JP2015117629A - エンジン - Google Patents

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昌之 池谷
Masayuki Iketani
昌之 池谷
慶忠 伊東
Yoshitada Ito
慶忠 伊東
松本 浩一
Koichi Matsumoto
浩一 松本
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Abstract

【課題】エンジンに関し、クランクジャーナルの支持剛性を高めつつ、シリンダブロックを小型化,軽量化する。
【解決手段】エンジン10のシリンダブロック1からクランク軸2の下方へスカート壁1Aを垂設し、クランク軸2をシリンダブロック1との間でベアリングキャップ4Aに支持させる。また、複数のベアリングキャップ4Aをビーム4Bで一体に連結してはしご状の支持構造を形成し、その固定部6をスカート壁1Aの下端面1Bに当接させて固定する。
固定部6は、シリンダボア9の中心からビーム4Bの連結方向にオフセットした位置に配置するとともに、ベアリングキャップ4Aを挟んで対角状に配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、クランクシャフトがはしご状の支持構造で支持されるエンジンに関する。
従来、エンジンのクランクシャフトの支持構造として、複数のベアリングキャップを一体化したものが知られている。すなわち、ベアリングキャップをベアリングビームで連結したはしご状の支持構造を形成し、これとシリンダブロック下面との間にクランクジャーナルを支持させたものである。はしご状の支持構造を形成することで、クランクジャーナルの支持剛性が向上し、エンジンの燃焼起振力によって発生しうる騒音,振動が抑制される。
クランクジャーナルの支持剛性は、クランクジャーナルを支持するベアリングキャップやシリンダブロックの剛性を高めることで向上する。そこで、ベアリングキャップの剛性を高めた構造を採用することが検討されている。例えば、シリンダブロックのスカート部をクランクジャーナルよりも下方に延設し、そのスカート部の内側にベアリングキャップを当接させることが考えられる。このような構造により、ベアリングキャップの剛性が高まり、クランクジャーナルの支持剛性が向上する(例えば、特許文献1参照)。
特許第4492548号公報
ところで、ベアリングキャップ及びシリンダブロック下面のそれぞれには、クランクジャーナルの外径に対応した凹曲面が設けられ、これらを締結固定することで中空円筒状のすべり軸受け面が形成される。凹曲面はほぼ半円筒状とされ、クランクジャーナルの半周分をカバーする形状とされる。したがって、ベアリングキャップとシリンダブロック下面との締結面は、クランクセンター(クランクジャーナルの軸心)を通る平面状とされる。
クランクジャーナルからすべり軸受けに入力される上下方向の荷重は、ベアリングキャップとバルクヘッドとの間の締結面に分散されて、シリンダブロックに伝達される。このとき、締結面の接触面積が大きいほど、単位面積当たりに伝達される荷重が小さくなり、強度,剛性の面では有利となる。
しかしながら、接触面積を増大させれば、バルクヘッド下面,ベアリングキャップ上面の面積が大きくなり、クランクジャーナルを支持するためのスペースが増大する。これにより、シリンダブロックを小型化しにくくなり、エンジンの軽量化,ダウンサイジングが困難となる。一方、エンジンを小型化すべく接触面積を減少させれば、クランクジャーナルからすべり軸受けに入力される上下方向の荷重を分散させることができず、クランクジャーナルの支持剛性が低下しうる。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、クランクジャーナルの支持剛性を高めつつ、シリンダブロックを小型化,軽量化できるようにしたエンジンを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンは、エンジンのシリンダブロックからクランク軸の下方へ垂設されたスカート壁と、前記クランク軸を前記シリンダブロックとの間で支持する複数のベアリングキャップと、を備える。また、前記複数のベアリングキャップを一体に連結し、はしご状の支持構造を形成するビームと、前記ビームに設けられ、前記スカート壁の下端面に当接して固定される固定部と、を備える。さらに、前記固定部が、シリンダボアの中心から前記ビームの連結方向にオフセットした位置に配置されるとともに、前記エンジンの下面視で前記ベアリングキャップを挟んで対角状に配置される。
ここで、前記ベアリングキャップと前記シリンダブロック(例えばバルクヘッドの下端部)との当接面のことを「当接面A」とし前記ビームと前記スカート壁の下端部との当接面のことを「当接面B」とする。「当接面B」は、「当接面A」と同様に、クランク軸から入力される上下方向の荷重を受ける。一方、「当接面B」は、前記スカート壁の下端部に当接する位置に配置される。したがって、「当接面B」は、「当接面A」から離れた位置(「当接面A」よりも下方)に配置される。
上記の「対角状」とは、前記ベアリングキャップに支持されるクランクジャーナルを前記エンジンの下面側から見たときの形状を矩形に見立てて、少なくとも一対の前記固定部がその矩形の対角線をなすように前記クランクジャーナルの一側及び他側に配置されるさまを表現したものである。例えば、前記固定部は、前記エンジンの下面視で、前記ベアリングキャップの中心点に対して点対称配置とされることが好ましい。
前記スカート壁の下端面は、前記ベアリングキャップと前記シリンダブロックとの当接面に対して平行に形成されることが好ましい。つまり、「当接面A」と「当接面B」とが平行に設けられることが好ましい。ここでいう「平行」には、加工誤差や施工精度に由来する非平行の状態が含まれる。
