JP2019097231A - モータおよびコイルボビン - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルボビンの軸線回りのガタ付きと軸線方向のガタ付きとを防止でき、ステータの製造が容易なモータを提供すること。【解決手段】モータ1において、ステータ3を構成するコイルボビン20の鍔部36、37は、それぞれ2つの凸部39を備える。各鍔部36、37の凸部39はモータ軸線L方向で重なる。コイルボビン20を挟む外ステータコア22と内ステータコア23は、コイルボビン20と対向する端面25a、31aに複数の凹部29、33を備える。外ステータコア22の凹部29と内ステータコア23の凹部33とはモータ軸線L方向で部分的に重なる。各凸部39は凹部29、33よりも周方向で大きく、テーパーの環状外周面部分81を備える。環状外周面部分81において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分81aと他方側を向く他方向き外周面部分81bは、端面25a、31aにおける凹部29、33の開口縁に当接して潰れている。【選択図】図10
Description
本発明は、コイルボビンの軸線回りのガタ付きや軸線方向のガタ付きを抑制できるモータおよびコイルボビンに関する。
回転軸の外周面に永久磁石を配置したロータと、永久磁石に対向する複数の極歯が周方向に配置された環状のステータとを有するモータは、特許文献1に記載されている。ステータは、駆動コイルと、駆動コイルが巻回された樹脂製のコイルボビンと、コイルボビンを当該コイルボビンの軸線方向の両側から挟むテータコアと、を備える。コイルボビンは、環状胴部と、環状胴部の軸線方向の両端縁から外周側に張り出す一対の鍔部と、を備える。駆動コイルは、環状胴部の外周側で一対の鍔部の間に巻回されている。ステータコアは、軸線方向で積層された第1コア部材(外側ステータ)および第2コア部材(内側ステータ)を備える。コイルボビンは軸線方向で第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれている。
このようなモータでは、駆動時の振動や騒音を低減するために、ステータコアに保持されたコイルボビンのガタ付きを防止したいという要望がある。かかる要望に対して、特許文献1のモータでは、コイルボビンの一対の鍔部のうちの一方の鍔部に、環状胴部とは反対側に突出する凸部を備える。また、当該鍔部と接触する第1コア部材の接触面には、凸部が嵌る凹部が設けられている。ステータコアによってコイルボビンが挟まれたときに、凹部の縁と凸部の傾斜した外周面部分とが接触することで、コイルボビンの軸線方向のガタが抑制されている。
コイルボビンは、環状であり、環状のステータを構成する2つのコア部材の間に配置される。従って、コイルボビンには、2つのコア部材の間に挟まれた状態で軸線回りに回転するガタが発生する場合がある。
かかる問題に鑑みて、本発明の課題は、コイルボビンの軸線回りのガタ付きと軸線方向のガタ付きとを防止でき、ステータの製造が容易なモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、環状のステータを有し、前記ステータは、環状胴部および当該環状胴部の軸線方向の両端縁から外周側に張り出す一対の鍔部を備える樹脂製のコイルボビンと、前記環状胴部の外周側で前記一対の鍔部の間に巻回された駆動コイルと、前記軸線方向で積層された第1コア部材および第2コア部材を備えるステータコアと、を備え、前記コイルボビンが前記第1コア部材と前記第2コア部材との間に挟まれているモータにおいて、各鍔部のそれぞれは、前記環状胴部とは反対側の端面に複数の凸部を備え、前記軸線方向から見た場合に、一方の前記鍔部の各凸部と他方の前記鍔部の各凸部とは、それぞれ重なり、前記第1コア部材および前記第2コア部材のそれぞれは、前記コイルボビンと対向する対向面に、各鍔部の各凸部に対向する複数の凹部を備え、前記第1コア部材の前記凹部と前記第2コア部材の前記凹部とは、前記軸線方向から見た場合
に、互いに部分的に重なる重なり部分を備え、各凸部は、前記第1コア部材の前記凹部および前記第2コア部材の前記凹部よりも前記軸線回りの周方向で大きく、その外周面に、先端に向かって先細りとなる環状外周面部分を備え、前記環状外周面部分において前記周方向の一方側を向く一方向き外周面部分および他方側を向く他方向き外周面部分は、前記対向面における前記凹部の開口縁に当接して潰れていることを特徴とする。
に、互いに部分的に重なる重なり部分を備え、各凸部は、前記第1コア部材の前記凹部および前記第2コア部材の前記凹部よりも前記軸線回りの周方向で大きく、その外周面に、先端に向かって先細りとなる環状外周面部分を備え、前記環状外周面部分において前記周方向の一方側を向く一方向き外周面部分および他方側を向く他方向き外周面部分は、前記対向面における前記凹部の開口縁に当接して潰れていることを特徴とする。
本発明では、一対の鍔部のそれぞれに設けられた複数の凸部が、各鍔部と対向する第1コア部材および第2コア部材の対向面のそれぞれに設けられた各凹部の開口縁と接触する。ここで、凸部は、第1コア部材および第2コア部材の対向面に設けられた各凹部よりも周方向で大きい。従って、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれたときに、凸部の環状外周面部分において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分および他方側を向く他方向き外周面部分を、各対向面における凹部の開口縁に当接させることができる。これにより、第1コア部材および第2コア部材に対して、コイルボビンの軸線回りの位置(姿勢)が規定され、かつ、コイルボビンの軸線回りのガタ付きが防止される。また、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれた状態では、一方向き外周面部分および他方向き外周面部分は潰れた状態となる。従って、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間において軸線方向にガタ付くことが防止される。ここで、第1コア部材の対向面に設けられる凹部と、第2コア部材の対向面に設けられる凹部とは、軸線方向から見た場合に、互いに部分的に重なる重なり部分を備えるように設ければいいので、異なる2つの部材(第1コア部材および第2コア部材)にそれぞれ設ける凹部の位置を厳密に一致させる必要がない。従って、第1コア部材および第2コア部材の寸法管理が容易となり、ステータの製造が容易となる。なお、本発明において、対向面に設けられる凹部には、コイルボビンから離間する方向に窪む穴(底を有する穴)、および、貫通穴が含まれる。
本発明において、各鍔部において、複数の前記凸部は、前記軸線と直交して当該鍔部に沿って延びる仮想線に対して対称に設けられていることが望ましい。このようにすれば、コイルボビンを軸線と直交する仮想線回りに反転させた場合でも、各鍔部に設けた凸部と、第1コア部材および第2コア部材に設けた凹部との係止によって、コイルボビンの軸線回りの回転を防止するとともに、コイルボビンが軸線方向にガタ付くことを防止できる。
