JP2019090073A - 希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸洗浄時の主相の溶解を抑制し、得られる磁石粉末の収率を向上することができる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法を提供する。【解決手段】還元拡散法により希土類−鉄−窒素系磁石粉末を製造する方法において、希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、この混合物を不活性ガス雰囲気中で加熱し還元拡散する工程、得られた反応生成物に窒素及び/又はアンモニアからなる窒素含有ガス、該窒素含有ガスと水素との混合ガスのいずれかを供給し、この気流中で反応生成物を昇温し、窒化処理する工程を有し、さらに、前記還元拡散処理工程で得られた反応生成物、または窒化処理工程で得られた窒化処理生成物のいずれかを水中に投入して崩壊させた後、得られたスラリーを酸洗浄と水洗浄で湿式処理する工程を含み、該酸洗浄において、媒体に磁石の異相を溶解するが主相の溶解を抑制するに十分な量のアルコールを添加することを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法によって提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法に関し、酸洗浄時の主相の溶解を抑制し、得られる磁石粉末の収率を向上することができる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法に関する。
希土類−鉄−窒素系磁石は、希土類−鉄合金に窒素を付与させたものであり優れた磁気特性を生ずることが知られており、モーターをはじめとする各種工業製品に使用されている。
例えば、SmFe17では、原料の希土類−鉄母合金粉末が溶解鋳造法、還元拡散法等により製造される。溶解鋳造法では、希土類金属、鉄、必要に応じてその他の金属を所定の比率で調合した原料粉を不活性ガス雰囲気中で高周波溶解し、得られた合金インゴットを均一化熱処理した後、ジョークラッシャー等の粉砕装置で所定の粒度に粉砕して製造される。
これに対して、還元拡散法は、原料であるSm粉末、鉄粉末と還元剤であるCaを混合した後、加熱装置に装入して不活性ガス雰囲気で加熱処理することにより、SmFe17なる組成の希土類−鉄系合金粉末を得て、次いで得られた希土類−鉄系合金粉末をNHやN雰囲気にて窒化することにより、SmFe17なる組成の希土類−鉄−窒素系磁石粉末を得る方法である。
このような還元拡散法は、溶解鋳造法と比べて工程が煩雑ではなく、また原料に高価な希土類金属を用いないため、比較的低コストな製造方法であるといえる。
しかし、還元拡散法では、所望の主相であるSmFe17合金の他に、CaOなどの還元剤成分の副生成物や、微量のSmFeなどの異相ができてしまう。これら副生成物や異相は、最終製品である磁石の磁気特性を低下させてしまうため、窒化後の希土類−鉄−窒素系磁石粉末を湿式処理し、副生成物や異相を除去している。
具体的には、まず還元拡散で得られる生成物を水に投入しスラリー状に変化させるが、このとき、CaやCaOは水と反応しCa(OH)に変化する。そしてCa(OH)は溶解度が低いため、水中では大部分が懸濁物となって浮遊している。よってスラリー中の磁石粉末とCa(OH)の比重差を利用し、同スラリーを攪拌、静置し上澄みを除去するデカンテーションを繰り返すことにより、Ca(OH)懸濁物を除去する。しかし、懸濁せずに水に溶けているCa(OH)は前記デカンテーションで完全に除去することは難しい。また異相のSmFeなどは主相の磁石粉末表面に生成しているため、前記デカンテーションでは除去できない。
一方、SmFeはSmFe17と比較すれば活性の高いSmを多く含むため、酸に溶解しやすい性質がある。よって残留したCa(OH)、およびSmFe除去のため、酸洗浄を行う。
すなわち前記デカンテーションを繰り返したスラリーを水に投入、撹拌しながら塩酸や酢酸などの酸を添加することでCa(OH)、およびSmFeの溶解、除去を行う。
