JP2019107892A - 情報処理装置、情報処理装置の制御方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定の復帰要因によって第2電力状態から第1電力状態に復帰した場合に、シャットダウン移行時間の計時が停止されてしまうのを防止する。【解決手段】 第1電力状態、第2電力状態、第3電力状態となる情報処理装置であって、計時手段と、情報処理装置が第2電力状態の場合に、第1移行時間が計時されたならば、情報処理装置を第2電力状態から第3電力状態に移行させる第1移行手段と、第1移行時間が計時される前に、情報処理装置を第1電力状態に移行させるための移行要因があった場合に、情報処理装置を第1電力状態に移行させる第2移行手段と、第1移行要因で情報処理装置が第1電力状態に移行した場合には、計時手段が第1移行時間を計時するのを停止させ、第2移行要因で第2移行手段が情報処理装置を第1電力状態に移行させた場合には、計時手段が第1移行時間を計時するのを停止させない、制御手段と、を備える。【選択図】 図9

Description

本発明は、複数の電力状態となる情報処理装置、およびその情報処理装置の制御方法などに関する。
従来、ネットワークに接続されるMFP(Multi Function Peripheral)又はプリンタ等の情報処理装置において、消費電力を抑えるための技術が提案されている。消費電力を抑えるための技術として、一定時間継続して、情報処理装置の操作がなされない場合に、情報処理装置を低消費電力状態に移行させる技術が知られている。また、低消費電力状態からさらに省電力化を図るために、低消費電力状態の情報処理装置が一定時間(シャットダウン移行時間)継続して操作されない場合に、情報処理装置の電源を自動的にオフにする技術(以下、オートシャットダウン機能と呼ぶ)も知られている(特許文献1参照)。
特開平08−076653号公報
上記した低消費電力状態では、ネットワーク上のコンピュータから送信されるパケットを監視するため、パケットを受信するためのNIC(Network Interface Card)には、電力供給が維持される。しかしながら、NICが受信したパケットに対する応答を返すために、毎回、情報処理装置を低消費電力状態から通常電力状態に復帰していては、結果的に情報処理装置の消費電力量が大きくなってしまう。
そこで、代理応答という技術が提案されている。代理応答とは、NICに特定のパケットに応答する機能を持たせた技術である。この代理応答によって、特定のパケットは、情報処理装置が低消費電力状態のままで(情報処理装置を通常電力状態に復帰させずに)、NICによって応答される。これにより、情報処理装置が低消費電力状態となる時間が増えるので、情報処理装置の消費電力を低くすることができる。一方で、特定のパケット以外のパケットを受信した場合には、NICが代理応答をできないので、情報処理装置を低消費電力状態から通常電力状態に復帰させる必要がある。代理応答できないパケットを受信した場合には、通常電力状態に復帰した情報処理装置によって、当該パケットに対する応答がなされる。
低消費電力状態で代理応答を行う情報処理装置は、外部装置から送信される特定のパケットに対しては低消費電力状態のままで応答することができるが、特定のパケット以外のパケットに対しては、低消費電力状態のままでは応答することができない。そうすると、情報処理装置が代理応答できないパケットを頻繁に受信する環境であれば、情報処理装置は、頻繁に低消費電力状態から通常電力状態に復帰してしまう。このような環境下では、情報処理装置が通常状態に復帰するたびに、上記したオートシャットダウン機能が働くまでのシャットダウン移行時間の計時が停止されてしまうので、オートシャットダウン機能があるにも関わらず、当該機能が実行されなくなる。その結果、情報処理装置が何時まで経ってもオフ状態にならない。
そこで、本発明は、特定の復帰要因によって低消費電力状態から通常電力状態に復帰した場合に、シャットダウン移行時間の計時が停止されてしまうのを防止することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、第1電力状態、前記第1電力状態より消費電力の低い第2電力状態、前記第2電力状態より消費電力の低い第3電力状態となる情報処理装置であって、時間を計時する計時手段と、前記情報処理装置が前記第2電力状態の場合に、前記計時手段により第1移行時間が計時されたならば、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第3電力状態に移行させる第1移行手段と、前記計時手段により前記第1移行時間が計時される前に、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させるための移行要因があった場合に、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させる第2移行手段と、前記移行要因のうちの第1移行要因で前記第2移行手段が前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させた場合には、前記計時手段が前記第1移行時間を計時するのを停止させ、前記移行要因のうちの第2移行要因で前記第2移行手段が前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させた場合には、前記計時手段が前記第1移行時間を計時するのを停止させない、制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
上記構成によれば、特定の復帰要因によって低消費電力状態から通常電力状態に復帰した場合に、シャットダウン移行時間の計時が停止されてしまうのを防止することができる。
第1実施形態に係るMFPを備えた通信システムの全体構成を示す図である。 MFPの電源回路の構成を示した図である。 MFPのハードブロック図である。 MFPのタイマ部のブロック図である。 MFPのタイマ部のタイマ設定レジスタの構成図である。 MFPの操作部を示した図である。 MFPの電力状態を説明するための状態遷移図である。 MFPがDeepSleep状態の場合におけるNICの動作を説明するためのフローチャートである。 MFPがDeepSleep状態に移行する処理、およびDeepSleep状態から復帰する処理を示すフローチャートである。 MFPのタイマ部の処理を示すフローチャートである。 (a)MFPの電力状態の変化を時系列に示したタイムチャートである(特定の復帰要因によりMFPがDeepSleep状態から復帰した場合)。(b)MFPの電力状態の変化を時系列に示したタイムチャートである(特定の復帰要因以外の要因によりMFPがDeepSleep状態から復帰した場合)。
<第1実施形態>
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
<印刷システムの全体構成について>
図1は、本発明の第1実施形態のMFPを備えた印刷システムの全体構成を示す図である。第1実施形態の印刷システム1は、図1に示すように、ホストコンピュータ(以下、PCとする)100と、PC100にネットワーク300を介して接続可能なMFP200と、を備えている。この印刷システム1では、PC100とMFP200とが双方向インターフェースを介して通信する。双方向インターフェースは、LANやUSBなどの有線であっても、無線LANなどの無線であってもよい。
