JP2019103954A - 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体 - Google Patents

合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体 Download PDF

Info

Publication number
JP2019103954A
JP2019103954A JP2017236205A JP2017236205A JP2019103954A JP 2019103954 A JP2019103954 A JP 2019103954A JP 2017236205 A JP2017236205 A JP 2017236205A JP 2017236205 A JP2017236205 A JP 2017236205A JP 2019103954 A JP2019103954 A JP 2019103954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
mass
producing
content
synthesis gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017236205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7018754B2 (ja
Inventor
典之 山根
Noriyuki Yamane
典之 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Steel Engineering Co Ltd
Priority to JP2017236205A priority Critical patent/JP7018754B2/ja
Publication of JP2019103954A publication Critical patent/JP2019103954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7018754B2 publication Critical patent/JP7018754B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、合成ガスから炭化水素を製造する触媒の耐久性を向上させること、特に、耐水性を高めることで、副生水が大量に発生する高いCO転化率条件下でも安定的に使用することが可能である、合成ガスから炭化水素を製造する触媒、当該触媒の製造方法、当該触媒を用いた炭化水素の製造方法、及び当該触媒に用いる触媒担体を提供することを目的とする。【解決手段】合成ガスから炭化水素を製造する触媒として、シリカを主成分とする触媒担体に、コバルトが担持されている触媒であって、当該触媒中のバナジウム含有量が0.1〜10質量%であり、ナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%以下である触媒を用いることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、一酸化炭素と水素を主成分とする、いわゆる合成ガスから炭化水素を製造するための触媒とその製造方法、及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法、並びに触媒担体に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題が顕在化し、他の炭化水素燃料、石炭等と比較してH/Cが高く、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素排出量を抑えることができ、埋蔵量も豊富な天然ガスの重要性が見直されてきており、今後ますますその需要は増加するものと予想されている。そのような状況の中、東南アジア・オセアニア地域等には、パイプライン・LNGプラント等のインフラが未整備の遠隔地で発見されたものの、その可採埋蔵量が巨額の投資を必要とするインフラ建設には見合わず、未開発のまま残されている数多くの中小規模ガス田が存在し、その開発促進が望まれている。その有効な開発手段の一つとして、天然ガスを合成ガスに変換した後、合成ガスからFischer−Tropsch(F−T、フィッシャー・トロプシュ)合成反応を用いて輸送性・ハンドリング性の優れた灯・軽油等の液体炭化水素燃料に転換する技術の開発が各所で精力的に行われている。
Figure 2019103954
このF−T合成反応は、触媒を用いて合成ガスを炭化水素に転換する発熱反応であるが、プラントの安定操業のためには反応熱を効果的に除去することが極めて重要である。現在までに実績のある反応形式には、気相合成プロセス(固定床、噴流床、流動床)と、液相合成プロセス(スラリー床)があり、それぞれ特徴を有しているが、近年、熱除去効率が高く、生成した高沸点炭化水素の触媒上への蓄積やそれに伴う反応管閉塞が起こらないスラリー床液相合成プロセスが注目を集め、精力的に開発が進められているところである。
一般的に触媒の活性は、高ければ高いほど好ましいことは言うまでもないが、特にスラリー床では、良好なスラリー流動状態を保持するためにはスラリー濃度を一定の値以下にする必要があるという制限が存在するため、触媒の高活性化は、プロセス設計の自由度を拡大する上で、非常に重要な要素となる。
高活性化を目的として、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の不純物が触媒の活性に与える影響を詳細に検討した結果、不純物濃度を一定範囲の触媒とすることで、従来の触媒と比較して活性を大きく向上させた例が報告されている(特許文献1参照)。
また、一般的にF−T合成反応触媒の粒子径は、熱や物質の拡散が律速となる可能性を低くするという観点からは、小さいほど好ましい。しかし、スラリー床によるF−T合成反応では、生成する炭化水素の内、高沸点炭化水素は反応容器内に蓄積されるため、触媒と生成物との固液分離操作が必ず必要になることから、触媒の粒子径が小さ過ぎる場合、分離操作の効率が大きく低下するという問題が発生する。よって、スラリー床でのF−T合成反応用の触媒には最適な粒子径範囲が存在することになり、一般的に20〜250μm程度、平均粒径として40〜150μm程度が好ましいとされているが、以下に示すように、反応中に触媒が破壊、粉化を起こして、粒子径が小さくなることがあり、注意が必要である。
即ち、スラリー床でのF−T合成反応では相当高い原料ガス空塔速度(0.1m/秒以上)で運転されることが多く、触媒粒子は反応中に激しく衝突するため、触媒粒子の物理的な強度や耐摩耗性(耐粉化性)が不足すると、反応中に触媒粒径が低下して、上記分離操作に不都合をきたすことがある。更に、スラリー床では液媒体として有機物を使用するが、F−T合成反応では多量の水を副生するため、耐水性が低く、水により強度低下や破壊、粉化を起こし易い触媒を用いる場合は、反応中に触媒粒径が細かくなることがあり、上記と同様に分離操作に不都合をきたすことになる。
また、一般的に、スラリー床でのF−T合成反応用の触媒は、上記したような最適粒径となるように粉砕して粒度調整をして実用に供することが多い。ところが、このような破砕状の触媒には予亀裂が入っていたり、鋭角な突起が生じていたりすることが多く、機械的強度や耐摩耗性に劣る。そのため、破砕状の触媒をスラリー床でのF−T合成反応に用いた場合には、触媒が破壊して微粉が発生することになり、生成する高沸点炭化水素と触媒との分離が著しく困難になるという欠点を有していた。また、多孔質シリカをF−T合成反応用の触媒担体として用いると、比較的活性が高い触媒が得られることが広く知られているが、破砕による粒度調整を行った場合には、上述したような理由により触媒の強度が低下することはもちろん、シリカを主体とする触媒担体は耐水性が低く、水の存在により破壊、粉化することが多いため、特にスラリー床で問題となることが多かった。
また、F−T反応により副生する水が多量に存在する反応雰囲気下(特にCO転化率が高い雰囲気下)では、主に活性金属である担持コバルトとシリカを主体とする触媒担体の界面でコバルトシリケートを形成したり、担持コバルト自体が酸化されたりすることによると思われる、触媒活性が低下するという現象の他、耐水性が十分でない担体を使用した際には担体の比表面積、細孔容積等の構造変化が生じることで触媒活性が低下したり、強度が低下して触媒粉化が生じ易くなるという問題があった。この現象は触媒を使用可能な時間の短縮に繋がるため、操業コストを引き上げる要因となっていた。従って、触媒を使用可能な時間を延長するという観点からは、耐水性の高い担体を用いて製造される触媒を適用することが重要である。
