JP2016072506A - 太陽電池モジュール用の裏面保護シート - Google Patents

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安広 飯泉
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Abstract

【課題】意匠性にかかる需要者の要求を満たすために、暗色の外観を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートでありながら、近赤外線の吸収による発電効率の低下を引き起こすことがなく、太陽電池モジュールの発電効率の向上にも寄与しうる太陽電池モジュール用の裏面保護シートを提供すること。【解決手段】波長400nm以上750nm未満の可視光を吸収して、吸収光よりも波長の長い可視光を発光する複数種のA種波長変換剤と、可視光を吸収して波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を発光するB種波長変換剤と、からなる波長変換剤群を含有する暗色層11を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シート1とする。【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の裏面保護シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、封止材シート、太陽電池素子、封止材シート及び裏面保護シートが順に積層された構成であり、太陽光が上記太陽電池素子に入射することにより発電する機能を有している。
太陽電池モジュールに対して、意匠性の観点から裏面保護シートの外観を暗色にしたものが求められる場合がある。外観を暗色にするための方法としては、カーボンブラックを含む黒色顔料層を最外層に設ける方法が一般的である。
しかし、これらの黒色顔料層は、可視光のみならず近赤外線をも吸収してしまう。ここで近赤外線は、可視光域外であるため意匠性には影響しない。ところがその一方で、近赤外線は太陽電池モジュールにおける発電に十分に寄与しうる波長域の光でもある。つまり黒色顔料層によって近赤外線が吸収されてしまうことは、発電に寄与しうる光量の減少となり直接的に発電効率の低下の原因となる。加えて、近赤外線の吸収によるモジュール内の温度上昇は太陽電池素子の発電能力の低下の原因となる。
そこで、黒色顔料層における蓄熱を抑制し、更に、反射光を太陽電池素子に入射させて、発電効率を向上させるために、赤外線透過性を有する顔料を樹脂に練り込んだ黒色系樹脂層と赤外線反射性とを有する白色系樹脂層と、耐候性を有する裏面保護層等を備え、これらの複数の層を接着剤等で接着して製造する太陽電池モジュール用の裏面保護シートが開発されている。(特許文献1)。
このような太陽電池モジュール用裏面保護シートにおいては、異なる特性を有する複数の層を積層して製造する必要があるため、各層間の接着性及び接着耐久性については、更なる改善が求められていた。又、必須工程、及び必須部材が多いことにより、従来の裏面保護シートよりも、コストが高くなることについても、更なる改善の余地があった。
可視光領域の大部分の波長域の光を吸収することによって、外観の暗色性を保ち、且つ、近赤外線は吸収せずに発電に寄与させることができる暗色層は存在しなかった。よって、暗色の外観の保持という意匠性の要求に応じるためには、特許文献1に記載の裏面保護シートのように、追加コストを投じて他の構成部材による発電効率の引き上げ手段を追加しない限り、ある程度の発電効率の低下は甘受せざるを得ないというのが実情であった。簡易な構成で意匠性と発電効率の向上を両立可能な裏面保護シートの更なる開発が望まれていた。
特開2010−199555号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、意匠性にかかる需要者の要求を満たすために、暗色の外観を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートでありながら、近赤外線の吸収による発電効率の低下を引き起こすことがなく、太陽電池モジュールの発電効率の向上にも寄与しうる太陽電池モジュール用の裏面保護シートを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、太陽電池モジュール用の裏面保護シートを、本願特有の特定の吸光波長域及び発光波長域にかかる条件を満たした一群の波長変換剤群を含有する暗色層を備えるものとすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 