また、前記ベアリングキャップが、前記ビームの連結方向に前記シリンダボアを挟んで配置されることが好ましい。つまり、前記固定部は、少なくとも二つの前記ベアリングキャップの間を繋ぐように配置された前記ビームに設けられる(言い換えれば、二つの前記ベアリングキャップの間に設けられる)ことが好ましい。
(2)複数のシリンダボアが列設された前記シリンダブロックを備えた前記エンジンにおいて、前記固定部が、少なくとも列設方向端部に位置する端部シリンダにおけるボア中心から列設方向内側にオフセットした位置に配置されることが好ましい。
つまり、少なくとも端部シリンダの直下方に配置される前記固定部は、オフセット配置されることが好ましい。一方、これ以外の前記固定部(端部シリンダ以外のシリンダの直下方に配置される前記固定部)は、オフセット配置されなくてもよい。
(3)前記固定部がオフセットした方向に位置する前記ベアリングキャップと前記ビームとの連結部を肉盛りしてなる補強部を備えることが好ましい。
(4)前記固定部のオフセット量が、前記シリンダボアの半径の寸法未満であることが好ましい。
(5)前記エンジンが、列設順に一番気筒,二番気筒,三番気筒を有する直列三気筒エンジンであることが好ましい。この場合、前記固定部が、前記一番気筒のボア中心から前記二番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第一固定部と、前記二番気筒のボア中心から前記一番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第二固定部と、前記二番気筒のボア中心から前記三番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第三固定部と、前記三番気筒のボア中心から前記二番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第四固定部と、を有することが好ましい。
(6)なお、前記第一固定部及び前記第四固定部が、前記エンジンの吸気側に配置され、前記第二固定部及び前記第三固定部が、前記エンジンの排気側に配置されることが好ましい。
開示のエンジンによれば、ベアリングキャップとビームとが一体に形成された支持構造において、エンジンの上下方向の入力をスカート壁の下端面に負担させることができ、ベアリングキャップまわりの構造を簡素化することができるとともに、クランクジャーナルの支持剛性を向上させることができる。
また、ビームとシリンダブロックとの固定部が、シリンダボアの中心からオフセットした位置で、ベアリングキャップを挟んで対角状に配置されるため、クランクシャフトとの干渉を防止しつつビーム及びベアリングキャップの歪み変形を抑制することができ、クランクジャーナルの支持剛性をさらに向上させることができる。
一実施形態に係るエンジンの分解斜視図である。 ビームキャップの斜視図である。 ビームキャップを示す図であり、(A)は上面図、(B)は側面図、(C)は下面図である。なお、(D)は比較例としてのビームキャップの下面図である。 シリンダブロックの下面図である。 ビームキャップが取り付けられたシリンダブロックの模式的な断面図である。 比較例としてのシリンダブロックの断面図である。 (A),(B)は、変形例としてのビームキャップを示す下面図である。
図面を参照して、車両に適用されたエンジンについて説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.エンジン構成]
図1は、本実施形態のエンジン10の分解斜視図である。このエンジン10は、直列三気筒のエンジンである。エンジン10のフロント側(図1中の左下方向)には、エンジン10の補機類や動力伝達用のプーリ(クランクプーリ,タイミングプーリ,スプロケット等)が設けられる。一方、エンジン10のリア側(図1中の右上方向)にはドライブプレート,フライホイールが設けられ、パワートレーンの下流側の各種装置(例えば、変速機,回転電機等)に接続される。
エンジン10のシリンダブロック1には、中空円筒状のシリンダボア9が列設され、それぞれのシリンダボア9内にピストンが設けられる。以下、シリンダボア9が列状に並べられた方向(列設方向)をシリンダ列方向Lという。各々のピストンは、ピストンピンを介してコネクティングロッドの上端に連結されて、コネクティングロッドに対して回転自在に支持される。また、コネクティングロッドの下端は、クランクシャフト2(クランク軸)に連結される。
シリンダブロック1の上方には、シリンダヘッドが取り付けられる。シリンダヘッドの内部には、各シリンダボア9に接続される吸気ポート,排気ポートが形成される。以下の説明では、シリンダブロック1に対してシリンダヘッドが取り付けられる側を上方とし、その逆側を下方とする。また、シリンダブロック1の側面のうち、吸気ポートの上流端開口が位置する側のことを吸気側と呼び、その反対側のことを排気側と呼ぶ。
クランクシャフト2は、ピストンの往復運動を回転運動に変換する構造を有する主軸である。クランクシャフト2には、図1に示すように、クランクジャーナル2A,クランクピン2B,クランクウェブ2C,バランスウェイト2Dが設けられる。クランクジャーナル2Aは、シリンダブロック1に支持される軸状の部位である。また、クランクピン2Bは、コネクティングロッドの下端に連結される軸状の部位であり、その軸心はクランクジャーナル2Aの軸心と平行に配置される。
シリンダボア9の中心の直下方には、コネクティングロッドやクランクピン2Bが配置される。したがって、クランクジャーナル2Aは、エンジン10の上面視において、シリンダボア9の中心を避けた位置に配置される。本実施形態のクランクジャーナル2Aは、隣り合うシリンダボア9に挟まれた気筒間部と、クランクシャフト2の両端部とに配置される。したがって、クランクジャーナル2Aの箇所数は四箇所であり、これらの配置間隔はエンジン10の上面視でおおむね等間隔である。
