JP2019109375A - 偏光素子、偏光素子の製造方法 - Google Patents

偏光素子、偏光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐湿信頼性に優れ、高い生産性を実現可能な偏光素子および偏光素子の製造方法を提供すること。【解決手段】偏光素子10は、透光性の基板1と、基板1の一方の表面に、所定の間隔をおいて一方向に並ぶ金属からなるグリッド2と、上記一方の表面の第1の領域11よりも外側であって、基板1の外縁に沿った第2の領域12のグリッド2を覆う金属膜4と、を備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、偏光素子、偏光素子の製造方法に関する。
従来、例えば、特許文献1に記載されているように、ウェハ基板の一面全面に形成された下地膜にグリッドを形成すると共に、ウェハ基板の周縁部にグリッドを形成しない非形成領域を形成し、グリッド及び非形成領域を保護膜で被覆する偏光板の製造方法が知られていた。
特許文献1の偏光板の製造方法によれば、ウェハ基板の周縁部にグリッドを形成しない非形成領域を形成するため、周縁部を被覆する保護膜に破壊が生じた場合にも、高温や高湿度環境下においてグリッドが劣化しないとしている。つまり、高温や高湿度環境下においても、高い信頼性を有する偏光板を製造することができるとしている。
特開2015‐180975公報
しかしながら、特許文献1に記載の偏光板の製造方法では、グリッドと非形成領域とを同時に形成することから、当該偏光板を適用する製品(機種)のサイズに応じて、グリッドと非形成領域とを形成する必要がある。言い換えれば、グリッドを形成する段階で個別の製品管理が求められるので、部品としての偏光板の製造プロセスにおける工程の製品間の共通化が阻害され、生産性を向上させることが困難となるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る偏光素子は、透光性の基板と、基板の一方の表面に、所定の間隔をおいて一方向に並ぶ金属からなるグリッドと、一方の表面の第1の領域よりも外側であって、基板の外縁に沿った第2の領域のグリッドを覆う金属膜と、を備えたことを特徴とする。
高温や高湿度環境下における金属からなるグリッドの劣化によって引き起こされる不良モードを、以降、腐食と称する。本適用例によれば、第2の領域では、グリッドを覆う金属膜が腐食の起点となることから、腐食の進行が有効領域である第1の領域に到達するまでに時間が掛かる。したがって、腐食反応の進行が飽和することに十分な量の金属膜を第1の領域よりも外側の第2の領域に設けることで、グリッドの腐食を大幅に遅延させることができる。加えて、第2の領域にはグリッドが形成されていることから、上述した特許文献1のように、グリッドと同時に非形成領域を形成する場合に比べて、偏光素子の製造プロセスにおける工程の製品間の共通化を図ることができる。つまり、耐腐食性を向上させると共に、高い生産性を実現可能な偏光素子を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の偏光素子は、グリッドを被覆する酸化膜を有することが好ましい。
本適用例によれば、酸化膜でグリッドを覆うことにより、腐食の原因物質がグリッドへ到達することをさらに防ぐことができる。したがって、耐腐食性をさらに向上させることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の偏光素子において、金属膜は、第2の領域において、グリッドの隙間を埋めるように設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、金属膜でグリッドの隙間を埋めることにより、腐食反応に費やされる金属原子を多く設けることができ、結果としてグリッドの腐食を確実に遅延させることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の偏光素子において、金属膜は、グリッドよりもイオン化傾向が大きい金属からなることが好ましい。
本適用例によれば、グリッドよりもイオン化傾向が大きい金属膜を設けることで、グリッドよりも優先して金属膜が腐食しやすくなり、グリッドの腐食を遅延させることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の偏光素子は、第1の領域では、グリッドを覆い、第2の領域では、金属膜を覆う保護膜を有することが好ましい。
本適用例によれば、第1の領域のグリッドにも保護膜を付与することによって、第2の領域以外でも耐腐食性を付与することができる。
[適用例6]上記適用例に記載の偏光素子において、保護膜は、透光性の無機膜であることが好ましい。
本適用例によれば、保護膜として透光性の無機膜を第1の領域に形成することで、偏光の反射率や透過率といった光学特性の悪化を少なくすることに加え、腐食がグリッドまで進行することを遅延させる効果を得ることができる。
