JP2020053652A - 太陽電池モジュール用の裏面保護シート - Google Patents
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Abstract
【課題】暗色の外観を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートにおいて、耐候性や製膜性等に関する要求物性を必要とされる水準に維持したまま、光線反射率を顕著に向上させた裏面保護シートを提供すること。【解決手段】白色樹脂基材層11は、絶縁層111と、光反射層113と、が積層されてなり、絶縁層111は、体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上であり、厚さが、50μm以上320μm以下であって、白色顔料を含有する樹脂層であり、光反射層113は、オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、厚さが25μm以上200μm以下であって、白色顔料を含有する樹脂層であり、暗色層12は、白色樹脂基材層11の光反射層113側の表面に形成されていて、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する有機系暗色顔料を含有する樹脂層である、太陽電池モジュール用の裏面保護シート1とする。【選択図】図2
Description
本発明は、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、受光面側の封止材、太陽電池素子、非受光面側の封止材、裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
ところで、太陽電池モジュールは、主として意匠性の向上を目的として外観が黒色又はそれに準ずる暗色(本明細書においてはこれらをまとめて「暗色」とも称する)であることが求められる場合がある。この場合、上記の太陽電池モジュールの最外面に配置される裏面保護シートについても、少なくともその一方の表面について、他の露出部分と同様の暗色の外観を有するものであることが意匠上の要求として求められる場合が多くある。
このような要求に応えるために、太陽電池モジュール用の裏面保護シートを暗色に着色するための着色材料として、従来のカーボンブラックに替えて、オキサジン系顔料等、近赤外線を吸収しない各種の暗色系の有機顔料を調合してなる暗色インキが提案されている(特許文献1、2参照)。意匠上の要求を満たすための暗色層を、これらの赤外線透過性の暗色インキを含有する構成とすることにより、この層を透過させた近赤外線を更に白色樹脂基材等の反射性の部材で反射して発電に寄与させることにより、発電効率の低下を回避しながら、太陽電池モジュール全体に、意匠性に優れる暗色の外観を付与することができるからである。
一方、上記のような暗色の裏面保護シートにおいて、近赤外線をより効率よく発電に寄与させるためには、上記の白色樹脂基材等、光線反射層として機能する層の光線反射性を可能な限り向上させることが求められる。ここで、上記の白色樹脂基材としては、通常、耐熱性、寸法安定性、絶縁性、及び耐加水分解性に優れ、経済性にも優位性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)をベース樹脂とし、これに白色顔料を添加してなる白色の樹脂フィルムが広く用いられている。このような白色樹脂基材の光線反射性は、白色樹脂基材中の白色顔料の含有量の増量により向上させることが可能である。
しかしながら、白色樹脂基材を形成するポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂中への酸化チタン等の白色顔料の過剰添加は、樹脂基材中の樹脂成分(PET)の割合が低減することによる耐加水分解性の低下によって裏面保護シートとしての基本性能の低下が起こりやすくなる。耐加水分解性・破断強度・破断伸度等、裏面保護シートを構成する樹脂基材としての基本性能を維持しなくてはならないことを考慮すると、光反射性の更なる向上の余地があるにもかかわらず、上記の白色顔料の添加量は、一定量範囲内に制限されざるをえないというのが実態であった。
本発明は、暗色の外観を有することにより、太陽電池モジュールの意匠性の向上に寄与することができる裏面保護シートにおいて、樹脂基材として求められる耐候性や製膜性等に関する要求物性を必要とされる水準に維持したまま、光線反射率を顕著に向上させて太陽電池モジュールの発電効率の向上に更に寄与することができる、裏面保護シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、白色樹脂基材層を構成する絶縁層とは別途に、製膜性に優れる低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂をベース樹脂とし、酸化チタン等の無機白色顔料を含有する光反射性の向上目的に特化した光反射層を追加的に配置することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、白色樹脂基材層の表面に、暗色層が形成されてなる多層シートであり、前記白色樹脂基材層は、絶縁層と、光反射層と、が積層されてなり、前記絶縁層は、JIS C2151による体積固有抵抗率が1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂をベース樹脂とし、厚さが50μm以上であり、白色顔料を含有する樹脂層であって、前記光反射層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、厚さが25μm以上200μm以下であって、白色顔料を含有する樹脂層であり、前記暗色層は、前記白色樹脂基材層の前記光反射層側の表面に形成されていて、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する有機系暗色顔料を含有する樹脂層である、裏面保護シート。
(2) 前記絶縁層は、厚さが180μm以下であり、樹脂成分に対する前記白色顔料の含有量が10質量%以下であって、前記光反射層の厚さ(μm)と、該光反射層中の白色顔料の濃度(質量%)との積(μm・質量%)の値が、450以上である、(1)に記載の裏面保護シート。
(3) 前記光反射層の厚さ(μm)と、該光反射層中の白色顔料の濃度(質量%)との積(μm・質量%)の値が、900(μm・質量%)以上である、(2)に記載の裏面保護シート。
(4) 前記有機系暗色顔料が、茶色系顔料と、フタロシアニン系顔料と、を含有してなり、前記茶色系顔料は、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、C.I.PigmentBrown7、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の顔料である、(1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(5) 前記暗色層は、オレフィン系樹脂と、前記有機系暗色顔料と、を含んでなる易接着層組成物により形成されている暗色易接着層である、(1)から(4)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(6) 前記暗色層は、主剤樹脂に前記有機系暗色顔料が含まれてなる暗色接着剤層と、オレフィン系樹脂をベース樹脂とする透明密着層とが積層されてなる多層の樹脂層である、(1)から(4)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(7) 両面採光型太陽電池素子と、オレフィン系樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、前記両面採光型太陽電池素子を封止する封止材と、(1)から(6)のいずれかに記載の裏面保護シートと、が、積層されてなる太陽電池モジュールであって、前記裏面保護シートの前記暗色層側に、前記封止材が積層されている、太陽電池モジュール。
