JP2019089995A - トリグリセリド油から脂肪酸を抽出する方法 - Google Patents

トリグリセリド油から脂肪酸を抽出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】相の再使用を可能にすると同時に、抽出されたトリグリセリド油の高品質を保証する方法をもたらすこと。【解決手段】本発明は、トリグリセリド油から脂肪酸を抽出するための改善された方法に関する。この場合にトリグリセリド油の抽出は、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液によって行う。本発明による方法は、高い効率によって特徴付けられる。【選択図】なし

Description

本発明は、トリグリセリド油から脂肪酸を抽出するための改善された方法に関する。この場合にトリグリセリド油の抽出は、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液によって行う。本発明による方法は、高い効率によって特徴付けられる。
天然の脂肪および油は、様々な不所望の成分、例えば金属、遊離脂肪酸、およびリン脂質を含有するため、精製する必要がある。天然の脂肪および油の精製では、物理的な精製と、化学的な精製とが区別される。
化学的な精製の場合(これは主に、遊離脂肪酸のフラクションが低いトリグリセリド油のために使用される)、遊離脂肪酸は、塩基との反応によって分離、除去される。この場合にはいわゆるソーダ油滓が形成され、これは塩基、遊離脂肪酸、遊離脂肪酸の塩、また油からの水性混合物である。これらのソーダ油滓は、化学的な精製の不所望の副生成物であり、価値が低く、用途も制限される。
物理的な精製の場合(これは主に、遊離脂肪酸のフラクションが比較的高いトリグリセリド油のために使用される)、遊離脂肪酸は対照的に、熱によって分離、除去される。この方法では、ソーダ油滓の形成を回避することができるが、蒸留によって油から遊離脂肪酸を分離、除去可能にするためには、同時に高温(最大260℃)を適用しなければならない。
化学的な精製および物理的な精製に加えて、遊離脂肪酸を分離、除去できるか、またはソーダ油滓を加工可能なその他の手法が、従来技術に記載されている。ここでは例えば、液・液抽出技術が用いられる(非特許文献1;C.E.C. Rodrigues, C.B. Goncalves, E. Batista, J.A. Meirelles, Recent Patents on Engineering 2007, 1, 95〜102)。
特許文献1(国際公開第2016/149692号)は、鹸化反応から生じる脂質含有水溶液を酸性化することを記載している。脂質含有原料は、塩基(特に水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム)と混合され、鹸化される。それからCO2を注入し、反応混合物と反応させ、水相を除去する。
さらに、特許文献2(米国特許第2,771,480号明細書)はまた、イオン交換による脂肪酸の再生を記載している。しかしながらこれは、非常にコストが掛かる。
特許文献3(カナダ国特許出願公開第106281672号明細書)は、トリクロロプロパノールおよびその誘導体を除去するために、酸化防止剤(例えばトコフェロール、ラクテート)、およびそのアルカリ金属塩によって、トリグリセリド油を処理することを記載している。
特許文献4(国際公開第2012/031176号)、特許文献5(国際公開第2016/189114号)、特許文献6(国際公開第2016/189115号)、および特許文献7(国際公開第2016/189328号)は、遊離脂肪酸、金属、およびその他の不所望な成分を除去するために、第四級アンモニウム塩およびその溶液によって、トリグリセリド油を処理することを記載している。
特許文献5(国際公開第2016/189114号)では、トリグリセリド油から脂肪酸を除去するために、トリグリセリド油を、塩基性第四級アンモニウム塩の水溶液で抽出する。抽出後に、この相を分離する。水溶液を再生するために(この再生は、プロセスの新たな抽出工程においてこの水溶液を使用可能にするために必要である)、トリグリセリド油からの脂肪酸が負荷されたこの水相を、CO2で加圧する。その結果、脂肪酸塩から遊離脂肪酸が形成され、これは水相から分離、除去することができる。
特許文献5(国際公開第2016/189114号)は、トリグリセリド油から遊離脂肪酸を抽出するための信頼性の高い方法を開示しているが、この方法には、特に工業的な規模での適用において、問題がある。第四級アンモニウム塩は界面活性であり、これはしばしばカチオン性界面活性剤として、石鹸および繊維柔軟剤において使用される。よって、トリグリセリド油の処理後に第四級アンモニウム塩を除去することは、非常に要求度が高い。それと言うのも第四級アンモニウム塩は、水および油と乳化し、相分離を複雑にするからである。よって、トリグリセリド油からの脂肪酸の抽出において使用される第四級アンモニウム塩は、トリグリセリド油から除去するのが非常に困難であるか、または完全には除去できない。
このことは、抽出されたトリグリセリド油を食用油として用いる場合に特に不利である。第四級アンモニウム塩のうち幾つかには、健康面での懸念があるだけでなく、第四級アンモニウム塩、特にコリンにもまた、悪臭を放つ傾向があり、時には暗色の堆積物を形成する傾向さえあるからである。これにより、抽出された油の品質が大きく低下する。よって、従来の抽出技術(例えば、特許文献5(国際公開第2016/189114号))をさらに改善することが望まれている。
国際公開第2016/149692号 米国特許第2,771,480号明細書 カナダ国特許出願公開第106281672号明細書 国際公開第2012/031176号 国際公開第2016/189114号 国際公開第2016/189115号 国際公開第2016/189328号