[適用例7]上記適用例に記載の偏光素子において、保護膜は、撥水性の有機膜であることが好ましい。
本適用例によれば、保護膜として撥水性の有機膜を付与することにより、腐食の原因物質を媒介する水の付着を抑え、グリッドの腐食を遅延させることができる。
[適用例8]上記適用例に記載の偏光素子において、保護膜は、透光性の無機膜と、無機膜に積層された撥水性の有機膜とを含むことが好ましい。
本適用例によれば、無機膜と有機膜とを積層することで、グリッドの腐食の進行と水の付着の両方を防ぐことができ、更なる腐食遅延効果を得ることができる。
[適用例9]上記適用例に記載の偏光素子において、グリッドは、一方向に並ぶ細線部と、細線部の頂部に設けられた光吸収性の吸収層とを含むことが好ましい。
本適用例によれば、細線部の頂部に吸収層を設けることによって、グリッドを透過しない偏光を吸収層によって吸収する効果を得ることができる。すなわち、優れた光学特性を有する偏光素子を提供できる。
[適用例10]本適用例に係る偏光素子の製造方法は、複数の基板が面付けされる透光性のマザー基板の一方の表面に第1の金属膜と、光吸収性の吸収層とを積層する工程と、第1の金属膜と吸収層とを一括パターニングして、所定の間隔で一方向に並ぶ細線部と吸収層とを含むグリッドを形成する工程と、マザー基板の複数の基板ごとに、基板の第1の領域よりも外側であって、基板の外縁に沿った第2の領域のグリッドを覆う第2の金属膜を形成する工程と、マザー基板を分割して基板を取り出す工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、腐食反応の進行が飽和することに十分な量の第2の金属膜を第2の領域に形成することで、グリッドの腐食を大幅に遅延させることができる。第1の金属膜の成膜から第2の金属膜を形成するまでのプロセスをマザー基板上で行うことができるので、単品の基板を用いて加工する場合に比べて、製造コストを抑えて偏光素子を製造することができる。加えて、細線部には吸収層が積層されているので、金属からなる細線部で反射した偏光を吸収層で吸収させることができるので、優れた光学特性を有する偏光素子を製造することができる。
[適用例11]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法において、第2の金属膜を形成する工程は、第2の領域に対応した開口部を有するマスクをマザー基板に対向配置して、気相成長法により第2の金属膜を形成することが好ましい。
本適用例によれば、マザー基板にマスクを介して気相成長法により第2の金属膜を成膜するので、レジストでマスキングする場合に比べて、グリッドの損傷を防ぐことができる。
[適用例12]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法は、酸素を含む雰囲気下でマザー基板を加熱する工程を含むことが好ましい。
本適用例によれば、酸素を含む雰囲気下でマザー基板を加熱することにより、グリッドおよび吸収層に酸化膜を形成でき、酸化膜により腐食物質がグリッドに到達することを遅延させることによってグリッドの耐腐食性を向上できる。
[適用例13]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法は、同じ金属材料を用いて、第1の金属膜と第2の金属膜とを形成することが好ましい。
本適用例によれば、同じ金属材料を用いることで、第1の金属膜及び第2の金属膜においてそれぞれの腐食する速さを揃えることができ、第1の金属膜が優先して腐食することを防ぐことができる。
[適用例14]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法は、第1の金属膜に比べてイオン化傾向が大きい金属材料を用いて第2の金属膜を形成することが好ましい。
本適用例によれば、イオン化傾向が大きい金属材料を用いて第2の金属膜を形成することで、第2の金属膜を優先的に腐食させることができ、第1の金属膜の腐食を遅延させることができる。
[適用例15]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法は、マザー基板から基板を取り出す工程の前に、第1の領域では、グリッドを覆い、第2の領域では、第2の金属膜を覆う保護膜を形成する工程を有することが好ましい。
本適用例によれば、保護膜の付与によって耐腐食性を確実に向上させることに加え、マザー基板から基板を取り出す前に保護膜の形成を行うことで、マザー基板の割断後の製造プロセスを少なくすることができ、製造コストを削減することができる。
[適用例16]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法において、保護膜を形成する工程は、透光性の無機膜を形成することが好ましい。
本適用例によれば、保護膜として透光性の無機膜を第1の領域に形成することで、偏光の反射率や透過率といった光学特性の悪化を少なくすることに加え、腐食がグリッドまで進行することを遅延させる効果を得ることができる。
