JP6858109B2 - 合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法 - Google Patents

合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び合成ガスから炭化水素を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、一酸化炭素と水素を主成分とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び、当該製造方法で製造された触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題が顕在化し、他の炭化水素燃料、石炭等と比較してH/Cが高く、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素排出量を抑えることができ、埋蔵量も豊富な天然ガスの重要性が見直されてきており、今後ますますその需要は増加するものと予想されている。そのような状況の中、東南アジア・オセアニア地域等には、パイプライン・LNGプラント等のインフラが未整備の遠隔地で発見されたものの、その可採埋蔵量が巨額の投資を必要とするインフラ建設には見合わず、未開発のまま残されている数多くの中小規模ガス田が存在し、その開発促進が望まれている。その有効な開発手段の一つとして、天然ガスを合成ガスに変換した後、合成ガスからFischer−Tropsch(F−T、フィッシャー・トロプシュ)合成反応を用いて輸送性・ハンドリング性の優れた灯・軽油等の液体炭化水素燃料に転換する技術の開発が各所で精力的に行われている。
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このF−T合成反応は、触媒を用いて合成ガスを炭化水素に転換する発熱反応であるが、プラントの安定操業のためには反応熱を効果的に除去することが極めて重要である。現在までに実績のある反応形式には、気相合成プロセス(固定床、噴流床、流動床)と、有機溶媒中での液相合成プロセス(スラリー床)があり、それぞれ特徴を有しているが、近年、熱除去効率が高く、生成した高沸点炭化水素の触媒上への蓄積やそれに伴う反応管閉塞が起こらないスラリー床液相合成プロセスが注目を集め、精力的に開発が進められているところである。
一般的に触媒の活性は、高ければ高いほど好ましいことは言うまでもないが、特にスラリー床では、良好なスラリー流動状態を保持するためにはスラリー濃度を一定の値以下にする必要があるという制限が存在するため、触媒の高活性化は、プロセス設計の自由度を拡大する上で、非常に重要な要素となる。
高活性化を目的として、触媒中におけるアルカリ金属、アルカリ土類金属等の不純物が触媒の活性に与える影響を詳細に検討した結果、不純物濃度を一定範囲の触媒とすることで、従来の触媒と比較して活性を大きく向上させた例が報告されている(特許文献1参照)。
一方、F−T反応により副生する水が多量に存在する反応雰囲気下(特にCO転化率が高い雰囲気下)では、主に活性金属である担持コバルトとシリカ担体の界面でコバルトシリケートを形成したり、担持コバルト自体が酸化されたり、凝集合体することにより、触媒活性が低下するという現象が発生する問題があった。その他にも、耐水性が十分でない担体を使用した際には担体の比表面積、細孔容積等の構造変化が生じることで触媒活性が低下したり、強度が低下して触媒粉化が生じ易くなるという問題もあった。副生する酸化性の水と還元性の原料ガスの混合状態が良好な場合には、反応器内は一定の酸化性雰囲気に保たれるが、スラリー床では実機規模になると局所的に混合状態が良くないことがあり、副生する水が活性金属である担持コバルト近傍に滞留する場合には活性低下が生じることとなる。
副生する水による耐性を改善する検討としては、コバルト化合物、シリカを主成分とする触媒担体の他にジルコニウム化合物を含有した触媒が開発されており、ジルコニウム化合物を含有することで、ジルコニウム化合物を含有しない触媒と比較して、副生する水が多量に存在する反応雰囲気下での活性低下が抑制されることが報告されている。(特許文献2参照)。
また、触媒活性自体を改善する検討としては、コバルト化合物を触媒担体に担持する際、コバルト塩としてキレート錯体を前駆体として微細なコバルト粒子を形成する試み(特許文献3参照)や、酢酸塩に硝酸アンモニウムを加えて微細なコバルト粒子の還元性を高める試み(特許文献4参照)もなされている。また、触媒担体のゼロ荷電点よりも大きいpHを有するコバルト塩水溶液に触媒担体を含浸する試み(特許文献5参照)もなされている。しかしながら、いずれも触媒担体の観点からの検討は十分行われておらず、触媒活性の安定性では改善の余地が残されている。
触媒の活性低下現象は触媒を使用可能な時間の短縮に繋がるため、操業コストを引き上げる要因となる。従って、触媒を使用可能な時間を延長するという観点からは、副生する水が多量に存在する反応雰囲気下でも耐性が高い触媒を適用し、触媒活性の低下を抑制することが重要である。
特開2004−322085号公報 特開2008−73687号公報 特開2005−46742号公報 特開2006−205019号公報 特表2004−528176号公報
本発明は、合成ガスから炭化水素を製造する際に用いる触媒の、反応雰囲気中での材料安定性を向上させて触媒活性の低下を抑制することで、触媒を長期間に亘って連続的に使用可能にすることを目的とするものである。すなわち、本発明の課題は、副生水が大量に存在する条件下でも高い触媒活性を長期間発揮することが可能な、合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、及び、当該触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法を提供するものである。
本発明者らは、アルカリ金属とアルカリ土類金属のそれぞれの含有量が1500ppm以下であるシリカを主成分とする触媒担体に、ジルコニウムの前駆体溶液を使用して前記触媒担体に前記ジルコニウム成分を含浸担持する工程と、硝酸コバルトの前駆体溶液を使用して、前記硝酸コバルトの前駆体溶液のpHが4.0〜7.3の範囲で前記触媒担体に前記コバルト成分を含浸担持する工程とによって触媒を製造すると、副生する水の分圧が比較的高い条件下においても触媒の活性低下が抑制されることを見出し、本発明に至った。
さらに、アルミニウム、鉄それぞれの含有量が10ppm〜1500ppmであるシリカを主成分とする触媒担体を用いることで、副生する水の分圧が比較的高い条件下においてより一層、触媒の活性低下が抑制されることを見出した。
本発明は、合成ガスから炭化水素を製造する際に用いる触媒の製造方法及び該触媒を用いた炭化水素の製造方法に関する。更に詳しくは、以下に記す通りである。
(1)アルカリ金属及びアルカリ土類金属のそれぞれの含有量が質量割合で1500ppm以下であるシリカを主成分とする触媒担体に、ジルコニウムの前駆体溶液を使用して、含浸法によりジルコニウム成分を担持する工程と、
