JP2019108849A - 多気筒エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動時における機関出力軸の回転に伴う荷重が局所的に加わることを抑制して高いシール性を確保することができるとともに、重量の増加抑制を図ることができる多気筒エンジンを提供する。【解決手段】エンジンは、クランクシャフトと、気筒形成部と、接続部115,116と、シャフト支持部119,120と、ベアリングキャップ152,153と、を備える。複数の気筒形成部のうちX方向の内側に設けられた内側気筒形成部112において、Y方向両側の側壁面は、当該内側気筒形成部112におけるX方向両側の接続部115,116をそれぞれ基端として、X方向及びZ方向に対して斜め方向に延び、互いに交差箇所P1で交差する2つの斜め140,141リブを有する。【選択図】図6

Description

本発明は、多気筒エンジンに関し、特にシリンダブロックにおける側壁面の構造に関する。
車両等のエンジンは、気筒が形成されて成るシリンダブロックと、シリンダブロックの上方に取り付けられるシリンダヘッドと、シリンダブロックの下部で支持される機関出力軸と、を備える。シリンダブロックとシリンダヘッドとは、複数本のヘッドボルトを用い締結される。
ところで、シリンダブロックとシリンダヘッドとの当接部に対しては、高いシール性が求められる。これは、当該部分でのガス漏れや冷却液漏れやオイル漏れなどを防止するためである。
特許文献1には、シリンダブロックの側壁面にリブを設け、ヘッドボルトの締結による圧縮応力を当該リブによってヘッドボルト同士の間の領域に伝達し、これによってシリンダブロックとシリンダヘッドとの間でのシール性を高めようとしている。
実開平03−114557号公報
ところで、エンジンの駆動時においては、シリンダブロックに対して気筒軸方向の荷重が加わる。これは、シリンダ内をピストンが上下動し、これに伴って機関出力軸が回転することによるものである。
このような機関出力軸の回転に伴って気筒軸方向に加わる荷重に対しては、上記特許文献1で提案の技術では何ら考慮されていない。よって、上記特許文献1で提案の技術では、エンジンの駆動時における機関出力軸の回転により、シリンダブロックの一部に局所的に荷重が加わり、シリンダブロックとシリンダヘッドとの当接部からのガス漏れや冷却液漏れなどが発生することが懸念される。
ただし、上記のようなガス漏れや冷却液漏れなどを抑制するために、シリンダブロックの肉厚を厚くすることは、エンジンの重量増加を招くので、極力避けなければならない。
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、駆動時における機関出力軸の回転に伴う荷重が局所的に加わることを抑制して高いシール性を確保することができるとともに、重量の増加抑制を図ることができる多気筒エンジンを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る多気筒エンジンは、前記多気筒エンジンの機関出力軸と、それぞれが前記機関出力軸に対して直交方向に延設され、それぞれが気筒を形成し、且つ、互いに連続形成された3つ以上の気筒形成部と、前記機関出力軸方向において、隣り合う前記気筒形成部同士が接続された部分における、気筒軸方向における下部に配された複数の接続部と、前記複数の接続部のそれぞれに対して、前記気筒軸方向における上方側に向けて延設されているとともに、前記機関出力軸を支持する部位を有する複数の機関出力軸支持部と、を備え、前記3つ以上の気筒形成部の内の少なくとも1つの前記気筒形成部の側壁面は、当該気筒形成部における前記機関出力軸方向の両側の前記接続部をそれぞれ基端として、前記気筒軸方向に対して斜め上方向に延び、互いに交差する2つの第1リブを有する。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、少なくとも1つの気筒形成部の側壁面に、その両側の接続部を基端とする2つの第1リブが設けられている。そして、2つの第1リブは互いに交差している。このため、上記態様に係る多気筒エンジンでは、機関出力軸支持部に支持された機関出力軸が回転した際に機関出力軸支持部に対して気筒軸方向に入力される荷重が、両側の接続部から2つの第1リブへと伝達され、上記気筒形成部における側壁面の周方向に分散されることになる。よって、上記態様に係る多気筒エンジンでは、機関出力軸の回転に伴う荷重を分散させることで、高いシール性を確保することができる。
また、2つの第1リブは互いに交差するように設けられているので、それぞれの第1リブを伝わる荷重が、交差箇所で一旦集合される。このため、2つの第1リブ同士の間で伝達される荷重に差異があった場合にも、交差箇所で一旦集合されることにより、均等化されて、上記気筒形成部における側壁面の周方向へと分散される。
また、上記態様に係る多気筒エンジンでは、第1リブの形成により荷重を分散させることができるので、上記荷重に対応するために上記気筒形成部における第1リブ以外の部分の肉厚を厚くする必要がなく、重量増加を抑制することができる。
従って、上記態様に係る多気筒エンジンでは、駆動時にシリンダブロックに対して局所的に荷重が加わることを抑制して高いシール性を確保することができるとともに、重量の増加抑制を図ことができる。
