁材を用いることによって、統一感のある外観を有する太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、太陽電池モジュール内に配置する絶縁材を、完全な黒色ではなく、茶色系及び青色系の2種の暗色顔料を混合してなる赤外線透過性混合暗色顔料を含む絶縁フィルムとすることによって、上記課題が解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池素子と、絶縁フィルムと、受光面側封止材シートと、非受光面側封止材シートと、裏面保護シートと、を備える、太陽電池モジュールであって、前記絶縁フィルムは、前記太陽電池モジュールの内部において複数の導電部材の間に挟持される態様で配置されていて、前記太陽電池素子及び前記絶縁フィルムは、いずれも、前記太陽電池モジュールの前面側の表面の外観が、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値が、−2.0≦a≦5.0、且つ、−10.0≦b≦1.0の範囲内にある暗色であって、少なくとも該表面の一部が前記太陽電池モジュールの前面側の外部から視認可能に露出していて、
前記絶縁フィルムには、
a)赤外線透過性青色系暗色顔料と、
b)赤外線透過性茶色系暗色顔料と、
が、a)とb)との質量比が、45:55〜70:30の範囲で混合されてなる、
c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されており、
前記a)赤外線透過性青色系暗色顔料は、フタロシアニン系顔料であって、
前記b)赤外線透過性茶色系暗色顔料は、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の顔料であり、
前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該a値との差の絶対値が1.5以下であり、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下である、太陽電池モジュール。
(2) 前記b)赤外線透過性茶色系暗色顔料が、ベンズイミダゾロン系顔料である、(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3) 前記絶縁フィルムは、白色絶縁性基材の両面に接着剤層を介して透明密着樹脂基材が接合されてなる多層フィルムであって、前記両面の接着剤層のうち一方の面の接着剤層が暗色接着剤層であって、前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が、前記暗色接着剤層に含有されている、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4) 前記白色絶縁性基材は、ポリエステル系樹脂をベース樹脂とし、前記透明密着樹脂基材はポリエチレン系樹脂をベース樹脂する、(3)に記載の、太陽電池モジュール。
(5) 前記絶縁フィルムは、白色絶縁性基材の両面に易接着層が形成されていて、
前記両面の易接着層のうち一方の面の易接着層が暗色易接着層であって、前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が、前記暗色易接着層に含有されている、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(6) 前記太陽電池素子が単結晶型の太陽電池素子であって、該太陽電池素子の前記表面の前記a値が2.0以上3.0以下、前記b値が−6.0以上−4.0以下である(1)から(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(7) 前記裏面保護シートは、前記太陽電池モジュールの裏面側の最外層に配置されていて、該前記裏面保護シートにも、前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されていて、前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記裏面保護シートの前記表面の該a値との差の絶対値が1.5以下であり、及び、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記裏面保護シートの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下である、(1)から(6)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、前記c)赤外線透過性混合暗色顔料における、前記a)赤外線透過性青色系暗色顔料と前記、b)赤外線透過性茶色系暗色顔料前記との混合比を、前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該a値との差の絶対値が1.5以下であり、及び、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下となるように調合する、赤外線透過性混合暗色顔料調合工程を含んでなる、太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、太陽電池素子表面の暗色の外観の色味に合わせた、絶縁材を用いることによって、統一感のある外観を有する太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールを構成する絶縁フィルムの層構成を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池モジュール内における絶縁フィルムの配置態様の一例を模式的に示すモジュール内部の部分拡大断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの前面側から視認される各部材の配置態様の一例を模式的に示すモジュール表面の部分拡大図である。 本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明にかかる絶縁フィルムによって理論上対応可能な暗色の色味の範囲と、主な太陽電池素子の表面の暗色の色味の範囲の関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール、それを構成する絶縁フィルム、及び、裏面保護シートについて順次説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュール>
