JP2019098534A - 農業用ポリオレフィン系多層フィルム - Google Patents

農業用ポリオレフィン系多層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】摩耗性が改善され、破断強度、引裂強度の付与された農業用フィルムの提供。【解決手段】少なくとも外層及び内層を有し、前記外層および前記内層の少なくとも一方の層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含有する農業用ポリオレフィン系多層フィルム。好ましくは、前記UHMWPEを含有する層に更に密度が0.880〜0.945g/cm3の低密度ポリエチレン、及び/又はエチレン−酢酸ビニル共重体を含有し、前記低密度ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンである農業用ポリオレフィン系多層フィルム。前記HMWPEを層のすべり摩耗試験における比摩耗量が5×10−6mm3/Nm以下であり、前記層の厚さが10〜10μmである農業用ポリオレフィン系多層フィルム。厚さ150μmの条件で全光線透過率が88%以上である農業用ポリオレフィン系多層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、農業用ポリオレフィン系多層フィルムに関する。
現在、ポリオレフィン系フィルムは、包装機材や農業用フィルムや電線被覆材料等の用途で使用されている。高強度を示すポリオレフィン系フィルムの用途は多岐におよんでおり、現在においても膜強度特性の改良開発が進んでいる。
特に、長期間に使用されるような農業用フィルムにおいては、季節や環境に応じてフィルムを巻き上げる等の作業が生じ、その際に巻き上げ機の金属部とフィルム、またはフィルム同士の擦れ破れが生じる。特に日射の取り込みに必要なビニールハウスの透明性を維持しつつ、かつ破れに強いフィルムについて要求が高い。
フィルムの擦れ破れを防止するための手段として、フィルム表面の摩擦係数を低減させることが有効である。摩擦係数が低いフィルムとしては、従来から滑剤と呼ばれる添加剤により、摩擦係数を低減する技術が知られている。しかし、これらのフィルム体積中の滑剤が経時により凝集固化しフィルム表面にブリーミングし粉化する問題がある。粉化した滑剤は外部散乱体として、ビニールハウスの透明性を損ねてしまう。また、フィルムの弾性率が低下してしまうため、すべりが良好であっても変形を伴う外部作用によるひっかかりが問題となる。
添加剤を使用しない方法として、低摩擦係数特性を示す、高密度ポリエチレン(HDPE)を単層膜で使用することができるが、HDPEの場合、結晶性が高く、製膜時の延伸配向により特定の方向への引裂強度が低いため、破れが容易に伝播してしまう。さらに、屈折率の異なる結晶相と非晶相が混在するため、透明性も低い。
例えば、特許文献1には、光学フィルムの表面保護フィルムに関して、巻き取り時のブロッキングを防止する技術として、密度の異なる2種類のポリエチレンをブレンドする手法が開示されている。
また、特許文献2には、包装用フィルムの袋同士の擦り音を低減する手法として凹凸を付与する手法が開示されている。
さらに、特許文献3には、ポリエチレンシーラント材に滑材を添加することにより、シール性を発現させる技術が開示されている。
特開2005−28619号公報 特開2000−169598号公報 特開2016−49727号公報
しかしながら、特許文献1には、保護フィルムという性質上、長期間の使用環境下で強度が保持される充分な強度は発現できないという問題がある。
また、特許文献2には、充分な透明性が得られないという問題がある。
また、特許文献3には、滑材成分の表面偏析により、長期の使用で透明性が低下するという問題がある。
また、添加剤を使用せずに、摩擦係数を低減させる方法としては、超高分子ポリエチレン(UHMWPE、超高分子量PE)を単膜層で使用する方法も挙げられる。しかしながら、UHMWPEの場合、高分子量であるが故に溶融粘度が高く、フィルム成形する際の加工性が悪い。さらに、超高分子量鎖の凝集物が残存していると、成形時にフィッシュアイが生じ、破断の起点となってしまうといった問題が起こり得ることを本発明者らは新たに見出した。
さらに、例えば厚さ200μm以下の薄いフィルム加工の場合、十分な透明性を確保し、且つ擦れに強いフィルムは入手困難であった。
本発明は、かかる点を鑑みてなされたものである。従って本発明の目的は、摩耗性を改善し、フィルムの破断強度、引裂強度を付与する農業用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、農業用フィルムの摩耗性を改善し、フィルムの破断強度を付与する手法として、分子量40万以上の超高分子量PEを添加した層を農業用フィルムの外層または内層とする手法を見出した。この知見に基づいて本発明に到達した。
即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)
少なくとも外層および内層を有し、
前記外層および前記内層の少なくとも一方の層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有することを特徴とする農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(2)
前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層に、さらに、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン、および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する、(1)に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(3)
前記低密度ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンを含有する、(2)に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(4)
前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層の、JIS K7218A準拠のすべり摩耗試験により測定された、比摩耗量が5×10−6mm/Nm以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(5)
前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層の厚みが10〜100μmである、(1)〜(4)のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(6)
厚さ150μmの条件でJIS K7136に準拠して測定される全光線透過率が88%以上である、(1)〜(5)のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
(7)
前記外層と前記内層との間にさらに中間層を含み、前記外層および前記内層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する、(1)〜(6)のいずれかに記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
本発明によれば、摩耗性を改善し、フィルムの破断強度、引裂強度を付与する農業用フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下に記載された実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本発明の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、少なくとも外層および内層を有し、前記外層および前記内層の少なくとも一方の層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する。本実施形態の農業用ポリオレフィン系多層フィルムは、少なくとも3層構造からなる積層フィルムが好ましく、ビニールハウスの形態における外層または内層いずれか一方、もしくは両層に機械的強度が向上された強化層を形成し、中間層は外層、内層とは組成の異なる樹脂組成物から構成されるフィルムであってもよい。
なお、本明細書において、農業用ポリオレフィン系多層フィルムを、単に「農業用フィルム」と称する場合がある。また、「外層」および「内層」とは、フィルムの一方の表面を含む層、および他方の表面を含む層をいう。また、「ポリオレフィン系」とは、本実施形態の農業用ポリオレフィン系多層フィルム中の少なくとも1層にポリオレフィン系樹脂が含まれることをいい、本実施形態の農業用フィルムの全層にポリオレフィン系樹脂が含まれていてもよい。上記ポリオレフィン系樹脂としては、後述のポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
本実施形態の農業用フィルムによれば、ハウス展張作業時に発生する鉄パイプとフィルムの擦れや、フィルム折り畳み時の折れによる機械的損傷を軽減することができる。また、本実施形態の農業用フィルムは、表面に超高分子量ポリエチレンを配合した層を設けることにより、フィルムの破断強度、引裂強度を改善することができる。
<農業用フィルム>
