JP2019096804A - 乗り物搭載用電子制御装置の製造方法および乗り物搭載用電子制御装置 - Google Patents

乗り物搭載用電子制御装置の製造方法および乗り物搭載用電子制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板が、筐体の開口から挿入され、筐体内の電子回路基板収容室の所定位置に収容される乗り物搭載用電子制御装置において、発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させる。【解決手段】電子回路基板1が電子回路基板収容室2R1の内部へ開口61から挿入される前に、熱伝導性ペースト接着剤8が発熱回路部品3に施され、電子回路基板1が電子回路基板収容室2R1の所定位置に収容された状態における、発熱回路部品3の第1の壁部21の側の面と第1の壁部21の発熱回路部品3の側の面との間の第1の距離a1より、電子回路基板1が電子回路基板収容室2R1の内部へ挿入される前の状態における、発熱回路部品3に施された熱伝導性ペースト接着剤8の厚みtを大きくしてある。【選択図】図1

Description

この発明は、自動二輪車などの乗り物の内燃機関の制御等を行う乗り物搭載用電子制御装置の製造方法および乗り物搭載用電子制御装置、特に、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板が、乗り物に搭載される筐体の開口から挿入され、筐体内の電子回路基板収容室の所定位置に収容される乗り物搭載用電子制御装置の製造方法および乗り物搭載用電子制御装置に関するものである。
自動二輪車などの乗り物の内燃機関の電子制御装置は、特許文献1の図1に開示されているように、電子回路部品と発熱回路部品とコネクタを実装したプリント基板を筒形状の筐体に挿入した構造が一般的である。
プリント基板上にはパワートランジスタなど内燃機関を動作させる為に通電遮断を繰り返すことで発熱量が大きい発熱回路部品が存在する。プリント基板上の電子回路部品の故障を防止するためには、プリント基板上の発熱回路部品が発生した熱を電子制御装置の外部に放出することが必要となる。
特許文献1に示されている内燃機関の電子制御装置は、特許文献1における参照符号を使って説明すると次の通りである。コネクタ(3)や発熱する電子部品(2)をプリント基板(1)上にはんだ付けで実装し、発熱する電子部品(2)上に未発泡放熱材(4)を塗布し、その後、電子部品(2)等が実装されたプリント基板(1)をケース(5)の開口面から挿入した後に、未発泡放熱材(4)を加熱することにより、未発泡放熱材(4)に混合されている発泡剤を発泡させ、この発泡により、放熱材(4)がケース(5)の内面に達するまで膨張することで、電子部品(2)から、膨張した放熱材(4)を介してケース(5)の内面に至る放熱経路が形成されるものである。
特許文献1に開示されている手法においては、電子部品(2)からケース(5)の内面までの放熱経路を形成することが可能であるが、発泡性放熱材は発泡することにより気体を放熱材中に含有させるものであり、またこの手法においては、一般的には個体よりも熱伝導性に劣る気体を放熱材中に含有させるため、高い熱伝導率を得ることが出来ない。また電子部品(2)からケース(5)の間の空間に放熱材を介在させるということで電子部品(2)からケース(5)の距離もあり、良い放熱性能は期待出来ない。
従って、特許文献1に開示されている手法では、本来の目的である、電子部品が発生した熱を電子制御装置の外部に放出することを高効率で実現することは困難である。
特許第4479840号公報
前述のように、特許文献1に開示されている手法では、本来の目的である、電子部品が発生した熱を電子制御装置の外部に放出することを高効率で実現することは困難である。
なお、熱伝導率の高い金属やセラミックなどの微粒子を、発泡性放熱剤に含有させることにより、熱伝導率を改善する手法もあるが、当該手法では、放熱材のコストアップの問題が生じ現実的ではない。
本発明は、前述のような従来の問題に鑑みてなされたもので、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板が、乗り物に取り付けられる筐体の開口から挿入され、筐体内の電子回路基板収容室の所定位置に収容される乗り物搭載用電子制御装置の製造方法および乗り物搭載用電子制御装置において、電子回路基板上の発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させることを目的とするものである。
この発明に係る第1の発明は、
乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室における第1の空間を介して対向し、
前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室における第2の空間を介して対向し、
前記第1の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品に対向する位置に配設され、
熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
前記製造方法において、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ前記開口から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤が前記発熱回路部品に施され、
前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第1の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてある
ことを特徴とするものである。
また、この発明に係る第2の発明は、
乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第1の空間を介して対向し、
前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第2の空間を介して対向し、
前記第2の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品の位置に対応する位置に配設され、
熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分および前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
前記製造方法において、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ前記開口から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤が前記発熱回路部品に施され、
前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第3の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてある
ことを特徴とするものである。
この発明に係る第1の発明である乗り物搭載用電子制御装置の製造方法によれば、
電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板が、筐体の開口から挿入され、筐体内の電子回路基板収容室の所定位置に収容される乗り物搭載用電子制御装置において、前記筐体内の電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を前記筐体に一体に有し、発熱回路部品の発熱が、熱伝導性ペースト接着剤および前記伝熱用突出部を経て前記筐体から放熱される構造とし、
前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第1の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてあるので、
前記筐体と一体の前記伝熱用突出部と前記発熱回路部品との相対距離を短くでき、しかも、前記熱伝導性ペースト接着剤と前記伝熱用突出部との密着性も向上し、電子回路基板上の発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させることができる。
また、この発明に係る第2の発明である乗り物搭載用電子制御装置の製造方法によれば、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第3の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてあるので、
第1の発明と同様に、前記筐体と一体の前記伝熱用突出部と前記発熱回路部品との相対距離を短くでき、しかも、前記熱伝導性ペースト接着剤と前記伝熱用突出部との密着性も向上し、電子回路基板上の発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させることができる。
この発明の実施の形態1を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の一例を示す断面図である。 この発明の実施の形態1を示す図で、図1の乗り物搭載用電子制御装置の組立工程の前半を例示する断面図で、乗り物搭載用電子制御装置の製造方法の説明図ある。 この発明の実施の形態1を示す図で、図1の乗り物搭載用電子制御装置の組立工程の後半を例示する断面図で、乗り物搭載用電子制御装置の製造方法の説明図ある。 この発明の実施の形態2を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態3を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態4を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態5を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である。 この発明の実施の形態6を示す図で、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である。
以下、この発明の複数の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、本発明は以下の各実施の形態についての記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各実施の形態を適宜、組み合わせ、変形、省略することができる。
以下の各実施の形態のそれぞれの図において、理解の容易化を図るため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合があり、また、本発明の特徴に関係しない構成の図示は省略してある。また、以下の各実施の形態のそれぞれの図において、同一符合は同一または相当部分を示す。
実施の形態1.
