JP2019090260A - 吊元金物 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、上側部材51の形状が、丸パイプ部材22との接触範囲が狭い一直線に延びる形状であり、また、下側部材52が丸パイプ部材22に線接触するUボルトであることから、吊元金物50を丸パイプ部材22に取り付けた状態では、上側部材51と下側部材52とが、丸パイプ部材22の外周に対する接触範囲が狭い状態で丸パイプ部材22を挟み込んだ状態になる。そのため、例えば丸パイプ部材22が傾斜または湾曲している場合には、吊元金物50が丸パイプ部材22に対する滑りで下方に位置ずれする虞があり、この位置ずれを回避するためには、丸パイプ部材22に対する上側部材51および下側部材52による挟み込みを強くする必要がある。その結果、丸パイプ部材22に対する吊元金物50の着脱作業に要する手間がさらに多くなって作業性がさらに低下する。
丸パイプ製の吊元側部材に取り付けられる吊元金物において、
前記吊元金物は、前記吊元側部材に着脱可能に取り付けられる環状の取付部と、前記取付部の下端部に位置して吊り下げ対象物を支持する支持部とを備え、
前記取付部は、前記吊元側部材の外周に沿う円弧状に湾曲した第1円弧状部を有して前記吊元側部材の上部側に配置される平鋼製の上側部材と、前記吊元側部材の外周に沿う円弧状に湾曲した第2円弧状部を有して前記吊元側部材の下部側に配置される下側部材とを備えて、前記吊元側部材を上下方向から挟み込み可能な上下分割構造に構成されている点にある。
そして、吊元側部材に対して吊元金物を着脱させる場合には、上側部材が第1円弧状部を有することにより、上側部材を、丸パイプ製の吊元側部材に対する接触面積が広い安定した状態で吊元側部材に載置することができる。これにより、上側部材に対する下側部材の連結または連結解除が行い易くなり、吊元側部材に対する吊元金物の着脱が行い易くなる。
また、吊元金物を吊元側部材に取り付けた状態では、上側部材の第1円弧状部と下側部材の第2円弧状部とが、吊元側部材の外周に対する接触範囲が広い状態で吊元側部材を挟み込んだ状態になることから、例えば吊元側部材が傾斜または湾曲している場合であっても、吊元側部材に対する吊元金物の滑りによる下方への位置ずれを効果的に抑制することができ、これにより、吊元側部材に対する吊元金物の着脱がさらに行い易くなる。
よって、吊元側部材に対する吊元金物の着脱作業に要する人員や手間を削減しながら、吊元金物を吊元側部材に容易に安定性良く取り付けることができる。また、人員や手間の削減により、作業場所が作業スペースや作業姿勢が制限される高所作業車の狭いバスケットなどであっても、吊元側部材に対する吊元金物の着脱作業を無理なく速やかに行うことができる。
その結果、丸パイプ製の吊元側部材に対する吊元金物の着脱作業を少ない人員で容易に効率良く行える上に、吊元金物を吊元側部材に安定性良く取り付けることができる。
前記下側部材には、前記第2円弧状部が半円状に湾曲したU字ボルトが採用され、
前記上側部材は、前記U字ボルトの両端部がさし通される貫通孔を有して前記U字ボルトがナット止めされる一対の連結部を備えている点にある。
その結果、吊元金物の軽量化を図りながら、丸パイプ製の吊元側部材に対する吊元金物の着脱作業をさらに容易に効率良く行うことができる。
一対の前記連結部は、それらが前記第1円弧状部の両端から互いに離れる方向に延出するように前記上側部材の両端部を外向きに折り曲げて形成されている点にある。
前記第1円弧状部と前記連結部とに架設されて前記上側部材の両端部を補強する補強部材を備えている点にある。
前記貫通孔は、前記連結部の延出方向に拡大された長孔に形成されている点にある。
その結果、下側部材の両端部が吊元側部材に接触して変形することを抑制しながら、上側部材の引張耐力にて吊り下げ荷重を支持させることができる。
前記吊元側部材は、建物の躯体に使用される丸パイプ部材であり、前記吊り下げ対象物は足場ユニットである点にある。
また、下側部材5にU字ボルトが採用されていることにより、吊元金物1の構成として、例えば、図7に示すように、下側部材5が上側部材4と同様の平鋼製であり、上側部材4の各連結部4Bと下側部材5の各連結部5Bとが2組のボルト10とナット11で連結される構成を採用する場合に比較して、吊元金物1を構成する部品点数の削減および吊元金物1の軽量化を図ることができる。