特開2004-322085号公報 米国特許4,568,663号明細書
E.Iglesia, Applied Catalysis A:Genaral, 161(1997)59-78
シリカを主体とする触媒担体は水に対して一定の溶解度があり、特にF−T反応により副生する水が大量に存在するような雰囲気下では、比表面積、細孔容積等の構造変化が生じることで触媒活性が低下する課題があった。従って、シリカを主体とする触媒担体の耐水性を向上させることが望まれていた。
本発明は、合成ガスから炭化水素を製造する触媒の耐久性を向上させること、特に、シリカを主体とする触媒担体の耐水性を高めることで、副生水が大量に発生する高いCO転化率条件下でも安定的に使用することが可能である、合成ガスから炭化水素を製造する触媒、当該触媒の製造方法、当該触媒を用いた炭化水素の製造方法、及び当該触媒に用いる触媒担体を提供することを目的とする。
本発明者らは、バナジウムを含有させた触媒、特にバナジウムを含有するシリカを主体とする触媒担体を用いて金属化合物を担持させた触媒によると、副生する水の分圧が比較的高い条件下においても触媒が高い耐水性を有することを見出し、本発明に至った。
本発明は、高耐水性を有する触媒とこの触媒の製造方法及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法、ならびに該触媒に用いる触媒担体に関する。更に詳しくは、以下に記す通りである。
(1)シリカを主成分とする触媒担体に、コバルトが担持されてなる触媒であって、当該触媒中のバナジウムの含有量が0.1〜10.0質量%であり、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量の合計が0.01〜0.15質量%であることを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
(2)前記コバルトの担持率が金属換算で5〜50質量%であることを特徴とする(1)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
(3)前記バナジウムの含有量が0.2〜2.0質量%であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
(4)前記触媒担体が球状であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
(5)珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合して生成したシリカゾルをゲル化し、さらに乾燥してシリカとし、前記シリカに、バナジウムを含有させた後、乾燥及び焼成し、さらにナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%となるよう調整して触媒担体を作製し、当該触媒担体に、コバルトを担持させて製造することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(6)前記触媒担体中のナトリウムの含有量が0.01〜0.10質量%であることを特徴とする(5)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(7)前記触媒中のナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%になるように製造することを特徴とする(5)又は(6)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(8)前記シリカにバナジウムを含有させて触媒担体を作製する際において、前記シリカに、含浸法、インシピエントウェットネス法、沈殿法、又はイオン交換法を用いて、バナジウムを含有させた後、乾燥処理、又は乾燥処理及び焼成処理を行って触媒担体を作製することを特徴とする(5)〜(7)のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(9)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の触媒、又は、(5)〜(8)のいずれか1項に記載の製造方法で製造された触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する方法。
(10)スラリー床での液相反応で製造することを特徴とする(9)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する方法。
(11)前記液相反応において、触媒量、合成ガス供給量、反応温度、反応圧力を調整し、合成ガスを反応器に一度だけ通過させた状態のCO転化率であるワンパスCO転化率を40〜95%とすることを特徴とする(9)又は(10)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する方法。
(12)合成ガスから炭化水素を製造する触媒に使用する触媒担体であって、シリカを主成分とし、バナジウム含有量が0.1〜10.0質量%、且つ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量の合計が0.01〜0.15質量%であることを特徴とする触媒担体。
(13)前記ナトリウムの含有量が0.01〜0.10質量%であることを特徴とする(12)に記載の触媒担体。
(14)前記バナジウムの含有量が0.2〜2.0質量%であることを特徴とする(12)又は(13)に記載の触媒担体。
本発明によれば、副生水が大量に生成する条件下、特に高いCO転化率条件下でも、安定性の高い、触媒、その製造方法、および当該触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法、ならびに当該触媒に用いる触媒担体を提供できる。
以下、本発明の、合成ガスから炭化水素を製造する触媒、当該触媒の製造方法、および合成ガスから炭化水素を製造する方法、ならびに当該触媒に用いる触媒担体の一実施形態を詳述する。
まず、本実施形態に係る合成ガスから炭化水素を製造する際の触媒ついて説明する。
本実施形態による触媒は、F−T合成反応に活性を有する金属としてコバルトを含み、さらに耐水性の観点からバナジウムを含むものである。具体的には、触媒のバナジウムの含有量は、触媒全体の合計質量に対してバナジウム金属換算で0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜6質量%、更に好ましくは0.2〜2質量%である。この範囲を下回るとバナジウムによる耐水性向上効果が十分に発現せず、一方、この範囲を上回ると反応における触媒活性が低下するため好ましくない。
また、用いる触媒担体としては、シリカを主成分とする触媒担体(以下、単にシリカ担体、担体とも言う)である。ここでいうシリカを主成分とする担体とは、シリカ含有量が50質量%以上で100質量%未満のものであり、シリカ以外にアルミナを含有するシリカ-アルミナ担体や、シリカ担体の製造工程における不可避的不純物を少量含むものであっても構わない。
触媒中、及び触媒担体中のシリカ含有量の測定方法としては、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後にICP−AES法にて測定する方法が挙げられる。
ここで、上記で述べたとおり、本実施形態による触媒は、コバルトおよびバナジウムを含有するものであるが、このバナジウムは、用いるシリカ担体自体に含有されていてもよい。シリカ担体の詳細については後述する。
本実施形態による触媒中の不純物とは、触媒の製造工程で不可避的に入り込む不純物であり、例えば、触媒担体製造時や、触媒担体にコバルト化合物等の金属系化合物を担持する際に、原料や洗浄水に含まれて不可避的に触媒中に入り込む不純物のことである。
本実施形態の触媒担体製造時において混入する可能性のある不純物は、バナジウムを含有させたシリカを主成分とする担体の製造工程で使用される洗浄水に含有される不純物種や出発原料に含有される金属によるものであり、例えば、バナジウム含有のシリカ担体であれば、バナジウムとシリカ以外の金属が不純物となる。また、例えば、バナジウム含有のシリカを主成分とするシリカ-アルミナ担体であれば、バナジウム、シリコン、アルミニウム以外の金属および金属化合物が不純物となる。
また、触媒担体に金属系化合物を担持する際に混入する可能性のある不純物は、担持する金属系化合物の前駆体、担持の際の処理水や洗浄水、担持後の乾燥工程や焼成工程で不可避的に入り込み、触媒性能に影響を与える金属が不純物となる。