なお、上記態様では、気筒内におけるピストンの往復動に係る方向を基準として上下方向を規定している。これについては、以下の態様において同様である。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、前記第1リブを有する前記気筒形成部の側壁面を、前記気筒軸方向及び前記機関出力軸方向の双方に直交する方向から側面視するとき、前記2つの第1リブ同士が交差する箇所は、当該気筒形成部が有する前記気筒の中心軸上に位置している。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、2つの第1リブ同士が交差する箇所を、側面視で気筒の中心軸上と規定しているので、2つの第1リブにより分散される上記荷重が上記気筒形成部における側壁面の周方向により均等に分散される。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、前記3つ以上の気筒形成部に対して前記気筒軸方向における上方に取り付けられるシリンダヘッドを更に備え、前記2つの第1リブ同士が交差する箇所は、前記気筒形成部における前記シリンダヘッドとの合わせ面よりも下方の箇所である。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、第1リブ同士が交差する箇所を、気筒形成部におけるシリンダヘッドとの合わせ面よりも下方の箇所としているので、上記合わせ面での気筒形成部における側壁面の周方向での応力集中を抑制することができる。即ち、仮に第1リブが上記合わせ面まで延びているような形態では、当該第1リブの端部に応力が集中し、結果として上記合わせ面の気筒形成部における側壁面の周方向での面圧の不均一を生じ、シール性の低下に繋がる。
一方、上記態様に係る多気筒エンジンでは、第1リブ同士が交差する箇所を、気筒形成部におけるシリンダヘッドとの合わせ面よりも下方の箇所としているので、上記合わせ面における気筒の周囲での面圧の不均一が生じるのを抑制することができ、高いシール性を確保することができる。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、前記複数の機関出力軸支持部のそれぞれに対して、前記気筒軸方向の下方に接続されるキャップ部を更に備え、前記機関出力支持部と前記キャップ部とは、前記機関出力軸における前記気筒軸方向の径中心に相当する部分で、前記機関出力軸を挟むように接続されており、前記3つ以上の気筒形成部と、前記複数の接続部と、複数の前記機関出力支持部と、はシリンダブロックを構成している。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、機関出力軸支持部とキャップ部とにより機関出力軸を支持することとしているので、エンジンの組み立て時において、シリンダブロックに対して機関出力軸を容易に組み付けることができる。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックに取り付けるための複数のヘッドボルトを更に備え、前記シリンダブロックは、前記機関出力軸方向の、隣り合う前記気筒形成部同士が接続された部分のそれぞれにおいて、前記合わせ面から前記気筒軸方向の下端まで貫通し、前記ヘッドボルトが挿通する第1ヘッドボルト孔を有し、前記シリンダヘッドは、それぞれが複数の前記第1ヘッドボルト孔と連続するとともに、前記ヘッドボルトが挿通する複数の第2ヘッドボルト孔を有し、複数の前記キャップ部のそれぞれは、前記第2ヘッドボルト孔と連続するとともに、前記ヘッドボルトと螺結するネジ孔を有し、前記複数のヘッドボルトのそれぞれは、前記第1ヘッドボルト孔及び前記第2ヘッドボルト孔を挿通し、前記ネジ孔の雌ネジと螺結しており、当該螺結により、前記シリンダブロックは、前記シリンダヘッドと前記キャップ部とで密に挟持された状態にある。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、ヘッドボルトとキャップ部のネジ孔との螺結により、シリンダブロックがシリンダヘッドとキャップ部との間で挟持された状態となっている。このような状態では、ヘッドボルトが挿通する部分の周辺に高い圧縮応力が作用し易いが、上記態様に係る多気筒エンジンでは、上記気筒形成部の側壁面に複数の第1リブを有することとしているので、荷重が分散されて応力集中が回避される。よって、上記態様に係る多気筒エンジンでは、高いシール性を確保しながら、重量増加を抑制することができる。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、複数の前記キャップ部は、前記気筒軸方向の下端部同士が互いに接続されておらず、それぞれの前記下端部が自由端の状態にある。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、キャップ部における下端部が自由端となっており、機関出力軸の回転に伴う気筒軸方向の荷重(上下荷重)は接続部へと伝達されることになる。この場合においても、上記態様に係る多気筒エンジンでは、気筒形成部の側壁面に互いに交差する2つの第1リブを設けることにより、圧縮応力の分散を図ることができ、高いシール性を確保することができる。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、前記第1リブを有する前記気筒形成部は、前記3つ以上の気筒形成部の内、前記機関出力軸方向の両端の端部気筒形成部を除く内側気筒形成部であり、前記端部気筒形成部の各外側の部分から前記気筒軸方向の下方に向けて延設されているとともに、前記機関出力軸を支持する部位を有する2つの端部機関出力軸支持部を更に備え、前記2つの端部機関出力軸支持部のそれぞれの側壁面は、前記気筒軸方向に延びる第2リブを有する。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、端部機関出力軸支持部の側壁面に縦方向のリブである第2リブが形成されているので、機関出力軸の回転に伴う端部機関出力軸支持部の上端部分を支点とする曲げ応力が働いた場合にあっても、第2リブの形成により、端部機関出力軸支持部の曲げ方向の変形(弾性変形及び塑性変形)が抑制される。
本発明の別態様に係る多気筒エンジンは、上記態様であって、樹脂材料を用い形成され、前記3つ以上の気筒形成部と、前記複数の接続部と、前記複数の機関出力軸支持部と、を外方から囲繞するシリンダブロック外壁を更に備える。
上記態様に係る多気筒エンジンでは、樹脂材料を用い形成されたシリンダブロック外壁を備えるので、シリンダブロック全体を金属材料を用い形成する場合に比べて、エンジンの重量軽減を図ることができる。また、このように樹脂材料からなるシリンダブロック外壁を用いて軽量化を図りながら、上記気筒形成部の側壁面への第1リブの形成により、高いシール性を確保することができる。