SmとFeからなる合金の状態図を基に天秤則で希土類−鉄系合金粉末中のSmFe17、SmFeの存在比率を算出すると、SmFe17は93%存在する。
ところが酸洗浄の条件によっては、後述の(1)式で求められる収率が90%を下回ることがある。これは異相のSmFeの除去を目的とした酸洗浄の狙いに反し、添加された酸がSmFeのほか、主相であるSmFe17も同時に溶解しているためと推測される。
収率改善策として、本出願人は、酸洗浄後のスラリーにNHガスを吹き込む方法を提案している(特許文献1参照)。この方法によれば酸洗浄後の水洗浄にてスラリーにNHに代表されるアルカリガスを吹き込むので同スラリーを迅速にアルカリ域にし、水洗浄における主相の溶解を最小限にすることができる。しかしながら、主相の溶解反応はあくまでも酸による酸洗浄時に主として考慮されるべきであり、同特許には具体的な収率に関する記述はないが、水洗浄における主相の溶解抑制は収率向上の点では限定的なものとなっていた。
よって、SmFe17の溶解を抑制する酸洗浄方法が必要とされているが、これまでのところ酸による溶解反応を抑制しうる実用的手段はなく、磁石の収率を高めることはできていない。
特開2014−122392号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、希土類−鉄−窒素系磁石粉末の酸洗浄において異相や還元剤由来の副生成物を除去しつつ、主相の溶解を抑制して収率を向上することができる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法を提供することにある。
本発明者は、かかる従来の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、還元拡散法で希土類−鉄−窒素磁石粉末を製造する際、酸洗浄の工程で酸に媒体として十分な量のアルコールを添加することで、異相や還元剤由来の副生成物を除去しつつ、主相の溶解を抑制して収率を向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、還元拡散法により希土類−鉄−窒素系磁石粉末を製造する方法において、
希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、この混合物を不活性ガス雰囲気中で加熱し還元拡散する工程、得られた反応生成物に窒素及び/又はアンモニアからなる窒素含有ガス、あるいは該窒素含有ガスと水素との混合ガスのいずれかを供給し、この気流中で反応生成物を昇温し、窒化処理する工程を有し、さらに、前記還元拡散処理工程で得られた反応生成物、または窒化処理工程で得られた窒化処理生成物のいずれかを水中に投入して崩壊させた後、得られたスラリーを酸洗浄と水洗浄で湿式処理する工程を含み、該酸洗浄において、媒体に磁石の異相を溶解するが主相の溶解を抑制するに十分な量のアルコールを添加することを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、希土類元素は、SmまたはNdのいずれかを含むことを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、酸洗浄で用いる酸は、酢酸または塩酸のいずれかであり、酸濃度が窒化生成物1kgに対し、1.0mol〜5.0molであることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、酸洗浄で添加されるアルコールは、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールから選ばれる1種または2種以上であり、また、アルコールの添加量が50体積%以上100体積%以下であることを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法が提供される。
本発明によれば、希土類−鉄−窒素系磁石粉末の酸洗浄において、その媒体にアルコールを添加するので、酸洗浄における希土類−鉄系合金又は希土類−鉄−窒素系磁石粉末に対する溶解反応が緩和され、収率を向上させることができる。