[適用例17]上記適用例に記載の偏光素子の製造方法において、保護膜を形成する工程は、撥水性の有機膜を形成することが好ましい。
本適用例によれば、保護膜として撥水性の有機膜を付与することにより、腐食の原因物質を媒介する水の付着を抑え、グリッドの腐食を遅延させることができる。
[適用例18]上記適用例に記載の偏光素子は、保護膜を形成する工程として透光性の無機膜を形成する工程と、無機膜に積層して撥水性の有機膜を形成する工程とを含むことが好ましい。
本適用例によれば、無機膜と有機膜とを積層することで、グリッドの腐食の進行と水の付着の両方を防ぐことができ、更なる腐食遅延効果を得ることができる。
実施形態1における偏光素子の構成を示す概略平面図。 実施形態1の偏光素子の構造を示す概略断面図。 実施形態1の無機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図。 実施形態1の有機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図。 実施形態1の偏光素子の製造方法を示すフローチャート。 図5における製造工程のステップS1を示す断面図。 図5における製造工程のステップS2を示す断面図。 図5における製造工程のステップS3のレジストパターニングを示す断面図。 図5における製造工程のステップS3のドライエッチングを示す断面図。 図5における製造工程のステップS4を示す断面図。 図5における製造工程のステップS4後のマザー基板を示す平面図。 図5における製造工程のステップS4での金属膜を示す断面図。 実施形態2の偏光素子の構造を示す概略断面図。 実施形態2の無機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図。 実施形態2の有機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図。 変形例1における偏光素子の構成を示す概略平面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<偏光素子>
まず、本実施形態の偏光素子について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、実施形態1の偏光素子の構成を示す概略平面図である。図2は、図1のA−A’線に沿った偏光素子の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の偏光素子10は、複数のグリッド2が設けられた平面視で四角形の第1の領域11と、第1の領域11の外側を囲むように金属膜4が設けられた第2の領域12とを有している。図2に示すように、偏光素子10の断面に着目すると、偏光素子10は、透光性の基板1を有し、第1の領域11及び第2の領域12において、複数のグリッド2は基板1の一方の表面に設けられ、一方向に間隔を置いて並んでいる。第2の領域12では、金属膜4は、複数のグリッド2を覆うように設けられている。
グリッド2は、グリッド形状に加工された金属からなる細線部2Aと、細線部2Aの頂部に設けられた光吸収性の吸収層2Bとの積層構造からなり、第1の領域11におけるグリッド2の表面および隣り合うグリッド2間の基板1の表面には保護膜9が設けられている。また、第2の領域12では、複数のグリッド2を被覆する金属膜4の表面を覆うように保護膜9が設けられている。本実施形態の保護膜9は、透光性の無機膜6と、撥水性の有機膜7とが積層されたものである。
偏光素子10は、所謂ワイヤーグリッド(WG)構造を有する偏光板である。以降、偏光素子10を構成する各部について説明する。
基板1はガラスや石英、プラスチック等の透光性基材を用いる。
グリッド2は金属の薄膜を上記一方向と交差する方向に沿って加工することによって得られた複数の細線状の構造をとった細線部2Aと、細線部2Aの頂部に設けられた吸収層2Bとを含む構造のことを指す。
グリッド2は可視光の波長よりも短い周期で均等な間隔で配列されており、これら複数の細線状の構造により第1の領域11および第2の領域12にワイヤーグリッド型の偏光層が形成されている。例えば、グリッド2の間隔は、70nm程度であり、グリッド2の幅は20nmから60nm、基板面からのグリッド2の高さは35nm〜260nmである。第1の領域11は、グリッド2の延在方向と直交する方向に振動する直線偏光を透過させ、グリッド2の延在方向に振動する直線偏光を反射する反射型の偏光層である。
細線部2Aの材料としては、可視光波長域において光の反射率が高い金属を用いることが好ましい。具体的には、例えばアルミニウム、銀、銅、クロム、チタン、ニッケル、タングステン、鉄などを用いることができる。本実施形態では細線部2Aの材料としてアルミニウムを用いている。
吸収層2Bは、可視領域において、光の吸収率が細線部2Aの表面の光吸収率よりも高い、例えば、シリコン、ゲルマニウム、タンタル等の金属を用いることが好ましく、当該金属の酸化物や窒化物などにより形成してもよい。本実施形態では、吸収層2Bの材料としてシリコンを用いている。細線部2Aの頂部に吸収層2Bを設けることにより、細線部2Aで反射する迷光(直線偏光)を吸収層2Bで吸収させ、優れた光学特性を有する偏光素子10を実現できる。
