JP2019100161A - 壁面構造 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、以上のような各種の縦材は、上下階方向に真っすぐ形成された壁面や、その壁面に形成された開口部に対して用いられるものである。
そして、このような外壁面に、従来のような各種の縦材を設けた場合、上下階の境目で縦方向のラインが途切れてしまい、意匠性が良くない場合があった。
前記特定階の上下方向に隣接する隣接階は、前記特定階の外壁面よりも室内側に後退する後方外壁面(後方外壁29)を含んで構成され、
前記隣接階には、前記後方外壁面の前方に、前記特定階の外壁面に対して縦断面視で凹んだ状態となる凹部(インナーバルコニー6)が形成されており、
上下方向に延在する前記複数の縦材10A〜10Eは、前記凹部の前方を通るようにして前記隣接階側に連続して延在していることを特徴とする。
前記縦材10A〜10Eは、
前記建物1の躯体に固定されたブラケット11〜13と、
前記ブラケットに取り付けられた化粧カバー14,15と、
を備えることを特徴とする。
前記ブラケット11,12は、断面ハット型に形成されて、
前記建物1の躯体に固定された二つのフランジ部11a・11a,12a・12aと、
前記二つのフランジ部11a・11a,12a・12a間に設けられるとともに屋外側に突出し、前記化粧カバー14,15が取り付けられたウェブ11b,12b部と、
を有することを特徴とする。
また、ブラケット11,12は、断面ハット型に形成されて、二つのフランジ部11a・11a,12a・12a間に設けられるとともに屋外側に突出し、化粧カバー14,15が取り付けられたウェブ部11b,12bを有するので、ウェブ部11b,12bの内側を開放状態にすることができる。そのため、縦材10A〜10Eの内部における通気性を妨げない。
前記ウェブ部11b,12bの内側には、不燃材18が設けられているとともに通気用の隙間Sが形成されていることを特徴とする。
前記複数の縦材10A〜10E間に、屋外装置80が設けられて固定されていることを特徴とする。
前記複数の縦材10A〜10Eには、前記特定階の外壁面(外壁21)の前方に位置する第一部位151と、前記凹部(インナーバルコニー6)の前方に位置する第二部位152とで異なる断面形状に形成され、かつ、前記第一部位151の前端面と前記第二部位152の前端面とが面一に設定された縦材10B〜10Dが含まれていることを特徴とする。
前記複数の縦材10A〜10Eは、上下に分割されており、下方の部位(第一部位141,151)における上端部と、上方の部位(第二部位142,152)における下端部とが、前記ブラケット11,12によって前記建物1の躯体に固定されていることを特徴とする。
建物1は、壁や床、屋根といった建物1の構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てて構築する木質系のパネル工法で構築されるが、これに限られるものではなく、従来の軸組工法や壁式工法の木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造等の建物にも適用することができる。
図2は、このような建物1の二階部分(特定階)を示しており、図3は、建物1の三階部分(特定階の上方向に隣接する隣接階)を示している。また、本実施形態において建物1正面は、南向きとされている。
西側エリア3及び東側エリア4は、中央エリア2よりも南北方向の寸法が短く設定されている。そして、西側エリア3及び東側エリア4の少なくとも南側端部は、中央エリア2の南側端部よりも北側に後退した状態となっている。
これにより、中央エリア2における南側の外壁20は、前方(南側)に突出した位置に配置されているため、当該中央エリア2における南側の外壁20は、建物1の外観を構成する主要な立面(すなわち、正面又はファサード)として認識されやすくなる。このような当該中央エリア2における正面側の外壁20に、上記した複数の縦材10A〜10Eが設けられている。
また、中央エリア2の三階における南側には、図3に示すように、インナーバルコニー6が配設されている。さらに、インナーバルコニー6の内側には、三階ダイニングキッチン7が配設されている。
中央エリア2における南側の外壁20は、建物1の二階部分に対応する外壁21と、三階部分に対応する外壁25と、バルコニー手摺23における立ち上がり壁28aと、を含んで構成されている。
二階部分の外壁21の幅方向両端部には側壁22,23が設けられており、これら側壁22,23によって、二階ダイニングキッチン5の南側端部と屋外空間とが仕切られている。
なお、二階ダイニングキッチン5から見て、側壁22の外側(西側)には、西側エリア3に位置するインナーバルコニーが配設されている。
また、二階ダイニングキッチン5から見て、側壁23の外側(東側)は屋外空間となっている。