前記第1コア部材の前記凹部の中心と前記第2コア部材の前記凹部の中心とは、前記軸線方向から見た場合に、前記周方向ではズレておらず、径方向にズレているものとすることができる。このようにすれば、異なる2つの部材(第1コア部材および第2コア部材)にそれぞれ設ける凹部の位置を、径方向において、厳密に一致させる必要がなくなるので、第1コア部材および第2コア部材の寸法管理が容易となる。また、第1コア部材の凹部と第2コア部材の凹部とが周方向ではズレていなければ、コイルボビンの各鍔部に2つの凸部を設け、第1コア部材および第2コア部材のそれぞれに2つの凸部が係止される凹部を備えることによって、コイルボビンの軸線回りの位置(姿勢)を規定できる。
本発明において、各鍔部において、複数の前記凸部の数は2つであり、前記軸線を間に挟んで設けられているものとすることができる。このようにすれば、各鍔部に設けた凸部と、第1コア部材および第2コア部材に設けた凹部との係止によって、コイルボビンの軸線回りの回転を防止することが確実となる。
本発明において、前記第1コア部材の前記凹部の中心と前記第2コア部材の前記凹部の中心とは、前記軸線方向から見た場合に、ズレており、各鍔部において、複数の前記凸部は、前記周方向で離間する3か所以上に設けられており、各対向面において、複数の前記凹部は、各凸部と対向する位置に設けられているものとすることができる。各鍔部に設けた凸部と、第1コア部材および第2コア部材に設けた凹部とが、周方向の3か所以上で係
止すれば、第1コア部材の凹部の中心と第2コア部材の凹部の中心とが周方向および径方向でズレている場合でも、各凸部と各凹部との係止によって、コイルボビンの軸線回りの回転を防止できる。
止すれば、第1コア部材の凹部の中心と第2コア部材の凹部の中心とが周方向および径方向でズレている場合でも、各凸部と各凹部との係止によって、コイルボビンの軸線回りの回転を防止できる。
各鍔部において、複数の前記凸部は、前記軸線回りで等角度間隔に設けられているものとすることができる。このようにすれば、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれたときに、その姿勢が安定しやすい。
本発明において、駆動コイルに電力を供給するためには、前記ステータは、前記駆動コイルの端が接続される端子ピンを備え、一対の前記鍔部のうちの一方の鍔部には、外周側に突出する端子台が設けられており、前記端子ピンは、前記端子台に支持されているものとすることができる。
本発明において、前記ステータとして、前記軸線方向に積層された第1ステータおよび第2ステータを備えるものとすることができる。
本発明では、コイルボビンの鍔部に設けられた凸部は、第1コア部材および第2コア部材の対向面に設けられた各凹部よりも周方向で大きい。従って、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれたときに、凸部の環状外周面部分において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分および他方側を向く他方向き外周面部分が、各対向面における凹部の開口縁に当接させることができる。これにより、第1コア部材および第2コア部材に対して、コイルボビンの軸線回りの位置を規定し、コイルボビンの軸線回りの回転を防止できる。また、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間に挟まれた状態では、一方向き外周面部分および他方向き外周面部分は潰れている。従って、コイルボビンが第1コア部材と第2コア部材との間において軸線方向にガタ付くことが防止される。さらに、第1コア部材の対向面に設けられる凹部と、第2コア部材の対向面に設けられる凹部とは、軸線方向から見た場合に、互いに部分的に重なる重なり部分を備えればよく、異なる2つの部材(第1コア部材および第2コア部材)にそれぞれ設ける凹部の位置を厳密に一致させる必要がない。従って、第1コア部材および第2コア部材の寸法管理が容易となり、ステータの製造が容易となる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したモータの実施形態について説明する。
(全体構成)
図1は本発明に係るモータの外観斜視図である。図2は図1のA−A線におけるモータの断面図である。図3は図1のB−B線におけるモータの断面図である。図4はモータの分解斜視図である。図5は第1ステータ組を出力側から見た場合の分解斜視図である。図6は第1ステータ組を反出力側から見た場合の分解斜視図である。図1から図3に示すように、モータ1は、ステッピングモータである。図2に示すように、モータ1は、ロータ2と、ロータ2の外周側に配置された環状のステータ3と、を備える。ロータ2は、回転軸5と、回転軸5に固定されたブッシュ6と、ブッシュの外周側に固定された筒状の永久磁石7と、を備える。ブッシュ6は、回転軸5において、モータ軸線L方向(回転軸5の軸線方向)で一方側に偏った位置に固定されている。永久磁石7の外周面には、モータ軸線L回りの周方向で、N極とS極が交互に着磁されている。
図1は本発明に係るモータの外観斜視図である。図2は図1のA−A線におけるモータの断面図である。図3は図1のB−B線におけるモータの断面図である。図4はモータの分解斜視図である。図5は第1ステータ組を出力側から見た場合の分解斜視図である。図6は第1ステータ組を反出力側から見た場合の分解斜視図である。図1から図3に示すように、モータ1は、ステッピングモータである。図2に示すように、モータ1は、ロータ2と、ロータ2の外周側に配置された環状のステータ3と、を備える。ロータ2は、回転軸5と、回転軸5に固定されたブッシュ6と、ブッシュの外周側に固定された筒状の永久磁石7と、を備える。ブッシュ6は、回転軸5において、モータ軸線L方向(回転軸5の軸線方向)で一方側に偏った位置に固定されている。永久磁石7の外周面には、モータ軸線L回りの周方向で、N極とS極が交互に着磁されている。
また、モータ1は、モータ軸線L方向の一方側および他方側でステータ3の両側に配置された第1端板8および第2端板9を備える。第1端板8には第1軸受10が支持されている。第1軸受10は回転軸5の一方側の端部分を回転可能に支持する。第2端板9には第2軸受11が支持されている。第2軸受11は回転軸5の中程から他方側に偏った位置を回転可能に支持する。以下の説明では、モータ軸線L方向において、ロータ2の回転軸5がステータ3から突出している側を出力側L1とし、回転軸5が突出している側とは反対側を反出力側L2とする。
(ステータ)
図2、図3および図4に示すように、ステータ3は、モータ軸線L方向に重ねて配置された第1ステータ組15(第1ステータ)と、第2ステータ組16(第2ステータ)を備える。第1ステータ組15は第2ステータ組16の反出力側L2に位置する。