以下、本発明の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法について詳細に説明する。希土類−鉄−窒素系磁石粉末は、原料混合工程、還元拡散工程、窒化工程、湿式工程の4工程を含む本発明の方法で製造される。以下、各工程について説明する。
<原料混合工程>
まず希土類酸化物粉末、鉄粉末、および還元剤を配合、混合し、原料混合物を作製する。
本発明に用いる希土類酸化物粉末は、例えばSm、GdおよびCeから選ばれる少なくとも1種の元素、あるいはPr、Nd、DyおよびYbから選ばれる1種の元素を含むものが好ましい。特にSm、Pr、Ndの酸化物を用いると磁石の磁気特性が極めて高くなる。このうち、本発明では耐熱性、耐候性に優れる磁石粉末が得られることから、Smの酸化物が好適である。希土類酸化物粉末は粒径によって制限されないが、粒度分布が比較的揃っているものを用いることが好ましく、例えば2μm〜80μmの粒径であることがより好ましい。
また希土類酸化物粉末は、いわゆる当量としてRFe17の化学量論組成の1.05倍以上1.2倍以下の範囲で投入する。RFe17の化学量論組成の1.05倍未満では鉄粉末に対して希土類元素の拡散が不均一になり、得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の保磁力や角形性が低下するので好ましくない。一方、1.2倍を超えると、異相であるSmFeが多量に発生するため磁化が低下し、磁化を維持するために行うSmFeの除去工程で主相の一部も失われ収率低下が過大になる。
鉄粉末は、例えば還元鉄粉、ガスアトマイズ粉、水アトマイズ粉、電解鉄粉などが使用でき、必要に応じて最適な粒度になるように分級する。
還元剤は、LiおよびCa、あるいはこれらの元素とNa、K、Rb、Cs、Mg、SrまたはBaから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属またはアルカリ土類金属元素が使用できる。なお、取扱いの安全性とコストの点からLiまたはCaが好ましく、特にCaが好ましい。
また希土類酸化物粉末、鉄粉末との混合性を重視し、還元剤は粒状、粉末状の形で使用するのが好ましく、とくに粒度4メッシュ以下が好適である。
原料粉末や還元剤とともに、後の湿式処理工程において反応生成物の崩壊を促進させる添加剤を混合することも効果的である。崩壊促進剤としては、塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩や酸化カルシウムなどを用いることができ、原料粉末などと同時に均一に混合する。
各原料粉末は、それぞれの粉体特性差によって分離しないように均一に混合することが重要である。混合方法としては、たとえばリボンブレンダー、タンブラー、S字ブレンダー、V字ブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー、ボールミル、振動ミル、アトライター、ジェットミルなどが使用できる。
<還元拡散工程>
この工程は、上記希土類酸化物を希土類元素に還元するとともに、希土類元素が鉄粉末に拡散した希土類−鉄系合金を合成する工程である。
上記原料混合物を反応容器に入れ、還元拡散加熱炉に装入した後、Arなどの不活性ガス中にて、還元剤が溶融する温度以上、かつ、目的とする希土類−鉄系合金が溶融しない温度まで上昇して加熱焼成する。
本発明における還元拡散の処理温度は、900℃以上1180℃以下の範囲とすることが好ましい。900℃未満では、鉄粉末に対して希土類元素の拡散が不均一となり、得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の保磁力や角形性が低下する。一方、1180℃を超えると、生成する希土類−鉄母合金が粒成長を起こし粗大粒が発生するため、均一に窒化することが困難になり磁石粉末の飽和磁化と角形性が低下する場合がある。同温度範囲で3時間以上10時間以下熱処理することにより、1次粒子径が小さい希土類−鉄母合金粒子が含まれる反応生成物となり、窒化時、窒素が希土類−鉄母合金粒界から拡散しやすくなって窒化距離を短くできる。さらに、熱処理温度が低い方がSmの蒸発が少なくSm投入量も低減できるので好ましい。
