JP2020184611A - 太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュール Download PDF

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靖史 白髭
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裕司 松本
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慶太 在原
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Abstract

【課題】色ムラの発生を抑制するとともに、十分な濃さの黒色を呈する太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】太陽電池モジュール用裏面保護シートは、近赤外線を反射する第1層21と、第1層21よりも受光面側に位置する第1黒色層24と、第1黒色層24よりも受光面側に位置する第2黒色層25と、を備えている。第1黒色層24と第2黒色層25との間には、近赤外線を透過する透明な第2層22が位置している。さらに、第2黒色層25よりも受光面側に、近赤外線を透過する透明な第3層23、を備えている。【選択図】図2

Description

本開示は、太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、封止材、太陽電池素子、封止材及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールに用いられる裏面保護シートにおいては、意匠性の観点から外観を黒色にすることが求められる場合がある。裏面保護シートの外観を黒色にするために、カーボンブラックを含むインキを用いることも考えられる。しかしながら、カーボンブラックは太陽光に含まれる近赤外線を吸収するため、使用時に太陽電池モジュールの温度を上昇させてしまい、その結果、太陽電池モジュールの発電効率は低下する。このため、カーボンブラックを含む裏面保護シートを太陽電池モジュールに用いることは必ずしも好ましいとはいえない。
そこで、黒色の裏面保護シートにおける発熱を抑え、更に、反射光を太陽電池素子に入射させて、発電効率を向上させるために、赤外線透過性を有するオキサジン系顔料等の有機顔料が含まれた黒色系樹脂層と赤外線反射性とを有する白色系樹脂層と、耐候性を有する裏面保護層等を備え、これらの複数の層を接着剤等で接着して製造する太陽電池モジュール用の裏面保護シートが開発されている(特許文献1)。
特開2012−216689号公報
このように、黒色の裏面保護シートは、樹脂に黒色顔料を混ぜることで作製されることが一般的である。しかしながら、とりわけ黒色顔料が混ぜられた層が薄い薄膜層である場合、色ムラが発生しやすいという問題があり、また、薄膜層に混ぜる黒色顔料の成分量を多くしないと十分な濃さの黒色を実現することは難しいという問題がある。
本開示は、色ムラの発生を抑制するとともに、十分な濃さの黒色を呈する太陽電池モジュール用裏面保護シート及び太陽電池モジュールを提供する。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートは、太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、近赤外線を反射する第1層と、前記第1層よりも受光面側に位置する、近赤外線を透過する第1着色層と、前記第1着色層よりも受光面側に位置する、近赤外線を透過する第2着色層と、を備えている。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第1着色層と前記第2着色層との間に位置する、近赤外線及び可視光線を透過する第2層を更に備えてもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第2層のヘイズ値は、4%以上10%以下であってもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第2着色層よりも受光面側に位置する、近赤外線及び可視光線を透過する第3層を更に備えてもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第1着色層及び前記第2着色層のうちの少なくとも一方は、着色接着剤層であってもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第1着色層及び前記第2着色層のうちの少なくとも一方は、ペリレン系の着色顔料を含んでもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいて、前記第1着色層及び前記第2着色層のうちの少なくとも一方は、5質量%以上10質量%未満の着色顔料を含んでもよい。
本実施の形態による太陽電池モジュールは、本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートを備えている。
本実施の形態によれば、色ムラの発生を抑制するとともに、十分な濃さの黒色を呈することができる。
図1は、一実施の形態による太陽電池モジュ−ルの層構成を示す概略断面図である。 図2は、一実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートの層構成を示す概略断面図である。 図3は、一実施の形態による太陽電池モジュールを示す概略断面図である。