なお、触媒担体へコバルト化合物を担持させる際においては、触媒担体の不純物量を低下させることよりも、純度の高いコバルト前駆体、純度の高い処理水、洗浄水の使用や、担持工程、乾燥工程、焼成工程での不純物量を低下させることの方が容易であることが多い。すなわち、触媒担体中の不純物が、触媒全体中の不純物の主たる要因となることが多い。
これらの不純物は、通常は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属、と鉄が主たる不純物である。不純物の種類による触媒性能への影響は、鉄の影響は少なく、最も影響が大きいのは、アルカリ金属のナトリウム、及びカリウムであり、次に影響が大きいのはアルカリ土類金属のカルシウムとマグネシウムである。
従って、本実施形態においては、触媒および触媒担体中のナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの合計含有量を下げることが必要である。これらのうち、カリウムは、シリカを主成分とする担体から製造した触媒においては、ごく僅かしか含まれていないことが多く、実際にはナトリウム、カルシウム、マグネシウムと鉄が主たる不純物となる。なお、これらの金属は、酸化物等の化合物となって存在するものも多いが、全て金属換算した量で含有量を算出する。本発明においては、触媒に含まれるこれらの金属の総含有量を、不純物含有量とする。
バナジウムを含有する触媒中のナトリウム、カルシウム、及びマグネシウムの総含有量は、0.01〜0.15質量%であり、これにより活性低下の抑制と耐水性の向上の両立を図ることができる。
なお本実施形態においては、これら不純物にカリウムを加えた、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの総含有量が0.01〜0.15質量%である方が好ましい。なお、これら不純物含有量は総含有量であり、これらの中でいずれかが含まれない場合もあるが、その場合においてもこれら不純物の総含有量が0.01〜0.15質量%であればよい。
次に、本実施形態の触媒に好適に用いることができる触媒担体について説明する。
本実施形態に係る触媒担体は、シリカを主成分とし、バナジウム含有量が0.1〜10質量%、且つ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量の合計が0.01〜0.15質量%である。
以下、各要件について説明する。
シリカを主成分とする担体のバナジウムの含有量は、バナジウムとシリカを主成分とする担体の合計質量に対してバナジウム金属換算で0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜6質量%、更に好ましくは0.2〜2質量%である。この範囲を下回るとバナジウムによる耐水性向上効果が十分に発現せず、一方、この範囲を上回ると反応における触媒活性が低下するため好ましくない。
また、シリカを主成分とする担体中の不純物量については下記のとおり制御する。
上述したように、コバルト金属、担体構成元素以外の触媒中の不純物をある範囲内に制御することが、活性、耐水性、および触媒コストに対して極めて効果的である。また、本実施形態のシリカ担体では、前記したように、Na、K、Ca、Mgや、Fe等が不純物として担体中に含まれることが多い。これら不純物の影響を、詳細に検討したところ、Na、K、Ca、Mgが比較的多量に存在しても、バナジウムを担持することによってシリカ担体の耐水性が向上することが分かった。なお、不純物としては、ナトリウム、カリウムの活性への影響が強く、中でもナトリウムの存在の影響が最も強い。なお、カリウムは、影響が強いものの、製造方法や担体の種類によって、担体中に存在しないことも多い。
シリカを主成分とする触媒担体中の不純物量の内、アルカリ金属、アルカリ土類金属の影響が大きく、中でも、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計量の影響が特に大きい。そのため、担体へのナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計量は合計で0.01〜0.15質量%とすることが好ましい。当該範囲は、不純物の含有量を極端に低下させるための酸処理等の洗浄処理を採用しなくとも製造可能な範囲であり、担体製造コストの増加を避けることができる。一方で、不純物量がこの範囲を下回る触媒担体に対してバナジウムを担持しても、耐水性向上効果は同様に得られるが、洗浄処理にかかるコストが増加するため不利となる。また、触媒担体中の不純物全体としては、0.01〜0.15質量%とするのが好ましい。また、コバルトの担持操作中に一定量は不純物が混入してもよく、極端に純度の高いコバルト前駆体を使用する必要がないため触媒コストの観点から好ましい。
ここで、触媒担体中の不純物量の定量方法としては、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後にICP−AES法にて測定する方法が挙げられる。
触媒担体中の不純物の中で反応性や耐水性に最も影響を及ぼす元素は、アルカリ金属とアルカリ土類金属である。特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの担体中の合計含有量が0.15質量%を上回ると、耐水性の大きな低下は無いものの、反応活性が著しく低下するため好ましくない。従って、触媒担体中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの含有量は0.03〜0.15質量%とすることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.1質量%、更に好ましくは0.03〜0.08質量%である。
また、上記のとおり、触媒活性への影響はナトリウムが最も強いため、担体中のナトリウム含有量は0.01〜0.10質量%とすることが好ましい。
次に、触媒の製造方法について説明する。
本実施形態に係る触媒の製造方法は、まず、珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合して生成させたシリカゾルをゲル化し、乾燥させて得られるシリカに、バナジウムを含有させた後、乾燥及び焼成して、さらにナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%となるよう調整して触媒担体を作製し、当該触媒担体に、コバルトを担持させる。
シリカを主成分とする担体へバナジウムを含有させる方法は、通常の含浸法、インシピエントウェットネス(Incipient Wetness)法、沈殿法、イオン交換法等によればよい。含有させる際に使用する原料(前駆体)であるバナジウム化合物としては、上記含有させる処理後に、更に、乾燥処理、又は乾燥処理及び焼成処理することで、シリカのネットワーク中又はシリカ表面上で、酸化物のようなバナジウムの安定化合物を形成するものであればよく、溶媒に溶解するものであれば特に制限は無い。具体的には、酸化バナジウム、バナジン酸アンモニウムは、水に溶解するため好ましい。
次に、バナジウムを含有したシリカ担体へ、金属系化合物を担持する方法も、通常の含浸法、インシピエントウェットネス(Incipient Wetness)法、沈殿法、イオン交換法等によればよい。担持において使用する原料(前駆体)である金属系化合物としては、担持後に乾燥処理及び還元処理、又は、乾燥処理、焼成処理及び還元処理を行う際に、カウンターイオン(例えばコバルト硝酸塩であればCo(NO中の(NO))が揮散するものであり、溶媒に溶解するものであれば特に制限はない。例えば、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、アセチルアセトナート等が使用可能であるが、担持操作をする際に水溶液を用いることができる水溶性の化合物を用いることが製造コストの低減や安全な製造作業環境の確保のためには好ましい。なお、担持後の乾燥処理は省略することもできる。金属系化合物がコバルトの場合には、硝酸コバルト等は焼成時に酸化コバルトに容易に変化し、その後のコバルト酸化物の還元処理も容易であるため好ましい。
触媒担体へのコバルトの担持率は、活性を発現するための最低量以上であり、担持したコバルトの分散度が極端に低下して、コバルトの反応寄与効率が低下する担持量以上であればよい。