図2、図3および図4に示すように、ステータ3は、モータ軸線L方向に重ねて配置された第1ステータ組15(第1ステータ)と、第2ステータ組16(第2ステータ)を備える。第1ステータ組15は第2ステータ組16の反出力側L2に位置する。
第1ステータ組15は、駆動コイル19と、駆動コイル19が巻回されたコイルボビン20と、モータ軸線L方向の両側から駆動コイル19およびコイルボビン20を挟むステータコア21と、を有する。ステータコア21は、モータ軸線L方向で積層される外ステータコア22(第1コア部材)および内ステータコア23(第2コア部材)を備える。第1ステータ組15では、外ステータコア22は、内ステータコア23の反出力側L2に位置し、コイルボビン20を内側に収容している。内ステータコア23は、出力側L1から外ステータコア22に組み付けられて、コイルボビン20を出力側L1から被っている。外ステータコア22および内ステータコア23は磁性部材である。
図5に示すように、外ステータコア22は、環状端板部25と、環状端板部25の外周端から出力側L1に延在する筒状部26と、環状端板部25の内周縁から出力側L1に起立する複数の極歯27を備える。外ステータコア22は、外周側の筒状部26によって駆動コイル19の外周を覆うモータケースを構成している。筒状部26は、周方向の一部分に出力側L1から切り欠かれた切り欠き部28を備える。環状端板部25において出力側L1を向く端面25a(コイルボビン20と対向する対向面)には、モータ軸線L回りで180°離間する2か所に、凹部29が設けられている。凹部29は環状端板部25をモータ軸線L方向に貫通する貫通穴である。
図6に示すように、内ステータコア23は、環状端板部31と、環状端板部31の内周縁から反出力側L2に起立する複数の極歯32を備える。環状端板部31において反出力側L2を向く端面31a(コイルボビン20と対向する対向面)には、モータ軸線L回りで180°離間する2か所に、凹部33が設けられている。凹部33は環状端板部31をモータ軸線L方向に貫通する貫通穴である。外ステータコア22の凹部29と内ステータコア23の凹部33とは、モータ軸線L方向から見た場合に互いに重なっている重なり部分を備える。
コイルボビン20は、樹脂製である。コイルボビン20は、外周側に駆動コイル19が巻回される環状胴部35と、環状胴部35のモータ軸線L方向の両端縁から外周側に張り出す一対の鍔部36、37を備える。環状胴部35の軸線はモータ軸線Lと一致する。駆動コイル19は、環状胴部35の外周側で一対の鍔部36、37の間に巻回される。
一対の鍔部36、37は、環状胴部35の反出力側L2の端縁から外周側に広がる第1鍔部36と、環状胴部35の出力側L1の端縁から外周側に広がる第2鍔部37と、からなる。図6に示すように、第1鍔部36には、環状胴部35とは反対側を向く端面36aに、反出力側L2に突出する2つの凸部39が設けられている。2つの凸部39は、モータ軸線Lと直交する方向において当該モータ軸線Lを間に挟んで設けられている。また、第1鍔部36の2つの凸部39は、コイルボビン20がステータコア21によって挟まれたときに、モータ軸線L方向で、外ステータコア22の凹部29と対向する位置に設けられている。
図5に示すように、第2鍔部37には、環状胴部35とは反対側を向く端面37aに、出力側L1に突出する2つの凸部39が設けられている。2つの凸部39は、モータ軸線Lと直交する方向において当該モータ軸線Lを間に挟んで設けられている。また、第2鍔部37の2つの凸部39は、コイルボビン20がステータコア21によって挟まれたときに、モータ軸線L方向で、内ステータコア23の凹部33と対向する位置に設けられている。第1鍔部36の凸部39と、第2鍔部37の凸部39とは、同一形状であり、モータ軸線L方向から見た場合に、重なっている。
駆動コイル19が巻回されたコイルボビン20は、外ステータコア22の内側に収容される。この際に、図1に示すように、コイルボビン20の端子台40および端子ピン41は、外ステータコア22の切り欠き部28から外部に露出する。また、図3に示すように、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39は、外ステータコア22の凹部29に挿入(係止)される。
内ステータコア23は、その環状端板部61が、外ステータコア22の筒状部26の出力側L1の開口端を塞ぐようにして、外ステータコア22に組み付けられる。内ステータコア23は外ステータコア22に対して、例えば、溶接によって、組み付けられる。これにより、駆動コイル19が巻回されたコイルボビン20はモータ軸線L方向で外ステータコア22と内ステータコア23との間に挟まれた状態となる。ここで、内ステータコア23が外ステータコア22に対して組み付けられる際には、図3に示すように、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39は、内ステータコア23の凹部33に挿入(係止)される。
外ステータコア22に内ステータコア23が組み付けられると、内ステータコア23の極歯27と外ステータコア22の極歯32とが、コイルボビン20の環状胴部35の内周壁面に沿って周方向に交互に配置された状態となる。これら複数の極歯の列は、永久磁石7の外周面と対向する。永久磁石7の外周面と極歯との間には、一定のエアギャップが確保されている。
また、内ステータコア23と外ステータコア22とが組み付けられると、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39と外ステータコア22の環状端板部25の凹部29、および、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39と内ステータコア23の環状端板部31の凹部33によって、ガタ防止機構45が構成される。ガタ防止機構45は、コイルボビン20のモータ軸線L方向(軸線方向)のガタ付きと、コイルボビン20がモータ軸線L回りで回転するガタ付きの双方を防止するものである。ガタ防止機構45の詳細は、後述する。
図2から図4に示すように、第2ステータ組16は、第1ステータ組15と同様に、駆動コイル49と、駆動コイル49が巻回されたコイルボビン50と、モータ軸線L方向の両側から駆動コイル49およびコイルボビン50を間に挟むステータコア51と、を有する。コイルボビン50とコイルボビン20とは同一の部材である。ステータコア51は、モータ軸線L方向で積層される外ステータコア52および内ステータコア53を備える。外ステータコア52および内ステータコア53は、それぞれ外ステータコア22および内ステータコア23と同一の部材である。第2ステータ組16では、外ステータコア52は、内ステータコア53の出力側L1に位置し、コイルボビン50を内側に収容している。内ステータコア53は、反出力側L2から外ステータコア52に組み付けられて、コイルボビン50を反出力側L2から被っている。外ステータコア52および内ステータコア53は磁性部材である。