上記の各態様に係る多気筒エンジンでは、駆動時における機関出力軸の回転に伴う荷重が局所的に加わることを抑制して、シリンダブロックにおけるシリンダヘッドとの合わせ面での高いシール性を確保することができるとともに、重量の増加抑制を図ることができる。
実施形態に係るエンジンの概略構成を示す模式正面図(一部断面図)である。 エンジンの概略構成を示す模式側面図である。 図2のIII−III断面を示す図であって、シリンダヘッドとブロックコアとベアリングキャップとの取り付け構成を示す模式断面図である。 ブロックコア及びベアリングキャップの構成を示す模式斜視図である。 ブロックコア及びベアリングキャップの構成を示す模式側面図である。 図5の一部を拡大して示す模式側面図である。 図5のVII−VII断面を示す図であって、ブロックコア及びベアリングキャップの構成を示す模式断面図である。 シャフト支持部から気筒形成部への荷重の伝達形態を示す模式図である。 X方向端部における気筒形成部及びシャフト支持部の構成を示す模式斜視図である。 X方向端部におけるシャフト支持部に対して曲げ荷重がかかった場合の縦リブが果たす役割を説明するための模式図である。
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
なお、以下の説明で用いる各図においては、X方向が機関出力軸方向であり、Y方向が吸排気方向であり、Z方向が気筒軸方向である。
[実施形態]
1.エンジン1の概略構成
エンジン1の概略構成について、図1及び図2を用い説明する。
本実施形態に係るエンジン1は、4気筒のガソリンエンジンを一例として採用しており、図1に示すように、シリンダブロック10と、シリンダヘッド13と、ヘッドカバ14と、ベアリングキャップ(キャップ部)15と、クランクシャフト(機関出力軸)16と、オイルパン17と、を備える。
シリンダブロック10は、金属材料を用い形成されたブロックコア11と、樹脂材料を用い形成されたシリンダブロック外壁12と、を有する。ブロックコア11の詳細な構成については、後述する。
シリンダブロック外壁12は、ブロックコア11と、ベアリングキャップ15とクランクシャフト16の一部と、を外方から囲むように形成されており、−Z側にオイルパン17が接続されている。なお、図1では、詳細な図示を省略するが、シリンダブロック外壁12には、冷却液が流通する経路であるウォータージャケットが形成されている。
シリンダヘッド13は、シリンダブロック10の+Z側に取り付けられている。図1では図示を省略するが、シリンダヘッド13には、カムシャフト、吸排気バルブ、及び吸排気マニホールドなどが設けられている。
ヘッドカバ14は、シリンダヘッド13の+Z側に取り付けられており、シリンダヘッド13の+Z側開口部を塞いでいる。
ベアリングキャップ(キャップ部)15は、ブロックコア11の−Z側に取り付けられており、ブロックコア11とでクランクシャフト16を回転自在の状態で支持している。
図2に示すように、クランクシャフト16は、X方向に沿って延びている。クランクシャフト16は、ブロックコア11とベアリングキャップ15とで支持されたクランクジャーナル16aと、X方向に隣り合うクランクジャーナル16a同士の間に設けられたクランクアーム16bと、X方向に隣り合い互いに対をなすクランクアーム16b同士の間に設けられたクランクピン16cと、各クランクアーム16bに連続形成されたカウンターウェイト16dと、を有する。
各クランクピン16cには、回転自在の状態でコンロッド(コネクティングロッド)18が取り付けられており、コンロッド18の他端にピストン19が取り付けられている。ピストン19は、各気筒内をZ方向に往復動自在となっている。そして、クランクシャフト16は、ピストン19の往復動に伴い、回転する。
2.シリンダヘッド13とブロックコア11とベアリングキャップ15との取り付け構成
シリンダヘッド13とブロックコア11とベアリングキャップ15との取り付け構成について、図3を用い説明する。図3は、図2のIII−III断面を示す模式断面図である。
図3に示すように、ブロックコア11には、複数のヘッドボルト孔11aが設けられている。複数のヘッドボルト孔11aは、Y方向に対をなす状態で設けられており、クランクシャフト16が挿通する軸受部11bのY方向両脇部分(径方向外側部分)を、それぞれがZ方向に貫通した状態で設けられている。
シリンダヘッド13にも、複数のヘッドボルト孔13aが設けられている。シリンダヘッド13の複数のヘッドボルト孔13aは、それぞれがブロックコア11のヘッドボルト孔11aに連続するように設けられている。そして、複数のヘッドボルト孔13aも、それぞれがZ方向に貫通した状態で設けられている。
ベアリングキャップ15には、クランクシャフト16が挿通する部分である(クランクシャフト16を支持する部位である)軸受部15bのY方向両脇部分(径方向外側部分)に、それぞれがブロックコア11のヘッドボルト孔11aに連続する複数のネジ孔15aが設けられている。複数のネジ孔15aは、それぞれがZ方向に貫通した状態で設けられている。
エンジン1では、シリンダヘッド13の+Z側より複数のヘッドボルト20が、それぞれヘッドボルト孔13a及びヘッドボルト孔11aに挿入され、−Z側の先端部分に設けられたネジ部20bがベアリングキャップ15のネジ孔15aの雌ネジと螺結されている。
図3に示すように、本実施形態に係るエンジン1では、シリンダヘッド13とブロックコア11とベアリングキャップ15とがヘッドボルト20により共締めされている。このため、エンジン1において、シリンダヘッド13とブロックコア11とが、ヘッドボルト20のボルト頭20aと、ネジ部20bとベアリングキャップ15のネジ孔15aとの螺結箇所と、の間で挟持された状態となっている。さらに詳細には、ブロックコア11は、シリンダブロック13とベアリングキャップ15とでZ方向に挟持された状態となっている。
なお、図3では、エンジン1の一断面(図2のIII−III断面)を一例として図示したが、ヘッドボルト20による他の締結箇所も同様の構成となっている。
3.ブロックコア11及びベアリングキャップ15の構成
ブロックコア11及びベアリングキャップ15の構成について、図4及び図5を用い説明する。図4は、ブロックコア11及びベアリングキャップ15の構成を示す模式斜視図であり、図5は、模式側面図である。