本発明によれば、暗色の外観を有することにより、太陽電池モジュールの意匠性の向上に寄与することができる裏面保護シートにおいて、樹脂基材として求められる耐候性や製膜性等に関する要求物性を必要とされる水準に維持したまま、光線反射率を顕著に向上させて太陽電池モジュールの発電効率の向上に更に寄与することができる、裏面保護シートを提供することができる。
<太陽電池モジュール>
先ず、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート1を用いて構成される太陽電池モジュール10の全体構成について説明する。太陽電池モジュール10は、図1に示すように、受光面側から、透明前面基板4、受光面側の封止材3、太陽電池素子5、非受光面側の封止材2、裏面保護シート1が順に積層された構成からなる。又、この積層体の側周面には、通常、アルミニウム等からなる金属フレーム(図視せず)が設置される。
先ず、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート1を用いて構成される太陽電池モジュール10の全体構成について説明する。太陽電池モジュール10は、図1に示すように、受光面側から、透明前面基板4、受光面側の封止材3、太陽電池素子5、非受光面側の封止材2、裏面保護シート1が順に積層された構成からなる。又、この積層体の側周面には、通常、アルミニウム等からなる金属フレーム(図視せず)が設置される。
本発明の裏面保護シート1は、この太陽電池モジュール10において、図3に示すように、暗色層12を封止材2との接合面側に向けて、太陽電池モジュール10の非受光面側の最外層に配置される。
非受光面側の封止材2及び受光面側の封止材3としては、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、或いは、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂からなる厚さ100μm〜400μm程度の樹脂シートが用いられる。
透明前面基板4としては、通常、透明ガラス板が用いられるが、耐候性を有する透明な樹脂シートを用いることもできる。
太陽電池素子5については、特段の制限なく、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製する結晶シリコン太陽電池の他、アモルファスシリコンや微結晶シリコン、或いはカルコパイライト系の化合物等を用いてなる薄膜系太陽電池(CIGS)等、各種の太陽電池素子を用いることができる。但し、太陽電池素子5は、両面受光型の太陽電池素子であることがより好ましい。太陽電池モジュール10に実装されている太陽電池素子5が、両面受光型の太陽電池素子である場合には、図3に示すように、受光面側の表面に光反射層113が配置されている白色樹脂基材層11で反射した光L1、L2を、それぞれ太陽電池素子5の両面のいずれにおいても受光することができる。よって、このように、太陽電池素子5が、両面受光型の太陽電池素子である場合に、白色樹脂基材層11の光線反射率を向上させた裏面保護シート1を用いることによる太陽電池モジュール10の発電効率の向上効果は、より顕著な効果として発現する。尚、両面受光型の太陽電池素子とは、例えば、特開2017−147302号公報に開示されている「両面受光型の太陽電池セル」のように、太陽電池素子の両面で発電に寄与する光を受光することができる素子のことを言う。
ここで、受光面側の封止材3は、通常、透明又は半透明である。よって、太陽電池モジュール10は、透明前面基板4の側からの平面視において、太陽電池素子5の隙間の部分から、裏面保護シート1の色を視認することができる。一方、上述の太陽電池素子5は、その表面の色味が暗色である場合が多い。よって、太陽電池モジュール10においては、暗色層12を有する裏面保護シート1を用いることにより、太陽電池素子5が配置されていない隙間の部分の外観と、太陽電池素子の表面の外観との色味の差を少なくすることができる。裏面保護シート1を用いることにより、このように統一感のある黒味によって外観を構成して意匠性に優れる太陽電池モジュール10を構成することができる。
尚、本発明における「暗色」とは、色座標におけるL*値、a*値及びb*値の範囲が下記の特定範囲にある「色」のことを言い、黒色は当然にこれに含まれる。特定範囲とは、具体的には、L*値については、マンセル表色系で明度4.0以下であり、JISZ8722に準拠して測定した、標準光源D65によるCIE系色座標が、−1≦a*≦2.5且つ−2≦b*≦0.5の範囲のことを言い、この範囲にある色味を、本明細書においては「暗色」と言うものとする。
又、裏面保護シート1の暗色層12は、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する赤外線透過層とされている。これにより、裏面保護シート1を用いて構成される太陽電池モジュール10においては、上述の意匠性の向上のみならず、暗色層における近赤外線の吸収に起因する温度上昇や発電に寄与しうる光の減衰による太陽電池モジュール10の発電効率の低下を回避することもできる。尚、本明細書において「波長750nm以上1500nm以下の光線を透過する」とは、波長750nm以上1500nm以下の光線を15%以上透過、好ましくは50%以上透過、更に好ましくは60%以上透過することを意味するものとする。
そして、裏面保護シート1の白色樹脂基材層11は、絶縁性を担保するための絶縁層111と光線反射性能を効率良く向上させるための光反射層113とが積層されてなる多層構成とされている。これにより、太陽電池モジュール10において、入射光のうち、暗色層12を透過した波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を含む光L1、L2(図3参照)を、この白色樹脂基材層11で効率良く反射して、再び太陽電池素子5に向かわせることができる。
このような裏面保護シート1においては、白色樹脂基材層11に求められる絶縁性については、耐加水分解性や加熱収縮率等に対する悪影響が許容範囲内に収まるように白色顔料の添加量を制限した絶縁層111において担保されている。その上で、白色樹脂基材層11においては、製膜性に優れるオレフィン系樹脂をベース樹脂とし、白色顔料を十分に添加して反射性能の向上への寄与に特化した光反射層113を絶縁層111とは別途に追加的に配置する構成としている。これにより、裏面保護シート1を用いて構成した太陽電池モジュール10においては、裏面保護シートに求められる上述の基本的な要求物性を必要な水準に維持したまま、反射性を高めて、発電効率を向上させることが可能とされている。
[太陽電池モジュールの製造方法]
太陽電池モジュール10は、上記の各構成部材を、例えば、真空熱ラミネート加工により加熱圧着して一体化することにより製造することができる。この際のラミネート温度は、110℃以上190℃以下の範囲内とすることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。又、ラミネート時間は、5分〜60分の範囲内が好ましい。このラミネート加工は、裏面保護シート1の暗色層12と、上記のオレフィン系樹脂からなる封止材とを対面させて加熱圧着する態様で行う。
太陽電池モジュール10は、上記の各構成部材を、例えば、真空熱ラミネート加工により加熱圧着して一体化することにより製造することができる。この際のラミネート温度は、110℃以上190℃以下の範囲内とすることが好ましく、130℃以上であることがより好ましい。又、ラミネート時間は、5分〜60分の範囲内が好ましい。このラミネート加工は、裏面保護シート1の暗色層12と、上記のオレフィン系樹脂からなる封止材とを対面させて加熱圧着する態様で行う。