以下、実施の形態1を、図1から図3によって説明する。図1は乗り物搭載用電子制御装置の一例を示す断面図、図2は図1の乗り物搭載用電子制御装置の組立工程の前半を例示する断面図で乗り物搭載用電子制御装置の製造方法の説明図、図3は図1の乗り物搭載用電子制御装置の組立工程の後半を例示する断面図で、乗り物搭載用電子制御装置の製造方法の説明図ある。
図1から図3には、一例として、電子回路基板1、電子回路部品1EP、乗り物搭載電子制御装置を乗り物本体の配線と電気的に接続する側が開口した筒型の樹脂製の筐体2、第1の壁部21、伝熱用突出部21P、第2の壁部22、第3の壁部23、第4の壁部24、第5の壁部25、電子回路基板収容室2R1、第1の空間2R11、第2の空間2R12、発熱回路部品3、保持部41、保持部42、凹部5、開口部6、開口61、ガイド71、ガイド72、熱伝導性ペースト接着剤8、治具9、熱かしめ部10、第1の距離a1、第2の距離A2、第5の距離A5、第6の距離A6、および熱伝導性ペースト接着剤8の厚みtを図示してある。
乗り物搭載電子制御装置は、例えば自動二輪車などの乗り物の内燃機関の制御、例えば点火制御、空燃比制御、等を行う乗り物搭載用電子制御装置であり、また、乗り物搭載電子制御装置は、電子回路基板1と、電子回路基板1が収容される筐体2とを備えている。乗り物搭載電子制御装置の乗り物への搭載形態としては、例えば、ねじやバンド等の固定手段で筐体2を乗り物本体に固定する固定式、固定することなく乗り物の所定箇所に筐体2を載置する載置式、乗り物搭載電子制御装置を乗り物本体の乗り物の所定箇所に懸吊する懸吊式、など、乗り物の種類に応じた各種の搭載形態が採用される。
なお、第5の壁部25、開口部6、およびガイド72は、本実施の形態1では図示してあるが、後述の実施の形態2から6では図示を省略してある。また、本実施の形態1および後述の実施の形態2から6は、自動二輪車などの自動車以外に、原動機付自転車、船、スノーモービル、ほかの、いわゆる内燃機関付の乗り物に適用可能である。
電子回路基板1には、発熱回路部品3と、複数の電子回路部品1EPが搭載されている。電子回路基板1は、複数の電子回路部品1EPを電気的に接続するプリント基板等の配線板となっている。電子回路基板1には、乗り物搭載電子制御装置の電子回路が形成されている。ここで、発熱回路部品3とは、乗り物搭載電子制御装置の動作中の消費電力が大きく、発生熱量が非常に大きい回路部品であり、放熱対策を施さなければ、部品の許容温度を超える可能性がある回路部品、例えば、MOSFET等のパワートランジスタ等、を指す。なお、電子回路部品1EPは、図1から3の事例では、電子回路基板1の、第1の壁部21の側の面に実装されている例を示してあるが、電子回路基板1の、第2の壁部22の側の面に実装されていてもよく、また、電子回路基板1の、第1の壁部21の側の面および第2の壁部22の側の面の双方の面に実装されていてもよい。
筐体2は、電子回路基板1を挟持することにより保持する保持部41,42と、凹部5が形成されている。また、筐体2は、乗り物搭載電子制御装置を乗り物本体の配線と電気的に接続する側の一面に、電子回路基板1を挿入し、かつ、電子回路基板1のコネクタ等の電気接続部(図示省略)を筐体2の外部へ取り出すための開口部6を設けた筒型の形状としてある。そして、電子回路基板1を筐体2内に挿入する際に、電子回路基板1を、開口部6から開口部6と反対面へと案内する役割と、電子回路基板1を筐体2内で保持する2つの役割をもつガイド71,72を、筐体2は有している。
なお、第4の壁部24の内壁面に形成され開口61から第3の壁部23の保持部41,42まで延在する溝がガイド71である。第4の壁部24に対向する第5の壁部25の内壁面に形成され開口61から第3の壁部23の保持部41,42まで延在する溝がガイド71である。溝状のガイド71,72は、何れも第1の壁部21および第2の壁部22と平行である。従って、組み立て後の状態を示す図1において、電子回路基板1は第1の壁部21および第2の壁部22と平行である。また、図1に例示のように、保持部41,42に電子回路基板1が保持されている状態において、電子回路基板1は、電子回路基板収容室2R1の所定位置に収容されている。
筐体2の凹部5は、電子回路基板1に実装されている発熱回路部品3と対向する位置に設けられる。凹部5と発熱回路部品3との間に、柔軟性があり、熱伝導性の高い熱伝導性ペースト接着剤が介在した構造とすることで、発熱回路部品3の発熱が、発熱回路部品3から熱伝導性ペースト接着剤8を経由して筐体2へ、そして筐体2から筐体2の外部へ放熱される放熱経路が形成される。
