JP2017188982A - ステータ、その製造方法、およびブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
Description
図1および図2に示すように、このブラシレスモータ1は、インナーロータ型のもので、モータ本体部2と、エンコーダ部3と、有している。モータ本体部2は、モータの外殻をなすモータハウジング4として、薄肉円筒状のステータケース5と、ステータケース5の前部に固定された厚肉のフロントブラケット6と、ステータケース5の後部に固定された有底二重筒状のリヤブラケット7と、を備えている。モータハウジング4の中心部には、モータシャフト21が配置されている。
ここで、モータシャフト21の軸線方向を「モータ軸方向」あるいは「ステータ軸方向」、モータシャフト21の軸線周りの方向を「モータ周方向」あるいは「ステータ周方向」、モータシャフト21の径方向を「モータ径方向」あるいは「ステータ径方向」と言う。「モータ軸方向」あるいは「ステータ軸方向」については、各図において矢印Yで示す。
モータシャフト21は、前端がフロントブラケット6から外部に突き出しており、フロントブラケット6とリヤブラケット7にそれぞれ嵌合固定された前側軸受31と後側軸受32とにより回転自在に支持されている。
ステータケース5の内部には、円筒状のステータ10が収容されている。そのステータ10の内周側に、エアギャップを確保した状態で、モータシャフト21に一体化されたロータ20が配置されている。ロータ20は、外周部にマグネット22を備えている。マグネット22は、周方向に磁極が交互に変わるように着磁してある。
エンコーダ部3は、ロータ20の回転角度を検出するためのものである。エンコーダ部3の検出信号に応じてステータ10のコイル17の通電制御が行われる。それにより、ロータ20と一体のモータシャフト21が回転駆動される。なお、ロータ位置検出は、光学式エンコーダや磁気式のエンコーダに限らず、レゾルバ、ホールICとセンサマグネットによるものでもよく、またセンサレスによるものでもよい。
リヤブラケット7の内部には、環状の結線基板40が設けられている。結線基板40は、ステータ10のコイル17に外部電力を給電するためのもので、U相、V相、W相に対応した配線パターンを有している。結線基板40は、後述のコイルボビン100に設けられている端子18に挿入されることにより、リヤブラケット7内に固定される。
図3および図4は、ステータ10の構成を示している。また、図5は、ステータコア11の構成を示している。
ステータ10は、図3および図4に示すように、磁性材料で構成されたステータコア11と、絶縁樹脂製のコイルボビン100と、コイル17と、絶縁紙や絶縁シート等の折り曲げ可能なシート体よりなるインシュレータ19と、を有している。
ステータ10の主要素であるステータコア11は、例えば、磁性材料の板材を軸方向に積層して形成されたものであり、図5に示すように、円筒状のコア本体(継鉄部とも言う)12を有している。コア本体12の内周には、周方向に一定間隔をおいて、複数のティース13が突設されている。各ティース13は、ステータコア11の中心に向けて突出している。
主極ティース14は、円筒状のコア本体12の内周面から径方向内側に延出した軸方向から見て平面視略T字形状のものであり、先端に「T字の頭」に相当する周壁部14aを備えている。また、周壁部14aの根元側に、コイル17が巻装される巻胴部14bを備えている。周壁部14aは、巻胴部14bの延出方向に交差する方向に左右対称に形成されている。また、巻胴部14bの基端面には、コア本体12の内周面のあり溝12cと係合可能な係合突部14cが形成されている。なお、コア本体12のあり溝12cは、隣接する補極ティース15の中間位置に、コア本体12の軸方向に沿って形成されており、径方向内側に向けて開口している。
また、補極ティース15は、先端の周壁部15aから根元側に繋がる部分が、先端側から根元側に行くほど幅の広がった扇形状に形成されている。隣接する補極ティース15間には、主極ティース14が配置される略矩形の空間(スロット)が確保されている。また、補極ティース15の根元部には、逃げ孔15cが形成されている。
そして、主極ティース14の外周に、絶縁樹脂製のコイルボビン100を介してコイル17が巻回されている。また、主極ティース14に巻回されたコイル17と補極ティース15との間に、コイル17の外側面をステータ軸方向の全域にわたって覆うインシュレータ19が設けられている。
