JP2019091658A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でシステム内の熱の有効利用を図る。【解決手段】水素を含む改質ガスと酸素を含む酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池を備える燃料電池システムは、原燃料ガスを改質して改質ガスを生成する改質器と、改質ガスの生成に用いられる水を貯留する水タンクと、燃料電池から排出される排気ガスを熱交換流体との熱交換により凝縮し凝縮水として水タンクに供給する熱交換器と、熱交換流体が循環する循環ラインと、循環ラインから切替弁を介して分岐し、水タンク内を通って循環ラインに合流する分岐ラインと、熱交換流体が分岐ラインを流通する流通状態と、分岐ラインを流通しない非流通状態とのいずれかに切り替えるように切替弁を制御する制御装置と、を備えるものである。【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃焼排ガス中の水蒸気を水との熱交換により凝縮して凝縮水を生成する熱交換器と、熱交換器により生成された凝縮水を貯留する水タンクと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この燃料電池システムでは、水タンクを加熱するための専用のヒータを設けて水タンクを加熱することで、水タンク内の水が凍結するのを防止している。
上述した燃料電池システムでは、水タンクを加熱する専用のヒータを設けることから、ヒータの設置スペースを確保するためにサイズの大型化に繋がるだけでなく、システムの複雑化やコストの増加を招くことになる。また、専用のヒータを設けることによりエネルギの消費が増えることになるから、燃料電池システム内の熱の有効利用を図るために、なお改善の余地がある。
本発明は、簡易な構成でシステム内の熱の有効利用を図ることを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の燃料電池システムは、水素を含む改質ガスと酸素を含む酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、原燃料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器と、前記改質ガスの生成に用いられる水を貯留する水タンクと、前記燃料電池から排出される排気ガスを熱交換流体との熱交換により凝縮し凝縮水として前記水タンクに供給する熱交換器と、前記熱交換流体が循環する循環ラインと、前記循環ラインから切替弁を介して分岐し、前記水タンク内を通って前記循環ラインに合流する分岐ラインと、前記熱交換流体が前記分岐ラインを流通する流通状態と、前記分岐ラインを流通しない非流通状態とのいずれかに切り替えるように前記切替弁を制御する制御装置と、を備えることを要旨とする。
本発明の燃料電池システムでは、熱交換器の熱交換に用いられる熱交換流体が循環する循環ラインと、循環ラインから切替弁を介して分岐し水タンク内を通って循環ラインに合流する分岐ラインと、を備え、熱交換流体が分岐ラインを流通する流通状態と、分岐ラインを流通しない非流通状態とのいずれかに切替弁を切り替える。これにより、切替弁を流通状態とすることにより、熱交換器の熱交換で加熱された熱交換流体を用いて水タンク内の水を加熱することができる。また、水タンク内の水温が低い場合に切替弁を流通状態とすることにより、分岐ラインを通る熱交換流体を冷却して熱交換器へ供給し、排気ガスの凝縮を促すことができる。また、このような熱の利用を、分岐ラインと切替弁とを設ける簡易な構成で実現することができる。したがって、簡易な構成でシステム内の熱を有効利用して、水タンクの凍結防止を図ることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段を備え、前記制御装置は、前記水タンク内の水温が凍結の可能性のある所定の凍結温度以下である場合に、前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御するものとしてもよい。こうすれば、適切なタイミングで熱交換流体を分岐ラインから水タンク内に流通させて水タンクの凍結防止を図ることができる。なお、水温取得手段は、水温を直接的に取得してもよいし、水タンクの周囲温度やシステム外気温などから水温を間接的に取得してもよい。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水タンク内の水を前記改質器に給水する給水ラインに設けられ、正逆両方向に水を送出可能な改質水ポンプを備え、前記改質器と前記改質水ポンプと前記水タンクとは、上方から下方に向かってこの順で並んで配設されているものとしてもよい。このように構成すれば、システム停止する際に、改質水ポンプを逆方向に駆動して給水ライン内や改質水ポンプ内の水を水タンク内に容易に戻すことができるから、給水ラインや改質水ポンプ内の水の凍結防止が不要となる。このため、水タンク内に分岐ラインを通す簡易な構成で、改質水の凍結防止を適切に行うことができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段と、前記水タンク内の水位を検出する水位検出手段と、を備え、前記制御装置は、前記水タンク内の水位が所定水位以下で且つ前記水タンク内の水温が前記熱交換流体を冷却可能な所定の冷却可能温度以下である場合に、前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御するものとしてもよい。こうすれば、熱交換流体を分岐ラインから水タンク内に流通させて熱交換させることにより、冷却された熱交換流体を熱交換器へ供給して排気ガスの凝縮を促すことができる。