図2は実施の形態1の組立前の断面図である。本乗り物搭載電子制御装置は、筒型の筐体2の開口部6の開口61より、電子回路基板1をガイド71,72に沿って矢印方向へと挿入し、電子回路基板1が筐体2へ所定位置に収容されることで製造される。電子回路基板1を筐体2内の所定位置へ挿入するまでは、乗り物搭載電子制御装置の完成図である図1に図示している凹部5は形成されない。また、電子回路基板1を筐体2内の所定位置へ挿入する前に、電子回路基板1上の発熱回路部品3に、熱伝導性ペースト接着剤8を塗布しておく。この時、熱伝導性ペースト接着剤8は、発熱回路部品3のパッケージ面、すなわち筐体2と対向している面、に塗布しておく。
電子回路基板1を筐体2に収容後、筐体2の、発熱回路部品3と対向する部分の熱かしめ部10を変形させる。変形させる方向は、筐体2と、発熱回路部品3に塗布されている熱伝導性ペースト接着剤8とを接触する方向へと変形させ、図1に示す凹部5を形成する。凹部5の形成深さをd1とする。熱伝導性ペースト接着剤8と筐体2の伝熱用突出部21Pとが均一に接触すればよい。
凹部5を形成する手段については問わないが、一例として熱による樹脂変形を用いた製作方法について説明する。熱かしめ加工による凹部形成について説明した図を図3に示す。
まず、筐体2をPBT、PPS、PA66といった熱可塑性樹脂で成形しておく。ただし、耐熱温度は約150℃以上必要である。発熱回路部品3からの熱を筐体2へと放熱するので、耐熱温度が低いと乗り物搭載電子制御装置を動作させた際の熱により筐体2が変形、破壊するのを防止するためである。熱可塑性樹脂で成形された筐体2の内部に、電子回路基板1を収容する。このとき、先に説明したとおり、発熱回路部品3上に熱伝導性ペースト接着剤8を塗布した後に、電子回路基板1を筐体2の中に収容する。収容した後、治具9を用いて、熱かしめ部10を筐体2の内部方向(筐体2の外部から電子回路基板収容室2R1への方向。図3の矢印方向)へと押し込む。この時、治具9を加熱した状態で押し込む。すると、熱によって筐体2が軟化し、治具9の押し込む時の力によって変形して凹部5が形成され、伝熱用突出部21Pが形成される。治具9を押し込む距離により、凹部5の深さd1を調節する。凹部5の深さd1については、伝熱用突出部21Pと発熱回路部品3との間の第1の距離a1、熱伝導性ペースト接着剤8の厚みをtとすると、0<a1<tとなるように、形成深さd1を調節する。形成深さd1が大き過ぎると、凹部5を加工している間に、治具9からの押圧が発熱回路部品3に印加され、発熱回路部品3を損傷させることが懸念される。
熱かしめ加工を実施する際、熱かしめ部10は筐体2の厚みより肉厚で成形しておいてもよい。熱で樹脂を軟化させて加工する際、熱かしめ部10の厚みが薄いと、熱かしめ部10が破れることが懸念される。よって、熱かしめ部10を厚肉に形成することで、加工の際に破れなどの破損を防ぐことができる。乗り物搭載用電子制御装置は、防水性機能が必須である。よって、筐体2の破れは致命的な欠陥となる。
使用する熱伝導性ペースト接着剤8が熱硬化性の樹脂の場合、凹部5を形成し熱伝導性ペースト接着剤8と接触させた後の乗り物搭載用電子制御装置を加熱処理し、熱伝導性ペースト接着剤8を硬化させる。
以上説明した実施の形態1によれば、発熱回路部品3から周囲への熱抵抗を下げることが可能となる。つまり、発熱回路部品3から発生する熱をより効率よく外部へ放熱でき、発熱回路部品3自体や、発熱回路部品3の周囲の温度上昇を低く抑えられる。
実施の形態1であれば、筐体2の内部全体に樹脂を充填せずとも、発熱回路部品3の放熱性を上げることが可能となる。よって、樹脂の材料費の分だけ乗り物搭載用電子制御装置のコストを下げることができ、また乗り物搭載用電子制御装置の質量も軽くすることができる。
さらに、実施の形態1であれば、従来例にある発泡部材による放熱経路の形成に対し、放熱部材を発泡させずに筐体2の内面と熱伝導性ペースト接着剤8とを接触させることができる。発泡放熱部材は放熱部材内に空気を含んだ状態であり、空気は熱伝導性が悪いため、結果として発熱回路部品3から筐体2への放熱性は低くなる。一方、本実施の形態1であれば、熱伝導性ペースト接着剤8は発泡させる必要がなく、最短距離で発熱回路部品3から筐体2へと熱を伝えることが可能である。また、熱伝導性ペースト接着剤8は空気を含まず、熱伝導性を悪化させる要因を従来例と比較して減らすことが可能であり、効果として、従来例と比較して熱伝導性を向上させられる。