MFP200は、プリンタ、スキャナ、コピーおよびファクスなどの複数の機能を備える。
PC100には、プリンタドライバがインストールされている。このPC100は、MFP200に対して、印刷データを送信する。
<MFPの電源回路について>
図2は、MFP200の電源制御のブロック図である。
MFP200は、交流電源ACに接続されており、その交流電源ACには、メインスイッチ501と、電源部502とが接続されている。また、メインスイッチ501と、プリンタ部20との間には、リレー503と、電源部504と、スイッチ505と、が設けられている。また、メインスイッチ501とスキャナ部10との間には、リレー506と、電源部507と、スイッチ508と、が設けられている。
メインスイッチ501は、交流電源ACからMFP200の各部に供給される電力のオン/オフを制御する。このメインスイッチ501は、ソレノイドスイッチであって、スイッチとアクチュエータとによって構成される。当該スイッチは、手動又は自動でスイッチをオフすることが可能である。アクチュエータは、ソレノイドと鉄芯(ソレノイドの中に配置される)により構成され、ソレノイドに電流を流すことにより、鉄芯を動作させ、スイッチを自動でオフさせることが可能となっている。
電源部502は、交流電源ACから供給される交流電源を直流電源に変換して、当該直流電源をコントローラ部30に供給する。電源部502は、例えば、コントローラ部30に3.3Vの電圧を供給する。この電源部502と、コントローラ部30との間には、半導体スイッチ509が設けられている。
また、電源部504は、交流電源ACから供給される交流電源を直流電源に変換して、当該直流電源をコントローラ部30、プリンタ部20およびスキャナ部10に供給する。この電源部504は、例えば、コントローラ部30、プリンタ部20およびスキャナ部10に12Vの電圧を供給する。また、電源部507は、交流電源ACから供給される交流電源を直流電源に変換して、当該直流電源をプリンタ部20およびスキャナ部10に供給する。この電源部507は、例えば、プリンタ部20およびスキャナ部10に24Vの電圧を供給する。
上記したメインスイッチ501、リレー503、リレー503、スイッチ505、スイッチ508および半導体スイッチ509は、いずれも電源制御部50によってそのオン/オフが制御される。
図7に示すように、本実施形態のMFP200は、Normal状態(第1電力状態)202、Normal状態202より省電力のSleep状態(第1電力状態)203、Sleep状態203より省電力のDeepSleep状態(第2電力状態)204、およびDeepSleep状態(第1電力状態)204より省電力のPowerOff状態(第3電力状態)201のいずれかの電力状態となる。
MFP200がNormal状態202の場合、メインスイッチ501、リレー503および506、スイッチ505および508、並びに半導体スイッチ509の全てがオン状態になる。このNormal状態202では、電源部502からコントローラ部30に電力が供給される。また、Normal状態202では、電源部504からコントローラ部30、プリンタ部20およびスキャナ部10に電力が供給される。さらに、Normal状態202では、電源部507からプリンタ部20およびスキャナ部10に電力が供給される。このNormal状態202では、電源部502および504の両方からコントローラ部30の各部(例えば、CPU301、NIC305およびタイマ部309)へ電力が供給される。
MFP200がSleep状態203の場合、メインスイッチ501、リレー503および506、並びに半導体スイッチ509はオン状態となるが、スイッチ505および508はオフ状態となる。このSleep状態203では、電源部502および504の両方からコントローラ部30の各部(例えば、CPU301、NIC305およびタイマ部309)へ電力が供給される。一方、スイッチ505および508がオフ状態となっているので、プリンタ部20およびスキャナ部10には、電力が供給されない。
MFP200がDeepSleep状態204の場合、メインスイッチ501および半導体スイッチ509はオン状態となるが、リレー503および506並びにスイッチ505および508がオフ状態となる。このDeepSleep状態204では、電源部502からコントローラ部30に電力が供給されるが、電源部504からコントローラ部30に電力が供給されない。このため、コントローラ部30のNIC305やタイマ部309には電力が供給されるものの、CPU301には電力が供給されない。また、リレー503および506がオフ状態となっているので、プリンタ部20およびスキャナ部10には電力が供給されない。
MFP200がPowerOff状態201の場合、メインスイッチ501、リレー503および506、スイッチ505および508、並びに半導体スイッチ509の全てがオフ状態になる。したがって、MFP200の各部への電力供給が停止される。
<MFPの詳細について>
図3は、本発明の第1実施形態に係るMFPの詳細を示したハードブロック図である。
MFP200は、スキャナ部10と、プリンタ部20と、コントローラ部30と、操作部40と、電源制御部50と、FAX部60と、を備えている。
スキャナ部10は、ユーザにより置かれた原稿を読み取り、画像データを生成する。このスキャナ部10は、例えば、ハロゲンランプから構成される原稿照明ランプにより、原稿台ガラスに載置された原稿を露光し、原稿からの反射光をCCDセンサにて受光し、画像信号として出力する。
プリンタ部20は、画像データに基づいて感光体を露光して静電潜像を形成し、該形成された静電潜像を現像剤(トナー)により現像し、用紙に転写して画像を形成する。
FAX部60は、外部装置から送信されるFAXデータを受信して、印刷可能な画像データに変換する。
なお、スキャナ部10及びプリンタ部20及びFAX部60は、公知のスキャナ、プリンタ及びファクシミリの一般的な構成や機能を備えていれば良く、画像処理装置としての一般的な機能や構造について、詳細な説明は省略する。
操作部40は、ユーザからの操作を受け付ける各種キー、およびプリントやスキャナなどの各種の設定情報などを表示する表示部を備えている。
電源制御部50は、コントローラ部30の電源制御I/F308から送信される指示に応じて、スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40、およびFAX部60への電力供給を制御する。
コントローラ部30は、画像読取デバイスであるスキャナ部10、画像形成デバイスであるプリンタ部20、FAX部60、およびユーザインターフェースである操作部40などに接続される。
コントローラ部30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、NVRAM304と、NIC(ネットワークインターフェース)305と、タイマ部309と、記憶部317と、を備えている。また、コントローラ部30は、操作部I/F306と、スキャナ・プリンタ通信I/F307と、電源制御I/F308と、ImageBusI/F310と、FAXI/F311と、スキャナI/F315と、プリンタI/F316と、記憶部I/F318と、拡張I/F319と、外部I/F331と、を備えている。また、コントローラ部30は、画像圧縮・伸張部312と、画像回転部313と、RIP部314と、を備えている。