前記ジルコニウム成分が担持された触媒担体に、pHが4.0〜7.3の範囲である硝酸コバルトの前駆体溶液を使用して、含浸法によりコバルト成分を担持する工程と、
を有することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(2)前記シリカを主成分とする触媒担体は、アルミニウムと鉄のそれぞれの含有量が質量割合で10ppm〜1500ppmの範囲であることを特徴とする(1)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(3)前記シリカを主成分とする触媒担体が、細孔径が8〜50nm、比表面積が80〜550m/g、及び、細孔容積が0.2〜2.0mL/gであることを特徴とする(1)または(2)に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(4)前記シリカを主成分とする触媒担体は、球状のシリカであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の製造方法にて製造した触媒を用いて、スラリー床でのフィッシャー・トロプシュ反応により、合成ガスから炭化水素を製造する方法。
本発明によれば、副生水の分圧が高くなる高いCO転化率条件下やスラリー床での流動上の滞留領域においても触媒の活性低下が抑制された、極めて安定性の高い触媒の製造方法、及び当該触媒を用いた合成ガスから炭化水素を製造する方法を提供できる。従って、本発明の製造方法によって製造された触媒は、従来よりも連続的に使用可能な期間を延長することができるため、安価に炭化水素を生産可能となる。
以下、本発明の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法、ならびに合成ガスから炭化水素を製造する方法の一実施形態を更に詳述する。
まず、本実施形態の合成ガスから炭化水素を製造する際の触媒の製造方法(以下、単に触媒の製造方法とも称する。)によって製造する触媒について説明する。
本実施形態の製造方法によって製造よる触媒は、コバルト金属やコバルト酸化物として存在するコバルト成分を触媒活性種とするものであり、ジルコニウム金属やジルコニウム酸化物として存在するジルコニウム成分を助触媒とするものである。
さらに、触媒担体としては、不純物であるアルカリ金属とアルカリ土類金属のそれぞれの含有量が10ppm〜1500ppmであるシリカを主成分とするものを選定し、使用するものである。
従って、本発明で言うところの触媒とは、触媒担体に触媒活性種および助触媒が担持されているものを指す。
また、本発明で言うところのアルカリ金属は、通常の定義の通り、Li、Na、K、Rb、Cs、及び、Frである。
また、本発明で言うところのアルカリ土類金属は、Ca、Sr、Ba、Raに加えて、Mgも含む広義のものである。
触媒担体中のアルカリ金属の含有量の算出においては、触媒担体の質量を母数として、各アルカリ金属成分の金属換算の質量含有量を求め、それらの合計の質量含有量として算出する。
また、同様に、触媒担体中のアルカリ土類金属の含有量の算出においては、触媒担体の質量を母数として、各アルカリ土類金属成分の金属換算の質量含有量を求め、それらの合計の質量含有量として算出する。
また、本発明でいうシリカを主成分とする触媒担体(以下、シリカ担体とも称する。)とは、シリカ含有量が50質量%以上のものであり、シリカ以外にアルミナを含有するものや、シリカ担体の製造工程における不可避的不純物を少量含むものであっても構わない。また、触媒担体中のシリカ含有量が50質量%以上で、本発明の課題解決効果を妨げないものであれば、他の成分を含んでいても構わない。
次に、本実施形態の触媒の製造方法について説明する。
本実施形態の触媒の製造方法は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のそれぞれの含有量が質量割合で1500ppm以下であるシリカを主成分とする触媒担体に、ジルコニウムの前駆体溶液を使用して、含浸法によりジルコニウム成分を担持する工程と、ジルコニウム成分が担持された触媒担体に、pHが4.0〜7.3の範囲である硝酸コバルトの前駆体溶液を使用して、含浸法によりコバルト成分を担持する工程と、を有する。
シリカを主成分とする触媒担体へのジルコニウム化合物の担持方法は、通常の含浸法であり、インシピエントウェットネス(Incipient Wetness)法やポアフィリング(Pore Filling)法を含む。ジルコニウム成分の担持において使用する原料(前駆体)としては、塩化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム、硝酸酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本実施形態による触媒の製造方法、不純物であるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少ないシリカ主体の触媒担体に対し、前記ジルコニウム成分を助触媒として担持した後、後述のようにコバルト前駆体溶液のpHが4.0〜7.3の範囲になるように調整した上で、コバルト成分を触媒活性種として担持するものである。
ここで、ジルコニウム成分の作用は、詳細は不明であるが、F−T反応進行中に生成する副生水が高い分圧で存在する雰囲気下であっても、近接したコバルト粒子が合体凝集(シンタリング)を起こして反応表面積が低下するのを抑制したり、コバルト粒子の酸化を抑制すること等により長時間安定した活性を示すことを可能にすると考えられる。
前記ジルコニウム前駆体溶液を使用して含浸法によってジルコニウム成分をシリカ担体に担持するにあたり、ジルコニウムの担持量は助触媒としての機能を発現するための最低量以上であり、担持したジルコニウムの分散度が極端に低下して、ジルコニウムの反応寄与効率が低下する担持量以下であればよく、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは3〜20質量%となるようにするのが望ましい。この範囲を下回ると助触媒としての機能を十分発現しない場合があり、また、この範囲を上回ると分散度が低下して、担持したジルコニウムの利用効率が低下することや、この後に担持するコバルトの利用効率が低下することがあり、不経済となることがある。ここでいうジルコニウムの担持量とは、ジルコニウム金属質量の、シリカ質量とジルコニウム金属質量の合計に対する割合である。
ジルコニウム成分が担持されたシリカを主成分とする担体に対して、さらにコバルト化合物を担持する方法は、通常の含浸法であり、インシピエントウェットネス(Incipient Wetness)法やポアフィリング(Pore Filling)法を含む。コバルト成分の担持において使用する原料(前駆体)としては、硝酸コバルトである。