このため、適切なタイミングで熱交換器における水の凝縮を促して水タンク内の水位の復帰を図ることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段と、前記水タンク内の水に接触する電極を用いて水の導電率を検出する導電率検出手段と、前記検出された水の導電率に基づいて前記熱交換器を含む前記燃料電池システムの異常を判定する異常判定手段と、を備え、前記制御装置は、前記異常判定手段による異常判定の際に、前記水タンク内の水温が所定温度を超えていれば前記非流通状態に切り替え、前記水タンク内の水温が所定温度以下であれば前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御するものとしてもよい。ここで、水タンク内の水温が低い場合には、水タンク内のイオン濃度の影響により、検出される導電率が高くなって、システム異常と誤判定しやすいものとなる。このため、水タンク内の水温が所定温度以下であれば流通状態に切り替えて水タンク内の水を加熱してイオン濃度の影響を排除することにより、システム異常と誤判定するのを防止することができる。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本実施形態の燃料電池システム10の構成の概略を示す構成図であり、図2は排熱回収装置80の構成の概略を示す構成図であり、図3は改質水タンク63と水精製器70の構成の概略を示す構成図である。燃料電池システム10は、図1に示すように、水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガス(エア)との供給を受けて発電する燃料電池スタック36を有する発電ユニット20と、発電ユニット20の発電に伴って発生する熱を回収して給湯する貯湯タンク101を有する給湯ユニット100と、システム全体を制御する制御装置95と、を備える。
発電ユニット20は、改質水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に原燃料ガス(例えば天然ガスやLPガス)を予熱する気化器32と、原燃料ガスと水蒸気とから水素を含む燃料ガス(改質ガス)を生成する改質器33と、燃料ガスとエアとにより発電する燃料電池スタック36とを含む発電モジュール30と、気化器32に原燃料ガスを供給する原燃料ガス供給装置40と、燃料電池スタック36にエアを供給するエア供給装置50と、改質水を気化器32に供給する改質水供給装置60と、発電モジュール30で発生した排熱を回収する排熱回収装置80と、を備える。これらは、筐体22に収容されている。なお、筐体22には、吸気口22aと排気口22bとが設けられ、吸気口22a付近には外気を取り込んで筐体22の内部を換気するための換気ファン24が設けられ、排気口22b付近には、可燃ガスの漏れを検出するための可燃ガスセンサ97が設けられている。
改質器33は、セラミックなどの担体に改質触媒(例えば、RuまたはNi系の触媒)が担持されて構成され、気化器32から供給された原燃料ガスと水蒸気との混合ガスを水蒸気改質反応によって燃料ガス(改質ガス)に改質する。
気化器32、改質器33および燃料電池スタック36は、断熱性材料により形成された箱型のモジュールケース31内に収容されている。モジュールケース31内には、燃料電池スタック36の起動や、気化器32における水蒸気の生成、改質器33における水蒸気改質反応に必要な熱を供給するための燃焼部34が設けられている。燃焼部34には燃料電池スタック36を通過した燃料オフガス(アノードオフガス)と酸化剤オフガス(カソードオフガス)とが供給され、これらの混合ガスを点火ヒータ35により点火して燃焼させることにより、燃料電池スタック36や気化器32、改質器33を加熱する。燃料オフガスおよび酸化剤オフガスの燃焼により生成される燃焼排ガスは、燃焼触媒37を介して熱交換器82へ供給される。燃焼触媒37は、燃焼部34で燃え残った燃料ガスを触媒によって再燃焼させる酸化触媒である。
原燃料ガス供給装置40は、ガス供給源1と気化器32とを接続する原燃料ガス供給管41を有する。原燃料ガス供給管41には、ガス供給源1側から順に、原燃料ガス供給弁(電磁弁)42,43、オリフィス44、原燃料ガスポンプ45、脱硫器46が設けられており、原燃料ガス供給弁42,43を開弁した状態で原燃料ガスポンプ45を駆動することにより、ガス供給源1からの原燃料ガスを脱硫器46を通過させて気化器32へ供給する。気化器32へ供給された原燃料ガスは、気化器32を経て改質器33へ供給され、燃料ガスへと改質される。原燃料ガス供給弁42,43は、直列に接続された2連弁である。脱硫器46は、原燃料ガスに含まれる硫黄分を除去するものであり、例えば、硫黄化合物をゼオライトなどの吸着剤に吸着させて除去する常温脱硫方式などを採用することができる。なお、脱硫方式は、常温脱硫方式に限られず、種々の方式を採用し得る。また、原燃料ガス供給管41の原燃料ガス供給弁43とオリフィス44との間には、当該原燃料ガス供給管41内の原燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ47が設けられ、オリフィス44と原燃料ガスポンプ45との間には、原燃料ガス供給管41を流れる原燃料ガスの単位時間当たりの流量を検出する流量センサ48が設けられている。
エア供給装置50は、外気と連通するフィルタ52と燃料電池スタック36とを接続するエア供給管51を有する。エア供給管51には、エアブロワ53が設けられており、エアブロワ53を駆動することにより、フィルタ52を介して吸入したエアを燃料電池スタック36へ供給する。また、エア供給管51には、エアブロワ53の下流側にエア供給管51を流れるエアの単位時間当たりの流量を検出する流量センサ54が設けられている。