太陽電池モジュール10は、図1に示すように、受光面側から、透明前面基板3、受光面側封止材シート4A、暗色の外観を有する太陽電池素子2、非受光面側封止材シート4B、裏面保護シート5が順に積層された構成である。そして、太陽電池モジュール10の内部においては、複数の導電部材の間に挟持される態様で配置される絶縁フィルム1(図1においては図示せず)による絶縁構造(図2及び図3参照)が形成されている。
[絶縁フィルム及び絶縁構造]
太陽電池モジュール10は、図2及び図3に示す通り、その内部において、絶縁フィルム1が複数の導電部材の間に挟持される態様で絶縁構造が形成されている。絶縁フィルム1が挟持される複数の導電部材とは、例えば、太陽電池素子2から延出する複数のタブ線である。例えば、太陽電池モジュール10の内部において、絶縁フィルム1は、図2に示すように、太陽電池素子2の陰極側(2A)から延出するタブ線6Aと、陽極側(2B)から延出するタブ線6Bとの間に挟持される態様で配置されることにより絶縁構造を形成する。勿論、本発明の太陽電池モジュール10における絶縁フィルム1の配置はこれに限られるものではない。他の例として、太陽電池素子の一方の表面と他の表面(他の極)から延出するタブ線との間への配置や、その他の太陽電池モジュール内に存在するあらゆる導電部材間の絶縁のための絶縁フィルムの配置等も、本発明を構成する絶縁構造、即ち、「複数の導電部材の間に挟持される態様での絶縁フィルム1の配置」に含まれる。
[裏面保護シート]
裏面保護シート5としては、太陽電池モジュールの保護シートに求められる耐候性やバリア性を有する各種の樹脂シートであって、少なくとも一方の表面の外観が暗色であるものを適宜選択して用いることができる。裏面保護シート5の層構成や組成の詳細については、別途後述する。
[外観]
ここで、太陽電池モジュール10を構成する受光面側封止材シート4Aは、太陽光線を高い透過率で透過させる必要があるため、当然に透明又は半透明である。よって、図3に示すように、太陽電池モジュール10の透明前面基板3の側からの平面視における外観は、必然的に、太陽電池素子2が配置されていない部分において、絶縁フィルム1や裏面保護シート5の表面の一部が、外部から視認可能に露出する態様となる。
ここで、太陽電池素子2については、その表面が暗色である場合が多い。よって、この場合、絶縁フィルム1及び裏面保護シート5の色味をこれに近い暗色とすることにより、太陽電池モジュール10の表面の外観を、色味のバラツキが少ない統一感のある暗色の外観とすることができる。絶縁フィルム1及び裏面保護シート5の色味を最適化する技術的手段の詳細については、別途後述する。
尚、本発明における「暗色」とは、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値が、−2.0≦a≦5.0、且つ、−10.0≦b≦1.0の範囲内にある色のことを言うものとする。又、本明細書においては、特に別段の断りの無い限り、「a値」及び「b値」とは、上記の値のことを言うものとする。
[太陽電池素子]
太陽電池モジュール10の太陽電池素子2は、受光面側の表面の外観が暗色であるものが広くその対象となる。アモルファスシリコン型、結晶シリコン型等、従来公知の太陽電池素子を適宜選択して用いることができる。但し、本発明は、それらの中でも、その表面の色味が、純粋な黒味から青色、又は青紫色に近づく方向へシフトしている単結晶型の太陽電池素子、具体的には、その表面におけるa値が2.0以上3.0以下、b値が−6.0以上−4.0以下である単結晶型の太陽電池素子への適用が特に好ましい。
[透明前面基板]
透明前面基板3は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板3は、又、太陽電池モジュール10の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
[封止材シート]
受光面側封止材シート4A及び非受光面側封止材シート4Bは、いずれも主として太陽電池素子2を外部衝撃から保護する機能を発揮する樹脂シートである。又、特に受光面側封止材シート4Aは太陽光線を高い透過率で透過させるために透明なシートであることが求められる。これらの封止材シート(4A、4B)を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
[太陽電池モジュールの製造方法]
一般に太陽電池モジュールは、これを構成する太陽電池素子や封止材シート他の各部材を積そうしてなる積層体を加熱圧着して一体化する製法により製造することができる。上述の絶縁構造を含んでなる太陽電池モジュール10を製造する場合においては、絶縁フィルム1を、絶縁が必要な箇所に、粘着剤等によって常温で仮止めする工程を、上記の加熱圧着処理に先行して行うことにより、太陽電池モジュール10内の適切な位置に正確に絶縁フィルム1を配置することができる。そして、その後、透明前面基板3、受光面側封止材シート4A、太陽電池素子2、非受光面側封止材シート4B、及び裏面保護シート5からなる部材を順次積層してなる積層体を、真空吸引等により一体化する真空熱ラミネート加工を行う。真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃以上170℃以下の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5分以上20分以下の範囲内が好ましく、特に8分以上15分以下の範囲内が好ましい。
<絶縁フィルム>
太陽電池モジュール10の内部に配置される絶縁フィルム1の詳細について説明する。絶縁フィルム1は、少なくとも一方の表面において、暗色の外観を有する樹脂フィルムである。「暗色の外観を有する」とは、具体的には、フィルム表面の色味について、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値が、−2.0≦a≦5.0、且つ、−10.0≦b≦1.0の範囲内にあることを言う。
絶縁フィルム1の外観の色味については、更に詳しくは、この絶縁フィルム1が組込まれる太陽電池モジュール10に搭載される太陽電池素子2の受光面側の表面の色味との差の絶対値が、a値においては、1.5以下であればよく、b値においては、2.5以下であればよい。又、これらの色味の差の絶対値は、a値においては、1.0以下であることが好ましく、b値においては、2.0以下であることが好ましい。絶縁フィルムを暗色に着色する顔料として、以下にその詳細を説明する赤外線透過性混合暗色顔料を用いることにより、樹脂フィルムに上記範囲内で所望の暗色の外観を付与することができる。
