JPH11340490A - 太陽電池モジュ―ル - Google Patents

太陽電池モジュ―ル

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JPH11340490A
JPH11340490A JP11079472A JP7947299A JPH11340490A JP H11340490 A JPH11340490 A JP H11340490A JP 11079472 A JP11079472 A JP 11079472A JP 7947299 A JP7947299 A JP 7947299A JP H11340490 A JPH11340490 A JP H11340490A
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cell module
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率の発電能力を有し、しかもデザイン的
に調和が保たれ、違和感がなく、デザイン設計の自由度
を備えた太陽電池モジュールを提供する。 【解決手段】 入射光を電気に変換する光電変換部を有
する太陽電池モジュ−ルの受光面であって、前記光電変
換部はシリコンを有し、前記光電変換部以外の部位に絶
縁性着色膜を有し、この絶縁性着色膜は光電変換部との
色差を減少させている太陽電池モジュ−ルとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池を搭載し
た電子機器用途に代表される携帯型等の太陽電池モジュ
ールに関し、より詳しくは、光起電力ディバイスとして
の太陽電池モジュ−ルが一体化された機器において、色
調、特にデザイン上の調和を保ち、太陽電池搭載の違和
感を感じさせない様な色調の太陽電池モジュールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は、乾電池等に代わる電源とし
て種々の電子機器に利用されている。特に、電子卓上計
算機、時計、携帯型電子機器(カメラ、携帯電話、民生
用レーダー探知機)等といった低消費電力の電子機器で
は、太陽電池の起電力で十分駆動することができ、電池
の交換を不要とし、半永久的に動作させることができる
と共に、環境面に対してもクリーンであるため、注目さ
れている。
【0003】ところで、このような太陽電池を電子機器
に搭載する場合、デザイン面での配慮が必要となる。特
に、最近の電子機器は性能面での優劣が付け難く、消費
者の製品に対する嗜好は、デザイン面での善し悪しに依
存する場合も多い。太陽電池は、その構造上、受光面の
機構が外部から視認されてしまう。このため、受光面の
光電変換機能を有する光電変換部と、それ以外の部位で
ある、電極、隔壁等他の構造物の明度差や色差がデザイ
ンに与える影響は大きい。そして、一般に、これらの構
造物は外部から認識されるとデザイン上悪影響を与える
場合が多い。
【0004】特開昭60−148174号公報には、太
陽電池の前面に可視光の特定波長の光を選択反射し、残
余の光を透過しかつ上記太陽電池の発電に寄与する波長
域の光の少なくとも一部を透過する選択反射層(ダイク
ロイックミラ−などの多層膜干渉フィルタ−)を設け、
さらにその前面に光拡散層を設けた太陽電池が記載され
ている。そして、このような構成とすることで、暗色を
呈する太陽電池を最下層とし、その受光面側の上層に
「選択反射層」を設け、好みの色調に変え、さらにその
上層に「拡散透過層」を設け反射光の色を明るく見せ、
太陽電池の暗色を減じ色調をある程度制御可能とし、搭
載システムの色調を含めたデザイン設計の自由度の幅を
持たせ、太陽電池搭載による製品デザイン上の違和感を
緩和できる旨の記載がある。
【0005】現在実用化されている太陽電池モジュ−ル
は、光電変換膜より得られた光起電力を透明電極等を介
し、その上部に形成されたAg導電膜等の櫛形収集電極
や、外周部配線電極としてのAg,Cu,Ni,Moお
よびこれらの合金、カーボンブラック、グラファイト化
カーボンブラック等の導電膜等を有している。前記透明
導電膜としては。SnO2 ドープITO膜、SnO2
(Sb,Fドープ型を含む)、ZnO膜(In,Al,
Siドープ型を含む)等が知られており、中でもITO
が一般的である。また、これに加えて一枚の基板上で所
望の高い電圧を得るための多段セル構造を形成したり、
直列接続に必要なパタ−ニングのための印刷絶縁膜を有
したり、ドライプロセスで作成するレ−ザ−スクライブ
パタ−ニングを行い、さらにその上に絶縁性樹脂を印刷
し隔壁を設けたり、同じく導電性インキを印刷しレーザ
ーボンディング構造を設ける等の集積化構造となってい
る(特に集積化構造を形成し易い、フィルムソ−ラ−セ
ルの場合より顕著である)。このような太陽電池受光面
から見た色調は、透明電極薄膜の干渉色(太陽電池の色
調の大部分を決める)とα−Si光電変換膜の色調が重
畳することで示す均一色調表面に、上記集積化構造形成
に起因する高光反射率、高光吸収率、高光透過率、特定
波長域吸収率等といった光学的特性有する各種線幅のパ
タ−ンが入り交じってデザイン上色調の調和を阻害して
いるのが実態である。
【0006】スクリーン印刷やレーザースクライブを用
いずに、メタルマスクにより基材上にスパッタ法による
透明電極、プラズマCVD法による光電変換膜、スパッ
タ法による金属電極等を集積するパターニング法があ
る。これらの中でもマスク遮蔽部にかかる金属電極では
特に高反射率を示すために非マスク遮蔽部の光変換膜部
位との高いコントラストは、拡散透過層をセル上部に設
け、遮蔽したとしても違和感を防止することは極めて困
難である。
【0007】従って、上記公報に記載されているような
選択反射層や、拡散透過層を太陽電池受光面側の上層に
設けたとしても、夫々の光学特性に起因し、明度・色調
・反射率・鮮明度を異にする各種パタ−ン線が均一色調
面に入り交じり浮き上がって見えてしまう。この各種パ
タ−ン線を目立たなくする事が、太陽電池搭載による製
品デザイン上の違和感を解消するポイントであり、そこ
までの製品デザイン設計の自由度を持たせる配慮が太陽
電池設計には欠けていた。特に、屋内低照度でも太陽電
池起電力でム−ブメントを駆動出来る「ソ−ラ−ウオッ
チ」等では、デザイン性に対する要件が厳しい。さら
に、白色系が主体ではあるが各種色調の選択反射層や、
拡散透過層を兼ね備えた時計文字盤を、太陽電池受光面
側の上層に設ける場合、その間隙も薄型化のニ−ズか
ら、ほとんど接触状態に近いものとしなければならない
が、このような使用状況下でも上記課題を満足させる必
要がある。
【0008】また、太陽電池モジュ−ルは、使用する光
源と照度での発電効率を向上させたり、多段集積化構造
により、使用ディバイスの要求に合わせて電圧を向上さ
せたりして電池性能を向上させるといった課題を有する
一方、太陽電池搭載製品そのものまたは、周囲環境との
調和をも考慮したデザイン設計の自由度を持たせること
も、クリ−ンエネルギ−としての太陽電池の市場拡大を
図るための技術課題である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高効
率の発電能力を有し、しかもデザイン的に調和が保た
れ、違和感がなく、デザイン設計の自由度を備え、屋外
や屋内での温度、湿度等の環境の変化に対して安定であ
り、しかも寸法精度の高い太陽電池モジュールを提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池モジュ
ールは、太陽電池面の色調(ITO透明電極薄膜の干渉
色でほとんど決まる)に出来るだけ近い色調で隠蔽性の
有る太陽電池用絶縁性インキを作成し、太陽電池表面に
露出する絶縁性パタ−ンや電極等は、この色調のインキ
を用い、スクリ−ン印刷法等によりパタ−ニングして隠
蔽を行う。また太陽電池面の色調と異なり太陽電池表面
に露出する高光反射率・高光吸収率・高光透過率・特定
波長域吸收性を有する絶縁性パタ−ン、導電性パタ−ン
に対しては、同様のインキを、隠蔽性を保持出来る最低
限の厚さで、同様の印刷法等により重ね塗りを行う。こ
れにより、太陽電池表面は、均一な色調に統一され、ド
ライプロセスで形成される高反射率膜と異なり拡散反射
率成分の多い顔料分散インキ膜では視認されるコントラ
ストも緩和されデザイン上色調の調和が保たれる。
【0011】太陽電池表面が、均一な色調に統一された
セルを最下層とし、その受光面側の上層に「拡散透過
層」を設けたセル、及び特に任意の色調の太陽電池を得
るには拡散透過層自体に色調を持たせるか「拡散透過
層」の上層または、太陽電池との中間層に「選択反射