本実施形態の農業用フィルムは、少なくとも外層、内層の2層により形成されている。外層と内層との間にさらに中間層を含んでいてもよい。上記中間層は、一層であってもよいし複数層であってもよい。
本実施形態の農業用フィルムは、少なくとも2層を有する多層フィルムであり、3層構造であってもよいし、4層以上の構造であってもよい。
本実施形態の農業用フィルムは、中赤外〜遠赤外線の熱線を吸収し、ハウス内の保温性能を発現させる観点から、外層と内層との間にさらに中間層を含み、外層および内層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有するフィルムであってもよい。
本実施形態の農業用フィルムは、外層および内層の少なくとも一方の層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する。本実施形態の農業用フィルムは、外層または内層が重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する層であってもよいし、外層および内層が重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する層であってもよい。
本実施形態の農業用フィルムにおいて、超高分子量PE樹脂組成物には、加工性を改善できる観点から、重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンに加えて、他のポリオレフィン系樹脂(特にポリエチレン)を含むことが好ましく、他のポリオレフィン系樹脂の含有量が50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
また、重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンと他のポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン)を混合して使用することにより、均一性を発現させ、フィッシュアイを抑止することができる。
[重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する層を形成するポリエチレン系樹脂組成物]
上記重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する層(「超高分子量PE層」と称する場合がある)を形成するポリエチレン系樹脂組成物(「超高分子量ポリエチレン樹脂組成物」「超高分子量PE樹脂組成物」と称する場合がある)は、重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含む。さらに、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン、および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体等の他のポリオレフィン系樹脂を含んでいることが好ましい。
中でも、上記超高分子量PE樹脂組成物は、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン、および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を20質量%以上含有し、重量平均分子量40万以上の超高分子量PE成分を1〜30質量%含有したものが好ましい。
なお、本明細書において、超高分子量PE樹脂組成物に含まれる超高分子量ポリエチレンを「超高分子量ポリエチレン成分(A)」「ポリエチレン成分(A)」と称する場合がある。
上記超高分子量PE樹脂組成物は、超高分子量PEを良好に分散させるため、他のオレフィン系樹脂を含んでもよい。
以下、超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のオレフィン系樹脂について詳述する。
(超高分子量ポリエチレン成分(A))
超高分子量ポリエチレン成分(A)を、均一に分散させた状態で配合することにより、凝着点となる末端分岐が少なく、比摩耗量が低い層を形成できる超高分子量PE樹脂組成物を得ることができる。
超高分子量ポリエチレンが含まれることにより、フィルム形態のように、特定の方向に引き伸ばされた場合に、超高分子量ポリエチレンの長鎖分子が2次元に広がった構造を形成することができ、MD・TD両方向の引裂強度、引張破断強度ともに向上したフィルムを作製することができる。
なお、超高分子量ポリエチレン成分(A)は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。特に、2種類の超高分子量ポリエチレンを配合することで、ポリエチレンの結晶化度を抑制することができ、内部ヘイズが低い透明なフィルムを作製することができる。
超高分子量ポリエチレン成分(A)としては、特に限定されないが、エチレンの単独重合体、またはエチレンと他の単量体との共重合体が挙げられる。他の単量体としては、特に限定されないが、例えば、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等のα−オレフィン;酢酸ビニル等のビニル化合物;アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等の(メタ)アクリル化合物等が挙げられる。この中でも、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であってエチレン単量体単位を90モル%以上含有する共重合体が好ましい。
超高分子量ポリエチレン成分(A)の重量平均分子量が40万以上であると、高強度、耐摩耗性、自己潤滑性、衛生性、および耐薬品性等に優れた成形品が得られる。
超高分子量ポリエチレン成分(A)の重量平均分子量は、40万以上であり、好ましくは100万以上であり、より好ましくは300万以上である。超高分子量ポリエチレン成分(A)の重量平均分子量が40万以上であることにより、得られる成形体の耐摩耗性および摺動性がより向上する。また、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンは、通常の混練条件で分散しにくい傾向にあるが、後述の超高分子量PE樹脂組成物であれば分散性よく超高分子量ポリエチレンを含むものとなる。一方で、超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量が40万未満であると、超高分子量PE樹脂組成物に含まれる樹脂全体の分子量が低すぎることにより、超高分子量ポリエチレンの本来の特性の一つである、耐摩耗性や摺動性といった特性が低下する。
超高分子量ポリエチレン成分(A)の重量平均分子量が400万未満であることにより、超高分子量ポリエチレンの生産工程での生産性がより向上する。
なお、超高分子量PE樹脂組成物中に含まれる全種類の超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量が上記範囲を満たすことが好ましい。
超高分子量ポリエチレン成分(A)の重量平均分子量は、超高分子量ポリエチレンの重合系に連鎖移動剤として水素を存在させる、重合温度を変化させる等によって調節することが可能である。
尚、超高分子量ポリエチレンの重量平均分子量はアジレント社 PL−GPC220を用いて測定され、カラム:TSKgel GMH−H(20) HT(7.8mml.D×30cm 2本)、較正曲線はポリスチレンEasiCal PS−1(アジレント社製)で測定される。
超高分子量ポリエチレンの製造に使用される触媒としては、特に限定されないが、チーグラー・ナッタ触媒が好ましい。
(他のポリオレフィン系樹脂)
上記超高分子量PE樹脂組成物に含まれる他のポリオレフィン系樹脂としては、透明性と機械的強度に優れたエチレン樹脂(好適にはポリエチレン)を好適に使用することができる。このようなエチレン樹脂としては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。なお、他のポリオレフィン系樹脂は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよく、中でも、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン(例えば、他のオレフィン系樹脂の中でも最もMFRが低く、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンなど)および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含むことが好ましく、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体の一方を含むことがより好ましく、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンを含むことが更に好ましい。
なお、他のポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、40万未満であってよい。
LDPEは、成形加工性、透明性が良く、やわらかい。しかしながら、配向がかかり易いため、引裂強度や衝撃、引張強度が弱い。
LDPEとしては、特に限定されないが、例えば、市販品として、サンテックLD(旭化成社製)、UBEポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製)、ペトロセン(東ソー社製)等が挙げられる。この中でも、サンテックLDが好ましい。LDPEの密度は、0.880〜0.945g/cmであり、透明性と剛性を両立させる観点から、0.910〜0.930g/cmであることが好ましく、0.920g/cm前後であることがより好ましい。