少なくともいずれか一方の表面に暗色層を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、前記暗色層は、吸光波長域が互いに異なる複数の波長変換剤からなる一群の波長変換剤群を含有し、前記波長変換剤群は、波長400nm以上750nm未満の可視光を吸収して、吸収光よりも波長の長い前記可視光を発光する複数種のA種波長変換剤と、前記可視光を吸収して波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を発光するB種波長変換剤と、を少なくとも含み、前記A種波長変換剤は、全ての前記A種波長変換剤を、その吸光波長域のピークが短い順に順位付けした場合において、第n番目(nは自然数)の波長変換剤の発光波長域の長波長側の一部と、第n+1番目の波長変換剤の吸光波長域の短波長側の一部が常に重複しており、前記B種波長変換剤は、その発光波長域のピークが最も可視光波長域寄りにある波長変換剤の吸光波長域が、前記A種波長変換剤のうち、その吸光波長域のピークが最も赤外線波長域寄りにある波長変換剤の発光波長域と、重複している裏面保護シート。
(2) 前記波長変換剤群のうちのいずれかの波長変換剤がカバーする吸光波長域が、前記可視光波長域のうちの95%以上に及んでいる(1)に記載の裏面保護シート。
(3) 前暗色層中の前記一群の波長変換剤群の総含有量が、0.3質量%以上30.0質量%以下である(1)又は(2)に記載の裏面保護シート。
(4) 可視光及び/又は近赤外線を反射する反射層が、前記暗色層のいずれか一方の面に直接又は他の透明層を介して積層されている(1)から(3)のいずれかに記載の裏面保護シート。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の裏面保護シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、前記裏面保護シートが前記太陽電池素子の非受光面側に配置されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、暗色の外観を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートでありながら、近赤外線の吸収による発電効率の低下を引き起こすことがなく、太陽電池モジュールの発電効率の向上にも寄与しうる太陽電池モジュール用の裏面保護シートを提供することができる。
本発明の裏面保護シートの層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の裏面保護シートの可視光吸収機能と近赤外線発光機能の作用の説明に供する本発明の裏面保護シートの断面の拡大模式図である。 本発明の裏面保護シートの含有される複数の波長変換剤による可視光の吸収と近赤外線の発光の機構についての説明に供する概念図である。 本発明の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の裏面保護シート(以下、単に「裏面保護シート」とも言う。)について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュール>
先ず、本発明の裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールの基本構成について説明する。図4は、そのような太陽電池モジュールの一例である太陽電池モジュール10の層構成を示す断面の模式図である。太陽電池モジュール10は、図4に示すように入射光Laの受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート2、裏面保護シート1が順次積層された構成である。本発明の裏面保護シートはこのように太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置されることが原則である。但し、裏面保護シート上の非受光面側の最外層に更に放熱構造体等の他の部材が積層されていてもよい。太陽電池モジュール10は、これらを順次積層して、例えば、真空熱ラミネート加工により加熱圧着して一体化する方法によって製造することができる。この際のラミネート温度は、130℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。