さらに、二階部分には、外壁21よりも更に前方に、間口方向に長尺な帯状の化粧壁24が設けられている。
三階部分の外壁25の幅方向両端部には側壁26,27が設けられており、これら側壁26,27によって、インナーバルコニー6と屋外空間とが仕切られている。インナーバルコニー6から見て、側壁26の外側(西側)は屋外空間となっており、側壁27の外側(東側)も屋外空間となっている。
外壁25には、開口部25aの上方に、庇25bが設けられている。庇25bは、外壁25を構成する躯体から突出して設けられた庇用ブラケットによって支持されている。また、この庇25bは、図5に示すように、内部が空洞状に構成されて庇用ブラケットを収容できる。さらに、複数の縦材10A〜10Eの上端部を支持する第三ブラケット13(後述する)も収容できるようになっている。
なお、図示はしないが、本実施形態においては、縦材10A〜10Eの上端部が上方に向かって開放されており、庇25bが被さることによって閉塞されているものとする。ただし、これに限られず、縦材10A〜10Eの上端部も、第三ブラケット13と同様に、庇25bの内部に収容されるようにしてもよい。
バルコニー手摺28は、インナーバルコニー6における床6aの屋外側端部に設けられた立ち上がり壁28aと、立ち上がり壁28aの上端部に設けられた手摺本体28bと、を有する。なお、手摺本体28bは、立ち上がり壁28aに固定された複数本の支柱、これら複数本の支柱間に設けられる手摺面材、複数本の支柱の上端部間に架設される手摺笠木を備える。
立ち上がり壁28aと三階部分の外壁25は一体的に形成されており、立ち上がり壁28aの屋外側面と、三階部分の外壁25の屋外側面は面一な状態となっている。
また、立ち上がり壁28aの上端部には、当該上端部を化粧するとともに、手摺本体28bにおける複数本の支柱の固定箇所を被覆する立ち上がり笠木28cが設けられている。
立ち上がり笠木28cの屋外側縁部は、図5に示すように、立ち上がり壁28aの屋外側面よりも屋外側に突出した状態となっている。
この後方外壁29は、二階部分の外壁21及び三階部分の外壁25よりも室内側に後退しており、これによって、三階ダイニングキッチン7の外側に、二階部分の外壁21に対して縦断面視で凹んだ状態となるインナーバルコニー6(すなわち、凹部)を形成できるようになっている。
より詳細に説明すると、隣接階である三階部分においては、インナーバルコニー6を介して二つの外壁25,29が平行に設けられた状態となっている。これら二つの外壁25,29の幅方向両端部間に、上記した側壁26,27が設けられ、更にバルコニー手摺28が設けられてインナーバルコニー6である凹部が構成されている。また、インナーバルコニー6の上方には、天井6bが設けられており、インナーバルコニー6は、縦断面視で凹んだ状態に形成されている。
すなわち、以上に説明した外壁20や後方外壁29を始めとする各外壁は、外装材Wやシーリング材を含んで構成されているものとする。
なお、外壁材Wは、複数の縦材10A〜10Eを構成する材料とは異なる材料によって構成されており、その意匠も複数の縦材10A〜10Eとは異なるように設定されている。そのため、複数の縦材10A〜10Eによる縦方向のラインを強調することができ、意匠性を向上させることができるようになっている。
本実施形態において縦材10A〜10Eは、図1〜図4に示すように、5本使用されており、東西方向に等間隔に配置されている。符号については、図4において左から1番目が縦材10Aとされ、右に向かって順番に、縦材10B、縦材10C、縦材10D、縦材10Eとされている。
第一ブラケット11は、図4,図9,図13に示すように、外壁20(21,25,28a)から縦材10A〜10Eまでの間隔が長い場合に使用されるブラケットである。
第二ブラケット12は、図4,図12に示すように、外壁20(21,25,28a)から縦材10A〜10Eまでの間隔が短い場合に使用されるブラケットである。
第三ブラケット13は、図4に示すように、縦材10A〜10Eの上端部を外壁20(21,25,28a)に保持させるための金属製のブラケットであり、側面視において略L字状に形成されている。
より詳細に説明すると、フランジ部11a,12aは、建物1の躯体表面に面接触し、ビス等の固定具により固定されている。なお、フランジ部11a,12aは、ウェブ部11b,12bよりも上下方向の寸法が長く設定されており、その上部と下部のそれぞれがビス等の固定具によって躯体に固定されている。これにより、外壁20に対する縦材10A〜10Eの取付強度を高めることが求められた場合に、好適に対応できる。
また、ウェブ部11b,12bは、断面コ字状に形成されているため、フランジ部11a,12aが躯体に固定された状態において、躯体との間に隙間Sを形成できるようになっている。