改質水供給装置60は、筐体22の底部に配置されて改質水を貯蔵する改質水タンク63と気化器32とを接続する改質水供給管61を有する。改質水タンク63には、タンクから水を汲み上げる改質水ポンプ62が設けられており、改質水ポンプ62を駆動することにより、改質水タンク63内の水を改質水供給管61を通して気化器32へ供給する。気化器32へ供給された改質水は、気化器32で水蒸気とされ、改質器33における水蒸気改質反応に利用される。改質水ポンプ62は、例えばギヤポンプなどモータ駆動のポンプとして構成されており、ポンプモータの回転方向を切り替えることで正逆両方向に水を送出可能である。即ち、改質水ポンプ62は、ポンプモータを正回転方向に駆動することにより、改質水タンク63内の水を気化器32へ向けて送ることができ、ポンプモータを逆回転方向に駆動することにより、改質水供給管61内の水を改質水タンク63へ戻すことができる。また、改質器33(気化器32)と改質水ポンプ62と改質水タンク63は、上からこの順に配設されているため、燃料電池システム10を停止する際に改質水ポンプ62(ポンプモータ)を逆回転方向に駆動することで、改質水供給管61内の水を改質水タンク63内に容易に戻すことができる。
また、改質水タンク63には、図3に示すように、改質水の水位に追従して上下に変位するフロート64aにより改質水タンク63の水位を検出するフロートスイッチ式の水位センサ64と、改質水タンク63内を大気開放するための大気開放管66と、改質水タンク63内の水抜きを行うための水抜き口67と、改質水タンク63の下部に設けられ水の温度を検出する水温センサ68と、改質水タンク63内の水の導電率を検出する導電率センサ69とが設けられている。水位センサ64は、HiスイッチとLoスイッチの2つのスイッチを有し、Hiスイッチのオンによりタンク内水位Wlが比較的高い高水位Wl_hiにあることを検出し、Loスイッチのオンによりタンク内水位Wlが比較的低い低水位Wl_loにあることを検出し、HiスイッチおよびLoスイッチのオフによりタンク内水位Wlが低水位Wl_loと高水位Wl_hiの間にあることを検出する。また、導電率センサ69は、一対の電極が改質水タンク63内に配置されて改質水タンク63内の水に直接接触する接触式のセンサとして構成されており、電極間を流れる電流を検出することで改質水タンク63内の水の導電率を検出する。この導電率センサ69は、排熱回収装置80の熱交換器82の破損などの何らかの異常により、改質水タンク63内の水に不純物が混入したか否かの判定に用いられる。
排熱回収装置80は、図1に示すように、発電モジュール30から燃焼排ガスが供給される熱交換器82と貯湯水を貯蔵する貯湯タンク101とを接続して貯湯水の循環路を形成する循環配管81を有する。循環配管81には、循環ポンプ83が設けられており、循環ポンプ83を駆動することにより、熱交換器82による貯湯水と燃焼排ガスとの熱交換により貯湯水を加温すると共に加温した貯湯水を貯湯タンク101へ貯湯する。熱交換器82に供給された燃焼部34からの燃焼排ガスは、熱交換により水蒸気成分が凝縮され、凝縮された水(凝縮水)が凝縮水供給管88を介して改質水タンク63に回収される。凝縮水供給管88には水精製器70(図2,図3参照)が設けられており、水精製器70により精製(浄化)された水が改質水タンク63に回収される。残りの排気ガス(ガス成分)は、排気ガス排出管75を介して外気へ排出される。
また、排熱回収装置80は、図1,図2に示すように、循環配管81に、循環配管81を流れる貯湯水を加熱するヒータ84と、循環配管81を流れる貯湯水を冷却するラジエータ85と、ラジエータ85を通った貯湯水の流路を切り替える切替弁86(三方弁)とが設けられている。本実施形態では、燃料電池スタック36の発電出力が負荷4の要求出力を超える場合には、ヒータ84が駆動するようにヒータ84に通電することにより余剰電力を消費する。このため、ヒータ84は、余剰電力の消費機器として機能する。一方で、余剰電力を消費するためのヒータ84の駆動により、循環配管81を流れる貯湯水が加熱されると、ラジエータ85が貯湯水を冷却するようにラジエータファン85aを駆動する。また、切替弁86は、循環配管81から分岐するタンク内流通配管87に貯湯水を流すか否かを切り替えるものである。このタンク内流通配管87は、切替弁86を介して循環配管81から分岐し、改質水タンク63内を流通して、再び循環配管81に合流するものである。このため、切替弁86は、ラジエータ85を通った貯湯水がタンク内流通配管87に流れることなく熱交換器82に直接向かう流路(直通流路ともいう)と、循環配管81から分岐したタンク内流通配管87を流れる流路(タンク内流通流路ともいう)とのいずれかに切り替え可能となっている。循環配管81内の貯湯水が、タンク内流通配管87を通って改質水タンク63内を流通することにより、改質水タンク63内の水との間で熱交換を行うことができる。
水精製器70は、図3に示すように、改質水タンク63と別体に構成された筒状(例えば円筒状)の収容容器71内に、水精製材として充填されたイオン交換樹脂層74と、イオン交換樹脂層74の下部に配置されたフィルタ75とを備える。収容容器71は、改質水タンク63と隣接するように筐体22の底部に配置されており、上面に中心から偏心した位置に設けられ凝縮水供給管88に接続された流入口72と、側面下端に設けられホースなどの接続管65を介して改質水タンク63に接続される流出口73とを備える。水精製器70は、上方の流入口72から収容容器71内に流入した凝縮水がイオン交換樹脂層74とフィルタ75とを通過することにより、凝縮水に含まれる不純物を吸着除去して純水化し、純水化された水が下方の流出口73から流出することにより、純水化された水を接続管65を介して改質水タンク63に供給する。なお、接続管65を介して接続された水精製器70(収容容器71)と改質水タンク63とは、定常状態で水面の水位が同じ高さとなる。
