JP2019109233A - 質量分析システムにおけるインサイチュ調整 - Google Patents

質量分析システムにおけるインサイチュ調整 Download PDF

Info

Publication number
JP2019109233A
JP2019109233A JP2018229549A JP2018229549A JP2019109233A JP 2019109233 A JP2019109233 A JP 2019109233A JP 2018229549 A JP2018229549 A JP 2018229549A JP 2018229549 A JP2018229549 A JP 2018229549A JP 2019109233 A JP2019109233 A JP 2019109233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
ion source
sample
tuning
tuning gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018229549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7221037B2 (ja
Inventor
ハリー・エフ・プレスト
Harry F Prest
チャールズ・ダブリュー・ラス
W Russ Charles
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agilent Technologies Inc
Original Assignee
Agilent Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agilent Technologies Inc filed Critical Agilent Technologies Inc
Publication of JP2019109233A publication Critical patent/JP2019109233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7221037B2 publication Critical patent/JP7221037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N30/00Investigating or analysing materials by separation into components using adsorption, absorption or similar phenomena or using ion-exchange, e.g. chromatography or field flow fractionation
    • G01N30/02Column chromatography
    • G01N30/62Detectors specially adapted therefor
    • G01N30/72Mass spectrometers
    • G01N30/7206Mass spectrometers interfaced to gas chromatograph
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

【課題】質量分析において、MSシステムを調整する方法及び装置を更に改善する方法を提供する【解決手段】質量分析計104、又はガスクロマトグラフ/質量分析計システム100において、イオン源120の1つ以上の表面又は領域を調整又は変更するために、1つ以上の異なる調整ガスが加えられる。調整ガス(複数の場合もある)はイオン源に直接加えることができる。調整ガスは、質量分析計がサンプルを分析していないときに、オフラインで加えることができる。【選択図】図1

Description

本発明は包括的には、クロマトグラフィと併用される質量分析(mass spectrometry)を含む、質量分析に関する。より詳細には、本発明は、質量分析計(mass spectrometer)のイオン源を調整して、その性能を改善するか、又は回復させることに関する。
質量分析計(MS)は一般的に、導入されたサンプルから帯電種を生成するイオン源と、帯電種をその質量対電荷比(m/z比、又は単に「質量」)に応じて分離する質量分析器(mass analyzer)と、質量スペクトルの生成元となり得る電気信号を与えるために、分離された種をカウントするイオン検出器とを備える。サンプルは、種々の技法によって、イオン源の中に導入される場合がある。1つの例において、ガスクロマトグラフ(GC)カラムから出たサンプル(クロマトグラフィによって分離されたサンプル成分(例えば、化合物)を含む)がイオン源に入るサンプルとしての役割を果たすように、GCがMSと連動する。後者のシステムは多くの場合に、GC/MSシステムと呼ばれる。
MSが経時的に動作し続けるとき、その全てが経時的に蓄積する場合がある、サンプル、そのマトリックス(例えば、石油サンプル内の重質炭化水素、脂肪サンプル内のトリグリセリド等)及び溶媒、GCカラムからの固定相ブリード(bleed)、又は他の難分解性物質に起因して、MS、特にイオン源の性能に常に何らかの変化又は劣化が生じる。MSの初期動作においても、MSは、十分な、又は均一な性能を提供するほど安定化されない、又は「調整」されない場合がある。MSにおいて電子衝撃(EI)又は化学イオン化(CI)源が通常利用されるガスクロマトグラフィの場合、イオン源は、導入されたサンプル成分によって急速に汚染される可能性があり、結果として、分析対象物(analyte)信号又はスペクトル特性において見られるような、性能劣化が生じる。特に高沸点分析対象物に関連する別の問題は、信号応答の低下に加えて、使用し続けるとピークテーリングが増加する可能性があることである。性能劣化は数多くの方法において明らかにすることができるが、通常、それらの指標は低下した分析対象物信号応答及び高いシステム背景雑音であり、後者は、分析対象物検出及び識別にとって特に厄介である。
これらの問題によって、従来的に、MSを定期的に洗浄することが要求されてきた。一般に、汚染物質の堆積速度が高くなるほど、MSを頻繁に洗浄しなければならない。一般的な従来の解決策は、MSシステムを換気し、著しく影響を受けた構成要素(例えば、イオン源、イオン光学系、プレフィルタ等)を取り出し、取り出された構成要素を機械的及び/又は化学的洗浄と、その後の他の処理(例えば、マッフル又は真空炉ベーキング)とで処理し、その後、それらの構成要素をMSシステム内に再設置することであった。そのような従来のエクスシチュ(ex situ)洗浄手順は、潜在的に有毒な溶媒、高額の機器、及び熟練技術者の手間暇を伴う、極めて複雑で、長時間に及ぶ手順になる可能性がある。さらに、その洗浄手順は、問題を一時的にしか解決しない。MSの洗浄と、分析動作の再開とを繰り返し実行した後に、MSの性能は再び劣化し始め、最終的には、もう一度洗浄を繰り返す必要がある。さらに、従来の洗浄プロセスは、構成要素の再設置に関連付けられる機械的な問題に起因して、又はその手順の何らかのステップが悪化した(例えば、洗浄溶媒が汚染された)ために、失敗する場合がある。そのような失敗は、MSが再び組み立てられ、真空下で動作条件になるまで見つけられない場合がある。また、換気プロセスは或る特定の背景種を同伴し、最も量が多いのは水であり、結果として、これらの物質を排除するのに更なる時間を要する。汚染物質としての水は、MS信号応答を急速に低下させる可能性がある。
引用することによりその内容全体が本明細書の一部をなすものとする米国特許第8,378,293号及び第8,513,593号は、質量分析(MS)システムの性能を改善するか、又は回復させるために、MSシステムに調整ガス(又は調整剤)を加えて、MSシステムをインサイチュ(in situ)で調整する(又は再調整する)ことを伴う装置及び方法を記述している。MS環境における調整剤として、特に水素が極めて有効であることがわかった。水素は迅速に拡散し、表面汚染物質と置き換わる。水素は、解離するとき、又はより高く励起された状態、準安定状態又は擬似リュードベリ(pseudo-Rydberg)状態にあるとき(電子衝撃又は他のプロセス等による)、活性が高く、イオン源表面に吸着し、動作を劣化させる傾向がある化合物等の、数多くの吸着化合物を低減することができる。さらに、水素は金属酸化状態を変更することができる。MSシステムの金属表面は、イオン源において生じる脱水又は還元等の、分析対象物及び他の導入された化合物に影響を及ぼす様々な反応に関与することが知られている。金属を或る範囲の酸化状態から再現可能な固定された状態に変換することによって、性能をより安定させることができる。イオン源の場合、スペクトル特性を極めて安定させることができる。
しかしながら、最近になって、MSシステムを水素で調整することは、化合物自体と、水素で処理する前及び/又は後のMSシステム(例えば、イオン源)の状態とに応じて、MSシステムによる化合物分析に対する有益性が上がる可能性も、下がる可能性もあることが更にわかってきた。すなわち、状況によっては、水素で、又は少なくとも水素だけで調整することは、所与の化合物の分析に悪影響を及ぼす場合がある。
上記のことを踏まえて、クロマトグラフィ/質量分析を含む、質量分析において、MSシステムを調整する方法及び装置を更に改善することが引き続き必要とされている。また、MSシステムにおいて実行されるインサイチュ調整の方法及び装置を更に改善し、それにより、従来のエクスシチュの洗浄の必要性が解消されるか、又は少なくとも大幅に削減され、及び/又は簡略化されることが必要とされている。
上述の問題に完全に若しくは部分的に対処するために、及び/又は当業者には見て取ることができる他の問題に対処するために、本開示は、例として後述の実施態様に記載されるような方法、プロセス、システム、装置、機器及び/又はデバイスを提供する。
1つの実施形態によれば、質量分析計(MS)システムを動作させる方法は、サンプルをMSシステムのイオン源に導入することなく、第1の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第1の調整ガスによって調整されることと、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第2の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第2の調整ガスによって調整されることと、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを調整済みのイオン源に導入し、このサンプルから分析データを収集することによってこのサンプルを分析することとを含み、第1の調整ガスは体積比で少なくとも90%の水素ガスを含む組成を有し、第2の調整ガスは体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有する。