この還元拡散工程で還元剤として粒状金属カルシウムを用いた場合には、得られる反応生成物は、ThZn17型結晶構造を有する希土類−鉄母合金と酸化カルシウム、未反応の余剰の金属カルシウムからなる多孔質のインゴットである。
<窒化工程>
次に、反応生成物を窒化温度である350℃以上500℃以下、好ましくは400℃以上480℃以下に加熱しながら、窒素及び/又はアンモニアからなる窒素含有ガス、あるいは該窒素含有ガスと水素との混合ガスのいずれかを供給して、この気流中で母合金を窒化熱処理する。ここで窒素含有ガスとは、窒素、アンモニア、又は窒素及びアンモニアのいずれかであり、また窒素含有ガスと水素との混合ガスとは、窒素と水素、アンモニアと水素、又は窒素とアンモニアと水素のいずれかである。
加熱温度が350℃未満であると、窒化反応に時間がかかり効率は低下する。一方、500℃を超えると、主相であるSmFe17相が分解してα−Feが生成するので、最終的に得られる希土類−鉄−窒素系磁石粉末の減磁曲線の角形性が低下し好ましくない。窒化に要する時間は、処理重量にもよるが5時間以上10時間以下である。
窒化ガスとしては、少なくとも窒素かアンモニアから選ばれる1種以上の窒素含有ガスを用いることが必要で、窒素含有ガスには水素を含むことができ、また、反応をコントロールするためにアルゴン、窒素、ヘリウムなどを混合することができる。
窒素含有ガスと水素との混合割合は、合金の窒化が行われれば制限されず、5〜80:20〜95とすることができる。例えば、窒素またはアンモニアと水素との混合比であれば、10〜70:30〜90、好ましくは30〜60:40〜70とする。この範囲を外れ、窒素またはアンモニアが少なすぎると窒化の効率が低下することがある。
本発明においては、窒化処理に引き続き、さらに水素ガス、または窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス中で合金粉末を熱処理することが望ましい。
これにより、磁石粉末を構成する個々の結晶セル内の窒素分布をさらに均一化することができ、角形性を向上させることができる。熱処理の保持時間は、20分以上200分以下、好ましくは30分以上150分以下が良い。
<湿式工程>
得られる窒化生成物は、還元剤がCaの場合、希土類−鉄−窒素系磁石粉末とCaO、および余剰のCaからなるインゴットであるため、CaO、Caおよび異相を除去する湿式処理を行なう。湿式工程は磁石粉末を水に投入する崩壊と、酸洗浄および水洗浄を含んでいる。
まず窒化生成物をイオン交換水に投入する。これにより塊状の窒化生成物がスラリー状に崩壊する。このとき窒化生成物中のCa成分はCa(OH)に変化する。そしてスラリー中の磁石粉末とCa(OH)の比重差を利用し、同スラリーを攪拌、静置し上澄みを除去するデカンテーションを繰り返すことにより、Ca(OH)懸濁物を除去する。
(酸洗浄)
続いて、残留Ca(OH)、およびSmFeを除去するため、酸洗浄を行う。具体的には前記水への投入で崩壊した処理物を酸が添加されたイオン交換水に投入、撹拌しながら洗浄する。
酸の種類としては、塩酸、酢酸、硝酸、硫酸等の無機酸や有機酸が使用できるが、コスト等の面から酢酸が好ましい。
また酸の使用量は、Sm当量にもよるので一概には言えないが、窒化生成物1kgに対し、1.0mol以上5.0mol以下が好ましい。窒化生成物1kgに対し、2.0mol以上4.0mol以下がより好ましい。
また、酸洗浄では前記したとおり、異相のSmFeを除去するが、主相であるSmFe17の溶解は抑制しなければならない。具体的には酸による溶解反応を抑制させることを目的として、例えばスラリー水温を低下させることが考えられる。しかし、水温を下げるために冷凍機を設置しなければならず、冷却によるランニングコストが増大するなどの課題がある。
代わりに、前記酸を水で希釈するなどして溶解反応を緩和する方法も考えられるが、収率の向上は期待できない。これは、従来の酸洗浄は水を媒体としているため、添加された酸が水中に迅速に電離してしまい、結果として該粉末に強力な溶解反応が起こるためである。