太陽電池モジュール10に配置される絶縁フィルムの層構成は、上記範囲内の暗色の外観を保持することができる限りにおいて、特定の層構成に限定されない。上記範囲内の暗色の外観を有する単層の樹脂フィルムであってもよいし、或いは、同様の外観を有する多層の樹脂フィルムであってもよい。但し、絶縁フィルムは、図1に示す通り、絶縁性を有する樹脂基材からなる白色絶縁性基材11と、白色絶縁性基材11の一方の表面に、暗色接着剤層12又は、同顔料が含まれる暗色易接着層(以下、これらをまとめて「暗色接着層」とも言う)が形成されてなる多層フィルムであることが好ましい。図4には、このような層構成からなる絶縁フィルム1が示されているが、この絶縁フィルム1においては、暗色接着層(暗色接着剤層12)に、上記の赤外線透過性混合暗色顔料が含まれていることにより、上記範囲の暗色の外観の保持が担保されている。以下、絶縁フィルムが図4に示すような多層フィルムである場合の実施形態を、本発明の好ましい実施形態として、その詳細を説明する。
絶縁フィルム1の暗色接着層は、本願特有の「赤外線透過性混合暗色顔料」を含有する暗色の層である。この層は、図1に示すような暗色接着剤層12であってもよく、或いは、同顔料を含有する易接着層(プライマー層)であってもよい。「赤外線透過性混合暗色顔料」とは2種の赤外線透過性顔料を適量比で混合してなる混合顔料であるが、その詳細については後述する。
又、絶縁フィルム1の両最外面には、更に、ポリエチレン系樹脂等のオレフィン系樹脂をベース樹脂とする透明密着樹脂基材14A、14Bが、それぞれの面に配置されていることが好ましい。これらの各最外層は、白色絶縁性基材11の一方の面においては暗色接着剤層12を介して白色絶縁性基材11に接合され、又、白色絶縁性基材11の他方の面においては、透明な接着剤層13を介して接合されることが好ましい。
[白色絶縁性基材]
白色絶縁性基材11は、絶縁フィルム1の絶縁性、熱収縮率、長期耐久性を担保する樹脂基材である。絶縁性について、一般的な基準として、白色絶縁性基材11を形成する樹脂は、その体積固有抵抗率が、少なくとも1.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることがより好ましい。尚、体積固有抵抗率の測定は、例えばエーディーシー製デジタル超高抵抗/微少電流計5450/5451等を用いることによって測定することができる。
又、白色絶縁性基材11は、熱収縮率が小さいものであることが好ましい。そして、太陽電池モジュールが長期に亘って屋外の過酷な湿熱環境での使用が想定されるものであることより、長期耐久性に優れる樹脂基材であることも求められる。
白色絶縁性基材11に求められる上記の各要求を満たしうる樹脂基材として、具体的には、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂からなる群より選択される1種の樹脂をベース樹脂とする樹脂基材を、白色絶縁性基材11を構成する樹脂基材として好ましく用いることができる。電子機器の製造において仮着用の絶縁テープとして広く用いられている塩化ビニル樹脂ベースの絶縁テープは、長期耐久性の面で上記樹脂に劣るため本発明への適用は好ましくない。
白色絶縁性基材11を構成する樹脂基材のベース樹脂として好ましく用いることができる上記のポリエステル系樹脂として、具体的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましい一例として挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(HR−PET)であってもよい。
又、同様に白色絶縁性基材11を構成する樹脂基材のベース樹脂として好ましく用いることができるフッ素系樹脂として、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を挙げることができる。これらの中でも、製造容易性に優れる、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を、白色絶縁性基材11を構成する樹脂基材として特に好ましく用いることができる。
又、同様に白色絶縁性基材11を構成する樹脂基材のベース樹脂として好ましく用いることができるアクリル系樹脂として、アクリル酸のアルキルエステル、メタアクリル酸のアルキルエステルの単独重合体、共重合体、及び、これらの少なくとも1種と架橋性官能基を含有するα,β−エチレン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
絶縁フィルム1の白色絶縁性基材11は、上記の各ベース樹脂に、白色顔料が含有されてなる白色の樹脂基材である。この白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ケイ素等を用いることができる。白色絶縁性基材11に含ませる白色顔料として酸化チタンを用いる場合、粒径0.2μm以上0.5μm程度の汎用品たる酸化チタンを好ましく用いることができる。但し、粒径0.8μm以上1.2μm以下の酸化チタンを用いることもでき、これによれば、白色絶縁性基材11に「近赤外線を極めて効率よく反射する機能」を備えさせることができる。
尚、上述の「近赤外線を効率よく反射する機能」とは、より具体的には、凡そ750nm以上2200nm以下の波長領域において、積分反射率が85%以上である機能を意味する。又、上記の反射率については、通常比較標準試料との相対反射率を使用する。本発明においては、比較標準試料として硫酸バリウムを使用している。本発明における反射率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置(例えば、(株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した値とする。
又、白色顔料の粒径は、日本電子社製の透過型電子顕微鏡(JEM−1230)を用いて白色顔料の一次粒径を写真に撮影した後、その画像をマウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(MAC−View Ver.3)にて統計処理を行い算出して得られる値を採用する。粒径の算出にあたっては体積基準の円相当径を採用する。尚、本明細書における各種の樹脂や無機フィラーの粉末材料の粒径は、いずれも上記方法によって測定した粒径のことを言うものとする。