<裏面保護シート>
本発明の裏面保護シート1は、上述の通り、太陽電池モジュール10の最外層に配置されることが想定されている(図1参照)。そして、この裏面保護シートは、図2に示す通り、基材層として裏面保護シート1の主たる部分を構成する白色樹脂基材層11と、白色樹脂基材層11の一方の面に形成される暗色層12とを含んで構成される多層構成の樹脂シートである。
本発明の裏面保護シート1は、上述の通り、太陽電池モジュール10の最外層に配置されることが想定されている(図1参照)。そして、この裏面保護シートは、図2に示す通り、基材層として裏面保護シート1の主たる部分を構成する白色樹脂基材層11と、白色樹脂基材層11の一方の面に形成される暗色層12とを含んで構成される多層構成の樹脂シートである。
裏面保護シート1において、白色樹脂基材層11は、太陽電池モジュール10との一体化後に要求される絶縁性を担保する樹脂層であり、同時に、太陽電池素子5に直接受光されなかった入射光を反射して、再び太陽電池素子5に向かわせる機能を有する樹脂層である。
一方、裏面保護シート1において、暗色層12は、その暗色の外観によって意匠性の向上に寄与する樹脂層である。
又、暗色層12は、暗色の易接着層(所謂、プライマー層)として形成することができる。この場合においては、太陽電池モジュール10としての一体化後に、裏面保護シート1の非受光面側の封止材2に対する接着性を向上させる機能を発揮する。
裏面保護シート1の総厚さは、必要最低限の絶縁性や耐候性を担保するために100μm以上であることが好ましく、経済性の低下を回避する観点から400μm以下であることが好ましく、170μm以上260μm以下であることがより好ましい。
又、裏面保護シート1の主たる部分を構成する白色樹脂基材層11の厚さは、100μm以上400μm以下であることが好ましく、170μm以上260μm以下であることがより好ましい。又、暗色層12の厚さは、要求される接着強度や光学特性、及び、意匠性(黒味の色合い)等に応じて、適宜調整すればよい。例えば、暗色層12を、上述のような易接着層として構成する場合、その厚さは、2.0μm以上20.0μm以下の範囲であることが好ましい。
[白色樹脂基材層]
裏面保護シート1の基材として主たる部分を占める白色樹脂基材層11は、ポリエステル系樹脂等の絶縁性樹脂をベース樹脂とする絶縁層111と、白色顔料を添加した場合における製膜性においてポリエステル系樹脂よりも有利なオレフィン系樹脂をベース樹脂とする光反射層113とが、接着剤層112を介して接合されてなる多層構成の樹脂層である。多層構成の白色樹脂基材層11を構成する絶縁層111と光反射層113は、いずれも反射性を向上させるための白色顔料がベース樹脂中に含有されている白色の樹脂層である。
裏面保護シート1の基材として主たる部分を占める白色樹脂基材層11は、ポリエステル系樹脂等の絶縁性樹脂をベース樹脂とする絶縁層111と、白色顔料を添加した場合における製膜性においてポリエステル系樹脂よりも有利なオレフィン系樹脂をベース樹脂とする光反射層113とが、接着剤層112を介して接合されてなる多層構成の樹脂層である。多層構成の白色樹脂基材層11を構成する絶縁層111と光反射層113は、いずれも反射性を向上させるための白色顔料がベース樹脂中に含有されている白色の樹脂層である。
白色樹脂基材層11を構成する絶縁層111及び光反射層113の各層を構成する各々の白色の樹脂シートは、下記に詳細を説明する各ベース樹脂と白色顔料とを含んでなる各樹脂組成物を、押し出し法、Tダイ法、キャスト成形法、インフレーション法、その他等の公知の各種成形法によってシート状に成形することによって得ることができる。尚、本明細書においては、上記のような樹脂組成物をシート状に加工したものの総称として樹脂シートという用語を用いるが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
尚、白色樹脂基材層11を構成する絶縁層111及び光反射層113の各層には、上記のベース樹脂や白色顔料の他に、例えば、シートの加工性、耐光性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を必要に応じて添加することができる。その他の添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、白色樹脂基材層11に求められる性能に応じて、適宜選択される。
(絶縁層)
絶縁層111は、上記の絶縁性を担保することができる絶縁性樹脂をベース樹脂とし、所定量範囲以下の白色顔料を含有する樹脂組成物からなり、所定厚さ以上で形成される樹脂層である。具体的に、絶縁層111は、必要とされる絶縁性を保持する観点から、JIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上であり、尚且つ、厚さ50μm以上の樹脂層であれよい。
絶縁層111は、上記の絶縁性を担保することができる絶縁性樹脂をベース樹脂とし、所定量範囲以下の白色顔料を含有する樹脂組成物からなり、所定厚さ以上で形成される樹脂層である。具体的に、絶縁層111は、必要とされる絶縁性を保持する観点から、JIS C2151による体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上であり、尚且つ、厚さ50μm以上の樹脂層であれよい。
絶縁層111を形成するベース樹脂として具体的には、上記の条件を満たすものである限りにおいて、従来、太陽電池モジュール用の保護シートにおいて用いられてきた各種の絶縁性樹脂を用いることができる。そしてこれらのベース樹脂に適量の白色顔料が添加されてなる樹脂組成物を製膜してなる白色の樹脂フィルムを、絶縁層111を構成する樹脂基材として適宜選択して用いることができる。
絶縁層111を形成するベース樹脂としての要求物性を満たしうる体積固有抵抗率が、1.0×1015Ω・m以上である絶縁性樹脂の具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、或いは、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
又、上記各樹脂の中でも、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性及び成形性が良好であることから、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂が好ましく、これらの樹脂をベース樹脂とする樹脂組成物からなる絶縁性樹脂フィルムを、絶縁層111を形成する樹脂フィルムとして特に好ましく用いることができる。例えば、耐加水分解白色PET(HR−PET)フィルム(例えば、「ルミラーMX11」(東レ株式会社製))等を、絶縁層111を形成する樹脂フィルムとして、特に好ましく用いることができる。
絶縁層111の厚さは、50μm以上320μm以下であることが好ましく、140μm以上180μm以下であることがより好ましい。絶縁層111の厚さを50μm以上とすることにより、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに要求される絶縁性を裏面保護シート1に備えさせることができる。又、この厚さを320μm以下に止めることにより、裏面保護シート1の経済性の低下を回避することができる。
絶縁層111には、光反射層113とともに、白色樹脂基材層11に優れた光反射機能を付与するための白色顔料が含有されている。この白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化ケイ素等の公知の無機白色顔料を適宜選択して用いることができる。中でも、酸化チタン、中でも、粒径0.2μm以上1.5μm以下の酸化チタンを好ましく用いることができる。尚、光反射性向上のために添加される白色顔料についての更なる詳細については、光反射層113の説明とともに後述する。