層」を設けたセルが有効である。
【0012】すなわち上記目的は、以下の構成により達
成される。 (1) 入射光を電気に変換する光電変換部を有する太
陽電池モジュ−ルの受光面であって、前記光電変換部は
シリコンを有し、前記光電変換部以外の部位に絶縁性着
色膜を有し、この絶縁性着色膜は光電変換部との色差を
減少させている太陽電池モジュ−ル。 (2) 前記絶縁性着色膜は、バインダ−中に顔料粒子
が分散されている上記(1)の太陽電池モジュ−ル。 (3) 前記絶縁性着色膜に分散されている顔料粒子と
して白色微粒子顔料を有する上記(1)または(2)の
太陽電池モジュ−ル。 (4) 前記光電変換部は、非単結晶シリコン膜である
上記(1)〜(3)のいずれかの太陽電池モジュール。 (5) 前記太陽電池モジュ−ルの受光面の上層には拡
散透過層を有する上記(1)〜(4)のいずれかの太陽
電池モジュ−ル。 (6) 前記拡散透過層を介して認識される絶縁性着色
膜と光電変換部との色差ΔEが5.0以下である上記
(5)の太陽電池モジュ−ル。 (7) さらに前記拡散透過層の上層および/または下
層に選択反射層を有する上記(5)または(6)の太陽
電池モジュ−ル。 (8) 前記拡散透過層は、可視光線の全光線透過率が
20%以上、ヘイズが8%以上である上記(5)〜
(7)のいずれかの太陽電池モジュ−ル。 (9) 前記光電変換部は、透明性導電膜を有する上記
(1)〜(8)のいずれかの太陽電池モジュール。 (10) 透光性および耐熱性を有する樹脂、ガラス、
およびステンレスのいずれかの基材を有する上記(1)
〜(9)のいずれかの太陽電池モジュール。
【0013】(11) 透光性および耐熱性を有する樹
脂、ガラス、およびステンレスのいずれかの基材の少な
くとも一方の面に、熱硬化性樹脂を含有する緩衝接着層
を有するホットメルト材がラミネートされている上記
(1)〜(10)のいずれかの太陽電池モジュール。 (12) 前記基材および/または前記緩衝接着層には
紫外線吸収剤を含有するか表面に局在している上記(1
1)の太陽電池モジュール。 (13) 前記緩衝接着層は有機過酸化物を含有する上
記(11)または(12)の太陽電池モジュール。 (14) ホットメルト材の基材フィルムは、熱圧着前
の基材のガラス転移点が65℃以上であるか、耐熱温度
が80℃以上である上記(11)〜(13)のいずれか
の太陽電池モジュール。 (15) 前記ホットメルト材の基材フィルムは、熱圧
着前の基材の分子配向度(MOR)値が1.0〜3.0
である上記(11)〜(14)のいずれかの太陽電池モ
ジュール。 (16) 前記有機過酸化物は、熱圧着前での半減期1
0時間の分解温度が70℃以上である上記(11)〜
(15)のいずれかの太陽電池モジュール (17) 前記光電変換部上に透光性、耐熱性を有する
保護コーティング膜を有する上記(1)〜(16)のい
ずれかの太陽電池モジュール (18) 前記保護コーティング膜上に更に前記上記
(11)〜(17)のいずれかのホットメルト材層を有
する太陽電池モジュール。 (19) 上記(1)〜(18)のいずれかの太陽電池
モジュールを有する時計。
【0014】
【作用】従来の太陽電池では、発電層、つまり光電変換
部の色調以外の電池化に不可欠の各機能パタ−ンを構成
する細線の色調部分も含めての色調の均一化については
検討されていない。このため、受光面の上層に入射光の
拡散性と透過性を併せ持つ選択反射層や、拡散透過層を
設け、かつ発電性を確保する方法では、光電変換部の色
調以外の各機能パタ−ンの色調部分も含めての色調の均
一化による隠蔽が出来なかった。本発明においては、光
電変換部の色調に出来るだけ近い絶縁性インキを作成
し、太陽電池表面に露出する部分に絶縁性パタ−ン膜と
してそのまま使用する。あるいは、高光反射率、あるい
は高光吸収率、高光透過率、特定波長域吸收性を有する
絶縁性パタ−ン、導電性パタ−ンに対しては、上層に重
ね塗りを行うインキ隠蔽法が有効である。
【0015】高品位の白色系・淡色系表面色の太陽電池
を得る為には、上記に挙げたインキ隠蔽法で太陽電池表
面が、均一な色調に統一されたセルを最下層に用い、そ
の受光面側の上層に拡散透過層を設けたり、さらに選択
反射層を設ける方法が極めて有効である。
【0016】L* * * 表色系(夫々明度・赤味・青
味を示す)において、カラ−絶縁性インキが塗布された
光電変換部位以外の部位と、光電変換部との色差ΔE値
を3.0以下とする。また、拡散透過層(白色フィルタ
−が主体)を介して認識される太陽電池の表面色と、拡
散透過層(白色フィルタ−が主体)を介して認識される
太陽電池表面色に近いカラ−絶縁性インキ色の色差ΔE
値が3.0以下、さらに好ましくは2.0以下であるこ
とが好ましい。この場合、基準となる太陽電池表面色の
* * * 表色系の値は夫々(44.51,6.4
7,2.24)であり、使用した白色フィルタ−(拡散
透過層)の表面色のL* * * 表色系の値は夫々(6
9.12,0.93,3.88)である。また、白色フ
ィルターの全光線透過率(Tt)は、47.9%、拡散
透過率(Td)は33.8%、ヘイズ値は70.6%で
あった。
【0017】このように、一般的な白色系文字盤を使用
するソーラーウオッチでは、太陽電池表面色に近いカラ
−絶縁性インキは、現用絶縁性インキの顔料成分として
隠蔽力の高いルチル型二酸化チタンと耐光性茶色系顔料
(ベンガラ等)の混合物系が特に有効である。
【0018】他方、アウトドアー用途、特にスポーツ用
ダイバーウオッチなどでは黒色系文字盤を使用したデザ
インのソーラーウオッチに人気がある。この場合には、
拡散透過層として可視光線の全光線透過率が40〜20
%、ヘイズ値は10〜15%と拡散透過率がほとんどな
く、明度L* も10程度と極めて低い黒色系フィルター
等、明度の低いフィルターを用いることが多い。このよ
うなフィルターを受光面側に設けた場合、このフィルタ
ー自体の色調がフィルターを介して視認される太陽電池
表面色の色調以上に黒色系に強調されて視認される。こ
のため、上記の白色系で全光透過率、拡散光線透過率の
高いフィルターを用いる場合程の電池表面色の均一化の
対策が必要とならず、黒色系で明度の低いフィルターを
介し、セルの光電変換膜で反射し、視認されるほとんど
黒色の反射光色調に、太陽電池の非発電膜部位上層に重
ね塗りを行う隠蔽インキ色調も近づけるほうが、視認性
から違和感が少なく、この場合の発電膜とのインキ色差
はΔEは3.0をかなり超えていても黒色文字盤の黒の
色調と、極めて低い透過率(この代表例として用いた文
字盤のTt:2.6%、Td:2.7%、ヘイズ値:1
0.7%であった。)と、光拡散効果が殆ど無いこと
で、セル表面で反射され、フィルター(黒色文字盤)を
通過して認識される戻り光の色調は、このような黒色フ
ィルターを用いる場合のみフィルター(黒色文字盤)の
光学的性質に大きく依存し、セル内の部位の違いによる
色差の大きさは、部分的に高反射率金属光沢色部位さえ
なければ、殆ど関係なく黒色の均一化された色調の時計
として認識される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の太陽電池モジュールは、
入射光を電気に変換する光電変換部を有する太陽電池モ
ジュ−ルの受光面であって、前記光電変換部はシリコン
を有し、前記光電変換部以外の部位に絶縁性着色膜を有
し、この絶縁性着色膜は少なくとも可視光領域の光を含
有する光の反射で得られる光電変換部との色差を減少さ
せている。
【0020】光電変換部とは、所謂発電層に相当するも
のであり、太陽電池では、通常、単結晶Siや多結晶S
i、あるいはアモルファスSi(α−Si)等を有し、
これに所定の不純物を添加してpn接合、あるいはpi
n接合を形成したものである。
【0021】また、太陽電池の受光面とは、光−電気変
換に必要な光が入射する面であり、通常、太陽電池の表
側の保護層等を除いた、光電変換部やその他の構造物を
有する表面をいう。
【0022】光電変換部以外の部位とは、光電変換部以
外の太陽電池の発電機能に必要な各種構造物、ないし構
造膜をいい、例えば、絶縁性パタ−ンや導電性パタ−ン
であり、より具体的には、Ag導電膜等の収集電極や、
外周部配線電極としてのAg(Cu、Cu化合物、N
i、Mo、Alに代表される金属薄膜および金属微粒子
分散体導電膜)、カーボンブラック、グラファイト化カ
ーボンブラック等のドライプロセスによる薄膜や微粒子
分散体膜および前記金属微粒子とカーボン微粒子の混合
された導電膜、ITO、ZnO、SnO2等の透明電
極、印刷絶縁膜等である。
【0023】絶縁性着色膜は、光電変換部との色差を減
少させるものである。具体的には、色差ΔEが、好まし
くは3.0以下、より好ましくは2.5以下、特に2.