そのような事情から本発明では、酸洗浄の際に媒体としてアルコールを添加する。アルコール添加のタイミングは、酸の添加よりも早いのが望ましい。
添加するアルコールの種類としては、炭素数1以上の1級、2級、3級アルコールが挙げられる。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の炭素数1〜8のものが使用できる。
アルコールは1価に限らず、2価以上の多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどでもよい。また、直鎖、分岐鎖のほか脂環族や芳香族など環状アルコールであってもよい。これらの中では、コストや安全面からイソプロピルアルコールやメタノールなど直鎖または分岐鎖の1価アルコールが好ましい。
媒体としてアルコールを添加することで酸の溶解反応に対する好影響がみられる理由は、以下のとおり推測される。
すなわち媒体が水のみの場合、スラリーに添加された酸は、水中で迅速に電離、多量の水素イオンが該粉末に対し強力に溶解反応を発現する。このため、Ca(OH)、SmFeのほかSmFe17を溶解してしまう。一方、アルコールを媒体として添加した場合、スラリー中の水分が減少し、酸の電離が抑制される。このため、溶解反応は緩和され、主相の溶解は抑制される。
このような理由から、磁石粉末が酸に触れる前に、媒体のアルコールが添加されていることが好ましい。また、酸はアルコールが添加された磁石粉末に対して、アルコール溶液を撹拌しながら徐々に加えていくことが効果的である。
なおアルコールの添加量は、酸の種類や洗浄条件によって決定し、洗浄効果が得られるのに十分な量を添加する。イオン交換水に対し50体積%以上100体積%以下が望ましい。50体積%を下回ると、前記の電離を抑制する作用が低下し、収率向上の効果が見られないことがある。
酸洗浄時の温度は、特に限定されるわけではないが、20℃〜25℃とするのが好ましい。20℃未満では酸溶解反応が緩慢になり工程が冗長化し、生産性が低下することがあり、また25℃を超えると酸溶解反応が急激に進むため、主相の不必要な溶解が起こり、結果として収率の低下が起きる場合がある。
また酸洗時間は、酸を投入した時のpH推移を基に決まるものである。酸を投入しpHが7以下になり、続いて酸を全量投入し終わった後pHが7以上になれば酸が全て消費されたとして処理終了とすることができる。
(水洗浄)
上記酸洗浄が終了したスラリーはイオン交換水にて複数回洗浄を行ない、上澄み液中に存在する不純物を除去する。
水洗浄後のスラリーは不活性ガス雰囲気中または真空中で加熱乾燥することで希土類−鉄−窒素系磁石粉末を得ることができる。
以上、湿式工程について、窒化工程により得られる窒化生成物を湿式処理する場合について説明した。
本発明では、別法として、窒化工程を行う前に、還元拡散により得られる反応生成物を湿式処理する方法を採用してもよい。
還元拡散で得られる反応生成物は、還元剤がCaの場合、希土類−鉄系合金とCaO、および余剰のCaからなるインゴットであるため、CaO、Caおよび異相を除去する湿式処理を行なう。湿式工程はインゴットを水に投入する崩壊と、酸洗浄および水洗浄を含んでいる。湿式処理の手順や条件は窒化生成物を処理する場合と同様である。すなわち、酸洗浄の際に媒体としてアルコールを添加して行う。
湿式工程の処理対象として、窒化工程により得られる窒化生成物を選ぶか還元拡散により得られる反応生成物にするかは、任意である。
こうして得られる磁石粉末には、粒径20μmを超えるものも含まれている。そのため、公知の方法で平均粒径が1〜5μmとなるように微粉砕することが望ましい。希土類−鉄−窒素系磁石粉末を微粉砕するには、固体を取り扱う各種の化学工業において広く使用され、種々の材料を所望の程度に粉砕するための粉砕装置であれば、特に限定されるわけではない。その中でも、粉末の組成や粒子径を均一にしやすい点で媒体撹拌ミルまたはビーズミルによる湿式粉砕方式好適である。