前述のように、本実施の形態1は、乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
前記乗り物搭載用電子制御装置は、 電子回路部品1EPおよび通電されることにより発熱する発熱回路部品3が実装された電子回路基板1と、この電子回路基板1が挿入される開口61を一端に有し前記開口61から挿入された前記電子回路基板1を所定位置に収容する電子回路基板収容室2R1が内部に形成され乗り物に搭載される筐体2とを備え、
前記筐体2は、第1の壁部21と、この第1の壁部21に前記電子回路基板収容室2R1を介して対向する第2の壁部22とを有し、
前記電子回路基板1は、前記第1の壁部21と前記第2の壁部22との間に位置し、
前記電子回路基板1は、前記第1の壁部21と、前記電子回路基板収容室2R1における第1の空間2R11を介して対向し、
前記電子回路基板1は、前記第2の壁部22と、前記電子回路基板収容室2R1における第2の空間2R12を介して対向し、
前記第1の壁部21は、前記電子回路基板収容室2R1の内部に向けて突出する伝熱用突出部21Pを一体に有し、
前記伝熱用突出部21Pは、前記発熱回路部品3に対向する位置に配設され、
熱伝導性ペースト接着剤8により、前記伝熱用突出部21Pの前記発熱回路部品3の側の面と、前記発熱回路部品3の前記伝熱用突出部21Pの側の面とが接着され、
前記発熱回路部品3が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品3から前記熱伝導性ペースト接着剤8を経由して前記伝熱用突出部21Pに熱伝導されることにより、前記筐体2から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
前記製造方法において、前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の内部へ前記開口61から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤8が前記発熱回路部品3に施され、
前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の前記所定位置に収容された状態における、前記発熱回路部品3の前記伝熱用突出部21Pの側の面と前記伝熱用突出部21Pの前記発熱回路部品3の側の面との間の第1の距離a1より、前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品3に施された前記熱伝導性ペースト接着剤8の厚みtを大きくしてあるものである。
また、前述のように、本実施の形態1は、前記筐体2が樹脂製の筐体であり、前記伝熱用突出部21Pは、加熱された治具9によって、前記筐体2の外部から前記筐体2を押圧することによって形成されるものである。また、前記筐体2の、治具9によって押圧される部分の厚さは、治具9によって押圧されない部分の厚さより、肉厚に形成されている。なお、前記伝熱用突出部21Pの部分の前記筐体2の厚さについては、前記治具9によって押圧された後の厚さは、前記治具9によって押圧される前の厚さより薄くなるが、治具9の押す量(凹部5の深さ)ほかの条件によっては、押圧前の厚さと押圧後の厚さとが殆ど変らない場合もある。
また、前述のように、本実施の形態1は、前記発熱回路部品3の前記開口61の側における、前記第1の壁部21の前記電子回路基板1の側の面と前記電子回路基板1の前記第1の壁部21の側の面との間の第5の距離A5は、前記発熱回路部品3の前記開口61の側と反対側における、前記第1の壁部21の前記電子回路基板1の側の面と前記電子回路基板1の前記第1の壁部21の側の面との間の第6の距離A6と同じである。
また、本実施の形態1において、前記伝熱用突出部21Pは、前記筐体2の成型時に、前記筐体2の成型と併せて成型されてもよく、
また、前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の前記所定位置に収容された状態において、加熱によって、前記熱伝導性ペースト接着剤8を熱硬化させてもよく、
また、前記筐体2は、樹脂製の筐体であり、前記発熱回路部品3は、樹脂でモールドされた発熱回路部品であり、前記熱伝導性ペースト接着剤8は、樹脂系の熱伝導性接着剤であってもよく、
また、前記熱伝導性ペースト接着剤8は、弾性を有する熱伝導性接着剤であってもよく、
また、前記熱伝導性ペースト接着剤8は、熱硬化性の樹脂系の熱伝導性接着剤であってもよい。
実施の形態2.