白色絶縁性基材11の厚さは、IEC61730−2に規定される太陽電池モジュールの安全適格性を満たす絶縁性を担保できる厚さであることを前提とし、タブ線への手作業による仮着の作業容易性を損なわない範囲で適宜選択することができる。一般的には、38μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
[暗色接着層(暗色接着剤層又は暗色易接着層)]
絶縁フィルム1の白色絶縁性基材11の一方の表面には、暗色接着層が形成されている。暗色接着層は、色味の異なる2種の赤外線透過性暗色顔料を適量比で混合してなる赤外線透過性混合暗色顔料を含有する暗色接着剤層12(図4参照)、又は、同顔料を含有する易接着層(プライマー層、図示せず)であることが好ましい。
(接着剤)
暗色接着層が暗色接着剤層12である場合、この層を形成する接着剤は、主剤樹脂、硬化剤及び溶剤を含み、必要に応じてその他の各種の添加剤を含む従来公知の各種の接着剤に、更に、赤外線透過性混合暗色顔料が適量添加されたものを適宜用いることができる。接着剤は、主剤樹脂と硬化剤を使用直前に混合する2液タイプのものであることが好ましい。
(赤外線透過性混合暗色顔料)
暗色接着剤層12又は暗色易接着層等の暗色接着層に含有される顔料としては、「赤外線透過性混合暗色顔料」を用いる。本明細書における「赤外線透過性混合暗色顔料」とは、「赤外線透過性青色系暗色顔料」と、「赤外線透過性茶色系暗色顔料」と、所定の質量比の範囲内で混合されてなる混合顔料である。
「c)赤外線透過性混合暗色顔料」に含まれる顔料成分のうち、「a)赤外線透過性青色系暗色顔料」としては、フタロシアニン系顔料を好ましく用いることができる。フタロシアニン系顔料とは、フタロシアニン骨格を有する顔料であり、各種金属が配位されたフタロシアニンをも含む概念である。具体的には、C.I.PigmentGreen7、C.I.PigmentGreen36、C.I.PigmentGreen37、C.I.PigmentBlue16、C.I.PigmentBlue75、又は、C.I.PigmentBlue15等が挙げられる。
「c)赤外線透過性混合暗色顔料」に含まれる顔料成分のうち、「b)赤外線透過性茶色系暗色顔料」としては、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の顔料を、用いることができる。
「c)赤外線透過性混合暗色顔料」の調合に用いる「b)赤外線透過性茶色系暗色顔料」として、上記の中でも、顔料の分散性や接着性向上効果を最大化する観点から、「ベンズイミダゾロン系顔料」を、特に好ましく用いることができる。ベンズイミダゾロン系顔料とは、下記一般式(1)で表されるベンズイミダゾロン骨格を有する顔料である。具体的には、C.I.PigmentYellow120、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow154、C.I.PigmentYellow175、C.I.PigmentYellow180、C.I.PigmentYellow181、C.I.PigmentYellow194、C.I.PigmentRed175、C.I.PigmentRed176、C.I.PigmentRed185、C.I.PigmentRed208、C.I.PigmentViolet32、C.I.PigmentOrange36、C.I.PigmentOrange62、C.I.PigmentOrange72、C.I.PigmentBrown25等が挙げられるが、これに限るものではない。色域の観点からC.I.PigmentBrown25がより好ましい。
Figure 2019110172
暗色接着剤層12又は暗色易接着層等の暗色接着層に含有される顔料として上述の「c)赤外線透過性混合暗色顔料」を用いることにより、様々な汎用的な太陽電池素子2を搭載する太陽電池モジュール10の意匠性を著しく向上させることができる。
「c)赤外線透過性混合暗色顔料」における、「a)赤外線透過性青色系暗色顔料」と、「b)赤外線透過性茶色系暗色顔料」の混合比率は、具体的には、質量比で、45:55〜70:30の範囲で、対応する太陽電池素子2の表面の色味に合わせて調整される。例えば、比較的純粋な黒色に近い、一般的な単結晶型の太陽電池素子に対しては、この比率が、45:55〜50:50くらいの割合とすることにより、これらの太陽電池素子の色味とのバラツキを最小限に抑えて、この太陽電池素子を搭載した太陽電池モジュール10の意匠性の向上に寄与することができる。一方、例えば、太陽電池素子の表面の色味が青味がかった色に寄っている場合は、この比率を55:45〜60:40くらいの割合とすることにより、同様に、太陽電池モジュール10の意匠性の向上に寄与することができる。
又、太陽電池モジュール10において、太陽電池素子2の受光面側の表面のa値と、絶縁フィルム1の同表面との間におけるa値との差の絶対値は1.5以下であり、太陽電池素子2の受光面側の表面のb値と、絶縁フィルム1の同表面との間におけるb値との差の絶対値は2.5以下である。又、これらの色味の差の絶対値は、a値においては、1.0以下であることが好ましく、b値においては、2.0以下であることが好ましい。このような範囲への色味の調整は、「c)赤外線透過性混合暗色顔料」を採用することにより、「a)赤外線透過性青色系暗色顔料」と、「b)赤外線透過性茶色系暗色顔料」の2種類の顔料の混合比率の調整という単純な調整作業で実現することができるようになる。
又、暗色接着剤層12に含有される顔料として上述の「c)赤外線透過性混合暗色顔料」を用いることにより、更には、暗色接着剤層12を、暗色の外観を呈するものでありながら、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する層とすることができる。これにより、この層を透過した上記波長の近赤外線を白色絶縁性基材11において反射して太陽電池素子2に向かわせることにより、太陽電池モジュール10の発電効率の向上に寄与することもできる。
暗色接着剤層12の厚さは、層間の密着性、耐久性及び印刷適性を向上させる観点から、2.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく3.0μm以上7.0μm以下であることが更に好ましい。但し、この暗色接着剤層12の厚さは、同層内の単位面積当りの、「c)赤外線透過性混合暗色顔料」の含有量に比例し、絶縁フィルムの表面の色味に影響を与える。よって、絶縁フィルム1においては、上記範囲内で表面の色味を太陽電池素子2の色味により近づけるように更に最適化することが好ましい。