CPU301は、後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムを実行する。ROM302には、CPU301が動作するための起動プログラムや後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムなどが記憶されている。RAM303は、CPU301が各種プログラムを実行する際に、ワークエリアや画像データの一時的な記憶場所である画像メモリなどとして用いられる。NVRAM304は、各種制御用パラメータを記憶する不揮発性のRAMである。
NIC(Network Interface Card)305は、LANに接続され、電子メールの送受信、PC100から送信されるPDLデータの受信など各種ネットワーク制御を行う。なお、NIC305の詳細は、後述する。
操作部I/F306は、後述する操作部40との通信を行うI/Fである。スキャナ・プリンタ通信I/F307は、前述のスキャナ部10およびプリンタ部20と通信を行うためのインターフェースである。電源制御I/F308は、CPU301、NIC304およびタイマ部309などと電源制御部50との間のインターフェースである。この電源制御I/F308は、NIC305またはタイマ部309から電源制御用の信号を受信するのに応じて、電源制御部50に対し、MFP200の各部(スキャナ部10、プリンタ部20、コントローラ部30、操作部40、およびFAX部60など)への電力供給の指示を行う。上記した電源制御用の信号は、例えば、PCI規格のPME#信号、またはPCI Express規格のWAKE#信号などである。タイマ部309は、現在時刻を計時する。また、タイマ部309は、少なくとも1つ以上の時間が設定可能であって、当該設定された時間が経過したかどうかを計時する。
記憶部I/F318は、記憶部317を接続するためのI/Fであり、例えば、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)である。拡張I/F319は、NICと送受信するためのバスであり、例えば、PCI、PCI Expressなどのバスであり、NIC側の拡張I/F324と同種のバスで接続される。上記した、CPU301、ROM302、RAM303、NVRAM304、操作部I/F306、スキャナ・プリンタ通信I/F307、電源制御I/F308、タイマ部309、記憶部I/F318、および拡張I/F319がシステムバス400に接続される。なお、記憶部I/F318に接続される記憶部317は、プログラムまたはデータを記憶するための不揮発性記憶装置であり、例えば、ハードディスクまたはフラッシュメモリである。
ImageBus(イメージバス)I/F310は、システムバス400と画像信号を転送する画像バス401を接続するブリッジである。この画像バス401には、画像圧縮部312、画像回転部313、RIP部314、スキャナI/F部315、プリンタI/F部316、及びFAXI/F311が接続される。
画像圧縮部312は、JPEG、JBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。画像回転部313は、画像データの回転処理を行う。RIP(ラスターイメージプロセッサ)部314は、PDLコードをビットマップのラスターイメージに展開する。スキャナI/F部315は、スキャナ部10を接続するためのインターフェースである。このスキャナI/F315は、スキャナ部10によって読み取られたデータに対し、補正、加工、編集などスキャナ用の画像処理を行う。プリンタI/F部316は、プリント出力用画像データに対し、プリンタの補正、解像度変換など、プリンタ用の画像処理を行う。画像処理された印刷データは、プリンタ部20に転送される。FAXI/F311は、FAX部60を接続するためのインターフェースであり、FAX部60が受信した画像圧縮データに対し、画像伸張、補正、加工、編集などファックス用の画像処理を行う。また、FAXI/F311は、ファックス送信用画像データに対し、ファックス用の画像圧縮、補正、解像度変換など、ファクシミリ用の画像処理を行い、FAX部60に、印刷データを転送する。
外部I/F331は、MFP200に外部機器を接続するためのI/Fである。この外部I/F331は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、IDカードリーダI/Fである。
<NIC部の詳細について>
次に、NIC305の詳細について説明する。
図3に示すように、NIC305は、CPU320と、ROM321と、RAM322と、NetworkI/F323と、拡張I/F324と、LED325と、PME326と、を有している。
CPU320は、後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラムを実行する。ROM321は、CPU320が動作するために必要な起動プログラムや後述する制御処理ルーチンなどの各種プログラム、MACアドレスなどネットワーク制御に必要な各種パラメータを保持している。RAM322は、CPU320が各種プログラムを実行する際のワークエリアやパケットの一時的な記憶場所して用いられる。NetworkI/F323は、例えば、IEEE802.3およびその拡張版である。拡張I/F324は、NIC305とシステムバス400とを接続するためのバスである。この拡張I/F324は、例えば、PCI、PCI Expressなどのインターフェースであって、前述した拡張I/F319と同種のインターフェースに接続される。LED325は、GPIOを経由してLEDが接続され、NIC305の状態を示す表示器として機能する。例えば、LED325によって、NetworkI/F323とネットワーク300との電気的な接続状態や通信モードなどの各種動作状態をLEDの色や点滅パターンで示すことが可能となっている。PME326は、パワーマネジメントのためのイベントを電源制御I/F308に通知するためのインターフェースである。PME326は、例えば、GPIOを経由してPCI規格のPME#信号またはPCI ExpressのWAKE#信号など、Wake on LANに用いられる信号を電源制御I/F308に送信する。
<タイマの構成>
図4は、MFP200内のタイマ部309の構成を説明するためのブロック図である。次に、図4を参照して、タイマ部309の構成を詳細に説明する。タイマ部309は、I/F1101と、設定レジスタ1102と、シャットダウンタイマ1104と、DeepSleepタイマ1105と、DeepSleep復帰日時比較器1106と、RTC1107と、を有している。