なお、第一ブラケット11は、外壁20までの間隔が長い場合に用いられるものであるため、第一ブラケット11におけるウェブ部11bの奥行き寸法も長くなる。そのため、ウェブ部11bを構成する両側板部間には、図9に示すように、これら両側板部同士を連結してウェブ部11bを補強する補強板部11cが設けられることが望ましい。すなわち、ウェブ部11bは、基本的には断面コ字状であるが、補強板部11cが設けられることによって断面ロ字状となる。補強板部11cは、ウェブ部11bに対してビス等によって固定されるものでもよいし、ウェブ部11bと一体形成されるものでもよい。
そのため、外壁材Wによって担っていた耐火性能を補完するために、ウェブ部11b,12bにおける上記の隙間Sに不燃材18が設けられている。
すなわち、ウェブ部11b,12bの内側には、不燃材18が設けられているとともに通気用の隙間Sが形成されており、不燃材18は、二階部分の外壁21及び三階部分における屋外側の外壁25それぞれの外壁材Wと共に耐火ラインを形成している。
ここで、複数の縦材10A〜10Eは、上述のように、本実施形態においては5本使用されており、これら5本の縦材10A〜10Eのうち両端部の2本と、真ん中の3本とで化粧カバー14,15の構成が異なる。
すなわち、化粧カバー14,15には、第一部位と第二部位とで等しい断面形状に形成された縦材10A,10Eに対応する第一化粧カバー14と、第一部位と第二部位とで異なる断面形状に形成された縦材10B,10C,10Dに対応する第二化粧カバー15と、が含まれている。
このような第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15は、例えばアルミニウムやステンレス、鋼材等の金属によって構成され、断面矩形筒状に形成されている。なお、本実施形態における第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15は、アルミニウムによって構成されている。アルミニウムの場合、型枠成型によって製造できるため、形状の自由度が高まり、意匠性の向上を図りやすい。本実施形態においては、図示はしないが、各カバー14,15の表面には、多数の細かい溝が加工形成されている。これにより、表面仕上げをマットな(つや消し)状態にすることができる。このような表面仕上げとすることで、看者に対して落ち着いた印象を与えることができるとともに、日射しの反射も抑えることが可能となっている。
第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15は、このように金属製であるため、例えば窯業系サイディングボードによって構成される従来公知のピラスターと比較して、後述する屋外装置80の固定に適したものとなっている。
また、前端面には、意匠性を高めるために、長さ方向に沿って長尺な略L型や略T型断面の複数の突条が形成されている。
また、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15の下端部には、キャップ部材が設けられており、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15の下端部における開放部を閉塞している(図13参照。)。
また、第一化粧カバー14における第一部位141と第二部位142の双方を建物1の躯体に支持させるブラケットとしては、第一ブラケット11が対応している。
なお、縦材10A,10Eは、5本の縦材10A〜10Eのうち両端に位置するものであるため、側方からの視線を受けやすい。そこで、これら縦材10A,10Eを構成する第一化粧カバー14の外壁20側端部には、図6〜図9,図13に示すように、第一化粧カバー14と外壁20との間の隙間を隠すための側面カバー143が設けられている。
側面カバー143は、断面略L字状又は略J字状に、かつ第一化粧カバー14の長さ方向に沿って長尺に形成されており、一面が、第一化粧カバー14の外壁20側面にボルト留めされている。なお、本実施形態における側面カバー143は、化粧カバー14,15と同様に、アルミニウムによって構成されており、表面仕上げも同様に、溝加工が行われている。
また、第一化粧カバー14のように奥行き寸法が短い(細い)場合は、外壁20までの間隔が長いため、図9に示すように、第一ブラケット11の奥行き寸法も長くなる。このような第一ブラケット11の取付状態を安定的なものにするため、第一化粧カバー14の外壁20側面には、第一ブラケット11のウェブ部11bを保持する断面コ字状の保持部材144が設けられている。第一ブラケット11のウェブ部11bは、保持部材144における両側板部間に嵌まるようになっており、ボルト留めされている。
さらに、第二化粧カバー15は、第一部位151の前端面と第二部位152の前端面とが面一に設定されている。そのため、第二化粧カバー15は、その下部が後方に膨らむようにして形成されており、上部との間には段が形成されている。