暗色接着層は、上記の暗色接着剤層12としてではなく、暗色易接着層として形成し、これにより絶縁フィルム1の表面の好ましい色味を担保することもできる。この場合、暗色易接着層を形成する樹脂組成物は特に限定されず従来公知のプライマーコーティング液であって、更に、上述の「c)赤外線透過性混合暗色顔料」が適量添加されたものを適宜用いることができる。プライマーコーティング液は、有機系の溶剤に易接着層組成物を溶解或いは分散させた有機系のプライマーコーティング液であってもよいし、或いは、水性媒体を主溶剤とする水性プライマーコーティング液であってもよい。暗色易接着は、水性媒体を主溶剤とする暗色のプライマーコーティング液等を、白色絶縁性基材11の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液からなる被膜を固化させることにより形成することができる。
暗色易接着層を形成するために水性媒体を主溶剤とする暗色のプライマーコーティング液用いる場合、コーティング液に含まれる易接着層組成物は、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含んでなる、酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とするものであることが好ましい。この酸変性ポリオレフィン樹脂は、JIS K7210に準拠して測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが0.01g/10min以上100g/10min未満であることが好ましい。このような酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とすることにより、暗色易接着層を形成するために用いる水性のプライマーコーティング液において、易接着層組成物の水性媒体への良好な分散性を保持しやすくすることができる。
[透明密着樹脂基材]
絶縁フィルム1の白色絶縁性基材11の両面には、暗色接着剤層12及び接着剤層13を介して接合されることにより、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする透明密着樹脂基材14A、14Bがそれぞれ積層されていることが好ましい。熱融着性を有するこれらの透明密着樹脂基材14A、14Bが絶縁フィルム1の両最表面に配置されていることにより、太陽電池モジュール10内における絶縁フィルム1の他部材に対する良好な密着性が担保される。
<裏面保護シート>
太陽電池モジュール10の最外層に配置される裏面保護シート5の詳細について説明する。裏面保護シート5は、少なくとも一方の表面において、暗色の外観を有する樹脂フィルムであることが好ましい。「暗色の外観を有する」とは、上述の通り、a値及びb値が、−2.0≦a≦5.0、且つ、−10.0≦b≦1.0の範囲内にあることを言う。
裏面保護シート5の外観の色味については、更に詳しくは、この裏面保護シート5が組込まれる太陽電池モジュール10に搭載される太陽電池素子2の受光面側の表面の色味、及び、絶縁フィルム1の同表面の色味との差の絶対値が、a値において1.5以下であり、b値において2.5以下であればよい。又、これらの色味の差の絶対値は、a値においては、1.0以下であることが好ましく、b値においては、2.0以下であることが好ましい。絶縁フィルムを暗色に着色する顔料として、上記の「c」赤外線透過性混合暗色顔料」を用いることにより、樹脂フィルムに上記範囲内で所望の暗色の外観を付与することができる。
太陽電池モジュール10に配置される裏面保護シートの層構成は、上記範囲内の暗色の外観を保持することができる限りにおいて、特定の層構成に限定されない。上記範囲内の暗色の外観を有する単層の樹脂フィルムであってもよいし、或いは、同様の外観を有する多層の樹脂フィルムであってもよい。但し、裏面保護シートは、絶縁性を有する樹脂基材からなる白色絶縁性基材と、この白色絶縁性基材の一方の表面に暗色易接着層が形成されてなる多層フィルムであることが好ましい。以下、裏面保護シートがこのような多層フィルムである場合について、その詳細を説明する。
裏面保護シート5の厚さは、特に限定されない。但し、その主たる部分を構成する白色絶縁性基材11の厚さは、35μm以上350μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。又、暗色易接着層の厚みは、例えば、要求される接着強度や光学特性好、及び意匠性(黒味の色合い)等に応じて、適宜調整すればよいが、通常、2.0μm以上15.0μm以下の範囲であることが好ましい。
裏面保護シート5の白色絶縁性基材は、白色顔料を含有する樹脂組成物を、シート状に成形した白色の樹脂シートによって構成することができる。このような樹脂シートのベース樹脂として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、好ましくは、耐熱性と耐加水分解性に優れる耐加水分解ポリエチレンテフタレート(HR−PET)、或いは、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂を用いることができる。
裏面保護シート5の白色絶縁性基材に含有させる白色顔料としては、絶縁フィルム1で用いた物と同様に、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ケイ素等、各種の白色顔料を適宜用いることができる。中でも、酸化チタン、より好ましくは、粒径が0.8μm以上1.2μm以下の酸化チタンを、白色絶縁性基材11を形成する樹脂組成物に添加する白色顔料として、好ましく用いることができる。上記のような粒径の酸化チタンを白色絶縁性基材11に含有させることにより、白色絶縁性基材11に「近赤外線を効率よく反射する機能」を十分に備えさせることができる。
以下の通り、暗色接着剤層の組成や厚さが異なる様々な絶縁フィルム試料を作成して、本発明の作用効果を検証した。
<絶縁フィルムの作成>
下記の各樹脂基材、接着剤、顔料を用いてそれぞれの絶縁フィルム試料を作製した。
(白色絶縁性基材)
白色絶縁性基材として、下記のPETフィルムを用いた。
:白色のPETフィルム(東レ社製、「E20」、厚さ50μm)
(透明密着樹脂基材)
透明密着樹脂基材として、下記のポリエチレンフィルムを用いた。
:密度0.920g/cmの、低密度ポリエチレン(LDPE)、厚さ100μm。
(接着剤層)
上記の白色絶縁性基材の一方の表面に上記の透明密着樹脂基材を、ウレタン系の「透明接着剤」によるドライラミネート法によって積層一体化することにより、各実施例及び比較例の絶縁フィルムの一方の表面に透明密着樹脂基材を接合した。又、この「透明接着剤」の塗工量は、いずれも3.5g/mとした。