水精製器70のイオン交換樹脂層74は、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とが所定の混合比で混合されたものであり、収容容器71内におけるイオン交換樹脂層74の上部には所定高さの空間71aが形成されている。空間71aの所定高さは数十mm程度であり、一例として30mm程度とすることができる。また、空間71a内にはスペーサ76が配置されており、収容容器71の側壁上端には空間71aに連通し水を排出可能な排水口77が設けられている。スペーサ76は、上下方向に貫通した流路が形成された樹脂製の部材であり、高さ方向の中央部に絞りを有する砂時計状に形成されている。このスペーサ76は、上端と下端の最大径部において、外周縁が部分的に(例えば周方向に90度間隔となる四箇所で)直線状に切り欠かれた非円形状となっており、空間71a内に配置された状態で収容容器71の円形状の内壁面との間に若干の隙間が形成される。また、排水口67は、U字部78aを介して外部に凝縮水を排出可能な排水管78が接続されている。U字部78aは、水を滞留するようにU字状に屈曲しており、滞留した水によって水精製器70(収容容器71の空間71a)内と外部(大気)とが連通しないように排水管78を水封する水封部である。なお、排水口77は、定常状態の改質水タンク63の水位が満水位近傍のときに、水を排出可能な高さ位置に設けられている。即ち、改質水タンク63の満水位を管理可能な高さ位置に排水口77が設けられている。
燃料電池スタック36は、酸素イオン伝導体からなる固体電解質と、固体電解質の一方の面に設けられたアノードと、固体電解質の他方の面に設けられたカソードとを備える固体酸化物燃料電池セルが積層されたものとして構成されており、アノードに供給される燃料ガス中の水素とカソードに供給されるエア中の酸素とによる電気化学反応によって発電する。燃料電池スタック36の出力端子にはDC/DCコンバータとインバータとを含むパワーコンディショナ90を介して商用電源2から負荷4への電力ライン3が接続されており、燃料電池スタック36からの直流電力は、パワーコンディショナ90による電圧変換および直流/交流変換を経て商用電源2からの交流電力に付加されて負荷4に供給される。
パワーコンディショナ90から分岐した電力ラインには電源基板91が接続されている。電源基板91は、燃料電池スタック36から出力された直流電圧や商用電力系統2からの交流電圧を補機類の作動に適した直流電圧に変換して当該補機類に供給するものである。実施形態では、補機類としては、原燃料ガス供給弁42,43や原燃料ガスポンプ45、エアブロワ53、改質水ポンプ62、循環ポンプ83、ヒータ84、ラジエータ85のラジエータファン85a、切替弁86などがある。また、補機類が配置された補機室には、補機室内の温度である機内温度を計測する機内温度センサ98が設けられている。
制御装置95は、図1に示すように、CPU95aを中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU95aの他に処理プログラムを記憶するROM95bと、データを一時的に記憶するRAM95dと、計時を行うタイマ95dと、図示しない入出力ポートと、を備える。制御装置95には、圧力センサ47や流量センサ48,54、可燃ガスセンサ97などからの各種検出信号や改質水タンク63に設けられた水位センサ64(図3参照)からのタンク内水位Wl、改質水タンク63に設けられた水温センサ68(図3参照)からのタンク水温Tt、改質水タンク63に設けられた導電率センサ69(図3参照)からの導電率Co、補機室に設けられた機内温度センサ98からの機内温度Thなどが入力ポートを介して入力されている。また、制御装置95からは、換気ファン24のファンモータへの駆動信号や原燃料ガス供給弁42,43のソレノイドへの駆動信号、原燃料ガスポンプ45のポンプモータへの駆動信号、エアブロワ53のブロワモータへの駆動信号、改質水ポンプ62のポンプモータへの駆動信号、循環ポンプ83のポンプモータへの駆動信号、ヒータ84への駆動信号、ラジエータファン85aのファンモータへの駆動信号、切替弁86のソレノイドへの駆動信号、パワーコンディショナ90のDC/DCコンバータやインバータへの制御信号、電源基板91への制御信号、点火ヒータ35への駆動信号、各種情報を表示する表示パネル96への表示信号などが出力ポートを介して出力されている。
こうして構成された燃料電池システム10では、負荷4の負荷変動を伴う負荷指令を入力し、定格出力の範囲内で負荷指令に応じた必要電力が出力されるように補機類を運転する。また、入力した負荷指令によっては定格出力で定常運転するように制御される。具体的には、原燃料ガス供給装置40の制御は、入力した負荷指令に基づいて目標ガス流量を設定し、設定した目標ガス流量と流量センサ48により検出される流量との偏差に基づくフィードバック制御により原燃料ガスポンプ45のポンプモータを制御することにより行われる。エア供給装置50の制御は、目標ガス流量に対し所定の空燃比となるように目標エア流量を設定し、設定した目標エア流量と流量センサ56により検出されるエア流量との偏差に基づくフィードバック制御によりエアブロワ55のブロワモータを制御することにより行われる。改質水供給装置60の制御は、入力した負荷指令に基づいて改質水供給装置60が供給すべき目標水量を設定し、設定した目標水量に基づいて改質水ポンプ62のポンプモータを制御することにより行われる。
次に、燃料電池システム10の動作、特に、排熱回収装置80の循環配管81に設けられたヒータ84やラジエータ85、切替弁86の動作について説明する。図4は、凍結防止制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、燃料電池システム10の電源がオンされている状態で制御装置95のCPU95aにより実行される。なお、切替弁86は、通常は直通流路側に切り替えられているものとする。