太陽電池モジュール10においては後に詳細を説明する本発明の裏面保護シート1の特異な波長変換作用により、太陽電池モジュールに入射する可視光Laの吸収と近赤外線Lbの発光が引き起こされる。図4に示す通り、太陽電池モジュール10へ入射する可視光Laのうち、裏面保護シート1に達した可視光は、この波長変換作用により近赤外線Lbに変換され、そして裏面保護シートから発光された近赤外線Lbは、太陽電池モジュール10内を進行及び反射して、太陽電池素子3に入射することにより太陽電池モジュール10の発電効率に寄与することができる。
<裏面保護シート>
本発明の裏面保護シートを、図1から図3を用いて説明する。本発明の裏面保護シート1は、暗色層11側の表面が暗色の外観を有する樹脂シートである。裏面保護シート1は、そのような暗色の外観を呈するものとするために、少なくともいずれか一方の表面に暗色層11を備える。
暗色層11は、例えば、裏面保護シートを形成する基材フィルム中の材料組成物に、本願特有の波長変換剤の組合せからなる波長変換剤群を練り込み、これを公知のフィルム成形方法によって成形することにより得ることができる。この方法では、先ず、オレフィン系やフッ素系等の基材樹脂を主成分とし、これに、上記の一群の波長変換剤群を添加し、更に、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、十分に混練して上記の材料樹脂組成物を調整する。そして調整した上記材料樹脂組成物を使用して、押し出し法、Tダイ法、キャスト成形法、インフレーション法、その他等のフィルム成形法等の従来公知の方法によって形成することができる。
このようにして得ることができる暗色層11は、可視光を吸収するものであるため、黒色或いは黒色に類似する暗色の外観を呈するもとのなる。そして外観がそのような暗色でありながら、近赤外線は吸収せず、吸収した可視光を近赤外域に波長変換して、近赤外線を発光することができる。これにより、暗色の外観を有する裏面保護シートでありながら、近赤外線の吸収による太陽電池モジュールの温度上昇を抑え、尚且つ、近赤外線を発光して、太陽電池モジュールの発電効率の向上に寄与することができる。
ここで、近赤外線とは、赤外線領域の内、もっとも可視光領域に近い領域であるが、その詳しい波長域は文献によっても値が様々である。本明細書においては、750nm以上1500nm以下の波長域の電磁波を近赤外線と言うものとする。その内、特に蓄熱を促進する波長は1000nm以上1500nm以下程度である。暗色層11は、可視光を吸収することによって暗色の外観を呈するものでありながら、上記波長範囲の紫外線の吸収による基材の蓄熱とそれに伴う太陽電池モジュール内の過度の温度上昇を抑えて、太陽電池素子の発電効率の低下を防ぐことができる。
又、太陽電離モジュールの発電効率向上への寄与が特に大きい波長は、一般に、600nm以上1000nm以下程度である。暗色層11は、可視光を吸収することによって暗色の外観を呈するものでありながら、発電への寄与度が高い波長1000nm以下程度の近赤外線を発光する機能を有する。これにより、入射光の利用率を高めて太陽電池モジュールの発電効率の向上に寄与することができる。
図1に示す通り、暗色層11は、裏面保護シート1の少なくともいずれか一方の最表面に形成されている。尚、暗色の意匠性が裏面保護シートの両面に要求される場合には、裏面保護シートを単層の暗色層11からなるものとするか、或いは、両最表面に、それぞれ暗色層11を配置した多層の裏面保護シートとすることで、本発明の裏面保護シートとすることができる。又、暗色層11は、必ずしも裏面保護シートの最表面に露出していることが必須ではない。必要に応じて、少なくともいずれか一方の表面から視認可能な態様で配置されていればよい。例えば、暗色の外観による意匠性と、近赤外線の発光という本発明の効果を妨げない範囲で、例えば、全光線を透過可能な透明樹脂層を暗色層上に更に積層した裏面保護シートであっても当然に本発明の範囲内である。
従来、裏面保護シートに意匠性にかかる要求から暗色系の外観が要求される場合には、従来、カーボンブラック、或いは、ピロール系、ペリレン系、ジオキサン系等の有機系顔料等、暗色系の有色顔料を含んでなる暗色層を、裏面保護シートのいずれかの層に配置することが必須であった。これに対し、本発明の裏面保護シート1は、従来の暗色系の裏面保護シートとは全く異なり、上記のような着色を目的として添加される暗色の有色顔料を含有しないものとし、これに代えて、本発明者らの独自の知見に基づいて選択された一群の波長変換剤群を用いることによって、暗色の外観を呈するものとしたものである。この特異な組成によって暗色の外観を呈するという意匠性に係る要求を満たしながら、同時に発電効率の向上に寄与する近赤外線を吸収せずに、そればかりではなく、大部分の可視光を近赤外線に波長変化して発光することにより、太陽電池モジュールの発電効率の向上に寄与することができる裏面保護シートとしたものである。