0以下であり、その下限としては、特に限定されるもの
ではない。つまり、この絶縁性着色膜は、下地の部分の
色や反射率等と併せ、膜形成面を外部から観察した場
合、光電変換部との色差ΔEが、好ましくは3.0以下
となるように調整された、太陽電池表面色に近いカラ−
絶縁性インキが塗布され、形成されている。この色差
は、後述するように拡散透過層(白色系フィルタ−が主
体)を併用する場合には、拡散透過層を介して認識され
る光電変換部と、それ以外の部位に塗布形成されている
絶縁性着色層の色差ΔE値が好ましくは3.0以下、よ
り好ましくは2.0以下、特に1.5以下である。
【0024】また、光電変換部以外の部位としての導電
性パタ−ン、より具体的には、Ag導電膜等の櫛形収集
電極や、外周部配線電極としてのAg(Cu、Cu化合
物、Ni、Mo、Alに代表される金属薄膜および金属
微粒子分散体導電膜),カーボンブラック、グラファイ
ト化カーボンブラック等のドライプロセスによる薄膜や
微粒子分散体膜および前記金属微粒子とカーボン微粒子
の混合された導電膜と、光電変換部との色差が上記範囲
となるように、これらの導電膜自体の色を調整してもよ
い。
【0025】色差ΔEは、一般にNBS単位(National
Bureau Standards )によって示され、L* 、a* 、b
* 表示系(JIS-Z8722,JIS-Z8727にて規定される三刺激
値x,y,zから算出することができる指数)での明る
さL* ,赤みa* ,青みb*、それぞれについて、絶縁
性着色膜が塗布された部位と光電変換部との差ΔL、Δ
a、Δbから次のように求めることができる。 ΔE=〔(ΔL)2 +(Δa)2 +(Δb)2 1/2
【0026】このΔEは、その値が小さいほど両者は近
似していることになる。通常、ΔEが3.0を超えると
差が明確に認められ、12.0以上となると全く異なっ
た種類の色と見なされるようになる。
【0027】前記絶縁性着色膜は、好ましくはバインダ
−中に顔料粒子分散されている。反射率が低く、反射光
が有っても拡散反射する顔料粒子分散体膜が特に好まし
い。
【0028】バインダーとしては、ある程度の耐候性、
耐光性等を有し、光電変換部以外の太陽電池の発電機能
に必要な各種構造物、ないし構造膜との結着性が良好
で、顔料粒子の分散性のよいものであれば特に限定され
るものではない。スクリーン印刷法にて光電変換部以外
の部位をパターニングで覆う場合、水系エマルジョンよ
りも膜の乾燥性下層との濡れ性の良さの点で、油溶性樹
脂が望ましい。油溶性樹脂としては、例えば、エポキシ
系樹脂、特にフェノキシ樹脂、オレフィン系樹脂、望ま
しくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂またはポ
リイソブチレン樹脂や;ビニル系樹脂、望ましくはエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合樹脂または酢酸ビニル樹脂またはエチレン−塩化
ビニル−酢酸ビニル樹脂や;アクリル系樹脂、望ましく
はメタクリル酸エステル樹脂、ポリアクリル酸エステル
樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂または
エチレン−メタクリル酸共重合樹脂や;フェノール樹脂
や;ポリウレタン樹脂や;ポリアミド樹脂や;ポリエス
テル樹脂や;ケトン樹脂や;アルキド樹脂や;ロジン系
樹脂や;水素添加ロジン樹脂や;石油樹脂や;水素添加
石油樹脂や;マレイン酸樹脂や;ブチラール樹脂や;テ
ルペン樹脂や;水素添加テルペン樹脂や;クロマン−イ
ンデン樹脂;等が挙げられ、特に、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が
好ましい。これらは、その架橋によって得られる耐候性
や、材料が分散された複合材料膜としての機械強度や、
下地となるインキ膜や基材フィルム等の有機材料、IT
O、およびα−Si等の無機材料薄膜との接着力や、長
期使用時の環境変化に対する安定性等の面で優れた樹脂
であり、分子構造の設計の自由度が大きく有利である。
また、これらの樹脂(高分子材料)は、単独で用いても
よいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0029】顔料粒子としては、光電変換部の材質の色
合いと近い所定の色合いが得られるものであれば特に限
定されるものではなく、隠蔽力や着色力の高い1種また
は2種以上の顔料を用いて調整すればよい。具体的に
は、隠蔽力の高い、白色もしくは無色に近い微粒子顔料
である二酸化チタンや、酸化亜鉛、カオリン、クレー、
炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸
バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ、ケイ
ソウ土等等や、着色力の高いベンガラ、カーボンブラッ
ク、微粒子グラファイト、プルシアンブルー、コバルト
ブルー、フタロシアニン系顔料等を併用することが好ま
しい。特に、隠蔽力、白色度の高いルチル型二酸化チタ
ン(TiO2 )を混合すると、下地となる受光面の隠蔽
性に有効な、下地色の色調の拡散性色調に近いパステル
調中間色を得ることができる。これは、最上部に拡散性
フィルター層で全光線透過率が30%以上の白色系ない
しは淡色系を設けたときに色調の均一化を図る上で特に
効果的である。
【0030】着色力を有する酸化鉄微粒子は、アモルフ
ァスシリコン薄膜等の上に、ITO透明電極を積層した
構造を有する太陽電池の色調と合わせ込む上で、紫、
茶、赤、黒と色調の選択範囲が広く、二酸化チタン同
様、耐光性、耐候性を有することから好ましい。
【0031】このような、顔料や色素粒子を分散した塗
膜を用いて色調を制御することにより、入射光を適度に
拡散反射させ、セル全体の色調統一に有利である。例え
ば、ドライプロセスによるマスクパターンで隠蔽された
非光電変換部位の金属系有色薄膜の示す高い反射率に起
因する部位と光電変換部位との大きなコントラスト差を
防止するために、上記非光電変換部位を覆い隠す様にセ
ル受光側最上部に顔料分散色調制御塗膜をスクリーン印
刷法で設けるとよい。これにより、その上に拡散透過性
フィルターを乗せた場合、上記の光電変換部位との色調
差が有効に緩和され、フィルターを介して、セル全体の
色調が均一化されることが視認出来る。
【0032】また、これに加えて、必要により、カーボ
ンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、ク
ロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、
酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウ
ルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブル
ー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔
料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、
チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔
料、等の従来公知の顔料を用いて色合いを調整してもよ
い。
【0033】例えば、最上部に光拡散層を設けることな
く、太陽電池として単結晶シリコン、多結晶シリコンを
用いる場合には、プルシアンブルー、コバルトブルー、
フタロシアニン系顔料を、単独もしくは主成分顔料とし
て用いることが、色調の均一化に効果的である。
【0034】また、上記顔料に代えて、あるいはこれと
併用して染料を使用してもよいが顔料を用いることが好
ましい。染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフ
トール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カー
ボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シ
アニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染
料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシア
ニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染料等
を挙げることができる。
【0035】顔料の一次粒子の平均粒径としては、0.
01〜0.8μm 程度である。顔料のバインダーに対す
る混合量は、好ましくは30〜500wt%、より好まし
くは50〜380wt%程度である。
【0036】絶縁性着色膜を設ける手段としては、上記
バインダーと顔料粒子とを分散媒に溶解・分散させたカ
ラ−絶縁性インキを、太陽電池受光面の所定の領域に、
スクリーン印刷法等により塗布等すればよい。塗膜の厚
みは下地が高い反射率を有するAgペースト電極膜等以
外の場合、15〜30μm 程度、下地が金属以外の場
合、10〜25μm 程度である。
【0037】分散媒としては、上記バインダーおよび顔
料等を溶解・分散可能なものであって、太陽電池表面の
構造物を溶解・腐食しないものが好ましい。具体的に
は、シクロヘキサノン、イソホロン、γ−ブチロラクト
ン、N−メチルピロリドン、テルピネオール、オクタ
ン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノ
ナン、ドデカン、イソドデカン、シクロオクタン、シク
ロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイ
ソパーL(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェル
ゾール70、シェルゾール71(シェルゾール;シェル
オイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460
溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、ブチルカル
ビトールアセタート、ブチルセロソルブアセタート等の
酢酸エステル類等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。分散媒に対する
上記バインダーと顔料の添加量は40〜180wt%程度
である。
【0038】また、これらに加えて必要により分散剤、
消泡剤、レベリング剤等の添加物を混合してもよい。こ
れらの添加物は、通常、総計で20wt%以下程度添加さ
れる。
【0039】太陽電池モジュ−ルの受光面の上層には、
表示品を向上させたり、デザイン的な効果を与えるた
め、拡散透過層を設けてもよい。拡散透過層は、通常白
色の樹脂板が主体であるが、デザインにより適宜必要な
色調に調整され、さらには、青色や緑色、UV光等で発
光する蛍光を有する場合等もある。その材質としては特
に限定されるものではないが、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂等の透明性の樹
脂等を用いることができる。また、これらに白色フィラ
ーや前記樹脂を微細化したもの、屈折率が大幅に異なる
透明性の無機フィラーや有機フィラー、微細な気泡等を
均一に分散させたものを好ましく使用することができ
る。また、発電に支障をきたさない程度に淡色色調を有
していてもよい。
【0040】特にデザイン性が重視される時計用途で
は、文字盤として黒色、または黒色に近い色調の拡散透
過層も使用される場合もある。この場合には、必要量の
カーボンブラック、グラファイト等の微粒子を混合し、
発電に必要な最低量の光透過率20%以上を確保するよ
うにすればよい。
【0041】この様な黒色系低透過率の文字盤を拡散透
過層に用いると、その下に位置するセルの光電変換部位
と非光電変換部位との色差ΔEは3以上もしくは6以上
であっても文字盤を介した場合色調の均一性への影響が
薄れ、むしろ非光電変換部位が反射率の高い金属光沢色
調を避け、文字盤と同様に黒色系で反射率の低い着色塗
膜で覆う方がより有効となる。拡散透過層は、好ましく
は可視帯域での全光線の透過率が20%以上、特に50
%以上、さらには70%以上であることが好ましく、ヘ
イズ50%以上、特に70%以上であることが好まし
い。ここで、”ヘイズ%=拡散光線透過率/全光線透過
率×100”である。拡散透過層の厚みとしては、25
〜800μm 程度である。
【0042】また、前記拡散透過層に加え、選択反射層
を設けてもよい。選択反射層は、例えば可視光に対し、
450〜480nm(青)、550〜580nm(黄緑)、
590〜620nm(橙)等の帯域の波長の光を選択的に
反射あるいは透過させるものである。選択反射層は、上
記拡散透過層同様に表示品を向上させたり、デザイン的
な効果を与える効果を有する。選択反射層としては、例
えば、ガラス基板上に、誘電体多層膜を設けたもの、あ
るいは最上層に半透明性のAg薄膜を設け、誘電体薄膜
を挟み込んだもの等の干渉フィルターや、ダイクロック
ミラー、ジアテルミ鏡(コールドミラー)、光拡散層の
フィラーとして、少量の有色系顔料を分散させたもの等
が挙げられる。選択反射層の厚みとしては、通常、10
0〜1000μm 程度である。
【0043】次に本発明の太陽電池モジュールの太陽電
池セルについて説明する。本発明の太陽電池セルは、例
えば図4に示すように、基板1上に、下部電極2と、p
n接合、pin接合等を有するα−Si等のシリコン含
有層3と、絶縁層4と、ITO等の透明電極5とを有す
る。また、第1の素子分離層6と、第2の素子分離層7
と、配線電極8および下部引き出し電極9を有する。な
お、図4は太陽電池セルの一構成例を示した部分断面図
である。
【0044】このような太陽電池セルにおいて、光電変
換部とは透明電極5を介して入射した光が、シリコン含
有層3に到達し、その内部で生じた起電力が下部電極2
と透明電極5とを介して取り出すことの可能な領域をい
う。また、それ以外の部位とは、絶縁層4、第1の素子
分離層6、第2の素子分離層7、配線電極8等をいう。
これらの部分は発電に寄与せず、しかも光電変換部とは
異なった材質の材料から構成されている。このため、こ
れらの構造部材が外部から視認可能な領域にあり、差異
が明確であるとデザイン上の統制を害することとなる。
従って、これらの部位に上記絶縁性着色膜を設け、その
色差を所定の値以下とすることにより、デザイン上の統
制や調和を確保することができる。
【0045】また、例えば図5に示すように、円形の太
陽電池セル21においては、光電変換部22と、この光
電変換部を分離して、セルの電圧を上げる直列接続構造
にするための素子分離部23、直列接続の配線構造を有
する接続部27,28,29や、取り出し電極部25,
26を有する。素子分離部23は、通常、光電変換部2
2より淡色系の色となり、接続部27,28,29や、
底面にその一部が貫通している取り出し電極部25,2
6は、導電性Agペーストを用いた場合高い反射率を有
する配線電極用の金属色となる。このような構造が外部
から視認可能な部位にある場合にも、デザイン上の統制
を害することとなる。特に、時計の文字盤に太陽電池セ
ルを用いる場合、デザイン上要求される要件は厳しく、
より一層の統制や調和が要求される。従って、これらの
部位にも上記絶縁性着色膜を設けることで、その色差を
所定の値以下とし、デザイン上の統制や調和を確保する
ことができる。なお、金属部分などのように下地の反射
率が高い場合等は、重ね塗りも含め、隠蔽性の高いイン
キ膜で、例えば30μm 前後の厚膜とすればよい。
【0046】上記、太陽電池セルは、その上記絶縁性着
色膜を設けた後、セル構造部材を機械的ダメージや、酸
化、腐食等から保護するため、表面コート部材、あるい
は封止シール部材を設けることが好ましい。これら保護
部材のなかでも、特にラミネーションフィルムにより封
止することが好ましく、特に好ましいラミネーションフ
ィルムとして、以下のホットメルト材を用いた封止が挙
げられる。
【0047】なお、太陽電池モジュールのコストを低減
するために、セルの耐環境性とのバランスから、許容さ
れる分野では透明性樹脂保護コーティングを用いてもよ
い。すなわち、例えばフェノキシ樹脂をメラミン樹脂で
熱硬化した特願平9−320476の透明性絶縁膜等の
みを用いて保護膜としてもよい。
【0048】また、ラミネーションを行い、太陽電池セ
ルの表面にラミネーションフィルム層が形成されると、
少なくとも透明なラミネートフィルム基材厚味部分だけ
(例えば50〜約100μm)セル本体受光部最表面と
文字盤裏面間に空隙を設けたと同様の効果を有すること
のなる。そして、これにより文字盤を介し太陽電池セル
の色調が透過し視認される程度が文字盤の有する光拡散
効果により減ぜられ有利となる効果がある。従って、こ
のようなラミネーション封止を行った太陽電池セルで
は、特に上記絶縁性着色膜を設ける意義は大きい。
【0049】本発明に用いられるホットメルト材は、透
光性および耐熱性を有する樹脂製の基材の少なくとも一
方の面に、熱硬化性樹脂を含有する緩衝接着層を有す
る。
【0050】樹脂製の基材上に、高分子分子鎖間の架橋
密度の高い軟質樹脂であるゴム弾性を有する熱硬化性高
分子の緩衝接着層を設けることにより、温度・湿度変化
に対する緩衝接着層の力学的物性変化率が少なく、しか
も緩慢な変化であるため、緩衝接着層としての機能を長
期間維持できる。また、樹脂保護フィルムにガラス転移
点Tgが65℃以上あるいは耐熱ないし連続使用温度8
0℃以上のいずれか一方ないし両方を満たし、透光性を
有する樹脂フィルムを用いているため、太陽光等の光源
に直接晒されて昇温しても性能劣化を生じない。
【0051】ガラス転移点Tg65℃以上および/また
は耐熱温度80℃で透光性、耐熱性を有する樹脂製の基
材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(T
g69℃)、ポリエチレンナフタレート耐熱フィルム
(Tg113℃);三フッ化塩化エチレン樹脂〔PCT
FE:ネオフロンCTFE(ダイキン工業社製)〕(耐
熱温度150℃)、ポリビニリデンフルオライド〔PV
DF:デンカDXフィルム(電気化学工業社製)〕(耐
熱温度150℃:Tg50℃)、ポリビニルフルオライ
ド(PVF:テドラーPVFフィルム(デュポン社
製)〕(耐熱温度100℃)等のホモポリマーや、四フ
ッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体
〔PFA:ネオフロン:PFAフィルム(ダイキン工業
社製)(耐熱温度260℃)、四フッ化エチレン−六フ
ッ化プロピレン共重合体〔FEP:トヨフロンフィルム
FEPタイプ(東レ社製)〕(耐熱温度200℃)、四
フッ化エチレン−エチレン共重合体〔ETFE:テフゼ
ルETFEフィルム(デュポン社製)(耐熱温度150
℃)、AFLEXフィルム(旭硝子社製:Tg83
℃)〕等のコーポリマ等のフッ素系フィルム;芳香族ジ
カルボン酸ービスフェノール共重合芳香族ポリエステル
ポリアリレートフィルム(PAR:キャスティング(鐘
淵化学社製エルメック)(耐熱温度290℃:Tg21
5℃)、〔ポリメチルメタアクリレートフィルム〔PM
MA:テクノロイR526:Tg:101℃(住友化学
社製)〕;ポリサルホン〔PSF:スミライトFS−1
200(住友ベークライト社製)〕(Tg190℃)、
ポリエーテルサルホン(PES:スミライトFS−13
00(住友ベークライト)〕(Tg223℃)等の含イ