低密度ポリエチレンの中でも、透明性と機械的強度の観点から、LLDPEがさらに好ましい。
LLDPEは、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体(エチレン−α−オレフィン共重合体)であってもよい。また、これらの共重合体に対して改質樹脂を添加させたものを使用しても良い。
LLDPEの密度は、0.880〜0.945g/cmであり、透明性と剛性を両立させる観点から、0.910〜0.940g/cmであることがより好ましい。
LLDPEは、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。中でも、2種以上のLLDPEを用いることが好ましく、MFRの異なる2種以上のLLDPEを用いることがより好ましい。MFRの異なる2種以上のLLDPEにおいて、最も低いMFRと、最も高いMFRとの差は、1.0dg/min以上であることが好ましく、2.0dg/min以上であることがより好ましい。MFRの異なる2種以上のLLDPEとしては、密度が0.880〜0.945g/cm(好ましくは0.910〜0.940g/cm)であるLLDPEと、密度が0.900〜0.940g/cm(好ましくは0.91〜0.935g/cm)であるLLDPEとの組み合わせであってもよい。
また、上記LLDPEは、ポリエチレン成分(A)の分散性が一層向上する観点から、ポリエチレン成分(A)よりもMFRが大きいLLDPEを含むことが好ましい。
LLDPEとしては、ユメリット(宇部丸善ポリエチレン株式会社)等があげられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと、炭素数が3〜18のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィン単量体とのランダム共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。この中でも、ヘキセン−1が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、リビング重合、連鎖重合等の方法により重合することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の製造に用いられる重合触媒は、特に限定されないが、マルチサイト触媒、シングルサイト触媒等が挙げられる。フィルム表面の滑り性を高めることから、シングルサイト系が好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに由来する構成単位の含有量は、シール性や透明性を向上させることから、好ましくは40〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%、さらに好ましくは60〜85質量%である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が3〜25質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%の範囲である。
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有量が3質量%以上であれば、超高分子量PE層の上に設けられる、防塵性塗膜や防曇性塗膜との密着性が良好である。また、25質量%以下であると得られるフィルムの強度が十分であり、透明性も良好である。酢酸ビニル含有量が5質量%以上であると、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが一層出来にくくなり、また、酢酸ビニル含有量が25質量%より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の密度としては、0.880〜0.945g/cmであってもよい。
HDPEとしては、特に限定されないが、例えば、市販品としては、サンテックHD(旭化成社製)、ノバテックHD(日本ポリエチレン社製)、ハイゼックス(プライムポリマー社製)等が挙げられる。この中でも、サンテックHDが好ましい。HDPEの密度は、0.950〜0.980g/cmであることが好ましく、0.960〜0.970g/cmであることがより好ましい。
上記他のオレフィン系樹脂としては、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散性を向上させる観点から、メルトマスフローレート(MFR)が、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは1〜700dg/minであり、さらに好ましくは5〜600dg/minである。MFRが上記範囲内であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散性がより向上する傾向にある。
(超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量)
超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量は、超高分子量PE樹脂組成物100質量%に対して、1.0〜50.0質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることがさらに好ましい。超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量が1.0〜50.0質量%であることにより、破断強度と引裂強度、フィルム形態への加工性を両立させることができる。
超高分子量PE層中の超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量は、1.0〜50.0質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、7〜20質量%であることがさらに好ましい。超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量が1.0〜50.0質量%であることにより、破断強度と引裂強度、フィルム形態への加工性を両立させることができる。
(他のポリオレフィン系樹脂の含有量)
他のポリオレフィン系樹脂の含有量は、超高分子量PE樹脂組成物100質量%に対して、50〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜95質量%、更に好ましくは80〜93質量%である。他のポリエチレン系樹脂の含有量が上記範囲であることにより、ポリエチレン成分(A)の分散性が向上し、破断強度に優れる。
超高分子量PE層中の他のポリオレフィン系樹脂の含有量は、50〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは70〜95質量%、更に好ましくは80〜93質量%である。他のポリエチレン系樹脂の含有量が上記範囲であることにより、ポリエチレン成分(A)の分散性が向上し、フィッシュアイを抑制でき、破断強度に優れる。
他のポリオレフィン系樹脂として、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン、および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含む場合、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計含有量は、超高分子量PE樹脂組成物100質量%に対して、20〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜95質量%、更に好ましくは20〜93質量%、更に好ましくは25〜75質量%、更に好ましくは50〜75質量%、特に好ましくは30〜70質量%である。含有量が上記範囲であることにより、超高分子量PE樹脂組成物が、透明でかつ、フィルムへの加工性が良好となる。
超高分子量PE層中の密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計含有量は、20〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜95質量%、更に好ましくは20〜93質量%、更に好ましくは25〜75質量%、更に好ましくは50〜75質量%、特に好ましく30〜70質量%である。含有量が上記範囲であることにより、超高分子量PE樹脂組成物が、透明でかつ、フィルムへの加工性が良好となる。
(添加剤)
超高分子量PE樹脂組成物には、例えば、熱安定剤、耐候剤等の安定剤、顔料、染料等の着色剤、架橋剤、架橋助剤、防曇剤、有機および無機フィラー等の充填剤、他の樹脂等の添加剤を必要に応じて添加してもよい。
上記の添加剤の含有量は、超高分子量PE樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。
なお、本実施形態の超高分子量PE樹脂組成物には、実質的に滑剤が含まれないことが好ましく、具体的には、超高分子量PE樹脂組成物全量に対して、滑剤の含有量が0.01質量%以下であることが好ましい。
[超高分子量PE樹脂組成物の製造方法]