図4に示すように、内ステータコア53は、環状端板部61と、環状端板部61の内周縁から出力側L1に起立する複数の極歯62を備える。環状端板部61において出力側L1を向く端面61a(コイルボビン50と対向する対向面)には、モータ軸線L回りで180°離間する2か所に、凹部63が設けられている。凹部63は、環状端板部61を貫通する貫通穴である。外ステータコア52は、環状端板部55と、環状端板部55の外周端から反出力側L2に延在する筒状部56と、環状端板部55の内周縁から反出力側L2に起立する複数の極歯57を備える。外ステータコア52は、外周側の筒状部56によって駆動コイル49の外周を覆うモータケースを構成している。筒状部56は、周方向の一部分に出力側L1から切り欠かれた切り欠き部58を備える。環状端板部55において反出力側L2を向く端面55a(コイルボビン50と対向する対向面)には、モータ軸線L回りで180°離間する2か所に、凹部59が設けられている。凹部59は、環状端板部55を貫通する貫通穴である。
コイルボビン50は、樹脂製である。コイルボビン50は、外周側に駆動コイル49が巻回された環状胴部65と、環状胴部65のモータ軸線L方向の両端縁から外周側に張り出す一対の鍔部66、67と、を備える。環状胴部65の軸線はモータ軸線Lと一致する。駆動コイル49は、環状胴部65の外周側で一対の鍔部66、67の間に巻回される。
一対の鍔部66、67は、環状胴部65の反出力側L2の端縁から外周側に広がる第1鍔部66と、環状胴部65の出力側L1の端縁から外周側に広がる第2鍔部67と、からなる。第1鍔部66には、環状胴部65とは反対側を向く端面66aに、反出力側L2に突出する2つの凸部69が設けられている。2つの凸部69は、モータ軸線Lと直交する方向において当該モータ軸線Lを間に挟んで設けられている。また、第1鍔部36の2つの凸部69は、コイルボビン50がステータコア51によって挟まれたときに、モータ軸線L方向で、内ステータコア53の凹部63と対向する位置に設けられている。
第2鍔部37には、環状胴部65とは反対側を向く端面67aに、出力側L1に突出する2つの凸部69が設けられている。2つの凸部69は、モータ軸線Lと直交する方向において当該モータ軸線Lを間に挟んで設けられている。また、第2鍔部37の2つの凸部69は、コイルボビン50がステータコア51によって挟まれたときに、モータ軸線L方向で、外ステータコア52の凹部59と対向する位置に設けられている。第1鍔部66の凸部69と、第2鍔部67の凸部69とは、同一形状であり、モータ軸線L方向から見た場合に、重なっている。
また、第2鍔部67には、図4に示すように、端子台70が一体に設けられている。端子台70は、第2鍔部67の周方向の一部分から外周側に突出するとともに、第2鍔部67から出力側L1に突出する。端子台70には、3本の端子ピン71が支持されている。
すなわち、端子台70において外周側を向く端面には3つの端子ピン支持穴72が設けられており、各端子ピン71は各端子ピン支持穴72に挿入されてコイルボビン50に支持されている。各端子ピン71には、駆動コイル49に電力を供給する給電用の配線等が接続される。
すなわち、端子台70において外周側を向く端面には3つの端子ピン支持穴72が設けられており、各端子ピン71は各端子ピン支持穴72に挿入されてコイルボビン50に支持されている。各端子ピン71には、駆動コイル49に電力を供給する給電用の配線等が接続される。
駆動コイル49が巻回されたコイルボビン50は、外ステータコア52の内側に収容される。この際に、図1に示すように、コイルボビン50の端子台70および端子ピン71は、外ステータコア52の切り欠き部58から外部に露出する。また、図3に示すように、コイルボビン50の第2鍔部67の凸部69は、外ステータコア52の凹部59に挿入(係止)される。
内ステータコア53は、その環状端板部61が、外ステータコア52の筒状部56の出力側L1の開口端を塞ぐようにして、外ステータコア52に組み付けられる。これにより、駆動コイル49が巻回されたコイルボビン50はモータ軸線L方向で外ステータコア52と内ステータコア53との間に挟まれた状態となる。ここで、内ステータコア53が外ステータコア52に対して組み付けられる際には、コイルボビン50の第1鍔部66の凸部69は、内ステータコア53の凹部63に挿入(係止)される。
外ステータコア52に内ステータコア53が組み付けられると、内ステータコア53の極歯57と外ステータコア52の極歯62とが、コイルボビン50の環状胴部65の内周壁面に沿って周方向に交互に配置された状態となる。これら複数の極歯の列は、永久磁石7の外周面と対向する。永久磁石7の外周面と極歯との間には、一定のエアギャップが確保されている。
また、内ステータコア53と外ステータコア52とが組み付けられると、コイルボビン50の第1鍔部66の凸部39と内ステータコア53の環状端板部61の凹部63、および、コイルボビン50の第2鍔部67の凸部69と外ステータコア52の環状端板部55の凹部59により、ガタ防止機構45が構成される。ガタ防止機構45は、コイルボビン50のモータ軸線L方向(軸線方向)のガタ付きと、コイルボビン50がモータ軸線L回りで回転するガタ付きの双方を防止するものである。
第1ステータ組15と第2ステータ組16とは、第1ステータ組15の内ステータコア23の環状端板部31と、第2ステータ組16の内ステータコア53の環状端板部61とが接合された状態で、モータ軸線L方向で積層される。これによりステータ3が構成される。そして、ステータ3の内周側にロータ2が挿入され、第1ステータ組15の反出力側L2の端面を構成する外ステータコア22の環状端板部25に第1軸受10を支持した第1端板8が接合される。また、第2ステータ組16の出力側L1の端面を構成する外ステータコア52の環状端板部55に、第2軸受11を支持した第2端板9が接合される。第1端板8が外ステータコア22に接合される際、および、第2端板9が外ステータコア52に接合される際には、ロータ2の回転軸5が第1軸受10および第2軸受11により回転可能に支持された状態とされる。第1ステータ組15の外ステータコア22、第2ステータ組16の外ステータコア52、第1端板8、および、第2端板9は、永久磁石7や駆動コイル19、49などのモータ構成部品を収容するモータケースを構成している。
(ガタ防止機構)
次に、図5から図10を参照して、ガタ防止機構を詳細に説明する。図7(a)は外ステータコア22をモータ軸線L方向の出力側L1から見た場合の平面図であり、図7(b)は内ステータコア23をモータ軸線L方向の反出力側L2から見た場合の平面図であり、図7(c)は外ステータコア22と内ステータコア23とをモータ軸線L方向で積層した状態を出力側L1から見た場合の平面図である。図8(a)はコイルボビン20を出力
側L1から見た場合の平面図であり、図8(b)は凸部39をモータ軸線L回りの周方向で切断した場合の断面図である。図9(a)はステータコア21の内側にコイルボビン20が収容された状態を反出力側L2から見た場合の平面図であり、図9(b)はコイルボビンの凸部39と当該凸部39が嵌合する外ステータコア22の凹部29の周辺部分の部分断面図である。図10(a)はステータコア21の内側にコイルボビン20が収容された状態を出力側L1から見た場合の平面図であり、図10(b)はコイルボビンの凸部39と当該凸部39が嵌合する内ステータコア23の凹部33の周辺部分の部分断面図であり、図10(c)はコイルボビンの凸部39と凸部39が嵌合する内ステータコア23の凹部33の周辺部分を出力側L1から見た場合の部分拡大図である。