I/F1101は、上記したシステムバス400(図3参照)と、タイマ部309内のバスに接続されたブリッジである。タイマ設定レジスタ1102は、タイマや設定を記憶するためのレジスタである。例えば、タイマ設定レジスタ1102は、SRAM、DRAM、EEPROMなどの値を保持できるメモリで構成される。シャットダウンタイマ1104は、DeepSleep状態204が継続される時間を計時するためのカウンタである。シャットダウンタイマ1104は、DeepSleep状態204の場合に、一定時間ごとにカウンタをデクリメントし、カウンタがゼロになると、アラームを発生する。このアラームを電源制御I/F308を介して受信した電源制御部50は、DeepSleep状態204で電力供給が停止しているCPU301に電力供給を行う。そして、電力供給されたCPU301は、OSなどの終了処理を行う。CPU301によって実行された終了処理の終了後に、電源制御部50は、MFP200の電力状態をPowerOff状態201に遷移させる。DeepSleepタイマ1105は、Normal状態202またはSleep状態203が継続される時間を計時するカウンタである。DeepSleepタイマ1105は、Normal状態202またはSleep状態203の場合に、一定時間ごとにカウンタをデクリメントし、カウンタがゼロになると、アラームを発生する。このアラームを電源制御I/F308を介して受信したCPU301は、DeepSleep状態204への移行処理を行う。当該DeepSleep状態204への移行処理の終了後に、電源制御部50は、MFP200の電力状態をDeepSleep201に遷移させる。DeepSleep復帰日時比較器1106は、予め設定された日時にDeepSleep状態204からNormal状態202に復帰するためのアラームを発生するための回路である。例えば、DeepSleep復帰日時比較器1106は、後述の設定レジスタ1102のDeepSleep復帰日時設定値1303に設定されたディープスリープ復帰日時と、RTC1107の現在日時と、を比較して、これらの日時が一致したら、アラームを通知する。当該アラームを電源制御I/F308を介して受信した電源制御部50は、MFP200の電力状態をDeepSleep状態204からNormal状態202に復帰させる。このアラームに起因して電力供給されたCPU301は、後述する特定動作1または特定動作2を実行する。
<タイマ設定レジスタの構造>
図5は、上記したタイマ部309のタイマ設定レジスタ1102を説明するための図である。タイマ設定レジスタ1102は、シャットダウン移行時間設定値1301、DeepSleep移行時間設定値1302、DeepSleep復帰日時設定値1303、及びSleep移行時間設定値1304などの設定値を有する。シャットダウン移行時間設定値1301は、MFP200がDeepSleep状態204からPowerOff状態201に移行するまでの時間(シャットダウン移行時間(第1移行時間))を示す。MFP200がDeepSleep状態204のままシャットダウン移行時間が経過すると、MFP200は、DeepSleep状態204からPowerOff状態201に移行する。このシャットダウン移行時間は、後述する設定画面(図6参照)を用いてユーザにより設定される時間である。DeepSleep移行時間設定値1302は、MFP200がSleep状態203からDeepSleep状態204に移行するまでの時間(ディープスリープ移行時間)を示す。MFP200がDeepSleep状態204のままディープスリープ移行時間が経過すると、MFP200は、Sleep状態203からDeepSleep状態204に移行する。DeepSleep復帰日時設定値1303は、DeepSleep復帰日時比較器1106が比較する日時を記憶するメモリである。このDeepSleep復帰日時設定値1303により設定される日時は、特定動作を実行する日時である。なお、本実施形態では、当該特定動作をDeepSleep復帰日時設定値1303により設定される日時に実行する例について説明したが、当該特定動作は、所定時間間隔で実行するように制御することも可能である。当該Sleep移行時間設定値1304は、MFP200がNormal状態201からSleep状態203に移行するまでの時間(スリープ移行時間)を示す。MFP200がSleep状態203のままスリープ移行時間が経過すると、MFP200は、Sleep状態203からDeepSleep状態204に移行する。なお、図5では、上記した各設定値1301〜1304に対応するアドレスを記載しているが、本発明は、これらのアドレスの値に限定ないことは言うまでもない。
<オートシャットダウン移行時間の設定>
図6は、本発明の第1実施形態に係るMFP200の操作部40を示した図である。次に、図6を参照して、操作部40の詳細を説明する。この操作部40は、各種設定情報などを表示する表示部1210と、ユーザによって操作される各種のキーを有する入力部1220と、を備えている。
表示部1210は、例えば、LCD(Liquid Crystal Dislay)、EL(Electro Luminescence)、発光ダイオード、ペーパラークディスプレイなどで構成される。
入力部1220は、例えば、スイッチ、タッチセンサ、近接センサまたは光センサ等から構成される。ここで、入力部1220の各種のキーについて説明する。入力部1220は、電源ボタン1221と、設定ボタン1222と、を備えている。電源ボタン1221は、ユーザの操作を検出して、MFP200の電力状態をNormal状態202またはSleep状態203からDeepSleep状態204に移行させる。また、電源ボタン1221は、MFP200の電力状態をDeepSleep状態204からNormal状態202またはSleep状態203に復帰させる。設定ボタン1222は、ユーザの操作を検出して、設定画面(図6の表示部1210に表示される画面)を表示するためのボタンである。
次に、設定ボタン1222が押された場合に、表示部1210に表示されるシャットダウン移行時間の設定画面を用いて、シャットダウン移行時間を設定する方法について説明する。
図6の表示部1210に表示される設定画面には、シャットダウン移行時間の現在の設定値1211と、当該シャットダウン移行時間の設定値を変更するためのボタン1212および1213と、確定ボタン1214と、キャンセルボタン1215と、が表示されている。シャットダウン移行時間の設定値は、0分、15分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、8時間、12時間、24時間から選択可能である。図6の設定画面では、シャットダウン移行時間の設定値が3時間となっている。ユーザの操作によって、上記したボタン1212または1213がタッチされる毎に、シャットダウン移行時間の設定値が増加または減少する。ユーザによって確定ボタン1214がタッチされると、設定画面に表示されているシャットダウン移行時間の設定値が確定する。CPU301は、この確定された値を、タイマ設定レジスタ1102のシャットダウン移行時間設定値1301に記憶する。また、ユーザによってキャンセルボタン1215がタッチされると、設定画面に表示されている設定画面から他の画面に遷移する。
<MFP200の電力状態の状態遷移について>
図7は、本発明の第1実施形態に係るMFP200の電力状態の状態遷移図である。
図7の201は、MFP200の電源を遮断したPowerOff状態である。PowerOff状態201では、図2に示した全てのブロックに電力が供給されない。PowerOff状態201は、電源ブレーカーを遮断した状態、もしくはコンセント(AC電圧インレット)が刺さっていない状態、と同じような電力状態である。PowerOff状態201では、MFP200の各部への電力供給が遮断されているので、CPU301は動作出来ない。
図7の202は、MFP200の各部に電力を供給するNormal状態である。Normal状態202では、図2に示した全てのブロックに電力が供給される。Normal状態202では、CPU301が動作可能である。このNormal状態202では、図2に示した全てのブロックに電力が供給されるので、コピー、スキャン、ファクシミリ送信などの動作を行うことが可能となる。