C.E.C. Rodrigues, C.B. Goncalves, E. Batista, J.A. Meirelles, Recent Patents on Engineering 2007, 1, 95〜102
よって、本発明の課題は、前述の欠点を有さない、トリグリセリド油からの脂肪酸抽出方法をもたらすことである。
特に、相の再使用を可能にすると同時に、抽出されたトリグリセリド油の高品質を保証する方法を、もたらすべきである。
発明の詳細な説明
意外なことに、トリグリセリド油をアンモニウム塩で抽出する際に、1〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールを第四級アンモニウム塩に添加すれば、抽出された油中の第四級アンモニウム塩のフラクションを著しく低下可能なことが判明し、ここでエチレングリコールおよびプロパンジオール、特にエチレングリコールおよび1,2−プロパンジオールが、最も適切である。
従って本発明は、以下の工程:
(a)脂肪酸を含有するトリグリセリド油T1を、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液W1と接触させ、これによってトリグリセリド油相T2および水相W2を得る工程、ここでT2は、T1と比べて減少した脂肪酸含分を有し、W2は、W1と比べて増加した脂肪酸含分を有する、
(b)トリグリセリド油相T2を、水相W2から分離する工程、
を含む、トリグリセリド油から脂肪酸を抽出する方法に関し、
ここで第四級アンモニウム塩は、少なくとも1種の第四級アンモニウムカチオンと、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、セリン酸イオン、プロリン酸イオン、ヒスチジン酸イオン、トレオニン酸イオン、バリン酸イオン、アスパラギン酸イオン、タウリン酸イオン、リシン酸イオンから選択される少なくとも1種の塩基性アニオンとを含有する。
本発明の文脈において、「第四級アンモニウムカチオン」という用語は、少なくとも1個の窒素原子と、一価の正電荷とを有するカチオンを意味し、ここで前記窒素原子は、炭素原子にのみ結合している。窒素原子は飽和していてよく、単結合によって4個の炭素原子に結合していてよく、または窒素原子は不飽和であってよく、単結合によって2個の炭素原子に、そして二重結合によって第三の炭素原子に結合していてよい。
窒素原子が不飽和である場合、これはまたヘテロ芳香族環の一部、例えばイミダゾリウムカチオン、またはジアルキルイミダゾリウムカチオン(例えば1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウムカチオン、1,3−ジエチルイミダゾリウムカチオン)であり得る。
窒素原子が飽和している場合、これはまた脂環式環の一部、例えばピロリジニウム環、またはピペリジニウム環であり得る。
窒素原子は有利には、1〜12個の炭素原子を有する4置換もしくは非置換の炭化水素基に結合されており、ここでこれらの炭化水素基は、さらなる置換基を有することができ、ここでこれらの置換基は好ましくは、正の電荷を有する窒素原子に結合されていない炭素上にある。
本発明の文脈において、炭化水素基とは好適には、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアリールを意味する。
本発明における第四級アンモニウム塩は、塩を含有する液体として使用するのが有利であり、好ましい。これは揮発性ではなく、液体の一部として、そのイオン形態でのみ存在する。
この液体は好ましくは、溶媒(例えば水)中の塩の溶液である。
あり得る溶媒は例えば、水、エタノール、メタノールのような極性溶媒、またはこれらの混合物から選択される。溶媒として水を使用するのが好ましい。第四級アンモニウム塩は、イオン性液体であり得る。
イオン性液体という表現は当業者に公知であり、例えば米国特許第7,638,636号明細書に記載されている。
第四級アンモニウムカチオンは好ましくは、下記構造:
[N(Ra)(Rb)(Rc)(Rd)]+
に従った化合物から選択され、
式中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、C1〜C8アルキルから選択され、ここで1つ以上の基Ra、Rb、RcおよびRdは任意で、C1〜C4アルコキシ、C2〜C8アルコキシアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、−OH、−SH、−CO2eおよび−OC(O)Reから選択される基(ここでReは、C1〜C6アルキルである)によって、1個の炭素原子上で置換されていてよく、この炭素原子は好ましくは、正の電荷を有する窒素に直接結合していない。これは例えば、1〜3個のOH基によって置換されていてよい。
第四級アンモニウムカチオンはより好ましくは、下記構造:
[N(Ra)(Rb)(Rc)(Rd)]+
に従った化合物から選択され、
式中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチルを含むC1〜C4アルキルから選択され、ここで基Ra、Rb、RcまたはRdのうち少なくとも1つは、1つのOH基によって、正の電荷を有する窒素に直接結合されていない1個の炭素原子上で置換されていてよい。置換された基Ra、Rb、RcまたはRdは好ましくは、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、または2−ヒドロキシ−2−メチルエチルである。
最も使用するのが好ましい第四級アンモニウムカチオンは、コリンである:(CH33+CH2CH2OH。
第四級アンモニウム塩はさらに、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、セリン酸イオン、プロリン酸イオン、ヒスチジン酸イオン、トレオニン酸イオン、バリン酸イオン、アスパラギン酸イオン、タウリン酸イオン、リシン酸イオンから選択される少なくとも1種の塩基性アニオンを含有する。