クランクジャーナル2Aとクランクピン2Bとの間は、クランクウェブ2Cで接続される。これにより、ピストンの往復運動に伴ってクランクピン2Bがクランクジャーナル2Aの軸心まわりに回転する。各々のクランクピン2Bは、クランクジャーナル2Aの軸心に対して位相角が120°(四ストロークエンジンの一サイクルに相当する720°の1/3である240°)相違するように配置される。なお、バランスウェイト2Dは、エンジン10の振動特性やアンバランス量等に応じた形状及び質量を有してクランクウェブ2Cに固定される。
クランクジャーナル2Aの外周には、ジャーナルベアリング3が取り付けられる。ジャーナルベアリング3は、クランクジャーナル2Aを支持するすべり軸受けとなる部材である。クランクジャーナル2Aのすべり軸受けは、クランクジャーナル2Aの外周面に対応する円筒面状に形成される。本実施形態では、半円筒面状の曲面を有する二つのジャーナルベアリング3が組み合わされて、円筒面状のすべり軸受けが形成される。二つのジャーナルベアリング3のうち、上方に配置されるものを上側ジャーナルベアリング3Aと呼び、下方に配置されるものを下側ジャーナルベアリング3Bと呼ぶ。
ここで、ピストンの往復運動方向に対して垂直な平面であって、クランクジャーナル2Aの軸心を通る平面のことを「分割平面P」と呼ぶ。上側ジャーナルベアリング3A及び下側ジャーナルベアリング3Bのそれぞれは、クランクジャーナル2Aの外周面を「分割平面P」で分割した筒面に対応する曲面を有する。つまり、ピストンの往復運動方向を基準として、上側ジャーナルベアリング3Aはおもにクランクジャーナル2Aの上半分に作用する荷重を負担し、下側ジャーナルベアリング3Bはおもにクランクジャーナル2Aの下半分に作用する荷重を負担する。
シリンダブロック1の側方には、クランクシャフト2の側方を囲むように配置されたスカート壁1Aが設けられる。スカート壁1Aは、図1に示すように、シリンダブロック1の吸気側及び排気側において、クランクシャフト2よりも下方へ垂設される。また、スカート壁1Aの下端には、シリンダブロック1の外側に向かって突出するフランジ部が形成される。フランジ部の下端面1Bは、上記の「分割平面P」と平行な平面状に形成されるとともに、「分割平面P」よりも下方に配置される。
クランクジャーナル2Aの上面側は、上側ジャーナルベアリング3Aを介して、シリンダブロック1に支持される。一方、クランクジャーナル2Aの下面側は、下側ジャーナルベアリング3Bを介して、ビームキャップ4に支持される。以下、ビームキャップ4の構造について詳述する。
[2.ビームキャップ]
ビームキャップ4は、シリンダブロック1との間に、ジャーナルベアリング3を介してクランクジャーナル2Aを支持するものであり、タイボルト,ボルト,ナット等の締結具15(固定具)でシリンダブロック1に固定される。なお、以下の説明では便宜的に、各種部材の締結固定に使用される全ての締結具に符号15を付して説明する。
図2,図3(A)〜(C)に示すように、ビームキャップ4には、ベアリングキャップ4A,サイドビーム4B,クロスビーム4C,固定部6が設けられる。
ベアリングキャップ4Aは、クランクジャーナル2Aの下側を支持する部位であり、クランクジャーナル2Aの軸心方向に所定の間隔を空けて、複数箇所に配置される。ベアリングキャップ4Aの箇所数は、クランクジャーナル2Aの数と同じ四箇所である。これらのベアリングキャップ4Aは、シリンダ列方向Lにシリンダボア9を挟んで配置される。また、それぞれのベアリングキャップ4Aの向きは、シリンダ列方向Lに対して垂直な方向とされる。
ベアリングキャップ4Aの上面5には、下側ジャーナルベアリング3Bの外表面に対応する半円筒状の凹曲面5Aが設けられ、この内側に下側ジャーナルベアリング3Bが固定される。したがって、ビームキャップ4がシリンダブロック1に固定された状態での凹曲面5Aの配設位置は、クランクジャーナル2Aの直下方となる。
また、ベアリングキャップ4Aの上面5には、上記の「分割平面P」の一部をなす平面部5B(当接面A)が設けられる。この平面部5Bは、凹曲面5Aを挟んでエンジン10の吸気側及び排気側の両方に一つずつ配置される。また、それぞれの平面部5Bには、締結具15が挿通される取付穴5Cが設けられる。取付穴5Cは、ベアリングキャップ4Aを上下方向に貫通して穿孔される。各々の取付穴5Cに取り付けられる締結具15は、平面部5Bに対する直交方向に延在し、クランクジャーナル2Aの左右に対をなして配置される。
サイドビーム4B及びクロスビーム4Cは、上記の複数のベアリングキャップ4Aを一体に連結する、はしご状の構造部材である。サイドビーム4Bは、はしご状の構造のうち、シリンダ列方向Lと平行な方向にベアリングキャップ4Aを連結する部位である。一方、クロスビーム4Cは、各ベアリングキャップ4Aの下方でサイドビーム4B間を複数箇所で連結する部位であり、シリンダ列方向Lと垂直な方向に配設される。
図3(A)〜(C)に示すように、サイドビーム4Bは、各ベアリングキャップ4Aの両端のそれぞれを直線状に接続するように一対設けられる。サイドビーム4Bの下面は、その全体が平坦な平面状とされる。一方、クロスビーム4Cは、少なくともサイドビーム4Bの下面よりは上方に配置される。また、クロスビーム4Cが掛け渡される箇所数は、ベアリングキャップ4Aの箇所数と同じ四箇所である。ベアリングキャップ4Aの剛性が十分であれば、そのベアリングキャップ4Aの下方に配置されるクロスビーム4Cを省略することができる。この場合、一対のサイドビーム4Bが各ベアリングキャップ4Aの両端を接続する梁部材となり、ベアリングキャップ4Aがサイドビーム4B間に掛け渡される横架材となる。