以降、グリッド2が均等な間隔で配列する一方向をX方向とし、X方向に直交し、グリッド2の延在方向をY方向として説明する。また、偏光素子10を保護膜9側から見ることを「平面視」あるいは「平面的に」と表現して説明する。
保護膜9を構成する無機膜6は、無機化合物である、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム等を材料として用いることができる。同じく保護膜9を構成する有機膜7は、成膜後に撥水性を示す有機化合物である、R−SiX3で表される有機シラン系カップリング剤や、R―PO32で表されるホスホン酸系カップリング剤、R−COOHで表されるカルボン酸系カップリング剤、R−SHで表させるチオール系カップリング剤などを単品もしくは複数種類組み合わせて用いることができる。ここでRは直鎖や環状を含むアルキル鎖および芳香族を含み、その一部の構造に対し、表面エネルギーを下げる目的で、フルオロアルキル基やフルオロアルキルエーテル基などに置換した化合物でもよい。また、XにはF、Cl、Br、Iなどのハロゲンや、OCH3、OC25、OC37などのアルコキシ基がそれに該当する。
なお、グリッド2の表面に形成した保護膜9である無機膜6および有機膜7は、第1の領域11におけるグリッド2の耐腐食性を高める目的で付与したものであり、無機膜6のみ、あるいは有機膜7のみでも耐腐食性を付与することができる。
図3及び図4は保護膜の他の構成例を示す概略断面図である。具体的には、図3に示すように、グリッド2に透光性の無機膜6のみを付与する組み合わせや、図4に示すように、グリッド2に撥水性の有機膜7のみを付与する組み合わせでもよい。
第2の領域12において金属膜4を覆う保護膜9を構成する無機膜6および有機膜7に関しては、それぞれ第1の領域11に存在するグリッド2の表面に形成したものと同一の材料を用いることができる。
図2に戻り、第2の領域12は偏光素子10の外周にわたって金属膜4を形成した構造をとっており、金属膜4の表面にも保護膜9(無機膜6および有機膜7)が形成されている。前述したように、保護膜9は無機膜6のみでも、有機膜7のみであってもよいが、無機膜6に撥水性の有機膜7を積層することで、耐腐食性をより高めた保護膜9を実現できる。
本実施形態では、アルミニウムを用いて細線部2Aを構成し、シリコンを用いて細線部2Aの頂部に位置する吸収層2Bを構成している。金属膜4はアルミニウムを用いて構成している。金属膜4は、細線部2Aと同じ材料を用いているが、細線部2Aよりもイオン化傾向の大きい材料、例えばマグネシウム(Mg)を用いることが望ましい。金属膜4の材料として細線部2Aよりもイオン化傾向の大きい材料を用いることで、金属膜4が優先して腐食されることから、グリッド2(細線部2A)の腐食を遅らせることができる。つまり、第2の領域12に設けられた金属膜4は、第1の領域11に設けられたグリッド2の腐食を遅らせるための犠牲膜である。
このように、基板1の外縁に沿った第2の領域12に犠牲膜である金属膜4を備えた偏光素子10は、実際にはマザー基板を用いて製造される。偏光素子10の詳しい製造方法については後述するが、マザー基板を分割して偏光素子10を取り出す際の分割面に相当する、図2に示す偏光素子10の外縁における側面には、保護膜9が設けられていない。ただし、偏光素子10を1つずつ製造する場合には、偏光素子10の外縁における側面にも保護膜9を設けることが可能であり、そのほうが耐腐食性の観点からは好ましい。
金属膜4の寸法に関しては、犠牲膜としての機能を発揮させる都合上で、第2の領域12における金属膜4の体積が可能な限り大きなことが望ましいが、幅を広げすぎると有効領域である第1の領域11が小さくなってしまう。また、金属膜4を設ける第2の領域12のX方向あるいはY方向の幅を広くすると、マザー基板から取り出し可能な偏光素子10の数が減少するおそれがある。加えて、マザー基板を分割して偏光素子10を取り出す際に、偏光素子10の外縁に例えばクラックなどが生ずると、クラックが生じた部分から腐食が進行するおそれがある。したがって、本実施形態では、マザー基板の分割を考慮して第2の領域12の幅を少なくとも0.2mm以上とし、第2の領域12における金属膜4の膜厚をグリッド2よりも高い35nm以上の厚さとした。
なお、図2では、第2の領域12において、金属膜4は、2本のグリッド2を覆うように表されているが、実際には、上述したように、グリッド2のX方向における間隔は、70nm程度であり、グリッド2のX方向における幅は20nmから60nmであることから、金属膜4は多数のグリッド2を覆っている。
偏光素子10の詳しい製造方法については後述するが、金属膜4は、マザー基板に対してマスクを用いた気相成長法により形成でき、その形成範囲はマスクの設計に依存するので、マスクを変えるだけで容易に任意のサイズの偏光素子10をマザー基板に作製することができ、製品としての偏光素子10の製造プロセスにおける工程の製品間の共通化を促進することができる。このように本実施形態によれば、耐腐食性が担保された任意のサイズの偏光素子10を得ることができる。