上記した第二ブラケット12は、このような第二化粧カバー15の第一部位151に対応して設けられている。なお、第二化粧カバー15の第二部位152には、第一ブラケット11が対応している。
また、第一部位151における外壁20側面の両端縁には、外壁20側に突出する突出縁部151a,151aが一体形成されており、これら突出縁部151a,151a間には、第二ブラケット12のウェブ部12bが嵌まるようになっている。
なお、第一部位151と第二部位152との境界は、図4における矢印Yのラインによって示す位置であり、本実施形態においては、特定階である二階部分と隣接階である三階部分との境界に相当する。ただし、これに限られるものではなく、第一部位151と第二部位152との境界を、特定階である二階部分と隣接階である三階部分との境界以外の箇所にしてもよいし、第一部位151と第二部位152との境界を、特定階である二階部分と隣接階である三階部分との境界以外の複数の箇所にしてもよく、適宜変更可能である。ただし、いずれの場合も、細く形成された第二部位152が、バルコニー手摺28における立ち上がり笠木28cのような屋外側に突出する物の前方に配置されるものとする。
なお、本実施形態における中芯部材16,17は、亜鉛メッキ鋼板や鋼材のような剛性の高い金属によって構成されている。これにより、後述のように屋外装置80を固定する上で都合が良い。
そして、第一中芯部材16は、第二化粧カバー15における第一部位151の外壁20側に寄せて配置され、第一部位151の内側面に対して固定されている。
第二化粧カバー15における第一部位151は、第一中芯部材16が内側面に沿って固定されることで剛性が向上することになる。
第一中芯部材16は、第一部位151の内部における建物1側面に沿う中央板部16aと、左右両側面に沿う左右の側板部16bと、を備える。
中央板部16aは、第一部位151の内部における建物1側面に沿って設けられているため、第二ブラケット12を第一部位151に固定する場合の固定強度を向上させることができる。
左右の側板部16bは、第一部位151の奥行き方向における中央側までの範囲に沿って設けられており、その前側端部は、後述する屋外装置80の固定位置となっており、屋外装置80を固定する場合の固定強度を向上させることができる。
そして、第二中芯部材17は、第一化粧カバー14の第一部位141及び第二部位142の外壁20側と、第二化粧カバー15の第二部位152の外壁20側に寄せて配置され、第一化粧カバー14の第一部位141及び第二部位142の内側面と、第二化粧カバー15の第二部位152の内側面に対して固定されている。
第一化粧カバー14の第一部位141及び第二部位142と、第二化粧カバー15の第二部位152は、第二中芯部材17が内側面に沿って固定されることで剛性が向上することになる。
第二中芯部材17は、第一化粧カバー14の第一部位141及び第二部位142と、第二化粧カバー15の第二部位152の内部における建物1側面に沿う中央板部17aと、左右両側面に沿う左右の側板部17bと、を備える。
中央板部17aは、第一化粧カバー14の第一部位141及び第二部位142と、第二化粧カバー15の第二部位152の内部における建物1側面に沿って設けられているため、第一ブラケット11を固定する場合の固定強度を向上させることができる。
左右の側板部17bは、後述する屋外装置80の固定位置となっており、屋外装置80を固定する場合の固定強度を向上させることができる。
なお、不燃材18は、ウェブ部11b,12bにおける隙間S以外にも設けられる場合がある。例えば図11に示す例においては、不燃材18が、隣り合う窓サッシ間に耐火ラインを形成するために設けられている。すなわち、不燃材18は、耐火ラインを形成するべき位置に対応して設けられている。
第一ブラケット11、第二ブラケット12、第三ブラケット13は、外壁20のうち、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15を安定的に支持できる位置に取り付けられている。
第二化粧カバー15の例を挙げて、より具体的に説明すると、第二化粧カバー15における第一部位151と第二部位152との境目が、インナーバルコニー6の床6aにおける屋外側端面の上下方向中央付近にある(図5参照。)。第一部位151と第二部位152とでは、上述のように、異なる断面形状に形成されたブラケット11,12がそれぞれ使用される。
つまり、上記した境目よりも下方の第一部位151は、奥行き寸法の短い第二ブラケット12が使用されて躯体に取り付けられており、境目よりも上方の第二部位152は、奥行き寸法の長い第一ブラケット11が使用されて躯体に取り付けられている。