次に、図5から図10を参照して、ガタ防止機構を詳細に説明する。図7(a)は外ステータコア22をモータ軸線L方向の出力側L1から見た場合の平面図であり、図7(b)は内ステータコア23をモータ軸線L方向の反出力側L2から見た場合の平面図であり、図7(c)は外ステータコア22と内ステータコア23とをモータ軸線L方向で積層した状態を出力側L1から見た場合の平面図である。図8(a)はコイルボビン20を出力
側L1から見た場合の平面図であり、図8(b)は凸部39をモータ軸線L回りの周方向で切断した場合の断面図である。図9(a)はステータコア21の内側にコイルボビン20が収容された状態を反出力側L2から見た場合の平面図であり、図9(b)はコイルボビンの凸部39と当該凸部39が嵌合する外ステータコア22の凹部29の周辺部分の部分断面図である。図10(a)はステータコア21の内側にコイルボビン20が収容された状態を出力側L1から見た場合の平面図であり、図10(b)はコイルボビンの凸部39と当該凸部39が嵌合する内ステータコア23の凹部33の周辺部分の部分断面図であり、図10(c)はコイルボビンの凸部39と凸部39が嵌合する内ステータコア23の凹部33の周辺部分を出力側L1から見た場合の部分拡大図である。
ガタ防止機構45は、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39と外ステータコア22の凹部29、および、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39と内ステータコア23の凹部33によって構成される。図7(a)に示すように、外ステータコア22の環状端板部25の出力側L1(コイルボビン20の側)の端面25aに設けられた2つの凹部29は、それぞれ円形開口を備える貫通穴である。2つの凹部29は、モータ軸線L回りの周方向における切り欠き部28の中心とモータ軸線Lとを通過し、外ステータコア22の環状端板部25に沿った仮想線Mに対して線対称となる位置に設けられている。
また、図7(b)に示すように、内ステータコア23の環状端板部31の反出力側L2(コイルボビン20の側)の端面31aに設けられた各凹部33は、外ステータコア22に設けられた各凹部29と同一形状の円形開口を備える貫通穴である。内ステータコア23に設けられた2つの凹部33は、モータ軸線L方向から見た場合に、モータ軸線L回りの周方向における切り欠き部28の中心とモータ軸線Lとを通過して、内ステータコア23の環状端板部31に沿って延びる仮想線Nに対して線対称となる位置に設けられている。
ここで、図7(c)に示すように、外ステータコア22と内ステータコア23とを積層した状態をモータ軸線L方向から見た場合には、外ステータコア22の凹部29の中心と、内ステータコア23の凹部33の中心とは、モータ軸線L方向から見た場合に、径方向でずれている。より具体的には、外ステータコア22の凹部29の中心と、内ステータコア23の凹部33の中心とは、周方向におけるズレは殆どなく、径方向にズレている。本例では、外ステータコア22の凹部29の中心が、内ステータコア23の凹部33の中心よりも内周側に位置している。従って、外ステータコア22の凹部29と内ステータコア23の凹部33とは、モータ軸線L方向から見た場合に、互いに部分的に重なる重なり部分29a、33aと、互いに重なっていないズレ部分29b、33bとを径方向で隣り合う位置に備える。
次に、コイルボビン20の第1鍔部36の端面36aに設けられた2つの凸部39は、図6に示すように、モータ軸線L方向から見た場合に、モータ軸線L回りの周方向における端子台40の中心とモータ軸線Lとを通過し、端面36aに沿った仮想線Oに対して線対称となる位置に設けられている。コイルボビン20の第2鍔部37の端面37aに設けられた2つの凸部39は、図5に示すように、モータ軸線L回りの周方向における端子台40の中心とモータ軸線Lとを通過し、端面37aに沿った仮想線Pに対して線対称となる位置に設けられている。
ここで、コイルボビン20において、第1鍔部36の各凸部39と、第2鍔部37の各凸部39とは同一形状である。また、図8(a)に示すように、第1鍔部36の各凸部39と、第2鍔部37の各凸部39とは、モータ軸線L方向で重なる(一致する)。各凸部39は、少なくとも周方向において、外ステータコア22の凹部29および内ステータコア23の凹部33よりも大きい。本例では、各凸部39は、周方向および径方向の双方に
おいて、外ステータコア22の凹部29および内ステータコア23の凹部33よりも大きい。
おいて、外ステータコア22の凹部29および内ステータコア23の凹部33よりも大きい。
図8(b)に示すように、各凸部39は、その外周面に、先端の側に向かって先細りとなる環状外周面部分81を備える。本例では、各凸部39は、円錐形状であり、頂点80を備える。従って、各凸部39の外周面は、その全体が先端に向かって先細りとなるテーパー面である。
ステータ3の組み立て工程では、図9(a)に示すように、コイルボビン20が外ステータコア22の内側に収容される際に、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39が外ステータコア22の凹部29に挿入(係止)される。また、図10(a)に示すように、内ステータコア23が外ステータコア22の出力側L1に組み付けられる際に、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39は、内ステータコア23の凹部33に挿入(係止)される。その後、溶接などによって、内ステータコア23が外ステータコア22に組み付けられる。
ステータ3の内側にコイルボビン20が収容された状態を出力側L1から見た場合には、図10(c)に示すように、各凸部39の頂点80は、モータ軸線L方向から見た場合に、外ステータコア22の凹部29と内ステータコア23の凹部33とが互いに重なる重なり部分29a、33aの内側に位置する。本例では、各凸部39の頂点80は、径方向および周方向で重なり部分29a、33aの中心に位置する。