尚、ここで、上記の裏面保護シート1の暗色層11に含有されない有色顔料とは、樹脂基材の着色を目的として樹脂組成物に添加して用いられるものであって、少なくとも以下のものを含む有機系及び無機系の有色の添加材である。但し、波長変換機能を有するものはこれらに含めないものとする。暗色系の有色顔料の具体例としては、カーボンブラックの他、ピロール系、キナクリドン系、アゾ系、ペリレン系、ジオキサン系、イソインドリノン系、インダスレン系、キノフタロン系、ペリノン系、フタロシアニン系、オキサジン系、オキサゾール系、イミダゾール系、ベンゾイミダゾール系、ローダミン系、ジケトピロロピロール系、インジコ系、多環芳香族系、トリアゾール系、トリアジン系等の有機系顔料、或いは、Al、Mg、Ir、Pt等の常磁性金属を含有するキレート錯体及び有機金属錯体、或いは、酸化鉄、カドミウムレッド、チタンイエロー、カドミウムイエロー、群青、紺青、コバルトブルー、コバルトグリーン、セルリアンブルー等の無機系顔料が挙げられる。又、その他の無機化合物では、ZnO:Zn(緑)、ZnGa2O4(青)、ZnS:Ag,Cl(青)、ZnS:Ag,Al(青)、ZnS〔Zn〕(青)、ZnS:Cu,Al(緑)、(Zn、Cd)S:Ag系(Cdの含有量により蛍光色が黄〜赤色になるもの)を挙げることができる。
このような裏面保護シート1の意匠性について、より具体的には、裏面保護シート1の暗色層11の色調は、JISZ8722に準拠し、標準光源D65によるCIE色座標において、−2≦a≦3且つ−3≦b≦1の範囲とすることができる。暗色系の有色顔料を含有しないものでありながら、このような意匠性を実現した裏面保護シートは従来存在しない。
尚、裏面保護シート1は、図1に示す通り、更に、反射層12が暗色層11のいずれか一方の面に積層されているものであってもよい。反射層12は、少なくとも近赤外線を反射するものであればよく特に限定されない。反射層12の具体的な例としては、酸化チタン等の白色顔料を含んでなる白色の樹脂層や、表面にアルミニウム等を蒸着した金属蒸着膜等を挙げることができる。この反射層12は、暗色層11の表面に直接積層されていてもよく、或いは、他の透明な樹脂基材層や透明な接着材層等を介して積層されていてもよい。
[暗色層]
次に暗色層11の詳細について説明する。暗色層11は、吸光波長域が互いに異なる複数の波長変換剤からなる一群の波長変換剤群を含有する機能層である。この波長変換剤群は、波長400nm以上750nm未満の可視光を吸収して、吸収光よりも波長の長い可視光を発光する波長変換剤と、可視光を吸収して波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を発光する波長変換剤とを少なくとも含んで構成される。本明細書においては、前者の「波長400nm以上750nm未満の可視光を吸収して、吸収光よりも波長の長い可視光を発光する波長変換剤」のことをA種波長変換剤と定義する。又、後者の「可視光を吸収して波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を発光する波長変換剤」をB種波長変換剤と定義する。
図2は、暗色層11における本発明独自の波長変換作用、即ち、吸光と発光の作用とを説明するために、A種波長変換剤111Aと、B種波長変換剤111Bとからなる一群の波長変換剤群による、可視光Laの吸光と近赤外線Lbの発光の態様を、模式的に示した裏面保護シート1の断面の拡大模式図である。
図2に示す通り、暗色層11は、波長400nm以上750nm未満の可視光Laを吸収して、当該吸収光よりも波長の長い可視光La’を発光するA種波長変換剤111Aを含有するため、これらのA種波長変換剤111Aに吸収された可視光Laは、それぞれより波長の長い可視光La’に変換されて発光される。