図4の凍結防止制御処理では、制御装置95のCPU95aは、まず、補機室に設けられた機内温度センサ98からの機内温度Thが所定温度Thref以下であるか否かを判定する(S100)。所定温度Threfは、改質水タンク63や水精製器70、改質水ポンプ62などの凍結のおそれを判定するための温度(所定の凍結温度)として、例えば5℃などの0℃近傍の温度に定められている。また、S100では、所定温度Thref以下の状態が所定時間(例えば1分など)継続したか否かを判定してもよい。なお、S100では機内温度Thを用いたが、改質水タンク63に設けられた水温センサ68からのタンク水温Ttを用いてもよい。機内温度Thが所定温度Thref以下でないと判定すると、凍結のおそれはないと判断し、そのまま凍結防止制御処理を終了する。
一方、S100で機内温度Thが所定温度Thref以下であると判定すると、循環配管81を流れる貯湯水がタンク内流通配管87を流れるように、タンク内流通流路側に切替弁86を切り替えて(S105)、燃料電池システム10が運転中であるか否かを判定する(S110)。運転中であると判定すると、タンク水温Ttが所定温度Ttref_fr以上となるのを待つ(S115)。ここで、燃料電池システム10が運転中の場合は、循環ポンプ83の駆動により循環配管81を流れる貯湯水が熱交換器82に導入されるため、貯湯タンク101内の水温は熱交換器82での熱交換により比較的高温となっていることが多い。このため、切替弁86をタンク内流通流路側に切り替えることで、比較的高温の貯湯水と改質水タンク63内の水との熱交換により、改質水タンク63内の水を温めることができる。なお、所定温度Ttref_frは、凍結のおそれがないことを判定するための温度として例えば15℃などの温度に定められている。また、S115では、所定温度Ttref_fr以上の状態が所定時間(例えば1分など)継続したか否かを判定してもよい。S115でタンク水温Ttが所定温度Ttref_fr以上と判定すると、凍結のおそれがなくなったと判断し、循環配管81を流れる貯湯水がタンク内流通配管87に流れることなく熱交換器82に直接向かうように、直通流路側に切替弁86を切り替えて(S120)、凍結防止制御処理を終了する。
また、S110で運転中でないと判定すると、貯湯水が循環配管81を流れるように循環ポンプ83の作動を開始すると共に(S125)、貯湯水を加熱するためにヒータ84への通電を開始して(S130)、タンク水温Ttが所定温度Ttref_fr以上となるのを待つ(S135)。ここで、燃料電池システム10が運転中でない場合は、循環配管81内の貯湯水が比較的低温となっていることがあり、循環ポンプ83は作動を停止している。このため、タンク内流通配管87に比較的高温の貯湯水を流通させて改質水タンク63内の水を温めるために、循環ポンプ83の作動とヒータ84への通電とを行うのである。また、S135では、所定温度Ttref_fr以上の状態が所定時間(例えば1分など)継続したか否かを判定してもよい。S135でタンク水温Ttが所定温度Ttref_fr以上となると、ヒータ84への通電を終了すると共に(S140)、循環ポンプ83の作動を停止し(S145)、直通流路側に切替弁86を切り替えて(S120)、凍結防止制御処理を終了する。なお、上述したように、燃料電池システム10を停止する際に改質水ポンプ62(ポンプモータ)を逆回転方向に駆動して改質水供給管61内の水を改質水タンク63内に戻すことができるから、改質水供給管61内の水を空の状態とすることができる。このため、改質水供給管61が凍結するおそれがないから、タンク内流通配管87により改質水タンク63の水を温めることで、改質水供給系の凍結を適切に防止することができる。
以上説明した燃料電池システム10では、貯湯水が循環する循環配管81と、循環配管81から切替弁86を介して分岐し改質水タンク63内を通って循環配管81に合流するタンク内流通配管87とを備える。また、貯湯水がタンク内流通配管87(改質水タンク63内)を流通するタンク内流通流路側(流通状態)と、タンク内流通配管87を流通せずに熱交換器82に向かう直通流路側(非流通状態)とのいずれかに切替弁86を切り替える。このため、切替弁86を切り替えることで循環配管81内の貯湯水と改質水タンク63内の水との熱交換をすることができるから、貯湯水の熱を改質水タンク63内の水の温めに有効利用することができる。したがって、改質水タンク63に専用のヒータを設けることなく、切替弁86とタンク内流通配管87とを設ける簡易な構成で、改質水タンク63の凍結防止を図ることができる。
また、燃料電池システム10では、機内温度Thが所定温度Thref以下となった場合に切替弁86を切り替えるから、適切なタイミングで貯湯水をタンク内流通配管87に流通させて凍結防止を行うことができる。
また、燃料電池システム10では、気化器32(改質器33)と改質水ポンプ62と改質水タンク63が、上からこの順に配設されており、システム停止時に改質水ポンプ62を逆方向回転することで改質水供給管61内の水を改質水タンク63内に容易に戻すことができる。このため、改質水供給管61や改質水ポンプ62の凍結防止が不要となり、改質水タンク63内にタンク内流通配管87を通すことで改質水の凍結防止を適切に行うことができる。