絶縁層111は、上述の通り、絶縁性と経済性を両立させるために120μm以上200μm以下の厚さで形成される。白色樹脂基材層11の光反射率を向上させることのみを企図するならば、絶縁層111にも、可能な限り多量の白色顔料を含有させることが好ましい。しかしながら、絶縁層111における白色顔料の含有量を、一定割合量以上に増加させた場合には、上述した通り、裏面保護シートとしての基本性能の低下が起こりやすくなる。これを回避するために、裏面保護シート1において上記厚さ範囲にある絶縁層111に対する白色顔料の含有量は、5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、6質量%以上9質量%以下であることがより好ましい。絶縁層111における白色顔料の含有量が、5質量%未満であると、光反射層113を設けたとしても裏面保護シート1の反射性が、絶縁層のみで反射性能を担保する従来構成品と比較して有意に向上しない場合がある。又、この含有量が10質量%を超えると、上述した裏面保護シートとしての基本性能の低下の怖れが顕在化しやすい。又、無機顔料の過剰添加に起因して、顔料が凝集してなる粒状の外観欠点が生じやすくなる。
(光反射層)
光反射層113は、一定量以上の酸化チタン等の無機白色顔料を一定量以上添加した場合における耐久性の低下等、上述した裏面保護シートとしての基本性能の低下の畏れについて、ポリエステル系樹脂よりも有利なオレフィン系樹脂をベース樹脂とし、光反射性を十分に向上させるに足る高濃度で白色顔料を含有する樹脂組成物からなる樹脂層である。
光反射層113は、一定量以上の酸化チタン等の無機白色顔料を一定量以上添加した場合における耐久性の低下等、上述した裏面保護シートとしての基本性能の低下の畏れについて、ポリエステル系樹脂よりも有利なオレフィン系樹脂をベース樹脂とし、光反射性を十分に向上させるに足る高濃度で白色顔料を含有する樹脂組成物からなる樹脂層である。
光反射層113を形成するベース樹脂として、具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン系樹脂、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いることができる。そしてこれらのベース樹脂に所定量以上の白色顔料が添加されてなる樹脂組成物を製膜してなる白色の樹脂フィルムを、光反射層113を構成する樹脂基材として適宜選択して用いることができる。上記各樹脂の中でも、絶縁層を構成するPET等との貼合に係る加工適性を良好に保持する観点から、密度0.890g/cm3以上0.925g/cm3以下の低密度ポリエチレン(LDPE)を、光反射層113を形成するベース樹脂として特に好ましく用いることができる。
光反射層113の厚さは、25μm以上200μm以下であればよく、30μm以上100μm以下であることが好ましい。絶縁層111の厚さを25μm以上とすることにより、白色樹脂基材層の光反射性を、従来の絶縁性基材のみによる反射では到達が難しかった水準にまで有意に向上させることができる。又、この厚さを200μm以下に止めることにより、裏面保護シート1の経済性の低下を回避することができる。
光反射層113には、白色樹脂基材層11に優れた光反射機能を付与するための白色顔料が含有されている。この白色顔料としては、絶縁層111に含有させる白色顔料と同様、酸化チタン等の公知の無機白色顔料を適宜選択して用いることができる。
光反射層113には、白色樹脂基材層11に優れた光反射機能を付与するための白色顔料が含有されている。この白色顔料としては、絶縁層111に含有させる白色顔料と同様、酸化チタン等の公知の無機白色顔料を適宜選択して用いることができる。
光反射層113に含有させる無機白色顔料としては、酸化チタンが好ましく、中でも、その粒径が0.2μm以上1.5μm以下の酸化チタンであることがより好ましい。酸化チタンの粒径をこのような範囲に調整することにより、光反射層113に、「近赤外線を効率よく反射する機能」を備えさせることができる。
尚、上述の「近赤外線を効率よく反射する機能」とは、より具体的には、凡そ750nm以上2200nm以下の波長領域において、積分反射率が85%以上である機能を意味する。又、上記の反射率については、通常比較標準試料との相対反射率を使用する。本発明においては、比較標準試料として硫酸バリウムを使用している。本発明における反射率は、分光光度計(例えば、(株)島津製作所UV2450)に積分球付属装置(例えば、(株)島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%とした相対反射率を測定した値とする。
又、白色顔料の粒径は、日本電子社製の透過型電子顕微鏡(JEM−1230)を用いて白色顔料の一次粒径を写真に撮影した後、その画像をマウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(MAC−View Ver.3)にて統計処理を行い算出して得られる値を採用する。粒径の算出にあたっては体積基準の円相当径を採用する。尚、本明細書における各種の樹脂や無機フィラーの粉末材料の粒径は、いずれも上記方法によって測定した粒径のことを言うものとする。
光反射層113は、上述の通り、経済性の低下を回避するために200μm以下の厚さで形成される。裏面保護シート1において上記厚さ範囲にある光反射層113における白色顔料の含有量は、同層の樹脂成分に対して、7質量%以上50質量%以下であることが好ましい。光反射層113における白色顔料の含有量が、7質量%未満であると、裏面保護シート1の反射性が、絶縁層のみで反射性能を担保する従来構成品と比較して有意に向上しない場合がある。又、この含有量が50質量%を超えると、無機顔料の過剰添加に起因して、顔料が凝集してなる粒状の外観欠点が生じやすくなる。
又、白色樹脂基材層11中に含有される白色顔料の総量について、反射性を有意に向上させる観点から、より詳細には、絶縁層111の厚さ(μm)の値と、同層中の白色顔料の濃度(質量%)の値との積(μm・質量%)(以下、単に「厚さと濃度との積」とも言う)及び、光反射層113の厚さ(μm)の値と、白色顔料の濃度(質量%)の値との積(μm・質量%)の総和が一定の範囲内の値であることが好ましい。この各層の厚さ(μm)と各層中の濃度(質量%)との積(μm・質量%)の総和の具体的な好ましい範囲は、1900以上であることが好ましく、2400以上であることがより好ましい。
例えば、絶縁層111の厚さを150μm、同層中の白色顔料の含有量を10質量%とした場合、同層における、「厚さと濃度との積」は、1500(μm・質量%)となるので、上記の総和の値を1900以上とするためには、光反射層の厚さ(μm)と、当該光反射層中の白色顔料の濃度(質量%)との積の値が、400(μm・質量%)以上となるように白色顔料を添加すればよい。例えば、この場合において、光反射層113の厚さが30μmであれば、同層における白色顔料の含有量は、(400/30=13.3より)凡そ14質量%以上であることが好ましい。同様に上記の総和の値を2400以上とするために、光反射層113の厚さが30μmである場合に、同層における白色顔料の含有量は、(900/30=30より)凡そ30質量%以上であることがより好ましい。
[暗色層]
裏面保護シート1において白色樹脂基材層11の表面に形成される暗色層12は、暗色の外観を有する樹脂層でありながら、尚且つ、太陽電池モジュール10の発電効率の向上に寄与する波長750nm以上1500nm以下の近赤外線については、これを吸収せずに透過させることができる樹脂層でもある。
裏面保護シート1において白色樹脂基材層11の表面に形成される暗色層12は、暗色の外観を有する樹脂層でありながら、尚且つ、太陽電池モジュール10の発電効率の向上に寄与する波長750nm以上1500nm以下の近赤外線については、これを吸収せずに透過させることができる樹脂層でもある。