上述したように、主極ティース14は、補極ティース15を有するコア本体12とは別体に製作されている。従って、この単品の主極ティース14に、コイルボビン100やインシュレータ19を装着し、その上で、コイルボビン100にコイル17を巻回することで、個別にコイルユニットCが構成されている。
まず、第1実施形態のステータに使用されるコイルユニットC1について説明する。
図6は、第1実施形態のステータに使用されるコイルユニットC1の内周側から見た斜視図、図7は、外周側から見た斜視図、図8は、分解斜視図である。また、図9は、第1実施形態のステータのコイルユニットC1に使用されるコイルボビン100の構成図で、(a)は組み合わせ前の状態を示す斜視図、(b)は組み合わせ後の状態を示す斜視図、図10は、コイルボビン100の構成図で、(a)は組み合わせ前の状態を示す正面図、(b)は組み合わせ後の状態を示す正面図である。
図6〜図10に示すように、このコイルユニットC1を構成するコイルボビン100は、軸方向Yに第1ボビン110と第2ボビン120とに二分割されている。分割箇所で互いに対向するように組み合わされた第1ボビン110と第2ボビン120の対向部(つまり分割位置)は、主極ティース14の軸方向Yの端部から外方に外れた位置に配置されている。
図8〜図10に示すように、U字状の第1ボビン110の主極ティース挿入溝140の内底部115には、主極ティース14の軸方向の一端面に突き当たる突当面115aが設けられている。また、蓋状の第2ボビン120の下面には、第1ボビン110の主極ティース挿入溝140の開口端117に嵌合される凸部125が設けられ、その凸部125の端面に、主極ティース14の軸方向の他端面に突き当たる突当面125aが設けられている。
L1<L2+L3
を満たすように、突当面115a、125a間の位置が設定されている。
0<S1=(L2+L3)−L1
となる。
コイル17と補極ティース15との間を絶縁遮蔽するインシュレータ50(19)は、折り曲げ可能なシート体である絶縁紙によって構成されている。絶縁紙以外には、薄い樹脂シート等が採用可能である。このインシュレータ50には、主極ティース14にコイルボビン100を装着することにより、主極ティース14とコイルボビン100との間に挟持される本体部51が設けられている。本体部51には、主極ティース14の巻胴部14bを挿入可能な矩形開口52が設けられている。
次に、この第1実施形態に係るコイルユニットC1を用いてステータ10を構成するまでの手順(ステータの製造方法)について説明する。
次に、第2実施形態のステータに使用されるコイルユニットC2について説明する。
図11は、第2実施形態のステータに使用されるコイルユニットC2の分解斜視図である。また、図12は、第2実施形態のステータのコイルユニットC2に使用されるコイルボビン200の構成図で、(a)は組み合わせ前の状態を示す斜視図、(b)は組み合わせ後の状態を示す斜視図、図13は、コイルボビン200の構成図で、(a)は組み合わせ前の状態を示す正面図、(b)は組み合わせ後の状態を示す正面図である。
次に、第3実施形態のステータに使用されるコイルユニットC3について説明する。
図14は、第3実施形態のステータに使用されるコイルユニットC3の内周側から見た斜視図、図15は、外周側から見た斜視図、図16は、分解斜視図である。また、図17は、第3実施形態のステータのコイルユニットC3に使用されるコイルボビン300の構成図で、(a)は組み合わせ前の状態を示す斜視図、(b)は組み合わせ後の状態を示す斜視図である。
図14〜図17に示すように、このコイルユニットC3を構成するコイルボビン300は、軸方向Yに第1ボビン310と第2ボビン320とに二分割されている。分割箇所で互いに対向するように組み合わされた第1ボビン310と第2ボビン320の対向部(つまり分割位置)は、主極ティース14の軸方向Yの中間部、詳しくは、主極ティース14の軸方向長さの半分の位置に配置されている。なお、中間部は、主極ティース14の軸方向長さの半分の位置に限られるものではない。つまり、中間部は、主極ティース14の上端から下端の間に位置していればよい(以下の第4実施形態についても同様)。
また、第1ボビン310と第2ボビン320の対向部間には、該対向部間の隙間を封じるための絶縁材料製の隙間封じ部材としての重ね合わせ片318、328が設けられている。これら重ね合わせ片318、328は、第1ボビン310と第2ボビン320の対向部にそれぞれに一体に延設されており、互いに重ね合わせた状態での合計肉厚が第1ボビン310および第2ボビン320の各肉厚相当とされている。