固定部6は、サイドビーム4Bよりもはしごの外側(エンジン10の上面視でサイドビーム4Bを基準として、ベアリングキャップ4Aが配置される側とは反対側)に突出して設けられた部位である。固定部6は、一方のサイドビーム4Bに対して二箇所に配置され、一つのビームキャップ4に対して合計四箇所に設けられる。これらの固定部6のレイアウトは、エンジン10の下面視で台形の頂点配置(ハの字配置)に準えることができる。固定部6の下面側は、サイドビーム4Bの下面と同一平面状に形成される。一方、固定部6の上面側は、サイドビーム4Bの上面よりも下方に設けられる。
それぞれの固定部6には、図2,図3(A)に示すように、第二平面部6Aと第二取付穴6Bとが設けられる。第二平面部6A(当接面B)は、ベアリングキャップ4Aの平面部5Bに対して平行に形成された平面状の部位であり、スカート壁1Aの下端面1Bに当接した状態で固定される。この第二平面部6Aには、締結具15が挿通される第二取付穴6Bが設けられる。第二取付穴6Bは、固定部6を上下方向に貫通して穿孔される。各々の第二取付穴6Bに取り付けられる締結具15は、第二平面部6Aに対する直交方向に延在し、クランクジャーナル2Aの左右に対をなして配置される。また、第二取付穴6Bに取り付けられる締結具15は、取付穴5Cに取り付けられる締結具15と平行に配置される。
ここで、四箇所に設けられたベアリングキャップ4Aのそれぞれについて、エンジン10のフロント側から順にキャップA,キャップB,キャップC,キャップDと呼ぶ。また、エンジン10の上面視におけるキャップB(#1気筒と#2気筒との気筒間部に配置されたベアリングキャップ4A)の中心線C1を、図3(A)中に示す。この中心線C1上の任意の点は、エンジン10の上面視で#1気筒のボア中心までの距離と#1気筒のボア中心までの距離とが等距離となる。図3(A)中に示された四つの固定部6をそのシリンダ列方向Lの位置に基づいて分類し、図中左側から順に、第一固定部21,第二固定部22,第三固定部23,第四固定部24と呼ぶ。
第一固定部21は、図3(A)に示すように、エンジン10の吸気側において中心線C1の上に配置される。すなわち、第一固定部21は、#1気筒のボア中心と#2気筒のボア中心とに対する等距離線上に配置される。なお、#1気筒のボア中心を基準にすれば、第一固定部21は、#1気筒のボア中心よりも#2気筒側にオフセットした位置に配置される。第一固定部21のオフセット量は、図3(A)に示すように、W1である。本実施形態のオフセット量W1は、#1気筒のボア中心からキャップBの中心線までの距離と同一の値に設定されているが、これよりも小さい値に設定してもよい。好ましくは、シリンダボア9の半径の寸法R未満に設定される。
一方、第二固定部22は、エンジン10の排気側において、シリンダボア9の中心からサイドビーム4Bの連結方向にオフセットした位置に配置される。すなわち、第二固定部22は、#2気筒のボア中心よりも、#1気筒側にオフセットした位置に配置される。第二固定部22のオフセット量は、図3(A)に示すように、W2である。
第二固定部22のオフセット量W2は、好ましくはシリンダボア9の半径の寸法R未満に設定される。本実施形態のオフセット量W2は、#2気筒のボア中心からキャップBの側面までの距離WA以下の値に設定される(すなわち、0<W2≦WA<Rである)。つまり、第二固定部22は、排気側のサイドビーム4Bのうち、キャップBとキャップCとに挟まれる範囲内に配置される。
第三固定部23も、排気側のサイドビーム4Bのうち、キャップBとキャップCとに挟まれる範囲内に配置される。しかし、第三固定部23は、エンジン10の排気側において、#2気筒のボア中心よりも、#3気筒側にオフセットした位置に配置される。第三固定部23のオフセット量は、図3(A)に示すように、W3である。このオフセット量W3は、好ましくはシリンダボア9の半径の寸法R未満に設定され、本実施形態では#2気筒のボア中心からキャップCの側面までの距離WB以下の値に設定される(すなわち、0<W3≦WB<Rである)。
また、第四固定部24は、エンジン10の吸気側において、シリンダボア9の中心からサイドビーム4Bの連結方向にオフセットした位置に配置される。すなわち、第四固定部24は、#3気筒のボア中心よりも、#2気筒側にオフセットした位置に配置される。第四固定部24のオフセット量は、図3(A)に示すように、W4である。このオフセット量W4は、好ましくはシリンダボア9の半径の寸法R未満に設定され、本実施形態では#3気筒のボア中心からキャップCの側面までの距離WC以下の値に設定される(すなわち、0<W4≦WC<Rである)。
ここで、キャップC(#2気筒と#3気筒との気筒間部に配置されたベアリングキャップ4A)に着目すると、キャップCの両端部のうちの排気側では、第三固定部23が#2気筒側にオフセット配置され、吸気側では、第四固定部24が#3気筒側にオフセット配置される。つまり、これらの第三固定部23及び第四固定部24は、エンジン10の下面視でキャップCを挟んで対角状に配置される。本実施形態では、第三固定部23のオフセット量W3と第四固定部24のオフセット量W4とがほぼ同一の値に設定される。つまり、図3(A)中に示すキャップCの中心点Qに対して、第三固定部23及び第四固定部24が点対称配置となる。これにより、キャップCの歪み変形が抑制され、クランクジャーナル2Aの支持剛性が向上する。
図2,図3(A),(B)に示すように、キャップB,キャップCとサイドビーム4Bとの連結部には、サイドビーム4Bをその高さ方向,幅方向に肉盛りしてなる補強部12が形成される。つまり、上記の第一固定部21〜第四固定部24が配置されたサイドビーム4Bは、その梁の両端部のうち、少なくともエンジン10の内側に位置する基端部が補強部12によって補強される。一方、キャップA,キャップDとサイドビーム4Bとの連結部には、このような補強部12が設けられず、あるいは、これらの補強部12よりも肉盛り寸法が小さく設定される。