1つの実施形態において塩基性アニオンは、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン、アルコキシドイオンから選択される。これはより好ましくは、アルコキシドイオン、炭酸水素イオン、アルキル炭酸イオン、および炭酸イオンから選択され、最も好ましくは、炭酸水素イオンである。
塩基性アニオンが、アルコキシドイオンまたはアルキル炭酸イオンから選択される場合、アルキル基は非分枝鎖状または分枝鎖状であり、置換または非置換である。非分枝鎖状であり、非置換であるのが好ましい。
本発明によるアルキル基は好ましくは、1〜10個、より好ましくは1〜8個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルから選択することができる。分枝鎖状アルキル基、例えばイソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルも使用できる。アルキル基は特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチルから選択され、より好ましくは、メチル、エチルから選択される。
コリンカチオンを含有する第四級アンモニウム塩が、本発明による方法において特に好ましい。
(CH33+CH2CH2OH HOCOO-;水酸化コリン:(CH33+CH2CH2OH OH-、コリンアルキル炭酸イオン:(CH33+CH2CH2OH ROCOO-から選択される第四級アンモニウム塩を本発明による方法で使用することが特に好ましく、ここでRは、特に1〜4個の炭素原子、より好ましくは2〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。最も好ましくは、炭酸水素コリン:(CH33+CH2CH2OH HOCOO-を使用する。
本発明による方法の工程(a)で使用する溶液W1はまた、1〜8個、特に1〜6個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜4個、さらにより好ましくは1〜3個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールを含有し、ここでこのジオールは特に好ましくは、エチレングリコール(=1,2−エタンジオール)、プロパンジオールから成る群から、より好ましくはエチレングリコールおよび1,2−プロパンジオールから成る群から選択される。
本発明によれば、「プロパンジオール」とは、どの炭素原子上にあるかに拘わらず2個のOH基を有するあらゆるプロパンを意味し、好ましくは1,2−プロパンジオールまたは1,3−プロパンジオールである。
6個の炭素原子を有する脂肪族ジオールは好ましくは、1,6−ヘキサンジオールである。
本発明による方法の工程(a)における水溶液W1中で好ましくは、脂肪族ジオールの、第四級アンモニウム塩に対する割合は、1〜8個の炭素原子を有する全ての脂肪族ジオールのモル量が、全ての第四級アンモニウム塩のモル量を基準として、0.0001%〜99.9%、好ましくは0.01%〜50.0%、より好ましくは0.1%〜40.0%、さらにより好ましくは1.0%〜30.0%、最も好ましくは10.0%〜20.0%、特に好ましくは15.3%〜18.8%の範囲にあり、最も好ましくは17.6%である割合であり、ここで第四級アンモニウム塩は、少なくとも1種の第四級アンモニウムカチオンと、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、セリン酸イオン、プロリン酸イオン、ヒスチジン酸イオン、トレオニン酸イオン、バリン酸イオン、アスパラギン酸イオン、タウリン酸イオン、およびリシン酸イオンから選択される少なくとも1種の塩基性アニオンとを含有する。
好ましい実施形態において本発明による方法は、工程(c):
(c)CO2、および任意で有機溶媒を水相W2に添加し、これによってW2よりも低い脂肪酸含分を有する水相W3と、脂肪酸含有有機相とを得る工程
を含む。
さらにより好ましい実施形態では、さらなる工程(d):
(d)水相W3を、工程(c)で得られた脂肪酸含有有機相から分離、除去する工程
が続く。
意外なことに、従来技術で生じる問題、すなわち、脂肪酸を取り除いたトリグリセリド油中における第四級アンモニウム塩含分の上昇は、従来技術(特に、特許文献5(国際公開第2016/189114号)からのコリン塩)で記載されているようにイオン性液体単独の代わりに、1〜8個の炭素原子を有する脂肪族ジオールを添加することによって、抽出されたトリグリセリド油の改善された品質につながることが判明した。
本発明に従った「トリグリセリド油」という特徴は、主成分が50質量%超のトリグリセリドである、あらゆる油または脂肪を含む。トリグリセリドの主成分以外に、油または脂肪は、モノグリセリドおよびジグリセリドを含有することもできる。
トリグリセリド油は好ましくは天然由来であり、より好ましくは、動物由来または植物由来である。トリグリセリド油はより好ましくは、植物由来の脂肪または油である。