ここで、凸部39は、外ステータコア22の各凹部29および内ステータコア23の各凹部33よりも周方向で大きい。従って、内ステータコア23が外ステータコア22に組み付けられて、コイルボビン20が内ステータコア23と外ステータコア22との間に挟まれた状態では、図9(b)に示すように、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39の環状外周面部分81において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分81aおよび他方側を向く他方向き外周面部分81bが、外ステータコア22の環状端板部25の端面25aにおける凹部29の開口縁に当接する。また、コイルボビン20が内ステータコア23と外ステータコア22との間に挟まれた状態では、図10(b)に示すように、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39の環状外周面部分81において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分81aおよび他方側を向く他方向き外周面部分81bが、内ステータコア23の環状端板部31の端面31aにおける凹部33の開口縁に当接する。これにより、外ステータコア22および内ステータコア23に対してコイルボビン20のモータ軸線L回りの位置(姿勢)が規定され、かつ、コイルボビン20のモータ軸線L回りの回転が防止される。
すなわち、ガタ防止機構45は、各鍔部36、37に設けた各凸部39の環状外周面部分81の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bを、外ステータコア22および内ステータコア23に設けた凹部29、凹部33の開口縁にそれぞれ当接させることにより、コイルボビン20がモータ軸線L回りで回転してガタ付くこと防止する。ここで、各鍔部36、37に設けた各凸部39は、その環状外周面部分81が全周に亘って各端面25a、31aに設けた凹部29、33の開口縁に当接する場合もある。
また、内ステータコア23が外ステータコア22に組み付けられると、図9(b)に示すように、コイルボビン20の第1鍔部36の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bが潰れ、凸部39は塑性変形部を備えるものとなる。すなわち、第1鍔部36の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bは、外ステータコア22の環状端板部25の端面25aにおける凹部29の開口縁と接触した状態で潰れている塑性変形部となる。同様に、内ステータコア23が外ステータコ
ア22に組み付けられると、図10(b)に示すように、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bが潰れ、凸部39は、塑性変形部を備えるものとなる。すなわち、第2鍔部37の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bは、内ステータコア23の環状端板部31の端面31aにおける凹部33の開口縁に接触した状態で潰れている塑性変形部となる。これにより、ガタ防止機構45は、コイルボビン20のモータ軸線L方向(軸線方向)でのガタ付きを防止する。
ア22に組み付けられると、図10(b)に示すように、コイルボビン20の第2鍔部37の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bが潰れ、凸部39は、塑性変形部を備えるものとなる。すなわち、第2鍔部37の凸部39の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bは、内ステータコア23の環状端板部31の端面31aにおける凹部33の開口縁に接触した状態で潰れている塑性変形部となる。これにより、ガタ防止機構45は、コイルボビン20のモータ軸線L方向(軸線方向)でのガタ付きを防止する。
なお、各鍔部36、37に設けた各凸部39の環状外周面部分81が全周に亘って各端面25a、31aに設けた凹部29、33の開口縁に当接している場合には、各凸部39は、環状の塑性変形部を備えものとなる。
(作用効果)
本例では、一対の鍔部36、37のそれぞれに設けられた複数の凸部39が、各鍔部36、37と対向する外ステータコア22および内ステータコア23の端面25a、31aのそれぞれに設けられた各凹部29、33の開口縁と接触する。ここで、凸部39は、外ステータコア22および内ステータコア23の端面25a、31aに設けられた各凹部29、33よりも周方向で大きい。従って、コイルボビン20が外ステータコア22と内ステータコア23との間に挟まれた状態では、凸部39の環状外周面部分81において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分81aおよび他方側を向く他方向き外周面部分81bを、各端面25a、31aにおける凹部29、33の開口縁に当接させることができる。これにより、外ステータコア22および内ステータコア23に対して、コイルボビン20のモータ軸線L回りの位置(姿勢)が規定され、かつ、コイルボビン20のモータ軸線L回りのガタ付きが防止される。
本例では、一対の鍔部36、37のそれぞれに設けられた複数の凸部39が、各鍔部36、37と対向する外ステータコア22および内ステータコア23の端面25a、31aのそれぞれに設けられた各凹部29、33の開口縁と接触する。ここで、凸部39は、外ステータコア22および内ステータコア23の端面25a、31aに設けられた各凹部29、33よりも周方向で大きい。従って、コイルボビン20が外ステータコア22と内ステータコア23との間に挟まれた状態では、凸部39の環状外周面部分81において周方向の一方側を向く一方向き外周面部分81aおよび他方側を向く他方向き外周面部分81bを、各端面25a、31aにおける凹部29、33の開口縁に当接させることができる。これにより、外ステータコア22および内ステータコア23に対して、コイルボビン20のモータ軸線L回りの位置(姿勢)が規定され、かつ、コイルボビン20のモータ軸線L回りのガタ付きが防止される。
また、コイルボビン20が外ステータコア22と内ステータコア23との間に挟まれた状態では、各凸部39のテーパーの環状外周面部分81における一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bは、それぞれ外ステータコア22と内ステータコア23とに当接して潰れた状態となっている。従って、コイルボビン20が外ステータコア22と内ステータコア23との間において軸線方向にガタ付くことが防止される。
さらに、本例では、外ステータコア22の端面25aに設けられる凹部29と、内ステータコア23の端面31aに設けられる凹部33とは、モータ軸線L方向から見た場合に、互いに部分的に重なる重なり部分29a、33aを備えるように設ければいいので、異なる2つの部材(外ステータコア22および内ステータコア23)にそれぞれ設ける凹部29、33の位置を厳密に一致させる必要がない。従って、外ステータコア22および内ステータコア23の寸法管理が容易となり、ステータ3の製造が容易となる。
ここで、本例では、外ステータコア22の端面25aに設けられる凹部29と、内ステータコア23の端面31aに設けられる凹部33とは、周方向ではズレておらず、径方向にズレている。従って、コイルボビン20の各鍔部36、37に2つの凸部39を設け、外ステータコア22および内ステータコア23のそれぞれに2つの凸部39が係止される凹部29、33を備えることにより、コイルボビン20のモータ軸線L回りの位置(姿勢)を規定できる。また、鍔部36、37のそれぞれにおいて、2つの凸部39は、前記モータ軸線L回りで180°離間する位置に設けられている。従って、各鍔部36、37に設けた凸部39と、外ステータコア22および内ステータコア23に設けた凹部29、33との係止によって、コイルボビン20のモータ軸線L回りの回転によるガタつきを防止することが確実となる。