<偏光素子の製造方法>
次に、本実施形態の偏光素子10の製造方法について、図5〜図12を参照して説明する。図5は実施形態1の偏光素子の製造方法を示すフローチャートである。図6〜図12は実施形態1の偏光素子の製造工程を示す概略断面図である。なお、図6〜図12は、図2に示したA−A’線に沿った偏光素子10の構造もしくは、マザー基板の状態を示す概略断面図に対応した図である。
図5に示すように、本実施形態の偏光素子10の製造方法は、第1の金属膜の形成工程(ステップS1)と、吸収層の形成工程(ステップS2)、第1の金属膜と吸収層とを一括してパターニングする工程(ステップS3)と、第2の領域12に第2の金属膜を形成する工程(ステップS4)と、保護膜を形成する工程(ステップS5)と、マザー基板10Wから基板1(偏光素子10)を取り出すスクライブ工程(ステップS6)と、を備えている。保護膜を形成する工程(ステップS5)は、第1の領域11と第2の領域12とに亘って透光性の無機膜を成膜する工程(ステップS5−1)と、第1の領域11と第2の領域12とに亘って撥水性の有機膜を成膜する工程(ステップS5−2)とを含むものである。
図5の各ステップに沿って説明すると、ステップS1からステップS6の各工程は、基板1が複数面付けされて形成されるマザー基板10Wを用いる。
ステップS1の第1の金属膜の形成工程では、図6に示すようにマザー基板10W(基板1)の一方の表面側に、第1の金属膜1Rと、第1の金属膜1Rの表面に誘電体層5Rとを形成し、次いでステップS2では、図7に示すように、第1の金属膜1Rに対して吸収層3Aを積層して形成する。より具体的には、ステップS1では、まず、第1の金属膜1Rの成膜を行う。本実施形態では、例えばアルミニウム製のターゲットを用いて、スパッタリング法によりアルミニウムからなる第1の金属膜1Rを成膜した。成膜した第1の金属膜1Rの厚みは、おおよそ240nm程度である。その後、マザー基板10Wを大気中へ取り出し、表面を純水などで洗浄することによって、成膜時のパーティクルを除去すると共に、第1の金属膜1R(アルミニウム)を自然酸化させて得られる誘電体層5R(酸化アルミニウム)を形成することができる。第1の金属膜1Rの表面に自然酸化膜である誘電体層5Rを形成することにより、以降に形成される吸収層3Aの材料との相互拡散を抑え、光学特性の低下を抑えることができる。
次に、ステップS2では、例えばシリコン製のターゲットを用いたスパッタリング法によりシリコンからなる吸収層3Aを成膜した。成膜した吸収層3Aの厚みはおおよそ5nm〜100nmである。その後、次のステップS3へ移るために装置からマザー基板10Wを取り出したときの大気暴露によって吸収層3A(シリコン)の表面に自然酸化膜である誘電体層5A(酸化シリコン)が形成される。
次に、ステップS3では、ワイヤーグリッド構造を形成するためのレジストパターニングおよび、ドライエッチングを行って、第1の金属膜1Rと吸収層3Aとを一括パターニングする。まず、スピンコート法等を用いてレジスト40を膜厚が均一になるよう塗布した後に、ワイヤーグリッド構造に対応させてパターニングを行った。
本実施形態では、光硬化型のナノインプリントリソグラフィー法を用いてパターニングを行い図8に示すように、グリッドに対応する部分が凸状となったレジストパターン構造を得たが、熱硬化型のナノインプリントリソグラフィー法や、二束干渉露光法、ArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザーによる露光等を用いてパターニングを行ってもよい。その後、レジスト40を介してエッチングを施しワイヤーグリッド構造を形成する。
上記のエッチング工程において、吸収層3Aは、例えば、フッ素系のエッチングガス(CF4、CHF3、CH22、C48など)を用いたドライエッチング処理によりエッチングすることができる。一方、第1の金属膜1Rは、例えば、塩素系のエッチングガス(Cl2、BCl3など)を用いたドライエッチング処理によりエッチングすることができる。具体的には上記に例示したガスの一部およびArやN2などの不活性なガスを混合させてプラズマを形成し、ドライエッチング処理を施す。その後、O2プラズマを用いたアッシング処理や、純水、アルコール類、オゾン水、シュウ酸系薬剤、リン酸系薬剤、アンモニウム系薬剤、フッ酸系薬剤などによる洗浄を行うことで、ドライエッチング後のレジスト残渣や、Cl-、F-といったイオン成分の除去を行った。これにより、図9に示すワイヤーグリッド構造を形成した。具体的には、グリッド2は、アルミニウムからなる細線部2Aと、細線部2Aの頂部に形成された吸収層2Bとを含み、細線部2Aの側面には自然酸化膜である誘電体層2C(酸化アルミニウム)が形成され、吸収層2Bの表面には自然酸化膜である誘電体層2D(酸化シリコン)が形成される。