実施形態では、貯湯水を循環配管81からタンク内流通配管87へ流すことで改質水タンク63の凍結防止を行うものを例示したが、これに限られず、次のような処理を行うものとしてもよい。例えば、改質水タンク63の水位を復帰させる復帰制御処理を行うものとしてもよい。図5は、水位復帰制御処理の一例を示すフローチャートである。この水位復帰制御処理では、制御装置95のCPU95aは、まず、改質水タンク63に設けられた水位センサ64からのタンク内水位Wlが高水位Wl_hi未満であるか否かを判定する(S200)。タンク内水位Wlが高水位Wl_hi未満でないと判定すると、そのまま水位復帰制御処理を終了する。一方、タンク内水位Wlが高水位Wl_hi未満であると判定すると、ラジエータ85(ラジエータファン85a)の作動を開始する(S205)。循環配管81を流れる貯湯水をラジエータ85で冷却することで、冷却された貯湯水を熱交換器82に導入させて排気ガス中の水蒸気を十分に冷却し凝縮される水の量を増やすことができるから、凝縮水の回収の促進を図ることができる。そして、タンク内水位Wlが高水位Wl_hi以上となるか(S210)、タンク内水位Wlが低水位Wl_lo以下となるか(S215)、のいずれかを判定するのを待つ。S210でタンク内水位Wlが高水位Wl_hi以上になったと判定すると、ラジエータ85(ラジエータファン85a)の作動によりタンク内水位Wlが復帰したと判断し、ラジエータ85(ラジエータファン85a)の作動を停止して(S220)、水位復帰制御処理を終了する。
一方、S215でタンク内水位Wlが低水位Wl_lo以下となったと判定すると、ラジエータ85(ラジエータファン85a)だけではタンク内水位Wlの復帰は困難と判断し、タンク水温Ttが所定温度Ttref_wl以下であるか否かを判定する(S225)。ここで、所定温度Ttref_wlは、タンク内流通配管87(循環配管81)内の貯湯水を改質水タンク63内の水で冷却することができるか否かを判断するための温度(所定の冷却可能温度)として、例えば40℃や50℃などに定められている。タンク水温TtがTtref_wl以下でないと判定すると、改質水タンク63内の水で貯湯水を冷却することはできず水位復帰は困難であり燃料電池システム10の運転継続は困難と判断し、燃料電池システム10を停止させて(S230)、水位復帰制御処理を終了する。
また、S225でタンク水温Ttが所定温度Ttref_wl以下であると判定すると、貯湯水がタンク内流通配管87を流れるようにタンク内流通流路側に切替弁86を切り替えると共に(S235)、発電出力制限を実行して(S240)、タイマ95dによる時間の計測を開始する(S245)。切替弁86の切り替えにより、改質水タンク63内の水との熱交換により冷却された貯湯水を熱交換器82に導入することができる。また、発電出力制限では、定格出力(例えば700Wなど)に対し1/3〜1/4程度の低出力(例えば200Wなど)に制限する。このような低出力状態に制限すると、原燃料ガス供給装置40からの原燃料ガスの供給量は減少するが、燃料電池スタック36での燃料利用率が低下して余剰の燃料オフガスが増加することになる。このオフガスには水素が含有されているから、燃焼部34でのオフガスの燃焼量が増えることで、凝縮水の回収の促進を図ることができる。また、改質水供給装置60が供給すべき目標水量を低減させて、改質水タンク63からの水の供給量を減少させることができる。
こうして切替弁86を切り替えると共に発電出力制限を実行すると、タイマ95dの計測時間TMが所定時間TMref_wl以下であるか否か(S250)、タンク水温Ttが所定温度Ttref_wl以下であるか否か(S255)、を監視しながら、タンク内水位Wlが高水位Wl_hi以上となるのを待つ(S260)。タンク内水位Wlが高水位Wl_hi以上となる前に、計測時間TMが所定時間TMref_wlを超えたり、タンク水温Ttが所定温度Ttref_wlを超えたりすると、水位復帰は困難であり燃料電池システム10の運転継続は困難と判断し、燃料電池システム10を停止させて(S230)、水位復帰制御処理を終了する。一方、計測時間TMが所定時間TMref_wlを超えたりタンク水温Ttが所定温度Ttref_wlを超えたりすることなく、タンク内水位Wlが高水位Wl_hi以上となったと判定すると、タンク内水位Wlが復帰したと判断して、直通流路側に切替弁86を切り替えると共に(S265)、発電出力制限を解除し(S270)、ラジエータ85(ラジエータファン85a)の作動を停止して(S220)、水位復帰制御処理を終了する。
このように、燃料電池システム10は、改質水タンク63内の水位Wlが低くなった場合にタンク水温Ttが所定温度Ttref_wl以下であれば、タンク内流通流路側に切替弁86を切り替えるから、改質水タンク63内の水との熱交換により水温を下げた貯湯水を熱交換器82に導入し、排気ガスの凝縮を促進させて熱交換器82における凝縮水の回収を促すことができる。また、循環配管81にはラジエータ85が設けられており、タンク内流通流路側への切替弁86の切り替えに先立って、ラジエータ85(ラジエータファン85aの作動)による冷却も行うから、循環配管81を流れる貯湯水の水温をより下げることができる。さらに、燃料電池スタック36の発電出力を制限するから、凝縮水の回収をより一層促進することができる。これらのことから、改質水タンク63内の水位Wlが低くなった場合に、適切に水位復帰を図ることができる。
また、次のような処理を行うものとしてもよい。例えば、改質水タンク63に設けられた導電率センサ69により検出される導電率Coに基づいて行われる異常判定に関する処理を行うものとしてもよい。図6は導電率判定制御処理の一例を示すフローチャートである。この導電率判定制御処理では、制御装置95のCPU95aは、まず、導電率センサ69からの導電率Coが所定導電率Coref以上であるか否かを判定する(S300)。所定導電率Corefは、導電率Coが正常範囲を超えた値となっているのを検出するための閾値として定められている。導電率Coが所定導電率Coref以上でないと判定すると、そのまま導電率判定制御処理を終了する。一方、導電率Coが所定導電率Coref以上であると判定すると、タイマ95dによる時間の計測を開始して(S305)、タンク水温Ttが所定温度Ttref_co以下であるか否かを判定する(S310)。ここで、燃焼部34からの燃焼排ガスには二酸化炭素が含まれているため、熱交換器82で凝縮された凝縮水にも二酸化炭素が溶け込んでいる。また、伝導率Coを計測する導電率センサ69は、接触式のセンサであるため、改質水タンク63内の水中の二酸化炭素(炭酸イオン)濃度が高くなると、検出される導電率Coが高い値となる。一方で、改質水タンク63内の水を加熱するなどにより高温状態とすると、水中の炭酸イオンが二酸化炭素ガスとなって水中から放出されるから、水中のイオン濃度が低下して導電率Coも低下することになる。所定温度Ttref_coは、このようなイオン濃度による導電率Co上昇の影響を受けにくい水温として例えば40℃などに定められている。なお、水温と導電率の関係については、特開2015−122251号公報などに記載されている。