オウポリマーフィルム;ポリカーボネートフィルム〔P
C:パンライト(帝人化成社製)〕(Tg150℃);
ファンクショナルノルボルネン系樹脂〔ARTON(日
本合成ゴム)〕(耐熱温度164℃:Tg171℃);
ポリメタクリレート樹脂(PMMA)(Tg93℃);
オレフィン−マレイミド共重合体〔TI−160(東ソ
ー社製)〕(Tg150℃以上)、パラアラミド(アラ
ミカR:旭化成)(耐熱温度200℃)、フッ化ポリイ
ミド(耐熱温度200℃以上)、ポリスチレン(Tg9
0℃)、ポリ塩化ビニール(Tg70〜80℃)、セル
ローストリアセテート(Tg107℃)等が挙げられ。
中でもポリエチレンナフタレート耐熱フィルム(Tg1
13℃)が、PETと比較した場合、耐熱性(Tg)、
長期使用の耐熱性、ヤング率(スティフネス)、破断強
度、熱収縮率、オリゴマーが少ない、ガスバリアー性、
耐加水分解性、水蒸気透過率、温度膨張係数、光による
物性劣化等の面で優れた性能を有し、他のポリマーと比
較した場合、破断強度、耐熱性、寸法安定性、透湿度
性、コスト等の総合バランスの点において優れており好
ましい。
【0052】樹脂基材のガラス転移点Tgは65℃以
上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以
上、特に110℃以上で、その上限は特に規制するもの
ではないが、通常130℃程度である。また、耐熱温度
ないし連続使用温度は80℃以上、好ましくは100℃
以上、特に110℃以上が好ましく、その上限は高いほ
ど好ましく、特に規制するものではないが、通常250
℃程度である。樹脂基材の厚さは、被ラミネート部材
や、要求される強度、曲げ剛性等により適宜決められる
が、通常5〜100μm 、好ましくは20〜90μm の
範囲である。樹脂基材の膜厚が5μm 未満であると、表
面保護の効果が得難くなり、接着層を塗布した後にホッ
トメルト材が変形したりする。膜厚が100μm を超え
ると、微粒子Al23 、SiO2 等の入ったフィルム
では光の透過率が低下し、ロール状態でのラミネート性
が低下し、連続製造が困難になってくる。また、好まし
くは熱圧着後の0℃および/または120℃における動
的弾性率の変化率が30%以内、より好ましくは20%
以内が好ましい。またその絶対値は1×109〜1×1
1 2dyn/cm2の範囲が好ましい。熱圧着後の0℃または
120℃における動的弾性率の変化率が30を超える
と、緩衝接着層の緩衝作用を超えて内部応力が働き、接
着力の低下やホットメルト材の剥離、ラミネート体の変
形等が生じ易くなる。
【0053】なお、透光性を有するとは、可視光領域の
光の70%、好ましくは80%以上を透過することをい
う。
【0054】樹脂基材は、その分子配向度を示すMOR
値(Molecular Orientation Ratio)が、好ましくは
1.0〜3.0、より好ましくは1.0〜2.0、特に
1.0〜1.8が好ましい。MORが前記範囲内である
とラミネート体の変形が少なくなる。この分子配向度を
示すMOR値は、例えばコンパーテック1998.3
「マイクロ波分子配向計を応用したフィルム・シートの
品質管理」大崎茂芳、Seikei-Kakou Vol7 No11 1995
「二軸伸延に伴う分子配向挙動」図師泰伸・丹羽貴裕・
日比貞雄・永田紳一・谷知等の文献に記載されている。
MOR値が大きいほど異方性が大きく、1.0が最も等
方的であることを表す。
【0055】分子配向度は、同一の樹脂フィルムであっ
ても、その部位によりMOR値が異なることがある。特
に二軸伸延法により製造されるフィルムにおいては、伸
延のために保持される端部において配向度が高くなる傾
向にある。このため、分子配向度に優れた樹脂であって
も、使用する樹脂フィルムの各部位について分子配向度
を検査し、上記配向度内となっていることを確認した上
で用いるとよい。
【0056】MORを測定するには、例えば、試料を回
転させながら透過マイクロ波強度を測定することにより
得ることができる。すなわち、一定の周波数のマイクロ
波電界と、高分子物質を構成する双極子との相互作用
は、両者のベクトルの内積に関係し、マイクロ波偏波電
界の中で試料を回転させると、誘電率の異方性により、
透過マイクロ波強度が変化し、結果として分子配向度を
知ることができる。測定に用いるマイクロ波としては、
特に限定されるものではないが、例えば4GHz,12GHz
等である。このような原理を応用した測定器として、例
えば、新王子製紙(株)社製の分子配向計MOA−50
01A、5012A、MOA−3001A・3012A
等がある。また、この他にX線回折、赤外線二色性、偏
光蛍光法、超音波法、光学法、NMR法等により求める
こともできる。
【0057】上記分子配向度は、ホットメルト材が用い
られる被ラミネート体の構成材料、例えば可撓性基板等
についても上記範囲とすることが好ましい。
【0058】熱硬化性樹脂と有機過酸化物を含有する緩
衝接着層の熱硬化性樹脂成分としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体〔EVA(酢酸ビニル含有率が15〜5
0%程度)〕が挙げられる。
【0059】また、有機過酸化物としては、80℃、特
に90℃以上の温度で分解してラジカルを生じるもので
あれば何れのものでもよく、配合時の安定性を考慮に入
れれば半減時間10時間となる分解温度が70℃以上の
ものが好ましい。このような熱硬化性有機過酸化物とし
ては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハ
イドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)へキサン−3;ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン;ジクミルパーオキサイ
ド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バレレート;2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブ
チルパーオキシベンズエート;ベンゾイルパーオキサイ
ド等を挙げることができ、これらのうちの1種または2
種以上を組み合わせて使用してもよく、その際の配合比
は任意である。熱硬化性有機過酸化物の前記重合成分1
00重量部に対する配合比は、好ましくは10重量部以
下、より好ましくは0.5〜6重量部である。
【0060】また、必要に応じて紫外線吸収剤を添加し
てもよい。紫外線吸収剤を添加することにより、フィル
ム自体の紫外線耐光性と、α−Si等の光電変換部を構
成する薄膜の光による劣化現象を防止することができ
る。特に、ポリマーフィルムを受光面側に配置する場
合、紫外線遮光機能を有するベンゾフェノン系や、ベン
ゾトリアゾール系UV吸収剤を受光面側表面、ないしポ
リマー内部に、そしてさらには、架橋性EVAに代表さ
れるような緩衝性接着層に、表面処理ないしは混合、混
入するとよい。
【0061】紫外線吸収剤として、各種の芳香族有機化
合物を使用することができるが、特に下記化1に示すも
のが長期間使用しても黄変化、フィルム表面へのブリー
ドアウト等が少なく有利である。これらのなかでも、特
にベンゾトリアゾール系が好ましい。また化学的に安定
な無機物紫外線吸収剤として酸化亜鉛(ZnO)微粒子
を同様な方法で用いても良い。
【0062】また、ペルヒドロポリシラザン(Mn=6
00〜2000)のキシレン溶液(東燃(株)製N−V
120)中にZnO微粒子を分散し、前記ポリエーテル
サルホン樹脂フィルム上に、厚さ0.5μm 程度に塗布
し、90℃(80%RM)、1時間で水蒸気酸化し(触
媒としてトリメチルアミン5%水溶液使用)、低温で緻
密な透明性シリカ薄膜を形成する際に、SiO2 /Zn
O=45/55(重量比)となるようにZnOを加え、
これを透明性基材として太陽電池受光面側の最上部に設
けると、無機系のUVカット透明性、保護膜としてセル
の屋外耐候性向上に有効である。
【0063】
【化1】
【0064】また、必要に応じて硬化促進剤等の添加剤
を加えても良い。例えば、ホットメルト材を被ラミネー
ト部材にラミネートする場合、緩衝接着層の抑泡剤、消
泡剤として、RSi(OR)3 (R:C25)等の構造
で表されるオルガノシラン化合物を上記配合比で6重量
部以下添加することも有効である。このものは、加熱・
加圧工程で前記有機過酸化物と反応して(フリーラジカ
ルを生じ)、主成分のエチレン酢酸共重合体の架橋剤と
なり、緩衝接着層に取り込まれる。また、ホットメルト
材を重ねたり、丸めたりして保存する場合、緩衝接着層
と基材裏面との粘着を防止し、剥離を容易にする機能が
ある。
【0065】緩衝接着層の厚さは、用いる有機過酸化物
や使用環境、被ラミネート部材等により適宜最適な厚さ
に調整すればよく、特に限定するものではないが、好ま
しくは3〜500μm 、より好ましくは3〜50μm 、
特に10〜40μm の範囲が好ましい。緩衝接着層の厚
みが3μm 未満であると緩衝効果が得難くなり、膜厚が
500μm を超えると光の透過率が低下し、打ち抜き時
等にバリが発生し易くなってくる。ただし、接着層は上
記基材に比べはるかに透過率が優れているため、屋外な
どの高照度下での使用の際には10000μm まで使用
することも可能である。緩衝接着層の熱圧着後の動的弾
性率は、好ましくは20℃で5×109dyn/cm2以下、
100℃で1×106dyn/cm2以上、特に20℃で1×
109〜1×106dyn/cm2、100℃で2×106〜1
×109dyn/cm2の範囲が好ましい。また、熱圧着物の
tanδの極大ピーク値は、好ましくは20℃以下に出現
し、特に−100〜+15℃の範囲に出現するものが好
ましい。
【0066】緩衝接着層は、特にラミネート保護フィル
ムとして用いられる場合には、通常、前記樹脂基材の一