次に、ステップS4では気相成長法を用いて第2の金属膜としての金属膜4を形成した。本実施形態では、図10に示すようなマスク60を用いたスパッタリング法を利用した。マザー基板10Wとターゲット50との間にマスク60を設置することにより、マスク60の開口部60aに相当する位置に金属膜4を形成する。金属膜4の膜厚はマザー基板10W上におけるグリッド2の高さよりも厚くなるように設定される。これにより、隣り合うグリッド2の隙間を金属膜4で埋めると共に、図11に示すように、マザー基板10Wのオリフラを基準にして、金属膜4が形成された第2の領域12が個々の基板1における有効領域である第1の領域11を囲むようにX方向及びY方向に延在して格子状をなすマザー基板10Wが形成される。なお、マスク60は、インバーなどを用いて形成されたハードマスクである。
本実施形態では、ターゲット50としてアルミニウムを用いたが、前述したように、グリッド2の腐食を遅延または防止する目的で、例えばグリッド2の材料(アルミニウム)よりもイオン化傾向が大きいマグネシウムなどのような、グリッド2とは異なる材料からなるターゲットを用いて金属膜4を形成してもよい。
また、本実施形態では、マスク60をマザー基板10Wとターゲット50との間に設置しており、マスク60とマザー基板10Wとは直接に接触しないことが、マスク60の接触によるグリッド2の倒壊といった物理的な損傷を防ぎ、歩留りを向上させる意味でも望ましい。なお、マスク60の一部の領域あるいはすべての領域がマザー基板10Wと接触していてもよいものとする。
金属膜4が形成される範囲(第2の領域12に相当)はマスク60の開口部60aの寸法に依存するので、マスク60を変えるだけで容易に任意のサイズの偏光素子10をマザー基板10Wに形成することができ、製品としての偏光素子10の製造プロセスにおける工程の製品間の共通化を促進することができる。また、金属膜4の膜厚は、第2の領域12に存在するグリッド2が完全に埋まる高さ以上であることが望ましいが、図12に示すように、グリッド2が金属膜4で被覆される程度の膜厚でもかまわない。
次に、ステップS5で保護膜9を形成する。ステップS5は、図5に示すように、無機膜6を成膜するステップS5−1と、有機膜7を成膜するステップS5−2を含むものである。ステップS5−1では、図3に示すように、基板1上において、第1の領域11と第2の領域12とに亘って無機膜6を形成し、続いて、ステップS5−2では、図2に示すように無機膜6に積層して有機膜7を形成する。
本実施形態では、ステップS5−1で無機膜6を形成した後に、ステップS5−2で有機膜7を形成したが、ステップS5−1のみ、またはステップS5−2のみ、といったように、無機膜6もしくは有機膜7のどちらか片方を保護膜9として成膜してもよい。また、ステップS5−1とステップS5−2とを組み合わせて繰り返すことにより、無機膜6と有機膜7とを組み合わせて2層以上の保護膜9を形成してもよい。なお、無機膜6と有機膜7のいずれか一方を形成する工程や、無機膜6と有機膜7とを含む2層以上の保護膜9を形成する工程をステップS3とステップS4との間に行い、金属膜4を形成する前の段階で、グリッド2のみ先に保護膜9を形成してもよい。
ステップS5−1での無機膜6の成膜には、スパッタリング法、CVD法、ALD法、気相蒸着法といった気相成長法を用いることが好ましい。また、ステップS5−2の有機膜7の成膜には、前述したカップリング剤を有機溶媒で希釈した溶液へマザー基板10Wを浸漬してアニーリングを行う液相法や、前述したカップリング剤をマザー基板10Wと共に密閉された空間内で、加熱や減圧等の手段を用いて気化させて成膜する気相法などの方法を用いて、形成対象の表面に対して化学結合または堆積させることが望ましい。
本実施形態においては、ステップS5−1ではスパッタリング法を用いて酸化シリコンを成膜し、ステップS5−2では気相法を用いてシランカップリング剤を成膜したが、無機膜6の成膜に前述したスパッタリング法、CVD法、ALD法、蒸着法などの気相成長法を、有機膜7の成膜に前述した液相法、気相法をそれぞれ単一で使用、または複数の方法を組み合わせて使用して保護膜9を形成しても構わない。以上の方法で保護膜9を形成すると、図2に示す偏光素子10の構造となる。
最後に、ステップS6のスクライブ工程では、図1の偏光素子10の形状になるよう、マザー基板10Wを分割(スクライブ)し、偏光素子10を取り出す。ここで、スクライブは第2の領域12の直上に対して行い、スクライブ後の偏光素子10の外縁まで金属膜4で覆われていることが望ましい。また、スクライブはレーザーアブレーション法を用いたレーザーダイシングが、切断時の不良が少なく歩留りが向上するため望ましいが、金属等で作られた刃(ブレード)を用いてマザー基板10Wをスクライブして偏光素子10を取り出しても構わない。
このように本実施形態によれば、容易に耐腐食性を担保された任意のサイズの偏光素子10を製造することができる。
(実施形態2)
<偏光素子>
