JP2019100279A - 内燃機関のオイル循環装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱部からオイルが供給されるオイル被供給部の通油抵抗が高いときに、加熱部を通過するオイルの流量が低下することを抑制する。【解決手段】内燃機関100のオイル循環装置1、1’は、オイルを貯留する高温側オイルパン41と、高温側オイルパンから供給されたオイルを加熱する加熱部44と、加熱部からオイルが供給される高温側オイル被供給部43と、加熱部から供給されるオイルの一部を高温側オイル被供給部からバイパスさせるバイパス油路47とが設けられ、高温側オイルパンと加熱部と高温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる高温側オイル循環路40と、オイルを貯留する低温側オイルパン31と、低温側オイルパン内のオイルが供給される低温側オイル被供給部33とが設けられ、低温側オイルパンと低温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる低温側オイル循環路30とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は内燃機関のオイル循環装置に関する。
内燃機関のいくつかの構成部材(クランクジャーナル等)には、内燃機関の運転中にオイル循環装置によってオイルが供給される。オイル循環装置は、オイルを貯留するオイルパンと、オイルが供給されるオイル被供給部との間でオイルを循環させる。
特許文献1には、早期にオイル被供給部の機械抵抗を低下させて内燃機関の燃費を改善するために、排気ガスの熱を利用して、オイル被供給部に供給されるオイルを昇温させることが記載されている。具体的には、内燃機関の暖機運転中に、オイルの一部を排気ポート近傍の油路に流すことで、排気ポート内の高温の排気ガスによってオイルを加熱する。
特開2012−137016号公報 特開昭62−174517号公報 実開平4−111505号公報
しかしながら、特許文献1に記載のオイル循環装置では、内燃機関の暖機運転中に、排気ポート近傍の油路に供給されるオイルと、排気ポート近傍の油路を通らずに各オイル被供給部に供給されるオイルとが同一のオイルパン(インナオイルパン)に戻される。このため、加熱された少量のオイルと、加熱されていない大量のオイルとがオイルパン内で混ざるため、オイル全体を効果的に昇温させることができない。
これに対して、本願の発明者は、各オイル被供給部におけるオイルの温度と機械抵抗との関係に着目し、内燃機関の燃費を改善するために必ずしも全てのオイル被供給部に高温のオイルを供給する必要はないことを見出した。この知見に基づいて、本願の発明者によって発案されたオイル循環装置では、加熱部によって加熱されたオイルを一部のオイル被供給部に供給するように構成された高温側オイル循環路と、加熱部によって加熱されないオイルを残りのオイル被供給部に供給するように構成された低温側オイル循環路とが別個に設けられる。この結果、内燃機関の暖機運転中に高温側オイル循環路内のオイルを迅速に昇温させることができ、ひいては内燃機関の燃費を改善することができる。
しかしながら、加熱部からオイルが供給されるオイル被供給部における通油抵抗が高いと、加熱部を通過するオイルの流量が低下し、オイルの昇温が抑制される。例えば、オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなるので、オイル被供給部における通油抵抗が高くなる。
そこで、上記課題に鑑みて、本発明の目的は、加熱部からオイルが供給されるオイル被供給部の通油抵抗が高いときに、加熱部を通過するオイルの流量が低下することを抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、オイルを貯留する高温側オイルパンと、該高温側オイルパンから供給されたオイルを加熱する加熱部と、該加熱部からオイルが供給される高温側オイル被供給部と、該加熱部から供給されるオイルの一部を該高温側オイル被供給部からバイパスさせるバイパス油路とが設けられ、前記高温側オイルパンと前記加熱部と前記高温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる高温側オイル循環路と、オイルを貯留する低温側オイルパンと、該低温側オイルパン内のオイルが供給される低温側オイル被供給部とが設けられ、前記低温側オイルパンと前記低温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる低温側オイル循環路とを備える、内燃機関のオイル循環装置が提供される。