別の実施形態によれば、質量分析(MS)システムを動作させる方法は、サンプルをイオン源に導入することなく、第1の調整ガスをMSシステムのイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第1の調整ガスによって調整されることと、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第2の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第2の調整ガスによって調整されることと、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをキャリアガスとともに調整済みのイオン源に導入し、サンプルから分析データを収集することによってサンプルを分析することとを含み、キャリアガスは体積比で少なくとも90%の水素ガスを含む組成を有し、第1の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第2の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第1の調整ガスとは異なる。
別の実施形態によれば、質量分析(MS)システムが、本明細書において開示される方法のいずれかを実行するように構成される。
いくつかの実施形態において、MSシステムは、ガスクロマトグラフを含むガスクロマトグラフィ/質量分析(GC/MS)システム等の、クロマトグラフィによって分離されたサンプル分析対象物を質量分析計に与えるクロマトグラフィ/質量分析システムとすることができる。
別の実施形態によれば、プロセッサ上で実行されるときに、本明細書において開示される方法のいずれかの全て又は一部を制御するか、又は実行する命令を記憶している非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
別の実施形態によれば、コンピュータ可読媒体を含む質量分析(MS)システムが提供される。
本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴、及び利点は、添付図面及び以下の詳細な記載を検討することで、当業者には明らかである又は明らかになるであろう。全てのそのような更なるシステム、方法、特徴、及び利点は、本明細書内に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
本発明は、添付図面を参照することによってよりよく理解することができる。図中の構成要素は、必ずしも縮尺どおりでなく、本発明の原理を例示するにあたり、代わって強調されている。図において、同様の参照符号は、異なる図にわたって対応する部分を示している。
本開示の一実施形態による、質量分析(MS)システムの一例の概略図である。 本開示の一実施形態による、質量分析(MS)システムを動作させる方法の一例を示すフロー図である。 本開示に従って実施される種々のインサイチュ調整プロセス後のフェニトロチオン(O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート)の場合の選択イオンモニタリング(SIM:selected ion monitoring)取得の全イオンクロマトグラム(TIC:total ion chromatogram)である。 本開示による、交互の水素調整及び補助的な調整プロセスから生じるフェニトロチオンの場合の平均応答(イオン検出器カウント)の組の図である。
本明細書において使用されるときに、「質量分析システム」(又は「MSシステム」)という用語は、質量分析計と動作可能に連動するクロマトグラフを伴うか、又は伴わない、質量分析計を含むシステムを指している。したがって、便宜上、「MSシステム」という用語は、対象となる特定の実施形態に応じて、「ガスクロマトグラフ/質量分析システム」(又は「GC/MSシステム」)という用語を含む、「クロマトグラフ/質量分析システム」という用語も含む(又は、その用語と同義に使用される)場合がある。
本開示の文脈において、「分析対象物」という用語は、研究者又はMSシステムのユーザにとって対象となる任意のサンプル分子、すなわち、例えば、クロマトグラフ分析、質量スペクトル分析、又はクロマトグラフ/質量スペクトル分析等の分析が望まれる分子を包括的に指している。「サンプル」又は「サンプルマトリックス」という用語は、分析対象物を含むことが知られているか、又は疑われる任意の物質を指している。サンプルは、分析対象物又は非分析対象物の組み合わせを含む場合がある。この文脈における「非分析対象物」又は「非分析成分」という用語は、そのような成分が分析値を有せず、及び/又は所望の分析対象物の分析を損なう(例えば、分析を妨げる)ために、分析対象にならないサンプルの成分を指している。非分析対象物は、一般には、汚染物質又は不純物等の対象にならない任意の分子、又はクロマトグラフシステムによって送達されない任意の分子(例えば、流出カラム相)である場合がある。非分析対象物の例は、限定はしないが、水、油、溶媒、環境内の固体(例えば、堆積物又は土)又は液体、生物製剤(例えば、尿、血液、組織等)、食料品、農産物サンプル(例えば、野菜、加工又は未加工の肉等)又は所望の分析対象物が見つけられる場合がある他の媒質、及びクロマトグラフカラムから流れ出た固定相材料を含むことができる。非分析対象物の発生源は、サンプルに関する分析データを取得するためにMSシステムを動作させる時点において分析されているサンプルである場合がある。代替的に、又はさらに加えて、非分析対象物は、所与の時点において分析データを取得するためにMSシステムを動作させる前に質量分析計内に既に存在している残存種である場合があり、そのような残留種はMSシステムの先行する使用(複数の場合もある)の結果として蓄積している。
本開示の目的において、「分析対象物」という用語は、基準、標準品、調整用賦形剤(tuning vehicle)又は較正物(calibrant)を提供するためにMSシステムによって分析される場合がある化合物も指している。
本開示の文脈において、「調整する」という用語は、イオン源を、イオン源の性能を改善するか、又は最適化する状態に至らせるために、イオン源の表面の表面化学特性を変更することを包括的に指している。一態様において、調整することは、調整ガスをMSシステムのイオン源に流し込むようにMSシステムを動作させることと、調整ガスをイオン化し、それにより、イオン源の内面をイオン化された調整ガスに曝露することとによって成し遂げられる。
本開示の目的において、「ガス」(例えば、調整ガス)という用語は、「蒸気」という用語を含むように解釈される。蒸気の例は、限定はしないが、液体からの蒸留、又は容器の上部空間からの抽出によって得られた蒸気を含む。
本開示は、その性能を改善するか、又は回復させるようにイオン源をインサイチュで調整する(又は再調整する)ために、単一のステップにおいて混合物として、又は2つ以上のステップにおいて個別に(及び/又は混合物として)、質量分析(MS)システムのイオン源に2つ以上の異なる調整ガス(又は調整剤)を導入することを伴う、種々の実施形態を記述する。通常、調整されるべきイオン源は、電子イオン化(EI)源、化学イオン化(CI)源、又は光イオン化(PI)源である。調整ガスがイオン源の内部体積(イオン化チャンバ)に流れ込んでいる間に、及び/又は調整ガスがイオン化チャンバに流れ込んだ後に、イオン源は、調整ガスをイオン化する、すなわち、調整イオンを生成するのに十分なエネルギーを(通常、電子又は光子を生成することによって)調整ガスに加えるように動作する。現時点における任意の特定の理論に縛られることを望むことなく、イオン化された調整ガスは、以下の機能、すなわち、水素還元と、その後の重合とによって等、イオン源の1つ以上の表面を調整すること(すなわち、1つ以上の表面の状態を変更すること)、サンプル分析後にイオン源内に蓄積したマトリックス成分等の非分析対象物を削減するか、又は除去すること、換気/ポンプダウン手順後のMSシステムの調整を加速させること、及びMS分析にとってより最適な、又は安定したイオン源状態(例えば、表面酸化状態又は他の表面指標)を回復させるか、又は生成すること、のうちの1つ以上を果たすことができる。
水素を使用するイオン源のインサイチュ処置は、イオン源内部の状態を変更することがわかっている。処置後の状態は、化合物自体と、処置前又は後のイオン源の状態とに応じて、化合物分析に対する有益性が上がる可能性も、下がる可能性もある。この文脈において、「有益性」という用語は、化合物に対するイオン源応答、イオン源によって生成される化合物のピーク形状(例えば、ピークテーリングの程度)、化合物の劣化の程度、又は分析において重要な他の指標を指す場合がある。しかしながら、水素による長時間にわたる処置は、イオン源に高い度合いの有益でない特性をもたらす可能性がある。本開示は、有益な分析性能をもたらすために、イオン源の状態を再び変更するのに有効な、第2のプロセス、又は1つ以上の更なるプロセスを提案する。このようにして、イオン源を取り出し、作業台で処理することなく、イオン源動作状態を制御することができる。その目的は、イオン源の使用履歴がその調整前状態、調整後状態及び稼動状態に影響を与えることがわかるときに、対象となる分析対象物に対する安定性、「活性」等をインサイチュで改善することである。初期状態におけるこのばらつきを考えると、調整する際に複数のステップがあることによって、イオン源性能を適応及び回復させる際の融通性を高めることができる。本明細書において開示される方法の実施形態は、イオン源のためのより安定した状態を生み出すことができる。
一般に、調整ガスは、本明細書において説明されるようにイオン源において調整プロセスを効果的に実行するのに適した任意のガスとすることができる。調整ガス(又は特定の例によれば、蒸気)の例は、限定はしないが、水素、種々の炭化水素、アンモニア、メチルアミン、種々のケトン、種々のアルコール、アセトニトリル、シラン(SiH)、シラン誘導体(例えば、一般的な化学式Si2n+2を有する化合物)を含む。炭化水素の例は、限定はしないが、メタン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン及びキシレンを含む。ケトンの例は、限定はしないが、アセトン及び類似の化合物を含む。アルコールの例は、限定はしないが、メタノール及びエタノールを含む。利用されるべき調整ガス(複数の場合もある)の選択は、いくつかの要因、例えば、イオン源を調整した後に分析されることになるサンプルの既知の組成、又は疑われる組成によって決まる場合がある。調整ガスは、気体源又は揮発性液体源によって与えられる単一のガス又はガスの混合物とすることができる。この文脈において、「ガス」という用語は、上記で言及されたように、「蒸気」という用語を含む。
調整ガス(複数の場合もある)は、その性質と、MSシステムの特定の状態とに応じて、排他的に(いかなる他のタイプのガスも用いることなく)加えることができる。代替的に、イオン源に加えられる調整ガス(複数の場合もある)は、キャリアガス及び/又は1つ以上の他の「補助」ガスを含む融合物(混合物)の一部とすることができる。補助ガスは、一般に、調整ガスとは異なる任意の不活性ガスとすることができる。補助ガスの例は、限定はしないが、ヘリウム、窒素、アルゴン、及びMSシステムに供給される調整ガスとともに存在することができ、調整プロセスに無視できる程度の影響しか及ぼさないか、又は全く影響を及ぼさない微量の他のガス(例えば、不純物)を含む。
調整ガスはイオン源に直接導入される。このために、MSシステムは、調整ガスをイオン源に導入する専用の調整ガス管を有することができる。いくつかの実施形態において、MSシステムは、ハイブリッドガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)システムの一部であり、それゆえ、ガスクロマトグラフ(GC)と連動する。そのような実施形態において、調整ガスは、MSシステムに導入される前に、GCの少なくとも一部(例えば、GCカラム)を経由することができる。