サイドビーム4Bのうち、補強部12によって肉盛りされた範囲を、図3(B)中に「範囲Z」として示す。第一固定部21〜第四固定部24は、サイドビーム4Bのうち、範囲Zの内側に配置される。これにより、第一固定部21〜第四固定部24の剛性が向上するとともに、これらの固定部6よりも外側に延在するサイドビーム4Bの剛性も向上する。
[3.シリンダブロック下面]
図4は、上記のビームキャップ4が固定されるシリンダブロック1の下面側を示す図である。スカート壁1Aの下端面1Bには、シリンダブロック1の下方にオイルパンを取り付けるための固定穴16が複数箇所に設けられる。また、シリンダブロック1には、シリンダ列方向Lに間隔を空けて、複数のジャーナル壁11(バルクヘッド)が設けられる。ジャーナル壁11は、クランクジャーナル2Aの上側を支持する部位であり、一対のスカート壁1Aの間を接続して配置される。ジャーナル壁11の数は、クランクジャーナル2Aの数と同じく四個である。
ジャーナル壁11の下面7には、上側ジャーナルベアリング3Aの外表面に対応する半円筒状の凹曲面7Aが設けられ、この内側に上側ジャーナルベアリング3Aが固定される。したがって、凹曲面7Aの配設位置は、クランクジャーナル2Aの直上方となる。図4中に示す上側ジャーナルベアリング3Aには、その内表面にクランクジャーナル2Aの潤滑用の油路が刻設されている。
また、ジャーナル壁11の下面7には、上記の「分割平面P」の一部をなす第三平面部7Bが設けられる。第三平面部7Bは、凹曲面7Aを挟んでエンジン10の吸気側及び排気側の両方に一つずつ配置される。なお、ビームキャップ4がシリンダブロック1に取り付けられると、この第三平面部7Bがベアリングキャップ4Aの平面部5Bと面接触した状態となる。また、それぞれの第三平面部7Bには、締結具15が挿通される第三取付穴7Cが設けられる。ベアリングキャップ4Aの取付穴5Cに挿通された締結具15の先端は、第三取付穴7Cに締結される。
ここで、四箇所に設けられたジャーナル壁11のそれぞれについて、エンジン10のフロント側から順にジャーナル壁A,ジャーナル壁B,ジャーナル壁C,ジャーナル壁Dと呼ぶ。ジャーナル壁B及びジャーナル壁Cにおける排気側の端部には、オイル落とし穴13が形成される。このオイル落とし穴13は、例えばシリンダヘッド側から落下してくるエンジンオイルの出口となる部位である。オイル落とし穴13を介してクランク室内に導入されたオイルは、クランクシャフト2に供給され、あるいはオイルパンで回収される。また、ジャーナル壁A及びジャーナル壁Cにおける吸気側の端部には、エンジン10の組み付けに使用される仮止めボルト用のボス14が設けられるとともに、その内部にボス穴14Aが設けられる。ボス14の表面は、スカート壁1Aの下端面1Bと同一平面をなすように形成される。
一方、ビームキャップ4の固定部6の受け座となるシリンダブロック1側の固定部8は、ビームキャップ4の固定部6に対応するレイアウトで、上記のオイル落とし穴13及びボス14を避けた位置に配置される。すなわち、第一固定部21に対応する固定部8は、ジャーナル壁Bの中心線上における吸気側の端部に配置される。また、第二固定部22に対応する固定部8は、ジャーナル壁Bとジャーナル壁Cとの間の排気側において、#2気筒のボア中心よりも#1気筒側にオフセットした位置に配置される。同様に、第三固定部23に対応する固定部8は、ジャーナル壁Bとジャーナル壁Cとの間の排気側において、#2気筒のボア中心よりも#3気筒側にオフセットした位置に配置される。
さらに、第四固定部24に対応する固定部8は、ジャーナル壁Cとジャーナル壁Dとの間の吸気側において、#3気筒のボア中心よりも#2気筒側にオフセットした位置に配置される。これにより、固定部8とオイル落とし穴13及びボス14との干渉が防止される。ビームキャップ4の固定部6が固定されるのは、これらの固定部8であることから、固定部6とオイル落とし穴13及びボス14との干渉も防止される。また、第三固定部23及び第四固定部24に対応する一対の固定部8は、ジャーナル壁Cを挟んで対角状に配置される。これにより、ジャーナル壁Cの歪み変形が抑制され、クランクジャーナル2Aの支持剛性が向上する。
それぞれの固定部8には、図4に示すように、第四平面部8Aと第四取付穴8Bとが設けられる。第四平面部8Aは、シリンダブロック1の下面7における第三平面部7Bに対して平行に形成された平面状の部位であり、スカート壁1Aの下端面1Bと同一平面をなすように形成される。また、第四平面部8Aには、締結具15が取り付けられる第四取付穴8Bが設けられる。これにより、第四平面部8Aは、ビームキャップ4の固定部6がその第二平面部6Aと面接触した状態で締結固定される。
[4.作用]
[4−1.荷重の分散性]
上記のビームキャップ4がシリンダブロック1に取り付けられた状態の断面構造を、図5に例示する。ベアリングキャップ4Aの取付穴5Cとシリンダブロック1の第三取付穴7Cとを位置合わせして締結具15で締結すると、ベアリングキャップ4Aの平面部5Bとジャーナル壁11の第三平面部7Bとが面接触した状態で固定される。また、ビームキャップ4の第二取付穴6Bとシリンダブロック1の第四取付穴8Bとを位置合わせして締結具15で固定すると、固定部6の第二平面部6Aと固定部8の第四平面部8Aとが面接触した状態で固定される。
これにより、クランクシャフト2からビームキャップ4側に伝達される上下方向の荷重が、分割平面Pだけでなく、これによりも下方に位置するスカート壁1Aの下端面1Bでも支持される。スカート壁1Aの下端面1Bは、図5に示すように、分割平面Pと平行な平面であることから、上下方向の荷重は、ベアリングキャップ4Aの平面部5B(当接面A)と固定部6の第二平面部6A(当接面B)との両方で負担される。したがって、ベアリングキャップ4Aの周辺での局所的な応力集中が回避されるとともに、荷重の分散性が向上する。