上記超高分子量PE樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、下記の一例の製造方法が好ましい。
上記超高分子量PE樹脂組成物の製造方法の一例は、超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のポリオレフィン系樹脂を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得る第1の溶融混練工程と、この超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物と他のポリオレフィン系樹脂を1回〜複数回溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る第2の溶融混練工程と、前記超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と他のポリオレフィン系樹脂を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る第3以降の溶融混練工程と、を有する。
このように、超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のポリオレフィン系樹脂との高濃度希釈物を作り、該高濃度希釈物に、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン(例えば、他のオレフィン系樹脂の中でも最もMFRが低く、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン)等の他のポリオレフィン系樹脂をさらに添加して溶融混練する工程を経ることにより、優れた特性を有する超高分子量PE層を形成することができる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物が得られる。
(第1の溶融混練工程)
第1の溶融混練工程は、超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のポリオレフィン系樹脂とを溶融混練して、超高分子量ポリエチレン系樹脂組成物高濃度希釈物を得る工程である。
超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のポリオレフィン系樹脂はそれぞれ、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。第1の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、HDPE、LLDPE(例えば、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物に含まれるLLDPEのうち、最もMFRが高いLLDPE等)等が挙げられる。
溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、単軸押出機、二軸等の多軸押出機、バンバリーミキサー等、公知の混練手段が挙げられる。従来の考え方によれば、溶融混練手段としては、例えば押出機のスクリューにダルメージ、ピン、ニーディングディスク、逆ねじ等の混練強化部位を設けて、剪断力を強化して機械的に混練する手法が用いられる。しかし、過度に剪断力を強化することによる超高分子量ポリエチレン分子鎖の切断を回避する観点から、これら剪断力強化部位を設けたスクリューの使用は過度にならない程度に抑えることが好ましい。このような観点から、溶融混練手段としては、フルフライトスクリュー、若干の剪断力強化部位を設けたスクリューを備える混練手段が好ましい。
第1の溶融混練工程においては、超高分子量ポリエチレン成分(A)が比較的高粘度の雰囲気中で撹拌され、それによって動きにくい長鎖の分子が広げられることが好ましい。超高分子量ポリエチレンの分子鎖を広げるための推進力を向上させる観点から、用いる他のポリエチレン系樹脂の分子量は、比較的低い方が好ましい。他のポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量としては、1000〜50000であることが好ましい。なお、重量平均分子量は、上述の超高分子量PEと同様の方法で測定することができる。また、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分子鎖を広げるための推進力を向上させる観点から、第1の溶融混練工程の系全体の粘度は高い方が好ましく、粘度が高くなるよう温度を調整することが好ましい。
第1の溶融混練工程に用いる他のポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレート(MFR)は、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは1〜700dg/minであり、さらに好ましくは10〜600dg/minである。第1の溶融混練工程に用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRが上記範囲内であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散性がより向上する傾向にある。
なお本開示で、メルトマスフローレートは、ISO 1133に準拠して、200℃、荷重49Nにて測定される値である。
第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン成分(A)の添加量は、特に限定されないが、第1の溶融混練工程で用いる超高分子量ポリエチレン成分(A)と他のポリオレフィン系樹脂の総量に対して、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは40〜80質量%であり、さらに好ましくは50〜70質量%である。第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン成分(A)の添加量が30質量%以上であることにより、系全体の粘度がより高くなり、超高分子量ポリエチレンの分子鎖を広げるための推進力がより向上し、結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数も減少する傾向にある。また、第1の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン成分(A)の添加量が90質量%以下であることにより、混練装置への負荷がより低減される傾向にある。
第1の溶融混練工程における温度は、好ましくは150〜260℃であり、より好ましくは160〜250℃であり、さらに好ましくは170〜240℃である。第1の溶融混練工程における温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散が促進される傾向にある。また、第1の溶融混練工程における温度が260℃以下であることにより、系全体の粘度が上がって超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散を促進すること、更に超高分子量ポリエチレン成分(A)の熱分解による分子量低下をより抑制することができ、結果として得られる成形体の強度低下をより抑制できる傾向にある。
第1の溶融混練工程における混練時間は、使用する混練装置によっても異なるが、好ましくは0.5〜20分であり、より好ましくは1〜10分であり、さらに好ましくは2〜8分である。第1の溶融混練工程における混練時間が0.5分以上であることにより、屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数が減少する傾向にある。また、超高分子量ポリエチレンはその分子の巨大さ故に動きが鈍いため、第1の溶融混練工程における混練時間が0.5分以上であることにより、超高分子量ポリエチレンがより分散する傾向にある。また、第1の溶融混練工程における混練時間が20分以下であることにより、経済的に好ましい。なお、第1の溶融混練工程は、1回で行なっても、複数回混練してもよい。
(第2の溶融混練工程)
第2の溶融混練工程は、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物と他のポリオレフィン系樹脂を溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体を得る工程である。第2の溶融混練工程は、1回で行ってもよいし、複数回で行ってもよい。また、第2の溶融混練は、第1の溶融混練工程と同一の装置で行ってもよいし、異なる装置で行ってもよい。
溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、第1の溶融混練工程と同様とすることができる。
第2の溶融混練工程で得られる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体中の超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量は、目的とする製品の要求物性によっても異なるが、好ましくは20〜80質量%であり、より好ましくは30〜70質量%であり、さらに好ましくは35〜60質量%である。第2の溶融混練工程で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体中の超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量が20質量%以上であることにより、系全体の粘度がより高くなり、超高分子量ポリエチレンの分子鎖を広げるための推進力がより向上し、結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズがより小さくなり、またその数も減少する傾向にある。また、第2の溶融混練工程における超高分子量ポリエチレン成分(A)の添加量が80質量%以下であることにより、混練装置への負荷がより低減され、従って吐出量を上げることができ、結果として経済的にも向上する傾向にある。