ここで、図3の概念図に示す通り、暗色層11に含有される複数のA種波長変換剤111Aは、全てのA種波長変換剤を、その吸光波長域のピークが短い順に順位付けした場合において、第n番目(nは自然数)の波長変換剤の発光波長域の長波長側の一部と、第n+1番目の波長変換剤の吸光波長域の短波長側の一部が常に重複している。よって、第n番目のA種波長変換剤の吸光波長域(111A−1)において吸収されて、その発光波長域(111A−1’)において発光されたより波長の長い可視光は、第n+1番目のA種波長変換剤の吸光波長域(111A−2)において吸収される。第n+1番目のA種波長変換剤からは、その発光波長域(111A−2’)において、更に波長の長い可視光La’が発光される。このエネルギーの連続的な移動により、複数のA種波長変換剤111Aの吸光波長域内にある可視光Laは、全て、近赤外線寄りの波長の高い可視光に変換される。
一方、暗色層11に含有されるB種波長変換剤111Bは、その発光波長域のピークが最も可視光波長域寄りにある波長変換剤の吸光波長域(111B−1)が、A種波長変換剤111Aのうち、その吸光波長域のピークが最も赤外線波長域寄りにある波長変換剤の発光波長域と重複している。よって、上記の複数のA種波長変換剤111Aの連鎖的な波長変換作用により、近赤外線寄りの波長に変換された可視光Laは、B種波長変換剤111Bに吸収され、近赤外線Lbに波長変換されて発光される。
暗色層11では、上記の通り、A種波長変換剤111Aと、B種波長変換剤111Bとからなる一群の波長変換剤群による一連の作用により、可視光Laの吸光と近赤外線Lbの発光が引き起こされる。
暗色層11においては、図3に示す波長変換剤群のうちのいずれかの波長変換剤がカバーする吸光波長域のうち、可視光波長域内での吸光波長域(W+W+W)が、可視光波長域(W)のうちの95%以上、より好ましくは、100%を占めるように構成されていることが好ましい。一群の波長変換剤群をこのように構成することにより、暗色層11における可視光の吸収を大部分の可視光域において行うことができ、これにより、暗色系の裏面保護シート1に十分に好ましい意匠性を付与することができる。具体的には、裏面保護シート1は、暗色層11において上記の吸光波長域を備える波長変換剤群を含有することによって、その色調を、上述した好ましい色調範囲、即ち、JISZ8722に準拠し、標準光源D65によるCIE色座標において、−2≦a≦3且つ−3≦b≦1の範囲とすることができる。
(波長変換剤群)
裏面保護シート1の暗色層11に用いる波長変換剤群を構成するA種波長変換剤の組合せとしては、上記の各波長域に係る条件を満たす組合せであればよく、特に限定されない。A種波長変換剤の組合せの好ましい一例としては、例えば、下記表1に示す(A−1)〜(A−4)の波長変換剤の組合せを例示することができる。下記表1の組合せとすることにより、上述の好ましい各波長域に係る組合せの条件を満たすことができる。
裏面保護シート1の暗色層11に用いる波長変換剤群を構成するB種波長変換剤としても、上記の各波長域に係る条件を満たすものであればよく、特に限定されない。B種波長変換剤の好ましい一例としては、例えば、下記表1に示す(B−1)の波長変換剤を例示することができる。
Figure 2016072506
A種波長変換剤として上記表1に示す(A−1)から(A−4)を用い、又、B種波長変換剤として、上記(B−1)を用いた場合には、暗色層11において一群の波長変換剤群がカバーする吸光波長域を可視光波長域のうちの100%に及ぶものとすることができる。
尚、一群の波長変換剤群の暗色層11への添加量は、暗色層11の樹脂成分に対して、0.3質量%以上30.0質量%以下、好ましくは、1.0質量%以上15.0質量%以下である。この範囲で、各材料の発光強度や量子収率、又、暗色層11の厚み等に応じて適宜最適な量を添加すればよい。波長変換剤群の添加量が0.3質量%より少ないと、十分に波長変換することができないため、太陽電池モジュールの発電効率を十分に増大させることはできない。一方、波長変換剤群の添加量が、30.0質量%より多いと、波長変換剤の最外層への浸出とブリードアウトによる裏面保護シート1の密着機能等の劣化を十分に回避することができなくなる場合があるため好ましくない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<裏面保護シートの製造>
基材層として、厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET、帝人デュポンフィルム(株)製:メリネックスS)を用い、基材層の表面に、暗色層として乾燥膜厚3μmの暗色接着剤層をグラビアコートによって形成し、更に暗色層上に、透明ポリエチレンフィルム(厚さ60μm)を積層して実施例、比較例の裏面保護シートを作成した。
(実施例)