ここで、第2ステータ組16においても、コイルボビン50の第1鍔部66の凸部69
と内ステータコア53の凹部63、および、コイルボビン50の第2鍔部67の凸部69と外ステータコア52の凹部59によってガタ防止機構45が構成されている。従って、第1ステータ組15における作用効果は、第2ステータ組16においても同様に得ることができる。
と内ステータコア53の凹部63、および、コイルボビン50の第2鍔部67の凸部69と外ステータコア52の凹部59によってガタ防止機構45が構成されている。従って、第1ステータ組15における作用効果は、第2ステータ組16においても同様に得ることができる。
(変形例)
図11は変形例のモータを出力側L1から見た場合の斜視図である。図12(a)は図11のC−C線における変形例のモータの断面図であり、図12(b)は図11のD−D線における変形例のモータの断面図である。なお、図11、図12に示す変形例のモータ100は、コイルボビン50の姿勢を除き、他の構成は上記のモータ1と同一なので、対応する構成に同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11は変形例のモータを出力側L1から見た場合の斜視図である。図12(a)は図11のC−C線における変形例のモータの断面図であり、図12(b)は図11のD−D線における変形例のモータの断面図である。なお、図11、図12に示す変形例のモータ100は、コイルボビン50の姿勢を除き、他の構成は上記のモータ1と同一なので、対応する構成に同一の符号を付して、その説明を省略する。
変形例のモータ100は、第2ステータ組16において、コイルボビン50をモータ軸線Lと直交する仮想線回りに反転させている。これにより、変形例のモータ100では、第1ステータ組15の端子ピン41と、第2ステータ組16の端子ピン71とをモータ軸線L方向で近接させている。
ここで、コイルボビン50は、コイルボビン20と同一の部材であり、その第1鍔部66に設けられた各凸部69と第2鍔部67に設けられた各凸部69とはモータ軸線L方向で重なっている。また、コイルボビン50の第1鍔部66に設けられた各凸部69と第2鍔部67に設けられた各凸部69とは、コイルボビン20と同様に、それぞれモータ軸線Lと直交して各鍔部66、67に沿って延びる仮想線O、Pに対して対称に設けられている。また、第2ステータ組16におけるステータコア51の外ステータコア52および内ステータコア53は、第1ステータ組15におけるステータコア21の外ステータコア22および内ステータコア23と同一の部材である。
従って、コイルボビン50を反転させた場合でも、コイルボビン50が外ステータコア52の内側に収容される際に、コイルボビン50の第1鍔部66の凸部69を外ステータコア52の凹部59に挿入(係止)させることができる。また、内ステータコア53が外ステータコア52に組み付けられる際に、コイルボビン50の第2鍔部67の凸部69を内ステータコア53の凹部63に挿入(係止)させることができる。
さらに、コイルボビン50の各凸部69は、外ステータコア52の凹部59および内ステータコア53の凹部63よりも周方向で大きい。従って、内ステータコア53が外ステータコア52に組み付けられたときに、第2鍔部67の凸部69の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bを内ステータコア53の凹部63の開口縁に当接させることができる。また、コイルボビン50の第1鍔部66の凸部69の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bを、外ステータコア52における凹部59の開口縁に当接させることができる。
そして、内ステータコア53と外ステータコア52とを組み付けたときに、第2鍔部67の凸部69の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bを、内ステータコア53との間で塑性変形させることができる。また、内ステータコア53と外ステータコア52とを組み付けたときに、第1鍔部66の凸部69の一方向き外周面部分81aおよび他方向き外周面部分81bを、外ステータコア52との間で塑性変形させることができる。すなわち、反転した姿勢のコイルボビン50の第1鍔部66の凸部69と外ステータコア52の環状端板部55の凹部59、および、反転した姿勢のコイルボビン50の第2鍔部67の凸部69と内ステータコア53の環状端板部61の凹部63とによって、ガタ防止機構45を構成できる。よって、本例のモータ100においても、上記のモータ1と同様の作用効果を得ることができる。
(その他の実施の形態)
なお、外ステータコア22の環状端板部25の端面25aおよび内ステータコア23の環状端板部31の端面31aに設けられる凹部29、33は、貫通穴ではなく、コイルボビン20から離間する方向に窪む穴(底を有する穴)としてもよい。
なお、外ステータコア22の環状端板部25の端面25aおよび内ステータコア23の環状端板部31の端面31aに設けられる凹部29、33は、貫通穴ではなく、コイルボビン20から離間する方向に窪む穴(底を有する穴)としてもよい。
また、外ステータコア22の環状端板部25の凹部29と、内ステータコア23の環状端板部31の端面31aの凹部33とは、その円形開口の大きさが一致していなくてもよい。この場合でも、コイルボビン20の第1鍔部36および第2鍔部37の各凸部39が、凹部29および凹部33よりも周方向で大きければ、ガタ防止機構45を構成できる。
また、コイルボビン20の第1鍔部36および第2鍔部37の各凸部39は、その外周面に、先端に向かって先細りとなる環状外周面部分81を備えればよく、その形状は円錐形状に限られない。例えば、断面形状の輪郭が円弧形状となる凸部39としてもよい。また、各凸部39の形状を円錐台とすることもできる。
ここで、第1鍔部36および第2鍔部37のそれぞれに、複数の凸部39を、周方向で離間する3か所以上に設けてもよい。凸部39を3つ以上とした場合には、各鍔部36、37の各凸部39に対向する位置に設けられる外ステータコア22の凹部29と、内ステータコア23の凹部33とは、径方向および周方向の双方にズレていてもよい。
すなわち、外ステータコア22の凹部29と内ステータコア23の凹部33とが径方向および周方向の双方にズレている場合でも、コイルボビン20の各凸部39と外ステータコア22の凹部29および内ステータコア23の凹部33のそれぞれが3か所以上で係止されれば、コイルボビン20のモータ軸線L回りの位置を規定でき、コイルボビン20の回転を防止できる。また、コイルボビン20が内ステータコア23と外ステータコア22とに挟まれたときに各凸部39を潰れた状態とすることにより、軸線方向にガタ付くことを防止できる。