図4に示すように、シリンダブロック10におけるブロックコア11は、4つの気筒形成部111〜114と、3つの接続部115〜117と、5つのシャフト支持部(機関出力軸支持部)118〜122と、を有する。ブロックコア11において、4つの気筒形成部111〜114と、3つの接続部115〜117と、5つのシャフト支持部(機関出力軸支持部)118〜122と、は金属材料を用いて一体形成されている。
4つの気筒形成部111〜114のそれぞれは、気筒123〜126を有する。気筒123〜126は、X方向に配列されている。なお、以下において、4つの気筒形成部111〜114の内、X方向の両端の気筒形成部111,114を端部気筒形成部と記載し、気筒形成部112,113を内側気筒形成部と記載する場合がある。
ブロックコア11では、複数のヘッドボルト孔127〜136がZ方向に貫通するように設けられている。そして、複数のヘッドボルト孔127〜136の内、ヘッドボルト孔127,129,131,133,135は、ブロックコア11の+Y側の側壁に設けられており、ヘッドボルト孔128,130,132,134,136は、ブロックコア11の−Y側の側壁に設けられている。
また、ヘッドボルト孔129〜134は、X方向において、隣り合う気筒123〜126同士の間の部分に設けられており、ヘッドボルト孔127,128,135,136は、X方向において、気筒123,126の両端となる箇所に設けられている。
なお、Y方向において、ヘッドボルト孔127とヘッドボルト孔128とが対をなし、ヘッドボルト孔129とヘッドボルト孔130とが対をなし、ヘッドボルト孔131とヘッドボルト孔132とが対をなし、ヘッドボルト133とヘッドボルト134とが対をなし、ヘッドボルト135とヘッドボルト136とが対をなしている。
図5に示すように、接続部115は、X方向における気筒形成部111と気筒形成部112との隣接部分(接続部分)の−Z側の部分に設けられ、接続部116は、X方向における気筒形成部112と気筒形成部113との隣接部分(接続部分)の−Z側の部分に設けられ、接続部117は、X方向における気筒形成部113と気筒形成部114との隣接部分(接続部分)の−Z側の部分に設けられている。
シャフト支持部119〜121は、それぞれ接続部115〜117の−Z側部分から、−Z側に向けて延設されている。
一方、シャフト支持部118,122は、X方向において、気筒形成部111,114の両外側から−Z側に向けて延設されている。
なお、図5では、ブロックコア11における−Y側の側壁面だけを図示しているが、反対側となる+Y側についても、同様の構成を以って接続部が形成されている。
また、図5に示すように、ブロックコア11の側壁面には、各接続部115〜117の+Z側の部分に、ヘッドボルト孔形成部137〜139が形成されている。ヘッドボルト孔形成部137〜139は、図5の紙面手前側(−Y側)に半円柱リブ状に突出する部分である。そして、ヘッドボルト孔130はヘッドボルト孔形成部137に設けられ、ヘッドボルト孔132はヘッドボルト孔形成部138に設けられ、ヘッドボルト孔134はヘッドボルト孔形成部139に設けられている。
なお、図5では、ブロックコア11における−Y側の側壁面だけを図示しているが、反対側となる+Y側についても、同様の構成を以ってヘッドボルト孔形成部が形成されている。
図4及び図5に示すように、シャフト支持部118〜122のそれぞれの−Z側の部分には、ベアリングキャップ151〜155が取り付けられている。これらベアリングキャップ151〜155を纏めて、「ベアリングキャップ15」と記載する場合がある。
また、以下において、5つのシャフト支持部118〜122の内、X方向の両端のシャフト支持部118,122を端部シャフト支持部(端部機関出力軸支持部に相当)と記載する場合がある。
シャフト支持部118〜122に対するベアリングキャップ151〜155の取り付けは、図3を用い説明したようにヘッドボルト20との締結による。ここで、ヘッドボルト20とベアリングキャップ15(ベアリングキャップ151〜155)のネジ孔15aとの締結により生じる圧縮応力は、+Z側に加わる。
4.内側気筒形成部112,113における側壁面の構成
内側気筒形成部112,113における側壁面の構成について、図6を用いて説明する。なお、図6では、内側気筒形成部112を一例として図示しているが、内側気筒形成部113の側壁面についても同様の構成を有する。
図6に示すように、内側気筒形成部112の側壁面(図6の紙面手前側の壁面)には、X方向及びZ方向の双方に対して斜め方向(斜め上方向)となる斜めリブ(第1リブに相当)140,141が設けられている。
斜めリブ140は、接続部115を基端として、+X側であって+Z側に向けて斜め方向(斜め上方向)に延びている。斜めリブ141は、接続部116を基端として、−X側であって+Z側に向けて斜め方向(斜め上方向)に延びている。本実施形態に係るブロックコア11では、内側気筒形成部112が有する気筒124(図4を参照)のZ方向に延びる中心軸(気筒中心軸)Ax112を基準として、斜めリブ140と斜めリブ141とが線対称の関係を以って形成されている。
斜めリブ140と斜めリブ141とは、交差箇所Pで交差している。交差箇所Pは、内側気筒形成部112における気筒中心軸Ax112上に位置している。また、交差箇所Pは、シリンダブロック10のブロックコア11におけるシリンダヘッド13との合わせ面11cから、−Z側に距離Hだけ離間した箇所に位置している。換言すると、交差箇所Pは、合わせ面11cよりも下方(−Z側)に位置する。
斜めリブ140は、交差箇所Pからさらに斜め上(+X側であって+Z側)に向けて延びており、接続箇所Pでヘッドボルト孔形成部138に接続されている。斜めリブ141も、交差箇所Pからさらに斜め上(−X側であって+Z側)に向けて延びており、接続箇所Pでヘッドボルト孔形成部137に接続されている。
本実施形態に係るブロックコア11では、接続箇所P,Pが、ブロックコア11におけるシリンダヘッド13との合わせ面11cから、−Z側に距離Hだけ離間した箇所に位置している。即ち、接続箇所P,Pは、合わせ面11cよりも下方(−Z側)に位置する。