本明細書において説明されるように、調整ガスの付加及びイオン化は、MS又はGC/MSシステムを調整モードにおいて動作させることによって実行される。調整モードは、サンプル材料がイオン源に導入され、MSシステムの質量分析器によって後に分析される分析対象物イオンを生成するためにイオン化される従来の分析モードとは別であり、異なる。すなわち、調整モード中に、サンプルはイオン源に導入されない。したがって、調整モードは、MSシステムの「オフライン」動作モードと特徴付けることができる。オフライン調整モードでは、調整ガスがイオン源に導入され、イオン源の内面の表面化学特性を調整又は変更する調整イオンを生成するためにイオン化される。MS又はGC/MSシステムは、分析モードと調整モードとを切り替えるように構成することができる。一方のモードから他方のモードへの切り替えの実行は、完全に、若しくは部分的に手動とすることができるか、又は更に後述されるように1つ以上のパラメータを評価するのに応答して等、完全に、若しくは部分的に自動化することができる。一般に、調整ガスは、ウォームアップ、チューニング、ポンプダウン、換気、クールダウン等の、サンプルに関する分析データの取得を伴わない任意の動作段階中に加えることができる。さらに、オフライン調整モードは、MS又はGC/MSシステムの1つ以上の構成要素(例えば、イオン源)が取り出される間に、調整ガスを加えることを伴う場合がある。
調整モードは、調整ガスをイオン源のイオン化チャンバに流し込む間に、及び/又は流し込んだ後に、調整ガスの分子をイオン化することを含む。利用されるイオン源のタイプによっては、調整ガスをイオン化することは、電子又は光子をイオン化チャンバの中に放出するようにイオン源を動作させることを伴う場合がある。電子又は光子の存在は、電圧を加えられた調整ガスに曝露されたイオン化チャンバの表面の表面化学特性を変更すること等の、1つ以上の機構によって調整プロセスを強化する。調整ガスをイオン源に流し込むことに加えて、調整モードは、イオン源を所望の温度に、又は所望の温度範囲内に維持することを含むことができる。調整プロセスは、調整ガス、及び/又は調整ガスによって処置される表面を加熱することによって強化することができる。
いくつかの実施形態において、GCカラムを通してサンプルを移送するためのキャリアガスとして、ヘリウム等のより従来のキャリアガスの代わりに、水素を利用することができる。水素キャリアガスは、調整モードにおいて動作するときに調整ガスとして利用することができる。この場合、水素を供給するキャリアガス源は、調整ガスの供給源として利用することができ、したがって、GCカラムと、GCとイオン源との間のサンプルインターフェースとを介して質量分析計のイオン源に導入される。
調整ガスが加えられる条件又はパラメータは、調整ガスが最適化された方法で調整に影響を及ぼすことができるように制御することができる。一例として、イオン源への調整ガスの流量を規制すること、及び/又は上記のように調整ガスの流れを補助ガスで希釈すること等によって、イオン源内の調整ガスの濃度を制御することができる。他の条件又はパラメータは、調整ガスの温度、並びにイオン源内の温度及び/又は圧力を含むことができる。
図1は、質量分析計(MS)システム100の一例の概略図である。MSシステム100は、包括的には、質量分析計104と、調整ガスシステム108とを備えることができる。質量分析計104は、サンプル源と、サンプル(又はサンプル/キャリアガス)注入口又はインターフェース112と、MSハウジング116と、イオン源(又はイオン化装置)120と、質量分析器124と、イオン検出器128と、真空システム132とを備えることができる。
サンプル源は、サンプルインターフェース112を介してイオン源120に或る量のサンプル材料を与えるように構成される任意のデバイスとすることができる。例として、サンプル源は、バッチ体積、サンプルプローブ、又は液体若しくはガスハンドリングシステムに関連付けることができる。イオン源120へのサンプル材料の流れは、ポンピング、毛管作用又は電動技法等の任意の手段によって影響を及ぼされる場合がある。複合技法の場合、サンプル源は、ガスクロマトグラフ(GC)機器、液体クロマトグラフ(LC)機器、キャピラリ電気泳動(CE)機器、キャピラリ電気クロマトグラフィ(CEC)機器等の分析分離機器の出力(output)に関連付けられる場合がある。いくつかの実施形態において、サンプルはイオン源120に直接導入又は装填される場合があり、サンプルをサンプル源からカラム又は導管を通して流し込む必要はない。これらの実施形態において、イオン源120へのサンプル注入口又はサンプルインターフェースは、例えば、直接挿入プローブとすることができる。サンプルをイオン源に直接導入するために利用される技法に応じて、サンプル導入を支援するために、キャリアガスが利用される場合があるか、又は利用されない場合がある。
イオン源120は、サンプル源から受け取ったサンプル流から分析対象物イオンを生成するために内部イオン化を実行し、生成されたままのイオンを質量分析器124に誘導するのに適した任意の装置とすることができる。さらに、本明細書において説明される実施形態において、イオン源120は、調整ガス源から受け取った調整ガス流から調整イオンを生成するように構成される。例えば、イオン源120は、電子イオン化(EI)源、化学イオン化(CI)源、又は光イオン化(PI)源とすることができる。イオン源120は、イオン化モードを切り替える能力を含むこともできる。一般に、イオン源120は、イオン化チャンバ136と、イオン化デバイス140とを備える。EI又はCIの場合、イオン化デバイス140は、当業者によって理解される方法において電子を放出するように構成されるフィラメント等の電子源である。PIの場合、イオン化デバイス140は、紫外線(UV)ランプ又は他の適切な光子源とすることができる。
質量分析器124は、分析対象物イオンのそれぞれの質量(すなわち、質量対電荷比、又はm/z比)に基づいて、分析対象物イオンを分離するか、選別するか、又はフィルタリングするように構成される任意のデバイスとすることができる。質量分析器124の例は、限定はしないが、多極電極構造体(例えば、質量フィルタ、イオントラップ)、飛行時間(TOF)分析器、静電分析器(ESA)及び磁気セクタを含む。質量分析器124は、特にイオンフラグメンテーションが望まれるときに、2つ以上の質量分析器のシステムを含むことができる。例として、質量分析器124は、当業者によって理解されるような、タンデムMS又はMSシステムとすることができる。別の例として、質量分析器124は、質量フィルタと、後続の衝突セル又は他のイオンフラグメンテーションデバイスとを含むことができ、それに後続して、別の質量フィルタ又は分析器が存在する。
イオン検出器128は、質量分析器124から出た、質量で区別されたイオン束(又はイオン流)を収集し、測定するように構成される任意のデバイスとすることができる。イオン検出器128の例は、限定はしないが、電子増倍管、マイクロチャネルプレート(MCP)、光電子増倍管、及びファラデーカップを含む。
イオン源120、質量分析器124及びイオン検出器128は、真空システム132が連動するMSハウジング116内に配置される。MSハウジング116及び真空システム132は、質量分析計104内に連続した真空ステージを画定するように構造化される。この構成によって、イオン源120と、質量分析器124及びイオン検出器128の種々の領域とが、所望の真空レベルに維持される。このために、真空システム132は通常、MSハウジング116の1つ以上の排気口を介して1つ以上の真空ステージと連通する1つ以上の真空ポンプを含む。
質量分析計104は、加熱システム164も備えることができる。加熱システム164は、サンプルインターフェース112、イオン化チャンバ136、質量分析器124及びイオン検出器128等の質量分析計104の1つ以上の構成要素のそれぞれの温度を制御するように構成される1つ以上の加熱デバイスを含むことができる。所与の加熱デバイスを、抵抗加熱要素等の直接加熱、又は熱交換媒体を流動させるためのシステム等の間接加熱のために構成することができる。
MSシステム100は、システムコントローラ(又は、システム制御モジュール)168も備えることができる。システムコントローラ168は、当業者によって理解されるような、イオン化チャンバ136へのサンプル導入、サンプルイオン化、イオン化モードの選択、真空及び圧力設定、温度設定若しくは加熱システム164によって実現される変動温度プロファイル、質量分析器124の動作パラメータ(例えば、印加される電界及び/又は磁界、衝突/背景ガス導入、イオン光学系のタイミング等)、イオン検出器128からの信号の取得及び分析、質量スペクトル若しくはクロマトグラムの生成及び表示等の、MSシステム100の種々の態様を制御し、及び/又は監視するように構成することができる。詳細には、システムコントローラ168は、調整ガスの選択、イオン源120への調整ガス(複数の場合もある)の導入、及び調整ガス(複数の場合もある)のイオン化を制御し、及び/又は監視するように構成することができる。これらの目的のために、システムコントローラ168は、通信リンク172を介して質量分析計104と信号通信するように概略的に示される。通信リンク172は、MSシステム100の種々の構成要素とそれぞれ接続される幾つかの通信リンクを表すことができる。所与の通信リンクは有線又は無線とすることができる。また、これらの目的のために、システムコントローラ168は、1つ以上のタイプのハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアと、1つ以上のタイプのメモリとを備えることができる。図示される例において、システムコントローラ168は、更に後述されるように、電子プロセッサ176と、メモリに記憶されるデータベース180と、ガス流量コントローラ又は制御ユニット184と、性能評価器又は評価ユニット188とを備える。また、システムコントローラ168は、ユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、マウス等)、ユーザ出力デバイス(例えば、表示画面、プリンタ、可視インジケータ又はアラート、可聴インジケータ又はアラート等)、電子プロセッサ176及び/又はソフトウェアによって制御されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、電子プロセッサ176によって読み出し可能な媒体(例えば、ソフトウェアに埋め込まれる論理命令、データ等)をロードするためのデバイス等の、1つ以上のタイプのユーザインターフェースデバイスを表すこともできる。システムコントローラ168は、システムコントローラ168の種々の機能を制御し、管理するためのオペレーティングシステム(例えば、Microsoft Windows(登録商標)ソフトウェア)を含むことができる。システムコントローラ168の1つ以上の構成要素は、MSシステム100から遠隔して位置し、有線又は無線通信リンクを介してシステムコントローラ168のローカル部分と通信することができる。いくつかの実施形態において、システムコントローラ168は、例えば、病院又は他の医療機関において利用される場合があるような、ラボラトリ情報管理システム(LIMS:laboratory information management system)を含むことができるか、又はその一部とすることができる。