第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂は、第1の溶融混練工程で用いた他のポリオレフィン系樹脂と同一でもよいし、異なってもよい。
第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂としては、例えば、HDPE、LLDPE(例えば、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物に含まれるLLDPEのうち、最もMFRが低いLLDPEを除くLLDPE等)等が挙げられる。
第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは0.5〜500dg/minであり、さらに好ましくは1〜200dg/minである。第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRが800dg/min以下であることにより、第2の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物中の樹脂の分散をより促進できる傾向にある。
また、第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRは、第1の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRと同一か低いことが好ましい。これにより、第2の溶融混練工程での系の粘度を上げることができ、その結果として屈折率の差によって観察される塊状物のサイズの小さいものや、数が少ないものが得られる傾向にある。第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRは、第1の溶融混練工程で用いられた他のポリオレフィン系樹脂のMFRの1倍以下が好ましく、より好ましくは0.5倍以下であり、さらに好ましくは0.3倍以下である。第2の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRが第1の溶融混練工程で用いた他のポリオレフィン系樹脂のMFRの1倍以下であることにより、第2の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物中の樹脂の分散をより促進できる傾向にある。
第2の溶融混練工程で用いる超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物と他のポリオレフィン系樹脂の添加量は、超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物中の超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量によっても異なり、目的とするフィルムの物性が得られるような超高分子量ポリエチレン成分(A)の最終濃度や、目的とするフィルムを生産するために必要な流動性等を勘案して適宜決めることができる。
第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度は、好ましくは150〜250℃であり、より好ましくは150〜240℃であり、さらに好ましくは150〜230℃である。第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が250℃以下であることにより、系全体の粘度が向上して超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物の分散がより向上する傾向にある。また、第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が250℃以下であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の熱分解による分子量低下を抑制でき、結果として得られるフィルムの強度低下をより抑制できる傾向にある。また、第2の溶融混練工程における溶融混練時の温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散が促進される傾向にある。なお、第2の溶融混練工程は、1回で行なっても、複数回混練してもよい。
2回目以降の混練を行う場合の他のポリオレフィン系樹脂は、適宜決めることができる。
(第3の溶融混練工程)
第3の溶融混練工程は、第2の溶融混練工程で得られたポリエチレン系樹脂組成物中間体と他のポリオレフィン系樹脂(好ましくは、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン(特に、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物に含まれる低密度ポリエチレンの中でも最もMFRが低く、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンなど)および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体)とを溶融混練して、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物を得る工程である。
第3の溶融混練は、第1、第2の溶融混練工程と同一の装置で行ってもよいし、異なる装置で行ってもよい。溶融混練手段としては、特に限定されないが、例えば、第1の溶融混練工程と同様とすることができる。
第3の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRは、目的とする用途が要求する流動性、強度によって適宜選択することができる。
第3の溶融混練工程で用いる他のポリオレフィン系樹脂のMFRは、好ましくは0.1〜800dg/minであり、より好ましくは0.5〜500dg/minであり、さらに好ましくは0.8〜200dg/minである。第3の溶融混練工程で用いるポリエチレン成分(A)またはUHMWPEを含まない他のポリオレフィン系樹脂の一部のMFRが800dg/min以下であることにより、第3の溶融混練工程の系全体の粘度がより向上し、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体の分散をより促進できる傾向にある。
第3の溶融混練工程で用いる超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体と他のポリオレフィン系樹脂の添加量は、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物中間体の超高分子量ポリエチレン成分(A)の含有量によっても異なり、目的とするフィルムの物性が得られるような超高分子量ポリエチレン成分(A)の最終濃度や、目的とするフィルムを生産するために必要な流動性等を勘案して適宜決めることができる。
第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度は、好ましくは150〜260℃であり、より好ましくは160〜250℃であり、さらに好ましくは170〜240℃である。第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が260℃以下であることにより、系全体の粘度が向上してポリエチレン系樹脂組成物中間体の分散がより向上する傾向にある。また、第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が260℃以下であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)中の超高分子量ポリエチレンの熱分解による分子量低下を抑制でき、結果として得られるフィルムの強度低下をより抑制できる傾向にある。また、第3の溶融混練工程における溶融混練時の温度が150℃以上であることにより、超高分子量ポリエチレン成分(A)の易動性を上げることができ、超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散が促進される傾向にある。
これに加えて、必要に応じて第4以降の溶融混練工程を設けることも可能である。第4以降の溶融混練工程は、上記第3の溶融混練工程と同様の操作、条件で行うことができる。
第1の溶融混練工程と、第2および第3若しくは第4以降の溶融混練工程とは別々の工程で行ってもよいし、第1の溶融混練工程を行う装置に第2以降の溶融混練工程を行う装置をつなげて第1の溶融混練工程と、第2以降の溶融混練工程とを連続的に行なってもよいし、高濃度希釈物を溶融混練する装置の混練途中に他のポリオレフィン系樹脂をサイドフィードすることにより第1の溶融混練工程と、第2以降の溶融混練工程とを連続的に行なってもよい。いずれの場合も、各々の工程で前述した超高分子量ポリエチレン成分(A)および超高分子量ポリエチレン高濃度希釈物および超高分子量ポリエチレン系樹脂組成物中間体が充分に分散する様に温度条件等を勘案して溶融混練することが好ましい。