方の面にのみ設けられる。また、後述するように太陽電
池基板とラミネートフィルム基材の材質が異なり、昇温
時の熱収縮率に大きな差が生じる場合には、セルの平坦
化のため、表裏両面に設けるとよい。このように両面に
設けることにより、環境の厳しい屋外での使用にも有利
となる。後述する光記録媒体やフラットパネルディスプ
レイの製造工程で貼り合わせの手段として用いられる場
合には、樹脂基材の両面に設けられる。またその場合に
は、樹脂基材や緩衝接着層の厚みは上記範囲内で薄くす
ることが好ましい。また、4〜6mm厚のシート単位品と
して、緩衝接着剤を単独で使用することもできる。
【0067】緩衝接着層を樹脂基材に設ける手段として
は、塗布あるいは押し出しコート等の公知の方法により
設けることができる。緩衝接着層と樹脂基材全体の厚み
は、好ましくは10〜600μm 、より好ましくは10
〜120μm 、さらには30〜90μm 、特に60〜8
0μm の範囲が好ましい。
【0068】本発明に用いられるホットメルト材は、緩
衝接着層にエンボス加工を施したり、シボが形成された
ものであってもよい。このエンボス加工ないしシボは、
本発明のホットメルト材を加圧ラミネートする場合に特
に好ましく設けられ、ラミネート時の搬送方向と同一方
向に筋状に設けることが好ましい。また、貼り合わせに
用いる場合には、その方向は任意であるが、張り合わせ
る方向や張り合わせるものにより最適な方向を選択すれ
ばよい。エンボス加工ないしシボを設けることにより気
泡の抜け道が形成され、気泡の混入が少なくなる。特に
ロールラミネータにより加圧ラミネートを行う場合に
は、ラミネートフィルムをロールラミネータのロールに
抱かせて被ラミネート材とニップルする際、ラミネート
方向に沿って気泡が抜けやすくなる。エンボス加工ない
しシボの大きさ、間隔(あるいは密度)等は、特に限定
するものではないが、例えばRa=0.4〜10μm 、
特に0.6〜0.8μm 、ピーク−ピーク間の平均間隔
50〜180μm 、特に60〜140μm の範囲が好ま
しい。シボを設ける手段としては、特に限定するもので
はないが、エンボス加工や離形性フィルムに一旦加工し
た後、これを転写しても良い。
【0069】次に、太陽電池モジュールの製造方法につ
いて説明する。太陽電池シート等の被ラミネート部材の
上面(受光面)または保護する面と、透光性および耐熱
性を有し、ガラス転移点Tg65℃以上の樹脂基材の少
なくとも一方の面に、緩衝接着層を有するホットメルト
フィルム、好ましくは上記ホットメルト材の緩衝接着層
とを合わせ、ロールラミネータ等により、好ましくは温
度100〜120℃、線圧力20〜70g/cmで熱圧着
を行う。なお、ここでは片面ラミネートの場合を例に説
明するが、被ラミネート部材や使用環境などによっては
両面ラミネートとしてもよく、その場合には、緩衝接着
層を被ラミネート部材側に向けて上下で挟み込むように
してロールラミネータ等により熱圧着すればよい。
【0070】得られた複合シートを所定の大きさに裁断
し、オートクレーブ等の加熱加圧手段を備えた容器中に
収納し、好ましくは乾燥空気あるいはN2、特にN2雰囲
気下、さらに好ましくは複合シートの面に垂直な方向、
つまり上下方向よりほぼ均一に0.01〜5.0kg、
特に0.1〜5.0kgの機械圧力を加え、70℃以
上、特に140〜180℃(加熱時の圧力3〜15kg
/cm2となる)で、30〜120分間加熱加圧して、熱
架橋および脱泡し、また接着の向上を図り、本発明のラ
ミネート体を得ことができる。この場合、加熱加圧手段
による加熱温度、静水加圧圧力は被ラミネート部材やホ
ットメルト材により任意に調節することができ、機械圧
力を加えるタイミングも任意であるが、機械圧力は好ま
しくは加熱後、室温に冷却するまで保持することが好ま
しい。特に接着層の硬化温度以上、より好ましくは70
〜100℃に保持し、5〜10kg/cm2 で加圧し、1
5〜60分保持して脱泡した後、接着剤の硬化温度以
上、より好ましくは100〜170℃、特に120〜1
70℃、3〜15kg/cm2 、特に5〜10kg/cm2
で5〜60分間、特に15〜60分間保持して熱硬化さ
せることが好ましい。
【0071】このようにロールラミネータを用いてラミ
ネートすることで、例えば太陽電池等の櫛形電極のファ
インパターニングや、セル間分断絶縁用ファインパター
ン等のように、被ラミネート部材上にある凹凸の影響を
受け難くなる。すなわち、被ラミネート部材上の構造面
と加熱され流動性を増した緩衝接着層が、ロールラミネ
ータの弾性ロールでニップルされながら送られる際に、
構造面のパターンの影などに残存しやすい気泡が、弾性
ロール間に生じるズリ応力により流体力学的な力を受け
て効率的に押し出されることとなる。
【0072】また、前記ロールラミネータで完全に除去
しきれなかった気泡は、前記加熱加圧手段での熱架橋工
程で脱泡される。その際、好ましくは前記複合シートの
上面(受光面)に、耐熱性の弾性部材シートを積層し、
さらにその上に金属板を積層し、これを数枚積層したも
のに、前記のように上下方向より(SUS板等の剛性の
高い、平滑平坦な平板を介して)エアシリンダ等の加圧
手段により機械的に圧力を印加することが好ましい。こ
れにより、プラスチック基板等に積層されていた各種機
能性薄膜の熱収縮、内部応力により任意に変形されてい
たモジュールがラミネートされ、かつ平滑、平坦に矯正
されたデバイスになる。
【0073】このように、加熱、加圧による熱架橋工程
で、上記のような積層構造として機械的圧力を加えるこ
とで、例えば太陽電池等のように、α−Si、ITO、
Al合金、層間絶縁膜、封止絶縁保護膜等の複数の異な
った構成要素の剛性率や厚みを有し、これが積層一体化
されることにより、各層の最終成膜時の熱収縮率、内部
応力等がそれぞれ異なる複合シートの、ランダムな変形
を容易に矯正することができる。しかも、各複合シート
は複数枚積層されているため、同時に多数の平坦化矯正
を行うことができ、量産化に有利である。また、塗装等
と比較した場合にも表面の平坦、平滑性が極めて良好
で、外観的に優れた製品を得ることができ、高付加価値
商品等にも好ましく用いることができる。
【0074】しかも、基材、ラミネート部材等が、一体
化した積層体中で、デバイスの厚みを支配する部材の殆
どを占めるにも関わらず、少なくとも100μm 厚程度
の剛性の高いSUS等の金属やガラス基材を使用したの
と同等な平坦性や平滑性が得られる。このため、これら
の金属基材やガラス基材を使用したシート体と比較して
簡単なエアープレス加工により、打ち抜き加工を施すこ
とが可能であり、YAGレーザーによるスルーホール加
工等も容易に行うことができる。従って、前記金属基材
やガラス基材を使用したシート体よりも、はるかに生産
性に優れ、簡単な手段で薄膜デバイスを精密に加工する
ことができることから、量産化を図る上でコストダウン
に貢献できる。また、スクリーン印刷法を用いたパター
ニングと組み合わせることにより、デバイスの設計変更
等にも迅速に対応できコストも安くなる。
【0075】積層される耐熱性の弾性部材シートとして
は、上記加熱温度に耐えうるものであれば特に限定する
ものではなく、公知の耐熱性弾性部材から適宜選択して
使用することができる。このような弾性部材としては、
耐熱性を有するシリコンゴム、フッ素ゴム(バイトン)
フロロシリコンゴム等が挙げられる。この弾性部材シー
トの厚さは、特に規制するものではないが、通常0.5
〜10mmの範囲である。
【0076】積層される金属板としては、アルミニウ
ム、SUS、黄銅、鋼鉄板等が挙げられるが、特に軽量
で熱伝導特性の良いアルミニウムが好ましい。金属板の
厚さとしては、特に限定するものではないが、通常0.
2〜3mmの範囲である。これらの金属板は公知の手段に
よりアルマイト加工、あるいはクローム、ニッケル、ニ
ッケルクローム等のメッキ、塗装等の表面処理を施して
も良い。
【0077】また、本発明の太陽電池モジュールでは、
コストダウンを図る上で、上記ホットメルト材に代え
て、耐光性、耐候性を備えた塗膜を太陽電池セル表面に
設けてもよい。このような樹脂塗膜は、上記ホットラミ
ネートを施したものと比較して、平坦性、耐候性等の面
で若干劣るものの、ラミネート工程、平坦化工程を省略
でき、安価に製造でき、量産性が向上する。特に、機器
内部に組み込まれたり、主に屋内用途で使用される場合
に適している。
【0078】このような樹脂塗膜としては、透明性、強
靱性、透明電極等との密着性、表面硬度、耐熱・耐寒
性、低吸湿性、低ガスバリヤー性等、コーティング膜と
してこれらの諸特性がバランスよく優れたものが好まし
い。特に、有機溶剤に溶解する2000〜3000(M
n)程度以下の分子量で、しかも上記の塗膜の力学強度
を保持するためには、上記諸特性を発揮しうる主成分樹
脂を、プラスチック基材の耐熱温度である200℃以下
で、メラミン樹脂、無黄変性イソシアネート化合物(無
黄変性イソシアネート化合物のイソシアネート基を、ア
セチルアセトンの活性メチレン基でブロックした低温硬
化型ブロックイソシアネート(デュラネート「MF−K
60X」(旭化成(株)製)、MEKオキシム等でブロ
ックした低温硬化型ブロックイソシアネート)等と架橋
反応を生じ高分子化する熱硬化樹脂が好ましい。熱硬化
樹脂は透明性に優れ、経時変化、光劣化による変色も少
ない。
【0079】例えば、フッ素系樹脂として、三フッ化エ
チレン、四フッ化エチレンと、エチレン鎖のH部分を、
−OR,−OH,−ORCOOHに置換したビニルモノ
マーとの共重合体であるルミフロン樹脂(旭硝子)、脂
肪族、脂環タイプのポリエステル、ポリエーテルプレポ
リマーと、無黄変性イソシアネート化合物との縮合によ
るポリウレタン樹脂(例えば、日本ポリウレタンPTM
G/コロネーHX硬化物)、飽和ポリエステル樹脂(エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、フタル