具体的には、コバルトの担持率は、金属換算で5〜50質量%(但し、シリカ担体を含めた触媒全体の質量を100%とする(金属換算しない質量))であり、好ましくは10〜40質量%である。この範囲を下回ると活性を十分発現しない場合があり、また、この範囲を上回ると分散度が低下して、担持したコバルトの利用効率が低下することがあり、不経済となるため、好ましくない。ここでいうコバルトの担持率とは、担持したコバルトが最終的に100%還元されるとは限らないため、100%還元されたと考えた場合の金属コバルトの質量が触媒質量全体に占める割合を指す。
触媒中のコバルトの定量方法としては、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後にICP−AES法にて測定する方法が挙げられる。
シリカを主成分とする担体へ、バナジウムを含有させ、さらにコバルトを担持する際には、この順番で逐次処理することが重要である。すなわち、バナジウムを含有させたシリカ担体上にコバルトを担持させることで、バナジウムによるシリカ担体ならびに触媒の耐水性向上効果を有効に発現することが可能である。バナジウムによる耐水性向上のメカニズムの詳細は不明であるが、次のように推定される。
シリカ担体は水蒸気共存の耐性が低いが、バナジウム含有でこれが改善されることが本発明者らの調査により分かっている。このようにバナジウムがシリカ担体に直接的に作用し耐水性向上に寄与させるためには、コバルト担持後にバナジウムを担持するよりも、コバルトが担持されていない状態でバナジウムを担持する方がよいと推定する。このような観点から、バナジウム、コバルトの順で担持させることが望ましいが、バナジウムおよびコバルトを同時に担持させても前述のような効果が得られるものと考える。なお、シリカを主成分とする担体へ、バナジウムを含有させた際のバナジウムの含有状態は、上述のように、バナジウムの安定化合物が、シリカのネットワーク中に含有されていてもよいし、シリカの表面上に担持されているような状態でも構わない。
このようにして製造した触媒において、触媒担体中のバナジウム含有量を測定する方法としては、SEM−EDS、TEM−EDS等が挙げられる。バナジウムを含有する触媒担体の表面に存在するコバルト粒子が存在しない視野を選択し、EDSにて組成分析を行うことでバナジウム含有量を測定することができる。
上述のようにして得られた触媒および触媒担体の耐水性を評価する方法としては、触媒もしくは担体をオートクレーブに水と共に仕込み、昇温することで高い水圧に一定時間保持し、この前後での性状(表面積、細孔容積等)変化を測定するスチーミングテストが挙げられる。スチーミングテストにおいて、テスト前後の担体の表面積、細孔容積等を測定する手法としては一般的な手法で良く、例えばガス吸着させてBETの式にて算出するBET表面積測定法が挙げられる。スチーミングテストの条件は、例えば225℃、2.55Mpa、20hである。
以下に、本実施形態の触媒を得る方法の一例を示す。
まず、バナジウム前駆体の水溶液に、シリカを主成分とする担体を含浸して処理した後、乾燥、又は乾燥と焼成処理を行いバナジウム含有の触媒担体を作製する。次いで、このバナジウム含有の触媒担体をコバルト前駆体水溶液に含浸し、必要に応じて乾燥と還元処理、又は乾燥と焼成と還元処理を行い、コバルトが担持された触媒を得ることができる。
なお、バナジウム前駆体の水溶液としては特に限定しないが、バナジン酸アンモニウム等を用いることができる。
シリカ担体にバナジウムを含有させた後には乾燥処理(例えば空気中100℃−1h、通常は50〜150℃程度の範囲であるが、特に限定されない。)を行い、引き続き焼成処理(例えば空気中450℃−5h、通常は300〜600℃程度の範囲であるが、特に限定されない。)を行ってもよいし、乾燥処理を行うだけで次工程であるコバルトの含浸を行ってもよいが、バナジウム添加による耐水性効果を大きくするためには、前述の焼成処理を行うとよい。
コバルト前駆体溶液へバナジウム含有の担体を含浸させた後、必要に応じて乾燥処理を行い、引き続き担体表面のコバルト化合物を活性金属に還元(例えば、常圧水素気流中450℃−15h、通常は250〜600℃程度の範囲であるが、特に限定されない。)することで触媒が得られるが、乾燥処理後に焼成して酸化物に変化させた後に還元処理を行っても、焼成せずに直接還元処理を行ってもよい。なお、コバルト前駆体の水溶液としては特に限定しないが、硝酸コバルト、酢酸コバルト等を用いることができる。
還元処理の温度を高くしたり時間を長くしたりすることにより還元条件を厳しくすると、還元処理後に金属系化合物が酸化物の状態から金属状態まで還元される比率が高くなり、さらに極端に厳しい還元処理を行うと活性金属のみの状態にすることも可能となる。しかし、一般的な還元条件ではコバルト酸化物を一部含有する化学状態となることが多い。
還元処理後の触媒は、大気に触れて酸化失活しないように取り扱う必要があるが、担体上のコバルト金属の表面を大気から遮断するような安定化処理を行うと、大気中での取り扱いが可能となり好適である。この安定化処理には、低濃度の酸素を含有する窒素、二酸化炭素、不活性ガスを触媒に触れさせて、担体上の活性金属の極表層のみを酸化するいわゆるパッシベーション(不動態化処理)を行ったり、F−T合成反応を液相で行う場合には反応溶媒や溶融したFTワックス等に浸漬して大気と遮断したりする方法があり、状況に応じて適切な安定化処理を行えばよい。
このようにして製造する触媒中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの総量としては0.01〜0.15質量%である。触媒中の不純物量の定量方法は前記触媒担体中の方法と同様であり、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後にICP−AES法にて測定することができる。
ここで、一般にシリカ担体の製造方法は、乾式法と湿式法に大別される。乾式法としては燃焼法、アーク法等、湿式法としては沈降法、ゲル法等があり、いずれの製造方法でも触媒担体を製造することは可能である。しかしながら、ゲル法を除く上記方法では触媒担体を球状に成形することが技術的、経済的に困難である為、シリカゾルを気体媒体中又は液体媒体中で噴霧させて、ゲルを容易に球状に成形することが可能であるゲル法が好ましい。
上記ゲルは、珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合して生成させたシリカゾルを気体媒体中又は液体媒体中で噴霧させて球状に成形したもので、その後、酸処理、ないし水洗処理の少なくともいずれかを行った後、焼成することでシリカ担体とすることができる。詳細については後述する。
上記ゲル法にてシリカ担体を製造する際には、通常多量の洗浄水を用いるが、工業用水等の不純物を多く含んだ洗浄水を用いると、担体中に多量の不純物が残留することになり、触媒活性が大幅に低下して好ましくない。一方、この洗浄水として不純物の含有率が低い、あるいはイオン交換水などの不純物を全く含まないものを用いることで、不純物含有量の少ない良好なシリカ担体を得ることが可能となるが、コストは増加することとなる。触媒性能、コストの両面からは触媒担体中の不純物量は一定の範囲に制御することが好ましく、触媒としてバナジウムを含有する場合には、不純物量が比較的多くとも耐水性効果を発現することから、触媒担体中の不純物量は0.01〜0.15質量%とすることが好ましい。この場合、用いる洗浄水中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計の含有量は0.1質量%以下とすることが好ましい。洗浄水に酸性の水溶液を用いる場合にも同様な理由で、酸性の水溶液中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムの合計の含有量は0.1質量%以下とすることが好ましい。不純物量を低減する観点からはイオン交換水の使用も考えられるが、コストの観点からは使用を避ける方がよい。
また、シリカ担体の製造においては、粒子強度向上、表面シラノール基活性向上などを目的とした焼成処理がよく行われる。しかしながら、担体中の不純物が0.15質量%を超える範囲で、焼成を行うと、シリカ担体を洗浄して不純物濃度を低下させる際に、シリカ骨格内に不純物元素が取り込まれて、不純物含有量を低減させることが困難となる。よって、シリカ担体を洗浄して不純物濃度を低下させたい場合には、未焼成シリカゲルを用いることが好ましい。
以上述べたような担体を用いることにより、F−T合成反応における耐水性の高い触媒を得ることが可能となる。F−T合成反応では水が副生し、ワンパス転化率が高いほど反応系の水分圧は高くなる。高い水分圧条件下にて、耐水性が低い触媒担体で製造した触媒を使用すると、活性を発現し易い触媒構造が破壊されてしまい活性低下が生じると推定される。一方、本実施形態による耐水性が高い触媒担体で製造した触媒を使用すると、触媒構造破壊を抑制することができ、活性低下を抑制することが可能になると考えられる。