図7の203は、MFP200の一部の電力供給を停止したSleep状態である。Sleep状態203では、Normal状態202と比較すると、MFP200の消費電力が低くなっている。このSleep状態203では、スキャナ部10、プリンタ部20、および操作部40への電力供給が停止されて、残りのブロックへの電力供給は維持される。Sleep状態203では、CPU301が、動作可能である。
図7の204は、MFP200のごく一部のブロックに電力を供給したDeepSleep状態である。DeepSleep状態204では、RAM303、NIC305、電源制御部50、操作部40の図示しない電源ボタンの検出回路、タイマ部309、電源制御I/F308の一部、外部I/F331の一部、及びFAX部60の一部を除いた各ブロックへの電力供給を停止する。このDeepSleep状態では、RAM303は、セルフリフレッシュモードになる。DeepSleep状態204では、CPU301への電力供給が停止されており、CPU301は動作出来ない。
次に、図7に示した各状態間の遷移条件について説明する。
PowerOff状態201からNormal状態202へは、操作部40のメインスイッチ501のオン操作に応じて、遷移する。Normal状態202からPowerOff状態201へは、上記したメインスイッチ501のオフ操作に応じて、遷移する。
Normal状態202からSleep状態203へは、スリープ移行時間T1(例えば、15分)、継続してMFP200の操作が無い場合に、遷移する。
Sleep状態203からDeepSleep状態204へは、ディープスリープ移行時間T2(例えば、30分)、継続してMFP200の操作が無い場合に、遷移する。このディープスリープ移行時間T2は、DeepSleep移行時間設定値1302に設定される値である。
Sleep状態203からNormal状態202へは、印刷ジョブを受信した場合、又は操作部40の操作を検出した場合に、遷移する。また、DeepSleep状態204からNormal状態202へも、印刷ジョブを受信した場合、又は操作部40(図示しない電源ボタン1221)の操作を検出した場合に、遷移する。
DeepSleep状態204からSleep状態203へは、NIC305で代理応答出来ないパケットを受信した場合に、遷移する。
DeepSleep状態204からPowerOff状態201へは、シャットダウン移行時間T3(例えば、3時間)、継続してMFP200の動作が無い場合に、遷移する。なお、DeepSleep状態204からPowerOff状態201へ移行する場合には、DeepSleep状態204から一時的にSLEEP状態203に遷移し、その後、SLEEP状態203からPowerOff状態201に遷移する。一時的にSLEEP状態203に復帰するのは、CPU301を起動して、終了処理を行うためである。このシャットダウン移行時間T3は、シャットダウン移行時間設定値1301に設定される値である。
<NICの動作説明>
MFP200がDeepSleep状態204の場合、NIC305は、代理応答を行うことが可能である。図8に示したフローチャートは、図2のROM321またはRAM322に記憶されたプログラムに相当し、MFP200がDeepSleep状態204の場合に、当該プログラムがNIC305のCPU320上で実行される。ここで、図8を参照して、MFP200がDeepSleep状態204の場合における、NIC305の動作を説明する。
まず、NIC305のCPU320は、ネットワーク300上のパケットの受信を待つ(S401)。そして、CPU320は、ネットワーク300上のパケットを受信したと判断した場合、受信したパケットに対して代理応答可能かどうかを判断する(S402)。代理応答可能かどうかの判断は、受信したパケットと、ROM321に記憶された代理応答可能なパケットパターンとを比較することによって行う。受信したパケットと、ROM321に記憶された代理応答可能なパケットパターンとが一致すれば、CPU320は代理応答可能と判断する(S402:Yes)。これに対して、受信したパケットと、ROM321に記憶された代理応答可能なパケットパターンとが不一致ならば、CPU320は代理応答不可と判断する(S402:No)。
CPU320が受信したパケットに対して代理応答可能だと判断した場合(S402:Yes)、CPU320は、代理応答を行う(S403)。つまり、MFP200は、DeepSleep状態204のままで、受信したパケットに対する応答を当該パケットの送信元に返す。
一方、CPU320が代理応答不可だと判断した場合(S402:No)、MFP200がDeepSleep状態204からSleep状態203又はNormal状態202に遷移することを電源制御部50に通知するために、CPU320は、PME326を制御する。具体的には、CPU320は、PME326を制御して、PME326から出力されるPME#信号をLowにする。これにより、電源制御I/F306が、LowになったPME#信号を受信する。そして、当該PME#信号を受信した電源制御I/F306が、電源制御部50に、MFP200の電力状態がDeepSleep状態204からSleep状態203またはNormal状態202へ遷移することを通知する(S404)。
<MFPがDeepSleep状態に移行するまでの処理>
図9は、第1実施形態に係るMFP200がDeepSleep状態204に移行する処理、およびDeepSleep状態から復帰する処理を示すフローチャートである。図9に示したフローチャートは、図2のROM321またはRAM322に記憶されたプログラムに相当し、当該プログラムは、CPU301上で実行される。
MFP200がSleep状態203に移行した後、CPU301は、DeepSleep状態204への移行要因を検出したかどうかを判断する(S501)。CPU301がDeepSleep状態204への移行要因を検出したと判断した場合(S501:Yes)、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104を初期化させる(S502)。この初期化処理において、CPU301は、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104の値をクリアさせると共に、当該シャットダウンタイマ1104のカウントを開始させる。シャットダウンタイマ1104の値をクリアすることによって、今回のDeepSleep状態204への移行からの時間をカウントすることができる。CPU301が、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104を初期化させた後、CPU301は、DeepSleep状態204への移行処理を実行する(S503)。そして、MFP200がSleep状態203からDeepSleep状態204に移行する。具体的には、CPU301は、電源制御部50に、リレー503、スイッチ505、リレー506およびスイッチ508をオフさせる。これにより、RAM303、NIC305、電源制御部50、操作部40の電源ボタン1221の検出回路、電源制御I/F308の一部、タイマ部309、外部I/F331の一部、FAX部60の一部を除いた各部位への電力供給が停止される。すなわち、CPU301への電力供給が停止される。MFP200がSleep状態203からDeepSleep状態204に移行する場合、コントローラ部30の各ユニットのレジスタ値は、RAM303に退避される。また、DeepSleep状態204では、RAM303が、セルフリフレッシュモードになる。