上記混練を行うにあたり、加工助剤等を使用することにより、みかけの溶融粘度を下げる効果が得られる。加工助剤を添加しない場合には、装置のもつトルク限界の条件での特定温度で運転することになるのに対し、加工助剤を添加した場合には、押出し時の樹脂圧が下がることから、より低温での運転が可能となる。
特に、上記第2の混練では超高分子量ポリエチレン成分(A)の分散を促進する目的で、出来る限り低温で混練することが望ましく、これらの加工助剤を添加することが好ましい。
加工助剤としては、PVDF系(スリーエム社製、ダイナマーFX5920)やアクリル変性PTFE系(三菱レイヨン社製、メタブレンA3000)の加工助剤等を好適に使用することができる。使用の際は第1の溶融混練工程の前にあらかじめポリエチレン系樹脂組成物100質量%に対して、0.01〜1.0質量%の範囲で添加して使用するのが好ましい。
本実施形態の農業用フィルムの一例である、外層、中間層および内層から成る3層構造の積層フィルムを作製するには、まず各層を形成しうるペレットをそれぞれ調製したのち、公知の方法、例えば、共押出インフレーション成形法などにより、各層が所定の厚さになるように製膜すればよい。
上記外層および上記内層の厚みは、好ましくは1〜150μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜50μmである。外層と内層の厚みは、同じであってもよいし異なっていてもよい。また、外層および/または内層が超高分子量PE層である場合、層の厚みは、好ましくは1〜150μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜50μmである。
本実施形態の農業用フィルムにおいて、外層または内層が超高分子量PE層でない場合、外層または内層は、単一もしくは複数の他のポリオレフィン系樹脂(特に、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン(例えば、他のオレフィン系樹脂の中でも最もMFRが低く、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンなど)および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体)を含む層であることが好ましく、単一もしくは複数の他のポリオレフィン系樹脂のみからなる層であることがより好ましく、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のみからなる層であることがさらに好ましい。外層または内層が超高分子量PE層でない場合、外層または内層には、上記添加剤が含まれていてもよい。
外層または内層が超高分子量PE層でない場合、外層または内層中の他のポリオレフィン系樹脂の含有量は、50〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%である。他のポリオレフィン系樹脂の含有量が上記範囲であることにより、超高分子量PE樹脂組成物が、透明でかつ、フィルムへの加工性が良好となる。
[中間層]
本実施形態の農業用フィルムの、内層と外層との間に設けられる中間層について述べる。
中間層の数や組成は特に限定されるものではないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、赤外線吸収能をもち、地面からの輻射熱を吸収できるため、農業用フィルムに保温性を付与することから、好適に使用できる。また、他のポリオレフィン系樹脂(例えば、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン(例えば、他のオレフィン系樹脂の中でも最もMFRが低く、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレンなど)および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体)と保温材を組み合わせることもできる。上記中間層にはさらに、防曇剤が含まれていてもよい。
上記中間層を構成する素材としては、以下のものがあげられる。
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)
中間層中の酢酸ビニル含有量としては、5〜30質量%が好ましく、さらに、10〜25質量%であるとより好ましい。酢酸ビニル含有量が5質量%以上であれば防曇性塗膜との密着性が良好である。また、30質量%以下であると得られるフィルムの強度が十分であり、透明性も良好である。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が3〜25質量%の範囲が好ましく、更に好ましくは5〜20質量%の範囲である。酢酸ビニル含有量がこの範囲より小さいと、得られるフィルムが硬くなりハウスへの展張時にシワや弛みが出来やすく、防曇性に悪影響が出るため実用性に乏しく、また、酢酸ビニル含有量がこの範囲より大きいと、樹脂の融点が低いためハウス展張時に夏場の高温下でフィルムが弛み、風でばたつきハウス構造体との擦れ等により破れが生じやすくなるため実用性に乏しい。
(保温材)
上記保温材は、フィルムの保温性を向上させるものであって、一般式
[AlLi(OH)X・mHO (I)
(式中のXは無機または有機アニオン、nはアニオンXの価数、mは3以下の数である)で表わされるリチウムアルミニウム化合物、および一般式
2+ 1−xAl(OH)(Ap−x/p・qHO (II)
(M2+はMg2+、Ca2+およびZn2+からなる群から選ばれる二価金属イオンを示し、Ap−はp価のアニオン、xおよびqはそれぞれ0<x<0.5、0≦q≦2を満たす数である)で表わされるハイドロタルサイト類等が挙げられる。
この保温材は、中間層に含まれる樹脂成分100質量部に対し、1〜20質量部、好ましくは3〜10質量部の割合で配合することができる。この配合量が1質量部未満では保温性の向上効果が十分に発揮されないし、20質量部を超えるとフィルムの引張強度や引裂強度などの機械物性が低下する。また、中間層において、上記保温材は上記樹脂成分と相容性よく均一にブレンドされ、特にリチウムアルミニウム化合物は透明性がよく好ましい。
上記一般式(I)で表わされるリチウムアルミニウム化合物において、Xは無機または有機のアニオンであり、具体例としては、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、メタリン酸イオンなどの無機アニオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、アジピン酸イオン、安息香酸イオン、フタル酸イオンなどの有機アニオンを挙げることができる。
上記一般式(II)で表わされるハイドロタルサイト類において、Aは無機または有機のアニオンであり、具体例としては、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどの無機アニオン、CHCOO、C(OH)COOなどの有機アニオンを挙げることができる。
上記中間層は、農業用フィルムの基材層であり、その厚さは、通常30〜180μm、好ましくは50〜130μmの範囲で選ばれる。この厚さが薄すぎると得られるフィルムの機械物性が不十分となるし、厚すぎると光透過性が低下する。中間層の厚さは、フィルム全体の厚さに対し、50〜80%の範囲が好ましく、特に55〜75%の範囲が好ましい。
(防曇剤)
本実施形態の農業用フィルムにおいて、中間層を構成する組成物には、組成物全量に対して、防曇剤が1〜10質量%添加されていてもよい。1質量%未満では防曇性の持続効果が十分ではなく、10質量%を越える場合には、フィルム表面への吹き出しが多くなりフィルムが不透明となったり、製膜加工時に発泡したりするなどの問題が生じる。なお、上記防曇剤は中間層だけでなく必要に応じ内層または内層と外層に添加しても構わない。
上記防曇剤としては、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等から、防曇剤のエステル化度、アルキル基の鎖長、アルキレンオキサイドの付加モル数、またはそれらの純度を変化させることによって得られるもの等が挙げられる。それらの例として、ソルビタンモノラウレート、ジグリセリンセスキラウレート、グリセリンモノオレート等の多価アルコールの部分カルボン酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の多価アルコールの部分カルボン酸エステルのポリオキシエチレン誘導体、アミン類および脂肪酸アミド類が挙げられる。その中でも下記式(1)で表される化合物とそれらの有機酸との中和塩が好適に用いられる。
Figure 2019098534
(式中、Rは炭素数が8〜22のアルキル基、アルケニル基またはアシル基、RおよびRは互いに独立して水素原子または炭素数が8〜22のアシル基、aおよびbは互いに独立してa+b=2〜20となる1以上の整数、cは0または1〜10の整数、nは2または3を示す。)
<農業用フィルムの成形方法>
本実施形態の農業用フィルムは、上記超高分子量PE樹脂組成物を押出成形することにより得られる。押出成形方法としては、特に限定されないが、Tダイ成形、インフレーション成形、熱プレス成形、真空成形等が挙げられる。その中でも、インフレーション成形が好ましい。加工温度は、好ましくは150〜250℃、より好ましくは160〜230℃、さらに好ましくは170〜220℃である。