又、暗色層12は、裏面保護シート1において、接着層(易接着層、或いは、接着剤層)としての機能も発揮する層として配置することができる。図2に示す裏面保護シート1においては、暗色層12は易接着層として形成されている。この場合、この暗色層12(暗色易接着層)は、太陽電池モジュール10において、非受光面側の封止材2と裏面保護シートとの必要十分な接着性を維持する役割を果たす。
又、暗色層12は、図3に示す裏面保護シート1Aにおける場合のように、暗色接着剤層121と透明密着層122が積層されてなる2層構成の樹脂層として配置することもできる。この場合、暗色接着剤層121が透明オレフィン層を通して視認されることにより好ましい意匠性が発現し、非受光面側の封止材2と裏面保護シートとの密着性は、透明密着層122によって維持される。
(有機系暗色顔料)
暗色層12を、暗色の外観を呈するものでありながら、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する層とするためには、暗色層12を形成する樹脂組成物中に赤外線透過性を有する有機系暗色顔料を添加すればよい。尚、上述の裏面保護シート1A(図4)のように暗色層12が暗色の層と透明な層とからなる2層構成の樹脂層である場合には、暗色の層にのみ、このような有機系暗色顔料を適量添加することにより、本発明の実施形態の一例である裏面保護シート1Aを構成することができる。
暗色層12を、暗色の外観を呈するものでありながら、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する層とするためには、暗色層12を形成する樹脂組成物中に赤外線透過性を有する有機系暗色顔料を添加すればよい。尚、上述の裏面保護シート1A(図4)のように暗色層12が暗色の層と透明な層とからなる2層構成の樹脂層である場合には、暗色の層にのみ、このような有機系暗色顔料を適量添加することにより、本発明の実施形態の一例である裏面保護シート1Aを構成することができる。
暗色層12に含有させる有機系暗色顔料は、赤外線透過性を有する各種の公知の有機系顔料を適宜用いることができる。但し、本発明の裏面保護シート1においては、以下に詳細を説明する、「茶色系顔料とフタロシアニン系顔料との混合物からなる顔料」(以下、この混合顔料のことを、「ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料」とも言う)を、特に好ましく用いることができる。この「ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料」は、裏面保護シート1に優れた暗色の外観と、高い赤外線透過性を備えさせることができる。尚、「茶色系顔料とフタロシアニン系顔料との混合物からなる顔料(ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料)」が、近赤外線、特には、波長800nm以上900nm以下付近での赤外線透過性について、特に優れた光学特性を有すものであることは、例えば、上述の特許文献2においても実証されている通りである。
上述の、「茶色系顔料とフタロシアニン系顔料との混合物からなる顔料(ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料)」に含有される顔料成分のうち、「茶色系顔料」としては、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の顔料を、用いることができる。
「茶色系顔料とフタロシアニン系顔料との混合物からなる顔料(ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料)」に用いる「茶色系顔料」として、上記の中でも、暗色水性プライマーコーティング液中の顔料の分散性や接着性向上効果を最大化する観点から、「ベンズイミダゾロン系顔料」を、特に好ましく用いることができる。ベンズイミダゾロン系顔料とは、下記一般式(1)で表されるベンズイミダゾロン骨格を有する顔料である。具体的には、C.I.PigmentYellow120、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow154、C.I.PigmentYellow175、C.I.PigmentYellow180、C.I.PigmentYellow181、C.I.PigmentYellow194、C.I.PigmentRed175、C.I.PigmentRed176、C.I.PigmentRed185、C.I.PigmentRed208、C.I.PigmentViolet32、C.I.PigmentOrange36、C.I.PigmentOrange62、C.I.PigmentOrange72、C.I.PigmentBrown25等が挙げられるが、これに限るものではない。色域の観点からC.I.PigmentBrown25がより好ましい。
上述の、「茶色系顔料とフタロシアニン系顔料との混合物からなる顔料(ベンズイミダゾロン・フタロシアニン顔料)」に含有される顔料成分のうち、「フタロシアニン系顔料」とは、フタロシアニン骨格を有する顔料であり、各種金属が配位されたフタロシアニンをも含む概念である。具体的には、C.I.PigmentGreen7、C.I.PigmentGreen36、C.I.PigmentGreen37、C.I.PigmentBlue16、C.I.PigmentBlue75、又は、C.I.PigmentBlue15等が挙げられる。
(暗色易接着層)
暗色層12は、有機系の溶剤や、或いは、水性媒体を主溶剤とする暗色のプライマーコーティング液を、白色樹脂基材層11の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液からなる被膜を固化させることにより暗色易接着層として形成することができる。
暗色層12は、有機系の溶剤や、或いは、水性媒体を主溶剤とする暗色のプライマーコーティング液を、白色樹脂基材層11の一方の表面に塗布し、塗布されたコーティング液からなる被膜を固化させることにより暗色易接着層として形成することができる。
上記の暗色易接着層を形成するプライマー組成物は特に限定されない。例えば、オレフィン系樹脂を含有し水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物、或いは、架橋性主剤樹脂と、架橋剤等を、含有し、有機系媒体を主溶剤とするプライマー組成物のいずれもが選択可能である。中でも、保護シート1においては、上記の水性媒体を主溶剤とするプライマー組成物を、暗色易接着層を形成するプライマー組成物として好ましく用いることができる。
例えば、暗色易接着層を、水性媒体を主溶剤とする暗色のプライマーコーティング液を用いて形成する場合、暗色のプライマーコーティング液に含まれる易接着層組成物としては、各種のオレフィン系樹脂を適宜選択することができるが、オレフィン成分と不飽和カルボン酸成分とを含んでなる、酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とする易接着層組成物を特に好ましく用いることができる。酸変性ポリオレフィン樹脂をベース樹脂とする暗色易接着層をポリエステル系樹脂からなる白色樹脂基材層11の表面に形成することにより、白色樹脂基材層11と、オレフィン系樹脂からなる非受光面側の封止材2との間の接着性を顕著に向上させることができることは、例えば、特開2013−74172号公報の記載からも明らかである。
暗色層12を、暗色易接着層とする場合、その厚さは、裏面保護シート1に要求されるオレフィン系の封止材に対する接着強度等に応じて適宜変更すればよく、0.2μm以上3.0μm以下の範囲であることが好ましく、0.2μm以上1.5μm以下の厚さであることがより好ましい。この層の厚さが0.2μm以上であれば、裏面保護シート1に十分な接着性を付与することができる。この層の厚さが3.0μm以下であれば、裏面保護シート1に、良好な耐ブロッキング性を付与することができ、製造コストも抑えることがきる。