酸、アジピン酸等のエステル類の共重合体:例えば東洋
紡バイロン)の上記無黄変性イソシアネート、メラミン
等との硬化物、エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエピ
コート:1009)や、フェノキシ樹脂(UCC社:P
KHH)の上記硬化剤との硬化物、部分ケン化アクリル
ポリオールや、上記無黄変性イソシアネート等により硬
化する、重合反応性官能基を有するフォスファゼンモノ
マー(出光:PPZモノマー)等を好ましく挙げること
ができる。
【0080】塗膜の形成方法としては、塗布、スクリー
ン印刷法、スピンコート法などによればよい。
【0081】
【実施例】<実施例1> [作成方法]図1に示すように、可撓性基板1上に下部
電極層2、pn接合、pin接合等を有するアモルファ
スシリコン層3、絶縁層4,ITO透明電極層5が形成
された太陽電池セル素体に、レーザー加工により、スル
ーホール10および開溝10aを形成した。
【0082】次いで、図2に示すように、開溝10aが
形成されたITO透明電極上5に、第1の素子分離層6
と第2の素子分離層7とを形成し、さらに、図3に示す
ように第1の素子分離層6およびスルーホール10上に
配線電極層8を形成した。
【0083】次に、図4に示すように、必要により下部
取り出し電極9を形成した後、上記配線電極8の上に、
下記のカラ−絶縁性樹脂組成物1により調整したカラ−
絶縁性インキを塗布し絶縁性着色膜11を形成した。
【0084】太陽電池光電変換部の表面色に近いカラ−
絶縁性樹脂組成物1は、図4の太陽電池セルであれば、
絶縁膜(一次印刷樹脂)4や、太陽電池表面に露出する
素子分離層6,7(二次印刷樹脂)、配線電極8のAg
ペ−スト(電極の高い光反射率を押さえるため)電極等
の上に重ね塗りしたりして使用する。以下にその詳細に
ついて説明する。
【0085】 カラ−絶縁性樹脂組成物1 フェノキシ樹脂(UCC社製:PKHH Mn=15400) 14重量部 シクロヘキサノン 15重量部 イソホロン 15重量部 ルチル−二酸化チタン(石原産業社製:平均粒子径270nm) 32重量部 ベンガラ(戸田工業社製:平均粒子径300nm ) 15重量部 分散剤(オレイン酸) 3重量部 消泡剤(東芝シリコーン製:TSA−720) 1重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS−66 ) 1重量部 フェノキシ樹脂を混合溶剤(シクロヘキサノン/イソホ
ロン)に完全に溶解し二酸化チタン、ベンガラ、分散剤
と共にジルコニア製ボ−ルミルにより48時間分散し
た。その後、消泡剤レベリング剤を添加し更に2時間混
合した。
【0086】次いで、下記の熱架橋反応成分を添加し、
更に20分間混合分散し、カラ−絶縁膜用樹脂組成物を
得た。
【0087】 n−ブチル化メラミン樹脂(三井東圧化学製:ユ−バン21R) 5重量部 硬化促進剤(三井東圧化学製:キャタリスト6000) 0.03重量部 得られた絶縁樹脂組成物インキを、図1に示す絶縁層4
上に150メッシュステンレススクリ−ンにて一次印刷
した後、160℃オーブン中にて10分間熱硬化させ
た。次にこの絶縁膜上にITO透明電極層5をArガス
スパッタリング法により形成した。このスパッタリング
工程で絶縁膜はなんらのダメ−ジも認められず均一なI
TO透明電極層5が積層出来た。
【0088】次に、図2に示す第1および第2の素子分
離層6,7や、図4に示す配線電極8上にもカラ−絶縁
性インキを、150メッシュステンレススクリ−ンを用
いて印刷し、160℃オーブン中にて10分間熱硬化さ
せた。このように、絶縁膜4,素子分離層6,7上に塗
布されたり、Agペ−ストによる配線電極8の高い光反
射率を押さえるために重ね塗り等されたカラ−絶縁性イ
ンキにより、光電変換部を除く太陽電池表面層全てを覆
う事で、ほぼ光電変換層の表面色と等しい色彩で均一化
された可撓性アモルファスSi太陽電池セルを得た。
【0089】次に表面を透明性が良く、環境信頼性を含
む物理的強度の優れたPENフィルムを基材とし緩衝性
接着剤を積層したラミネ−ションフィルムを太陽電池受
光面上に積層し封止処理を行った。
【0090】すなわち、透光性、耐熱性を有する可撓性
のフィルム基材として、厚さ50μm のPENフィルム
(Tg:113℃)を用意した。また緩衝接着層とし
て、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA:酢酸ビ
ニル含有率が15〜50重量%程度)に、有機過酸化物
として、ジクミルパーオキサイドを、前記EVA100
重量部に対して7重量部硬化剤として、さらに微量の硬
化促進剤等の添加剤を配合したものを作成し、これを前
記樹脂フィルム基板の一方の面に厚さ20μm となるよ
うに塗布し、緩衝接着層としたものを用いた。
【0091】ラミネート後、時計部品仕様を満たすレベ
ルの平坦化処理を行い、時計文字盤対応フィルムソ−ラ
−セルを得ることが出来た。
【0092】また、上記ラミネート封止をしないまで
も、ある程度セルの信頼性を確保し、しかも、上記の工
程を簡略化し、単に耐光性を有する透明性保護コーティ
ング膜にてセル受光面側の表面を覆うようにしれもよ
い。このように、コーティング膜のみで表面を保護する
ことで、太陽電池のコストを引き下げ安価に提供するこ
とができる。
【0093】次に、この均一化された色調の可撓性を有
する太陽電池セル上に、拡散透過層、選択反射層の光学
的機能を有する白色系時計文字盤(材質:アクリル系樹
脂にアルミナ超微粒子を分散させたプラスチック板、厚
さ:500μm 、全光線過率:52%)を、太陽電池セ
ルとの間隙がほとんど無い状態でソ−ラ−ウオッチに組
み上げた。
【0094】[比較例]実施例において、下記組成のカ
ラ−絶縁性樹脂組成物2を用いた他は、実施例1と同様
にして太陽電池セルを得、ソ−ラ−ウオッチを組み上げ
た。
【0095】 カラ−絶縁性樹脂組成物2 フェノキシ樹脂(UCC社製:PKHH Mn=15,400)20重量部 シクロヘキサノン 40重量部 イソホロン 30重量部 高抵抗カ−ボンブラック(デグッサ社製:平均粒子径25nm) 4重量部 アエロジル(デグッサ社製:平均粒子径15nm) 10重量部 分散剤(オレイン酸) 3重量部 消泡剤(東芝シリコーン製:TSA−720) 1重量部 レベリング剤(信越シリコーン製:KS−66 ) 1重量部
【0096】[評価方法]上記の光電変換部の色調に均
一化された可撓性太陽電池セル及び白色系時計文字盤と
一体化したソ−ラ−ウオッチ,比較例の太陽電池セル,
ソ−ラ−ウオッチと白色系時計文字盤について(株)村
上色彩技術研究所製高速測色分光光度計(CMS−35
sp)を用いて、「三刺激値」「L* * * 表色系
(夫々明度・赤味・青味を示す)」の測色を行った。
【0097】また時計文字盤についてはJIS-K-73
61に準拠し全光線透過率測定も行い、自然光下、蛍光
灯下での目視による評価との比較検討を行った。
【0098】[結果] 1)実施例にて作成した太陽電池セルと、比較例の太陽
電池セル、および実施例と比較例のソ−ラ−ウオッチに
ついて上記評価法による測色を行った。L* * *
より光電変換部の表面色と、実施例にて作成した絶縁性
樹脂層との入射自然光に対する反射色色差値ΔEを算定
した結果の値は、2.39を示した。この値は、このセ
ルのままで発電膜と表面色の均一化されたセルとして時
計文字盤や携帯性太陽電池として使用できる限界レベル
の色調であった。
【0099】2)実施例にて作成したソ−ラ−ウオッチ
で、汎用レベルの白色系時計文字盤を介して入射自然光
に対する色調と対比するために反射色の色差値のΔEを
算定した結果の値は、0.16を示し、NBS単位での
0.2 以下の範囲であった。目視観察でも素子分離部
23(十字パタ−ン)、接続部27,28,29や取り
出し電極部25,26(円周部パタ−ン)等特に目立つ
色差部位を含め、白色系時計文字盤下の太陽電池の存在
を見分けられないレベルであった。
【0100】3)比較例にて作成した太陽電池のΔE値
は、34.86 を示し、白色系時計文字盤を乗せた太
陽電池でもΔE値はNBS単位での12以上を示し、目
視観察でも十字パタ−ン円周部パタ−ン等が明白に認め
られデザイン性からも問題が大きことが確認された。
【0101】4)実施例にて作製したソーラーウオッチ
で、アウトドアで使用するダイバーズウオッチ用の特殊
黒色系時計文字盤を介して入射自然光に対する色調と対
比するために、反射色の色差値のΔEを算定した。結果
の値は3.35を示し、NBS単位での0.3を超える
範囲であった。
【0102】目視観察でも素子分離部23(十時パター
ン)、接続部27,28,29や、取り出し電極部2
5,26(円周部パターン)等に、比較例で使用したカ
ラー絶縁樹脂組成物2のカラーインキを、スクリーン印
刷法によりオーバーコート層も含め黒色のカラーインキ
膜で覆った。
【0103】このカラーインキ膜は、光電変換部との色
差ΔEが表1の比較例で示すように12以上もあった。
【0104】しかし、使用した特殊黒色時計文字盤は、
JIS−K−7361に準拠した全光線透過率測定では
26.0%と極めて低く、拡散光線透過率は2.7%と
殆どフィルターの光拡散による反射光の遮蔽硬化が無
く、ヘイズ値も10.4%と低かった。
【0105】このような、黒色文字盤を用いると、ソー
ラーウオッチの動作保証に使用できる光量の損失は極め
て大きく、セルの発電効率には不利となる。しかし、ス
ポーツユース等での黒色文字盤としてのデザイン性では
有利であり、黒色カラーインキ膜を用いてΔEは3.3
5と3.0をオーバーしているが、目視による非発電部
位はあまり目立たなくなっていた。因みに、白色文字盤
で使用した実施例のカラー絶縁性組成物1のインキ膜で
同様に非発電部位を覆って上記低透過率、低ヘイズの黒
色特殊文字盤を上乗せしたときのスタンダードセルとの