植物由来の脂肪および油として考えられ、かつ芳香化学物質を含有するのは特に、以下のものである(括弧内に示されることもある学名は、対応する油が得られる植物の分類を指す):藻類油、アプリコット核油(Prunus armeniaca)、アルガン油(Argania spinosa)、アボカド油(Persea americana)、ババス油(Attalea speciosa)、綿実油(Gossypium)、ベン油(Moringa oleifera)、ルリジサ油(Borago officinalis)、イラクサ種油(Urtica piluliferaまたはUrtica dioica)、ブナノキ油(Fagus)、カシューナッツ油(Anacardium occidentale)、柑橘類植物(例えばレモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム)由来の油、クプアスバター(Theobroma grandiflorum)、ベニバナ油(Carthamus)、落花生油(Arachis hypogaea)、ローズヒップ油(Rosa)、麻実油(Cannabis)、ヘーゼルナッツ油(Corylus avellana)、ジャトロファ油(Jatropha curcas)、ホホバ油(Simmondsia chinensis)、コーヒー豆油(Coffea)、ココアバター(Theobroma cacao)、茶の実油(Camellia)、アサイイパーム油(Euterpe oleracea)、ココナツ油(Cocos nucifera)、カボチャの種油(Cucurbita)、アマナズナ油(Camelina sativa)、アマニ油(Linum)、トウモロコシ油(Zea mays)、マカデミア油(Macadamia integrifolia、Macadamia tetraphylla)、アーモンド油(Prunus dulcis)、マンゴーバター(Mangifera indica)、トウモロコシ油(Zea mays)、ケシ油(Papaver)、マツヨイグサ油(Oenothera biennis)、オリーブ油(Olea europaea)、パーム油(アブラヤシ属の植物、特にElaeis guineensis、Elaeis oleiferaから得られる油)、パパイヤ種油(Carica papaya)、ペカンナッツ油(Carya illinoinensis)、えの油(Perilla frutescens)、松の実油(マツ属の植物)、ピスタチオ油(Pistacia vera)、ナタネ油(Brassica napus)、米ぬか油(Oryza sativa)、ヒマシ油(Ricinus communis)、シーバックソーン核油(Hippophae rhamnoidesの核)、シーバックソーン油(Hippophae rhamnoidesの実)、ブラックキャラウェイ油(Nigella sativa)、マスタード油(Brassica nigra)、ごま油(Sesamum indicum)、シアバター(Vitellaria paradoxa)、大豆油(Glycine max)、ヒマワリ油(Helianthus annuus)、グレープシードオイル(Vitis vinifera)、桐油(Vernicia, Aleurites)、クルミ油(Juglans regia)、スイカの種油(Citrullus lanatus)、小麦の胚珠油(Triticum)。植物由来の脂肪および油は好ましくは、ココナツ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、落花生油、米ぬか油、大豆油、ヒマワリ油、ナタネ油、ヒマシ油、ベニバナ油から選択される。植物由来の脂肪および油は、最も好ましくはパーム油である。
動物由来の脂肪および油として考えられ、かつ芳香化学物質を含有するのは特に、以下のものである:マーモット脂肪、バターの脂肪、魚油、甲殻類(例えばオキアミ)から得られる油、タラ肝油、牛乳の脂肪、豚のラード、アヒルのラード、ガチョウのラード、牛脂、羊毛脂。
本発明の文脈において「脂肪酸」は、飽和脂肪酸、および一価または多価不飽和の脂肪酸を含む。本発明によれば、この用語はまた、関連する脂肪酸のプロトン化形態および脱プロトン化形態の双方を含む(特定の場合にそうではないと言及しない限り)。
不飽和脂肪酸の例は、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノレン酸、リノエライジン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、エルカ酸、およびドコサヘキサエン酸である。飽和脂肪酸の例は、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキドン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、およびセロチン酸である。
「パーム油」とは、アブラヤシ属の植物(ヤシ状の、またはpalms Arecaceae科もしくはPalmae科の一部)、特にElaeis guineensis、Elaeis oleifera、またはこれらの雑種から得られる油を指す。パーム油は例えば、この植物の果実または種から得ることができる。
トリグリセリド油、特に工程(a)で使用されるパーム油は、未精製であるか、または少なくとも部分的に精製されていてよい。これはまた、分別されたトリグリセリド油、例えば分別されたパーム油、特にパーム油のステアリン酸フラクションまたはオレイン酸フラクションである。
「未精製の」トリグリセリド油は、いかなる精製工程にもかけられていない本発明によるトリグリセリド油を指す。未精製のトリグリセリド油は例えば、以下の精製工程のいずれも経ていない:脱ガム、脱酸、漂白、脱色、脱臭、脱ろう。
「精製された」トリグリセリド油は、少なくとも1つの精製工程を経ており、それは例えば、脱ガム、脱酸、漂白、脱色、脱臭、脱ろうから選択される少なくとも1つである。
本発明による方法の工程(a)では、脂肪酸を含有するトリグリセリド油T1を、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液W1と接触させる。
本発明による方法の工程(a)における温度は、特に制限されない。特に、本発明による方法の工程(a)は、100℃未満の温度で、好ましくは25〜90℃、より好ましくは40〜90℃、さらにより好ましくは70〜90℃の温度で、最も好ましくは80℃の温度で行う。
本発明による方法の工程(a)における圧力も同様に、特に制限されない。特に、本発明による方法の工程(a)は、1bar〜100barの圧力、特に1barの標準圧力で行う。