調整ガスシステム108は、上記のような組成を有する調整ガスをイオン源120の中に誘導するように構成される。このために、調整ガスシステム108は、1つ以上の調整ガス管と連通し、必要に応じて、1つ以上のガス流量コントローラと連通する1つ以上の調整ガス源を備えることができる。調整ガスシステム108は、調整ガス(複数の場合もある)をイオン源120に誘導するように構成される。1つの実施形態において、調整ガス源212及び関連する調整ガス管216が、イオン源120と直接連通する。調整ガスの流れは、調整ガス管216と実効的に連通し、調整ガスの体積流量又は質量流量を規制するように構成されるガス流量コントローラ(又は流量制御モジュール)220等の任意の手段によって制御することができる。流量コントローラ220は、例えば、1つ以上の弁、制限器、質量流量コントローラ、圧力調整器等を含むことができる。流量コントローラ220は手動制御又は電子制御することができる。いくつかの実施形態において、流量コントローラ156は、既知の設計及び動作のプログラマブル電子空気圧コントローラ(EPC)とすることができる。別の実施形態において、調整ガス源204及び関連する調整ガス管208は、流量コントローラ156によって規制される場合があるように、イオン源120の直ぐ上流にあるサンプルインターフェース112を包囲するか、又はサンプルインターフェース112に隣接する導管148と連通する。全てのそのような実施形態において、調整ガスはイオン源120に導入される。
調整モード中の任意の所与の時点において、調整ガスシステム108は、或る単一のタイプの調整ガスを供給することができるか、又は2つ以上の異なるタイプの調整ガスの融合物(混合物)の供給を含むことができる。したがって、調整ガス源212及び204は、2つ以上の異なる調整ガスの発生源を表すことができる。調整ガス源212及び204並びに任意の関連するガス流量コントローラ220及び156は、手動で動作させることができ、及び/又は非一時的コンピュータ実行可能命令に従う場合があるシステムコントローラ168のガス流量コントローラ184によって等、システムコントローラ168によって制御することができる。
上記の実施形態の全てにおいて、調整ガスシステム108は、調整ガス源(複数の場合もある)212及び/又は204から、調整ガス管(複数の場合もある)216及び/又は208を通って、イオン源120に入る調整ガス流路を設ける。調整ガス流路は、イオン源120の中に直接延在するか、又はイオン源120の上流にある場所から延在する。
また、図1は、MSシステム100がガスクロマトグラフ(GC、又はGCシステム)230を備える実施形態も例示し、その場合、MSシステム100は、ガスクロマトグラフ/質量分析(GC/MS)システムであると特徴付けることができる。そのような実施形態において、MSシステム100の入力端はサンプルインターフェース112を介してGC230に接続され、この場合、そのインターフェースはGC/MSインターフェースと呼ばれる場合がある。GC230は、一般的に、GCハウジング234と、GCハウジング234に通常取り付けられるサンプル導入デバイス238と、キャリアガス源242と、GCハウジング234内に配置されるGCカラム246と、加熱デバイス250とを備えることができる。
カラム246は、密封流体コネクタを介してサンプル導入デバイス238と連通するカラム注入口252と、イオン化チャンバ136と連通するカラム排出口254とを含む。カラム排出口254がイオン化チャンバ136内に位置するように、カラム246の一部がサンプルインターフェース112を通ってイオン化チャンバ136の中に延在することができる。代替的に、又は等価的に、カラム246は密封流体コネクタを介して移送管に結合することができ、その場合、移送管が、サンプルインターフェース112を通ってイオン化チャンバ136の中に延在する。カラム246は固定相を含み、固定相は通常、固体支持体上に、又はカラム246の内壁を覆うフィルム上に保持される液体又はポリマーを備える。所望の長さを維持しながら空間を節約するために、カラム246は、コイル状の部分256を含むことができる。
サンプル導入デバイス238は通常、サンプルをカラム注入口252に注入するデバイスを備え、サンプルを気化させるデバイスを備える場合がある。サンプルは、カラム246内で分析によって分離されるべきサンプル材料と、1つ以上の溶媒とを含むマトリックスとすることができる。サンプル導入デバイス238は、1つ以上のサンプル容器260を収容するように構成することができ、カラム246に注入するための所望のサンプルを選択するデバイス(例えば、カルーセル)を備えることができる。
キャリアガス源242は、キャリアガス管264を介して、カラム注入口252と連通することができる。キャリアガス管264は、カラム注入口252の上流にある点において、サンプル導入デバイス238の一部に結合することができる。キャリアガスは、当業者によって理解されるように、カラム246を通してのサンプルの移送を容易にする不活性移動相としての役割を果たすのに適した任意のガスとすることができる。キャリアガスの例は、限定はしないが、ヘリウム、窒素、アルゴン及び水素を含む。キャリアガスの流れは、ガス流量コントローラ268等の任意の手段によって制御することができる。図示される例において、キャリアガスは、キャリアガス源242からキャリアガス管264を通って流量コントローラ268に、そしてカラム注入口252の中に延在するキャリアガス経路を介して、カラム246に供給される。
加熱デバイス250は、所望の温度設定にカラム246を維持するのに適した、又は所望の(すなわち、所定の)温度プロファイル(又は温度プログラム)に従ってカラム246の温度を変更するのに適した任意の構成を有することができる。1つの例において、GCハウジング234は、オーブンであり(又はオーブンを含み)、加熱デバイス250は、カラム246がそこを通って延在するオーブンの内部を加熱するように構成される。別の例において、加熱デバイス250は、カラム246を直接加熱するように構成される。例えば、加熱デバイス250は、カラム246と熱的に接触して取り付けられる抵抗加熱要素を含むことができる。
質量分析計104及び調整ガスシステム108の構成要素と連動することに加えて、システムコントローラ168は、カラム246へのサンプル導入、カラム漏れ事象、圧力設定、温度設定、又は加熱デバイス250によって実施される変動温度プロファイル等の、GC230の種々の態様を制御し、及び/又は監視するように構成することができる。これらの目的のために、システムコントローラ168は、通信リンク318を介してGC230と信号通信するように概略的に示されており、その通信リンクは、有線又は無線とすることができ、GC230の個々の構成要素への1つ以上の専用通信リンクを表すことができる。図1に概略的に示されるシステムコントローラ168は、質量分析計104及びGC230、並びに調整ガスシステム108の種々の動作を連係させるか、又は同期させるための1つ以上のモジュール、ユニット又はデバイスを表す場合があることがわかる。
MSシステム100は、分析モード又は調整モードのいずれかにおいて動作し、分析モードと調整モードとを切り替えるように構成される。分析モードにおいて、サンプルは、サンプルから分析対象物イオンを生成するように動作するイオン化チャンバ136及びイオン化デバイス140に導入される。分析対象物イオンは、質量に応じてイオンを選別する、質量分析器124の中に移送される。結果として生じる、質量で区別されたイオンは、その後、イオン検出器128に移送され、イオン検出器は通常、イオン流を電気信号に変換するように構成される。電気信号は、質量スペクトル又はクロマトグラムを処理し、生成するために、システムコントローラ168によって概略的に表されるデータ分析器に送信される。
調整モードにおいて、MSシステム100は、上記のように、調整ガスを、調整ガス流路を介してイオン化チャンバ136に流し込むように動作する。調整ガスの有効性は、調整ガスにエネルギーを加えて、調整ガス分子をイオン化することによって最適化される。このために、イオン化デバイス140は、調整ガス分子と相互作用する電子又は光子を生成するように動作する。
いくつかの実施形態において、調整ガスの有効性は、調整ガスに熱エネルギーを加えることによって、及び/又は調整ガスの温度を制御することによって更に最適化することができる。温度制御は、システムコントローラ168によって制御することができ、プログラムされた温度プロファイルに従うことができる加熱システム164を動作させることによって成し遂げることができる。1つの例において、MSシステム100は、イオン化チャンバ136を周囲温度又は室温から約450℃までに及ぶ温度に維持するように構成される。
また、MSシステム100は、MSシステム100の1つ以上のパラメータを評価し、パラメータの値に基づいて、MSシステム100が調整モードにおいて動作すべきである(又は同等に、分析モードから調整モードに切り替えられるべきである)か否かを判断するように構成することができる。評価される場合があるパラメータの例は、限定はしないが、MSシステム100又はその構成要素(例えば、質量分析計104、イオン源120、カラム246)がパラメータを評価する前に(又は前回パラメータが評価された時点から、若しくは前回調整モードが実施された時点から)分析モードにおいて動作していた回数、パラメータを評価する前に(又は前回パラメータが評価されてから、若しくは前回調整モードが実施されてから)経過した時間の長さ、所定の動作条件下でMSシステムによって生成されたクロマトグラム(又は質量スペクトル)の特性、分析モード又は調整モードにおいて動作している間に取り込まれた1つ以上の選択された質量対電荷比のイオンの存在量の測定値、及び/又はカラムの固定相支持体から分離された固定相材料の存在(すなわち、カラムブリードの証拠)を含む。クロマトグラムの特性は、信号応答の劣化を示す任意の指標(例えば、信号対雑音比)、又はMSシステム100の他の性能基準を含むことができる。クロマトグラムの特性及び汚染物質イオンの存在量等のパラメータは、調整モードが実行されるべきであるか否かに関しての判断を支援するために、システムコントローラ168のデータベース180内に記憶された基準パラメータと比較することができる。選択されたイオンの存在量の測定は、調整モードにおいて動作している間に行うことができ、それにより、加えられる調整ガスのレベル等の、調整モードの或る特定の動作パラメータを調整できるようにする。調整モードにおいて動作するか否かを判断するためにMSシステム100の1つ以上のパラメータを評価することは、システムコントローラ168の性能評価器188によって実行するか、又は管理することができる。
代替的に、又はさらに加えて、上記のパラメータの1つ以上は、MSシステム100のユーザによって手動で評価することができる。例として、ユーザは、イオン源120の使用年数及び/又は使用回数を記録することができる。ユーザは、サンプル分析又は背景分析から得られたクロマトグラム又は質量スペクトルの目視検査を行うことができ、イオン源120を調整する必要があるか否かを判断することができる。代替的に、又はさらに加えて、MSシステム100は、任意の所望の時点において、又は所定のメンテナンススケジュールに従って、ユーザがMSシステム100を調整モードに切り替えることができるように構成することができる。
MSシステム100が調整モードにおいて動作すべきであるとの判断が下された場合には、MSシステム100は、その判断に基づいて(又は応答して)、或る措置を講じるように構成することができる。例として、その措置は、MSシステム100の動作を調整モードに切り替えること、MSシステム100の動作を調整モードに切り替える時刻を予定に入れること、MSシステム100の動作を調整モードに切り替えるための予定された時刻を変更すること、及び/又はMSシステム100が調整モードにおいて動作すべきであるという、ユーザ解釈可能な指示を生成することを含むことができる。ユーザ解釈可能な指示は、例えば、可聴若しくは可視アラーム、MSシステム100のユーザコントロールパネル上に、又はMSシステム100と通信する表示画面上に表示される可視指示若しくはメッセージ、ユーザに送信される電子メール若しくはテキストメッセージ等を含むことができる。