以下、図面を参照しながら一実施の形態について具体的に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
また、本明細書において、「受光面側」とは、太陽電池モジュ−ルに対して太陽光が入射する面が位置する側をいい、具体的には、図1乃至図3の紙面上方側をいう。
以下、本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シート(本明細書において、単に「裏面保護シート」ともいう。)について詳細に説明する。本実施の形態は以下に記載されるものに限定されるものではない。
まず、本実施の形態による太陽電池モジュール用裏面保護シートが使用される太陽電池モジュールについて説明する。図1は、太陽電池モジュ−ルについて、その層構成の一例を例示する断面の模式図である。
図1に示すように、太陽電池を構成する太陽電池モジュール10は、入射光L1の受光面側から順に積層された、透明前面基板11と、前面封止材層12と、太陽電池素子13と、背面封止材層14と、裏面保護シート20とを備えている。この太陽電池モジュール10は、透明前面基板11、前面封止材層12、太陽電池素子13、背面封止材層14、及び裏面保護シート20を順次積層し、例えば真空熱ラミネート加工により一体化することにより作製されても良い。この際のラミネート温度は、130℃以上190℃以下の範囲内とすることが好ましい。また、ラミネート時間は、5分以上60分以下の範囲内が好ましく、特に8分以上40分以下の範囲内が好ましい。このようにして、上記の各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュ−ル10を製造することができる。本実施の形態において、このように裏面保護シート20を備えた太陽電池モジュ−ル10も提供する。
[太陽電池モジュール用裏面保護シートの全体構造]
次に、図2を用いて本実施の形態による裏面保護シート20について説明する。裏面保護シート20は、上述した太陽電池モジュール10に用いられるものであり、全体として黒色の外観を呈している。なお、黒色とは、無色彩の黒のみでなく、暗い灰色、色味を帯びた黒や暗い灰色も含まれる。色味を帯びた黒や暗い灰色として、例えば、赤みの黒や暗い灰色、黄みの黒や暗い灰色、緑みの黒や暗い灰色、青みの黒や暗い灰色、紫みの黒や暗い灰色、などがあげられる。
この裏面保護シート20は、近赤外線を反射する第1層21と、第1層21よりも受光面側に位置する第1黒色層24と、第1黒色層24よりも受光面側に位置する第2黒色層25と、を備えている。第1黒色層24と第2黒色層25との間には、近赤外線を透過する透明な第2層22が位置している。さらに、第2黒色層25よりも受光面側に、近赤外線を透過する透明な第3層23が位置している。
この場合、裏面保護シート20は、5層の層から構成されている。すなわち、第1層21上に第1黒色層24が直接積層され、第1黒色層24上に第2層22が直接積層されている。また、第2層22上に第2黒色層25が直接積層され、第2黒色層25上に第3層23が直接積層されている。なお、第1層21が太陽電池モジュ−ル10の最外層側(受光面の反対側)に配置される。また、第3層23が太陽電池モジュ−ル10の内層側、すなわち背面封止材層14の側(受光面側)に配置される。
次に、裏面保護シート20を構成する各層について説明する。
[第1層]
第1層21は、例えば白色顔料を含む樹脂シート又は白色顔料を含むコート層(塗布膜や印刷膜)を形成した樹脂シートからなり、近赤外線を反射する白色樹脂層であっても良い。第1層21は、第2黒色層25、第2層22及び第1黒色層24を透過してきた近赤外線を反射する反射層であっても良い。第1層21が近赤外線を反射することにより、太陽電池モジュール10の発電効率向上に寄与する。なお、白色とは、無色彩の白のみでなく、うすい灰色、色味を帯びたうすい灰色も含まれる。なお、本明細書では、樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。
第1層21を構成する樹脂シートとしては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)等のフッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル系樹脂等の樹脂シートを好ましく用いることができる。あるいは、第1層21を構成する樹脂シートとして、ポリオレフィン系樹脂の樹脂シート、PBT(ポリブチレンテレフタラート)、PPE(ポリフェニルエーテル)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の樹脂シートを用いても良い。本実施の形態においては第1層21は太陽電池モジュール10における最外層側(受光面の反対側)に配置されるため、高い耐候性、バリア性、耐加水分解性が求められる。そのような観点から以上のうちでも、PETに代表されるポリエステル系樹脂を用いることが特に好ましい。