<MFP200のタイマ部309の動作>
次に、上記したS502において、タイマ部309が初期化されて、シャットダウンタイマ1104のカウントが開始された場合のタイマ部309の動作について説明する。MFP200の電力状態が、DeeepSleep状態204に移行したとき、CPU301への電力供給が停止されている。一方、DeepSleep状態204では、タイマ部309への電力供給が継続されているので、DeepSleep状態204においても、タイマ部309は、図10のフローチャートに基づく処理を実行することができる。なお、図10のフローチャートは、タイマ部309内の論理回路で実行されるか、もしくは、タイマ部309内のCPU(図示せず)で実行される。
まず、タイマ部309は、シャットダウンタイマ1104のカウントを停止するのか否かを判断する(S601)。後述するS510で、CPU301からシャットダウンタイマ1104の停止命令の割り込みを受けた場合(S601:Yes)、タイマ部309は、シャットダウンタイマ1104のカウントを停止する(S602)。
一方、CPU301からシャットダウンタイマ1104の停止命令の割り込みを受けない場合(S601:No)、タイマ部309は、カウントされるシャットダウンタイマ1104が、予め設定されたシャットダウン移行時間設定値1301より大きくなったかどうかを判断する(S603)。そして、タイマ部309が、シャットダウンタイマ1104の値がシャットダウン移行時間設定値1301より大きくなったと判断した場合(S603:Yes)、タイマ部309は、電源制御I/F308を介して電源制御部50にアラームを通知する(S604)。具体的には、タイマ部309は、タイマ部309から出力されるアラーム信号TIRQ#の論理を“Hi”から“Lo”に変化させることによって、電源制御部50にMFP200がシャットダウンされることを通知する。
タイマ部309からアラームの通知を受信した電源制御部50は、MFP200の電力状態を、DeepSleep状態204からPowerOff状態201に遷移させる。詳細には、タイマ部309からアラームの通知を受信した電源制御部50は、MFP200の電力状態を一旦SLEEP状態203に遷移させて、CPU301などに電力を供給する。そして、電力が供給されたCPU301は、OSなどの終了処理を行って、CPU301によって実行された終了処理の終了後に、電源制御部50は、MFP200の電力状態をPowerOff状態201に遷移させる。MFP200の電力状態がPowerOff状態201に移行する場合、RAM303に一時的に記憶していた内容を記憶部317やNVRAM304に書き込む。また、ネットワークI/F323や外部I/F331に接続された機器にシャットダウンを通知しても良い。そして、MFP200の各部への電力供給を停止する。
これに対して、タイマ部309が、シャットダウンタイマ1104の値がシャットダウン移行時間設定値1301より大きくなっていないと判断した場合(S603:No)、シャットダウンタイマ1104のカウントを継続し、S601に戻る。
<MFPがDeepSleep状態から復帰したときの処理>
次に、図9に戻って、DeepSleep状態204であったMFP200が、DeepSleep状態204から復帰したときの処理について説明する。
DeepSleep状態204で、DeepSleep復帰要因が検出されると、電源制御部50がCPU301への電力供給を再開する。そうすると、CPU301は、MFP200をDeepSleep状態から復帰させるための処理を実行する(S504)。MFP200がDeepSleep状態204から復帰する場合、RAM303に退避したレジスタ値は、コントローラ部30の各ユニットに書き戻される、またはレジスタ値が再設定される。また、RAM303は、セルフリフレッシュモードから復帰する。
そして、CPU301は、DeepSleep状態204からの復帰要因の判断を行う。ここで、MFP200が特定の復帰要因でDeepSleep状態204から復帰したと判断した場合(S505:Yes)、CPU301は、MFP200がSleep状態203に移行するように制御する。例えば、CPU301が、特定の代理応答できないパケットを受信したことで復帰したと判断した場合(S505:Yes)、CPU301は、MFP200がSleep状態203に移行するように制御する。この特定の代理応答できないパケットとは、CPU301が、ImageBusI/F310やプリンタI/F316を経由して、MFP200の機器情報(例えば、用紙、インクあるいはトナーなどの消耗品の残量など)を問い合わせる必要があるパケットである。また、特定の代理応答できないパケッットとは、CPU301が、記憶部I/F318を経由して、記憶部317、またはNVRAM304に記憶されたMFP200の情報を問い合わせる必要があるパケットである。
そして、MFP200がSleep状態203に移行した後(S506)、CPU301は、タイマ部309に、DeepSleepタイマ1105を初期化させる(S507)。この初期化処理において、CPU301は、タイマ部309に、DeepSleep移行時間設定値1302の値を変更すると共に、当該DeepSleepタイマ1105のカウントを開始させる。具体的には、CPU301は、タイマ部309に、DeepSleep移行時間設定値1302の値を、例えば、“1時間”から“1分”に変更させる。そして、CPU301は、DeepSleep状態204への移行要因を検出したかどうかを判断する(S508)。CPU301がDeepSleep状態204への移行要因を検出したと判断した場合(S508:Yes)、シャットダウンタイマ1104の初期化(S502)をせずに、S503に戻る。
一方、MFP200が特定の復帰要因以外の要因でDeepSleep状態204から復帰したと判断した場合(S505:No)、CPU301は、MFP200がNormal状態201に移行するように制御する。例えば、CPU301が、PC100から印刷データを受信したことで復帰したと判断した場合(S505:No)、CPU301は、MFP200がDeepSleep状態204からNormal状態203に移行するように制御する。そして、CPU301は、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104のカウントを停止させる(S510)。これにより、図10に示したフローチャートにおいて、タイマ部309は、シャットダウンタイマ1104のカウントを停止する(S601〜S602)。そして、CPU301は、Sleep状態203への移行要因を検出したかどうかを判断する(S511)。CPU301がSleep状態203への移行要因を検出したと判断した場合(S511:Yes)、CPU301は、MFP200がSleep状態203に移行するように制御する(S512)。