本発明によれば、加熱部からオイルが供給されるオイル被供給部の通油抵抗が高いときに、加熱部を通過するオイルの流量が低下することを抑制することができる。
図1は、本発明の第一実施形態に係るオイル循環装置を備える内燃機関の概略的な側面断面図を示す。 図2は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関のオイル循環装置の構成を概略的に示す図である。 図3は、オイル循環装置の構成の具体例を示す図である。 図4は、本発明の第二実施形態に係る内燃機関のオイル循環装置の構成を概略的に示す図である。 図5は、オイルの温度と流量制御弁の開度との関係を示すマップである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
最初に、図1〜図3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
<内燃機関の構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係るオイル循環装置を備える内燃機関100の概略的な側面断面図を示す。図1に示したように、内燃機関100は、クランクケース2、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、ピストン5、及び燃焼室6を備える。シリンダブロック3はクランクケース2上に配置される。シリンダヘッド4はシリンダブロック3上に配置される。ピストン5はシリンダブロック3内に形成されたシリンダ内で上下に往復運動する。燃焼室6はシリンダヘッド4、シリンダ及びピストン5によって画定される。
シリンダヘッド4には、燃焼室6の頂面中央部に配置されて燃焼室6内の混合気に点火する点火プラグ7と、燃焼室6内に燃料を噴射する燃料噴射弁8とが設けられる。
また、シリンダヘッド4には、吸気ガスが流通する吸気ポート10が形成され、吸気ポート10を開閉する吸気弁11が設けられる。吸気弁11の上方端部は吸気ロッカーアーム12の一方の端部に接するように配置される。吸気ロッカーアーム12は、その他方の端部が吸気ラッシュアジャスタ13に接すると共に、その中央部が吸気カム14と接するように配置される。吸気ラッシュアジャスタ13は吸気弁11のバルブクリアランスがゼロになるように吸気ロッカーアーム12を付勢する。
吸気カム14は、吸気カムシャフト15に固定されており、吸気カムシャフト15の回転に伴って回転する。吸気カムシャフト15は、シリンダヘッド4に形成された軸受(図示せず)に支持され、この軸受内で回転する。本実施形態では、吸気カムシャフトを支持する軸受は滑り軸受であり、吸気カムシャフト15に設けられた吸気カムジャーナルがこの軸受内で回転する。
吸気カムシャフト15が回転するとこれに伴って吸気カム14が回転し、これにより吸気ロッカーアーム12が吸気カム14によって押される。吸気ロッカーアーム12は、このように吸気カム14に押されることにより、吸気ラッシュアジャスタ13に接した端部を支点として下方に揺動する。これにより吸気弁11が開弁せしめられる。
また、本実施形態では、吸気カムシャフト15の端部には吸気可変バルブタイミング機構(VVT機構)が設けられる。このVVT機構は、タイミングベルトによって駆動される吸気カムプーリと吸気カムシャフトとの相対角度を油圧により変更することによって吸気弁11のバルブタイミングを変更する。VVT機構は、オイルコントロールバルブ(OCV)に接続されており、このOCVによりVVT機構に供給する油圧を制御することによって吸気弁11のバルブタイミングが制御される。
加えて、シリンダヘッド4には、排気ガスが流通する排気ポート20が形成され、排気ポート20を開閉する排気弁21が設けられる。排気弁21の上方端部は排気ロッカーアーム22の一方の端部に接するように配置される。排気ロッカーアーム22は、その他方の端部が排気ラッシュアジャスタ23に接すると共に、その中央部が排気カム24と接するように配置される。排気ラッシュアジャスタ23は排気弁21のバルブクリアランスがゼロになるように排気ロッカーアーム22を付勢する。
排気カム24は、排気カムシャフト25に固定されており、排気カムシャフト25の回転に伴って回転する。排気カムシャフト25は、シリンダヘッド4に形成された軸受(図示せず)に支持され、この軸受内で回転する。本実施形態では、排気カムシャフト25を支持する軸受は滑り軸受であり、排気カムシャフト25に設けられた排気カムジャーナルがこの軸受内で回転する。なお、排気カムシャフトの端部にも排気可変バルブタイミング機構が設けられてもよい。