質量分析(MS)システムを動作させる方法の一例が、ここで、図2のフロー図を参照しながら説明されることになる。その方法は、サンプルをイオン源に導入することなく、第1の調整ガスをMSシステムのイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスをイオン化することとを含み、イオン源は第1の調整ガスによって調整される(ステップ202)。その方法は、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第2の調整ガスをイオン化することとを更に含み、イオン源は第2の調整ガスによって調整される(ステップ204)。調整ガスは、イオン源のイオン化デバイスを動作させることによってイオン化される。その方法は、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを調整済みのイオン源に導入し、サンプルから分析データを収集することによってサンプルを分析する等の、MS源の通常動作を再開することを更に含むことができる(ステップ206)。
一実施形態において、異なる調整ガス(例えば、第1の調整ガス、及びその後の第2の調整ガス)をイオン源に流し込むことは、異なるステップにおいて順次に行われる。例えば、第1の調整ガスは、所望の(第1の)設定点流量においてイオン源に送り込むことができる。イオン源内の第1の流量及び温度が安定する(すなわち、定常状態又は平衡状態に達する)と、所望の(第1の)持続時間にわたって、第1の調整ガスを一定の流量で送り込み続けることができる。その後、第1の調整ガスの流れを遮断することができる。第1の調整ガスの流れを停止した後に、所望の(第2の)設定点流量において第2の調整ガスの流れを開始することができ、その設定点流量は、第1の設定点流量とは異なる場合があるか、又は異ならない場合がある。イオン源内の第2の流量及び温度が安定すると、所望の(第2の)持続時間にわたって、第2の調整ガスを一定の流量で送り込み続けることができ、その持続時間は、第1の調整ガスがイオン源に送り込まれた第1の持続時間とは異なる場合があるか、又は異ならない場合がある。さらに、第2の調整ガスが規制される温度は、第1の調整ガスが規制される温度とは異なる場合があるか、又は異ならない場合がある。
いくつかの実施形態において、サンプルは、GCカラム等から、キャリアガスとともに導入される場合があり、第1の調整ガス及び第2の調整ガスとは異なる場合がある。
一実施形態において、第1の調整ガスは主に(又は実質的に)水素である。すなわち、第1の調整ガスは、体積比で少なくとも90%(90%以上、すなわち、90%〜100%)の水素を含む組成を有する。したがって、第1の調整ガスは専ら(純粋に)水素ガスとすることができるか、又は水素ガスと1つ以上の他のガスとの混合物とすることができる。この実施形態において、第2の調整ガスは主に(又は実質的に)水素ガスでない。すなわち、第2の調整ガスは、体積比で90%未満(0%から90%未満まで)の水素ガスを含む組成を有する。第2の調整ガスは単一のガスとすることができるか、又は2つ以上の異なるガスの混合物とすることができる。第2の調整ガスを構成する単一又は複数のガスは、例えば、炭化水素等の、本開示において上記で言及された調整ガスのうちの1つ以上とすることができる。
別の実施形態において、第1の調整ガスは、体積比で90%未満(0%から90%未満)の水素ガスを含む組成を有し、第2の調整ガスも体積比で90%未満(0%から90%未満)の水素ガスを含む組成を有するが、第1の調整ガスとは異なる。すなわち、第1の調整ガス及び第2の調整ガスは、異なる化合物であるか、又は化合物の異なる混合物である。サンプルは、キャリアガスとともにイオン源に導入することができ、キャリアガスは、体積比で少なくとも90%(90%以上、すなわち、90%〜100%)の水素ガスを含む組成を有することができる。
第2の調整ガスを流し込んだ後に、その方法は、第1の調整ガスをイオン源に流し込むステップと、第1の調整ガスをイオン化するステップとを繰り返すことを含むことができる。これらのステップを繰り返した後に、その方法は、第2の調整ガスをイオン源に流し込むステップと、第2の調整ガスをイオン化するステップとを繰り返すことを更に含むことができる。したがって、サンプルをMSに通す前に、調整プロセスの複数の繰返しを実行することができる。
その方法は、1つ以上の更なるガスをイオン源に流し込むことを含むことができる。例えば、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入し、イオン化することなく、第3の調整ガスをイオン源に流し込むことができ、イオン源は第3の調整ガスによって更に調整される。実施形態に応じて、第3の調整ガスの組成は水素(又は主に水素)の場合があるか、又は水素でない(又は主に水素でない)場合があり、第2の調整ガスと、又は第1の調整ガス及び第2の調整ガスの両方と異なる場合がある。
MSシステムは、調整モードに切り替わる前に通常の分析モードにおいて動作することができ、すなわち、第1の調整ガスをイオン源に流し込む前に、サンプルを分析することができる。このサンプルは、イオン源を調整した後に(すなわち、第1の調整ガス及び第2の調整ガスをイオン源に流し込んだ後に)分析される「第2の」サンプルに対して、「第1の」サンプルと呼ばれる場合がある。したがって、第1の調整ガスをイオン源に流し込む前に、第1のサンプルをイオン化チャンバに導入し、第1のサンプルから分析データを収集することによって、第1のサンプルを分析することができる。いくつかの実施形態において、第1のサンプルをキャリアガスとともにイオン源に流し込むことによって、第1のサンプルをイオン源に導入することができる。いくつかの実施形態において、第1のキャリアガスは専ら、又は主に水素ガスである。
いくつかの実施形態において、その方法は、上記のように、第1の調整ガス及び/又は第2の調整ガスを加熱することを含むことができる。
いくつかの実施形態において、その方法は、MSシステムのパラメータを評価することと、パラメータを評価することに基づいて、MSシステムが調整モードにおいて動作すべきか否かを判断する、例えば、MSシステムが分析モードから調整モードに切り替えられるべきであるか否かを判断することとを含むことができる。上記のように、いくつかのパラメータが考慮される場合がある。MSシステムが調整モードにおいて動作すべきであると判断される場合には、その方法は、上記のように、それに応答して1つ以上の更なる措置を講じることを含むことができる。
一実施形態によれば、図2はまた、本明細書において説明される方法を実行するように構成されるMSシステムを表す。例えば、MSシステムは、図2に示されるステップ、及び/又は本明細書において開示される方法のいずれかの全て又は一部を実行するように構成される、上記で説明され、図1に示される構成要素等の構成要素を備えることができる。
一実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、プロセッサ上で実行されるときに、図2に示されるステップ、及び/又は本明細書において開示される方法のいずれかの全て又は一部を制御するか、又は実行する命令を記憶している。例えば、上記で説明され、図1に示される、MSシステム100の、又はMSシステム100に関連付けられるシステムコントローラ168は、非一時的コンピュータ可読媒体を読み取り、記憶されている命令を実行するように構成することができる。
図3は、本開示に従って実施される種々のインサイチュ調整プロセス後のフェニトロチオン(O,O−ジメチルO−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート)の場合の選択イオンモニタリング(SIM)取得の全イオンクロマトグラム(TIC)である。破線は、イオン源を水素で処置した後の結果として生じるイオン源応答を示す。実線は、水素で処置した後に炭化水素蒸気(この例では、メタン)でイオン源を処置した後の結果として生じるイオン源応答を示し、それは、水素だけによる処置と比べて、著しく高いピークを生成した。図3は、2つの異なる調整ガスを利用する2ステップ処置が、例えば、水素を利用する1ステップ処置より有効であり得ることを実証する。
図4は、本開示による、交互の水素調整及び補助的な調整プロセスから生じるフェニトロチオンの場合の平均応答(イオン検出器カウント)の組である。水平軸は、具体的に左から右に、4つの連続した処置ステップに対応する4つの領域、すなわち、(1)水素による処置、(2)炭化水素蒸気(この例ではメタン)による処置、(3)水素による更なる処置、及び(4)炭化水素蒸気(この例ではメタン)による更なる処置に分割される。図示されるように、水素のみによる処置に比べて、炭化水素による第1の処置後に応答が著しく増加した。水素による第2の処置後に、応答が減少した。しかしながら、炭化水素による第2の処置後に、応答は再び増加した。
上記のことから、本明細書において説明される実施形態が、汚染された部品の取り出し、エクスシチュでの洗浄及び再設置等の、従来のMSサービス作業を排除するか、又はその頻度を著しく少なくすることができ、MSシステムの性能を回復させることができるか、又は改善できることがわかる。本明細書において説明されるようなオフライン調整プロセスの適用は、別の状況では非常に遅い排除速度を有することになる、水等の化学的に吸着した種、及び従来の洗浄中に空気に曝露するとMS構成要素に吸着される溶媒又は炭化水素等の種に関して、MSシステムのバックグラウンドを速やかに改善することができる。
例示的な実施形態
ここで開示されている主題により提供される例示的な実施形態は、以下を含むが、これらに限定されない。
1.質量分析(MS)システムを動作させる方法であって、この方法は、サンプルをMSシステムのイオン源に導入することなく、第1の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第1の調整ガスによって調整されることと、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第2の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第2の調整ガスによって調整されることと、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを調整済みのイオン源に導入し、このサンプルから分析データを収集することによってこのサンプルを分析することとを含み、第1の調整ガスは体積比で少なくとも90%の水素ガスを含む組成を有し、第2の調整ガスは体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有する、方法。
2.第2の調整ガスは、炭化水素、アンモニア、メチルアミン、ケトン、アルコール、アセトニトリル、シラン、シラン誘導体、及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態1に記載の方法。
3.第2の調整ガスは、メタン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態1に記載の方法。
4.第2の調整ガスは、アセトン、メタノール、エタノール及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態1に記載の方法。