実施例においては、暗色接着剤として、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂又はそれらの混合樹脂からなる主剤に、表1の各波長変換剤A−1〜4及びB−1からなる波長変換群を、各波長変換剤の暗色接着剤の乾燥硬化後における暗色接着剤層中の含有量が以下の割合となるように調整した黒色接着剤を用いた。
A−1が1質量%、A−2が1質量%、A−3が2質量%、A−4が3質量%、B−1が4質量%、波長変換剤群としての総含有量が、11質量%。
(比較例)
実施例の波長変換剤群に代えて、同量のカーボンブラックを添加した暗色接着剤を用いた。
<太陽電池モジュールの製造>
180mm□の白板半強化ガラス(AGCファブリテック(株)製:3KWE33)、受光面側封止材シート(EVA:450μm、商品名:MLCE−62−T、シーアイ化成社製)、T−SEC製単結晶セル(TSS63TN)、非受光面側封止材シート(受光面側封止材シートと同一)、及び、上記実施例又は各比較例の裏面保護シートを順次積層し、真空ラミネータを用いて減圧下で加熱して融着一体化し、実施例、各比較例の評価用太陽電池モジュールサンプルを作製した。
<評価例>
上記の実施例及び比較例の評価用太陽電池モジュールについて、ソーラーシュミレータ(英弘精機株式会社製EWXS−300S−50)を用いてPV特性を測定評価した。測定は、セル裏面温度25℃、照度100mW/cmの条件で行った。結果を表2に示す。
Figure 2016072506
表2から、汎用的な黒色顔料であるカーボンブラックが含有された比較例の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールに対して、本発明の裏面保護シートを用いた太陽電池モジュールは、4%程度発電効率が向上していることが分かる。
以上より、本発明の裏面保護シートは、有色顔料により暗色層を構成した従来の裏面保護シートと、概ね同等の意匠性を有し、尚且つ、太陽電池モジュールの発電効率の向上については、従来品よりも優れた寄与を行えるものであることが分かる。
1 裏面保護シート
11 暗色層
12 反射層
111A A種波長変換剤
111B B種波長変換剤
2 非受光面側封止材シート
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
10 太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 少なくともいずれか一方の表面に暗色層を有する太陽電池モジュール用の裏面保護シートであって、
    前記暗色層は、吸光波長域が互いに異なる複数の波長変換剤からなる一群の波長変換剤群を含有し、前記波長変換剤群は、波長400nm以上750nm未満の可視光を吸収して、吸収光よりも波長の長い前記可視光を発光する複数種のA種波長変換剤と、
    前記可視光を吸収して波長750nm以上1500nm以下の近赤外線を発光するB種波長変換剤と、を少なくとも含み、
    前記A種波長変換剤は、全ての前記A種波長変換剤を、その吸光波長域のピークが短い順に順位付けした場合において、第n番目(nは自然数)の波長変換剤の発光波長域の長波長側の一部と、第n+1番目の波長変換剤の吸光波長域の短波長側の一部が常に重複しており、
    前記B種波長変換剤は、その発光波長域のピークが最も可視光波長域寄りにある波長変換剤の吸光波長域が、前記A種波長変換剤のうち、その吸光波長域のピークが最も赤外線波長域寄りにある波長変換剤の発光波長域と、重複している裏面保護シート。
  2. 前記波長変換剤群のうちのいずれかの波長変換剤がカバーする吸光波長域が、前記可視光波長域のうちの95%以上に及んでいる請求項1に記載の裏面保護シート。
  3. 前暗色層中の前記一群の波長変換剤群の総含有量が、0.3質量%以上30.0質量%以下である請求項1又は2に記載の裏面保護シート。
  4. 可視光及び/又は近赤外線を反射する反射層が、前記暗色層のいずれか一方の面に直接又は他の透明層を介して積層されている請求項1から3のいずれかに記載の裏面保護シート。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の裏面保護シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、
    前記裏面保護シートが前記太陽電池素子の非受光面側に配置されている太陽電池モジュール。
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