本実施形態による触媒の製造方法は、不純物であるアルカリ金属及びアルカリ土類金属の少ないシリカ主体の触媒担体に対し、上記のようにジルコニウム成分を担持した後、コバルト前駆体溶液のpHが4.0〜7.3の範囲になるように調整した上でコバルト成分を担持するものである。
コバルト前駆体溶液のpHを上記範囲に調整することにより、触媒担体全体に亘り、均質な分散をさせることが可能となる。コバルト前駆体溶液のpHが4.0を下回ると、コバルト担持後の触媒ではコバルトが触媒担体に不均質に担持されることになり、F−T反応進行中に生成する副生水が高い分圧で存在する雰囲気下では、近接したコバルト粒子が合体凝集(シンタリング)を起こしやすく、反応表面積の低下等により長時間安定した活性を示すことが不可能になる。一方、コバルト前駆体溶液のpHが7.3を上回ると、シリカ担体自体の溶解、溶出が起こり、コバルトが担持されるべき細孔が減ること等により、コバルト粒子が不均質に担持されてしまうため、同様に、反応中の高い副生水分圧下では、コバルト粒子のシンタリングが起こって、長時間の安定した活性を示すことが不可能になる。そのため、コバルト前駆体溶液のpHは4.0以上、7.3以下とすることが重要である。
硝酸コバルトを前駆体としてコバルトを担持する際の溶液(コバルト前駆体溶液)のpHを4.0〜7.3の範囲に調整する方法について説明する。
硝酸コバルトを溶解させた時点の溶液のpHは、その溶解量に比例するものの、一般にはpHが4.0を下回ると予想される。その場合にはアルカリ溶液を適宜混合することでpHを調整する方法などが挙げられる。しかしながら、前述のシリカ担体中の不純物として触媒活性に悪影響を及ぼす元素であるアルカリ金属、中でもナトリウム、カリウムが成分中に含まれる化合物を溶解させたアルカリ溶液は適当でなく、例えば、硝酸アンモニウム、エチレンジアミン四酢酸やテトラメチルアンモニウムを水に溶解させたものやアンモニア水溶液などが好適に用いられる。また、本溶液中のpHを測定する手法としては、一般的な手法で測定することが可能であるが、例えば、pHメーター等を好適に用いることができる。
このようにして調製したコバルト前駆体溶液を、予めジルコニウム成分を担持したシリカ担体に含浸させてコバルト成分を担体表面に担持するにあたり、コバルトの担持量は活性を発現するための最低量以上であり、担持したコバルトの分散度が極端に低下して、コバルトの反応寄与効率が低下する担持量以下であればよく、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%となるようにするのが望ましい。この範囲を下回ると活性を十分発現しない場合があり、また、この範囲を上回ると分散度が低下して、担持したコバルトの利用効率が低下することがあり、不経済となるため、好ましくない。ここでいうコバルトの担持量とは、担持したコバルトが最終的に100%還元されるとは限らないため、100%還元されたと考えた場合の金属コバルトの質量が触媒質量全体(金属に換算したコバルトとシリカの合計質量)に占める割合を指す。また、これらの質量は、一般的な元素分析手法で測定することが可能であり、後述するように、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後のICP発光分光分析法(ICP−AES法)を好適に用いることができる。
上述のようにして得られた触媒の、副生水の分圧が高い条件下での活性低下挙動を評価する方法としては、触媒をオートクレーブに溶媒と共に仕込み強撹拌状態として、合成ガスを供給しながら昇温・昇圧することでオートクレーブ内を完全混合状態に保ちながらF−T合成反応を行い、断続的に撹拌を停止する手法が挙げられる。完全混合状態では、活性点で副生した水は直ちに原料ガス、生成ガスと混合され、オートクレーブ内で平均化された一定の水分圧となるため、CO転化率にもよるが極端に高い水分圧にはならない。この完全混合状態から撹拌を停止すると、副生した水と原料ガス、生成ガスとの混合が進まず、副生した水は活性点近傍に滞留することになり、水への耐性が低い触媒は急速に活性低下することとなる。撹拌停止によって触媒を活性低下させた後、再度撹拌を開始し、完全混合状態として触媒活性を評価し、撹拌停止前後での活性低下の度合を評価することで副生水への耐性を把握できる。
その他には、高圧ポンプで強制的に水をオートクレーブ内に導入して、水分圧が高い条件を作り出す手法や、反応温度やW(触媒重量)/F(合成ガス供給量)を一時的に高く設定することで、CO転化率を一時的に増加させ水分圧が高い条件とする手法でも評価することができる。いずれも副生水への耐性は、水分圧を高い条件とした前後での活性の比率で評価する。
それ以外には、ガスの流路における所定の箇所に触媒を充填、反応中に動かないように固定した状態の中へ原料ガスを流し、高いW/Fや高い反応温度に設定して高い割合で反応が進む条件にすることにより、活性低下挙動を評価する方法がある。この場合、触媒充填層内で高い水蒸気分圧に曝される中で触媒活性の経時変化を評価することにより、水への耐性の違いを把握できる。
以下に、本実施形態の触媒を製造する方法の一例を示す。
まず、ジルコニウムの前駆体溶液として硝酸酸化ジルコニウム水溶液を調製する。次いで、該硝酸酸化ジルコニウム水溶液を、前述した不純物の少ないシリカ主体の触媒担体に含浸担持し、乾燥、焼成処理を行う。
次に、硝酸コバルト水溶液を調製後、アルカリ溶液を加えてpHが4.0〜7.3の含浸溶液(コバルト前駆体溶液)を調製する。最終的に、該コバルト前駆体溶液を、前述した不純物の少ないシリカ主体の触媒担体にジルコニウム成分が含浸されたものに、更に含浸担持し、乾燥、焼成、還元処理を行い、触媒を得ることができる。
コバルトの含浸担持を行った後、必要に応じて60〜150℃の乾燥処理を行い、引き続き担体表面のコバルト化合物をコバルト金属に還元(例えば、常圧、水素濃度が10〜100%のガス気流中、250〜600℃)することで触媒が得られるが、焼成して酸化物に変化させた後にこの還元処理を行ってもよいし、焼成せずに直接還元処理を行ってもよい。
還元処理の温度を高くしたり時間を長くしたりすることにより還元条件を厳しくすると、還元処理後にコバルト化合物が酸化物の状態から金属状態まで還元される比率が高くなり、さらに極端に厳しい還元処理を行うと活性金属のみの状態にすることも可能となる。しかし、一般的な還元条件ではコバルト酸化物を一部含有する活性コバルトとなることが多い。還元処理後の触媒は、大気に触れて酸化失活しないように取り扱う必要があるが、担体上のコバルト金属の表面を大気から遮断するような安定化処理を行うと、大気中での取り扱いが可能となり好適である。この安定化処理には、低濃度の酸素を含有する窒素、二酸化炭素、不活性ガスを触媒に触れさせて、担体上の活性金属の極表層のみを酸化するいわゆるパッシベーション(不動態化処理)を行ったり、F−T合成反応を液相で行う場合には反応溶媒や溶融したFTワックス等に浸漬して大気と遮断したりする方法があり、状況に応じて適切な安定化処理を行えばよい。