第1層21は、近赤外線を反射する機能を有する。そのために、粒径が0.1μm以上1.5μm以下の白色顔料を含む白色樹脂層を用いることが好ましく、粒径が0.1μm以上0.6μm以下の白色顔料を含む白色樹脂層を用いることがより好ましい。また、第1層21においては、粒径が0.1μm以上0.6μm以下の白色顔料の粒子が、全白色顔料の粒子中の80質量%以上であることが好ましい。白色顔料の粒径及び配分比を上記の範囲にすることにより、白色樹脂層は近赤外線を効率よく反射するため、上記白色顔料は太陽電池モジュールの発電効率向上に寄与する。近赤外線を反射するとは、例えば、およそ750nm以上1200nm以下の波長領域において、平均反射率が50%以上であることを意味する。なお、「平均反射率」とは、反射率分光スペクトル(各波長毎の反射率)から、該当波長領域を抜き出して平均値を求めたものである。例えば750nm以上1200nm以下の波長領域の平均反射率は、「(各波長の反射率の和)/(1200−750)」によって求めることができる。
粒径が0.1μm以上1.5μm以下の白色顔料の代表例は酸化チタンであり、本実施の形態においても、白色顔料として、酸化チタンを用いることが好ましい。ここで、酸化チタンには表面処理された酸化チタンも含まれる。例えば、酸化チタンの場合、その製造は、以下のようにして行うことができる。
含水酸化チタンを原料とし、そこに酸化チタン分に対して酸化アルミニウム換算で0.1質量%以上0.5質量%以下のアルミニウム化合物と炭酸カリウム換算で0.1質量%以上0.5質量%以下のカリウム化合物、及び、酸化亜鉛換算で0.2質量%以上1.0質量%以下の亜鉛化合物を添加し、乾燥、焙焼することによって製造することができる。
第1層21の製造方法については、例えば、樹脂シート上に白色顔料を含むコート層を形成する方法、樹脂シート中に白色顔料を練り込む方法が挙げられる。いずれも、特に限定はなく従来公知の方法により製造することができる。
樹脂シート上に白色顔料を含むコート層(塗布膜や印刷膜)を形成する場合は、通常の塗料用ないしインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、白色顔料を添加し、更に、必要ならば、紫外線吸収剤、架橋剤、その他の添加剤を任意に添加し、塗料ないしインキ組成物を調整し、基材フィルムの表面に、通常のコ−ティング法或いは印刷法等を用いて塗布ないし印刷し、その塗布膜或いは印刷膜を形成することができる。
樹脂シート中に白色顔料を練り込む場合は、樹脂シートを構成する樹脂を主成分とし、これに、白色顔料を添加し、更に、必要ならば、その他等の添加剤を任意に添加し、樹脂組成物を調整し、例えば、押し出し法、Tダイ法等のフィルム成形法により、フィルムないしシートを製造し、白色顔料を練り込み加工してなるシートを製造することができる。
第1層21の厚みは、例えば25μm以上200μm以下とすることが好ましく、40μm以上150μm以下とすることがより好ましい。第1層21の厚みを25μm以上とすることにより、第1層21によって近赤外線を反射しやすくするとともに、第1層21に対して高い耐候性、バリア性及び耐加水分解性をもたせることができる。第1層21の厚みを200μm以下とすることにより、裏面保護シート20の製造コストの上昇を抑えることができる。
[第1黒色層]
第1黒色層24は、主として第1層21と第2層22とを互いに接着する接着層であっても良く、黒色接着剤層であっても良い。本実施の形態において、第1黒色層24は、第1層21の上面(受光面側の面)、又は、第2層22の下面(受光面と反対側の面)に塗布された黒色接着剤が積層後に硬化することによって形成される。
第1黒色層24には、十分な接着性と接着耐久性が求められるが、本実施の形態の第1黒色層24は、そのような特性に加えて、その外観が黒色であることすなわち可視光線を吸収すること、かつ、近赤外線を透過する性質を有しても良い。本実施の形態において近赤外線とは、750nm以上2200nm以下の波長域の電磁波を指す。その内、特に蓄熱を促進する波長は1000nm以上1500nm以下である。
第1黒色層24を形成する黒色接着剤には、硬化した状態において波長750nm以上1500nm以下の光線を透過する特性を有する接着剤を使用する。なお、「波長750nm以上1500nm以下の光線を透過する」とは、第1黒色層24において波長750nm以上1500nm以下の光線を15%以上透過、好ましくは50%以上透過、更に好ましくは80%以上透過することを意味する。また、可視光線、紫外線の透過率は黒色に着色されている範疇にあれば特に規定されない。
第1黒色層24に用いる黒色接着剤組成物は、好ましくは主成分に有機系の黒色顔料を含むものであり、塗布性、ハンドリング性の観点から、組成物としては適宜溶剤が含まれる。黒色接着剤組成物の主成分としては、主剤と硬化剤からなる2液タイプのものを用いることが好ましい。
主剤成分としては、例えばウレタン系の材料が用いられ、ウレタン系の材料にカーボネートを含むものであっても良く、カーボネートを含まないものであっても良い。カーボネートを含むもの含むものを用いる場合、主剤成分は、ポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールとの混合物を含む、ポリウレタン/ポリカーボネートジオール系が好ましい。主剤を構成するポリウレタンジオール及び脂肪族ポリカーボネートジオールは、ともに水酸基を有するポリオールであり、イソシアネート基を有する硬化剤と反応して、接着剤層を構成するものである。本実施の形態においては、主剤を特定のポリウレタンジオールと脂肪族ポリカーボネートジオールを所定量配合した混合物とすることによって、接着剤層の接着性及び耐候性を向上させている。