脂肪酸を含有するトリグリセリド油T1は、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液W1と、当業者に公知の方法で接触させることができる。この接触はまた、T1およびW1を相互に混合する容器内で行うこともできる。この接触を、できるだけ多くの脂肪酸が、トリグリセリド油T1から、水相W1へと移動するように行うべきであることは、明らかであろう。この目的のためには例えば、機械的なミキサ(例えば撹拌槽、これはバッチ式または連続式で稼動させてよい)、超音波ミキサ、または電磁的なミキサを使用する。この接触の間、不活性ガスを生成混合物にバブリングすることができる。あるいは、T1およびW1を、スタチックミキサの中、例えばSulzerミキサまたはKenicsミキサの中で混合することもできる。
1およびW1を連続的に向流で、例えばカラム内で、または並流で混合することも可能である。このカラムは、シーブトレーカラム、規則充填物で充填されたカラム、または撹拌式カラム、例えばKuehniカラムまたはScheibelカラムであってよい。
並流における連続的な方法では例えば、T1およびW1はそれぞれ、それらの接触前に、ポンプを用いて管を通過させて、その最後にそれらを出会わせ、ともに混ぜ、それから流管Rを通過させることもできる。
カラム内での向流における連続的な方法では例えば、トリグリセリド油T1をカラム底部で、または少なくともカラム底部の近くで導入し、そして水溶液W1をカラム頂部で、または少なくともカラム頂部の近くで導入する。
1に比べて増加した脂肪酸含分を有する水相W2はそれから、カラム底部で、または少なくともカラム底部の近くで排出し、そしてT1に比べて減少した脂肪酸含分を有するトリグリセリド油相T2はそれから、カラム頂部で、またはカラム頂部の近くで排出する。
また、カラムは好ましくは、二次流を回収可能な底部領域を有し、より好ましくは、トリグリセリド油T1をそれから、直接この底部領域の上方に供給する。
もちろん、このような並流カラムを2個以上、例えば2〜6個、または3〜5個、または4個、使用することもできる。
カラムはまた、規則充填物、例えばラシヒリングまたは複数のトレーの規則充填物を有するのが好ましい。
並流で混合するためのさらなるあり得る装置は、ミキサセトラであり、これは並流カスケードで配置することができる。以下でさらに記載するように、本発明による方法の工程a)およびb)を1回で実施可能な遠心抽出機も存在する。
工程a)は好ましくは、T1およびW1が並流で、より好ましくは少なくとも1つのミキサセトラ内で混合されるように実施する。
本方法の工程(a)におけるT1およびW1の体積比は同様に、特に制限されない。この場合にトリグリセリド油T1の体積の、水相W1の体積に対する比は、特に10:1から1:100の範囲、より好ましくは1:1から1:10の範囲、さらにより好ましくは1:1.5から1:4の範囲にあり、さらになお好ましくは3:7である。
混合、例えば連続接触の場合にはカラム内での接触は、当業者であれば、できるだけ多くのトリグリセリド油相T1のフラクションが、水相W1へと移動するように調整できる。従ってこの接触は例えば、1秒〜2時間、特に30秒から1時間、好ましくは1〜50分間、より好ましくは10〜40分間、最も好ましくは20〜30分間、行う。
本発明による方法の工程(a)では、トリグリセリド油T1中に含まれる脂肪酸を、水相W1中に含まれる第四級アンモニウム塩によって中和する。特に、水相W1中に含まれる全ての第四級アンモニウム塩のモル量は、トリグリセリド油T1中に含まれる全ての脂肪酸のモル量に、少なくとも等しい。水相W1中に含まれる全ての第四級アンモニウム塩のモル量の、トリグリセリド油T1中に含まれる全ての脂肪酸のモル量に対する比は、好ましくは1:1から500:1、より好ましくは2:1から200:1、さらにより好ましくは10:1から100:1、最も好ましくは30:1から70:1の範囲にある。
トリグリセリド油中の脂肪酸のフラクションは、当業者に公知の方法によって特定することができ、それは例えば、水酸化カリウムおよびフェノールフタレイン指示薬による滴定である。トリグリセリド油T1中の脂肪酸のフラクションの特定に続き、当業者はまた、水相W1中に全ての第四級アンモニウム塩の所望のモル量がどのくらい存在しなければならないかを知っており、従ってその後、モル量を調整することができる。
工程(a)では、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水相W1を使用する。この水溶液は、水以外の溶媒をさらに含有することもでき、それは例えば、アセトン、酢酸エチル、アルコールであり、好ましくはメタノールまたはエタノールである。しかしながら水相W1は、好ましくは水以外のいかなる溶媒も含有しないのが好ましい。これは本発明によれば、W1中の全ての第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する全ての脂肪族ジオールと、水との合計の質量による割合が、少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%であり、W1の残分は、様々な化学物質、例えば有機溶媒であることを意味する。
水相W1中の全ての第四級アンモニウム塩の合計濃度は特に制限されないが、相W1の合計質量を基準として、好ましくは70〜80質量%の範囲にあり、好ましくは75質量%である。
トリグリセリド油T1を、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液W1と接触させると、脂肪酸はトリグリセリド油T1から、少なくとも部分的に水相W1へと移動する。こうして工程(a)を実施する際に、トリグリセリド油相T2および水相W2が得られ、ここでT2は、T1に比べて減少した脂肪酸含分を有し、W2は、W1に比べて増加した脂肪酸含分を有する。