なお、ブロックコア11では、図6の紙面奥側に位置する気筒形成部112の側壁面においても、上記同様の形態を以って斜めリブ140,141が形成されている。これについても、気筒形成部113で同様である。
5.ベアリングキャップ151〜155の構成
ベアリングキャップ151〜155の構成について、図6及び図7を用い説明する。図7は、図5のVII−VII断面を示す模式断面図である。
図6に示すように、ベアリンキャップ152,153のそれぞれは、+Z側の端部でシャフト支持部119,120に取り付けられている。そして、ベアリングキャップ152,153のそれぞれの下端部(−Z側の端部)152a,153aは、X方向に隣り合うベアリングキャップ151〜154に対して接続されておらず、所謂、自由端の状態となっている。このような構成については、他のベアリングキャップ151,154,155についても同様である。
上記のようにベアリングキャップ151〜155の下端部が自由端となるのは、樹脂材料から形成されたシリンダブロック外壁12を採用することに起因する。即ち、本実施形態では、樹脂材料を用い形成されたシリンダブロック外壁12を採用し、エンジン1の軽量化を図るために、ベアリングキャップ151〜155を梁で接続する構成(ベアリングビーム、ベアリングキャップブリッジ、ラダーフレーム等)を採用していない。
次に、図7に示すように、−X側のベアリングキャップ151には、−Z側の部分に空洞部151aが設けられている。空洞部151aは、ベアリングキャップ151を板厚方向(X方向)に貫通する孔部である。空洞部151aは、X方向からの正面視で、長円形又は楕円形を以って構成されている。なお、図7では、図示を省略しているが、+X側のベアリングキャップ155においても、同様の構成の空洞部が設けられている。
ベアリングキャップ152,153にも、空洞部152b,153bが設けられている。空洞部152b,153bも、ベアリングキャップ152,153を板厚方向(X方向)に貫通する孔部である。X方向からの正面視で、空洞部152b,153bは、角丸の二等辺三角形を以って構成されている。
なお、図7では、図示を省略しているが、ベアリングキャップ154においても、同様の構成の空洞部が設けられている。
6.クランクシャフト16の回転に伴い生じる荷重の伝達形態
クランクシャフト16の回転に伴い生じる荷重の伝達形態について、図8を用い説明する。図8は、シャフト支持部119,120から内側気筒形成部112への荷重の伝達形態を示す模式図である。
図8に示すように、シャフト支持部119,120には、クランクシャフト16(図8では図示を省略)の位相角度に応じて、荷重F1U,F2U及び荷重F1L,F2Lが加わる。荷重F1U,F2Uは、+Z側に向けて働く圧縮荷重であり、荷重F1L,F2Lは、−Z側に向けて働く引張荷重である。この内、引張荷重である荷重F1L,F2Lは、クランクシャフト16からベアリングキャップ152,153に作用する荷重が、シャフト支持部119,120におけるベアリングキャップ152,153との合わせ面11dを介して、シャフト支持部119,120に作用する。
荷重F1U,F2U及び荷重F1L,F2Lは、シャフト支持部119,120から接続部115,116まで伝達される。そして、接続部115,116に伝達された荷重F1U,F2U及び荷重F1L,F2Lの各一部は、ヘッドボルト孔形成部137,138及びその周辺部分を介して+Z側へと伝達される。
一方、接続部115,116に伝達された荷重F1U,F2U及び荷重F1L,F2Lのそれぞれの残りの荷重は、斜めリブ140,141を伝って伝達される。そして、斜めリブ140,141を伝達された荷重は、ヘッドボルト孔形成部137とヘッドボルト孔形成部138の間の領域(内側気筒形成部112の側壁面の一部領域)で分散された状態で+Z側に向けて伝達される(荷重Fcom)。
なお、斜めリブ140を伝達される荷重と斜めリブ141を伝達される荷重とは、交差箇所Pで一旦集合される。このため、接続部115,116から交差箇所Pまでの各間で、斜めリブ140を伝達される荷重と斜めリブ141を伝達される荷重との間にバラツキがある場合にも、上記のように交差箇所Pで一旦集合することで荷重も合力され、力の平準化がなされる。
よって、内側気筒形成部112の側壁面におけるヘッドボルト孔形成部137とヘッドボルト孔形成部138との間の領域において、+Z側に向けて伝達される荷重Fcomは、X方向でのバラツキが抑えられ、均等化された状態となる。
なお、本実施形態に係るブロックコア11では、交差箇所Pを合わせ面合わせ面11cから距離Hだけ−Z側に位置させているので、Z方向における交差箇所Pから合わせ面11cまでの間の領域でさらに荷重の分散が図られることとなり、合わせ面11cにおいて、局所的に荷重が作用することが抑えられる。
また、斜めリブ140,141を伝達される荷重の一部は、接続箇所P,Pを介してヘッドボルト孔形成部137,138へ伝達される。この場合においても、接続箇所P,Pを合わせ面11cから距離Hだけ−Z側に位置させているので、上記同様に、合わせ面11cで局所的に荷重が作用することが抑えられる。
さらに、本実施形態に係るブロックコア11の内側気筒形成部112,113の側壁面に設けた斜めリブ140,141は、ヘッドボルト20の締め付けにより生じる圧縮応力(シリンダヘッド13とベアリングキャップ15との間で挟持されるブロックコア11に作用する圧縮応力)に対しても、合わせ面11cにおいてシリンダヘッド13とブロックコア11との間のシール性確保という観点から効果を奏する。
即ち、ヘッドボルト20とベアリングキャップ15のネジ孔15aとの螺結により、シリンダヘッド13とベアリングキャップ15との間で挟持されたブロックコア11には、ヘッドボルト20が挿通する部分(ヘッドボルト孔127〜136の周辺部分)に高い圧縮応力が作用し易いが、内側気筒形成部112,113の側壁面に設けられた斜めリブ140,141により圧縮応力の分散を図ることができ、シリンダヘッド13とブロックコア11との間の高いシール性を確保することができる。