ピストン5は、コンロッド28を介してクランクシャフト26に連結される。コンロッド28は、一方の端部においてピストンピン29に連結されると共に、他方の端部においてクランクシャフト26のクランクピン27に連結される。コンロッド28は、ピストン5の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換するようにピストンピン29及びクランクピン27に連結される。
クランクシャフト26は、シリンダブロック3に形成された軸受(図示せず)に支持され、この軸受内で回転する。本実施形態では、クランクシャフト26を支持する軸受は滑り軸受であり、クランクシャフト26に設けられたクランクジャーナルがこの軸受内で回転する。なお、本実施形態では、クランクシャフト26用の軸受は、シリンダブロック3に形成されているが、シリンダブロック3とクランクケース2の両方それぞれに半体が設けられるように形成されてもよい。
<オイル循環装置の構成>
図2は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関100のオイル循環装置1の構成を概略的に示す図である。オイル循環装置1は、内燃機関100に設けられた一部の部品を潤滑、冷却又は作動すべく、対象部品にオイルを供給する。オイル循環装置1は、内燃機関100の暖機運転中にオイルを迅速に昇温させるように構成された高温側オイル循環路40と、内燃機関の暖機と共にオイルを緩やかに昇温させるように構成された低温側オイル循環路30とを備える。高温側オイル循環路40及び低温側オイル循環路30は互いから独立してオイルを循環させる。
低温側オイル循環路30には、オイルを貯留する低温側オイルパン31と、低温側オイルパン31からオイルを汲み上げる低温側オイルポンプ32と、低温側オイルパン31内のオイルが供給される低温側オイル被供給部33とが設けられる。低温側オイル循環路30は低温側オイルパン31と低温側オイル被供給部33との間でオイルを循環させる。
図1に示されるように、低温側オイルパン31は、クランクケース2の下方の開口全面を覆うようにクランクケース2に直接取り付けられる。低温側オイルポンプ32は、オイル中の異物を除去する低温側オイルストレーナ(図示せず)を通して低温側オイルパン31内のオイルを汲み上げる。低温側オイルポンプ32は低温側オイルパン31内のオイルを低温側オイル被供給部33に供給する。低温側オイルポンプ32は機械式オイルポンプ又は電動式オイルポンプである。機械式オイルポンプはクランクシャフト26の回転によって駆動され、電動式オイルポンプはバッテリから供給される電力によって駆動される。
低温側オイルポンプ32と低温側オイル被供給部33とを接続する低温側油路35には、低温側オイルポンプ32によって昇圧された高圧のオイルが流れる。低温側オイル被供給部33に供給されたオイルは、大気に開放され、重力によって低温側オイルパン31に落下する。したがって、低温側オイルパン31から低温側オイル被供給部33に供給されたオイルは再び低温側オイルパン31に戻される。なお、低温側油路35に、オイル中の微小な異物を除去する低温側オイルフィルタが設けられてもよい。
高温側オイル循環路40には、オイルを貯留する高温側オイルパン41と、高温側オイルパン41からオイルを汲み上げる高温側オイルポンプ42と、高温側オイルパン41から供給されたオイルを加熱する加熱部44と、加熱部44からオイルが供給される高温側オイル被供給部43とが設けられている。高温側オイル循環路40は高温側オイルパン41と加熱部44と高温側オイル被供給部43との間でオイルを循環させる。
高温側オイルパン41は低温側オイルパン31の内側に配置される。言い換えれば、低温側オイルパン31は高温側オイルパン41を囲むように配置される。高温側オイルパン41の容積は低温側オイルパン31の容量よりも小さく、高温側オイルパン41に貯留されるオイルの量は、低温側オイルパン31に貯留されるオイルの量よりも少ない。このことによって、高温側オイル循環路40内のオイルの昇温を促進することができる。
なお、高温側オイルパン41及び低温側オイルパン31の構成は上記に限定されない。例えば、高温側オイルパン41は低温側オイルパン31に隣接するように配置されてもよい。この場合、高温側オイルパン41は低温側オイルパン31の外側に配置される。また、高温側オイルパン41の容積が低温側オイルパン31の容量よりも大きく、高温側オイルパン41に貯留されるオイルの量が、低温側オイルパン31に貯留されるオイルの量よりも多くてもよい。