また、活性金属、担体構成元素以外の触媒中の不純物を低減し、ある範囲内に制御することが、活性向上及び耐水性向上に対して極めて効果的である。触媒担体として、本実施形態のようにシリカを主成分とする担体とした場合では、前記したように、Na等のアルカリ金属、Ca、Mg等のアルカリ土類金属や、Fe、Al等が不純物としてシリカ中に含まれることが多い。
ここで、Na等のアルカリ金属は、シリカ担体を製造する際のシリカ源として用いる原料中に含まれることが多く、一方、Ca、Mg等のアルカリ土類金属は、シリカ源を硫酸等と反応させてできたシリカゲルを洗浄する際に用いる洗浄水中に含まれることが多い。また、Al、Feについては、シリカ源として用いる原料中に含まれることが多い。従って、触媒担体中のアルカリ金属やAl、Feの濃度については、シリカゲルの洗浄工程で大きく低減させることが可能である。それに対して、アルカリ土類金属の濃度については、後述するように、洗浄に用いる水の純度を高めたもの、例えばイオン交換水などを用いることで、大きく低減させることが可能である。
触媒担体中の不純物の中で活性低下の抑制効果に最も悪い影響を及ぼす元素は、アルカリ金属とアルカリ土類金属である。これら金属の担体中の各々の含有量が1500ppmを上回ると、含浸に用いるコバルト溶液のpHが4.0〜7.3の範囲であっても活性低下抑制の効果が大きく得られず不利となる。そのため、触媒担体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の各々の含有量は1500ppm以下に制限する。一方、アルカリ金属とアルカリ土類金属の担体中の各々の含有量は、少なければ少ない程好ましいのは言うまでもないが、特に、10ppmを下回る範囲内ではアルカリ金属とアルカリ土類金属の影響はほとんど見られなくなる。しかし、不純物量を必要以上に低減することは純度向上にコストがかかり不経済となることがある。従って、触媒担体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の各々の含有量は10ppm〜1500ppmとすることが好ましく、より好ましくは20ppm〜1000ppm、更に好ましくは30ppm〜700ppmである。
触媒担体中のアルミニウム、鉄それぞれの含有量が1500ppmを上回る場合、含浸に用いるコバルト溶液のpHが4.0〜7.3の範囲であっても活性低下抑制の効果が大きく得られず不利となる。そのため、触媒担体中のアルミニウム、鉄の各々の含有量は1500ppm以下に制限することが好ましい。一方、アルミニウムおよび鉄の担体中の各々の含有量は、少なければ少ない程好ましいのは言うまでもないが、特に、10ppmを下回る範囲内ではアルミニウム、鉄各元素の影響はほとんど見られなくなる。従って、触媒担体中のアルミニウム又は鉄の各々の含有量は10ppm〜1500ppmとすることが好ましく、より好ましくは20ppm〜1000ppm、更に好ましくは30ppm〜700ppmである。
触媒担体中のアルミニウム含有量の算出においては、触媒担体の質量を母数として、アルミニウム成分の金属換算の質量含有量を求めて算出する。
また、同様に、触媒担体中の鉄の含有量の算出においては、触媒担体の質量を母数として、鉄成分の金属換算の質量含有量を求めて算出する。
ここで、触媒担体中の不純物量の定量方法としては、例えば酸分解やアルカリ溶融等の前処理後にICP−AES法にて測定する方法が好ましい。また、触媒を用いて担体中の不純物量を定量するためには、CoやZr成分を酸等によって選択的に溶出可能である必要があり、これら成分を完全に溶出させた後に、前記のように例えば前処理後、ICP−AES法にて触媒担体中の不純物量を測定することができる。また、コバルト化合物の担持操作中に不純物が混入すると活性低下抑制の効果が低下することになるため、コバルト化合物の前駆体の純度は95質量%以上にすることが好ましい。尚、コバルト化合物に含まれる不純物は、含浸担持後の焼成工程で除去されやすいため、その影響は小さい。
尚、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムまたは鉄の各々の不純物元素群の触媒活性の低下を招くメカニズムは、詳細は不明であるが、これらの元素群の存在により、触媒活性種であるコバルト金属およびコバルト酸化物粒子の電子物性が変化し、原料ガスの吸着状態が変わること等により、生成物への反応進行に甚大な影響を及ぼす、あるいは、シリカを主成分とする触媒担体自体の物性が変化することで、触媒活性への深刻なダメージに繋がる、などが推定される。しかし、このような触媒活性へ悪影響する因子が各々の不純物元素群によって異なるため、影響度合いを抑えるべく、触媒担体中の各々の不純物元素群の存在量を低い濃度範囲に抑制することが重要である。
触媒担体の製造工程で不純物が入らないような工夫が可能な担体であれば、製造中に不純物が混入しないような施策を施すことが好ましい。一般にシリカの製造方法は、乾式法と湿式法に大別される。乾式法としては燃焼法、アーク法等、湿式法としては沈降法、ゲル法等があり、いずれの製造方法でも触媒担体を製造することは可能である。しかしながら、ゲル法を除く上記方法では触媒担体を球状に成形することが技術的、経済的に困難である為、シリカゾルを気体媒体中又は液体媒体中で噴霧させて容易に球状に成形することが可能であるゲル法にて製造することが望ましい。
上記ゲル法にてシリカを主成分とする担体を製造する際には、通常多量の洗浄水を用いるが、工業用水等の不純物を多く含んだ洗浄水を用いると、担体中に多量の不純物が残留することになり、上述したように、触媒の活性が大幅に低下して好ましくない。しかし、この洗浄水として不純物の含有率が低い、あるいはイオン交換水などの不純物を全く含まないものを用いることで、不純物含有量の少ない良好なシリカ担体を得ることが可能となる。この場合、洗浄水中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の含有量は600ppm以下とすることが好ましく、これを上回ると、シリカを主成分とする担体中の不純物含有量が多くなり、調製後の触媒の活性が大きく低下するため好ましくない。洗浄水に酸性の水溶液を用いる場合にも同様な理由で、酸性の水溶液中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の含有量は600ppm以下とすることが好ましい。不純物量を低減する観点からは理想的にはイオン交換水の使用が好ましく、イオン交換水を得るためには、イオン交換樹脂等を用いて製造してもよいが、シリカ担体の製造ラインにて規格外品として発生するシリカゲルを用いてイオン交換を行い、製造することも可能である。
原理的に、洗浄水中の不純物をシリカが補足するのは、シリカ表面のシラノール中水素と、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオン等の不純物イオンとがイオン交換することによる。よって、少々不純物を含んだ洗浄水であっても、洗浄水のpHを低めに調整することで、不純物の補足をある程度防ぐことが可能となり、触媒の活性低下を抑制することができる。また、イオン交換量(不純物混入量)は用いる洗浄水の量に比例するため、洗浄水量を低減すること、換言すれば水洗終了までの水の使用効率を上げることでも、シリカ担体中の不純物量の低減が可能となる。