また、第1ボビン310および第2ボビン320の各主極ティース挿入溝340の内底部315、325には、主極ティース14の軸方向の一端面および他端面にそれぞれ突き当たる突当面315a、325aが設けられている。
コイル17と補極ティース15との間を絶縁遮蔽するインシュレータ50(19)は、折り曲げ可能なシート体である絶縁紙によって構成されている。絶縁紙以外には、薄い樹脂シート等が採用可能である。このインシュレータ50には、主極ティース14にコイルボビン300を装着することにより、主極ティース14とコイルボビン300との間に挟持される本体部51が設けられている。本体部51には、主極ティース14の巻胴部14bを挿入可能な矩形開口52が設けられている。
次に、この第3実施形態に係るコイルユニットC3を用いてステータ10を構成するまでの手順(ステータの製造方法)について説明する。
次に、第4実施形態のステータに使用されるコイルユニットC4について説明する。
図18は、第4実施形態のステータに使用されるコイルユニットC4の内周側から見た斜視図、図19は、外周側から見た斜視図、図20は、分解斜視図である。
図18〜図20に示すように、このコイルユニットC4を構成するコイルボビン400は、軸方向Yに第1ボビン410と第2ボビン420とに二分割されている。分割箇所で互いに対向するように組み合わされた第1ボビン410と第2ボビン420の対向部(つまり分割位置)は、主極ティース14の軸方向Yの中間部、詳しくは、主極ティース14の軸方向長さの半分の位置に配置されている。
また、第1ボビン410と第2ボビン420の対向部間には、該対向部間の隙間を封じるための絶縁材料製の隙間封じ部材として、第1ボビン410と第2ボビン420の対向部にそれぞれ延設された重ね合わせ片418、428と、一対のインシュレータ60の本体部61と、が設けられている。
また、第1ボビン410および第2ボビン420の各主極ティース挿入溝440の内底部415、425には、主極ティース14の軸方向の一端面および他端面にそれぞれ突き当たる突当面415a、425aが設けられている。
この実施形態では、コイル17と補極ティース15との間を絶縁遮蔽するために一対のインシュレータ60(19)が設けられている。これらのインシュレータ60は、折り曲げ可能なシート体である絶縁紙によって構成されている。絶縁紙以外には、薄い樹脂シート等が採用可能である。各インシュレータ60は、主極ティース14にコイルボビン300を装着するときに、第1ボビン410と第2ボビン420の対向部が挿入される枠状の本体部61を有している。本体部61は、第1ボビン410と第2ボビン420の対向部間の隙間を覆うのに十分な軸方向長さNを持つ。
次に、この第4実施形態に係るコイルユニットC4を用いてステータ10を構成するまでの手順(ステータの製造方法)について説明する。
例えば、上述の実施形態では、コイル巻回用の主極ティース14は、コア本体12とは別体に形成された上で、コア本体12の内周に、組立時に一体に係合されている場合について説明した。これに加え、コイル非巻回用の補極ティース15も、コア本体12とは別体に形成した上で、コア本体12の内周に、組立時に一体に係合してもよい。
10…ステータ
11…ステータコア
12…コア本体
13…ティース
14…主極ティース
15…補極ティース
16…コイルボビン
17…コイル
19…インシュレータ
20…ロータ
50…インシュレータ
51…本体部
55…カバー部
C1…コイルユニット
100…コイルボビン
110…第1ボビン
115…内底部
115a…突当面
117…開口端
118…圧入嵌合面
119…凹凸嵌合部
120…第2ボビン
125…凸部
115a,125a,315a,325a,415a,425a…突当面
125b…圧入嵌合面
125c…凹凸嵌合部
130…主極ティース挿入溝(主極ティースの挿入溝)
C2…コイルユニット
200…コイルボビン
210…第1ボビン
220…第2ボビン
C3…コイルユニット
300…コイルボビン
310…第1ボビン
318…重ね合わせ片
320…第2ボビン
328…重ね合わせ片
C4…コイルユニット
400…コイルボビン
410…第1ボビン
418…重ね合わせ片
420…第2ボビン
428…重ね合わせ片
60…インシュレータ
61…本体部