高温側オイルポンプ42は、オイル中の異物を除去する高温側オイルストレーナ(図示せず)を通して高温側オイルパン41内のオイルを汲み上げる。高温側オイルポンプ42は高温側オイルパン41内のオイルを加熱部44に供給する。また、高温側オイルポンプ42は高温側オイルパン41内のオイルを加熱部44を介して高温側オイル被供給部43に供給する。
高温側オイルポンプ42は低温側オイルポンプ32と同様に機械式オイルポンプ又は電動式オイルポンプである。なお、本実施形態では、高温側オイルポンプ42と低温側オイルポンプ32とは、別体のポンプであるが、一体的な一つのオイルポンプであってもよい。この場合、例えば、一つのオイルポンプの中に油路が互いに独立した二つのポンプ機構が設けられ、これら二つのポンプ機構が一つの駆動シャフトによって駆動される。
加熱部44は、例えば、内燃機関100の排気通路の周りに形成された油路である。この場合、加熱部44を流れるオイルは、排気通路を流れる高温の排気ガスとの熱交換によって加熱される。また、排気ポート20には、燃焼室6から排出された直後の排気ガスが流れるため、一般的に排気ポート20内の温度は排気ポート20よりも下流側の排気通路(排気マニホルド、排気管等)よりも高くなる。このため、排気ポート20の周りに形成された第一加熱油路51を加熱部として用いることで、オイルの昇温を促進することができる。第一加熱油路51は、例えば、図1に示されるように、各シリンダに接続された排気ポート20の近傍を水平方向に延びるようにシリンダヘッド4に形成される。
また、加熱部44は、各シリンダの周りに形成された第二加熱油路52であってもよい。この場合、第二加熱油路52を流れるオイルは、混合気の燃焼によって燃焼室6で発生する熱によって加熱される。第二加熱油路52は、例えば、各シリンダの周方向において部分的に延びると共に、図1に示したように各シリンダの軸線方向にも延びるようにシリンダブロック3に形成される。
なお、加熱部44は、内燃機関100の暖機運転中にオイルを加熱することができれば、第一加熱油路51及び第二加熱油路52以外の構成であってもよい。例えば、加熱部44は、バッテリから供給される電力によって発熱するヒータであってもよい。また、加熱部44は、内燃機関100において発生した熱エネルギーを蓄える蓄熱材であってもよい。また、加熱部44は、内燃機関100において発生した振動エネルギーを熱エネルギーに変換するエネルギー変換部材であってもよい。また、高温側オイル循環路40に複数の加熱部44(例えば第一加熱油路51及び第二加熱油路52)が設けられてもよい。
加熱部44によって加熱されたオイルは高温側オイル被供給部43に供給される。高温側オイルポンプ42と加熱部44とを接続する高温側第一油路45と、加熱部44と高温側オイル被供給部43とを接続する高温側第二油路46とには、高温側オイルポンプ42によって昇圧された高圧のオイルが流れる。また、高温側第一油路45及び高温側第二油路46は、オイルの温度が低下することを抑制すべく、樹脂等の断熱材によって周囲から断熱されていることが好ましい。
高温側オイル被供給部43に供給されたオイルは、大気に開放され、重力によって高温側オイルパン41に落下する。したがって、高温側オイルパン41から高温側オイル被供給部43に供給されたオイルは再び高温側オイルパン41に戻される。なお、高温側第一油路45に、オイル中の微小な異物を除去する高温側オイルフィルタが設けられてもよい。
本実施形態では、内燃機関100において高温側オイル循環路40が低温側オイル循環路30とは別個に設けられる。このため、オイル全体の量よりも少ない量のオイルが高温側オイル循環路40内に保持されるため、加熱部44において加熱されたオイルによって高温側オイル循環路40内のオイルを迅速に昇温させることができる。また、低温側オイル被供給部33に供給されたオイルが高温側オイルパン41に戻されないため、加熱部44を通過しないオイルによって高温側オイル循環路40内のオイルの温度が低下することを防止することができる。この結果、高温側オイル循環路40内のオイルの昇温が促進される。
また、本実施形態では、高温側オイル循環路40は、高温側オイルパン41、加熱部44、高温側オイル被供給部43の順にオイルが循環するように構成されている。すなわち、高温側オイル循環路40では、加熱部44から高温側オイル被供給部43にオイルが直接供給される。このことによって、高温側オイル循環路40において最も温度が高いオイルが高温側オイル被供給部43に供給されるため、高温側オイル被供給部43に供給されるオイルを迅速に昇温させることができる。