そして、MFP200がSleep状態203に移行した後(S512)、CPU301は、タイマ部309に、DeepSleepタイマ1105を初期化させる(S513)。この初期化処理において、CPU301は、タイマ部309に、DeepSleepタイマ1105の値をクリアさせると共に、当該DeepSleepタイマ1105のカウントを開始させる。その後、S501に戻って、CPU301は、DeepSleep状態204への移行要因を検出したかどうかを判断する(S501)。CPU301がDeepSleep状態204への移行要因を検出したと判断した場合(S501:Yes)、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104を初期化させる(S502)。この初期化処理において、CPU301は、タイマ部309に、シャットダウンタイマ1104の値をクリアさせると共に、当該シャットダウンタイマ1104のカウントを開始させる。
このように、MFP200が特定の復帰要因で復帰した場合には、S502には戻らないので、シャットダウンタイマ1104が初期化されない。したがって、シャットダウンタイマ1104のカウントが継続されるので、MFP200のDeepSleep状態204からの復帰に関わらず、シャットダウン機能が働く。これにより、MFP200が一時的にDeepSleep状態204から復帰する度に、シャットダウンタイマ1104が初期化されて、いつまで経ってもシャットダウン機能が働かないという不都合が解消される。
<MFPの電力状態の遷移について>
図11は、MFP200の電力状態の遷移のようすを時系列に示したタイムチャートである。次に、図11を参照して、第1実施形態のMFP200の電力状態の遷移のようすを説明する。なお、第1実施形態では、タイマ部309の設定レジスタ1102に、以下の値が設定されている。
Sleep移行時間設定値1304:15分(Normal状態202からSleep状態に移行するまでの時間(以下、適宜、T1とする)
DeepSleep移行時間設定値1302:1時間(Sleep状態203からDeepSleep状態204に移行するまでの時間(以下、適宜、T2とする)
シャットダウン移行時間設定値1301:3時間(DeepSleep状態204からPowerOff状態201に移行するまでの時間(以下、適宜、T3とする)
まず、図11(a)を参照して、特定の復帰要因(例えば、特定の代理応答できないパケットを受信したこと)で、MFP200がDeepSleep状態204からSleep状態203に復帰した場合について説明する。
図11(a)において、Taは、Normal状態202において、Idleになった時刻である。ここで、Idleとは、コピー、スキャン、ファクシミリ送信などの動作をしていない、ジョブ待ち状態のことである。
次に、時間T1が、Idleのまま継続(Ta〜Tb)した場合、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、タイマ部309からのアラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をNormal状態202からSleep状態203へ移行させる。
MFP200がSleep状態203に移行した後、Sleep状態203のまま時間T2(Tb〜Tc)が経過すると、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、アラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をSleep状態203からDeepSleep状態204へ移行させる。
MFP200がDeepSleep状態204に移行した後、代理応答できないパケットに応答する等の理由で、MFP200がDeepSleep状態204から一時的にSleep状態203に移行したとしても、本実施形態では、時刻Tcから時間T3経過後の時刻Tfにおいて、MFP200は、PowerOff状態201に遷移する。この時刻Tfにおいて、タイマ部309は、アラームを発生する。当該アラームを受けた電源制御部50は、終了処理を実行するCPU301に電力供給するために、MFP200の電力状態をDeepSleep状態204から、一旦Sleep状態203へ移行させる。これにより、CPU301がOSなどの終了処理を行うことが可能になる。そして、CPU301は、終了処理を実行すると共に、電源制御部50は、MFP200の電力状態をSleep状態203からPowerOff状態201に移行させる。
本実施形態では、タイマ部309が時間T3をカウントしている間の時刻Tdで、MFP200が特定の代理応答できないパケットを受信した場合、当該パケットに対する応答を返すために、MFP200がDeepSleep状態204からSleep状態203に移行する。これにより、CPU301が、当該パケットに対して応答することができる。CPU301による当該パケットに対する応答が完了した後の時刻Teで、MFP200がDeepSleep状態204に移行する。上記したように、MFP200が特定の復帰要因で起動した場合、DeepSleep移行時間設定値1302が1時間から1分間に設定変更されているので(S507参照)、MFP200は、当該パケットに対する応答が完了した後、すぐにDeepSleep状態204に移行する。
以上説明したように、本実施形態では、MFP200が特定の復帰要因でDeepSleep状態204に復帰したとしても、シャットダウンタイマ1104は、初期化されないで、シャットダウンタイマ1104のカウントが継続される。これにより、MFP200が一時的にDeepSleep状態204に復帰したとしても、DeepSleep状態204に移行した時刻Tcから時間T3の経過後の時刻Tfに、MFP200がPowerOff状態201に移行する。
次に、図11(b)を参照して、特定の復帰要因以外の要因(例えば、印刷データを受信したこと)で、MFP200がDeepSleep状態204からNormal状態202に復帰した場合について説明する。
図11(b)において、Taは、Normal状態202において、Idleになった時刻である。
次に、時間T1が、Idleのまま継続(Ta〜Tb)した場合、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、タイマ部309からのアラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をNormal状態202からSleep状態203へ移行させる。
MFP200がSleep状態203に移行した後、Sleep状態203のまま時間T2が継続(Tb〜Tc)した場合、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、アラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をSleep状態203からDeepSleep状態204へ移行させる。
MFP200がDeepSleep状態204に移行した後、時間T3が経過する前に、NIC305が印刷データを受信すると、MFP200がDeepSleep状態204からNormal状態202に移行する。Normal状態202に移行した後、Idleのまま時間T1(Td〜Tg)が経過すると、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、タイマ部309からのアラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をNormal状態202からSleep状態203へ移行させる。