担体の物理性状としては特に限定されないが、F−T合成触媒の活性の観点からは、金属の分散度を高く保ち、さらに、担持した活性金属の反応に寄与する効率を向上させるためには、高比表面積の担体を使用することが好ましい。しかし、担体の比表面積を大きくするためには、気孔径を小さくする、細孔容積を大きくする必要があるものの、この二つの要因を増大させると、耐摩耗性や強度が低下することになるため、以下に示す範囲とすることが、活性、強度の両面から好ましい。細孔径が8〜50nm、比表面積が80〜450m/g、細孔容積が0.2〜1.2mL/gを同時に満足するものが、触媒用の担体として、好適である。細孔径が8〜30nm、比表面積が100〜400m/g、細孔容積が0.2〜0.9mL/gを同時に満足するものであればより好ましく、細孔径が8〜20nm、比表面積が150〜350m/g、細孔容積が0.3〜0.8mL/gを同時に満足するものであれば更に好ましい。上記の比表面積はBET法で、細孔容積は水銀圧入法で測定する。また、細孔径はガス吸着法で測定する。
F−T合成反応に十分な活性を発現する触媒を得るためには、触媒担体の比表面積は80m/g以上であることが必要である。この比表面積を下回ると、担持した金属の分散度が低下してしまい、活性金属の反応への寄与効率が低下するため好ましくない。また、触媒担体の比表面積を450m/g超とすると、細孔容積と細孔径が上記範囲を同時に満足することが困難となり好ましくない。そのため、触媒担体の比表面積は80〜450m/gとすることが好ましい。
触媒担体の細孔径を小さくするほど比表面積を大きくすることが可能となるが、8nmを下回ると、細孔内のガス拡散速度が水素と一酸化炭素では異なり、細孔の奥へ行くほど水素分圧が高くなるという結果を招き、F−T合成反応では副生成物といえるメタン等の軽質炭化水素が、多量に生成することになるため、好ましくない。加えて、生成した炭化水素の細孔内拡散速度も低下し、結果として、見かけの反応速度を低下させることとなり、好ましくない。また、一定の細孔容積で比較を行うと、細孔径が大きくなるほど比表面積が低下するため、細孔径が50nmを超えると、比表面積を増大させることが困難となり、活性金属の分散度が低下してしまうため、好ましくない。そのため、触媒担体の細孔径は8〜50nmとすることが好ましい。
触媒担体の細孔容積は0.2〜1.2mL/gの範囲内にあるものが好ましい。細孔容積が0.2mL/gを下回るものでは、細孔径と比表面積が上記範囲を同時に満足することが困難となり好ましくなく、また、細孔容積が1.2mL/gを上回る値とすると、強度が低下してしまうため、好ましくない。
前述したように、スラリー床でのF−T合成反応用の触媒(F−T合成触媒)には、耐摩耗性、強度が要求される。また、F−T合成反応では、多量の水が副生するために、水の存在下で破壊、粉化するような触媒又は担体を用いると、前述したような不都合が生じることになるために注意を要する。よって、予亀裂が入っている可能性が高く、鋭角な角が折損、剥離し易い破砕状の担体ではなく、球状の担体を用いた触媒が好ましい。例えば、円形度と呼ばれる、粒子を画像解析した際の二次元画像における面積と周囲長を元に数値で表現する、形状の複雑さを測る指標などを用いることもでき、この円形度が0.7以上が好ましい。球状の担体を製造する際には、一般的なスプレードライ法等の噴霧法を用いればよい。特に、20〜250μm程度の粒径の球状シリカ担体を製造する際には、噴霧法が適しており、耐摩耗性、強度、耐水性に優れた球状シリカ担体が得られる。
このようなシリカ担体の製造法を以下に例示する。
珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合し、pHが2〜10.5となる条件で生成させたシリカゾルを、空気等の気体媒体中又は前記ゾルと不溶性の有機溶媒中へ噴霧してゲル化させ、次いで、酸処理、水洗、乾燥する。ここで、珪酸アルカリとしては珪酸ソーダ水溶液が好適で、NaO:SiOのモル比は1:1〜1:5、シリカの濃度は5〜30質量%が好ましい。用いる酸としては、硝酸、塩酸、硫酸、有機酸等が使用できるが、製造する際の容器への腐食を防ぎ、有機物が残留しないという観点からは、硫酸が好ましい。酸の濃度は1〜10mol/Lが好ましく、この範囲を下回るとゲル化の進行が著しく遅くなり、また、この範囲を上回るとゲル化速度が速過ぎてその制御が困難となり、所望の物性値を得ることが難しくなるため、好ましくない。また、ゲル化させる際に有機溶媒中へ噴霧する方法を採用する場合には、有機溶媒として、ケロシン、パラフィン、キシレン、トルエン等を用いることができる。
以上、本実施形態に係る触媒、その製造方法、ならびに触媒に好適に使用できる触媒担体について説明してきたが、上記のような構成あるいは製造法によって得られる触媒担体を用いれば、強度や耐摩耗性を損なうことなく、バナジウムの含有によって高い耐水性を発現する触媒の提供が可能となり、特にF−T合成用の触媒として好適である。
また、本実施形態による触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造すれば、副生水による活性の低下が非常に小さく、高い触媒活性を長期間発揮することができるために、副生水の分圧が非常に高くなる条件下、特にワンパスCO転化率が60〜95%という条件下でも良好なF−T合成反応を安定して行うことができる。ここでいうワンパスCO転化率とは、反応器から排出される未反応原料ガスを含むガスを再度反応器に供給するものとは異なり、原料ガスを反応器に一度通すのみでCOの転化率を求めたものである。ワンパスCO転化率が40〜60%の比較的低い場合でも、副生水による活性低下が非常に小さいため触媒寿命が長くなり、触媒コストを低減することが可能となる。ワンパスCO転化率が40%未満になるとテールガスリサイクル設備の設備コストが増大するため、40%以上で操業することが一般的である。
また、スラリー床は、原料ガスの吹き込みによって反応器内部を流動・循環させる運転方式であるが、実機規模の大型反応器では反応器内に流動の滞留域が存在する場合があり、このような滞留域では触媒付近の原料ガス、副生水等の生成物の攪拌が不十分となる。即ち、局所的に水分圧が高い領域が形成されることとなり、耐水性が低い担体を使用した触媒では、構造破壊を生じ易くなる。
一方、本実施形態による触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造することにより、前述のようなスラリー床で発生する流動の滞留域でも触媒の構造破壊による活性低下が生じ難いため、高効率かつ低コストでF−T合成反応を行うことができ、安定して炭化水素を製造することが可能となる。
著しくCO転化率が高い、あるいは反応時間が長い等の要因で、活性低下が生じた場合には、合成ガスの代わりに水素を含むガスを供給することで、触媒を再生することができる。触媒の再生方法としては、再生ガスを反応器に供給して触媒と再生ガスを接触させるin−situ(その場)法と、触媒を抜出した後、再生塔と呼ばれる別の容器に充填して再生ガスを供給する方法がある。
in−situ法では再生塔の設備が不要となる利点を有する反面、再生操作中は製造が停止するという欠点があり、再生塔の設備コスト、再生に必要な時間(製造停止時間)等を勘案して触媒の再生方法を決定する必要がある。再生ガスの水素含有量は5%以上であることが好ましく、100%でもよい。他に窒素、アルゴン等の不活性ガスを含有してもよい。再生条件としては、触媒再生が進行する条件であればよく、特に限定されるものではない。水素を含む再生ガスと触媒を接触させることによる触媒再生機構としては、副生水により酸化したコバルトの再還元と、水素による析出炭素の除去によるものと推察される。また、溶媒の液状炭化水素中に触媒が分散したスラリー床におけるin−situ再生では再生後の再起動オペレーションの観点から、液状炭化水素の水素化分解によるガス成分への変換によって、溶媒が無くならないようにすることが好ましく、温度、圧力、時間、ガス流量等の条件設定に注意が必要である。例えば、再生温度は100〜400℃、再生圧力は常圧〜反応圧、再生時間は1時間以上、再生ガス流量は再生ガス中の水素流量が、反応における合成ガス中の水素流量と同程度が好適である。再生圧力は反応圧以下にすると、反応において反応圧に昇圧するためのコンプレッサーを利用することが可能となり、再生のために新たにコンプレッサーを設置する必要がなくなるため、設備コストの面から有利となる。