上述したように、各オイル循環路には、オイルの供給対象であるオイル被供給部が設けられる。オイル被供給部は、オイルによって潤滑される構成部材、オイルによって冷却される構成部材、オイルによって作動される構成部材等である。高温側オイル被供給部43及び低温側オイル被供給部33はオイル被供給部の中から例えば以下のように選定される。
図1に示される内燃機関100に設けられるオイル循環装置1では、オイル被供給部は、クランクジャーナル61、クランクピン27、VVT機構81、カムジャーナル83、ラッシュアジャスタ13、23及びピストン5を含む。図3は、オイル循環装置1の構成の具体例を示す図である。図3の例では、加熱部44は、排気ポート20の周りに形成された第一加熱油路51である。
上述したように、クランクジャーナル61は、シリンダブロック3に形成された軸受内に支持され、この軸受内で回転する。オイル被供給部であるクランクジャーナル61では、クランクジャーナル61とシリンダブロック3に形成された軸受との間にオイルが供給される。この軸受は滑り軸受であることから、供給されたオイルによりクランクジャーナル61と軸受との間で流体潤滑が行われ、これにより摩擦抵抗が低減される。
クランクピン27はコンロッド28の下側端部に形成された軸受内に支持され、この軸受内で回動せしめられる。オイル被供給部であるクランクピン27では、クランクピン27とコンロッド28に形成された軸受との間にオイルが供給される。この軸受も滑り軸受であることから、供給されたオイルによりクランクピン27と軸受との間で流体潤滑が行われ、これにより摩擦抵抗が低減される。
VVT機構81では、作動油としてオイルが用いられる。VVT機構81の一方の油圧室にオイルが供給されると吸気カムシャフト15が吸気カムプーリに対して進角側に回動し、よって吸気弁11のバルブタイミングが進角せしめられる。一方、VVT機構81の他方の油圧室にオイルが供給されると吸気カムシャフト15が吸気カムプーリに対して遅角側に回動し、よって吸気弁11のバルブタイミングが遅角せしめられる。VVT機構81の各油圧室へのオイルの供給はOCV82によって制御される。したがって、OCV82に供給されたオイルは、オイル被供給部であるVVT機構81を駆動するのに用いられる。
カムジャーナル83は、吸気カムシャフト15に形成された吸気カムジャーナルと排気カムシャフト25に形成された排気カムジャーナルとを含む。上述したように、カムジャーナル83は、シリンダヘッド4に形成された軸受に支持され、この軸受内で回転する。オイル被供給部であるカムジャーナル83では、カムジャーナル83とシリンダヘッド4に形成された軸受との間にオイルが供給される。この軸受も滑り軸受であることから、供給されたオイルによりカムジャーナル83と軸受との間で流体潤滑が行われ、これにより摩擦抵抗が低減される。
吸気ラッシュアジャスタ13では、作動油としてオイルが用いられ、吸気ロッカーアーム12と吸気カム14との間にバルブクリアランスが生じるときには供給されたオイルにより吸気ラッシュアジャスタ13が押し伸ばされる。同様に、排気ラッシュアジャスタ23では、作動油としてオイルが用いられ、排気ロッカーアーム22と排気カム24との間にバルブクリアランスが生じるときには供給されたオイルにより排気ラッシュアジャスタ23が押し伸ばされる。
図1に示されるように、オイルジェット84は、各シリンダの下方においてシリンダブロック3に取り付けられ、ピストン5の内側に向かってオイルを噴射する。オイルジェット84から噴射されたオイルはピストン5の冷却を行うと共にピストンピン29とコンロッド28の上側端部に形成された軸受との間に供給される。この軸受も滑り軸受であることから、供給されたオイルによりピストンピン29と軸受との間で流体潤滑が行われ、これにより摩擦抵抗が低減される。
また、ピストン5の往復運動中には、ピストン5はピストンピン29を中心としてシリンダ内で揺動する。この結果、ピストン5の往復運動中に、ピストン5のピストンスカート5aとシリンダ壁面とは互いに接触した状態で摺動する。オイルジェット84から噴射されたオイルはシリンダの壁面にも付着するため、シリンダの壁面とピストンスカート5aとの間にオイルが供給される。したがって、供給されたオイルによりピストン5のピストンスカート5aとシリンダの壁面との間で流体潤滑が行われ、これにより摩擦抵抗が低減される。
滑り軸受を有する構造部材のような流体潤滑が行われる構造部材では、供給されるオイルの温度が低くてオイルの粘度が高いと、機械抵抗が増加し、内燃機関100の燃費が悪化する。このため、内燃機関100の燃費を改善するためには、内燃機関100が冷間始動される場合等に、流体潤滑が行われる構造部材に供給されるオイルを迅速に昇温させる必要がある。