触媒担体の物理的、化学的特性を大きく変化させずに、水による洗浄、酸による洗浄、アルカリによる洗浄等の前処理を施すことで、シリカを主成分とする担体中の不純物を低下させることができる場合には、これらの前処理が触媒の活性向上に極めて有効である。
例えば、シリカを主成分とする担体の洗浄には、硝酸、塩酸、酢酸等の酸性水溶液にて洗浄することや、上記のようにイオン交換水にて洗浄することが特に効果的である。これらの酸による洗浄処理の後に、酸の一部が担体中に残留することが障害となる場合には、イオン交換水等の清浄な水で更に洗浄するのが効果的である。
また、シリカを主成分とする担体の製造においては、粒子強度向上、表面シラノール基活性向上などを目的とした焼成処理がよく行われる。しかしながら、担体中の不純物が比較的多い状態で、焼成を行うと、シリカを主成分とする担体を洗浄して不純物濃度を低下させる際に、シリカ骨格内に不純物元素が取り込まれて、不純物含有量を低減させることが困難となる。よって、シリカを主成分とする担体を洗浄して不純物濃度を低下させたい場合には、未焼成シリカゲルを用いることが好ましい。
さらに、本実施形態で製造される触媒は、主にスラリー床で好適に用いることができる。すなわち、本実施形態によって製造した触媒を用いて、スラリー床によって合成ガスから炭化水素を製造する場合、相当高い原料ガス空塔速度(0.1m/秒以上)で運転することが多く、触媒粒子が反応中に激しく衝突するため、触媒が、凹凸部が存在するような形状の場合には、触媒が破損して微粉が発生することになり、生成するF−T油と触媒との分離が著しく困難になることが懸念される。そのため、ここで用いる触媒の形状は球状がより好ましい。つまり、触媒を製造する際の触媒担体は、球状のシリカ(球状シリカ)を用いることが好ましい。触媒や触媒担体の球状の度合を評価する指標として、例えば、円形度と呼ばれる、粒子を画像解析した際の二次元画像における面積と周囲長を元に数値で表現する、形状の複雑さを測る指標などを用いることもできる。本実施形態の合成ガスから炭化水素を製造する際に用いる触媒の円形度は0.7以上が好ましい。また、本実施形態に係る球状シリカとは、この円形度が0.5以上のシリカと定義する。また、0.7以上、更には、0.8以上が好ましい。
触媒の活性、特にF−T合成反応時の触媒の活性を向上する観点からは、金属の分散度を高く保ち、さらに、担持した活性金属の反応に寄与する効率を向上させるためには、高比表面積の担体を使用することが好ましい。しかし、担体の比表面積を大きくするためには、気孔径を小さくする、細孔容積を大きくする必要があるものの、この二つの要因を増大させると、耐摩耗性や強度が低下することになり、好ましくない。担体の物理性状としては、細孔径が8〜50nm、比表面積が80〜550m/g、細孔容積が0.2〜2.0mL/gを同時に満足するものが、触媒用の担体として好適である。細孔径が8〜30nm、比表面積が100〜400m/g、細孔容積が0.2〜0.9mL/gを同時に満足するものであればより好ましく、細孔径が8〜20nm、比表面積が150〜350m/g、細孔容積が0.3〜0.8mL/gを同時に満足するものであれば更に好ましい。特にスラリー床では触媒の強度が必要となることから、細孔容積は0.3〜0.6mL/gであることが特に好ましい。上記の比表面積はBET法で、細孔容積は水銀圧入法や水滴定法で測定することができる。また、細孔径はガス吸着法や水銀ポロシメーターなどによる水銀圧入法で測定可能であるが、比表面積、細孔容積から計算で求めることもできる。
F−T合成反応に十分な活性を発現する触媒を得るためには、触媒担体の比表面積は80m/g以上であることが必要である。この比表面積を下回ると、担持した金属の分散度が低下してしまい、活性金属の反応への寄与効率が低下するため好ましくない。また、比表面積を550m/g超とすると、細孔容積と細孔径が上記範囲を同時に満足することが困難となり好ましくない。そのため、触媒担体の比表面積は80〜550m/gとすることが好ましい。
触媒担体の細孔径を小さくするほど比表面積を大きくすることが可能となるが、8nmを下回ると、細孔内のガス拡散速度が水素と一酸化炭素では異なり、細孔の奥へ行くほど水素分圧が高くなるという結果を招き、F−T合成反応では副生成物といえるメタン等の軽質炭化水素が、多量に生成することになるため、好ましくない。加えて、生成した炭化水素の細孔内拡散速度も低下し、結果として、見かけの反応速度を低下させることとなり、好ましくない。また、一定の細孔容積で比較を行うと、細孔径が大きくなるほど比表面積が低下するため、細孔径が50nmを超えると、比表面積を増大させることが困難となり、活性金属の分散度が低下してしまうため、好ましくない。そのため、触媒担体の細孔径は8〜50nmとすることが好ましい。
触媒担体の細孔容積は0.2〜1.2mL/gの範囲内にあるものが好ましい。細孔容積が0.2mL/gを下回るものでは、細孔径と比表面積が上記範囲を同時に満足することが困難となり好ましくなく、また、細孔容積が1.2mL/gを上回る値とすると、強度が低下してしまうため、好ましくない。
前述したように、スラリー床を用いたF−T合成反応用の触媒(F−T合成触媒)には、耐摩耗性、強度が要求される。また、F−T合成反応では、多量の水が副生するために、水の存在下で破壊、粉化するような触媒又は担体を用いると、前述したような不都合が生じることになるために注意を要する。よって、予亀裂が入っている可能性が高く、鋭角な角が折損、剥離し易い破砕状の担体ではなく、球状の担体を用いた触媒が好ましい。球状の担体を製造する際には、一般的なスプレードライ法等の噴霧法を用いればよい。特に、20〜250μm程度の粒径の球状シリカ担体を製造する際には、噴霧法が適しており、耐摩耗性、強度、耐水性に優れた球状シリカ担体が得られる。
このようなシリカ担体の製造法を以下に例示する。
珪酸アルカリ水溶液と酸水溶液とを混合し、生成させたシリカゾルを、空気等の気体媒体中又は前記ゾルと不溶性の有機溶媒中へ噴霧してゲル化させ、次いで、酸処理、水洗、乾燥する。ここで、珪酸アルカリとしては珪酸ソーダ水溶液が好適で、NaO:SiOのモル比は1:1〜1:5、シリカの濃度は5〜30質量%が好ましい。用いる酸としては、硝酸、塩酸、硫酸、有機酸等が使用できるが、製造する際の容器への腐食を防ぎ、有機物が残留しないという観点からは、硫酸が好ましい。酸の濃度は1〜10mol/Lが好ましく、この範囲を下回るとゲル化の進行が著しく遅くなり、また、この範囲を上回るとゲル化速度が速過ぎてその制御が困難となり、所望の物性値を得ることが難しくなるため、好ましくない。また、ゲル化させる際に有機溶媒中へ噴霧する方法を採用する場合には、有機溶媒として、ケロシン、パラフィン、キシレン、トルエン等を用いることができる。