そして、丸パイプ部材22に対して各吊元金物1を着脱させる場合には、上側部材4が第1円弧状部4Aを有することにより、上側部材4を、丸パイプ部材側に対する接触面積が広い安定した状態で、丸パイプ部材22に滑り止め部材6を介して載置することができる。これにより、上側部材4に対する下側部材5の連結または連結解除が行い易くなり、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の着脱が行い易くなる。
しかも、各吊元金物1を丸パイプ部材22に取り付けた状態では、上側部材4の第1円弧状部4Aが、丸パイプ部材22の外周に対して広い接触面積を有する状態で、丸パイプ部材22の外周に滑り止め部材6を介して面接触することから、例えば丸パイプ部材22が傾斜または湾曲している場合であっても、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の滑りによる下方への位置ずれを効果的に抑制することができる。また、滑り止め部材6が緩衝材として機能することにより、上側部材4と下側部材5とで丸パイプ部材22を挟み込むことに起因して、丸パイプ部材22の外周面が傷付くことを抑制することができる。
よって、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の着脱作業に要する人員や手間を削減しながら、各吊元金物1を丸パイプ部材22に容易に安定性良く取り付けることができる。また、人員や手間の削減により、作業場所が、例えば図1〜2に示すような作業スペースや作業姿勢が制限される高所作業車の狭いバスケット40であっても、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の着脱作業を無理なく速やかに行うことができる。
その結果、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の着脱作業を少ない人員で容易に効率良く行える上に、各吊元金物1を丸パイプ部材22に安定性良く取り付けることができる。
この構成により、各吊元金物1は、各補強部材8の作用により、各連結部4Bが吊り下げ荷重によって下方に曲げ戻り変形することが抑制されている。
これにより、上側部材4の両端部を各補強部材8によって補強しながら、スパナなどの工具を使用した各雄ネジ部5Bに対する各ナット7のねじ込み装着時に、工具が各補強部材8と干渉して各ナット7のねじ込み操作が行い難くなることを抑制することができる。その結果、各ナット7のねじ込み操作による上側部材4と下側部材5との連結を容易かつ確実に行うことができる。
これにより、万が一、各連結部4Bが吊り下げ荷重によって下方に曲げ戻り変形した場合には、その変形に応じた各連結部4Bに対する下側部材5の雄ネジ部5Bの連結位置および連結姿勢の変化を、長孔4Cの融通によって許容することができる。
その結果、下側部材5の雄ネジ部5Bが丸パイプ部材22に接触して変形することを抑制しながら、上側部材4の引張耐力にて吊り下げ荷重を支持させることができる。
先ず、高所作業車のバスケット40に複数の吊元金物1などを積み込んで二人の作業者が乗り込んだ後、その二人の作業者による各吊元金物1の丸パイプ部材22への取り付けが可能になるように、バスケット40を丸パイプ部材22に対する取り付け作業位置まで移動させる。
この移動後に、一方の作業者が、上側部材4の第1円弧状部4Aを、丸パイプ部材22における所定の取り付け箇所の上側に滑り止め部材6を介して載置する。また、他方の作業者が、支持金具3を備えた下側部材5の各雄ネジ部5Bが上側部材4の各貫通孔4Cを通るように、下側部材5の第2円弧状部5Aを丸パイプ部材22における所定の取り付け箇所の下側に嵌め合わせた後、各雄ネジ部5Bにナット7をねじ込み装着する。これにより、吊元金物1を、丸パイプ部材22における所定の取り付け箇所に、この取り付け箇所を滑り止め部材6とともに上側部材4と下側部材5とで挟み込んだ状態で取り付けることができる。