触媒を抜出した後、再生塔に充填して再生ガスを供給する方法では、スラリー床の他、流動床、固定床等を選択することが可能であるが、流動床、固定床等の気−固反応では溶媒の水素化分解を考慮する必要が無い為、再生温度は再生速度とコバルト等の触媒金属のシンタリングを考慮して決定すればよい。また、再生圧力は反応圧に拠らず再生設備のコンプレッサーの能力に応じて選択することができるが、昇圧能力が増加するほどコンプレッサーの設備コストが増加するため、再生速度の圧力依存性を勘案して決定する必要がある。
尚、本実施形態の炭化水素の製造方法における反応に使用する合成ガスには、水素と一酸化炭素の合計が全体の50体積%以上であるガスが生産性の面から好ましく、特に、水素と一酸化炭素のモル比(水素/一酸化炭素)が0.5〜4.0の範囲であることが望ましい。これは、水素と一酸化炭素のモル比が0.5未満の場合には、原料ガス中の水素の存在量が少な過ぎるため、一酸化炭素の水素化反応(FT合成反応)が進み難く、液状炭化水素の生産性が高くならないためであり、一方、水素と一酸化炭素のモル比が4.0を超える場合には、原料ガス中の一酸化炭素の存在量が少な過ぎるため、触媒活性に関わらず液状炭化水素の生産性が高くならないためである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
内容積1200mLのオートクレーブを用い、シリカゾルを噴霧して調製した球状のシリカ担体(インシピエントウェットネス法でVを担持して乾燥処理、焼成処理して調製したVO/SiO(xは化学的に許容される値。シリカを主成分とする担体は平均粒径100μmの球形))4gと水30gを仕込んだ後、225℃に昇温した。なお、バナジウム前駆体の水溶液としてはバナジン酸アンモニウムを用いた。225℃に到達した時点で圧力は約2.55MPaとなるが、この状態で20h保持することでスチーミングテストを実施した。スチーミングテスト後、室温まで冷却してVO/SiOを回収し、乾燥処理を行った。BET測定によって、比表面積、細孔容積を分析し、このスチーミングテスト前後での比表面積、細孔容積の変化率を算出した。
以下の実施例に記載した比表面積変化率、細孔容積変化率は、それぞれ次に示す式により算出した。
Figure 2019103954
また、触媒の反応性を評価するため、以下の試験を行った。
まず、上記方法によって作製したVを含有するシリカを主成分とする触媒担体に、コバルト前駆体溶液として硝酸コバルトを採用してインシピエントウェットネス法でCoを担持して乾燥処理、焼成処理後、還元処理、パッシベーションを施して触媒(Co/VO/SiO(xは化学的に許容される値、Co担持率は20〜30質量%))を調製した。
次に、内容積300mLのオートクレーブを用い、調整した1gの触媒(Co/VO/SiO)と50mLのn−C16(n−ヘキサデカン)を仕込んだ後、230℃、2.0MPa−Gの条件下、撹拌子を800min−1で回転させながら、W(触媒質量)/F(合成ガス流量);(g・h/mol)=1.5となるようにF(合成ガス(H/CO=2)流量)を調整し、供給ガス及びオートクレーブ出口ガスの組成をガスクロマトグラフィーにより求め、CO転化率、CH選択率、CO選択率、炭化水素生産性を得た。
以下の実施例に記載したCO転化率、CH選択率、CO選択率は、それぞれ次に示す式により算出した。
Figure 2019103954
表1〜3に実施例、比較例中の担体中不純物濃度、スチーミングテスト結果をまとめた。なお、比較例1〜5に示す触媒担体は、添加元素をVではなく、「−(無添加)」、「Al」、「Mn」、「Ce」としたものである。
(実施例1)
表1のAに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−41.5%、細孔容積変化率5.3%であった。
(実施例2)
表1のBに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−35.2%、細孔容積変化率3.3%であった。
(実施例3)
表1のCに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−35.2%、細孔容積変化率3.4%であった。
(実施例4)
表1のDに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−32.2%、細孔容積変化率1.4%であった。
(実施例5)
表1のEに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−29.4%、細孔容積変化率6.7%であった。
(実施例6)
表1のFに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−29.8%、細孔容積変化率5.8%であった。
(実施例7)
表1のCに示すような触媒担体を用いてCo5wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:137.1ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:9.5ppm、Mg濃度:0.7ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:147.3ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率11.6%、CH選択率9.8%、CO選択率0.3%、炭素数5以上の炭化水素生産性は0.3(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例8)
表1のCに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:115.5ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:124.1ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率40.6%、CH選択率7.8%、CO選択率0.2%、炭素数5以上の炭化水素生産性は1.2(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例9)
表1のCに示すような触媒担体を用いてCo50wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:72.3ppm、K含有量:0ppm、Ca含有量:5ppm、Mg濃度:0.3ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:77.7ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率75.1%、CH選択率6.2%、CO選択率1.3%、炭素数5以上の炭化水素生産性は2.3(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例10)
表1のCに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:115.5ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:124.1ppm)を調製し、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−36.6%、細孔容積変化率−4.0%であった。
(実施例11)
実施例10に示すスチーミングテスト後、還元処理、パッシベーションを施して、FT合成反応を行ったところ、比較例2(V含有無し、後述)に示すスチーミングテスト後、還元処理、パッシベーションを施して、FT合成反応を行った場合、及び表3のKに示す触媒担体にCo20wt%を担持した触媒(Na含有量:115.5ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm)を用いてスチーミングテスト後、還元処理、パッシベーションを施してFT合成反応を行った場合と比較して、CO転化率は2倍であった。Vを含有するシリカを主成分とする触媒担体にCoを担持した触媒では、同一組成でもスチームに対する耐性が高いため、スチーミングテスト後でも相対的に高い活性を示した。
(実施例12)
実施例10に示すスチーミングテスト後、触媒1gをイオン交換水100mlに分散させ、超音波発振機にてスラリーに30分間超音波を照射した。超音波照射前後の粒度分布をコールターカウンターで測定し、超音波照射による30μm以下の微粉増加量を確認したところ、比較例2に示すスチーミングテスト後、超音波照射した場合と比較して微粉増加量は2割少なかった。Vを含有するシリカを主成分とする触媒担体にCoを担持した触媒では、スチームに対する耐性が高いため、スチーミングテスト後でも相対的に高い強度を示した。