次に、実施形態2の偏光素子について、図13を参照して説明する。図13は実施形態2の偏光素子の構造を示す概略断面図である。実施形態2の偏光素子は、実施形態1の偏光素子10に対して、酸素を含む雰囲気下で偏光素子またはマザー基板を加熱することで、グリッド2の表面の自然酸化膜を成長させて膜厚を確保した酸化膜を形成することにより、製造プロセスへの負荷が少なく耐腐食性を担保した偏光素子を得る方法である。したがって、実施形態1の偏光素子10と同じ構成には同じ符号を用い、詳細な説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態の偏光素子20は実施形態1の偏光素子10と基本的に同様な構造をとっている。本実施形態の偏光素子20は、複数のグリッド2が設けられた第1の領域11と、第1の領域11を囲み、金属膜4が設けられた第2の領域12とを含んで構成されている。第1の領域11及び第2の領域12では、透光性の基板1の一方の表面に、一方向に所定の間隔を置いて並ぶように複数のグリッド2が形成されている。第2の領域12では、複数のグリッド2を覆うように金属膜4が形成されている。以上の構成に加えて、グリッド2を構成する細線部2Aの表面に形成された誘電体層2Cと、細線部2Aの頂部に積層された吸収層2Bの表面に形成された誘電体層2Dと、第2の領域12の金属膜4の表面に形成された誘電体層4Aと、を有している。
細線部2Aの表面の誘電体層2Cおよび吸収層2Bの表面の誘電体層2Dに加え、金属膜4の表面に形成された誘電体層4Aは、それぞれを構成する金属の自然酸化膜を成長させたグリッド2を被覆する酸化膜である。自然酸化膜の膜厚を厚くした誘電体層2C,2Dは腐食物質が細線部2Aの金属や金属膜4まで到達する時間を遅延することができるため、グリッド2や金属膜4が腐食するまでの時間を遅延させることができる。
図14は実施形態2の無機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図、図15は実施形態2の有機膜のみを保護膜とした偏光素子の概略断面図である。
自然酸化膜を成長させて得られる酸化膜としての誘電体層2C,2Dを形成した後は、必要に応じて実施形態1と同様に、図14および図15に示すように、保護膜9として透光性の無機膜6および撥水性の有機膜7のどちらか片方もしくは両方を形成してもよい。
このように本実施形態によれば、製造プロセスへの負荷が少ない方法で、容易に耐腐食性を担保された任意のサイズの偏光素子20を得ることができる。
<偏光素子の製造方法>
実施形態2における偏光素子20の製造方法は、図5で示した実施形態1の製造方法のフローチャートのステップS4における第2の金属膜の成膜と、ステップS5における保護膜の成膜との間にマザー基板10Wを加熱するアニーリングの工程を付与する方法であり、他のプロセスは実施形態1の製造方法と同様である。
また、アニーリングの工程をステップS3のパターニング工程と、ステップS4の第2の金属膜の成膜との間や、ステップS5−1の無機膜6の成膜と、ステップS5−2の有機膜7の成膜との間に追加しても構わない。
前述したように、誘電体層2Cは酸化アルミニウムであり、誘電体層2Dは酸化シリコンである。これらは大気への暴露で形成し得るものであるが、本実施形態では、酸素を含む雰囲気下で100℃〜500℃の温度で一定時間加熱する方法を用いることで、24時間大気暴露した場合に比べて自然酸化膜を容易に成長させることができる。
このように本実施形態によれば、製造プロセスへ負荷が少ない方法で、容易に耐腐食性を担保された任意のサイズの偏光素子20を製造することができる。
上記実施形態の偏光素子10あるいは偏光素子20は、透過型液晶プロジェクターであれば、液晶ライトバルブを挟んで光の入射側と出射側に設置し、偏光板としてそれぞれ利用される。また、反射型液晶プロジェクターであれば、液晶ライトバルブより光源に近い位置に設置して偏光板として利用される。透過型、反射型、いずれの液晶プロジェクターにおいても、液晶ライトバルブは強い光に長時間にわたってさらされる。現在も汎用的に用いられている有機偏光板であれば、その強い光に長時間耐えることが困難であるために、より明るいプロジェクターの開発を困難としたが、本実施形態のワイヤーグリッド型の偏光素子10あるいは偏光素子20を用いることで、液晶プロジェクターの光源から発せられる光の光量をさらに増加させることが可能となる。加えて、偏光素子10あるいは偏光素子20の耐腐食性が向上したことによって、高温多湿な国々や、海岸や温泉等の高湿度環境においても安定して長期間使用することができるため、液晶プロジェクターの用途における環境対応の幅を広げることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)図16は変形例1の偏光素子の構成を示す概略平面図である。図16に示すように、変形例1の偏光素子10Bは、第1の領域11よりも外側であって、グリッド2が延在するY方向の両端部にX方向に沿って延在するように金属膜4が形成されている。金属膜4の形状以外は、上記した偏光素子10または偏光素子20と同様である。