なお、複数の凸部39を、周方向で離間する3か所以上に設ける場合には、複数の凸部39は、モータ軸線L回りで等角度間隔に設けることが望ましい。このようにすれば、コイルボビン20が外ステータコア22と内ステータコア23との間に挟まれたときに、その姿勢が安定しやすい。
1・100…モータ、2…ロータ、3…ステータ、5…回転軸、6…ブッシュ、7…永久磁石、8…第1端板、9…第2端板、10…第1軸受、11…第2軸受、15…第1ステータ組(第1ステータ)、16…第2ステータ組(第2ステータ)、19…駆動コイル、20…コイルボビン、21…ステータコア、22…外ステータコア(第1コア部材)、23…内ステータコア(第2コア部材)、25…環状端板部、25a…端面(対向面)、26…筒状部、27…極歯、28…切り欠き部、29…凹部、29a…重なり部分、29b…ズレ部分、30…各凸部、31…環状端板部、31a…端面、32…極歯、33…凹部、35…環状胴部、36…第1鍔部、36a…端面、37…第2鍔部、37a…端面、39…凸部、40…端子台、41…端子ピン、42…端子ピン支持穴、45…ガタ防止機構、49…駆動コイル、50…コイルボビン、51…ステータコア、52…外ステータコア(第1コア部材)、53…内ステータコア(第2コア部材)、55…環状端板部、55a…端面、56…筒状部、57…各鍔部、57…極歯、58…部、59…凹部、61…環状端板部、61a…端面、62…極歯、63…凹部、65…環状胴部、66…第1鍔部、66a…端面、67…第2鍔部、67a…端面、69…凸部、70…端子台、71…端子ピン、72…端子ピン支持穴、80…凸部の頂点、81…環状外周面部分、81a…一方向
き外周面部分、81b…他方向き外周面部分、100…モータ、L…前記モータ軸線、L1…出力側、L2…反出力側、M・N・O・P…仮想線
き外周面部分、81b…他方向き外周面部分、100…モータ、L…前記モータ軸線、L1…出力側、L2…反出力側、M・N・O・P…仮想線
Claims (8)
- 環状のステータを有し、前記ステータは、環状胴部および当該環状胴部の軸線方向の両端縁から外周側に張り出す一対の鍔部を備える樹脂製のコイルボビンと、前記環状胴部の外周側で前記一対の鍔部の間に巻回された駆動コイルと、前記軸線方向で積層された第1コア部材および第2コア部材を備えるステータコアと、を備え、前記コイルボビンが前記第1コア部材と前記第2コア部材との間に挟まれているモータにおいて、
各鍔部のそれぞれは、前記環状胴部とは反対側の端面に複数の凸部を備え、
前記軸線方向から見た場合に、一方の前記鍔部の各凸部と他方の前記鍔部の各凸部とは、それぞれ重なり、
前記第1コア部材および前記第2コア部材のそれぞれは、前記コイルボビンと対向する対向面に、各鍔部の各凸部に対向する複数の凹部を備え、
前記第1コア部材の前記凹部と前記第2コア部材の前記凹部とは、前記軸線方向から見た場合に、互いに部分的に重なる重なり部分を備え、
各凸部は、前記第1コア部材の前記凹部および前記第2コア部材の前記凹部よりも前記軸線回りの周方向で大きく、その外周面に、先端に向かって先細りとなる環状外周面部分を備え、
前記環状外周面部分において前記周方向の一方側を向く一方向き外周面部分および他方側を向く他方向き外周面部分は、前記対向面における前記凹部の開口縁に当接して潰れていることを特徴とするモータ。 - 各鍔部において、複数の前記凸部は、前記軸線と直交して当該鍔部に沿って延びる仮想線に対して対称に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
- 前記第1コア部材の前記凹部の中心と前記第2コア部材の前記凹部の中心とは、前記軸線方向から見た場合に、前記周方向ではズレておらず、径方向にズレていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。
- 各鍔部において、複数の前記凸部の数は2つであり、前記軸線を間に挟んで設けられていることを特徴とする請求項3に記載のモータ。
- 前記第1コア部材の前記凹部の中心と前記第2コア部材の前記凹部の中心とは、前記軸線方向から見た場合に、ズレており、
各鍔部において、複数の前記凸部は、前記周方向で離間する3か所以上に設けられており、
各対向面において、複数の前記凹部は、各凸部と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ。 - 各鍔部において、複数の前記凸部は、前記軸線回りで等角度間隔に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のモータ。
- 前記ステータは、前記駆動コイルの端が接続される端子ピンを備え、
一対の前記鍔部のうちの一方の鍔部には、外周側に突出する端子台が設けられており、
前記端子ピンは、前記端子台に支持されていることを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか一項に記載のモータ。 - 前記ステータとして、前記軸線方向に積層された第1ステータおよび第2ステータを備えることを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のモータ。
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JP2017222056A JP2019097231A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | モータおよびコイルボビン |
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JP2017222056A JP2019097231A (ja) | 2017-11-17 | 2017-11-17 | モータおよびコイルボビン |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117081295A (zh) * | 2023-10-13 | 2023-11-17 | 深圳市镭神智能系统有限公司 | 一种定子组件、振镜电机、激光雷达及组装方法 |
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2017
- 2017-11-17 JP JP2017222056A patent/JP2019097231A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117081295A (zh) * | 2023-10-13 | 2023-11-17 | 深圳市镭神智能系统有限公司 | 一种定子组件、振镜电机、激光雷达及组装方法 |
CN117081295B (zh) * | 2023-10-13 | 2024-02-23 | 深圳市镭神智能系统有限公司 | 一种定子组件、振镜电机、激光雷达及组装方法 |
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