なお、図6に示すような従来のビームキャップ構造では、クランクシャフト2からビームキャップ4側に伝達される上下方向の荷重が、分割平面Pのみで支持される。すなわち、ビームキャップ4のうち、シリンダブロック1の下面7の第三平面部7Bと接触する部位のみが上下方向の荷重を負担する。したがって、ベアリングキャップ4Aの周辺で局所的な応力集中が生じやすい。
このような応力集中は、第三平面部7Bの面積を増大させることで抑制されうる。しかし、第三平面部7Bを広くするほどジャーナル壁11の下面7が大きくなり、第三取付穴7Cからスカート壁1Aまでの寸法(例えば、クランク室の内法寸法)や、スカート壁1Aの外法寸法(例えば、シリンダブロック1の幅寸法)が増大する。これにより、シリンダブロック1の小型化,軽量化が困難となる。さらに、図6中のビームキャップ4をスカート壁1Aの内面に締結固定したとしても、上下方向の荷重が締結面でせん断方向に作用するため、特殊な締結具を使用しなければ荷重を十分に支えることができない。
これに対し、本実施形態のエンジン10では、図5に示すように、上下方向の荷重がビームキャップ4の平面部5Bだけでなく、固定部6の第二平面部6Aにも分散される。このことから、図6に示す構造と同一の接触面積を確保しつつ、第三平面部7Bの面積を削減することが容易となる。例えば、図5に示すように、シリンダブロック1の幅寸法を小さくすることが可能となり、シリンダブロック1の小型化,軽量化が可能となる。
[4−2.固定箇所の適正化]
サイドビーム4Bに設けられた固定部6は、クランクシャフト2からビームキャップ4に入力される荷重をスカート壁1Aに伝達する役割を担う。クランクシャフト2からの荷重は、各ベアリングキャップ4Aを介して入力される。そこで、図3(D)に示すように、各ベアリングキャップ4Aの両端部に固定部6を配置することが考えられる。一方、ビームキャップ4に上下方向の荷重が入力されるタイミングは、気筒毎に相違し、全ての固定部6が常に大きな荷重を伝達しているわけではない。そのため、図3(D)に示すような固定部6のレイアウトでは、ビームキャップ4が負担する荷重に対する固定部6の箇所数が過剰であり、その分ビームキャップ4の重量が重くなってしまう。
これに対し、本実施形態のエンジン10では、図3(C)に示すように、固定部6の箇所数が削減されたレイアウトが採用されている。すなわち、荷重変動が比較的大きいキャップB,キャップCに対して固定部6が離れすぎず、かつ、負荷変動が比較的小さいキャップA,キャップDに対して固定部6が適度な距離となりように、各々の固定部6の配置が設定されている。これにより、ビームキャップ4が負担する荷重に対する固定部6の箇所数が削減され、ビームキャップ4が軽量化される。
また、第三固定部23及び第四固定部24は、エンジン10の下面視でキャップCを挟んで対角状に配置される。これにより、例えばキャップCの両端部に作用するシリンダ列方向Lへの荷重に対して、キャップCが歪み変形を起こしにくくなり、キャップCの剛性が向上する。なおキャップCは、はしご状の構造の横架材であることから、キャップB,キャップD等の隣接する横架材も変形しにくくなり、ビームキャップ4全体の剛性が向上する。
また、第二固定部22〜第四固定部24は、#2気筒,#3気筒のボア中心よりもオフセットした位置に配置される。これにより、図4に示すように、これらの固定部22〜24に対応するシリンダブロック1側の固定部8が、ジャーナル壁B及びジャーナル壁Cの近くに配置されることになり、#2気筒,#3気筒に係るバランスウェイト2Dと固定部8との干渉が防止される。さらに、第二固定部22,第三固定部23のオフセット量W2,W3は、#2気筒のボア中心からキャップB,Cまでの距離WA,WB以下の値に設定される。したがって、図4に示すように、ジャーナル壁B,Cとスカート壁1Aとの接合部近傍に配置されるオイル落とし穴13と固定部8との干渉も回避される。第四固定部24についても同様であり、#3気筒のボア中心よりも#2気筒側にオフセットした位置に配置されるため、#3気筒に係るバランスウェイト2Dの可動範囲が確保されるとともに、ボス14との干渉が回避される。
[5.効果]
(1)本実施形態のビームキャップ4では、図3(A)に示すように、ビームキャップ4とシリンダブロック1とを固定するための固定部6がシリンダボア9の中心からオフセットした位置に配置されるため、クランクウェブ2Cやバランスウェイト2Dの可動範囲を確保しやすくすることができる。これにより、例えばバランスウェイト2Dの可動範囲に干渉しない範囲で、一対のスカート壁1Aの間隔を限界まで狭めることができ、シリンダブロック1を小型化,軽量化することができる。
また、例えばキャップCの両端部近傍に配置される第三固定部23及び第四固定部24は、キャップCを挟んで対角状に配置されるため、キャップCの歪み変形を抑制することができ、クランクジャーナル2Aの支持剛性を向上させることができる。特に、サイドビーム4Bの連結方向(シリンダ列方向L)に作用する荷重に対するビームキャップ4の剛性を向上させることができる。
また、本実施形態のビームキャップ4は、ベアリングキャップ4A,サイドビーム4B及びクロスビーム4Cが一体に形成されており、クランクシャフト2はこのビームキャップ4とシリンダブロック1との間に支持される。このようなクランクシャフト2の支持構造において、エンジン10の上下方向の入力に対するシリンダブロック1との締結面が、二箇所(例えば、当接面A,当接面B)に分離して設けられる。したがって、上下方向の入力に対する強度,剛性を高めることができる。特に、スカート壁1Aの下端面1Bにビームキャップ4が押圧固定されるため、上下方向の荷重をスカート壁1Aに負担させることができ、クランクジャーナル2Aの支持剛性を向上させることができる。
また、締結面が二箇所に分離して設けられることから、ベアリングキャップ4Aとシリンダブロック1との当接面(当接面A)の面積を減少させることができ、ベアリングキャップ4Aまわりの構造を簡素化することができる。例えば、図5,図6に示すように、従来の構造と比較してジャーナル壁11の下面7の面積を縮小することができ、シリンダブロック1を小型化,軽量化することができる。