5.第1の調整ガス及び第2の調整ガスは、以下、第1の調整ガスは2つ以上の異なるガスの混合物である、第2の調整ガスは2つ以上の異なるガスの混合物である、前述の事項の両方である、からなる群から選択された組成を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
6.第2の調整ガスを流し込んだ後に、第1の調整ガスをイオン源に流し込むステップを繰り返すことを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
7.第2の調整ガスを流し込んだ後に、第1の調整ガス及び第2の調整ガスをイオン源に流し込むステップを繰り返すことを含む、実施形態1〜5のいずれかに記載の方法。
8.第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第3の調整ガスをイオン源に流し込むことと、この第3の調整ガスをイオン化することとを含み、イオン源は第3の調整ガスによって調整され、第3の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第3の調整ガスは第2の調整ガスとは異なる、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
9.サンプルを導入することは、サンプルをキャリアガスとともに調整済みのイオン源に流し込むことを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
10.キャリアガスは、第1の調整ガス及び第2の調整ガスとは異なる、実施形態9に記載の方法。
11.第2の調整ガスを流し込んだ後に導入されるサンプルは第2のサンプルであり、第1の調整ガスをイオン源に流し込む前に、第1のサンプルをイオン源に導入し、第1のサンプルから分析データを収集することによって第1のサンプルを分析することを更に含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
12.第1のサンプルを導入することは、第1のサンプルをキャリアガスとともにイオン源に流し込むことを含む、実施形態11に記載の方法。
13.第1の調整ガス又は第2の調整ガスの少なくとも一方を質量分析計に流し込みながら、第1の調整ガス又は第2の調整ガスの少なくとも一方を加熱することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
14.第1の調整ガス及び第2の調整ガスをイオン化することは、第1の調整ガス及び第2の調整ガスに電子又は光子を照射することを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の方法。
15.先行する実施形態のいずれかに記載の方法を実行するように構成される質量分析(MS)システム。
16.プロセッサ上で実行されるときに、先行する実施形態のいずれかに記載の方法に従って、第1の調整ガスを流し込むステップと、第2の調整ガス流し込むステップと、サンプルを分析するステップとを制御するか、又は実行する命令を記憶している、非一時的コンピュータ可読媒体。
17.実施形態16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体を備える、質量分析(MS)システム。
18.質量分析(MS)システムを動作させる方法であって、その方法は、サンプルをイオン源に導入することなく、第1の調整ガスをMSシステムのイオン源に流し込むことと、第1の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第1の調整ガスによって調整されることと、第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをイオン源に導入することなく、第2の調整ガスをイオン源に流し込むことと、第2の調整ガスをイオン化することであって、イオン源は第2の調整ガスによって調整されることと、第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルをキャリアガスとともに調整済みのイオン源に導入し、サンプルから分析データを収集することによってサンプルを分析することとを含み、キャリアガスは体積比で少なくとも90%の水素ガスを含む組成を有し、第1の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第2の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第1の調整ガスとは異なる、方法。
19.第1の調整ガス及び第2の調整ガスはそれぞれ、炭化水素、アンモニア、メチルアミン、ケトン、アルコール、アセトニトリル、シラン、シラン誘導体、及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態18に記載の方法。
20.第1の調整ガス及び第2の調整ガスはそれぞれ、メタン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態18に記載の方法。
21.第1の調整ガス及び第2の調整ガスはそれぞれ、アセトン、メタノール、エタノール及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、実施形態18に記載の方法。
22.第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを質量分析計に導入することなく、第3の調整ガスを質量分析計に流し込むことを含み、質量分析計は第3の調整ガスによって調整され、第3の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、第3の調整ガスは、第2の調整ガスとは異なり、キャリアガスとは異なる、実施形態18〜21のいずれかに記載の方法。
本明細書において説明されるプロセス、サブプロセス及びプロセスステップの1つ以上は、1つ以上の電子デバイス又はデジタル制御デバイス上で、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又は上記のものの2つ以上の組み合わせによって実行される場合があることは理解されよう。ソフトウェアは、例えば、図1に概略的に示されるシステムコントローラ168等の適切な電子処理構成要素又はシステム内のソフトウェアメモリ(図示せず)内に存在することができる。ソフトウェアメモリは、論理機能(すなわち、デジタル回路又はソースコード等のデジタル形式で実施することができる「ロジック」、又はアナログ電気信号、音響信号若しくはビデオ信号等のアナログ信号源等のアナログ形式で実施することができる「ロジック」)を実施するための実行可能命令の順序付きリストを含むことができる。命令は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、汎用プロセッサ、プロセッサの組み合わせ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、処理モジュール内で実行することができる。さらに、回路図は、機能のアーキテクチャ又は物理的レイアウトによって制限されない物理的(ハードウェア及び/又はソフトウェア)実施態様を有する論理的機能分割を説明する。本明細書において説明されるシステムの例は、様々な構成において実現することができ、単一のハードウェア/ソフトウェアユニット、又は別々のハードウェア/ソフトウェアユニット内のハードウェア/ソフトウェア構成要素として動作することができる。
実行可能命令は、電子システムの処理モジュール(例えば、図1のシステムコントローラ168)によって実行されるときに、電子システムに命令を実行するように指示する、命令を記憶しているコンピュータプログラム製品として実現することができる。コンピュータプログラム製品は、電子コンピュータベースシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置若しくはデバイスから命令を選択的にフェッチし、命令を実行することができる他のシステム等の、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するための任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体において選択的に具現化することができる。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを記憶することができる任意の非一時的手段である。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、選択的に、例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線又は半導体システム、装置若しくはデバイスとすることができる。非一時的コンピュータ可読媒体のより具体的な例の包括的でないリストは、1つ以上の導線を有する電気的接続(電子)、ポータブルコンピュータディスケット(磁気)、ランダムアクセスメモリ(電子)、リードオンリーメモリ(電子)、例えば、フラッシュメモリ等の消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(電子)、例えば、CD−ROM、CD−R、CD−RW等のコンパクトディスクメモリ(光学)、及びデジタルバーサタイルディスクメモリ、すなわち、DVD(光学)を含む。例えば、紙又は他の媒体の光学走査を介してプログラムを電子的に取り込むことができ、その後、必要に応じて、コンパイルするか、解釈するか、又は別の方法で適切に処理し、その後、コンピュータメモリ又はマシンメモリ内に記憶することができるので、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であってもよいことに留意されたい。
また、本明細書において使用されるときに、「信号通信する」という用語は、2つ以上のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールが、何らかのタイプの信号経路にわたって進行する信号によって互いに通信できることを意味することは理解されよう。信号は、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールと第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールとの間の信号経路に沿って、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールから第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールに情報、電力又はエネルギーを伝達することができる通信信号、電力信号、データ信号又はエネルギー信号とすることができる。信号経路は、物理的接続、電気的接続、磁気的接続、電磁的接続、電気化学的接続、光学的接続、有線接続又は無線接続を含むことができる。また、信号経路は、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールと第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールとの間に、更なるシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールを含むこともできる。