MFP200がSleep状態203に移行した後、Sleep状態203のまま時間T2(Tg〜Th)が経過すると、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、タイマ部309からのアラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をSleep状態203からDeepSleep状態204へ移行させる。
そして、MFP200がDeepSleep状態204に移行した後、DeepSleep状態のまま時間T3(Th〜Ti)が経過すると、タイマ部309は、アラームを発生する。そして、タイマ部309からのアラームを受けた電源制御部50は、MFP200の電力状態をDeepSleep状態204からPowerOff状態201へ移行させる。なお、MFP200をDeepSleep状態204からPowerOff状態201に移行させる際に、一旦Sleep状態に復帰させるのは、上記した通りである。
<第1実施形態の効果>
本実施形態では、MFP200が特定の復帰要因でDeepSleep状態204からSleep状態203に移行したとしても、シャットダウンタイマ1104のカウントが停止されない。よって、DeepSleep状態204に移行した時刻Tcから、シャットダウン移行時間設定値1301が示す時間T3の経過後に、MFP200をPowerOff状態201に移行することができる。これにより、MFP200がDeepSleep状態から復帰することに起因して、いつまで経ってもMFP200がPowerOff状態201に移行しないという問題が解消される。
また、本実施形態では、特定の復帰要因でDeepSleep状態204からSleep状態203に復帰した場合に、DeepSleep移行時間設定値1302の値が変更される(例えば、1時間⇒1分)。これにより、MFP200をSleep状態203からすぐにDeepSleep状態204に移行することができる。つまり、特定の復帰要因で、一時的にDeepSleep状態204からSleep状態の移行したMFP200を、すぐにDeepSleep状態204に移行することが可能となる。
<変形例>
なお、上記実施形態では、特定の復帰要因として、NIC304が代理応答できないパケットを受信したこと、を例示したが、本発明の特定の復帰要因は、これに限定されない。
例えば、下記に例示する特定動作1または特定動作2を実行するために、MFP200がDeepSleep状態204からSleep状態に復帰した場合に、シャットダウンタイマ1104をクリアしないようにしても良い。
特定動作1:MFP200のスキャナ部10またはプリンタ部20に搭載される搬送ローラー(図示せず)の変形を防ぐために定期的に当該搬送ローラーを回転させる動作
特定動作2:MFP200のスキャナ部10またはプリンタ部20に搭載される感光ドラム(図示せず)または定着器(図示せず)をメンテナンスのために定期的に動作させる動作
また、上記した特定の復帰要因は、
操作部40の電源ボタン1221が図示しない検知回路により検知されたこと
タイマ部309からの割り込み処理が発生したこと
FAX部60がFAXを受信したこと
外部I/F331に外部機器が接続されたこと
外部I/F331に接続された非図示のIDカードリーダがIDカードを検知したことであっても良い。
なお、上記したタイマ部309からの割り込み処理は、DeepSleep復帰日時設定値1303に設定された値と、RTC1107により計時される現在日時と、比較結果に基づいて、予め設定された日時、または所定期間毎に実行される。
上記実施形態では、情報処理装置の一例としてMFP200について説明したが、本発明はMFP200に限定されない。本発明の情報処理装置は、インクジェットプリンタであっても良い。インクジェットプリンタの場合、乾き始めたインクを定期的にクリーニング(吸引、ワイピングなど)する処理を行うためにインクジェットプリンタをDeepSleep状態204から復帰した場合に、シャットダウンタイマ1104をクリアしないようにしても良い。
また、上記したシャットダウン移行時間設定値1301は、設定画面(図6参照)を用いてユーザによる操作部40の操作によって設定されるものとして説明したが、本発明では、当該シャットダウン移行時間の設定を機器の寿命や電力状況などに基づいて自動的に設定しても良い。また、PC100から遠隔でシャットダウン移行時間設定値1301を設定できるようにしても良い。
また、上記実施形態では、特定の復帰要因によりDeepSleep状態204からSleep状態203に移行した場合に、シャットダウンタイマ1104のカウントを継続する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。つまり、特定の復帰要因によりDeepSleep状態204からSleep状態に移行した場合であっても、HDD(記憶部314)へのアクセスが発生する場合には、シャットダウンタイマ1104を停止しても良い。
また、特定の復帰要因によりDeepSleep状態204からSleep状態203に移行した場合であっても、時刻指定の予約ジョブが存在する場合には、シャットダウンタイマ1104を停止しても良い。
これにより、MFP200が特定の復帰要因でDeepSleep状態204からSleep状態203に移行した場合であっても、HDDへのアクセスが発生する場合や予約ジョブが発生する場合に、シャットダウンタイマ1104がカウントされてシャットダウン機能が実行されるのを防止することができる。
50 電源制御部
200 MFP
201 PowerOff状態
202 Normal状態
203 Sleep状態
204 DeepSleep状態
301 CPU
304 NIC
309 タイマ
1104 シャットダウンタイマ
1301 シャットダウン移行時間設定値
1302 ディープスリープ移行時間設定値

Claims (1)

  1. 第1電力状態、前記第1電力状態より消費電力の低い第2電力状態、前記第2電力状態より消費電力の低い第3電力状態となる情報処理装置であって、
    時間を計時する計時手段と、
    前記情報処理装置が前記第2電力状態の場合に、前記計時手段により第1移行時間が計時されたならば、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第3電力状態に移行させる第1移行手段と、
    前記計時手段により前記第1移行時間が計時される前に、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させるための移行要因があった場合に、前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させる第2移行手段と、
    前記移行要因のうちの第1移行要因で前記第2移行手段が前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させた場合には、前記計時手段が前記第1移行時間を計時するのを停止させ、前記移行要因のうちの第2移行要因で前記第2移行手段が前記情報処理装置を前記第2電力状態から前記第1電力状態に移行させた場合には、前記計時手段が前記第1移行時間を計時するのを停止させない、制御手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
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