また、本実施形態の農業用フィルムは、フィルム成形後に架橋反応を行ってもよい。架橋反応させることにより、より高分子量化されたポリエチレン層を得ることができ、すべり摩耗特性が向上したフィルムが得られる。
以下、本実施形態の農業用フィルムの特性について記載する。
(超高分子量PE層の比摩耗量)
摩耗特性を支配する特性として、摩擦係数がある。摩擦係数は、物質間の分子間力、原子間力による凝着を結着されたエネルギーを乖離させるひずみを付与する最大点により算出される。ポリエチレン等の粘弾性をもつ樹脂の場合、樹脂の粘性的な性質により、緩和時間の長い粘性的性質をもつ樹脂に関しては、変形による歪を回復する時間が長くなり、常に動体の重心移動とは反対方向に負の負荷がかかった状態であることから、動摩擦係数が大きくなり、比摩耗量が増大する。このような知見から、比摩耗量を低減するためには、凝着点となる部位が少ない超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を配合することが好ましい。
上記超高分子量PE層の比摩耗量は、超高分子量ポリエチレンを所定量含有することにより、低減させることができる。砂塵による摩耗、巻き取り作業時における、フィルム同士の擦れによるフィルム劣化を抑制できる観点から、農業用フィルムの外層として好適に使用できる。また、巻き取り作業時の擦れは、内層と外層でも発生するため、内層に強化層を設けても良い。
このような観点から、超高分子量PE層のJIS K7218A法準拠で実施された比摩耗量は、5×10−6mm/Nm以下であることが好ましく、より好ましくは3.6×10−6mm/Nm以下である。
なお、超高分子量PE層が複数ある場合、少なくとも1層の比摩耗量が上記範囲であることが好ましく、全層の比摩耗量が上記範囲であることがより好ましい。
試験片 30×30×t=0.15mm
相手材 SUS304 リング(接触面積2cm)粗さ0.1μmRa以下
速度 0.5m/s 荷重35N 時間100分
測定装置 株式会社エーアンドデイ製摩擦摩耗試験機 MODEL EMF−III−F
(農業用フィルムの厚さ)
本実施形態の農業用フィルムの厚さは、透明性の観点から、1〜200μmであることが好ましく、より好ましくは5〜180μm、更に好ましくは10〜175μmである。
(農業用フィルムの破断強度)
本実施形態の農業用フィルムの引張破断強度は、0.2MPa以上であることが好ましく、0.26MPa以上であることがより好ましい。引張破断強度が0.2MPa以上であると、農業用フィルムとして好適に使用できることから好ましい。
なお本開示で、農業用フィルムの引張破断強度は、JIS K7161に準拠して測定される値である。
(農業用フィルムの引裂強度)
本実施形態の農業用フィルムの引裂強度は、170N/mm以上であることが好ましく、200N/mm以上であることがより好ましい。引裂強度が170N/mm以上であると、農業用フィルムとして好適に使用できることから好ましい。
なお本開示で、農業用フィルムの引張破断強度は、JIS K7218−1に準拠したトラウザー引き裂き法にて測定される値である。
(農業用フィルムの全光線透過率)
本実施形態の農業用フィルムの内部ヘイズは、厚さ150μmのフィルムにおいて、45以下であることが好ましく、35以下であることがより好ましく、30以下であることがさらに好ましい。内部ヘイズが45以下であると、透明なフィルムとして好適に使用できる。
また、本実施形態の農業用フィルムの全光線透過率は、88%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。
なお、内部ヘイズとは、凹凸等の表面構造に由来するヘイズを除いた値であり、JIS K7136に準拠して測定される。全光線透過率は、厚さ150μmの条件で、JIS K7361−1に準拠して測定される。
本実施形態の農業用フィルムは、農業用ハウスや農業用トンネル等の施設園芸の被覆資材等に用いることができ、特に巻き上げ機を備える農業用ハウスの被覆資材等として特に有用である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例および比較例において用いた原料>
農業用フィルムの製造において、超高分子量ポリエチレン成分(A)として用いたポリエチレンは下記のとおりである。
・UHMWPE1:旭化成社製、サンファイン(登録商標)UH900(密度:0.940g/cm、引張弾性率:0.34GPa、重量平均分子量300万)
農業用フィルムの製造において、他のポリオレフィン系樹脂として用いたポリエチレンは下記のとおりである。
・LLDPE1:プライムポリマー社製、エボリュー(登録商標)SP4020(密度:0.937g/cm、引張弾性率:0.45GPa)MFR1.8dg/min
・EVA1 宇部丸善ポリエチレン株式会社製 UBEポリエチレンV115(密度:0.94g/cm、引張弾性率:0.04GPa)MFR0.8dg/min
・EVA2 宇部丸善ポリエチレン株式会社製 UBEポリエチレンV106(密度:0.92g/cm、引張弾性率:0.08Gpa)MFR0.4dg/min
・HDPE1:旭化成社製、サンテック(登録商標)J300(密度:0.961g/cm、引張弾性率:0.68GPa)MFR42dg/min
・HDPE2:旭化成社製、サンテック(登録商標)J240(密度:0.966g/cm、引張弾性率:0.7GPa)MFR5dg/min
・LLDPE2:宇部興産社製、ユメリット(登録商標)631J(密度:0.931g/cm、引張弾性率:0.29GPa)MFR20dg/min
・LLDPE3:宇部興産社製、ユメリット(登録商標)2040FC(密度:0.919g/cm、引張弾性率:0.21GPa)MFR5dg/min
農業用フィルムの製造において用いた、保温材は下記のとおりである。
・保温材1 協和化学工業株式会社 DHT−4A
(1)破断強度の測定
実施例、比較例で得られたフィルムの破断強度(MPa)は、オートグラフAG−XPlus(島津製作所社製)により、試料幅10mm、チャック間距離を50mmとして、JIS K7161に準じて測定した。測定結果を表1に示す。
(2)トラウザー引裂強度の測定
実施例、比較例で得られたフィルムの引裂強度(GPa)は、オートグラフAG−XPlus(島津製作所社製)により、試料幅10mm、チャック間距離を50mmとして、JIS K7218−1に準じて測定した。測定結果を表1に示す。
(3)全光線透過率の測定
実施例、比較例で得られたフィルムの全光線透過率は、厚さ150μmのフィルムをHAZEMETER NDH−5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K 7361−1に準じて測定した。測定結果を表1に示す。
(4)比摩耗量の測定
実施例、比較例で得られたフィルムの外層の比摩耗量を、JIS K7218Aに準じて、下記の条件で測定した。なお、実施例4は、内層の比摩耗量も測定したところ、外層とほぼ同値であった。
試験片 30×30×t=0.15mm
相手材 SUS304 リング(接触面積2cm)粗さ0.1μmRa以下
速度 0.5m/s 荷重35N 時間100分
測定装置 株式会社エーアンドデイ製摩擦摩耗試験機 MODEL EMF−III−F
〔実施例1〕
55.5質量%のUHMWPE1、44.5質量%のHDPE1を混合した後、東芝機械株式会社製TEM−18s二軸押出機(L/D=50)にて溶融混練した。混練は、温度=215℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物66.7質量%と、33.3質量%のHDPE2とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第1中間体のペレットを得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第1中間体81.1質量%と、18.9質量%のHDPE1とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練(2回目)に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第2中間体を得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第2中間体40質量%と、60質量%のLLDPE1とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第3の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約3〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、EVA2を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmの農業用フィルムを得た。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物および農業用フィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔実施例2〕