上記の構成をとった偏光素子10Bは、腐食の進行を最低限抑える構造である。グリッド2の腐食はグリッド2に沿ってY方向に進行するため、グリッド2の延在方向であるY方向の両端部を金属膜4で覆うことによって、腐食の進行を抑えることができる。
偏光素子10Bの形状の方が、マスク60の開口部60aの構造がより単純となるため、製造プロセスへの負荷が少ないものであると言える。
よって、変形例1を適応した偏光素子10Bもまた、製造プロセスの負荷が少なく、耐腐食性を有した構造であると言える。
1…透光性の基板、1R…第1の金属膜、2A…細線部(グリッド形状に加工した第1の金属膜)、2…グリッド、3A…吸収層、2B…グリッド形状に加工した吸収層、4…金属膜、5R…第1の金属膜表面の誘電体層、2C…グリッド形状に加工した第1の金属膜表面の誘電体層、5A…吸収層表面の誘電体層、2D…グリッド形状に加工した吸収層表面の誘電体層、6…透光性の無機膜、7…撥水性の有機膜、10…偏光素子、10W…マザー基板、11…第1の領域、12…第2の領域、40…レジスト、50…ターゲット、60…マスク、60a…マスクの開口部。

Claims (18)

  1. 透光性の基板と、
    前記基板の一方の表面に、所定の間隔をおいて一方向に並ぶ金属からなるグリッドと、
    前記一方の表面の第1の領域よりも外側であって、前記基板の外縁に沿った第2の領域の前記グリッドを覆う金属膜と、を備えたことを特徴とする偏光素子。
  2. 前記グリッドを被覆する酸化膜を有する、請求項1に記載の偏光素子。
  3. 前記金属膜は、前記第2の領域において、前記グリッドの隙間を埋めるように設けられている、請求項1または2に記載の偏光素子。
  4. 前記金属膜は、前記グリッドよりもイオン化傾向が大きい金属からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偏光素子。
  5. 前記第1の領域では、前記グリッドを覆い、前記第2の領域では、前記金属膜を覆う保護膜を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光素子。
  6. 前記保護膜は、透光性の無機膜である、請求項5に記載の偏光素子。
  7. 前記保護膜は、撥水性の有機膜である、請求項5に記載の偏光素子。
  8. 前記保護膜は、透光性の無機膜と、前記無機膜に積層された撥水性の有機膜とを含む、請求項5に記載の偏光素子。
  9. 前記グリッドは、前記一方向に並ぶ細線部と、前記細線部の頂部に設けられた光吸収性の吸収層とを含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の偏光素子。
  10. 複数の基板が面付けされる透光性のマザー基板の一方の表面に第1の金属膜と、光吸収性の吸収層とを積層する工程と、
    前記第1の金属膜と前記吸収層とを一括パターニングして、所定の間隔で一方向に並ぶ細線部と前記吸収層とを含むグリッドを形成する工程と、
    前記マザー基板の複数の前記基板ごとに、前記基板の第1の領域よりも外側であって、前記基板の外縁に沿った第2の領域の前記グリッドを覆う第2の金属膜を形成する工程と、
    前記マザー基板を分割して前記基板を取り出す工程と、を備えた偏光素子の製造方法。
  11. 前記第2の金属膜を形成する工程は、前記第2の領域に対応した開口部を有するマスクを前記マザー基板に対向配置して、気相成長法により前記第2の金属膜を形成する、請求項10に記載の偏光素子の製造方法。
  12. 酸素を含む雰囲気下で前記マザー基板を加熱する工程を含む、請求項10または11に記載の偏光素子の製造方法。
  13. 同じ金属材料を用いて、前記第1の金属膜と前記第2の金属膜とを形成する、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
  14. 前記第1の金属膜に比べてイオン化傾向が大きい金属材料を用いて前記第2の金属膜を形成する、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
  15. 前記マザー基板から前記基板を取り出す工程の前に、前記第1の領域では、前記グリッドを覆い、前記第2の領域では、前記第2の金属膜を覆う保護膜を形成する工程を有する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の偏光素子の製造方法。
  16. 前記保護膜を形成する工程は、透光性の無機膜を形成する、請求項15に記載の偏光素子の製造方法。
  17. 前記保護膜を形成する工程は、撥水性の有機膜を形成する、請求項15に記載の偏光素子の製造方法。
  18. 前記保護膜を形成する工程は、透光性の無機膜を形成する工程と、
    前記無機膜に積層して撥水性の有機膜を形成する工程と、を含む、請求項15に記載の偏光素子の製造方法。
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