硬化剤は、ポリイソシアネート化合物を主成分とするものである。ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であり、このイソシアネート基が上記主剤のポリウレタンジオール化合物中の水酸基と反応することにより、ポリウレタンジオール化合物を架橋する。このようなポリイソシアネート化合物としては、上記主剤のポリウレタンジオール化合物を架橋することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」)、イソシアヌレート変性のイソホロンジイソシアネート(以下、「ヌレート変性IPDI」)等を例示することができる。これらのポリイソシアネート化合物の中でも、HDIとヌレート変性IPDIとを組み合わせた混合物が水酸基に対する反応性を向上させる観点より好ましい。
第1黒色層24を黒色とするための着色材料としては有機系の黒色顔料を用いてもよい。このような有機系の黒色顔料の具体例としては、オキサジン系、ピロール系、キナクリドン系、アゾ系、ペリレン系、ジオキサン系、イソインドリノン系、インダスレン系、キノフタロン系、ペリノン系、フタロシアニン系等が挙げられる。
とりわけ、本実施の形態のように、2層の黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いる場合、着色材料としてペリレン系の黒色顔料を用いることが好ましい。ペリレン系の黒色顔料は良好な黒味を得ることが容易だからである。ペリレン系の黒色顔料としては、例えばLumogen Black K0087(BASF製)を用いることができる。ペリレン系の黒色顔料を用いることにより、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層にそれぞれ含まれる黒色顔料の成分量を抑えても、裏面保護シート20の全体としての色ムラ(黒色の濃さが面内で不均一になる現象)を目立たなくすることができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層にそれぞれ含まれる黒色顔料の成分量を抑えても、裏面保護シート20の全体として、可視光領域の分光透過率を低減し、黒味を増加することができる。
第1黒色層24及び第2黒色層25に占める黒色顔料の割合は、それぞれ5質量%以上10質量%未満であることが好ましく、7質量%以上9質量%以下であることが更に好ましい。第1黒色層24及び第2黒色層25に占める黒色顔料の割合をそれぞれ5質量%以上とすることにより、裏面保護シート20の全体としての色ムラを目立たなくすることができるとともに、裏面保護シート20の全体としての黒味を確保することができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25に占める黒色顔料の割合をそれぞれ10質量%未満とすることにより、黒色顔料の割合を低く抑えることができるので、第1黒色層24及び第2黒色層25の接着強度の低下が生じにくくなり、裏面保護シート20の長期信頼性を高めることができる。なお、比較例として、裏面保護シートが1層のみの黒色層を有する場合、本実施の形態の裏面保護シート20と同等の黒味を実現するためには、20質量%以上の着色顔料を含ませる必要があると考えられる。この場合、長期間にわたる裏面保護シートの使用中に、黒色層の接着強度が低下するおそれがある。
上記の黒色接着剤組成物としては、良好な塗布性及びハンドリング適正を得るために、溶剤成分を添加することが好ましい。このような溶剤成分としては、上記酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステルを挙げることができるがこれに限定されない。なお、既に述べたように上記接着剤の主成分は、主剤と硬化剤の2液剤として構成されるが、主剤で使用される溶剤成分と硬化剤で使用される溶剤成分はそれぞれ独立に選択され、同一でも異なっていてもよい。
以上説明した黒色接着剤組成物を第1層21及び/又は第2層22上に塗布又は積層して乾燥硬化することにより第1黒色層24を形成することができる。塗布の方法としては、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、或いは、印刷法等によって塗布することができる。黒色接着剤組成物の塗布量は3g/m以上7g/m以下とすることが好ましい。第1黒色層24の厚さは、2.0μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、3.0μm以上6.0μm以下の範囲であることが更に好ましい。第1黒色層24の厚さを2.0μm以上とすることにより、第1層21と第2層22との接着強度を保持することができる。また、第1黒色層24の厚さを10μm以下とすることにより、近赤外線を効率よく透過することできる。
[第2層]
第2層22は、第1黒色層24と第2黒色層25との間に介在されている。第2層22は、裏面保護シート20の強度を増すとともに、第1黒色層24及び第2黒色層25の両方を受光面側から視認できるようにする機能を有する。このため、第2層22には、近赤外線及び可視光線を透過する透明中間層であっても良い。第2層22は透明又は半透明であっても良い。このような観点から第2層22には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂の中でも、とりわけ透明性が高く意匠性の面で優れるPETを、特に好ましく用いることができる。なお、「近赤外線を透過する」とは、第2層22において波長750nm以上1500nm以下の全光線透過率が80%以上であることを意味する。また、「可視光線を透過する」とは、第2層22において波長380nm以上750nm以下の全光線透過率が80%以上であることを意味する。