55.5質量%のUHMWPE1、44.5質量%のLLDPE2を混合した後、東芝機械株式会社製TEM−18ss二軸押出機(L/D=50)にて溶融混練した。混練は、温度=215℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物を得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂高濃度希釈物66.7質量%と、33.3質量%のLLDPE3とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第1中間体を得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第1中間体81.1質量%と、18.9質量%のLLDPE2とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練(2回目)に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂第2中間体を得た。
上記で得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第2中間体40質量%と、60質量%のLLDPE1とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第3の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約3〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、EVA2を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmの農業用フィルムを得た。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物および農業用フィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔実施例3〕
実施例1の第2の混練(2回目)で得られた、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物第2中間体80質量%と、20質量%のLLDPE1とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第4の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約1〜2kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、EVA2を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmの農業用フィルムを得た。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物および農業用フィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1の第3の混練で得られた、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、さらに外層と同一のペレットを10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmの農業用フィルムを得た。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物および農業用フィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔実施例5〕
90質量%のEVA1、10質量%の保温材1を混合した後、東芝機械株式会社製TEM−18ss二軸押出機(L/D=50)にて溶融混練した。混練は、温度=170℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約3〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、保温材入りEVA1ペレットを得た。
実施例1の第3の混練で得られた、超高分子量ポリエチレン樹脂組成物のペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、保温材入りEVA1ペレットを30Kg/Hrで押し出した中間層、さらに外層と同一のペレットを10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmの農業用フィルムを得た。
得られた超高分子量ポリエチレン樹脂組成物および農業用フィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔比較例1〕
LLDPE1を多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、EVA2を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmのポリオレフィン樹脂製フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物およびフィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔比較例2〕
61.5質量%のHDPE1、38.5質量%のHDPE2を混合した後、東芝機械株式会社製TEM−18ss二軸押出機(L/D=50)にて溶融混練した。混練は、温度=205℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約3〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、ポリエチレン系樹脂組成物中間体を得た。
上記で得られたポリエチレン系樹脂組成物中間体40質量%と、60質量%のLLDPE1とを混合したのち、上記二軸押出機に投入し、第2の溶融混練に供した。混練は、温度=210℃、スクリュー回転数=200回転で、吐出量が約3〜5kg/Hrになる様にフィーダーを調節して行い、ポリエチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
このペレットを多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、EVA2を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmのポリオレフィン樹脂製フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物およびフィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
〔比較例3〕
LLDPE1を多層インフレーション成形機の押出機に供給し、190℃ダイから10Kg/Hr押出された外層、EVA1を30Kg/Hrで押し出した中間層、LLDPE1を10Kg/Hrで押し出した内層をインフレーション成形して厚さ0.15mm、幅100cmのポリオレフィン樹脂製フィルムを得た。
得られたポリエチレン系樹脂組成物およびフィルムの組成、各物性の測定結果を、表1に示す。
Figure 2019098534
本発明のポリエチレン系農業用フィルムは、ビニールハウス、マルチフィルム等として、広く利用することができる

Claims (7)

  1. 少なくとも外層および内層を有し、
    前記外層および前記内層の少なくとも一方の層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有することを特徴とする農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  2. 前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層に、さらに、密度が0.880〜0.945g/cmの低密度ポリエチレン、および/またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する、請求項1に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  3. 前記低密度ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンを含有する、請求項2に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  4. 前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層の、JIS K7218A準拠のすべり摩耗試験により測定された比摩耗量が、5×10−6mm/Nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  5. 前記超高分子量ポリエチレンを含有する前記層の厚みが10〜100μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  6. 厚さ150μmの条件でJIS K7136に準拠して測定される全光線透過率が88%以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
  7. 前記外層と前記内層との間にさらに中間層を含み、前記外層および前記内層に重量平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレンを含有する、請求項1〜6の何れか一項に記載の農業用ポリオレフィン系多層フィルム。
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