この取り付け後に、作業者が、各吊元金物1の支持金具3に、取付金具を介して足場ユニット用の索状部材23を取り付ける。そして、索状部材23の取り付けが完了すると、各作業者がバスケット内の次の取り付け作業箇所まで移動した後、または、バスケット40を次の取り付け作業位置まで移動させた後に、各作業者が次の取り付け作業箇所において同様の取り付け作業を行う。
このような取り付け作業を順次行うことにより、複数の吊元金物1とともに複数の索状部材23などを、丸パイプ部材22に、その長手方向に所定間隔をあけた状態で取り付けることができる(図1参照)。
そして、所定数の吊元金物1および索状部材23などを丸パイプ部材22に取り付けた後、足場ユニット30のデッキ31や手摺り32などが積み込まれたバスケット40を索状部材23に対する取り付け作業位置まで移動させ、この移動後に、各作業者が索状部材23にデッキ31や手摺り32などを取り付けることにより、足場ユニット30を、丸パイプ部材22に複数の吊元金物1および索状部材23などを介して、改修作業対象箇所の近くに吊り下げ支持することができる(図2参照)。
本発明の他の実施形態について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
この場合、2本のボルト10の下部側が吊り下げ対象物30を支持する支持部2を兼ねるようにしてもよい。
この場合、各吊元金物1を丸パイプ部材(丸パイプ製の吊元側部材)22に取り付けた状態では、上側部材4の第1円弧状部4Aが、丸パイプ部材22の外周に対して広い接触面積を有する状態で、丸パイプ部材22の外周に滑り止め部材6を介して面接触する。また、下側部材5の第2円弧状部5Aが、丸パイプ部材22の外周に対して長い接触範囲を有する状態で、丸パイプ部材22の外周に線接触する。つまり、上側部材4の第1円弧状部4Aと下側部材5の第2円弧状部5Aとが、丸パイプ部材22の外周に対する接触範囲が広い状態で、滑り止め部材6とともに丸パイプ部材22を挟み込んだ状態になる。これにより、例えば丸パイプ部材22が傾斜または湾曲している場合であっても、丸パイプ部材22に対する各吊元金物1の滑りをより効果的に抑制することができる。
この場合、足場ユニットなどの吊り下げ対象物30が、吊元金物1の支持部3に直接的にナット止めされた状態で支持部3に支持されるようにしてもよい。また、足場ユニットなどの吊り下げ対象物30が、吊元金物1の支持部3にナット止めされる吊り下げ支持部材などを介して支持部3に支持されるようにしてもよい。
2 取付部(取付金具)
3 支持部(支持金具)
4 上側部材
4A 第1円弧状部
4B 連結部
4C 貫通孔
5 下側部材
5A 第2円弧状部
8 補強部材
22 吊元側部材(丸パイプ部材)
30 吊り下げ対象物(足場ユニット)
Claims (6)
- 丸パイプ製の吊元側部材に取り付けられる吊元金物において、
前記吊元金物は、前記吊元側部材に着脱可能に取り付けられる環状の取付部と、前記取付部の下端部に位置して吊り下げ対象物を支持する支持部とを備え、
前記取付部は、前記吊元側部材の外周に沿う円弧状に湾曲した第1円弧状部を有して前記吊元側部材の上部側に配置される平鋼製の上側部材と、前記吊元側部材の外周に沿う円弧状に湾曲した第2円弧状部を有して前記吊元側部材の下部側に配置される下側部材とを備えて、前記吊元側部材を上下方向から挟み込み可能な上下分割構造に構成されている吊元金物。 - 前記下側部材には、前記第2円弧状部が半円状に湾曲したU字ボルトが採用され、
前記上側部材は、前記U字ボルトの両端部がさし通される貫通孔を有して前記U字ボルトがナット止めされる一対の連結部を備えている請求項1に記載の吊元金物。 - 一対の前記連結部は、それらが前記第1円弧状部の両端から互いに離れる方向に延出するように前記上側部材の両端部を外向きに折り曲げて形成されている請求項2に記載の吊元金物。
- 前記第1円弧状部と前記連結部とに架設されて前記上側部材の両端部を補強する補強部材を備えている請求項3に記載の吊元金物。
- 前記貫通孔は、前記連結部の延出方向に拡大された長孔に形成されている請求項3又は4に記載の吊元金物。
- 前記吊元側部材は、建物の躯体に使用される丸パイプ部材であり、前記吊り下げ対象物は足場ユニットである請求項1〜5のいずれか一項に記載の吊元金物。
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