(暗色接着剤層)
図3に示す裏面保護シート1Aにおける場合のように、暗色層を、暗色接着剤層121と透明密着層122が積層されてなる2層構成の暗色層12Aとして構成する場合、暗色接着剤層121に、近赤外線を透過する上述の有機系暗色顔料を含有させればよい。透明密着層122は、太陽電池モジュール10を構成する封止材に対する所望の密着性を有する樹脂、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂からなり、尚且つ、透明な樹脂層であればよい。このような2層構成の暗色層12Aを、裏面保護シート1の最表面に配置することによっても、意匠性と近赤外線の透過性を維持しながら、裏面保護シート1の非受光面側の封止材3に対する密着性も十分に向上させることができる。
図3に示す裏面保護シート1Aにおける場合のように、暗色層を、暗色接着剤層121と透明密着層122が積層されてなる2層構成の暗色層12Aとして構成する場合、暗色接着剤層121に、近赤外線を透過する上述の有機系暗色顔料を含有させればよい。透明密着層122は、太陽電池モジュール10を構成する封止材に対する所望の密着性を有する樹脂、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のオレフィン系樹脂からなり、尚且つ、透明な樹脂層であればよい。このような2層構成の暗色層12Aを、裏面保護シート1の最表面に配置することによっても、意匠性と近赤外線の透過性を維持しながら、裏面保護シート1の非受光面側の封止材3に対する密着性も十分に向上させることができる。
[接着剤層]
接着剤層112は、その接着性により、絶縁層111と光反射層113とを接合する機能を有する層である。接着剤層112の厚さは、保護シート1に必要な接着強度等に応じて適宜変更すればよく、1.0μm以上10μm以下の範囲を好ましい厚さの範囲として挙げることができる。
接着剤層112は、その接着性により、絶縁層111と光反射層113とを接合する機能を有する層である。接着剤層112の厚さは、保護シート1に必要な接着強度等に応じて適宜変更すればよく、1.0μm以上10μm以下の範囲を好ましい厚さの範囲として挙げることができる。
又、裏面保護シート1においては、接着剤層112には、絶縁層111を紫外線から保護するための紫外線遮断性を備えさせることが好ましい。具体的には、接着剤層112には、単位面積当り0.3g/m2以上1.3g以下の紫外線吸収剤が含有されていることが好ましく、単位面積当り0.5g/m2以上1.0g/m2以下の紫外線吸収剤が含有されていることがより好ましい。単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が0.3g/m2以上であることによって、必要な紫外線遮断率を担保することができる。一方、単位面積当りの紫外線吸収剤の含有量が1.3g/m2を超えると、紫外線吸収剤のブリーディングに起因する斑状のむらが発生する等の不具合が起こりやすくなる。又、その範囲では、紫外線遮断性能の増加率も逓減して増量分のコストと見合わなくなることによる経済的損失のリスクが高まる。
接着剤層112を形成するための接着剤の主たる材量とする接着剤としては、ウレタン系接着剤やアクリル系接着剤他、従来公知の各種の接着剤を適宜選択することができる。そして、特に接着剤層112については、上述の通り、適量の紫外線吸収剤を添加した接着剤組成物を、接着剤層112を形成するための接着剤といて好ましく用いることができる。
<裏面保護シートの製造方法>
裏面保護シート1は、一例として、白色樹脂基材層11を構成する樹脂シート材料の表面に、易接着層組成物を水性媒体中に溶解又は分散させてなる暗色水性プライマーコーティング液を塗布し、これを固化させて暗色層12を形成する製造方法により製造することができる。又、上記の白色樹脂基材層11を構成する樹脂シート材料については、絶縁層111を構成する白色の樹脂フィルムと、光反射層113を構成する白色の樹脂フィルムとを、接着剤層112を介して接合する、ドライラミネート法により得ることができる。
裏面保護シート1は、一例として、白色樹脂基材層11を構成する樹脂シート材料の表面に、易接着層組成物を水性媒体中に溶解又は分散させてなる暗色水性プライマーコーティング液を塗布し、これを固化させて暗色層12を形成する製造方法により製造することができる。又、上記の白色樹脂基材層11を構成する樹脂シート材料については、絶縁層111を構成する白色の樹脂フィルムと、光反射層113を構成する白色の樹脂フィルムとを、接着剤層112を介して接合する、ドライラミネート法により得ることができる。
上記の製造方法による場合、白色樹脂基材層11上への暗色水性プライマーコーティング液による塗膜形成方法としては、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、スクリーン印刷、はけ塗り法等が挙げられる。又、コーティング塗膜に含まれる溶剤(水性媒体)の乾燥を促進させる加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<裏面保護シートの製造>
[白色樹脂基材層]
先ず、各実施例の裏面保護シートにおいて白色樹脂基材層の絶縁層、光反射層をそれぞれ構成する下記の各絶縁性樹脂フィルムと光反射性樹脂フィルムを、アクリル系接着剤によるドライラミネート法により接合して、絶縁層−接着剤層−光反射層の層構成からなる、各実施例の裏面保護シートの白色樹脂基材層を構成するための白色樹脂基材を得た。各比較例の裏面保護シートは、光反射層は設けずに、下記の各絶縁性樹脂フィルムをそのまま白色樹脂基材層を構成するための白色樹脂基材とした。
[白色樹脂基材層]
先ず、各実施例の裏面保護シートにおいて白色樹脂基材層の絶縁層、光反射層をそれぞれ構成する下記の各絶縁性樹脂フィルムと光反射性樹脂フィルムを、アクリル系接着剤によるドライラミネート法により接合して、絶縁層−接着剤層−光反射層の層構成からなる、各実施例の裏面保護シートの白色樹脂基材層を構成するための白色樹脂基材を得た。各比較例の裏面保護シートは、光反射層は設けずに、下記の各絶縁性樹脂フィルムをそのまま白色樹脂基材層を構成するための白色樹脂基材とした。
(絶縁性樹脂フィルム)
絶縁性樹脂フィルムとして、全ての実施例及び比較例において、白色顔料として、平均粒径0.5μmの酸化チタン(TiO2)を樹脂成分中に所定濃度で含有するポリエリエン・テレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いた。但し、各実施例、比較例毎の、酸化チタンの濃度(質量%)と樹脂フィルムの厚さは表1に記載の通りそれぞれ異なる濃度と厚さのものを使い分けた。尚、これらの絶縁性樹脂フィルムのJIS C2151による体積固有抵抗率は、いずれも1.0×1017Ω・mであった。
絶縁性樹脂フィルムとして、全ての実施例及び比較例において、白色顔料として、平均粒径0.5μmの酸化チタン(TiO2)を樹脂成分中に所定濃度で含有するポリエリエン・テレフタレート(PET)樹脂フィルムを用いた。但し、各実施例、比較例毎の、酸化チタンの濃度(質量%)と樹脂フィルムの厚さは表1に記載の通りそれぞれ異なる濃度と厚さのものを使い分けた。尚、これらの絶縁性樹脂フィルムのJIS C2151による体積固有抵抗率は、いずれも1.0×1017Ω・mであった。
(光反射性樹脂フィルム)
光反射性樹脂フィルムとして、全ての実施例において、白色顔料として、平均粒径0.5μmの酸化チタン(TiO2)を樹脂成分中に所定濃度で含有する、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂フィルムを用いた。但し、各実施例、比較例毎の、酸化チタンの濃度(質量%)と樹脂フィルムの厚さは表1に記載の通りそれぞれ異なる濃度と厚さのものを使い分けた。