7.端部シャフト支持部118,122及びベアリングキャップ151,155の構成
端部シャフト支持部118,122及びベアリングキャップ151,155の構成について、図9を用い説明する。図9は、端部シャフト支持部118及びベアリングキャップ151の構成を示す模式斜視図である。なお、図9では、端部シャフト支持部122及びベアリングキャップ155の図示を省略しているが、端部シャフト支持部118及びベアリングキャップ151と同様の構成を有する。
図9に示すように、端部シャフト支持部118には、Y方向の両側部から+Y側及び−Y側に突出する縦リブ(第2リブに相当)146,147が設けられている。縦リブ146,147は、薄板状又はヒレ状の形状を有する。
ベアリングキャップ151には、Y方向の両側部から+Y側及び−Y側に突出する縦リブ156,157が設けられている。縦リブ156,157は、+Z側で縦リブ146,147に対して当接し、縦リブ146,147と同様に、薄板状又はヒレ状の形状を有する。
気筒形成部(端部気筒形成部)111における−X側の端壁面111aには、ヘッドボルト孔形成部144,145が設けられている。ヘッドボルト孔形成部144は、+Y側の端部に設けられ、ヘッドボルト孔形成部145は、−Y側の端部に設けられている。
ヘッドボルト孔形成部144,145は、ヘッドボルト孔127,128の各ボルト孔中心軸Ax127,Ax128から−X側に突出する半円柱リブ状の構成を有する。ヘッドボルト孔127は、ヘッドボルト孔形成部144に設けられ、ヘッドボルト孔128は、ヘッドボルト孔形成部145に設けられている。
シャフト支持部118における−X側の端壁面には、軸受部11bの外縁部から+Y側であって+Z側に斜め方向に延びる端壁補強リブ148と、軸受部11bの外縁部から−Y側であって+Z側に斜め方向に延びる端壁補強リブ149と、が設けられている。
端壁補強リブ148,149は、−X側に突出する半円柱リブ状の構成を有する。そして、端壁補強リブ148は、+Z側の端部がヘッドボルト孔形成部144に接続されており、端壁補強リブ149は、+Z側の端部がヘッドボルト孔形成部145に接続されている。
ベアリングキャップ151における−X側の端壁面には、軸受部15bの外縁部から+Y側であって−Z側に斜め方向に延びる端壁補強リブ158と、軸受部15bの外縁部から−Y側であって−Z側に斜め方向に延びる端壁補強リブ159と、が設けられている。
端壁補強リブ158,159は、−X側に突出する半円柱リブ状の構成を有する。そして、端壁補強リブ158と端壁補強リブ159とは、Y方向における互いに間に空洞部151aを挟む状態で設けられている。
8.クランクシャフト16の回転に伴い生じる曲げ荷重に対する縦リブ156,157が果たす役割
クランクシャフト15の回転に伴い生じる曲げ荷重に対する縦リブ156,157が果たす役割について、図10を用い説明する。図10は、シャフト支持部118に対して曲げ荷重がかかった場合の縦リブ156,157が果たす役割を説明するための模式図である。なお、図10では、縦リブ156,157の内、縦リブ157についてのみ図示しており、縦リブ156の図示を省略しているが、縦リブ156は、以下で説明の縦リブ157と同様の役割を果たす。
図10に示すように、ブロックコア11におけるX方向の端部に位置するシャフト支持部118に対しては、クランクシャフト16の回転に伴い矢印で示すような曲げ荷重FBEが働く。
上記のように、シャフト支持部118には、縦リブ156,157が設けられているので、曲げ荷重FBEに対する曲げ剛性の向上が図られている。即ち、縦リブ156,157が設けられたシャフト支持部118では、縦リブが設けられていない場合に比べて曲げ荷重FBEに対する剛性面での補強が図られている。
なお、上述のように、本実施形態に係るエンジン1では、ベアリングキャップ151の下端部151bが自由端となっているので、曲げ荷重FBEによりシャフト支持部118が変形し易く、このような変形を防ぐ観点から縦リブ156,157が果たす役割は特に重要となる。
また、シャフト支持部118の端壁面には、端壁補強リブ148,149(図10では、端壁補強リブ149の図示を省略)が設けられているので、これによっても、曲げ荷重FBEに対する剛性面での補強が図られている。
さらに、端壁補強リブ148,149については、ヘッドボルト20の締め付けによりブロックコア11に作用する圧縮応力、即ち、ヘッドボルト20の締め付けによって、ブロックコア11がシリンダヘッド13とベアリングキャップ151との間で受ける圧縮応力に対しても、シャフト支持部118の端壁面に設けられた端壁補強リブ148,149により応力の分散が図られる。よって、シリンダヘッド13とブロックコア11との間のシール性の確保を確実に行うことができる。
9.効果
本実施形態に係るエンジン1では、内側気筒形成部112,113の側壁面(+Y側の壁面及び−Y側の壁面)のそれぞれにおいて、X方向の両側に設けられた接続部115〜117を基端とする2つの斜めリブ140,141が設けられている。そして、2つの斜めリブ140,141は互いに交差箇所Pで交差している。このため、本実施形態に係るエンジン1では、シャフト支持部118〜122及びベアリングキャップ15で支持されたクランクシャフト16が回転した際に、シャフト支持部119〜121に対してZ方向に伝達される荷重F1U,F2U,F1L,F2Lが、接続部115〜117から斜めリブ140,141へと伝達され、内側気筒形成部112,113の周方向(図8のX方向)に分散されることになる。よって、本実施形態に係るエンジン1では、クランクシャフト16の回転に伴う荷重F1U,F2U,F1L,F2Lを分散させることで、シリンダヘッド13とブロックコア11との間での高いシール性を確保することができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、内側気筒形成部112,113の側壁面への斜めリブ140,141の形成により荷重F1U,F2U,F1L,F2Lを分散させることができるので、上記荷重F1U,F2U,F1L,F2Lに対応するために内側気筒形成部112,113の肉厚を全体的に厚くする必要がなく、重量増加を抑制することができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、斜めリブ140と斜めリブ141とが交差する交差箇所Pを、図8に示したように、ボア中心軸Ax112上に設定しているので、斜めリブ140,141により分散される荷重(荷重Fcom)が内側気筒形成部112,113の周方向により均等に分散される。