このため、高温側オイル被供給部43は、流体潤滑が行われる構造部材の少なくとも一部、例えば滑り軸受を有する構造部材の少なくとも一部を含む。流体潤滑が行われる構成部材は、クランクジャーナル61、クランクピン27、カムジャーナル83、ピストンスカート5a(ピストン5)等である。
図3に示した例では、高温側オイル被供給部43はクランクジャーナル61及びクランクピン27を含む。クランクジャーナル61は、流体潤滑が行われる構成部材の中でも特に大きな荷重を受ける。このため、クランクジャーナル61に供給されるオイルを迅速に昇温させて機械抵抗を低減することで、顕著な燃費改善効果を得ることができる。また、流体潤滑が行われる構成部材の一部のみを高温側オイル被供給部43にすることで、高温側オイル循環路40内のオイルの量をより少なくすることができ、高温側オイル循環路40内のオイルの昇温を促進することができる。
低温側オイル被供給部33は、高温側オイル被供給部43に含まれないオイル被供給部を含む。図3に示した例では、低温側オイル被供給部33は、VVT機構81、カムジャーナル83、ラッシュアジャスタ13、23及びピストン5を含む。
なお、高温側オイル被供給部43は、流体潤滑が行われるピストンスカート5a(ピストン5)を含んでもよい。また、バランスシャフト及びターボチャージャも、滑り軸受を有し、流体潤滑が行われるオイル被供給部である。このため、内燃機関100にバランスシャフトが設けられている場合、高温側オイル被供給部43はバランスシャフトを含んでもよい。同様に、内燃機関100にターボチャージャが設けられている場合、高温側オイル被供給部43はターボチャージャを含んでもよい。
また、内燃機関100が停止すると、高温側オイルポンプ42及び低温側オイルポンプ32の作動も停止される。この結果、高温側オイル循環路40内のオイルが高温側オイルパン41に戻され、低温側オイル循環路30内のオイルが低温側オイルパン31に戻される。
本実施形態では、高温側オイルパン41及び低温側オイルパン31は、内燃機関100が停止したときに高温側オイルパン41内のオイルと低温側オイルパン31内のオイルとが混ざるように構成される。このことによって、特定のオイルのみが高温側オイル循環路40内で熱負荷を受けることを抑制することができ、熱負荷をオイル全体に分散させることができる。この結果、オイルの劣化を抑制することができる。例えば、高温側オイルパン41及び低温側オイルパン31は、内燃機関100が停止して低温側オイルパン31及び高温側オイルパン41にオイルが戻されると低温側オイルパン31及び高温側オイルパン41内のオイルが高温側オイルパン41の周壁を乗り越えるように構成される。
上述したように、本実施形態では、高温側オイル循環路40においてオイルが効果的に昇温される。しかしながら、加熱部44からオイルが供給される高温側オイル被供給部43における通油抵抗が高いと、加熱部44を通過するオイルの流量が低下し、オイルの昇温が抑制される。例えば、オイルの温度が低いときには、オイルの粘度が高くなるので、高温側オイル被供給部43における通油抵抗が高くなる。
また、加熱部44を通過するオイルの流量を増加させるために、高温側オイルポンプ42の仕事量を増加させることが考えられる。しかしながら、高温側オイルポンプ42の仕事量を増加させることは、油圧の過上昇、内燃機関100の燃費の悪化等を引き起こす。
そこで、本実施形態では、加熱部44から供給されるオイルの一部を高温側オイル被供給部43からバイパスさせるバイパス油路47が高温側オイル循環路40に設けられる。バイパス油路47は高温側第二油路46から分岐して高温側オイル被供給部43をバイパスする。バイパス油路47の一方の端部は高温側第二油路46に接続され、バイパス油路47の他方の端部は高温側オイルパン41上で大気に開放される。このため、バイパス油路47を通過するオイルは重力によって高温側オイルパン41に落下する。