粉砕に用いる媒体としては、トルエン、ヘキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、エタノール等が使用できるが、特にイソプロピルアルコールが好ましい。このとき燐酸を添加すると、粉砕と同時に磁石粉末へ表面処理が行われ、表面に燐酸塩皮膜を形成することが出来る。燐酸としてはオルト燐酸やポリリン酸などのほか、亜鉛やクロム、マンガン、鉄などとの燐酸塩化合物を用いても良い。燐酸塩皮膜の厚みは平均5nm以上であればよく、平均10〜300nmが好ましい。
以上、本発明をSm−Fe−N系磁石粉末の製造について詳述したが、この方法は、酸洗浄が必要とされる磁石粉末、例えばNd−Fe−B系磁石の製造にも適用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、得られた磁石粉末の磁気特性、および収率は次の方法で測定した。
<磁気特性評価>
得られた希土類−鉄−窒素系磁石粉末を媒体とともにビーズミル、媒体撹拌ミル等の粉砕機に入れ、平均粒径が1μm以〜3μm以下となるように微粉砕する。
粉砕に用いる媒体として、イソプロピルアルコールを用い、このときオルト燐酸を添加して、粉砕と同時に磁石粉末へ表面処理を行って、表面に5〜100nmの厚みの燐酸塩皮膜を形成する。そして粉砕後所定の目開きのフィルターを用いてろ過、真空乾燥して希土類−鉄−窒素系磁石微粉末を得る。希土類−鉄−窒素系磁石微粉末の磁気特性は以下の方法で測定した。
パラフィンを詰めたサンプルケースに磁石粉末を詰め、その後、加熱配向、冷却固化を行い、サンプルを作製した。次に振動試料型磁力計(以下、「VSM」と略す。東英工業(株)製)を用い、ヒステリシスループを描かせ(最大印加磁場:1670kA/m(21kOe))、測定された残留磁束密度[Br]、保磁力[iHc]を比較した。
<収率>
収率Yは(1)式で定義される。
Y=W(SFN)/W(SF)×100 ・・・(1)
ここで、W(SFN)は加熱乾燥して得た希土類−鉄−窒素系磁石粉末の質量である。また、W(SF)は使用した原料Sm中の金属Smの質量と鉄粉末の質量の合算である。なお収率が90%以上になれば、収率向上の効果があると評価した。
(実施例1)
平均粒子径5μmのSmを405g、平均粒子径50μmのFe粉末を1000g、粒状のCaを140g配合、混合し、原料混合物を作製した。その後、上記混合物をアルゴンガス雰囲気で1150℃、10時間加熱し、還元拡散処理を行った。得られた生成物をNHガス:1.5L/min、Hガス:1L/minのフロー雰囲気下、450℃で7時間保持し窒化処理を行った。
続いて、得られた窒化生成物1535gを3リットルのイオン交換水に投入し、スラリー状にした。このスラリーからCa(OH)懸濁物を分離するため、5分間攪拌、1分静置し、次いで上澄み液を除去する操作を5回繰り返し、SmFe17磁石粉末スラリーを得た。なお、このときのpHはCa(OH)が存在しているため、12以上の高アルカリである。
次いで、同スラリーから上澄み液を除去した後、3リットルのイソプロピルアルコールを投入し、撹拌しながら酢酸を2.8mol添加し、常温(20〜25℃)で酸洗浄を行った。酢酸を添加すると、液はpHが7未満の酸性になるが、添加した酢酸が全量消費され、pHが概ね7程度となった時点で酸洗浄を終了した。次に、水洗浄を5回行い、得られた生成物を真空乾燥機に入れ、真空下200℃で加熱しSmFe17磁石粉末を得た。
得られたSmFe17磁石粉末の磁気特性をVSMにて評価した。VSM測定での磁気特性を表1に示すが、残留磁束密度[Br]は1.425T(14.25kG)、保磁力[iHc]は930.7kA/m(11.70kOe)であった。
また、得られたSmFe17磁石粉末の質量は1235gだった。(1)式に従い算出した収率は、91.5質量%であった。
(実施例2)
酸洗浄時の媒体を1.5リットルのイオン交換水に1.5リットルのイソプロピルアルコールを添加としたものに代えた以外は、実施例1と同様に処理し、SmFe17磁石粉末を得た。
得られたSmFe17磁石粉末の磁気特性を実施例1と同様にVSMにて評価したところ、残留磁束密度[Br]は1.422T(14.22kG)、保磁力[iHc]は929.5kA/m(11.68kOe)であった。
また、得られたSmFe17磁石粉末の質量は1225gだった。(1)式に従い算出した収率は、90.8質量%であった。