また、第2層22のヘイズ値は、4%以上10%以下とすることが好ましい。第2層22のヘイズ値を上記範囲とすることにより、第2層22が適度な濁りを有するようになる。これにより、第1黒色層24及び第2黒色層25に占める黒色顔料の割合を減らすことができ、このように黒色顔料の割合を減らした場合であっても、裏面保護シート20の全体としての色ムラを目立たないようにすることができる。なお、ヘイズ値は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いて、JIS K7136に準拠した方法により測定することができる。
[第2黒色層]
第2黒色層25は、主として第2層22と第3層23とを互いに接着する接着層であっても良く、黒色接着剤層であっても良い。本実施の形態において第2黒色層25は、第2層22の上面(受光面側の面)、又は、第3層23の下面(受光面と反対側の面)に塗布された黒色接着剤が積層後に硬化することによって形成される。
第2黒色層25には、十分な接着性と接着耐久性が求められるが、本実施の形態の第2黒色層25は、そのような特性に加えて、その外観が黒色であることすなわち可視光線を吸収すること、かつ、近赤外線を透過する性質を有しても良い。
第2黒色層25の材料は、上述した第1黒色層24の材料として列挙したものを用いることができる。この場合、第2黒色層25の材料は、第1黒色層24と同一の材料から構成されていても良く、異なる材料から構成されていても良い。
とりわけ、本実施の形態のように、2層の黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いる場合、着色材料としてペリレン系の黒色顔料を用いることにより、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層の色ムラを目立たなくすることができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25の全体として、可視光領域の分光透過率を低減し、黒味を増加することができる。また、第2黒色層25に占める黒色顔料の割合は、5質量%以上10質量%未満であることが好ましく、7質量%以上9質量%以下であることが更に好ましい。
第2黒色層25は、黒色接着剤組成物を第2層22及び/又は第3層23上に塗布又は積層して乾燥硬化することにより形成することができる。黒色接着剤組成物の塗布の方法としては、第1黒色層24の場合と同様にすることができる。また、黒色接着剤組成物の塗布量は3g/m以上7g/m以下とすることが好ましい。第2黒色層25の厚さは、2.0μm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、3.0μm以上6.0μm以下の範囲であることが更に好ましい。第2黒色層25の厚さは、第1黒色層24の厚さと互いに同一であっても良く、異なっていても良い。
本実施の形態においては、このように第1黒色層24及び第2黒色層25がそれぞれ2.0μm以上10μm以下の薄い層からなっている。このため、第1黒色層24及び第2黒色層25中に黒色顔料を含む場合、それぞれの層に含まれる黒色顔料が各層の面内で均一に分散しにくく、色ムラが発生しやすい。本実施の形態においては、上述したように、2層の黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いることにより、このような色ムラを軽減し、全体として黒味を増した濃い黒色を実現することができる。
[第3層]
第3層23は、エチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体樹脂(EVA樹脂)、又はポリエチレン等のポリオレフィンを使用した背面封止材層14と、裏面保護シート20との接着性を向上させる機能を有しても良い。また、第3層23は、透明密着層であっても良い。第3層23には、第1層21で反射された近赤外線を透過するものであること、また、意匠性の要請より可視光を透過する透明若しくは半透明であるものであっても良い。このような観点から第3層23には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を用いることが好ましい。これらの樹脂のなかでも、とりわけ低密度ポリエチレン(LDPE)を好ましく用いることができる。なお、「近赤外線を透過する」とは、第3層23において波長750nm以上1500nm以下の全光線透過率が80%以上であることを意味する。また、「可視光線を透過する」とは、第3層23において波長380nm以上750nm以下の全光線透過率が80%以上であることを意味する。なお、第3層23の厚みは、例えば30μm以上120μm以下とすることが好ましく、40μm以上80μm以下とすることがより好ましい。
[太陽電池モジュール用裏面保護シートの製造方法]
裏面保護シート20は、第1層21と第2層22の間に第1黒色層24を設けるとともに、第2層22と第3層23の間に第2黒色層25を設け、これらの層をドライラミネート加工により製造することができる。
[本実施の形態の作用]
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