バイパス油路47の通油抵抗は高温側オイル被供給部43の通油抵抗よりも低い。また、バイパス油路47を通過するオイルの流量は、高温側オイル被供給部43の通油抵抗とバイパス油路47の通油抵抗との差が大きいほど多くなる。このため、高温側オイル被供給部43の通油抵抗が高いときであっても、オイルはバイパス油路47を通って高温側オイル循環路40内で循環することができる。したがって、バイパス油路47を高温側オイル循環路40に設けることによって、高温側オイル被供給部43の通油抵抗が高いときに、加熱部44を通過するオイルの流量が低下することを抑制することができる。この結果、高温側オイル循環路40内のオイルの昇温が促進される。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る内燃機関のオイル循環装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る内燃機関のオイル循環装置の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図4は、本発明の第二実施形態に係る内燃機関のオイル循環装置1’の構成を概略的に示す図である。オイル循環装置1’は、高温側オイル循環路40内のオイルの温度を検出する油温センサ91と、バイパス油路47を通過するオイルの流量を調整する流量調整弁92と、流量調整弁を制御する制御装置とを更に備える。本実施形態では、制御装置として電子制御ユニット(ECU)90が用いられる。
ECU90は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)のようなメモリ、入力ポート、出力ポート等を備えたマイクロコンピュータである。ECU90は各種センサの出力に基づいて内燃機関100の各種アクチュエータを制御する。
油温センサ91は高温側オイル循環路40に配置される。本実施形態では、油温センサ91は、バイパス油路47よりも上流側の高温側第二油路46に配置され、加熱部44によって加熱されたオイルの温度を検出する。なお、油温センサ91は高温側オイル循環路40における他の位置(高温側第一油路45、高温側オイルパン41内等)に配置されてもよい。油温センサ91の出力は電子制御ユニット(ECU)90に送信される。
流量調整弁92はバイパス油路47に配置される。ECU90は油温センサ91の出力に基づいて流量調整弁92を制御する。具体的には、ECU90は、油温センサ91によって検出されたオイルの温度が低いほど、流量調整弁92の開度を大きくする。すなわち、ECU90は、高温側オイル循環路40内のオイルの温度が低いほど、バイパス油路47を通過するオイルの流量を増加させる。
このことによって、高温側オイル循環路40内のオイルの温度が低く、高温側オイル被供給部43の通油抵抗が高いときには、バイパス油路47を通過するオイルの流量を増加させることで、加熱部44を通過するオイルの流量が低下することを抑制することができる。この結果、高温側オイル循環路40内のオイルの昇温が促進される。一方、高温側オイル循環路40内のオイルの温度が高いときには、バイパス油路47を通過するオイルの流量を減少させることで、高温側オイル被供給部43に供給されるオイルの量を増加させることができる。この結果、高温側オイルポンプ42の仕事量を増加させることなく、高温側オイル被供給部43の高温時の信頼性を高めることができる。
ECU90は、例えば、図5に示されるようなマップを用いて、油温センサ91によって検出されたオイルの温度に基づいて流量調整弁92の開度を設定する。このマップでは、流量調整弁92の開度がオイルの温度の関数として示される。図5に実線で示したように、流量調整弁92の開度はオイルの温度が低くなるにつれて線形的に大きくされる。なお、流量調整弁92の開度は、図5に破線で示したように、オイルの温度が低くなるにつれて段階的(ステップ状)に大きくされてもよい。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
1、1’ オイル循環装置
30 低温側オイル循環路
31 低温側オイルパン
33 低温側オイル被供給部
40 高温側オイル循環路
41 高温側オイルパン
43 高温側オイル被供給部
44 加熱部
47 バイパス油路
100 内燃機関

Claims (1)

  1. オイルを貯留する高温側オイルパンと、該高温側オイルパンから供給されたオイルを加熱する加熱部と、該加熱部からオイルが供給される高温側オイル被供給部と、該加熱部から供給されるオイルの一部を該高温側オイル被供給部からバイパスさせるバイパス油路とが設けられ、前記高温側オイルパンと前記加熱部と前記高温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる高温側オイル循環路と、
    オイルを貯留する低温側オイルパンと、該低温側オイルパン内のオイルが供給される低温側オイル被供給部とが設けられ、前記低温側オイルパンと前記低温側オイル被供給部との間でオイルを循環させる低温側オイル循環路と
    を備える、内燃機関のオイル循環装置。
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