(比較例1)
酸洗浄時の媒体を0.9リットルのイオン交換水に2.1リットルのイソプロピルアルコールを添加としたものに代えた以外は、実施例1と同様に処理し、SmFe17磁石粉末を得た。
得られたSmFe17磁石粉末の磁気特性を実施例1と同様にVSMにて評価したところ、残留磁束密度[Br]は1.423T(14.23kG)、保磁力[iHc]は929.1kA/m(11.68kOe)であった。
また、得られたSmFe17磁石粉末の質量は1204gだった。(1)式に従い算出した収率は、89.2質量%であった。
(比較例2)
酸洗浄時の媒体をイオン交換水のみを3リットルとした以外は、実施例1と同様に処理し、SmFe17磁石粉末を得た。
得られたSmFe17磁石粉末の磁気特性を実施例1と同様にVSMにて評価したところ、残留磁束密度[Br]は1.421T(14.21kG)、保磁力[iHc]は931.1kA/m(11.70kOe)であった。
また、得られたSmFe17磁石粉末の質量は1197gだった。(1)式に従い算出した収率は、88.7質量%であった。
Figure 2019090073
「評価」
表1から明らかなように、残留磁束密度[Br]と保磁力[iHc]は実施例1、2と比較例1、2とで同等の値であるが、実施例1、2のように酸洗時の媒体にイソプロピルアルコールを50体積%以上添加した場合には、収率は90質量%を超えていた。
一方、イソプロピルアルコール添加量が30体積%であった比較例1、およびイオン交換水のみで酸洗浄を行なった比較例2では、収率は90質量%未満であった。
以上の結果から、本発明によれば、SmFe17磁石粉末の製造において、酸洗浄に用いる媒体にアルコールを50体積%以上添加することで、酢酸による主相の溶解反応が緩和され収率を向上させる効果が認められた。
得られる希土類−鉄−窒素系磁石は、ポリアミドやPPSなどの樹脂と混合して射出成型することでボンド磁石となり、モーターをはじめとする各種工業製品に使用される。

Claims (4)

  1. 還元拡散法により希土類−鉄−窒素系磁石粉末を製造する方法において、希土類酸化物粉末と、鉄粉末と、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種の還元剤粉末とを所定の割合で混合する工程、この混合物を不活性ガス雰囲気中で加熱し還元拡散する工程、得られた反応生成物に窒素及び/又はアンモニアからなる窒素含有ガス、もしくは該窒素含有ガスと水素との混合ガスのいずれかを供給し、この気流中で反応生成物を昇温し、窒化処理する工程を有し、
    さらに、前記還元拡散処理工程で得られた反応生成物、または窒化処理工程で得られた窒化処理生成物のいずれかを水中に投入して崩壊させた後、得られたスラリーを酸洗浄と水洗浄で湿式処理する工程を含み、
    該酸洗浄において、媒体に磁石の異相を溶解するが主相の溶解を抑制するに十分な量のアルコールを添加することを特徴とする希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  2. 希土類元素は、SmまたはNdのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  3. 酸洗浄で用いる酸は、酢酸または塩酸のいずれかであり、酸濃度が窒化生成物1kgに対し、1.0mol〜5.0molであることを特徴とする請求項1記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。
  4. 酸洗浄で添加されるアルコールは、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールから選ばれる1種または2種以上であり、また、アルコールの添加量が50体積%以上100体積%以下であることを特徴とする請求項1記載の希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法。

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