また、上記のエンジン10では、スカート壁1Aの下端面1Bがベアリングキャップ4Aとシリンダブロック1との当接面A(平面部5B)に対して平行に形成される。つまり、スカート壁1Aの下端面1Bに面接触する当接面B(第二平面部6A)が、当接面Aに対して平行に設けられる。これにより、上下方向の荷重が二つの当接面A,Bに支えられることになり、ベアリングキャップ4Aの周辺での局所的な応力集中を回避できるとともに、荷重の分散性を向上させることができる。また、クランクシャフト2からの荷重がベアリングキャップ4Aの各所に分散することから、上下方向の荷重に対するベアリングキャップ4Aの強度,剛性を高めることができ、エンジン10の信頼性を向上させることができる。
(2)上記のエンジン10では、第一固定部21,第四固定部24のそれぞれが、端部シリンダである#1気筒,#4気筒のそれぞれにおけるボア中心から列設方向内側にオフセットした位置に配置される。このような第一固定部21,第四固定部24のレイアウトにより、荷重変動が比較的小さい部位の荷重伝達をこれらの第一固定部21,第四固定部24で賄うことができ、クランクシャフト2からビームキャップ4に入力される荷重を支えることができる。したがって、固定部6の箇所数を削減することができ、シリンダブロック1をさらに小型化,軽量化することができる。
(3)上記のエンジン10では、第一固定部21,第四固定部24がサイドビーム4Bの延在方向に沿って列設方向内側にオフセットした結果、これらの固定部21,24よりも列設方向外側の部分が、片持ち支持される部位となる。一方、第一固定部21がオフセットした方向に位置するベアリングキャップ4A(キャップB)とサイドビーム4Bとの連結部は、補強部12で肉盛り補強される。また、キャップCとサイドビーム4Bとの連結部にも同様に、補強部12が設けられる。
これにより、サイドビーム4Bの片持ち支持部分の基部剛性を高めることができ、ビームキャップ4の剛性を向上させることができる。したがって、固定部6の箇所数を削減しつつ、クランクジャーナル2Aの支持剛性を向上させることができる。
(4)図4に示すように、シリンダブロック1の気筒間部には、オイル落とし穴13やボス14が配置される場合がある。これらの配設位置は、シリンダブロック1が小さくなるに連れて制限されやすく、気筒間部がその配置スペースとして利用されやすい。
一方、上記のエンジン10では、第二固定部22〜第四固定部24のオフセット量W2〜W4が、シリンダボア9の半径の寸法R未満に設定される。このようなオフセット量の範囲設定により、ビームキャップ4の固定部6とオイル落とし穴13,ボス14との干渉を防止することができる。特に、上記のエンジン10では、これらのオフセット量がボア中心からベアリングキャップ4Aまでの距離WA〜WC以下の値に設定されるため、固定部6とオイル落とし穴13,ボス14との干渉をより確実に回避することができる。
(5)上記のエンジン10では、第一固定部21が#1気筒のボア中心から#2気筒寄りの吸気側にオフセット配置され、第二固定部22が#2気筒のボア中心から#1気筒寄りの排気側にオフセット配置される。また、第三固定部23は#2気筒のボア中心から#3気筒寄りの排気側にオフセット配置され、第四固定部24は#3気筒のボア中心から#2気筒寄りの吸気側にオフセット配置される。
このように、固定部6は、シリンダ列方向Lのレイアウトがほぼ左右対称配置とされるだけでなく、キャップB,キャップCのそれぞれに対してほぼ対角配置とされる。このようなレイアウトにより、ビームキャップ4全体の剛性バランスを確保することができ、クランクシャフト2の支持安定性,強度,剛性を確保することができる。
また、ビームキャップ4に入力される上下方向の荷重が比較的大きい中央部分に第二固定部22,第三固定部23を近接して設けることで、クランクシャフト2の支持安定性,強度,剛性を高めつつ、クランクウェブ2Cやバランスウェイト2Dの可動範囲を確保することができる。一方、荷重が比較的小さい左右両端部に第一固定部21,第四固定部24を設け、それぞれをエンジン10の中央寄りにオフセットさせることで、固定部6の箇所数を削減しつつ、クランクシャフト2の支持安定性,強度,剛性を満足させることができる。
(6)なお、上記のエンジン10では、図3(A)に示すように、エンジン10の排気側と吸気側とのそれぞれに固定部6が二箇所ずつ設けられる。それぞれの固定部6の間隔は、エンジン10の排気側で狭く、吸気側で広くなるように設定されている。このようなレイアウトにより、吸気側よりも高温になりやすく支持剛性が低下しやすい排気側中央部の剛性を確保することができ、クランクシャフト2の支持安定性,強度,剛性を高めることができる。
[6.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
クランクジャーナル2Aの支持構造に関して、上述の実施形態では、クランクジャーナル2Aの周面に上側ジャーナルベアリング3Aと下側ジャーナルベアリング3Bとを取り付け、その外側をジャーナル壁11の凹曲面7Aとビームキャップ4の凹曲面5Aとで囲った構造を示したが、すべり軸受けの構造はこれに限定されない。例えば、二つのジャーナルベアリング3A,3Bをジャーナル壁11,ビームキャップ4のそれぞれに鋳込んで形成してもよい。
また、ビームキャップ4とシリンダブロック1との当接面に関して、上述の実施形態では、当接面A(平面部5B)と当接面B(第二平面部6A)とが平行に形成されたものを例示したが、これらの当接面A,Bを非平行に形成することも考えられる。例えば、当接面Bをシリンダブロック1の外側に向けて傾斜させてもよい。このような構造により、スカート壁1Aの口開き変形をビームキャップ4で外側から押さえ込むことができ、シリンダブロック1の変形や振動をより効果的に抑制することができる。