本発明による方法の工程(b)では、トリグリセリド油相T2をその後、水相W2から分離、除去する。
この分離も、当業者に公知の方法によって実施することができ、例えば重力によりセトラ(settler)ユニットで行うことができる。一般的にトリグリセリド油相T2は、この際に上相であり、これに対して水相W2は、下相である。水相W2からのトリグリセリド油相T2の分離は、デカンタ、液体サイクロン、静電気式コアレッサー、遠心分離器、または膜フィルタープレスで行うこともできる。本発明による方法の工程(b)では好ましくは、トリグリセリド油相T2を遠心分離器で、水相W2から分離、除去する。
塩がW1中で、工程(a)における接触の間、少なくとも部分的に析出し、トリグリセリド油相T2中に固体として存在する場合、遠心分離または濾過によって除去することもできる。溶媒または水は、固体を溶解させるため、また前述のように相応する塩を含有する水溶液を分離、除去するために、固体を含有するトリグリセリド油相T2に添加することもできる。
本発明の好ましい実施形態において、本発明による方法の工程(a)および工程(b)、すなわち接触および分離は、遠心分離器で、例えば米国特許第4,959,158号明細書、米国特許第5,571,070号明細書、米国特許第5,591,340号明細書、米国特許第5,762,800号明細書、国際公開第99/12650号、および国際公開第00/29120号に記載されたように、実施することができる。この場合にはT1およびW1をまず、別個の流れとして分離器に供給し、環状の混合ゾーンで混合する。この混合物をそれから分離ゾーンに運び、ここでこれらの相をそれから、遠心力によって分離する。
例えば2〜6個、3〜5個、または4個の直列の遠心分離器を用いるのが好ましく、トリグリセリド油T1を直列の最初の分離器に導入し、水相W1を直列の最後の分離器に導入し、これによってトリグリセリド油は、最初の分離器から最後の分離器へと、脂肪酸の含分を減少させながら流れ、その一方で水相は分離器を逆方向で、脂肪酸の含分を増加させながら通過する。その後、水相W2を直列の最初の分離器から抜き出し、トリグリセリド油相T2を、直列の最後の分離器から抜き出す。
それぞれの場合において、水溶液の最後の1滴を脂肪相または油相から除去するために、トリグリセリド油相T2をコアレッサーフィルタに供給することもできる。この種のコアレッサーフィルタは当業者に公知であり、例えば水相によって、また油相によって濡れる濾過材料、例えばガラスまたはセルロースから構成される濾過材料を有する。
工程(b)において水相W2からトリグリセリド油相T2を分離、除去した後、トリグリセリド油相T2をそれから、さらなる後処理または加工に供給することができる。この種類の工程は、脱ガム、脱酸、脱ろう、漂白、脱色、脱臭から選択される1つ以上であり得る。これらの工程は当業者に公知であり、例えば、特許文献5(国際公開第2016/189114号)に記載されている。
工程(b)における分離後のトリグリセリド油相T2は、1回、または1回より多く、例えば2回から10回まで、接触工程(a)に再度供給することができ、この際にトリグリセリド油相T2は、トリグリセリド油T1として使用し、それぞれの工程において、トリグリセリド油相T2中の脂肪酸のフラクションをさらに低下させるために、1種または複数の炭酸(水素)アルカリ金属/アルカリ土類金属を含有する水相W1の新たな装入物と接触させる。
これらのさらなる工程で得られる水相W2は、それから完全に、または部分的に、後続の工程(c)などに供給することができる。
任意で、後続の工程(c)はその後、水相が再生されるように実施することができる。
この工程(c)において、CO2、および任意で有機溶媒を水相W2に添加し、これによって脂肪酸含有有機相と、W2よりも低い脂肪酸含分を有する水相W3とが得られる。適切な条件は当業者に公知であり、例えば国際公開第2016/149692号に記載されている。
水相W2とCO2との、任意で有機溶媒との接触は、当業者に公知の方法で実施することができる。この接触は、気密な封止可能な圧力容器内で行うことができ、ここでW2とCO2とを、任意で有機溶媒とも、一緒に混合することができる。この目的のために、キャピラリまたは気体処理可能な撹拌器を介して、CO2を導入することができる。この接触では、できるだけ多くのCO2を水相W2内へと導入するように行うことが意図されているのは、明らかであろう。この目的のためには例えば、機械的なミキサ、または電磁式ミキサを使用する。
本発明による方法の工程(c)において有機溶媒を添加するのであれば、W2の体積と、工程(c)における有機溶媒の体積との比は、この場合には特に制限されない。この場合、W2の体積の、有機溶媒の体積に対する比は特に、1:100から100:1、好ましくは1:5から5:1、さらにより好ましくは1:2から2:1の範囲にある。
工程(c)において有機溶媒を使用する場合、ジイソプロピルエーテル、n−ブチルアセテート、酢酸エチル、ヘキサン、1−ヘキサノールが好ましく、n−ブチルアセテートが好ましい。
本発明による方法の工程(c)における圧力および温度は、特に制限されない。
特に、CO2添加の間の圧力は、0.1〜55bar、好ましくは1〜20bar、より好ましくは5〜10barの範囲にある。
温度は好ましくは、0℃〜120℃、より好ましくは5℃〜100℃、さらにより好ましくは10℃〜90℃、さらにより好ましくは20℃〜80℃、なおさらに好ましくは40℃〜60℃の範囲にあり、最も好ましくは50℃である。
工程(c)で使用するCO2は、燃焼プロセスまたは高炉プロセスから発生したものであってよく、その他の成分、例えばN2O、SO2、H2S、NO2を含むことができる。これらの成分はさらに、水相W2を酸性化させることができ、このことはさらに、脂肪酸含有有機相の形成を促進させる。
工程(c)の最後に、脂肪酸含有有機相と、W2よりも低い脂肪酸含分を有する水相W3とが得られる。