以下、実施の形態2を、乗り物搭載用電子制御装置の他の例を示す断面図である図4によって説明する。なお、本実施の形態2については、前述の実施の形態1と異なる点のみ説明し、前述の実施の形態1と同一または相当する事項については説明を割愛する。
実施の形態1との相違は、凹部5を、電子回路基板1の面A11(第1の壁部21側の発熱回路部品3が実装されている側の面)ではなく、電子回路基板1の面B12に形成してある点である。
電子回路基板1の面B(第2の壁部22側の発熱回路部品3が実装されていない側の面)12には、発熱回路部品3からの熱を放熱させるための金属面(一般的に放熱パッドなど呼ばれる)が形成されている。具体的には、発熱回路部品3の金属端子は、はんだ付けにより、面A11上の図示しない平面配線と接合されている。さらに、面B12に放熱パッドが形成されており、面A11の平面配線と面B12の放熱パッドは、電子回路基板1に設けられるバイアによって、電気的・熱的に接続される。平面配線は銅箔によって構成され、またバイアは基板の貫通穴に銅をめっきして製作されており、熱伝導性が高いため、発熱回路部品からの熱は面A11から面B12へと放熱される。
面B12にある放熱パッド上に、熱伝導性ペースト接着剤8を塗布し、実施の形態1と同様に電子回路基板1を筐体2へ収容後、筐体2に凹部5および伝熱用突出部22Pを形成する。この伝熱用突出部22Pと熱伝導性ペースト接着剤8とを接触させ、発熱回路部品3から面B12へと移動した熱を、熱伝導性ペースト接着剤8および伝熱用突出部22Pを経由して、筐体2へと放熱させる。
実施の形態1の構成では、凹部5を形成する際、熱かしめによる加工の場合、発熱回路部品が高温にさらされる懸念がある。しかし、実施の形態2であれば、実施の形態1よりも、発熱回路部品3が高温にさらされることなく、組立が可能である。
前述のように、本実施の形態2の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法においては、
前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品1EPおよび通電されることにより発熱する発熱回路部品3が実装された電子回路基板1と、この電子回路基板1が挿入される開口61を一端に有し前記開口61から挿入された前記電子回路基板1を所定位置に収容する電子回路基板収容室2R1が内部に形成され乗り物に搭載される筐体2とを備え、
前記筐体2は、第1の壁部21と、この第1の壁部21に前記電子回路基板収容室2R1を介して対向する第2の壁部22とを有し、
前記電子回路基板1は、前記第1の壁部21と前記第2の壁部22との間に位置し、
前記電子回路基板1は、前記第1の壁部21と、前記電子回路基板収容室2R1の内部の第1の空間2R11を介して対向し、
前記電子回路基板1は、前記第2の壁部22と、前記電子回路基板収容室2R1の内部の第2の空間2R12を介して対向し、
前記第2の壁部22は、前記電子回路基板収容室2R1の内部に向けて突出する伝熱用突出部22Pを一体に有し、
前記伝熱用突出部22Pは、前記発熱回路部品3の位置に対応する位置に配設され、
熱伝導性ペースト接着剤8により、前記伝熱用突出部22Pの前記発熱回路部品3の側の面と、前記電子回路基板1の前記発熱回路部品3が搭載されている部分の前記伝熱用突出部22Pの側の面とが接着され、
前記発熱回路部品3が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品3から前記電子回路基板1の前記発熱回路部品が搭載されている部分および前記熱伝導性ペースト接着剤8を経由して前記伝熱用突出部22Pに熱伝導されることにより、前記筐体2から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
前記製造方法において、前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の内部へ前記開口61から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤8が前記発熱回路部品3に施され、
前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板1の前記伝熱用突出部22Pの側の面と前記伝熱用突出部22Pの前記発熱回路部品3の側の面との間の第3の距離b3より、前記電子回路基板1が前記電子回路基板収容室2R1の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品3に施された前記熱伝導性ペースト接着剤8の厚みtを大きくしてあるものである。
実施の形態3.
以下、実施の形態3を、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である図5によって説明する。なお、本実施の形態3については、前述の実施の形態1および2と異なる点のみ説明し、前述の実施の形態1および2と同一または相当する事項については説明を割愛する。
図5に例示のように、発熱回路部品3を発熱回路部品取付基板13に実装した構成でも良い。
発熱回路部品取付基板13について説明する。実施の形態1では、1枚の電子回路基板1に発熱回路部品3をはんだ付けにて実装する構成である。一方、実施の形態3は、電子回路基板1とは別に、発熱回路部品取付基板13に発熱回路部品3をはんだ付けにて実装する。さらに、発熱回路部品取付基板13を電子回路基板1にはんだ付けにて実装し、電気的・機械的に接続する。その結果として、発熱回路部品取付基板13は電子回路基板1に電子回路基板1の一部として取り付けられることになる。
電子回路基板1の一部である発熱回路部品取付基板13に実装された発熱回路部品3に対し、筐体2に凹部5および伝熱用突出部21Pを形成し、筐体2の伝熱用突出部21Pと発熱回路部品3とを、前記熱伝導性ペースト接着剤8を介して接触させる。
実施の形態3によれば、電子回路基板1に発熱回路部品取付基板13を実装することで、筐体2と発熱回路部品3との距離(図3で示すA2に相当)を実施の形態1より小さくすることが可能である。つまり、凹部5の深さd2について、d2 < d1で形成ができる。これにより、熱かしめなどで筐体2を変形させる場合、変形量を抑え、加工時の筐体2の破れなどの不良の発生を低減できる。
加えて、発熱回路部品取付基板13は電子回路基板1と別の基板を用いるため、基板の厚みや基板の層構成などを個別に設定することが可能である。よって、発熱回路部品取付基板13の厚みを大きくし、変形量でもある深さd2をさらに小さくすることもできる。あるいは、発熱回路部品取付基板13の銅箔厚みを大きくし、発熱回路部品3から発熱回路部品取付基板13への放熱性を上げることも可能である。
実施の形態4.