また、本実施形態に係るエンジン1では、図6を用い説明したように、交差箇所Pを合わせ面11cよりも距離Hだけ−Z側(下方側)の箇所としているので、合わせ面11cでの気筒124,125の周方向での荷重の集中を抑制することができる。即ち、仮に斜めリブの上端部分が合わせ面11cに位置しているような形態では、当該斜めリブの上端部分に応力が集中し、結果として合わせ面11cの気筒124,125の周方向での面圧の不均一を生じ、シール性の低下に繋がる。
一方、本実施形態に係るエンジン1では、図6に示すように、交差箇所Pを合わせ面11cより距離Hだけ−Z側(下方側)の箇所としているので、Z方向における合わせ面11cと交差箇所Pとの間で荷重の分散が図られるので、合わせ面11cでの気筒124,125の周方向での面圧の不均一が生じるのを抑制することができ、高いシール性を確保することができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、シャフト支持部118〜122に対してベアリングキャップ151〜155を取り付けることでクランクシャフト16を支持する構成としているので、エンジン1の組み立て時において、シリンダブロック10に対してクランクシャフト16を容易に組み付けることができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、ヘッドボルト20とベアリングキャップ15のネジ孔15aとの螺結により、シリンダブロック10のブロックコア11がシリンダヘッド13とベアリングキャップ15との間で挟持された状態となっている。このような状態では、ヘッドボルト20が挿通する部分(ヘッドボルト孔127〜136の周辺部分)に高い圧縮応力が作用し易いが、本実施形態に係るエンジン1では、内側気筒形成部112,113の側壁面に斜めリブ140,141を有することとしているので、圧縮応力が分散されて応力集中が回避される。よって、本実施形態に係るエンジン1では、高いシール性を確保しながら、重量増加を抑制することができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、ベアリングキャップ151〜155における下端部152a,153aが自由端となっており、クランクシャフト16の回転に伴うZ方向の荷重F1U,F2U,F1L,F2Lは接続部115〜117へと伝達されることになる。この場合においても、本実施形態に係るエンジン1では、内側気筒形成部112,113の側壁面に互いに交差する斜めリブ140,141を設けることにより、荷重の分散を図ることができ、シリンダヘッド13とブロックコア11との間での高いシール性を確保することができる。
また、本実施形態に係るエンジン1では、端部シャフト支持部118,122の側壁面にZ方向に延びる縦リブ156,157が形成されているので、クランクシャフト16の回転に伴うシャフト支持部118,119の上端部分を支点とする曲げ応力FBEが働いた場合にあっても、縦リブ156,157の形成により、シャフト支持部118,122の曲げ方向の変形(弾性変形及び塑性変形)が抑制される。
また、本実施形態に係るエンジン1では、樹脂材料を用い形成されたシリンダブロック外壁12を備えるので、シリンダブロック10全体を金属材料を用い形成する場合に比べて、エンジン1の重量軽減を図ることができる。また、このように樹脂材料からなるシリンダブロック外壁12を用いて軽量化を図りながら、上記のように内側気筒形成部112,113の側壁面への斜めリブ140,141の形成により、シリンダヘッド13とブロックコア11との間での高いシール性を確保することができる。
以上のように、本実施形態に係るエンジン1では、駆動時におけるクランクシャフト16の回転に伴う荷重が、シリンダブロック11における合わせ面11cで局所的に作用することを抑制して、シリンダヘッド13とシリンダブロック10との間での高いシール性を確保することができるとともに、重量の増加抑制を図ることができる。
[変形例]
上記実施形態に係るエンジン1では、ブロックコア11の内側気筒形成部112,113の各側壁面に2つの斜めリブ140,141を設けることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、3本以上の斜めリブを設け、少なくとも2つの斜めリブが交差することとすればよい。
上記実施形態に係るエンジン1では、斜めリブ140,141のそれぞれが、Y方向からの側面視で直伸する形状のリブを採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、側面視で湾曲するように延びるリブを採用することもできる。
また、気筒形成部111,114の側壁面に斜めリブを設けることとしてもよい。
上記実施形態に係るエンジン1では、斜めリブ140,141の+Z側端部がヘッドボルト孔形成部137,138に接続された形態を採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、斜めリブの端部とヘッドボルト孔形成部との間に隙間が存在する形態を採用することもできる。
上記実施形態に係るエンジン1では、ベアリングキャップ151〜155の下端部同士が接続されておらず、各下端部が自由端の状態となっていることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ベアリングキャップの下端部同士をビーム状部材で相互に連結することとしてもよい。