(暗色接着剤層)
上記の白色絶縁性基材の他方の表面に上記の透明密着樹脂基材を、ウレタン系の接着剤に下記の「赤外線透過性混合暗色顔料」を添加した「暗色接着剤」よるドライラミネート法によって積層一体化することにより、各実施例及び比較例の絶縁フィルムの他方の表面にも透明密着樹脂基材を接合した。上記「暗色接着剤」への「赤外線透過性混合暗色顔料」の添加量は、同接着剤中の同顔料の含有量比が、固形分比で25質量%の配合量となるように調整した。又、この「暗色接着剤」の塗工量は、各試料毎に表1に記載の通りの量とした。
(赤外線透過性混合暗色顔料)
下記の「赤外線透過性青色系暗色顔料」と「赤外線透過性茶色系暗色顔料」とを、混合してなる混合顔料を用いた。
(赤外線透過性青色系暗色顔料)
フタロシアニン系顔料(非晶質型フタロシアニン系顔料青(PigmentBlue15、粒径0.15〜0.20μm))を用いた。
(赤外線透過性茶色系暗色顔料)
ベンズイミダゾロン系顔料(PigmentBrown25、粒径0.08μm)
(有機系暗色顔料)を用いた。
<絶縁フィルムの色味の測定>
以上の通り作成した太陽電池モジュール試料(1〜12)それぞれについて、暗色接着剤層によって、暗色の外観が付与されている側の面、即ち、暗色接着剤層によって白色樹脂基材に接合されている方の透明密着樹脂基材の表面の、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値を、それぞれ測定した。測定は「CM−2500C(コニカミノルタ社製)」により行った。
<太陽電池素子の色味の測定>
市場に流通する4種の単結晶系の暗色の太陽電池素子(1〜4)を入手し、それぞれについて、受光面側の表面の、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値を、それぞれ測定した。測定は「CM−2500C(コニカミノルタ社製)」により行った。
<太陽電池モジュールの意匠性評価>
上記において測定した絶縁フィルム及び太陽電池素子の表面の色味から、各試料の絶縁フィルムの上記各太陽電池素子1〜4のそれぞれへの意匠面における対応性を下記の評価基準により評価した。
(評価基準)
A:太陽電池素子の表面のa値と、絶縁フィルムの表面のa値との差の絶対値(表1〜4、及び以下の各記載において「a差分」と記載)が1.0以下で、且つ、太陽電池素子の表面のb*値と、絶縁フィルムの表面のb*値との差の絶対値(表1〜4及び以降の各記載において「b差分」と記載)が2.0以下。
B:上記の「a差分」が1.5以下で、且つ、上記の「b差分」が2.5以下。
C:上記の「a差分」が1.5を超えるか、又は、上記の「b差分」が2.5を超える。
尚、評価基準A、Bとなった絶縁フィルムと太陽電池素子との組合せについては、官能評価によっても、十分に統一感のある外観が構成可能な程度に色味の際が肉眼では、認識困難であること、一方、評価基準Cとなった絶縁フィルムと太陽電池素子との組合せについては、官能評価によって、絶縁フィルムと太陽電池素子との色味の際が肉眼で視認可能であることも併せて確認された。
Figure 2019110172
Figure 2019110172
Figure 2019110172
Figure 2019110172
図5は、上記データに基づき作成したものであり、本発明にかかる絶縁フィルムによって理論上十分に発現可能な暗色の色味の範囲の一例と、上記の太陽電池素子1〜4の表面の暗色の色味の範囲との関係を示すグラフ図である。
表1〜4及び図5より、a)赤外線透過性青色系暗色顔料と、b)赤外線透過性茶色系暗色顔料と、混合されてなる、c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されている本発明の絶縁フィルムは、材料とする2種の顔料の配合比と塗工量の調整により、太陽電池素子表面の暗色の外観の色味に合わせた、絶縁材とすることが可能であり、統一感のある暗色の外観を有する太陽電池モジュールを形成することができるものであることが分かる。尚、上記評価は、全ての「暗色接着剤」への「赤外線透過性混合暗色顔料」の添加量を、同接着剤中の同顔料の含有量比が、固形分比で25質量%の配合量となるように統一した条件の下で、本発明の効果を検証したものであるが、塗工量を一定として、顔料の含有量比を調整することによっても、上記同様の色味の調整は可能である。
1 絶縁フィルム
11 白色絶縁性基材
12 暗色接着剤層
13 接着剤層
14A、14B 透明密着樹脂基材
2 太陽電池素子
3 透明前面基板
4A 受光面側封止材シート
4B 非受光面側封止材シート
5 裏面保護シート
6A、6B タブ線
10 太陽電池モジュール

Claims (8)

  1. 太陽電池素子と、絶縁フィルムと、受光面側封止材シートと、非受光面側封止材シートと、裏面保護シートと、を備える、太陽電池モジュールであって、
    前記絶縁フィルムは、前記太陽電池モジュールの内部において複数の導電部材の間に挟持される態様で配置されていて、
    前記太陽電池素子及び前記絶縁フィルムは、いずれも、前記太陽電池モジュールの前面側の表面の外観が、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値が、−2.0≦a≦5.0、且つ、−10.0≦b≦1.0の範囲内にある暗色であって、少なくとも該表面の一部が前記太陽電池モジュールの前面側の外部から視認可能に露出していて、
    前記絶縁フィルムには、
    a)赤外線透過性青色系暗色顔料と、
    b)赤外線透過性茶色系暗色顔料と、
    が、a)とb)との質量比が、45:55〜70:30の範囲で混合されてなる、
    c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されており、
    前記a)赤外線透過性青色系暗色顔料は、フタロシアニン系顔料であって、
    前記b)赤外線透過性茶色系暗色顔料は、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の顔料であり、
    前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該a*値との差の絶対値が1.5以下であり、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下である、太陽電池モジュール。
  2. 前記b)赤外線透過性茶色系暗色顔料が、ベンズイミダゾロン系顔料である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記絶縁フィルムは、