本発明による方法におけるさらなる任意の工程(d)では、水相W3を、工程(c)で得られる脂肪酸含有有機相から分離、除去することができる。
これは当業者が精通した方法によって、また本発明による方法の工程(b)に記載したように、実施することができる。
工程(d)の完了後に相W3が得られ、これはトリグリセリド油の新たなバッチとともに、新たなサイクルに添加することができる。
よって、任意のさらなる工程(e)では、水相W3の少なくとも一部を、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有するさらなるトリグリセリド油T3と接触させ、これによってトリグリセリド油T4および水相W4が得られ、ここでT4は、T3と比べて減少した脂肪酸含分を有し、W4は、W3と比べて増加した脂肪酸含分を有する。
このさらなる工程(e)は好ましくは、工程(a)について記載したように行う。本発明による方法は、水相W1を常に再利用するため、また水相W1を新たな抽出運転で使用するために、特に適している。
本発明による方法の工程(b)で得られるトリグリセリド油相T2を、例えば脱ガム、脱酸、漂白、脱色、脱臭、脱ろうから選択される1つ以上のさらなる精製工程にかけてよいことは、明らかであろう。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明がこれに制限されることはない。
使用した測定法:
トリグリセリド相中のコリン含分は、AgilentのHPLC-ESI-MSによってInfinity IIで、QQQ-6430により特定した。この目的のために、試料約50mgを、水とアセトンの1:1(v:v)溶液10mL中に希釈し、HILIC分離法によって、ESIポジティブ検出で分析した。その結果を、2つの較正機能によって評価した。相関係数は、R2=0.9997/0.9999で特定した。
比較例C1
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(75.0質量%、密度約1.16g/mL、約5.3mol/L)70gを添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。トリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.11質量%と特定された。これは、98.2%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中のコリン含分は、HPLC-ESI-MSによって113,646ppmと特定された。
比較例C2
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(80.0質量%、密度約1.17g/mL、約5.7mol/L)70gを添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。トリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.08質量%と特定された。これは、98.6%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中の遊離コリン含分は、HPLC-ESI-MSによって6405ppmと特定された。
本発明による例E1
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(75.0質量%、密度約1.16g/mL、炭酸水素コリンのモル濃度約5.3mol/L、炭酸水素コリン0.30molに相当)66.5g、およびエチレングリコール3.5g(56.4mmol)を添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。得られたトリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.16質量%と特定された。これは、97.2%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中の遊離コリン含分は、HPLC-ESI-MSによって389ppmと特定された。得られたトリグリセリド相を引き続き、漂白土のTonsil Supreme 118 F1.5g(トリグリセリド相を基準として0.5質量%)によって処理し、95℃で5分間、ウェット漂白し、真空下で15分間、ドライ漂白した。漂白土の濾過後、トリグリセリド相を240℃で10分間、真空下で脱色し、200℃で蒸留水によりさらに90分間、水蒸気処理した。得られた油は実質的に無色であり、中性の味および臭いを有していた。
本発明による例E2
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(80.0質量%、密度約1.17g/mL、炭酸水素コリンのモル濃度約5.7mol/L、炭酸水素コリン0.32molに相当)66.5g、およびエチレングリコール3.5g(56.4mmol)を添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。得られたトリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.13質量%と特定された。これは、97.8%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中の遊離コリン含分は、HPLC-ESI-MSによって2442ppmと特定された。
本発明による例E3