また、第二ブラケット12は、第一部位151における上端部(床6aの位置)及び下端部(二階部分の床を構成する床体の位置)のそれぞれに配置されており、第一ブラケット11は、第二部位152における下端部(床6aの位置)に配置されている。
さらに、第二化粧カバー15における第二部位152の上端部は、第三ブラケット13によって外壁20(外壁25)に取り付けられている。なお、第三ブラケット13は、上述のように、外壁25に設置された庇25bの内部に収容されている。
なお、第一ブラケット11及び第二ブラケット12が固定された床6aの屋外側端部は、床6aを構成する建築用床パネルと、下階の建築用壁パネルと、上階の建築用壁パネル(立ち上がり壁28a)とが設けられる箇所である。そして、床6aを構成する建築用床パネルの屋外側端部には、胴差部材6cが設けられている。すなわち、下階の建築用壁パネルの上面に、建築用床パネルの屋外側端部と、この建築用床パネルの側端面に沿う胴差部材6cとが載置され、これら建築用床パネルと胴差部材6cとの上面に、上階の建築用壁パネルが立設されている。本実施形態において、第一部位151の上端部の取り付けに用いられる第二ブラケット12と、第二部位152の下端部の取り付けに用いられる第一ブラケット11は、床6aを構成する建築用床パネルの側端面に設けられた胴差部材6cに対して固定されている。
第一ブラケット11が設けられる高さ位置は、第二化粧カバー15において第一ブラケット11及び第二ブラケット12が設けられた位置と略等しい高さ位置である。すなわち、第一ブラケット11は、下方側の第一部位141における上端部(床6aの位置)及び下端部のそれぞれと、上方側の第二部位142における下端部(床6aの位置)に配置されている。
さらに、第一化粧カバー14における第二部位142の上端部は、第三ブラケット13によって外壁20(外壁25)に取り付けられている。なお、第三ブラケット13は、上述のように、外壁25に設置された庇25bの内部に収容されている。
建物1のファサードには、以上のように構成された複数の縦材10A〜10Eが幅方向(東西方向)に等間隔に配置されている。さらに、これら複数の縦材10A〜10Eの、外壁20からの出寸法も略等しく設定されているものとする。
屋外装置80は、本実施形態においては、外部からの目隠しや日射し調整のためのルーバーが採用されている。当該ルーバー80は、水平に配置された複数の羽板が上下に間隔を空けて配置されたルーバー本体81と、ルーバー本体81の両側端部が嵌め込まれる一対のレール82と、を備える。
一対のレール82は、図4に示すように、複数の縦材10A〜10Eの長さ方向に沿って長尺に形成されており、図6〜図8,図10,図11に示すように、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15の側面に対してボルト留めされている。ボルト留めされる位置は、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15の内側面に沿って第一中芯部材16又は第二中芯部材17が設けられた位置である。すなわち、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15における剛性の高まった位置に設けられているため、一対のレール82を安定的かつ強固に留め付けることができるようになっている。
ルーバー本体81は、第一化粧カバー14及び第二化粧カバー15の側面に安定的かつ強固に留め付けられた一対のレール82に嵌め込まれ、固定具によって固定されて保持されている。そのため、建物1のファサードに、外壁材Wを欠損させずに屋外装置を設けたいという要望に対して好適に対応することができる。
また、ルーバー本体81は、一対のレール82の長さ方向に複数設けられており、かつ二階部分の外壁21に形成された窓開口部21aを避けて配置されている。三階部分においては、最上方に設けられたルーバー本体81の上端部が、バルコニー手摺28の上端部よりも上方に位置した状態となっている。
また、本実施形態においては、複数のルーバー本体81が、一対のレール82の長さ方向に複数設けられているが、一つのルーバー本体81が設けられるものとしてもよいし、ルーバー80とその他の屋外装置とを併用してもよい。
また、第一ブラケット11及び第二ブラケット12は、断面ハット型に形成されて、二つのフランジ部11a・11a,12a・12a間に設けられるとともに屋外側に突出し、化粧カバー14,15が取り付けられたウェブ部11b,12bを有するので、ウェブ部11b,12bの内側を開放状態にすることができる。そのため、縦材10A〜10Eの内部における通気性を妨げない。
さらに、屋外装置としてルーバー80が用いられているので、外部からの目隠しや日射し調整を行うことができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