光反射性樹脂フィルムとして、全ての実施例において、白色顔料として、平均粒径0.5μmの酸化チタン(TiO2)を樹脂成分中に所定濃度で含有する、密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂フィルムを用いた。但し、各実施例、比較例毎の、酸化チタンの濃度(質量%)と樹脂フィルムの厚さは表1に記載の通りそれぞれ異なる濃度と厚さのものを使い分けた。
[暗色層]
各実施例用及び各比較例用の上記の各白色樹脂基材の表面に、下記の暗色水性プライマーコーティング液をグラビアコートにて塗工し、塗工されたコーティング液を、乾燥処理温度110℃で2分間乾燥させた後、40℃で5日間養生して易接着層を形成し、各実施例及び各比較例の裏面保護シートとした。各コーティング液の塗工量については、いずれの実施例及び比較例においても、5.0g/m2とした。
各実施例用及び各比較例用の上記の各白色樹脂基材の表面に、下記の暗色水性プライマーコーティング液をグラビアコートにて塗工し、塗工されたコーティング液を、乾燥処理温度110℃で2分間乾燥させた後、40℃で5日間養生して易接着層を形成し、各実施例及び各比較例の裏面保護シートとした。各コーティング液の塗工量については、いずれの実施例及び比較例においても、5.0g/m2とした。
(暗色水性プライマーコーティング液)
暗色水性プライマーコーティング液の材料としては、全ての実施例及び比較例において、下記の各材料からなる易接着層組成物及び溶媒を攪拌混合してなる水性分散体を用いた。
酸変性ポリオフィン樹脂
:既成の酸変性ポリオフィン樹脂粉末材料(「ボンダイン(登録商標)」、東京材料株式会社製)を易接着層組成物のベース樹脂として用いた。
有機系暗色顔料
:ベンズイミダゾロン系顔料(PigmentBrown25、粒径0.08μm)と、フタロシアニン系顔料(非晶質型フタロシアニン系顔料青(PigmentBlue15、粒径0.15〜0.20μm))とを、ベンズイミダゾロン系顔料とフタロシアニン系顔料との含有量比が52.5:47.5となるように混合した混合物を、有機系暗色顔料として用いた。有機系暗色顔料の含有量については、いずれの実施例及び比較例においても、易接着層組成物中の樹脂成分中における含有量が、25.0質量%となるように配合した。
(溶媒)
蒸留水(76質量部)、イソプロパノール(23質量部)、トリエチルアミン(1質量部)の混合液を溶媒として用いた。
暗色水性プライマーコーティング液の材料としては、全ての実施例及び比較例において、下記の各材料からなる易接着層組成物及び溶媒を攪拌混合してなる水性分散体を用いた。
酸変性ポリオフィン樹脂
:既成の酸変性ポリオフィン樹脂粉末材料(「ボンダイン(登録商標)」、東京材料株式会社製)を易接着層組成物のベース樹脂として用いた。
有機系暗色顔料
:ベンズイミダゾロン系顔料(PigmentBrown25、粒径0.08μm)と、フタロシアニン系顔料(非晶質型フタロシアニン系顔料青(PigmentBlue15、粒径0.15〜0.20μm))とを、ベンズイミダゾロン系顔料とフタロシアニン系顔料との含有量比が52.5:47.5となるように混合した混合物を、有機系暗色顔料として用いた。有機系暗色顔料の含有量については、いずれの実施例及び比較例においても、易接着層組成物中の樹脂成分中における含有量が、25.0質量%となるように配合した。
(溶媒)
蒸留水(76質量部)、イソプロパノール(23質量部)、トリエチルアミン(1質量部)の混合液を溶媒として用いた。
<評価例1:(反射性)>
[分光反射率測定試験]
各実施例及び各比較例の裏面保護シートの暗色層側から光を入射したときの、波長400nmから1600nmにおける波長毎の光の反射率(%)を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「U−4100」)を用いて測定した。結果は、「反射性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、70%以上
B:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、65%以上70%未満
C:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、60%以上65%未満
D:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、60%未満
[分光反射率測定試験]
各実施例及び各比較例の裏面保護シートの暗色層側から光を入射したときの、波長400nmから1600nmにおける波長毎の光の反射率(%)を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、「U−4100」)を用いて測定した。結果は、「反射性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、70%以上
B:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、65%以上70%未満
C:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、60%以上65%未満
D:波長750nmから1500nmにおける光線反射率の平均値が、60%未満
<評価例2:(耐候性)>
[耐湿熱性評価試験]
各実施例及び各比較例の各裏面保護シートをプレッシャークッカー試験(温度120℃、湿度85%、1.6気圧条件下、48時間経過)に投入し、プレッシャークッカー試験後の破断強度維持率(=プレッシャークッカー試験後の破断強度/初期破断強度)×100[%]を評価した。尚、破断強度の評価方法は、ASTM D882に準じて行った。結果は、「耐候性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:裏面保護シートの破断強度維持率が、50%以上
B:裏面保護シートの破断強度維持率が、30%以上50%未満
C:裏面保護シートの破断強度維持率が、15%以上30%未満
D:裏面保護シートの破断強度維持率が、15%未満
[耐湿熱性評価試験]
各実施例及び各比較例の各裏面保護シートをプレッシャークッカー試験(温度120℃、湿度85%、1.6気圧条件下、48時間経過)に投入し、プレッシャークッカー試験後の破断強度維持率(=プレッシャークッカー試験後の破断強度/初期破断強度)×100[%]を評価した。尚、破断強度の評価方法は、ASTM D882に準じて行った。結果は、「耐候性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:裏面保護シートの破断強度維持率が、50%以上
B:裏面保護シートの破断強度維持率が、30%以上50%未満
C:裏面保護シートの破断強度維持率が、15%以上30%未満
D:裏面保護シートの破断強度維持率が、15%未満
<評価例3:(製膜性)>
各実施例及び各比較例の各裏面保護シート(生産時、貼合工程で1000mm×1000mの範囲を検査対象範囲とする)を貼合工程時のインライン検査機(カメラ)にて判断し、絶縁層内又は光反射層のそれぞれの層内における白色顔料の凝集による1.0mm2以上の粒状である外観欠点(ブツ)の発生個数を検査することにより、製膜性を評価した。結果は、「製膜性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:上記検査対象範囲内に、1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が1個以下であった。
B:上記検査対象範囲内に、に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が2個以上4個以下であった。