以下、実施の形態4を、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である図6によって説明する。なお、本実施の形態4については、前述の実施の形態1から3と異なる点のみ説明し、前述の実施の形態1から3と同一または相当する事項については説明を割愛する。
実施の形態3において、発熱回路部品取付基板13と電子回路基板1とのはんだ付け箇所(面)は、発熱回路部品取付基板13の面C14、すなわち発熱回路部品3が実装される側の面を面C14とし、発熱回路部品取付基板13の面D15、すなわち面C14と反対側の面を面D15とした場合、本実施の形態4は、面C14と電子回路基板1とをはんだ付けにより接続する構成としたものである。
図6に示すように、電子回路基板1には開口を設けておくことで、発熱回路部品取付基板13の周囲部分と電子回路基板1とをはんだ付けなどで接続することができる。
さらに、実施の形態2に記載したように、発熱回路部品取付基板13の面D15側に放熱パッドを設けておく。その放熱パッド上に熱伝導性ペースト接着剤8を塗布し、筐体2を変形させ凹部5を形成することで、熱伝導性ペースト接着剤8と筐体2とを接触する構成としてもよい。
実施の形態4によると、実施の形態2と比較し、筐体2の変形量でもある深さd2を低減することが可能となる。よって、実施の形態3と同様に、凹部5の成形時の破損の発生を抑えることができ、なおかつ実施の形態2との同様の効果を得られる。
さらに、筐体2と発熱回路部品3との間の第2の距離A2を電子回路基板1の厚みの分だけ大きくとることができるため、より背の高い(サイズの大きい)発熱回路部品3を筐体2の中へ収納することも可能となるため、部品選定の制約事項を緩和できる。
実施の形態5.
以下、実施の形態5を、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である図7によって説明する。なお、本実施の形態5については、前述の実施の形態1から4と異なる点のみ説明し、前述の実施の形態1から4と同一または相当する事項については説明を割愛する。
図7において、電子回路基板1と筐体2の内壁までの距離について、開口部6側での距離をA5とする。また、保持部41,42側の距離をA6とする。
実施の形態1では、熱伝導性ペースト接着剤8を塗布した電子回路基板1を筐体2に挿入後、筐体2へ凹部5を形成する構成としていた。
本実施の形態5は、前述の実施の形態1において、筐体2を射出成型などによって成形する時点で、A5>A6となるようにあらかじめ作製しておくことを特徴とする事例である。ただし、第6の距離A6は発熱回路部品3の高さhと熱伝導性ペースト接着剤8の塗布厚さt(図3参照)との関係は、h < A6 < h+tとする。そうすることで、熱伝導性ペースト接着剤8を塗布した電子回路基板1を筐体2へ正規の位置(所定位置)まで挿入すると、熱伝導性ペースト接着剤8は柔軟性があるため、変形しながら筐体2の内壁と発熱回路部品3の間に介在する形で組み立てられる。
なお、筐体2の前記第6の距離A6に対応する部分は、筐体2の第5の距離A5に対応する部分に対し、筐体2の外側から見れば凹部5に相当し、電子回路基板収容室2R1側から見れば伝熱用突出部21Pに相当する。
また、第5の距離A5については、A5>tとなるように製作する。これとは逆に、A5<tとした場合は、筐体2に電子回路基板1を挿入する際に、熱伝導性ペースト接着剤8が正規の位置で接触する前に筐体2と擦れて、電子回路基板1を筐体2に正規の位置(図7に図示の位置)まで挿入した時点で、熱伝導性ペースト接着剤8が筐体2と発熱回路部品3との間に均一に充填されず、十分な放熱性能を得られない。
発熱回路部品3の電子回路基板1上の実装位置については、電子回路基板1を筐体2の挿入後、正規の位置(電子回路基板1の、電子回路基板収容室2R1内における所定位置)で熱伝導性ペースト接着剤8が筐体2に接触する位置に実装しなくてはならない。また、距離がA5からA6に変化した直後の箇所に発熱回路部品3が位置するように発熱回路部品3を電子回路基板1に実装する。
実施の形態5によれば、筐体2をあらかじめ熱伝導性ペースト接着剤8と接触するように作製するため、前述の実施の形態1のような、電子回路基板1を筐体2に挿入した後の凹部の作製工程が不要となる。これにより、組立の工数を削減かつ、発熱回路部品3と筐体2を近接した距離で熱伝導性ペースト接着剤8を介して接触させることが可能となる。また、凹部の作製が不要なことにより、加工中の筐体2の破れなどの破損の懸念がない。
また、このような効果は、本実施の形態5の前述の特徴事項を、例えば、前述の実施の形態3等に適用しても得られる。
実施の形態6.