S310でタンク水温Ttが所定温度Ttref_coを超えていると判定した場合、既にタンク水温Ttは比較的高温であり、検出された導電率Coはイオン濃度の影響を大きく受けていないと判断する。この場合、切替弁86を直通流路側としたままで、導電率Coが所定導電率Coref以上の状態が所定時間TMref_co以上継続するか否かを判定する(S315,S320)。所定時間TMref_co以上継続する前に導電率Coが所定導電率Coref未満になったと判定すると、導電率Coに基づく判定の結果は正常であると判断して、導電率判定制御処理を終了する。一方、導電率Coが所定導電率Coref以上の状態が所定時間TMref_co以上継続したと判定すると、熱交換器82の損傷や循環配管81の水漏れなどの何らかの異常により導電率の高い水(貯湯水など)が熱交換器82や循環配管81から凝縮水供給管88を介して改質水タンク63内に流入したために、導電率Coが高い値になっていると判断する。このため、導電率Coに基づいて異常が生じていると判断し、燃料電池システム10を停止させて(S325)、導電率判定制御処理を終了する。
また、S310でタンク水温Ttが所定温度Ttref_co以下であると判定した場合、改質水タンク63内の水温が低くイオン濃度の影響を受けているために導電率Coが高くなっている可能性があると判断する。この場合、貯湯水がタンク内流通配管87を流れるように、タンク内流通流路側に切替弁86を切り替える(S330)。これにより、比較的高温の貯湯水がタンク内流通配管87を流通して改質水タンク63内の水との熱交換が行われるから、改質水タンク63内の水を温めてイオン濃度の影響を抑制することができる。なお、改質水タンク63内の水を速やかに温めるためにヒータ84への通電を行うものとしてもよい。そして、導電率Coが所定導電率Coref以上の状態が所定時間TMref_co以上継続するか否かを判定する(S335,S340)。所定時間TMref_co以上継続する前に導電率Coが所定導電率Coref未満になったと判定すると、イオン濃度の影響により導電率Coが高くなっていたものの実際には異常は生じていないと判断し、直通流路側に切替弁86を切り替えて(S345)、導電率判定制御処理を終了する。一方、導電率Coが所定導電率Coref以上の状態が所定時間TMref_co以上継続したと判定すると、上述したような熱交換器82の損傷や循環配管81の水漏れなどの異常が生じていると判断し、燃料電池システム10を停止させて(S350)、導電率判定制御処理を終了する。
このように、燃料電池システム10は、導電率Coが所定導電率Coref以上である場合、タンク水温Ttが所定温度Ttref_coを超えていれば直通流路側のままで導電率Coの異常の有無を判定し、タンク水温Ttが所定温度Ttref_co以下であればタンク内流通流路側に切替弁86を切り替えた上で導電率Coに基づく異常の有無を判定する。これにより、改質水タンク63内の水温が低い場合には、貯湯水との熱交換により改質水タンク63内の水を温めることができるから、導電率Coに基づいて熱交換器82などの異常を誤判定するのを防止することができる。
実施形態では、循環配管81にヒータ84とラジエータ85とが設けられるものとしたが、これに限られず、ヒータ84やラジエータ85が設けられないものとして、ヒータ84に関する制御処理やラジエータ85に関する制御処理を省略してもよい。
実施形態では、切替弁86がラジエータ85と熱交換器82との間に配置されるものとしたが、これに限られず、切替弁86がラジエータ85と循環ポンプ83(ヒータ84)との間に配置されるものとしてもよい。このようにすれば、タンク内流通配管87がラジエータ85の手前で分岐することになるから、ラジエータ85で冷却される前の貯湯水をタンク内流通配管87に流して改質水タンク63内を流通させることができる。このため、凍結防止制御処理や導電率判定制御処理など改質水タンク63内の水を温める必要がある場合に、効果がより高いものとなる。
上述した実施形態では、水精製器70(収容容器71)と改質水タンク63とが別体に構成されるものとしたが、これに限られず、一体に構成されるものとしてもよい。図7は、変形例の改質水タンク163と水精製器170の構成図である。図示するように、改質水タンク163は、実施形態と同様に構成された水精製器170を収容する水精製器収容部163aと、水を貯留する貯留部163bとに区画されている。また、改質水タンク163には、水精製器収容部163aを区画するようにタンク内壁の上面から下方へと延在しタンク内壁の底面との間に隙間173を形成する第1仕切壁171と、貯留部163b内に流入した水の水精製器170への逆流を抑制するようにタンク内壁の底面から上方へと延在する第2仕切壁172とが設けられている。この変形例の改質水タンク163では、水精製器収容部163aに収容された水精製器170により凝縮水が精製され、その水が流出口としての隙間163から第1仕切壁171と第2仕切壁172の間に流れ込み、第2仕切壁172を乗り越えて貯留部163b内に貯留される。なお、実施形態やこの変形例の水精製器のように構成するものに限られず、水精製器は凝縮水供給管88に設けられ、凝縮水を精製して改質水タンクに供給するものであれば如何なる構成としてもよい。例えば、水精製器は空間71aに一のスペーサ76が配置されているが、複数のスペーサが配置されていてもよいし、スペーサ76が配置されなくてもよい。また、水精製器は、改質水タンク63よりも水位が高くなる位置に配設されてもよい。