また、上記のビームキャップ4は、直列三気筒エンジン以外のエンジン(例えば直列四気筒エンジンやV型六気筒エンジンなど)にも適用可能である。直列四気筒エンジンでは、図7(A),(B)に示すようなビームキャップ4を用いることが考えられる。ここで、五箇所に設けられたベアリングキャップ4Aのそれぞれを、エンジン10のフロント側から順にキャップA,キャップB,…キャップEと呼ぶ。
図7(A)に示すビームキャップ4は、キャップAとキャップBとの間を接続する排気側のサイドビーム4Bに第一固定部31が設けられ、キャップBとキャップCとの間を接続する吸気側のサイドビーム4Bに第二固定部32が設けられ、キャップCの排気側の端部に第三固定部33が設けられたものである。また、キャップCの中心線C2についてほぼ線対称となる位置には、第四固定部34,第五固定部35が設けられる。
これらの固定部6は、シリンダボア9の中心からサイドビーム4Bの連結方向にオフセットした位置に配置される。また、第一固定部31及び第二固定部32は、キャップBを挟んで対角状に配置される。同様に、第四固定部34及び第五固定部35も、キャップDを挟んで対角配置される。このような配置により、キャップB,キャップDの歪み変形が抑制され、サイドビーム4Bの連結方向に作用する荷重に対するビームキャップ4の剛性が向上する。また、固定部6のレイアウトが中心線C2に対してほぼ線対称配置となることから、各ベアリングキャップ4Aに入力される荷重が左右方向にほぼ均等に分散され、局所的な応力集中が緩和される。このように、少ない固定部6の箇所数で十分な強度,剛性を期待することができ、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
図7(B)に示すビームキャップ4は、図7(A)に示すビームキャップ4における固定部6のレイアウトを、吸気側と排気側とで反転させたものである。この場合、排気側の固定部6がシリンダ列方向Lの中央部にやや集中したレイアウトとなり、上記の変形例による効果に加えて排気側中央部の剛性を確保しやすくすることができる。
なお、上記のビームキャップ4は、ガソリン以外を燃料とするエンジン(例えば、ディーゼルエンジン)に適用することも可能である。少なくとも、クランクシャフト2をシリンダブロック1との間に支持すする構造を持ったエンジンであれば、どのような種類のエンジンにも適用することができる。
1 シリンダブロック
1A スカート壁
1B 下端面
2 クランクシャフト
2A クランクジャーナル
4 ビームキャップ
4A ベアリングキャップ
4B サイドビーム(ビーム)
5 上面
5A 凹曲面
5B 平面部
5C 取付穴
6 固定部
7 下面
7A 凹曲面
7B 第三平面部
7C 第三取付穴
8 固定部
11 ジャーナル壁
12 補強部
15 締結具(固定具)
21 第一固定部
22 第二固定部
23 第三固定部
24 第四固定部

Claims (6)

  1. エンジンのシリンダブロックからクランク軸の下方へ垂設されたスカート壁と、
    前記クランク軸を前記シリンダブロックとの間で支持する複数のベアリングキャップと、
    前記複数のベアリングキャップを一体に連結し、はしご状の支持構造を形成するビームと、
    前記ビームに設けられ、前記スカート壁の下端面に当接して固定される固定部と、を備え、
    前記固定部が、シリンダボアの中心から前記ビームの連結方向にオフセットした位置に配置されるとともに、前記エンジンの下面視で前記ベアリングキャップを挟んで対角状に配置される
    ことを特徴とする、エンジン。
  2. 複数のシリンダボアが列設された前記シリンダブロックを備えた前記エンジンにおいて、
    前記固定部が、少なくとも列設方向端部に位置する端部シリンダにおけるボア中心から列設方向内側にオフセットした位置に配置される
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジン。
  3. 前記固定部がオフセットした方向に位置する前記ベアリングキャップと前記ビームとの連結部を肉盛りしてなる補強部を備えた
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン。
  4. 前記固定部のオフセット量が、前記シリンダボアの半径の寸法未満である
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。
  5. 前記エンジンが、列設順に一番気筒,二番気筒,三番気筒を有する直列三気筒エンジンであって、
    前記固定部が、
    前記一番気筒のボア中心から前記二番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第一固定部と、
    前記二番気筒のボア中心から前記一番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第二固定部と、
    前記二番気筒のボア中心から前記三番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第三固定部と、
    前記三番気筒のボア中心から前記二番気筒寄りにオフセットした位置に配置された第四固定部と、を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジン。
  6. 前記第一固定部及び前記第四固定部が、前記エンジンの吸気側に配置され、
    前記第二固定部及び前記第三固定部が、前記エンジンの排気側に配置される
    ことを特徴とする、請求項5記載のエンジン。
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