本変形例における建物は、図示はしないが、上階部分に、下階部分の外壁よりも前方に突出するオーバーハング部を備えている。換言すれば、下階部分の外壁は、オーバーハング部を構成する外壁よりも室内側に後退する後方外壁とされている。このような後方外壁における屋外側面の前方には、凹部として、オーバーハング部の下方空間が形成されている。
そして、オーバーハング部を構成する外壁の屋外側面には、当該外壁の屋外側面に沿って上下方向に延在する複数本の縦材が設けられている。さらに、当該複数の縦材は、凹部の前方を通るようにして下階側に連続して延在している。
なお、オーバーハング部の内側は、居室等の屋内空間であってもよいし、バルコニー等の屋外空間であってもよい。
本変形例における複数の縦材は、例えば図4における矢印Yのラインによって示す位置で、上下に分割されており、下方の部位(すなわち、第一部位141,151)における上端部と、上方の部位(すなわち、第二部位142,152)における下端部とが、ブラケット(図4に示す例では、第一ブラケット11及び第二ブラケット12)によって建物1の躯体に固定されている。
より詳細に説明すると、本変形例における複数の縦材は、特定階と隣接階との境界で上下に分割されており、上方の部位における下端部と、下方の部位における上端部は、床6aの屋外側端部に、第一ブラケット11及び第二ブラケット12によって固定されている。
なお、本変形例においては、複数の縦材の分割箇所(分割点)を特定階と隣接階との境界としたが、これに限られるものではなく、例えば分割点を特定階と隣接階との境界以外の箇所にしてもよいし、分割点を特定階と隣接階との境界以外の複数の箇所にしてもよく、適宜変更可能である。ただし、いずれの場合も、第一ブラケット11及び第二ブラケット12によって、建物1の躯体に固定されているものとする。
または、上下に分割した複数の縦材の上側部分と下側部分を、あえて異なる意匠にするなどして縦ラインを強調するようにしてもよい。これに併せ、複数の縦材同士も、あえて異なる意匠にして、一本一本が強調されるようにしてもよい。
20 外壁
21 外壁
21a 窓開口部
25 外壁
25a 開口部
25b 庇
28 バルコニー手摺
28c 立ち上がり笠木
29 外壁
6 インナーバルコニー
6a 床
10A〜10E 縦材
11 第一ブラケット
11a フランジ部
11b ウェブ部
12 第二ブラケット
12a フランジ部
12b ウェブ部
13 第三ブラケット
14 第一化粧カバー
141 第一部位
142 第二部位
15 第二化粧カバー
151 第一部位
152 第二部位
16 第一中芯部材
17 第二中芯部材
18 不燃材
S 隙間
Claims (7)
- 建物における特定階の外壁面に沿って上下方向に延在する複数本の縦材が設けられ、
前記特定階の上下方向に隣接する隣接階は、前記特定階の外壁面よりも室内側に後退する後方外壁面を含んで構成され、
前記隣接階には、前記後方外壁面の前方に、前記特定階の外壁面に対して縦断面視で凹んだ状態となる凹部が形成されており、
上下方向に延在する前記複数の縦材は、前記凹部の前方を通るようにして前記隣接階側に連続して延在していることを特徴とする壁面構造。 - 請求項1に記載の壁面構造において、
前記縦材は、
前記建物の躯体に固定されたブラケットと、
前記ブラケットに取り付けられた化粧カバーと、
を備えることを特徴とする壁面構造。 - 請求項2に記載の壁面構造において、
前記ブラケットは、断面ハット型に形成されて、
前記建物の躯体に固定された二つのフランジ部と、
前記二つのフランジ部間に設けられるとともに屋外側に突出し、前記化粧カバーが取り付けられたウェブ部と、
を有することを特徴とする壁面構造。 - 請求項3に記載の壁面構造において、
前記ウェブ部の内側には、不燃材が設けられているとともに通気用の隙間が形成されていることを特徴とする壁面構造。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の壁面構造において、
前記複数の縦材間に、屋外装置が設けられて固定されていることを特徴とする壁面構造。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の壁面構造において、
前記複数の縦材には、前記特定階の外壁面の前方に位置する第一部位と、前記凹部の前方に位置する第二部位とで異なる断面形状に形成され、かつ、前記第一部位の前端面と前記第二部位の前端面とが面一に設定された縦材が含まれていることを特徴とする壁面構造。 - 請求項2〜6のいずれか一項に記載の壁面構造において、
前記複数の縦材は、上下に分割されており、下方の部位における上端部と、上方の部位における下端部とが、前記ブラケットによって前記建物の躯体に固定されていることを特徴とする壁面構造。
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