図1に示すように、本実施の形態による太陽電池モジュ−ル10においては、受光面側から入射光L1が入射し、この入射光L1の一部が、透明前面基板11及び前面封止材層12を順次通過して太陽電池素子13に到達し、太陽電池素子13において発電を行う。
一方、入射光L1のうちの一部は、太陽電池素子13に直接到達しない。とりわけ、図3に示すように、裏面保護シート20においては、太陽電池素子13に吸収されなかった太陽光(入射光L2)が第3層23側から入射する。入射光L2に含まれる近赤外線の多くは、第3層23、第2黒色層25、第2層22及び第1黒色層24に吸収されることなく透過するため、第1層21まで到達する。一方、第1層21は近赤外線を反射するものであるため、第1層21まで到達した近赤外線の多くは、第1黒色層24、第2層22、第2黒色層25及び第3層23に戻るように反射される。反射した近赤外線は、第1黒色層24、第2層22、第2黒色層25及び第3層23を透過し、更に反射して太陽電池素子13に吸収される。第1黒色層24、第2層22、第2黒色層25及び第3層23が近赤外線を吸収しないため、第1黒色層24、第2層22、第2黒色層25及び第3層23での近赤外線吸収による太陽電池モジュール10の温度上昇が抑制される。この結果、太陽電池モジュール10の温度上昇による発電効率の低下を防ぐことができる。また、裏面保護シート20を用いることにより、太陽電池素子13に吸収される近赤外線量が増大する。この結果、太陽電池モジュール10の発電効率を向上させることができる。
ここで、一般に太陽電池モジュール10用の封止材の多くは透明或いは半透明であるので、太陽電池モジュール10を透明前面基板11側から見た場合、太陽電池素子13が配置されていない隙間の部分については、第3層23及び第2層22を通して、第1黒色層24及び第2黒色層25の色が見えることになる。この場合、第1黒色層24及び第2黒色層25の黒色が重なり合って見える。これにより、黒色層を単独で用いる場合と比較して、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層に色ムラが生じていた場合でも、これらの色ムラを打ち消し合うようにすることができる。この結果、裏面保護シート20の全体として色ムラを目立たなくすることができる。
また、太陽電池素子13については、表面が黒色である場合が多い。特に近年需要が増えている薄膜系の太陽電池素子については、ほとんどの製品においてその表面は黒色である。本実施の形態による裏面保護シート20は、第1黒色層24及び第2黒色層25が黒色であるため、多くの太陽電池モジュール10、とりわけ、薄膜系の太陽電池素子を搭載した薄膜型の太陽電池モジュール10の外観を色ムラのない黒色に統一し、意匠性の面で好ましいものとすることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、裏面保護シート20は、2つの黒色層である、第1黒色層24及び第2黒色層25を備えている。これにより、第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれに色ムラが生じている場合であっても、第1黒色層24及び第2黒色層25の2層を重ね合わせることで、裏面保護シート20全体としての色ムラを低減し、意匠性の良好な黒色の裏面保護シート20を提供することができる。とりわけ、第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれが例えば10μm以下程度まで薄く、第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれに色ムラが発生しやすい場合であっても、裏面保護シート20全体としての色ムラを抑えることができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれに含まれる黒色顔料の成分量を低く抑えることができる。このように、第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれに含まれる黒色顔料の成分量を抑えた場合であっても、裏面保護シート20全体としての十分な濃さの黒色を実現することができる。
また、本実施の形態によれば、第1黒色層24と第2黒色層25との間に、近赤外線及び可視光線を透過する第2層22が配置されている。これにより、第2層22を介して第1黒色層24及び第2黒色層25を外部から視認することができ、裏面保護シート20の外見を色ムラを抑えた十分な濃さの黒色とすることができる。
また、本実施の形態によれば、第2黒色層25よりも受光面側に、近赤外線及び可視光線を透過する第3層23が設けられている。これにより、第3層23を介して第1黒色層24及び第2黒色層25を外部から視認することができ、裏面保護シート20の外見を色ムラを抑えた十分な濃さの黒色とすることができる。
また、本実施の形態によれば、第1黒色層24及び第2黒色層25は、それぞれ黒色接着剤層である。これにより、第1黒色層24及び第2黒色層25を用いて、第1層21、第2層22及び第3層23を互いに接合することができる。また、本実施の形態によれば、2つの黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いているので、各黒色層が厚みの薄い接着剤層であっても、裏面保護シート20全体としての色ムラを抑えることができる。また、厚みの薄い接着剤層である第1黒色層24及び第2黒色層25のそれぞれに含まれる黒色顔料の成分量を抑えることができる。