(実施例13)
表2のGに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−32.0%、細孔容積変化率3.2%であった。
(実施例14)
表2のGに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:195.2ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:203.8ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率32.0%、CH選択率8.3%、CO選択率0.3%、炭素数5以上の炭化水素生産性は0.9(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例15)
表2のHに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−32.6%、細孔容積変化率4.0%であった。
(実施例16)
表2のHに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:434.3ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:442.9ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率34.2%、CH選択率7.9%、CO選択率0.3%、炭素数5以上の炭化水素生産性は1.0(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例17)
表2のIに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−32.3%、細孔容積変化率5.5%であった。
(実施例18)
表2のIに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:796.8ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:805.4ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率14.2%、CH選択率8.1%、CO選択率0.4%、炭素数5以上の炭化水素生産性は0.4(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であった。
(実施例14)
表2のJに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−33.4%、細孔容積変化率8.8%であった。
(比較例1)
表3のKに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−89.5%、細孔容積変化率−25.6%であった。
(比較例2)
表3のKに示すような触媒担体を用いて、Co担持量が20wt%となるようにFT合成触媒(Na含有量:116ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:124.6ppm)を調製し、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率51.5%、細孔容積変化率−13.1%であった。
(比較例3)
表3のLに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−64.8%、細孔容積変化率−42.1%であった。
(比較例4)
表3のMに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−84.7%、細孔容積変化率−80.1%であった。
(比較例5)
表3のNに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−83.2%、細孔容積変化率−81.9%であった。
(比較例6)
表3のOに示すような触媒担体を用いて、スチーミングテストを行ったところ、比表面積変化率−37.9%、細孔容積変化率1.7%であった。
(比較例7)
表3のOに示すような触媒担体を用いてCo20wt%を担持したFT合成触媒(Na含有量:2,390ppm、K含有量:0.1ppm、Ca含有量:8ppm、Mg濃度:0.6ppm、Na,K,Ca,Mg含有量合計:2,399ppm)を調製し、FT合成反応を行ったところ、CO転化率5.1%、CH選択率14.4%、CO選択率0.1%、炭素数5以上の炭化水素生産性は0.1(kg−炭化水素/kg−触媒/時間)であり反応活性が劣る結果となった。
Figure 2019103954
Figure 2019103954
Figure 2019103954

Claims (14)

  1. シリカを主成分とする触媒担体に、コバルトが担持されてなる触媒であって、当該触媒中のバナジウムの含有量が0.1〜10.0質量%であり、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量の合計が0.01〜0.15質量%であることを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
  2. 前記コバルトの担持率が金属換算で5〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
  3. 前記バナジウムの含有量が0.2〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
  4. 前記触媒担体が球状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒。
  5. 珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合して生成したシリカゾルをゲル化し、さらに乾燥してシリカとし、
    前記シリカに、バナジウムを含有させた後、乾燥及び焼成し、さらにナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%となるよう調整して触媒担体を作製し、
    当該触媒担体に、コバルトを担持させて製造することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  6. 前記触媒担体中のナトリウムの含有量が0.01〜0.10質量%であることを特徴とする請求項5に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  7. 前記触媒中のナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量が0.01〜0.15質量%になるように製造することを特徴とする請求項5又は6に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  8. 前記シリカにバナジウムを含有させて触媒担体を作製する際において、
    前記シリカに、含浸法、インシピエントウェットネス法、沈殿法、又はイオン交換法を用いて、バナジウムを含有させた後、乾燥処理、又は乾燥処理及び焼成処理を行って触媒担体を作製することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の触媒、又は、請求項5〜8のいずれか1項に記載の製造方法で製造された触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する方法。
  10. スラリー床での液相反応で製造することを特徴とする請求項9に記載の合成ガスから炭化水素を製造する方法。
  11. 前記液相反応において、触媒量、合成ガス供給量、反応温度、反応圧力を調整し、合成ガスを反応器に一度だけ通過させた状態のCO転化率であるワンパスCO転化率を40〜95%とすることを特徴とする請求項9又は10に記載の合成ガスから炭化水素を製造する方法。
  12. 合成ガスから炭化水素を製造する触媒に使用する触媒担体であって、
    シリカを主成分とし、バナジウム含有量が0.1〜10.0質量%、且つ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムの不純物含有量の合計が0.01〜0.15質量%であることを特徴とする触媒担体。
  13. 前記ナトリウムの含有量が0.01〜0.10質量%であることを特徴とする請求項12に記載の触媒担体。