65…カバー部
Claims (8)
- 円筒状のコア本体の内周に、周方向に一定間隔をおいて突設された複数のティースを有し、周方向に交互に並ぶ第1群の前記ティースがコイル巻回用の主極ティースとされると共に第2群のティースがコイル非巻回用の補極ティースとされ、前記主極ティースが、前記コア本体とは別体に形成された上で前記コア本体の内周に係合されたステータコアと、
前記主極ティースの外周に装着された絶縁樹脂製のコイルボビンと、
前記コイルボビンを介して前記主極ティースの外周に巻回されたコイルと、
を有するステータにおいて、
前記主極ティースに巻回された前記コイルと前記補極ティースとの間に、前記コイルの外側面をステータ軸方向の全域にわたって覆うインシュレータが設けられ、
前記コイルボビンが、ステータ軸方向に第1ボビンと第2ボビンとに二分割され、分割箇所で互いに対向するように組み合わされた前記第1ボビンと第2ボビンの対向部が、前記主極ティースのステータ軸方向の端部から外方に外れた位置に配置されている
ことを特徴とするステータ。 - 前記コイルボビンが、前記主極ティースの挿入溝を有し前記主極ティースのステータ軸方向の一端面および両側面の全域を覆うU字形の前記第1ボビンと、前記U字形の第1ボビンの主極ティース挿入溝の開口端を塞ぐ蓋状の前記第2ボビンとに二分割され、
前記第1ボビンの主極ティース挿入溝の内底部に、前記主極ティースのステータ軸方向の一端面に突き当たる突当面が設けられ、
前記第2ボビンに、前記第1ボビンの主極ティース挿入溝の開口端に嵌合される凸部が設けられ、該凸部の端面に、前記主極ティースのステータ軸方向の他端面に突き当たる突当面が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のステータ。 - 前記第2ボビンに設けられた凸部の両側面と、前記第1ボビンの主極ティース挿入溝の開口端の両内側面とに、前記主極ティースのステータ軸方向の両端面への両前記突当面の突き当てを可能にする状態で、前記凸部の前記開口端への圧入を可能にする圧入嵌合面が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のステータ。 - 前記第2ボビンに設けられた凸部の両側面と、前記第1ボビンの主極ティース挿入溝の開口端の両内側面とに、前記主極ティースのステータ軸方向の両端面への両前記突当面の突き当てを可能にする状態で、前記凸部の前記開口端への抜け止め嵌合を可能にする凹凸嵌合部が設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のステータ。 - 前記コア本体から分離された前記主極ティースに、前記コイルボビンと前記コイルと前記インシュレータとが組み合わせられることで、コイルユニットが構成され、各コイルユニットが前記コア本体に装着されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のステータ。 - 前記インシュレータが、折り曲げ可能なシート体で構成され、前記主極ティースに前記コイルボビンを装着することにより前記主極ティースと前記コイルボビンとの間に挟持される本体部と、前記本体部に対して折り曲げ可能とされ、前記コイルボビンに前記コイルを巻回した後に前記コイルの外側面を覆う位置まで折り曲げられるカバー部と、を一体に有する
ことを特徴とする請求項4に記載のステータ。 - 請求項6に記載のステータの製造方法であって、
前記コア本体から分離された前記主極ティースに前記コイルボビンを装着すると共に、前記コイルボビンと前記主極ティースとの間に前記シート体よりなるインシュレータを配置する工程と、
該工程後に、前記インシュレータの前記カバー部を折り曲げる前の状態で、前記主極ティースの外周に前記コイルボビンの上から前記コイルを巻回する工程と、
該工程後に、前記インシュレータのカバー部を、前記コイルの外側面を覆う位置まで折り曲げることで、コイルユニットを完成させる工程と、
各前記コイルユニットを前記コア本体の内周に係合させる工程と、
を備えることを特徴とするステータの製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のステータと、前記ステータの内周側に回転自在に配置されたロータと、を備える
ことを特徴とするブラシレスモータ。
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