以上述べたようなシリカを主成分とする担体、触媒活性種ならびに助触媒を用いて触媒を製造することにより、副生する水の分圧が高い条件下でも活性低下の小さいかつ安定性の高い触媒を得ることが可能となる。
高い水分圧条件下にて活性低下が大きい触媒担体で製造した触媒では、活性種であるコバルト金属が酸化したり凝集・合体することで、活性低下が生じると推定される。一方、本発明による、副生する水の分圧が高い条件下でも活性低下の小さい触媒を使用すると、コバルト金属の酸化、凝集・合体による活性表面積の低下を抑制することが可能になると考えられる。
また、本実施形態による製造方法によって製造した触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造すれば、副生水による触媒活性の低下が非常に小さく、高い触媒活性を長期間発揮することができるために、副生水の分圧が非常に高くなる条件下、特にワンパスCO転化率が60〜95%という条件下でも良好なF−T合成反応を安定して行うことができる。ここでいうワンパスCO転化率とは、反応器から排出される未反応原料ガスを含むガスを再度反応器に供給するものとは異なり、原料ガスを反応器に一度通すのみでCOの転化率を求めたものである。ワンパスCO転化率が40〜60%の比較的低い場合でも、副生水による活性低下が非常に小さいため触媒寿命が長くなり、触媒コストを低減することが可能となる。ワンパスCO転化率が40%未満になるとテールガスリサイクル設備の設備コストが増大するため、40%以上で操業することが一般的である。
また、スラリー床は、原料ガスの吹き込みによって反応器内部を流動・循環させる運転方式であるが、実機規模の大型反応器では反応器内に流動の滞留域が存在する場合があり、このような滞留域では触媒付近の原料ガス、副生水等の生成物の攪拌が不十分となる。即ち、局所的に水分圧が高い領域が形成されることとなり、水分圧が高い条件下で活性低下する触媒では、触媒活性種であるコバルト金属の状態変化を生じ易くなる。
一方、本実施形態による製造方法によって製造した触媒を用いて、合成ガスから炭化水素を製造することにより、前述のようなスラリー床で発生する流動の滞留域でも触媒の構造破壊による活性低下が生じ難く、また長寿命の触媒を用いているため、高効率かつ低コストでF−T合成反応を行うことができ、安定して炭化水素を製造することが可能となる。
なお、本実施形態の炭化水素の製造方法で使用する合成ガスには、水素と一酸化炭素の合計が全体の50体積%以上であるガスが生産性の面から好ましく、特に、水素と一酸化炭素のモル比(水素/一酸化炭素)が0.5〜4.0の範囲であることが望ましい。これは、水素と一酸化炭素のモル比が0.5未満の場合には、原料ガス中の水素の存在量が少な過ぎるため、一酸化炭素の水素化反応(FT合成反応)が進み難く、液状炭化水素の生産性が高くならないためであり、一方、水素と一酸化炭素のモル比が4.0を超える場合には、原料ガス中の一酸化炭素の存在量が少な過ぎるため、触媒活性に関わらず液状炭化水素の生産性が高くならないためである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実施例1)
ジルコニウム前駆体として硝酸酸化ジルコニウム二水和物を用い、ジルコニウム濃度として17%となるように純水に混合しジルコニウム前駆体溶液を得た。この水溶液を用いて、比表面積が210m/g、細孔径が15nm、細孔容積が0.5mL/gであって、アルカリ金属のナトリウムが700ppm、アルカリ土類金属のカルシウムが270ppm、マグネシウムが130ppm、アルミニウムが20ppm、鉄が20ppm(表1のRUN No.1)含まれた平均粒径100μmの球状(円形度0.8)のシリカ(シリカに不可避的不純物を含有するもの)の担体上に、インシピエントウェットネス法でZr担持量が6質量%となるように担持した。ここで、Zr担持量とは、Zr金属質量/(シリカ質量+Zr金属質量)で計算される。その後、空気雰囲気下で120℃で一晩乾燥後、400℃まで昇温して焼成しジルコニウム担持球状シリカを製造した。
引き続いて、コバルト前駆体として硝酸コバルト六水和物を用い、コバルト濃度として16%となるように純水に混合しコバルト前駆体溶液を得た。この水溶液に、1mol/Lのアンモニア水溶液を混合して、コバルト前駆体溶液のpHが6.0となるように調整した。この水溶液を用いて、上記で調製したジルコニウム担持球状シリカの上に、インシピエントウェットネス法でCo担持量が30質量%となるように担持した。ここで、Co担持量とは、Co金属質量/(シリカ質量+Co金属質量+Zr金属質量)で計算される。その後、空気雰囲気下で120℃で一晩乾燥後、400℃まで昇温して焼成した。
該焼成物を、水素気流下、400℃で10時間保持して還元を行った後、安定化処理として、室温、空気雰囲気下でコバルト粒子の表層をパッシベーション処理することにより、触媒を調製した。
尚、触媒中の、ナトリウム以外のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム以外のアルカリ土類金属の含有量は、いずれも10ppm未満と少ないため、表1中の担体中アルカリ金属濃度、及び、担体中アルカリ土類金属濃度には、記載しない。
次に、内容積300mLのオートクレーブを用い、2gの該触媒と50mLのn−C16(n−ヘキサデカン)を仕込んだ後、2.0MPa−G、W(触媒質量)/F(合成ガス流量)=3(g・h/mol)の条件下で合成ガス(H/CO=2.0(モル比))を流通させて、撹拌子を800min−1で回転させながら、CO転化率が70%程度となるように反応温度を調整し、F−T合成反応を行った。
反応開始より20h経過した時点で、撹拌を停止して1h保持した後、再度撹拌子を800min−1で回転させながら7h保持した。その後、撹拌停止して1h保持、撹拌を再開して7h保持を繰り返し、これら操作を試験中に6回実施した。6回目の撹拌停止状態より撹拌を800min−1で再開後、同様に7h保持して反応を停止した。反応中は供給ガス及びオートクレーブ出口ガスの組成をガスクロマトグラフィーにより求め、CO転化率を得た。
以下の実施例に記載したCO転化率は次に示す式により算出した。
Figure 0006858109
撹拌停止中には反応器内は混合状態では無くなり、触媒粒子は底部に沈降する。触媒の活性金属であるコバルト金属上ではF−T合成反応が進行し、炭化水素と共に水が副生する。副生した水は撹拌状態であれば還元性の原料ガスと直ちに混合するため、活性金属近傍の局所的な水分圧は高くないが、撹拌停止中には活性金属近傍に水が滞留することになり、局所的な水分圧は高くなる。このような状況下、活性金属であるコバルト金属は酸化や、凝集・合体が進行し易くなる。