以下、実施の形態6を、乗り物搭載用電子制御装置の更に他の例を示す断面図である図8によって説明する。なお、本実施の形態6については、前述の実施の形態1から5と異なる点のみ説明し、前述の実施の形態1から5と同一または相当する事項については説明を割愛する。
本実施の形態6は、前述の実施の形態5の前述の特徴を、前述の実施の形態2に適用した事例である。
本実施の形態6は、前述の実施の形態5と同様に、組立前に、すなわち電子回路基板1を筐体2に挿入する前に、筐体2を図6に示す形状に製作しておく事例である。つまり、熱伝導性ペースト接着剤8より開口61(図1参照)の側における電子回路基板1と筐体2との間の距離を第4の距離B4とし、熱伝導性ペースト接着剤8より開口61(図1参照)の側における電子回路基板1と筐体2との間の距離である第7の距離をB7とすると、正規に組立された状態、すなわち電子回路基板1が電子回路基板収容室2R1内の所定位置(図8における図示の位置)に収容された状態において、B4>B7となるように、筐体2を図6に示す形状に製作しておく事例が本実施の形態6である。
なお、筐体2の前記第7の距離B7に対応する部分は、筐体2の第4の距離B4に対応する部分に対し、筐体2の外側から見れば凹部5に相当し、電子回路基板収容室2R1側から見れば伝熱用突出部22Pに相当する。
本実施の形態6は、図6に示す形状で筐体2を構成し、実施の形態5と同様に乗り物搭載用電子制御装置を組み立てる。なお、本実施の形態6においては、電子回路基板1が電子回路基板収容室2R1の内部へ挿入される前の状態における、発熱回路部品3に施された熱伝導性ペースト接着剤8の厚みt(図2参照)と、前述の第4の距離B4,第7の距離B7との関係は、0<B7<tとなるように、且つ、B4>tとなるように、筐体2を製作しておく。これとは逆に、B4<tとした場合は、筐体2に電子回路基板1を挿入する際に、熱伝導性ペースト接着剤8が正規の位置で接触する前に筐体2と擦れて、電子回路基板1を筐体2に正規の位置(図8に図示の位置)まで挿入した時点で、熱伝導性ペースト接着剤8が筐体2と発熱回路部品3との間に均一に充填されず、十分な放熱性能を得られない。
発熱回路部品3の電子回路基板1上の実装位置については、電子回路基板1を筐体2の挿入後、正規の位置(電子回路基板1の、電子回路基板収容室2R1内における所定位置で熱伝導性ペースト接着剤8が筐体2に接触する位置に実装しなくてはならない。また、距離がB4からB7に変化した直後の箇所に発熱回路部品3が位置するように発熱回路部品3を電子回路基板1に実装する。
実施の形態6は、実施の形態5と同様に、筐体2をあらかじめ熱伝導性ペースト接着剤8と接触するように作製するため、前述の実施の形態1のような、電子回路基板1を筐体2に挿入した後の凹部の作製工程が不要となる。ただし、筐体2と電子回路基板1との間の第7の距離B7は短くその部分の空間は狭いので、電子回路部品を実装しない電子回路部品禁止領域とするのが好ましい。
実施の形態5では、電子回路基板1の筐体2への挿入時、製造のバラツキから伝熱用突出部21Pと発熱回路部品3とが接触し、部品の脱落・破損する懸念がある。そのため、伝熱用突出部21Pと電子回路基板1との間の第6の距離A6を大きく取る必要がある。本実施の形態6では、筐体2と電子回路基板1の間の第7の距離B7の部分の空間に電子回路部品を実装しないようにすれば、実施の形態5の懸念が無く、組立上の品質を改善することが可能である。また、筐体2の伝熱用突出部22Pと電子回路基板1との間の距離B7が短いので、発熱回路部品3から伝熱用突出部22Pへの熱伝達性が、前述の実施の形態5より良くなり、放熱性も向上する。
1 電子回路基板、 1EP 電子回路部品、 2 筐体、
21 第1の壁部、 21P 伝熱用突出部、 22 第2の壁部、
22P 伝熱用突出部、 23 第3の壁部、 24 第4の壁部、
25 第5の壁部、 2R1 電子回路基板収容室、
2R11 第1の空間、 2R12 第2の空間、 3 発熱回路部品、 41 保持部、 42 保持部、 5 凹部、
6 開口部、 61 開口、 71 ガイド、 72 ガイド、 8 熱伝導性ペースト接着剤、 9 治具、 10 熱かしめ部、 11 電子回路基板1の面A、
12 電子回路基板1の面B、 13 発熱回路部品取付基板、
14 発熱回路部品取付基板13の面C、 15 発熱回路部品取付基板13の面D、 a1 第1の距離、 A2 第2の距離、 b3 第3の距離、 B4 第4の距離、 A5 第5の距離、 A6 第6の距離、 B7 第7の距離、 d1 凹部5の深さ、 d2 凹部5の深さ、 h 発熱回路部品3の高さ、 t 熱伝導性ペースト接着剤8の厚み。
また、この発明に係る第2の発明は、
乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第1の空間を介して対向し、
前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第2の空間を介して対向し、
前記第2の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品の位置に対応する位置に配設され、
熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分および前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
前記製造方法において、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ前記開口から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤が前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面に施され、
前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第3の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてある
ことを特徴とするものである。
この発明に係る第1の発明である乗り物搭載用電子制御装置の製造方法によれば、
電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板が、筐体の開口から挿入され、筐体内の電子回路基板収容室の所定位置に収容される乗り物搭載用電子制御装置において、前記筐体内の電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を前記筐体に一体に有し、発熱回路部品の発熱が、熱伝導性ペースト接着剤および前記伝熱用突出部を経て前記筐体から放熱される構造とし、
前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第1の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてあるので、
前記筐体と一体の前記伝熱用突出部と前記発熱回路部品との相対距離を短くでき、しかも、前記熱伝導性ペースト接着剤と前記伝熱用突出部との密着性も向上し、電子回路基板上の発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させることができる。
また、この発明に係る第2の発明である乗り物搭載用電子制御装置の製造方法によれば、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第3の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてあるので、
第1の発明と同様に、前記筐体と一体の前記伝熱用突出部と前記発熱回路部品との相対距離を短くでき、しかも、前記熱伝導性ペースト接着剤と前記伝熱用突出部との密着性も向上し、電子回路基板上の発熱回路部品の放熱性を、廉価で向上させることができる。

Claims (19)

  1. 乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
    前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室における第1の空間を介して対向し、
    前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室における第2の空間を介して対向し、
    前記第1の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
    前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品に対応する位置に配設され、
    熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
    前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
    前記製造方法において、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ前記開口から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤が前記発熱回路部品に施され、
    前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第1の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてある
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  2. 請求項1に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における前記第1の壁部と前記発熱回路部品との間の第2の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを小さくしておく
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  3. 乗り物搭載用電子制御装置の製造方法であって、
    前記乗り物搭載用電子制御装置は、電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
    前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第1の空間を介して対向し、
    前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第2の空間を介して対向し、
    前記第2の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