色差ΔEは2.50と、カラ−絶縁性樹脂組成物2の場
合よりも色差は増大していた。このことは、このような
特殊光学特性の文字盤を使用すると、デザイン性の面で
黒色を強調する上では有利であることが確認された。
【0106】図5に示す外観のセルで、上記構造のセル
の他、前記のペルヒドロキシポリシラザンを水蒸気酸化
して、シリカ膜(ZnO:UVカット剤を含む)14を
透明な75μm 厚PENフィルム1に形成し、その下側
に透明性導電膜ITO(15)、ZnO(17)、α−
Si(13)、ZnO透明導電膜(光閉じこめ効果をね
らった)18、Al(金属下地電極)12を積み上げ
て、太陽電池を構成する透明フィルム基板裏面集積構造
のセルを試作した。その断面構造を図6に示す。なお、
Al下地電極12を保護するために、上記フェノキシ樹
脂をメラミン樹脂で熱硬化した特願平9−320476
の透明性絶縁膜等の透明保護膜や、ラミネート膜をその
下に配置してもよい。
【0107】このようなセルを作製する対策としては、
それぞれの薄膜を形成する際にメタルマスクで覆い、ス
パッタリングや、プラズマCVD法でパターニング成膜
を行い。レーザースクライブやスクリーン印刷によるパ
ターニングは行っていない。
【0108】しかし、このセルも図5に示すように受光
面側から見ると最下層のAl電極の金属光沢による反射
率が高く、十字線が特に目立ち、発電部位とのコントラ
ストがさらに増し、各種文字盤を乗せても隠蔽しきれな
かった。
【0109】従って、Al電極の反射率の高い十字線等
の部位に沿ってPENフィルムの上側(受光側)から実
施例3で使用したカラー絶縁性樹脂組成物1のインキ膜
で覆い隠す(スクリーン印刷パターニング法で)方策
が、文字盤を乗せたときのデザイン性の向上に有効であ
った。
【0110】5)使用した白色系時計文字盤のJIS-
K-7361に準拠した全光線透過率測定は,52.3
%拡散光線透過率は32.5%,ヘイズ値は62.2%
で屋内でソ−ラ−ウオッチとして十分動作保証出来る光
量が確保されていた。
【0111】6)L* * * 値より,発電膜の表面色
とセル色調インキの色差値ΔEを2.0 以内に収め発
電膜以外をこのインキで覆い表面色の均一化を図った太
陽電池にフィルタ−(文字盤)を用いることで、デザイ
ン性でも問題の無いソ−ラ−ウオッチ、携帯性太陽電池
等を得ることが十分可能であることが確認された。 以上の結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】このように、白色を主体とした淡色系の
「時計文字盤」を太陽電池の上層に設けたデザイン性に
厳しい「ソ−ラ−ウオッチ」の例では、太陽電池表面露
出部を電池表面色に出来るだけ近付けた、均一な色調セ
ルを設けた構造で、白色系時計文字盤を介して認識さ
れ、入射太陽光に対する反射色のセルとセル色調インキ
の色差値ΔEをNBS単位で2.0以下の範囲に収める
「インキ」「セル」「フィルタ−(文字盤)」を用いる
ことにより、デザイン性も問題無い「ソ−ラ−ウオッ
チ」を得ることが出来た。
【0114】<実施例2>実施例1において、ラミネー
ションフィルムに代えて下記の組成の樹脂塗膜をセル表
面に施した他は実施例1と同様にして太陽電池モジュー
ルを得た。実施例1と同様にして評価したところ、この
ものにもある程度の色調均一化の効果が得られ、かつ太
陽電池として問題なく動作することが確認できた。
【0115】 樹脂塗膜の組成 OH基含有フッ素樹脂〔旭硝子製:ルミフロンLF200F 水酸基価26(mgKOH/g)〕 20重量部 γ−ブチロラクトン 40重量部 イソホロン 30重量部 消泡剤 (東芝シリコーン製:TSA-720) 3重量部 レベリング剤 (信越シリコーン製:KS-66 ) 1重量部 先ず上記原料中、ルミフロン樹脂をγ−ブチロラクトン
/イソホロンの混合溶剤に完全に溶解し、ジルコニア製
ボ−ルミルにより48時間分散した。次いで、消泡剤、
レベリング剤を添加し更に2時間混合し、下記の熱架橋
反応成分を添加した。
【0116】 メチル化メラミン樹脂(住友化学製:スミマールM−40ST) 4重量部 触媒(ドデシルベンゼンスルホン酸) 0.13重量部 これらを更に20分間混合分散し、透明性、絶縁性を有
し、セル受光面の保護封止に有効な樹脂塗膜組成物を得
た。
【0117】得られた組成物を、スクリーン印刷法によ
り太陽電池セル表面に塗布し、150℃、90分で加熱
硬化させ約20μm 厚の樹脂塗膜とした。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高効率の
発電能力を有し、しかもデザイン的に調和が保たれ、違
和感がなく、デザイン設計の自由度を備えた太陽電池モ
ジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールに使用される太陽
電池セルの一製造工程を示した部分断面図である。
【図2】本発明の太陽電池モジュールに使用される太陽
電池セルの一製造工程を示した部分断面図である。
【図3】本発明の太陽電池モジュールに使用される太陽
電池セルの一製造工程を示した部分断面図である。
【図4】本発明の太陽電池モジュールに使用される太陽
電池セルを示した部分断面図である。
【図5】円形太陽電池の一構成例を示した平面図であ
る。
【図6】本発明の太陽電池セルの他の構成を示した部分
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部電極層 3 シリコン含有層 4 絶縁層 5 透明電極層 6 素子分離層 7 素子分離層 8 配線電極 9 下部引き出し電極 10 スルーホール 10a 開口 11 絶縁性着色膜 21 太陽電池セル 22 光電変換部 23 素子分離部 25,26 取り出し電極部 27,28,29 接続部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光を電気に変換する光電変換部を有
    する太陽電池モジュ−ルの受光面であって、 前記光電変換部はシリコンを有し、 前記光電変換部以外の部位に絶縁性着色膜を有し、この
    絶縁性着色膜は光電変換部との色差を減少させている太
    陽電池モジュ−ル。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性着色膜は、バインダ−中に顔
    料粒子が分散されている請求項1の太陽電池モジュ−
    ル。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性着色膜に分散されている顔料
    粒子として白色微粒子顔料を有する請求項1または2の
    太陽電池モジュ−ル。
  4. 【請求項4】 前記光電変換部は、非単結晶シリコン膜
    である請求項1〜3のいずれかの太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記太陽電池モジュ−ルの受光面の上層
    には拡散透過層を有する請求項1〜4のいずれかの太陽
    電池モジュ−ル。
  6. 【請求項6】 前記拡散透過層を介して認識される絶縁
    性着色膜と光電変換部との色差ΔEが5.0以下である
    請求項5の太陽電池モジュ−ル。
  7. 【請求項7】 さらに前記拡散透過層の上層および/ま
    たは下層に選択反射層を有する請求項5または6の太陽
    電池モジュ−ル。
  8. 【請求項8】 前記拡散透過層は、可視光線の全光線透
    過率が20%以上、ヘイズが8%以上である請求項5〜
    7のいずれかの太陽電池モジュ−ル。
  9. 【請求項9】 前記光電変換部は、透明性導電膜を有す
    る請求項1〜8のいずれかの太陽電池モジュール。
  10. 【請求項10】 透光性および耐熱性を有する樹脂、ガ
    ラス、およびステンレスのいずれかの基材を有する請求
    項1〜9のいずれかの太陽電池モジュール。
  11. 【請求項11】 透光性および耐熱性を有する樹脂、ガ
    ラス、およびステンレスのいずれかの基材の少なくとも
    一方の面に、 熱硬化性樹脂を含有する緩衝接着層を有するホットメル
    ト材がラミネートされている請求項1〜10のいずれか
    の太陽電池モジュール。
  12. 【請求項12】 前記基材および/または前記緩衝接着
    層には紫外線吸収剤を含有するか表面に局在している請
    求項11の太陽電池モジュール。
  13. 【請求項13】 前記緩衝接着層は有機過酸化物を含有
    する請求項11または12の太陽電池モジュール。
  14. 【請求項14】 ホットメルト材の基材フィルムは、熱
    圧着前の基材のガラス転移点が65℃以上であるか、耐
    熱温度が80℃以上である請求項11〜13のいずれか
    の太陽電池モジュール。
  15. 【請求項15】 前記ホットメルト材の基材フィルム
    は、熱圧着前の基材の分子配向度(MOR)値が1.0
    〜3.0である請求項11〜14のいずれかの太陽電池
    モジュール。
  16. 【請求項16】 前記有機過酸化物は、熱圧着前での半
    減期10時間の分解温度が70℃以上である請求項11
    〜15のいずれかの太陽電池モジュール
  17. 【請求項17】 前記光電変換部上に透光性、耐熱性を
    有する保護コーティング膜を有する請求項1〜16のい
    ずれかの太陽電池モジュール
  18. 【請求項18】 前記保護コーティング膜上に更に前記
    請求項11〜17のいずれかのホットメルト材層を有す
    る太陽電池モジュール。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかの太陽電池
    モジュールを有する時計。
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