また、本実施の形態によれば、第1黒色層24及び第2黒色層25は、それぞれペリレン系の黒色顔料を含む。これにより、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層にそれぞれ含まれる黒色顔料の成分量を抑えても、裏面保護シート20の全体としての色ムラを目立たなくすることができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25の各層にそれぞれ含まれる黒色顔料の成分量を抑えても、裏面保護シート20の全体として、可視光領域の分光透過率を低減し、黒味を増加することができる。
また、本実施の形態によれば、第1黒色層24及び第2黒色層25は、それぞれ5質量%以上10質量%未満の黒色顔料を含むので、裏面保護シート20の全体としての色ムラを目立たなくするとともに、裏面保護シート20の全体としての黒味を確保することができる。また、第1黒色層24及び第2黒色層25の接着強度の低下を抑え、裏面保護シート20の長期信頼性を高めることができる。このように、本実施の形態においては、2つの黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いているので、各層の黒色顔料の濃度を低くすることができる。
また、本実施の形態によれば、第2層22のヘイズ値は、4%以上10%以下となっているので、第1黒色層24及び第2黒色層25に含まれる黒色顔料の成分量を抑えた場合であっても、裏面保護シート20の全体としての色ムラを目立たなくすることができる。
[太陽電池モジュール用裏面保護シートの変形例]
上記において、第1黒色層24と第2黒色層25との間に第2層22(透明中間層)が介在されている場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、第2層22を設けることなく、第1黒色層24上に直接第2黒色層25を積層しても良い。あるいは、第1黒色層24と第2黒色層25との間に、第2層22に加えて他の中間層を介在させても良い。この場合、他の中間層は近赤外線及び可視光線を透過するものであることが好ましい。
また、上記において、裏面保護シート20は、2つの黒色層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を含む場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、(i)第1黒色層24よりも受光面側、(ii)第1黒色層24と第2黒色層25との間、及び/又は、(ii)第2黒色層25よりも受光面の反対側に、1層以上の追加の黒色層を設けても良い。この追加の黒色層は、可視光線を吸収するとともに近赤外線を透過する性質を有することが好ましい。
また、上記において、第2黒色層25よりも受光面側に第3層23(透明密着層)を設ける場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。例えば、第3層23を設けることなく、第2黒色層25によって第2層22と背面封止材層14とを接着しても良い。
また、上記において、第1黒色層24及び第2黒色層25は、それぞれ黒色接着剤層である場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。第1黒色層24及び第2黒色層25の少なくとも一方は、接着剤層でない黒色の非接着剤層であっても良い。この場合、第1黒色層24及び第2黒色層25の少なくとも一方は、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等のフィルムに黒色顔料を含ませた黒色樹脂層であっても良い。また、上記において、黒色顔料が混ぜられた第1黒色層24及び第2黒色層25の場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。黒色以外の色の顔料の一種類または複数種類を用いて、黒色や黒色以外の任意の色を得ても良い。
また、上記において、黒色の層(第1黒色層24及び第2黒色層25)を用いる場合を例にとって説明したが、これに限られるものではない。黒色層に代えて着色層を用いても良い。この着色層としては、着色された接着剤層(着色接着剤層)を用いても良い。着色層は、黒色に限らず、例えば黒色に近い暗色であっても良い。黒色に近い暗色としては、例えば青紫色、赤紫色、灰色であっても良い。あるいは、着色層は、暗色に限らず、裏面保護シート20に意匠性を付与するために任意の色付けがなされていても良い。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(裏面保護シートの作成)
実施例1−3及び比較例1−2の裏面保護シートをそれぞれ以下の通り作製した。
(実施例1)
図2に示す構成をもつ裏面保護シートを作製した。この場合、まず第1層、第2層及び第3層を準備した。第1層としては、酸化チタンを含有する厚さ50μmの耐加水分解性白色PETフィルムを用いた。第2層としては、厚さ125μmであり、ヘイズ値が6%の透明PETフィルムを用いた。また第3層としては、厚さ60μmの透明LDPEフィルムを用いた。続いて、第1層と第2層との間に第1黒色層を設けるとともに、第2層と第3層との間に第2黒色層を設け、これらの層をドライラミネート加工することにより裏面保護シートを作製した。なお、第1黒色層及び第2黒色層は、それぞれウレタン系の主成分樹脂にペリレン系の黒色顔料を含有させたものを用いた。各黒色層に占めるペリレン系の黒色顔料の割合は、それぞれ7質量%とした。また、第1黒色層及び第2黒色層の厚さは、それぞれ4.5μmとした。