C:上記検査対象範囲内に、層内に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が5個以上9個以下であった。
D:上記検査対象範囲内に、に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)が、10個以上発生していた。
各実施例及び各比較例の各裏面保護シート(生産時、貼合工程で1000mm×1000mの範囲を検査対象範囲とする)を貼合工程時のインライン検査機(カメラ)にて判断し、絶縁層内又は光反射層のそれぞれの層内における白色顔料の凝集による1.0mm2以上の粒状である外観欠点(ブツ)の発生個数を検査することにより、製膜性を評価した。結果は、「製膜性」として表1に示す。評価基準は、以下の通りとした。
(評価基準)
A:上記検査対象範囲内に、1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が1個以下であった。
B:上記検査対象範囲内に、に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が2個以上4個以下であった。
C:上記検査対象範囲内に、層内に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)の発生が5個以上9個以下であった。
D:上記検査対象範囲内に、に1.0mm2以上の粒状外観欠点(ブツ)が、10個以上発生していた。
表1より、本発明の裏面保護シートは、暗色の外観を有することにより、太陽電池モジュールの意匠性の向上に寄与することができる裏面保護シートであって、樹脂基材として求められる耐候性や製膜性に関する要求物性を必要とされる水準に維持したまま、尚且つ、経済性の低下も回避しつつ、光線反射率を顕著に向上させて太陽電池モジュールの発電効率の向上に更に寄与することができる、裏面保護シートであることが分かる。
1、1A 裏面保護シート
11 白色樹脂基材層
111 絶縁層
112 接着剤層
113 光反射層
12、12A 暗色層
121 暗色易接着層
122 透明密着層
2 非受光面側の封止材
3 受光面側の封止材
4 透明前面基板
5 太陽電池素子
10 太陽電池モジュール
11 白色樹脂基材層
111 絶縁層
112 接着剤層
113 光反射層
12、12A 暗色層
121 暗色易接着層
122 透明密着層
2 非受光面側の封止材
3 受光面側の封止材
4 透明前面基板
5 太陽電池素子
10 太陽電池モジュール
Claims (7)
- 太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
白色樹脂基材層の表面に、暗色層が形成されてなる多層シートであり、
前記白色樹脂基材層は、絶縁層と、光反射層と、が積層されてなり、
前記絶縁層は、JIS C2151による体積固有抵抗率が1.0×1015Ω・m以上の絶縁性樹脂をベース樹脂とし、厚さが50μm以上であり、白色顔料を含有する樹脂層であって、
前記光反射層は、オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、厚さが25μm以上200μm以下であって、白色顔料を含有する樹脂層であり、
前記暗色層は、前記白色樹脂基材層の前記光反射層側の表面に形成されていて、波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を透過する有機系暗色顔料を含有する樹脂層である、裏面保護シート。 - 前記絶縁層は、厚さが180μm以下であり、樹脂成分に対する前記白色顔料の含有量が10質量%以下であって、
前記光反射層の厚さ(μm)と、該光反射層中の白色顔料の濃度(質量%)との積(μm・質量%)の値が、450以上である、請求項1に記載の裏面保護シート。 - 前記光反射層の厚さ(μm)と、該光反射層中の白色顔料の濃度(質量%)との積(μm・質量%)の値が、900(μm・質量%)以上である、請求項2に記載の裏面保護シート。
- 前記有機系暗色顔料が、茶色系顔料と、フタロシアニン系顔料と、を含有してなり、
前記茶色系顔料は、ベンズイミダゾロン系顔料、4−[(2,5−ジクロロフェニル)アゾ]−3−ヒドロキシ−N−(2,5−ジメトキシフェニル)−2−ナフタレンカルボキサミド、1−[(4−ニトロフェニル)アゾ]−2−ナフタレノール、ビス[3−ヒドロキシ−4−(フェニルアゾ)−2−ナフタレンカルボン酸]銅塩、C.I.PigmentBrown7、N,N’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、Δ2,2’(1H,1’H)−ビナフト[2,1−b]チオフェン−1,1’−ジオン及びN、N’−(10,15,16,17−テトラヒドロ−5,10,15,17−テトラオキソ−5H−ジナフト[2,3−a:2’3’−i]カルバゾール−4,9−ジイル)ビス(ベンズアミド)からなる群より選ばれた少なくとも一種以上の顔料である、請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シート。 - 前記暗色層は、オレフィン系樹脂と、前記有機系暗色顔料と、を含んでなる易接着層組成物により形成されている暗色易接着層である、請求項1から4のいずれかに記載の裏面保護シート。
- 前記暗色層は、主剤樹脂に前記有機系暗色顔料が含まれてなる暗色接着剤層と、オレフィン系樹脂をベース樹脂とする透明密着層とが積層されてなる多層の樹脂層である、請求項1から4のいずれかに記載の裏面保護シート。
- 両面採光型太陽電池素子と、
オレフィン系樹脂をベース樹脂とする樹脂シートであって、前記両面採光型太陽電池素子を封止する封止材と、
請求項1から6のいずれかに記載の裏面保護シートと、が、
積層されてなる太陽電池モジュールであって、
前記裏面保護シートの前記暗色層側に、前記封止材が積層されている、
太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018184580A JP2020053652A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 太陽電池モジュール用の裏面保護シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018184580A JP2020053652A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 太陽電池モジュール用の裏面保護シート |
Publications (1)
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JP2020053652A true JP2020053652A (ja) | 2020-04-02 |
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Family Applications (1)
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JP2018184580A Pending JP2020053652A (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | 太陽電池モジュール用の裏面保護シート |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020053652A (ja) |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018184580A patent/JP2020053652A/ja active Pending
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