  14. 前記バナジウムの含有量が0.2〜2.0質量%であることを特徴とする請求項12又は13に記載の触媒担体。
JP2017236205A 2017-12-08 2017-12-08 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体 Active JP7018754B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017236205A JP7018754B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017236205A JP7018754B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019103954A true JP2019103954A (ja) 2019-06-27
JP7018754B2 JP7018754B2 (ja) 2022-02-14

Family

ID=67062621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017236205A Active JP7018754B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7018754B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5862123A (ja) * 1981-10-09 1983-04-13 Agency Of Ind Science & Technol 含酸素化合物の製造法
JPS58192835A (ja) * 1982-05-04 1983-11-10 Res Assoc Petroleum Alternat Dev<Rapad> 炭化水素の製造方法
JPH03502067A (ja) * 1987-10-23 1991-05-16 デン・ノルスク・ステーツ・オルジエセルスカプ・アクシエセルスカプ 炭化水素類の製造用触媒及び製造方法
JP2004322085A (ja) * 2003-04-07 2004-11-18 Nippon Steel Corp 合成ガスから炭化水素を製造する触媒と該触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法
JP2006515584A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 エービービー ルマス グローバル インコーポレイテッド 活性金属を有するメソ孔物質
JP2014046298A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、触媒の製造方法、触媒の再生方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5862123A (ja) * 1981-10-09 1983-04-13 Agency Of Ind Science & Technol 含酸素化合物の製造法
JPS58192835A (ja) * 1982-05-04 1983-11-10 Res Assoc Petroleum Alternat Dev<Rapad> 炭化水素の製造方法
JPH03502067A (ja) * 1987-10-23 1991-05-16 デン・ノルスク・ステーツ・オルジエセルスカプ・アクシエセルスカプ 炭化水素類の製造用触媒及び製造方法
JP2006515584A (ja) * 2002-12-06 2006-06-01 エービービー ルマス グローバル インコーポレイテッド 活性金属を有するメソ孔物質
JP2004322085A (ja) * 2003-04-07 2004-11-18 Nippon Steel Corp 合成ガスから炭化水素を製造する触媒と該触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法
JP2014046298A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Nippon Steel & Sumikin Engineering Co Ltd 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、触媒の製造方法、触媒の再生方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7018754B2 (ja) 2022-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4808688B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、触媒の製造方法、触媒の再生方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法
JP4429063B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒と該触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法
KR101430775B1 (ko) 합성 가스로부터 탄화 수소를 제조하는 촉매, 촉매의 제조 방법, 촉매의 재생 방법 및 합성 가스로부터 탄화 수소를 제조하는 방법
JP6007167B2 (ja) フィッシャー・トロプシュ合成用触媒の製造方法及び炭化水素の製造方法
JP5100151B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、触媒の製造方法、合成ガスから炭化水素を製造する方法、及び、触媒の再生方法
JP7009294B2 (ja) 二酸化炭素と水素から炭化水素を製造するための触媒、その触媒の製造方法、及び二酸化炭素と水素とから炭化水素を製造する方法
JP5919145B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、合成ガスから炭化水素を製造する方法、及び触媒の再生方法
JP2019103954A (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、その触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法、並びに触媒担体
JP5649849B2 (ja) 一酸化炭素還元触媒の製造方法および一酸化炭素還元触媒
WO2012044591A2 (en) Multiphase alumina particle
JP2015157249A (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、合成ガスから炭化水素を製造する方法、及び、触媒担体
JP6920952B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒、触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法
JP7012596B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法
JP6858109B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法
JP4827432B2 (ja) F−t合成反応用触媒
JP7145653B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法
JP5595005B2 (ja) オキシクロリネーション用触媒の製造方法
JP6839602B2 (ja) 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、合成ガスから炭化水素を製造する炭化水素の製造方法
JP7012595B2 (ja) 二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び二酸化炭素と水素から炭化水素を製造する方法
AU2015264798A1 (en) Fischer-Tropsch catalysts and method of preparation thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7018754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150