また、上記実施形態では、ヘッドボルト20をシリンダヘッド13及びブロックコア11を挿通させ、ベアリングキャップ15に設けたネジ孔20bに対して螺結させることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ヘッドボルトを、シリンダヘッド、ブロックコア、及びベアリングキャップを挿通させ、ベアリングキャップの下方に配したナットに対して螺結させることとしてもよい。また、ブロックコアにネジ孔を設けておき、シリンダヘッドを挿通させたボルトをブロックコアのネジ孔に螺結させ、一方、ベアリングキャップの下方から挿入し、ベアリングキャップを挿通させたボルトをブロックコアのネジ孔に螺結させることとしてもよい。
上記実施形態に係るエンジン1では、シリンダヘッド13とシリンダブロック10との間への、ヘッドガスケットの介挿の有無については特に言及しなかったが、介挿することとしてもよい。
上記実施形態では、エンジン1として4気筒のガソリンエンジンを一例として採用したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、3気筒や5気筒以上のエンジンを採用することもできるし、ディーゼルエンジンを採用することもできる。
1 エンジン
10 シリンダブロック
11 ブロックコア
11a,13a,127〜136 ヘッドボルト孔
12 シリンダブロック外壁
13 シリンダヘッド
15,151〜155 ベアリングキャップ(キャップ部)
15a ネジ孔
20 ヘッドボルト
111〜114 気筒形成部
115〜117 接続部
118〜122 シャフト支持部(機関出力軸支持部)
123〜126 気筒
140,141 斜めリブ(第1リブ)
146,147 縦リブ(第2リブ)
156,157 縦リブ

Claims (8)

  1. 多気筒エンジンにおいて、
    前記多気筒エンジンの機関出力軸と、
    それぞれが前記機関出力軸に対して直交方向に延設され、それぞれが気筒を形成し、且つ、互いに連続形成された3つ以上の気筒形成部と、
    前記機関出力軸方向において、隣り合う前記気筒形成部同士が接続された部分における、気筒軸方向における下部に配された複数の接続部と、
    前記複数の接続部のそれぞれに対して、前記気筒軸方向における上方側に向けて延設されているとともに、前記機関出力軸を支持する部位を有する複数の機関出力軸支持部と、
    を備え、
    前記3つ以上の気筒形成部の内の少なくとも1つの前記気筒形成部の側壁面は、当該気筒形成部における前記機関出力軸方向の両側の前記接続部をそれぞれ基端として、前記気筒軸方向に対して斜め上方向に延び、互いに交差する2つの第1リブを有する、
    多気筒エンジン。
  2. 請求項1に記載の多気筒エンジンであって、
    前記第1リブを有する前記気筒形成部の側壁面を、前記気筒軸方向及び前記機関出力軸方向の双方に直交する方向から側面視するとき、前記2つの第1リブ同士が交差する箇所は、当該気筒形成部が有する前記気筒の中心軸上に位置している、
    多気筒エンジン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の多気筒エンジンであって、
    前記3つ以上の気筒形成部に対して前記気筒軸方向における上方に取り付けられるシリンダヘッドを更に備え、
    前記2つの第1リブ同士が交差する箇所は、前記気筒形成部における前記シリンダヘッドとの合わせ面よりも下方の箇所である、
    多気筒エンジン。
  4. 請求項3に記載の多気筒エンジンであって、
    前記複数の機関出力軸支持部のそれぞれに対して、前記気筒軸方向の下方に接続されるキャップ部を更に備え、
    前記機関出力支持部と前記キャップ部とは、前記機関出力軸における前記気筒軸方向の径中心に相当する部分で、前記機関出力軸を挟むように接続されており、
    前記3つ以上の気筒形成部と、前記複数の接続部と、複数の前記機関出力支持部と、はシリンダブロックを構成している、
    多気筒エンジン。
  5. 請求項4に記載の多気筒エンジンであって、
    前記シリンダヘッドを前記シリンダブロックに取り付けるための複数のヘッドボルトを更に備え、
    前記シリンダブロックは、前記機関出力軸方向の、隣り合う前記気筒形成部同士が接続された部分のそれぞれにおいて、前記合わせ面から前記気筒軸方向の下端まで貫通し、前記ヘッドボルトが挿通する第1ヘッドボルト孔を有し、
    前記シリンダヘッドは、それぞれが複数の前記第1ヘッドボルト孔と連続するとともに、前記ヘッドボルトが挿通する複数の第2ヘッドボルト孔を有し、
    複数の前記キャップ部のそれぞれは、前記第2ヘッドボルト孔と連続するとともに、前記ヘッドボルトと螺結するネジ孔を有し、
    前記複数のヘッドボルトのそれぞれは、前記第1ヘッドボルト孔及び前記第2ヘッドボルト孔を挿通し、前記ネジ孔の雌ネジと螺結しており、当該螺結により、前記シリンダブロックは、前記シリンダヘッドと前記キャップ部とで密に挟持された状態にある、
    多気筒エンジン。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の多気筒エンジンであって、
    複数の前記キャップ部は、前記気筒軸方向の下端部同士が互いに接続されておらず、それぞれの前記下端部が自由端の状態にある、
    多気筒エンジン。
  7. 請求項1から請求項6の何れかに記載の多気筒エンジンであって、
    前記第1リブを有する前記気筒形成部は、前記3つ以上の気筒形成部の内、前記機関出力軸方向の両端の端部気筒形成部を除く内側気筒形成部であり、
    前記端部気筒形成部の各外側の部分から前記気筒軸方向の下方に向けて延設されているとともに、前記機関出力軸を支持する部位を有する2つの端部機関出力軸支持部を更に備え、
    前記2つの端部機関出力軸支持部のそれぞれの側壁面は、前記気筒軸方向に延びる第2リブを有する、
    多気筒エンジン。
  8. 請求項1から請求項7の何れかに記載の多気筒エンジンであって、
    樹脂材料を用い形成され、前記3つ以上の気筒形成部と、前記複数の接続部と、前記複数の機関出力軸支持部と、を外方から囲繞するシリンダブロック外壁を更に備える、
    多気筒エンジン。
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