より一般的には、「通信(連通)する(communicate)」及び「通信(連通)している(in communication with)」(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素と「通信(連通)する」又は「通信(連通)している」)等の用語は、2つ以上の構成要素又は要素間の構造的、機能的、機械的、電気的、信号、光学的、磁気的、電磁的、イオン又は流体的な関係性を示すために本明細書において使用される。その場合に、1つの構成要素が第2の構成要素と通信(連通)すると言われることは、更なる構成要素が、第1の構成要素と第2の構成要素との間に存在する場合があり、及び/又は第1の構成要素及び第2の構成要素と動作可能に関連付けられるか、又は関与する場合があるという可能性を除外することを意図するものではない。
本発明の種々の態様又は詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができることが理解されよう。さらに、上述の記載は、単に例示目的のものであり、限定する目的はない。本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
100 質量分析計(MS)システム
104 質量分析計
108 調整ガスシステム
112 サンプル(又はサンプル/キャリアガス)注入口又はインターフェース
116 MSハウジング
120 イオン源(又はイオン化装置)
124 質量分析器
128 イオン検出器
132 真空システム
136 イオン化チャンバ
140 イオン化デバイス
156 流量コントローラ
168 システムコントローラ(又は、システム制御モジュール)
176 電子プロセッサ
180 データベース
204、212 調整ガス源
208、216 調整ガス管
220 ガス流量コントローラ(又は流量制御モジュール)
230 ガスクロマトグラフ(GC、又はGCシステム)
234 GCハウジング
238 サンプル導入デバイス
242 キャリアガス源
246 GCカラム
250 加熱デバイス
252 カラム注入口
254 カラム排出口
256 コイル状の部分
260 サンプル容器
264 キャリアガス管
268 ガス流量コントローラ

Claims (10)

  1. 質量分析(MS)システムを動作させる方法であって、該方法は、
    サンプルを前記MSシステムのイオン源に導入することなく、第1の調整ガスを該イオン源に流し込むことと、
    前記第1の調整ガスをイオン化することであって、前記イオン源は前記第1の調整ガスによって調整されることと、
    前記第1の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを前記イオン源に導入することなく、第2の調整ガスを前記イオン源に流し込むことと、
    前記第2の調整ガスをイオン化することであって、前記イオン源は前記第2の調整ガスによって調整されることと、
    前記第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを前記調整済みのイオン源に導入し、該サンプルから分析データを収集することによって該サンプルを分析することと、
    を含み、
    前記第1の調整ガスは体積比で少なくとも90%の水素ガスを含む組成を有し、
    前記第2の調整ガスは体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有する、方法。
  2. 前記第2の調整ガスは、以下の事項、すなわち、
    前記第2の調整ガスは、炭化水素、アンモニア、メチルアミン、ケトン、アルコール、アセトニトリル、シラン、シラン誘導体、及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、
    前記第2の調整ガスは、メタン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、
    第2の調整ガスは、アセトン、メタノール、エタノール及び前述のものの2つ以上の組み合わせからなる群から選択された化合物を含む、
    のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の調整ガス及び前記第2の調整ガスは、以下、
    前記第1の調整ガスは2つ以上の異なるガスの混合物である、
    前記第2の調整ガスは2つ以上の異なるガスの混合物である、
    上記の事項の両方である、
    からなる群から選択された組成を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2の調整ガスを流し込んだ後に、前記第1の調整ガスを前記イオン源に流し込むステップを繰り返すか、又は前記第1の調整ガス及び前記第2の調整ガスを前記イオン源に流し込むステップを繰り返すことを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第2の調整ガスを流し込んだ後に、サンプルを前記イオン源に導入することなく、第3の調整ガスを前記イオン源に流し込むことと、該第3の調整ガスをイオン化することとを含み、前記イオン源は前記第3の調整ガスによって調整され、前記第3の調整ガスは、体積比で0%から90%未満までの水素ガスを含む組成を有し、前記第3の調整ガスは前記第2の調整ガスとは異なる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 以下の事項、すなわち、
    前記サンプルを導入することは、前記サンプルをキャリアガスとともに前記調整済みのイオン源に流し込むことを含む、
    前記サンプルを導入することは、前記サンプルをキャリアガスとともに前記調整済みのイオン源に流し込むことを含み、前記キャリアガスは前記第1の調整ガス及び前記第2の調整ガスとは異なる、
    のうちの一方を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2の調整ガスを流し込んだ後に導入される前記サンプルは第2のサンプルであり、以下の事項、すなわち、
    前記第1の調整ガスを前記イオン源に流し込む前に、第1のサンプルを前記イオン源に導入し、該第1のサンプルから分析データを収集することによって該第1のサンプルを分析すること、
    前記第1の調整ガスを前記イオン源に流し込む前に、第1のサンプルを前記イオン源に導入し、該第1のサンプルから分析データを収集することによって該第1のサンプルを分析することであって、前記第1のサンプルを導入することは、前記第1のサンプルをキャリアガスとともに前記イオン源に流し込むことを含むこと、
    のうちの1つを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の調整ガス又は前記第2の調整ガスの少なくとも一方を前記イオン源に流し込みながら、前記第1の調整ガス又は前記第2の調整ガスの前記少なくとも一方を加熱することを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1の調整ガス及び前記第2の調整ガスをイオン化することは、前記第1の調整ガス及び前記第2の調整ガスに電子又は光子を照射することを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される質量分析(MS)システム。
JP2018229549A 2017-12-18 2018-12-07 質量分析システムにおけるインサイチュ調整 Active JP7221037B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/846,158 US10580632B2 (en) 2017-12-18 2017-12-18 In-situ conditioning in mass spectrometry systems
US15/846,158 2017-12-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019109233A true JP2019109233A (ja) 2019-07-04
JP7221037B2 JP7221037B2 (ja) 2023-02-13

Family

ID=64664630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018229549A Active JP7221037B2 (ja) 2017-12-18 2018-12-07 質量分析システムにおけるインサイチュ調整

Country Status (4)

Country Link
US (1) US10580632B2 (ja)
EP (1) EP3499547A1 (ja)
JP (1) JP7221037B2 (ja)
CN (1) CN109950122A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298776A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Anelva Corp イオン化装置
JP2007170985A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Hitachi Ltd 化学物質モニタ装置および化学物質モニタ装置のクリーニング方法
JP2013061324A (ja) * 2011-09-09 2013-04-04 Agilent Technologies Inc 質量分析計システムにおける現場調整
JP2013175321A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Nippon Api Corp 質量分析装置及びその使用方法、並びにガス透過特性測定方法
JP2015115202A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析方法

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE33344E (en) 1977-04-22 1990-09-18 Finnigan Corporation Apparatus and method for detecting negative ions
US4833319A (en) 1987-02-27 1989-05-23 Hughes Aircraft Company Carrier gas cluster source for thermally conditioned clusters
US4994096A (en) 1989-05-09 1991-02-19 Hewlett-Packard Co. Gas chromatograph having integrated pressure programmer
GB2291200A (en) 1994-07-15 1996-01-17 Ion Track Instr Ion mobility spectrometer and method of operation for enhanced detection of narotics
DE19538031C2 (de) 1995-01-17 2002-11-28 Agilent Technologies Inc Chromatograph mit gesteuertem Ofen
US5942752A (en) 1996-05-17 1999-08-24 Hewlett-Packard Company Higher pressure ion source for two dimensional radio-frequency quadrupole electric field for mass spectrometer