本実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。本実施形態では、発電モジュール30が「燃料電池」に相当し、燃料電池システム10が「燃料電池システム」に相当し、改質器33が「改質器」に相当し、改質水タンク63が「水タンク」に相当し、熱交換器82が「熱交換器」に相当し、循環配管81が「循環配管」に相当し、タンク内流通配管87が「分岐ライン」に相当し、制御装置95が「制御装置」に相当する。機内温度センサ98や水温センサ68が「水温取得手段」に相当する。水位センサ64が「水位検出手段」に相当する。導電率センサ69が「導電率検出手段」に相当する。
なお、本実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、本実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、本実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、燃料電池システムの製造産業などに利用可能である。
1 ガス供給源、2 商用電源、3 電力ライン、4 負荷、10 燃料電池システム、20 発電ユニット、22 筐体、22a 吸気口、22b 排気口、24 換気ファン、30 発電モジュール、31 モジュールケース、32 気化器、33 改質器、34 燃焼部、35 点火ヒータ、36 燃料電池スタック、37 燃焼触媒、40 原燃料ガス供給装置、41 原燃料ガス供給管、42,43 原燃料ガス供給弁、44 オリフィス、45 原燃料ガスポンプ、46 脱硫器、47 圧力センサ、48 流量センサ、50 エア供給装置、51 エア供給管、52 フィルタ、53 エアブロワ、54 流量センサ、60 改質水供給装置、61 改質水供給管、62 改質水ポンプ、63,163 改質水タンク、64 水位センサ、64a フロート、65 接続管、66 大気開放管、67 水抜き口、68 水温センサ、69 導電率センサ、70 水精製器、71 収容容器、71a 空間、72 流入口、73 流出口、74 イオン交換樹脂層、75 フィルタ、76 スペーサ、77 排水口、78 排水管、78a U字部、80 排熱回収装置、81 循環配管、82 熱交換器、83 循環ポンプ、84 ヒータ、85 ラジエータ、85a ラジエータファン、86 切替弁、87 タンク内流通配管、88 凝縮水供給管、89 排気ガス排出管、90 パワーコンディショナ、91 電源基板、95 制御装置、95a CPU、95b ROM、95c RAM、95d タイマ、96 表示パネル、97 可燃ガスセンサ、98 機内温度センサ、100 給湯ユニット、101 貯湯タンク、163a 水精製器収容部、163b 貯留部、171 第1仕切壁、172 第2仕切壁、173 隙間。
Claims (5)
- 水素を含む改質ガスと酸素を含む酸化剤ガスとに基づいて発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
原燃料ガスを改質して前記改質ガスを生成する改質器と、
前記改質ガスの生成に用いられる水を貯留する水タンクと、
前記燃料電池から排出される排気ガスを熱交換流体との熱交換により凝縮し凝縮水として前記水タンクに供給する熱交換器と、
前記熱交換流体が循環する循環ラインと、
前記循環ラインから切替弁を介して分岐し、前記水タンク内を通って前記循環ラインに合流する分岐ラインと、
前記熱交換流体が前記分岐ラインを流通する流通状態と、前記分岐ラインを流通しない非流通状態とのいずれかに切り替えるように前記切替弁を制御する制御装置と、
を備える燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段を備え、
前記制御装置は、前記水タンク内の水温が凍結の可能性のある所定の凍結温度以下である場合に、前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御する
燃料電池システム。 - 請求項1または2に記載の燃料電池システムであって、
前記水タンク内の水を前記改質器に給水する給水ラインに設けられ、正逆両方向に水を送出可能な改質水ポンプを備え、
前記改質器と前記改質水ポンプと前記水タンクとは、上方から下方に向かってこの順で並んで配設されている
燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段と、
前記水タンク内の水位を検出する水位検出手段と、
を備え、
前記制御装置は、前記水タンク内の水位が所定水位以下で且つ前記水タンク内の水温が前記熱交換流体を冷却可能な所定の冷却可能温度以下である場合に、前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御する
燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記水タンク内の水温を取得する水温取得手段と、
前記水タンク内の水に接触する電極を用いて水の導電率を検出する導電率検出手段と、
前記検出された水の導電率に基づいて前記熱交換器を含む前記燃料電池システムの異常を判定する異常判定手段と、
を備え、
前記制御装置は、前記異常判定手段による異常判定の際に、前記水タンク内の水温が所定温度を超えていれば前記非流通状態に切り替え、前記水タンク内の水温が所定温度以下であれば前記流通状態に切り替えるように前記切替弁を制御する
燃料電池システム。
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