撹拌停止操作を6回繰り返す前後のCO転化率、すなわち、反応開始より20h経過後に撹拌を停止した時点のCO転化率(20h時点のCO転化率)と、撹拌と停止の各操作を6回繰り返した後のCO転化率(撹拌停止を6回繰り返した後のCO転化率)とを比較し、時間経過によるCO転化率の変動(触媒活性の変動)の度合活を比較することで副生する水の分圧が高い条件下での触媒の耐性を比較することが可能である。また、本評価手法により、実プラントでの通常操業における約20,000hrに相当する期間の挙動を模擬することが可能となる。尚、時間経過による触媒活性の変動の割合である活性保持率は以下の式により算出した。この活性保持率が高い触媒である程、活性の低下が抑制された触媒であると言え、副生する水の分圧が高い条件下での耐性が高く、長期間に亘って連続的に使用可能な触媒であると評価できる。
Figure 0006858109
本実施例1では、上記の方法によって213℃でF−T合成反応を行った結果、20h時点でのCO転化率は70.4%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は62.0%、活性保持率は88.1%であった。
(実施例2)
コバルト前駆体溶液のpHが5.0となるように調整する他は実施例1と同様にして触媒を調製し(表1のRUN No.2)、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は69.9%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は61.0%、活性保持率は87.3%であった。
(実施例3)
コバルト前駆体溶液のpHが4.0となるように調整する他は実施例1と同様にして触媒を調製し(表1のRUN No.3)、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は69.6%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は59.6%、活性保持率は85.6%であった。
(実施例4)
コバルト前駆体溶液のpHが7.3となるように調整する他は実施例1と同様にして触媒を調製し(表1のRUN No.4)、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は70.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は61.7%、活性保持率は88.0%であった。
(実施例5)
表1のRUN No.5に示すような触媒担体でpHが6.5のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は63.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は45.7%、活性保持率は72.5%であった。
(実施例6)
表1のRUN No.6に示すような触媒担体でpHが6.6のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した。ここで担体にはアルカリ土類金属としてのカルシウムが1260ppm、マグネシウムが140ppm含まれていた。その結果、20h時点でのCO転化率は62.0%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は44.2%、活性保持率は71.3%であった。
(実施例7)
表1のRUN No.7に示すような触媒担体でpHが7.1のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した。ここで担体にはアルカリ土類金属としてのカルシウムが300ppm、マグネシウムが900ppm含まれていた。その結果、20h時点でのCO転化率は63.8%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は45.9%、活性保持率は72.0%であった。
(実施例8)
表1のRUN No.8に示すような触媒担体でpHが6.1のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は64.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は46.5%、活性保持率は72.5%であった。
(実施例9)
表1のRUN No.9に示すような触媒担体でpHが6.4のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は65.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は47.1%、活性保持率は72.3%であった。
(実施例10)
コバルト担持量を20質量%とする他は実施例1と同様にして触媒を調製し、反応温度を220℃とする他は実施例1と同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は70.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は61.1%、活性保持率は87.1%であった。
(実施例11)
コバルト担持量を10質量%とする他は実施例1と同様にして触媒を調製し、反応温度を222℃とする他は実施例1と同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は69.5%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は60.0%、活性保持率は86.3%であった。
(実施例12)
コバルト担持量を40質量%とする他は実施例1と同様にして触媒を調製し、反応温度を208℃とする他は実施例1と同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は69.8%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は60.0%、活性保持率は86.8%であった。
(実施例13)
表1のRUN No.10に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は70.3%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は61.7%、活性保持率は87.8%であった。
(実施例14)
表2のRUN No.11に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は69.9%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は60.1%、活性保持率は86.0%であった。
(実施例15)
表2のRUN No.12に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は68.2%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は55.5%、活性保持率は81.4%であった。