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(75.0質量%、密度約1.16g/mL、炭酸水素コリンのモル濃度約5.3mol/L、炭酸水素コリン0.30molに相当)66.5g、および1,2−プロパンジオール3.5g(46.0mmol)を添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。得られたトリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.11質量%と特定された。これは、98.2%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中の遊離コリン含分は、HPLC-ESI-MSによって4853ppmと特定された。
本発明による例E4
パーム油(遊離脂肪酸5.5%、DGF法のDGF−C−V 2による滴定で特定)30gに、炭酸水素コリン水溶液(75.0質量%、密度約1.16g/mL、炭酸水素コリンのモル濃度約5.3mol/L、炭酸水素コリン0.30molに相当)66.5g、および1,6−ヘキサンジオール3.5g(29.6mmol)を添加し、この混合物を80℃で1時間、撹拌した。反応が完了した後、水相および有機相を分離漏斗で分離した。得られたトリグリセリド相中の脂肪酸含分は、滴定により0.13質量%と特定された。これは、97.8%の遊離脂肪酸の反応に相当する。トリグリセリド相中の遊離コリン含分は、HPLC-ESI-MSによって8924ppmと特定された。
これらの実験の結果が、以下の表1にまとめられている。
Figure 2019089995
これによれば意外なことに、透明な相は、ジオールを用いた場合にのみ、得られることが判明した。さらに、生じる抽出油中における遊離コリンの不所望の残分は、脂肪族ジオール、例えばエチレングリコールまたは1,2−プロパンジオールとの組み合わせでのみ、著しく減少した。

Claims (10)

  1. 以下の工程:
    (a)脂肪酸を含有するトリグリセリド油T1を、少なくとも1種の第四級アンモニウム塩と、1〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族ジオールとを含有する水溶液W1と接触させ、これによってトリグリセリド油相T2および水相W2を得る工程、ここでT2は、T1と比べて減少した脂肪酸含分を有し、W2は、W1と比べて増加した脂肪酸含分を有する、
    (b)トリグリセリド油相T2を、水相W2から分離する工程、
    を含む、トリグリセリド油から脂肪酸を抽出する方法であって、
    前記第四級アンモニウム塩が、少なくとも1種の第四級アンモニウムカチオンと、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、セリン酸イオン、プロリン酸イオン、ヒスチジン酸イオン、トレオニン酸イオン、バリン酸イオン、アスパラギン酸イオン、タウリン酸イオン、リシン酸イオンから選択される少なくとも1種の塩基性アニオンとを含有する、前記方法。
  2. 前記第四級アンモニウムカチオンが、構造
    [N(Ra)(Rb)(Rc)(Rd)]+
    [式中、Ra、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、C1〜C8アルキルから選択され、ここで1つ以上の基Ra、Rb、RcおよびRdは任意で、C1〜C4アルコキシ、C2〜C8アルコキシアルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、−OH、−SH、−CO2eおよび−OC(O)Reから選択される基(ここでReは、C1〜C6アルキルである)によって、1個の炭素原子上で置換されている]
    に従った化合物から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記第四級アンモニウムカチオンがコリンである、請求項2記載の方法。
  4. 前記塩基性アニオンが、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン、アルコキシドイオンから選択される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記塩基性アニオンが炭酸水素イオンである、請求項4記載の方法。
  6. 前記脂肪族ジオールが、1〜4個の炭素原子を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記脂肪族ジオールが、エチレングリコール、プロパンジオールから選択される、請求項6記載の方法。
  8. 前記工程a)を、70℃〜90℃の温度で行う、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. トリグリセリド油T1の体積の、水相W1の体積に対する比が、10:1から1:100の範囲にある、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記工程(a)における水溶液W1中で、前記脂肪族ジオールの、前記第四級アンモニウム塩に対する割合は、1〜8個の炭素原子を有する全ての脂肪族ジオールのモル量が、全ての第四級アンモニウム塩のモル量を基準として0.0001%〜99.9%の範囲にある割合であり、ここで前記第四級アンモニウム塩は、少なくとも1種の第四級アンモニウムカチオンと、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、アルキル炭酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、セリン酸イオン、プロリン酸イオン、ヒスチジン酸イオン、トレオニン酸イオン、バリン酸イオン、アスパラギン酸イオン、タウリン酸イオン、およびリシン酸イオンから選択される少なくとも1種の塩基性アニオンとを含有する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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