    白色絶縁性基材の両面に接着剤層を介して透明密着樹脂基材が接合されてなる多層フィルムであって、
    前記両面の接着剤層のうち一方の面の接着剤層が暗色接着剤層であって、
    前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が、前記暗色接着剤層に含有されている、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記白色絶縁性基材は、ポリエステル系樹脂をベース樹脂とし、
    前記透明密着樹脂基材はポリエチレン系樹脂をベース樹脂する、
    請求項3に記載の、太陽電池モジュール。
  5. 前記絶縁フィルムは、
    白色絶縁性基材の両面に易接着層が形成されていて、
    前記両面の易接着層のうち一方の面の易接着層が暗色易接着層であって、
    前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が、前記暗色易接着層に含有されている、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記太陽電池素子が単結晶型の太陽電池素子であって、該太陽電池素子の前記表面の前記a値が2.0以上3.0以下、前記b値が−6.0以上−4.0以下である請求項1から5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記裏面保護シートは、太陽電池モジュールの裏面側の最外層に配置されていて、
    該裏面保護シートにも、前記c)赤外線透過性混合暗色顔料が含有されていて、
    前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記裏面保護シートの前記表面の該a値との差の絶対値が1.5以下であり、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記裏面保護シートの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下である、請求項1から6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記c)赤外線透過性混合暗色顔料における、前記a)赤外線透過性青色系暗色顔料と、前記b)赤外線透過性茶色系暗色顔料との混合比を、前記太陽電池素子の前記表面の前記a値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該a値との差の絶対値が1.5以下であり、前記太陽電池素子の前記表面の前記b値と、前記絶縁フィルムの前記表面の該b値との差の絶対値が2.5以下となるように調合する、赤外線透過性混合暗色顔料調合工程を含んでなる、太陽電池モジュールの製造方法。
JP2017241071A 2017-12-15 2017-12-15 太陽電池モジュール、及び、その製造方法 Pending JP2019110172A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017241071A JP2019110172A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 太陽電池モジュール、及び、その製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017241071A JP2019110172A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 太陽電池モジュール、及び、その製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019110172A true JP2019110172A (ja) 2019-07-04

Family

ID=67180095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017241071A Pending JP2019110172A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 太陽電池モジュール、及び、その製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019110172A (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11340490A (ja) * 1998-03-25 1999-12-10 Tdk Corp 太陽電池モジュ―ル
JP2010287682A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Mitsui Chemicals Inc 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2011505693A (ja) * 2007-11-30 2011-02-24 サンパワー コーポレイション セル位置ずれに対処するバスバー接続構成
JP2011134999A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Kyocera Corp 太陽電池モジュール
JP2013253189A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Toyobo Co Ltd 易接着フィルムおよびその製造方法
CN203733821U (zh) * 2013-12-30 2014-07-23 苏州赛伍应用技术有限公司 一种黑色太阳能电池背板及太阳能电池组件
JP2014197601A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 三洋電機株式会社 太陽電池モジュール
JP2015170664A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2015192065A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 東レフィルム加工株式会社 太陽電池モジュール
WO2016052641A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 大日本印刷株式会社 赤外線透過性暗色インキ及びそれを用いた赤外線透過性シート