(実施例16)
表2のRUN No.13に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は67.0%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は52.9%、活性保持率は78.9%であった。
(実施例17)
表2のRUN No.14に示すような触媒担体でpHが7.3のコバルト前駆体溶液を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は63.1%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は45.7%、活性保持率は72.4%であった。
(実施例18)
表1のRUN No.1に示すシリカ担体に、比表面積150m/g、細孔径10nm、細孔容積0.3nmの物性を有し、アルカリ金属が200ppm、アルカリ土類金属が50ppm、アルミニウムが10ppm、鉄が15ppmを含む円形度が0.8で平均粒径が約120μmのアルミナ担体を10質量%混合した担体を用いる他は全て実施例1と同様に触媒を調製し、活性評価を行った。20h時点でのCO転化率は65.8%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は48.9%、活性保持率は74.3%であった。
(実施例19)
表2のRUN No.15に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は65.0%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は42.5%、活性保持率は65.4%であった。
(実施例20)
表2のRUN No.16に示すような触媒担体を用いる他は実施例1と同様にして触媒を調製、反応温度を223℃にする他は同一の手法で反応評価した結果、20h時点でのCO転化率は67.9%、6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は43.5%、活性保持率は64.1%であった。
(比較例1)
不純物としてのナトリウムが2000ppm、カルシウムが350ppm、マグネシウムが100ppmである他は、表面物性が実施例1とほぼ同じシリカ担体を用い、コバルト前駆体溶液の調整、担持、焼成、還元、パッシベーションを実施例1と同様にして調製した。本触媒を用い、実施例1と同様に反応評価した結果、221℃で反応を行ったところ20h時点でのCO転化率は58.8%であった。6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は16.8%であり、活性保持率は28.5%と、活性保持率が低かった。
(比較例2)
酢酸コバルト溶液に硝酸アンモニウムを加えた前駆体溶液を用いる他は全て実施例1と同様にして触媒を調製した。尚、該溶液のpHは3.4であった。本触媒を用い、実施例1と同様に反応評価した結果、228℃で反応を行ったところ20h時点でのCO転化率は50.2%であった。6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は25.8%であり、活性保持率は51.4%となり、触媒活性も低く、活性保持率も低かった。
(比較例3)
硝酸コバルト六水和物を用い、コバルト濃度として16%となるように溶解させた溶液(pHは1.1)を用いる他は、全て実施例1と同じように触媒を調製した。本触媒を用いて実施例1と同様に反応評価した結果、214℃で反応を行ったところ20h時点でのCO転化率は69.4%であった。6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は35.3%であり、活性保持率は50.9%と、活性保持率が低かった。
(比較例4)
硝酸コバルト六水和物を用い、コバルト濃度として16%となるように溶解させた溶液(pHは1.1)を用い、比較例1と同じ触媒担体を用いる他は、全て実施例1と同じように触媒を調製した。本触媒を用いて実施例1と同様に反応評価した結果、223℃で反応を行ったところ20h時点でのCO転化率は63.0%であった。6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は19.3%であり、活性保持率は30.6%と、活性保持率が低かった。
(比較例5)
pHが8.2となるまでアンモニア水溶液を混合する他は実施例1と同様にしてコバルト前駆体溶液を調製した。アンモニア水溶液を混合する過程で、硝酸コバルト水溶液の透明な液体の中に白濁成分が現れた。これは、溶液中のコバルト成分が水酸化物を形成し溶解しきれずに沈殿を起こしたものである。この状態のコバルト前駆体溶液を用いて、その他は全て実施例1と同じように触媒を調製し、実施例1と同様に反応評価した結果、227℃で20h反応したところCO転化率は62.4%であった。6回の撹拌停止操作を繰り返した後のCO転化率は12.0%にとどまり、活性保持率は19.2%と、活性保持率が低かった。
Figure 0006858109
Figure 0006858109

Claims (5)

  1. アルカリ金属及びアルカリ土類金属のそれぞれの含有量が質量割合で1500ppm以下であるシリカを主成分とする触媒担体に、ジルコニウムの前駆体溶液を使用して、含浸法によりジルコニウム成分を担持する工程と、
    前記ジルコニウム成分が担持された触媒担体に、pHが4.0〜7.3の範囲である硝酸コバルトの前駆体溶液を使用して、含浸法によりコバルト成分を担持する工程と、
    を有することを特徴とする合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  2. 前記シリカを主成分とする触媒担体は、アルミニウムと鉄のそれぞれの含有量が質量割合で10ppm〜1500ppmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  3. 前記シリカを主成分とする触媒担体は、細孔径が8〜50nm、比表面積が80〜550m/g、及び、細孔容積が0.2〜2.0mL/gであることを特徴とする請求項1または2に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  4. 前記シリカを主成分とする触媒担体は、球状のシリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成ガスから炭化水素を製造する触媒の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法にて製造した触媒を用いて、スラリー床でのフィッシャー・トロプシュ反応により、合成ガスから炭化水素を製造する方法。
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