GB9612070D0 (en) 1996-06-10 1996-08-14 Micromass Ltd Plasma mass spectrometer
US6537461B1 (en) 2000-04-24 2003-03-25 Hitachi, Ltd. Process for treating solid surface and substrate surface
US7399958B2 (en) 1999-07-21 2008-07-15 Sionex Corporation Method and apparatus for enhanced ion mobility based sample analysis using various analyzer configurations
US7838842B2 (en) * 1999-12-13 2010-11-23 Semequip, Inc. Dual mode ion source for ion implantation
US6808933B1 (en) 2000-10-19 2004-10-26 Agilent Technologies, Inc. Methods of enhancing confidence in assays for analytes
US6765215B2 (en) 2001-06-28 2004-07-20 Agilent Technologies, Inc. Super alloy ionization chamber for reactive samples
US7836450B2 (en) 2003-08-28 2010-11-16 Mips Technologies, Inc. Symmetric multiprocessor operating system for execution on non-independent lightweight thread contexts
DE10346768A1 (de) 2003-10-06 2005-04-21 Zimmer Ag Verfahren zur automatischen Analyse von polymerhaltigem Abfall und Analyseautomat hierzu
US8003934B2 (en) 2004-02-23 2011-08-23 Andreas Hieke Methods and apparatus for ion sources, ion control and ion measurement for macromolecules
CA2604820A1 (en) 2004-02-23 2005-09-09 Gemio Technologies, Inc. Ion source with controlled superposition of electrostatic and gas flow fields
DE102004014582B4 (de) 2004-03-25 2009-08-20 Bruker Daltonik Gmbh Ionenoptische Phasenvolumenkomprimierung
KR100915716B1 (ko) 2005-08-31 2009-09-04 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 클리닝 방법
DE102005054605B4 (de) 2005-11-16 2010-09-30 Bruker Daltonik Gmbh Automatische Reinigung von Ionenquellen
US7812307B2 (en) 2006-01-20 2010-10-12 Agilent Technologies, Inc. Microplasma-based sample ionizing device and methods of use thereof
US20070224693A1 (en) 2006-03-22 2007-09-27 Prest Harry F Interlocked hydrogen source for gas chromatography
CN101473073B (zh) 2006-04-26 2012-08-08 高级技术材料公司 半导体加工系统的清洁
US7642510B2 (en) 2006-08-22 2010-01-05 E.I. Du Pont De Nemours And Company Ion source for a mass spectrometer
US20080083874A1 (en) 2006-10-10 2008-04-10 Prest Harry F Vacuum interface for mass spectrometer
EP1925935A1 (en) 2006-11-23 2008-05-28 Varian B.V. Gas detection system and method
US20090014644A1 (en) 2007-07-13 2009-01-15 Inficon, Inc. In-situ ion source cleaning for partial pressure analyzers used in process monitoring
US20090194679A1 (en) 2008-01-31 2009-08-06 Agilent Technologies, Inc. Methods and apparatus for reducing noise in mass spectrometry
IL193003A (en) 2008-07-23 2011-12-29 Aviv Amirav Open probe method and device for sample introduction for mass spectrometry analysis
US8210026B2 (en) 2008-12-10 2012-07-03 Agilent Technologies, Inc. System for integrated backflush in a gas chromatograph
US8003959B2 (en) * 2009-06-26 2011-08-23 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Ion source cleaning end point detection
US20110108058A1 (en) * 2009-11-11 2011-05-12 Axcelis Technologies, Inc. Method and apparatus for cleaning residue from an ion source component
TWI689467B (zh) * 2010-02-26 2020-04-01 美商恩特葛瑞斯股份有限公司 用以增進離子植入系統中之離子源的壽命及性能之方法與設備
JP2014137901A (ja) * 2013-01-16 2014-07-28 Nissin Ion Equipment Co Ltd イオン注入装置およびイオン注入装置の運転方法
CN104966660B (zh) * 2015-07-27 2018-04-24 北京凯尔科技发展有限公司 一种质子转移质谱仪及其使用方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002298776A (ja) * 2001-03-29 2002-10-11 Anelva Corp イオン化装置
JP2007170985A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Hitachi Ltd 化学物質モニタ装置および化学物質モニタ装置のクリーニング方法
JP2013061324A (ja) * 2011-09-09 2013-04-04 Agilent Technologies Inc 質量分析計システムにおける現場調整
JP2013175321A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Nippon Api Corp 質量分析装置及びその使用方法、並びにガス透過特性測定方法
JP2015115202A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP3499547A1 (en) 2019-06-19
CN109950122A (zh) 2019-06-28
JP7221037B2 (ja) 2023-02-13
US10580632B2 (en) 2020-03-03
US20190189413A1 (en) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6267856B2 (ja) 質量分析計システムにおける現場調整
US10607722B2 (en) Data-processing for chromatographic mass spectrometry
US9460901B2 (en) Data-processing system for chromatograph mass spectrometry
JP5711372B2 (ja) ソフトイオン化グロー放電及び調整器を備える質量分析計
US5970804A (en) Methods and apparatus for analysis of complex mixtures
US7260978B2 (en) Gas chromatography/mass spectrometry system
US20130043380A1 (en) Calibration of mass spectrometry systems
Krechmer et al. Increasing the rate of sample vaporization in an open air desorption ionization source by using a heated metal screen as a sample holder
JP4407337B2 (ja) クロマトグラフ質量分析装置
JP5316481B2 (ja) 質量分析装置
JP2009129868A (ja) 質量分析装置及びその調整方法
JP5545023B2 (ja) ガスクロマトグラフ質量分析装置
JP2009162665A (ja) ガス分析方法及びガス分析装置
JP2009518631A (ja) 質量分析計を用いた複合基質の自動分析
JP7221037B2 (ja) 質量分析システムにおけるインサイチュ調整
JP5297929B2 (ja) 質量分析装置、および質量分析方法
JP2016053500A (ja) クロマトグラフ質量分析装置
CN108027346B (zh) 质谱分析装置、质谱分析方法以及质谱分析用程序
EP3392902A1 (en) Ion analyzing apparatus
JP2006322842A (ja) クロマトグラフ分析装置
CN112969915A (zh) 分析方法、吸附抑制剂和分析用试剂盒
CN112136040A (zh) 分析装置、分析方法以及程序
WO2023195210A1 (ja) 脂溶性ビタミン類の血中濃度測定方法及び測定装置
JP2009070667A (ja) 四重極型質量分析装置
JP7295203B2 (ja) 質量分析におけるガスフローパラメータの異常検出

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7221037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150