JP2016072506A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
US20160380132A1 (en) * 2015-06-25 2016-12-29 Richard Hamilton SEWELL One-dimensional metallization for solar cells
JP2017112246A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11340490A (ja) * 1998-03-25 1999-12-10 Tdk Corp 太陽電池モジュ―ル
JP2011505693A (ja) * 2007-11-30 2011-02-24 サンパワー コーポレイション セル位置ずれに対処するバスバー接続構成
JP2010287682A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Mitsui Chemicals Inc 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2011134999A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Kyocera Corp 太陽電池モジュール
JP2013253189A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Toyobo Co Ltd 易接着フィルムおよびその製造方法
JP2014197601A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 三洋電機株式会社 太陽電池モジュール
CN203733821U (zh) * 2013-12-30 2014-07-23 苏州赛伍应用技术有限公司 一种黑色太阳能电池背板及太阳能电池组件
JP2015170664A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2015192065A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 東レフィルム加工株式会社 太陽電池モジュール
WO2016052641A1 (ja) * 2014-09-30 2016-04-07 大日本印刷株式会社 赤外線透過性暗色インキ及びそれを用いた赤外線透過性シート
JP2016072506A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
US20160380132A1 (en) * 2015-06-25 2016-12-29 Richard Hamilton SEWELL One-dimensional metallization for solar cells
JP2017112246A (ja) * 2015-12-17 2017-06-22 大日本印刷株式会社 太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10295712B2 (en) Backsheets for photovoltaic modules using infrared reflective pigments
JP6917123B2 (ja) 太陽電池モジュール用の保護シート、及び、それを用いた太陽電池モジュール
JP6927391B2 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
CN105144397A (zh) 太阳能光伏模块
CN101605657A (zh) 光伏组件的背板以及维修该背板的方法
JP2013093410A (ja) 太陽電池用バックシートおよび太陽電池モジュール
JP2023168474A (ja) 太陽電池モジュール用の暗色封止材シート
JP2023053327A (ja) 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
JP2019110172A (ja) 太陽電池モジュール、及び、その製造方法
JP2014179462A (ja) 太陽電池モジュール用裏側封止材及び太陽電池モジュール
US20220231179A1 (en) Solar battery module, method for manufacturing same, and construction-use exterior wall material using same
KR101851758B1 (ko) 태양전지용 이면보호 시트 및 이를 포함하는 태양전지 모듈
KR102083603B1 (ko) 태양전지용 백시트 및 이를 포함하는 태양전지 모듈
JP2019110175A (ja) 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
JP2018082031A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
JP2020191438A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール
JP2020191337A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール
JP2020141145A (ja) 太陽電池モジュール用の保護シート、及び、それを用いた太陽電池モジュール
JP2020053652A (ja) 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
JP6627998B1 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール
WO2020218485A1 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール
JP6458431B2 (ja) 太陽電池モジュール用の暗色シートの色味評価方法
JP2020072160A (ja) 太陽電池モジュール用の裏面保護シート
JP2020053603A (ja) 融雪機能付きの太陽電池モジュール
JP2018082032A (ja) 太陽電池モジュール用の裏面保護シート、及び、太陽電池モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220830