(実施例2)
第1黒色層及び第2黒色層の黒色顔料として、それぞれフタロシアニン及びベンズイミダゾロウレタンを含有させたものを用い、各黒色層に占める黒色顔料の割合をそれぞれ9質量%としたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例2の裏面保護シートを作製した。
(実施例3)
第2層として、ヘイズ値が12%の透明PETフィルムを用いたこと、以外は、実施例1と同様にして、実施例3の裏面保護シートを作製した。
(比較例1)
第1黒色層に代えて、透明接着剤層を用いたこと、第2黒色層に占める黒色顔料の割合を18質量%としたこと、以外は、実施例1と同様にして、比較例1の裏面保護シートを作製した。なお、透明接着剤層としては、ポリカーボネートポリウレタンを主成分とするものを用いた。
(比較例2)
第1黒色層に代えて、透明接着剤層を用いたこと、第2黒色層に占める黒色顔料の割合を25質量%としたこと、以外は、実施例1と同様にして、比較例2の裏面保護シートを作製した。なお、透明接着剤層としては、ポリカーボネートポリウレタンを主成分とするものを用いた。
実施例1−3及び比較例1−2の裏面保護シートについて、それぞれ色ムラ、黒味、接着強度を測定した。
色ムラの測定は、裏面保護シートの表面の、JISZ8722に準拠して測定した標準光源D65によるCIE系色座標におけるa値及びb値を、それぞれ測定することにより行った。測定は「CM−2500C(コニカミノルタ社製)」により行った。1m四方の裏面保護シートを10cm四方毎に区切った100測定点においてa値及びb値の平均値を出し、全てのaの値が±0.5以内、bの値が±0.5以内のものを「○(good)」とし、それ以外を「×(poor)」と評価した。
黒味は、分光光度計(例えば、株式会社島津製作所製UV2450)に積分球付属装置(例えば、株式会社島津製作所製ISR2200)を取り付け、硫酸バリウムを標準板とし、標準板を100%としたときの相対反射率を測定することによって測定した。350〜700nmの平均反射率が7%以下のものを「◎(excellent)」とし、10%以下のものを「○(good)」とし、10%を超えるものを「×(poor)」とした。
接着強度は、ISO8510−2に準ずる方法で180°、300mm/minで実施し、3N/10mm以上のものを「○(good)」とし、3N/10mm未満のものを「×(poor)」とした。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2020184611
上記表1に示すように、実施例1−3の裏面保護シートを用いた場合、比較例1の裏面保護シートを用いた場合よりも、色ムラ及び黒味の両方の点で優れていた。また、比較例2の裏面保護シートは、色ムラ及び黒味の点では良好であったが、第2黒色層に占める顔料の割合が25質量%と大きいため、実施例1−3の裏面保護シートと比べて接着強度が低下した。また、比較例2の裏面保護シートは、例えば実施例1の裏面保護シートと比較して、同等の色ムラを実現するために必要な黒色顔料の合計での量が大きくなった。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 太陽電池モジュール
11 透明前面基板
12 前面封止材層
13 太陽電池素子
14 背面封止材層
20 裏面保護シート
21 第1層
22 第2層
23 第3層
24 第1黒色層
25 第2黒色層

Claims (6)

  1. 太陽電池モジュール用裏面保護シートであって、
    近赤外線を反射する第1層と、
    前記第1層よりも受光面側に位置する、近赤外線を透過する第1着色接着剤層と、
    前記第1着色接着剤層よりも受光面側に位置する、近赤外線を透過する第2着色接着剤層と、を備えた、太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  2. 前記第1着色接着剤層と前記第2着色接着剤層との間に位置する、近赤外線及び可視光線を透過する第2層を更に備えた、請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  3. 前記第2着色接着剤層よりも受光面側に位置する、近赤外線及び可視光線を透過する第3層を更に備えた、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  4. 前記第1着色接着剤層及び前記第2着色接着剤層のうちの少なくとも一方は、ペリレン系の着色顔料を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  5. 前記第1着色接着剤層及び前記第2着色接着剤層のうちの少なくとも一方は、5質量%以上10質量%未満の着色顔料を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用裏面保護シート。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の太陽電池モジュール用裏面保護シートを備えた、太陽電池モジュール。
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