    前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品の位置に対応する位置に配設され、
    熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
    前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分および前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される乗り物搭載用電子制御装置であり、
    前記製造方法において、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ前記開口から挿入される前に、前記熱伝導性ペースト接着剤が前記発熱回路部品に施され、
    前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における、前記電子回路基板の前記伝熱用突出部の側の面と前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面との間の第3の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを大きくしてある
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態における前記第2の壁部と前記電子回路基板との間の第4の距離より、前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の内部へ挿入される前の状態における、前記発熱回路部品に施された前記熱伝導性ペースト接着剤の厚みを小さくしておく
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記筐体が樹脂製の筐体であり、
    前記伝熱用突出部は、加熱された治具によって、前記筐体の外部から前記筐体を押圧することによって形成される
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  6. 請求項5に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記筐体の、前記治具によって押圧される部分の厚さは、前記治具によって押圧されない部分の厚さより、肉厚に形成されている
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記伝熱用突出部は、前記筐体の成型時に、前記筐体の成型と併せて成型される
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置の製造方法において、
    前記電子回路基板が前記電子回路基板収容室の前記所定位置に収容された状態において、加熱によって、前記熱伝導性ペースト接着剤を熱硬化させる
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置の製造方法。
  9. 電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
    前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室における第1の空間を介して対向し、
    前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室における第2の空間を介して対向し、
    前記第1の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
    前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品に対向する位置に配設され、
    熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記発熱回路部品の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
    前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  10. 請求項9に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記発熱回路部品の前記開口の側における、前記第1の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第1の壁部の側の面との間の第5の距離は、前記発熱回路部品の前記開口の側と反対側における、前記第1の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第1の壁部の側の面との間の第6の距離と同じである
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  11. 請求項9に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記発熱回路部品の前記開口の側における、前記第1の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第1の壁部の側の面との間の第5の距離は、前記発熱回路部品の前記開口の側と反対側における、前記第1の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第1の壁部の側の面との間の第6の距離より長い
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  12. 電子回路部品および通電されることにより発熱する発熱回路部品が実装された電子回路基板と、この電子回路基板が挿入される開口を一端に有し前記開口から挿入された前記電子回路基板を所定位置に収容する電子回路基板収容室が内部に形成され乗り物に搭載される筐体とを備え、
    前記筐体は、第1の壁部と、この第1の壁部に前記電子回路基板収容室を介して対向する第2の壁部とを有し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と前記第2の壁部との間に位置し、
    前記電子回路基板は、前記第1の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第1の空間を介して対向し、
    前記電子回路基板は、前記第2の壁部と、前記電子回路基板収容室の内部の第2の空間を介して対向し、
    前記第2の壁部は、前記電子回路基板収容室の内部に向けて突出する伝熱用突出部を一体に有し、
    前記伝熱用突出部は、前記発熱回路部品の位置に対応する位置に配設され、
    熱伝導性ペースト接着剤により、前記伝熱用突出部の前記発熱回路部品の側の面と、前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分の前記伝熱用突出部の側の面とが接着され、
    前記発熱回路部品が通電されることにより発生した熱が、前記発熱回路部品から前記電子回路基板の前記発熱回路部品が搭載されている部分および前記熱伝導性ペースト接着剤を経由して前記伝熱用突出部に熱伝導されることにより、前記筐体から放熱される
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  13. 請求項12に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記発熱回路部品の前記開口の側における、前記第2の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第2の壁部の側の面との間の第4の距離は、前記発熱回路部品の前記開口の側と反対側における、前記第2の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第2の壁部の側の面との間の第7の距離と同じである
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  14. 請求項12に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記発熱回路部品の前記開口の側における、前記第2の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第2の壁部の側の面との間の第4の距離は、前記発熱回路部品の前記開口の側と反対側における、前記第2の壁部の前記電子回路基板の側の面と前記電子回路基板の前記第2の壁部の側の面との間の第7の距離より長い
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  15. 請求項14に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記電子回路基板に搭載の電子回路部品は、前記電子回路基板の、前記発熱回路部品の前記開口の側と反対側の、前記第2の壁部に対向する面には、搭載されていない
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  16. 請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記発熱回路部品は、前記電子回路基板に前記電子回路基板の一部として取り付けられた発熱回路部品取付基板に実装されている
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  17. 請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記筐体は、樹脂製の筐体であり、
    前記発熱回路部品は、樹脂でモールドされた発熱回路部品であり、
    前記熱伝導性ペースト接着剤は、樹脂系の熱伝導性接着剤である
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  18. 請求項9から請求項15のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記熱伝導性ペースト接着剤は、弾性を有する熱伝導性接着剤である
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
  19. 請求項9から請求項18のいずれか一項に記載の乗り物搭載用電子制御装置において、
    前記熱伝導性ペースト接着剤は、熱硬化性の樹脂系の熱伝導性接着剤である
    ことを特徴とする乗り物搭載用電子制御装置。
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