JP2019089105A - 金属部材の製造方法及び熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂部材を接合するための接合面を生産性高く形成することができる金属部材の製造方法を提供する。【解決手段】樹脂部材3を接合するための接合面2bが形成された金属部材1の製造方法であって、金属部材1の表面には、ロウ材層2が形成されており、ロウ材層2を溶融させることによって、接合面2bを形成する。具体的には、金属部材1に向かって突出した形状の複数の凸部11bが形成された接合面形成部材11をロウ材層2に押し当てた状態で、ロウ材層2を溶解させて、接合面2bを形成する。【選択図】図1
Description
本発明は、金属部材の製造方法及び熱交換器に関する。
特許文献1には、樹脂部材を接合するための接合面が形成された金属部材の製造方法が開示されている。具体的には、特許文献1では、金属部材の表面にレーザー光を照射して当該表面を祖面化させることによって、接合面を形成している。このように接合面を祖面化させておくことで、樹脂部材を金属部材に接合した際の接合強度を向上させることができる。更に、樹脂部材を接合するための接合面が形成された金属部材は、熱交換器等の構成部材に用いて好適である。
しかしながら、特許文献1に示す方法では、レーザー光を照射させることによって金属部材の表面を粗面化させているので、接合面の形成に時間がかかり、生産性が悪いという問題があった。
本発明は、上記点に鑑み、樹脂部材を接合するための接合面を生産性高く形成することができる金属部材の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、生産性の低下を招くことなく、樹脂部材を接合するための接合面の形成された熱交換器を提供することを別の目的とする。
上記目的を達成するためになされた、請求項1に記載の金属部材の製造方法は、樹脂部材(3)を接合するための接合面(2b)が形成された金属部材の製造方法であって、金属部材の表面には、ロウ材層(2)が形成されており、ロウ材層を溶融させることによって、接合面を形成する。
これによれば、融点が低いロウ材層を溶融させることによって、短時間で金属部材の表面を粗面化させた接合面を形成することができる。このため、金属部材に樹脂部材を接合する接合面を生産性高く形成することができる金属部材の製造方法を提供することができる。
上記目的を達成するためになされた、請求項8に記載の熱交換器は、複数の金属部材をロウ付け接合して形成された熱交換器であって、複数の金属部材のうち少なくとも1つは、外表面に樹脂部材(3)が接合される接合面(2b)が形成された接合用金属部材(14b)であり、接合用金属部材の外表面には、溶融したロウ材が凝固したロウ材層(2)が形成されており、接合面は、ロウ材層に形成されている。
これによれば、接合用金属部材を含む複数の金属部材を一体にロウ付けして熱交換器を製造するときと同時に、ロウ材層を溶融させて接合面を形成することができる。即ち、生産性の低下を招くことなく、樹脂部材を接合するための接合面の形成された熱交換器を提供することができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法について、図面を参照しつつ説明する。
以下、本発明に係る第1実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、樹脂部材3が接合される金属部材1は、本実施形態では、熱交換器の構成部品であるタンクのプレートヘッダーである。なお、熱交換器は、複数の構成部品をロウ付け接合することによって形成される。
金属部材1は、アルミニウム等の金属で構成されている。金属部材1の表面には、ロウ材がクラッド(換言すると、被覆)されたロウ材層2が形成されている。
金属部材1に接合される樹脂部材3は、本実施形態では、ブラケットである。ブラケットは、熱交換器を支持固定するために用いられる。樹脂部材3は、ポリアミド等の熱可塑性の合成樹脂で構成されている。樹脂部材3が溶解する温度は、ロウ材層2が溶解する温度よりも低くなっている。
次に、図1及び図2を用いて、第1実施形態の金属部材と樹脂部材の接合方法に用いられる接合面形成部材11について説明する。接合面形成部材11は、ブロック状の基部11aと、基部11aの裏面からロウ材層2側に突出形成された複数の凸部11bとから構成されている。接合面形成部材11は、溶融したロウ材が張り付き難く、濡れ性の悪い材料、例えば、セラミックスやカーボン等で構成されている。
複数の隣接する凸部11bは、図2に示すように、互いに間隔を開けて配置されている。図2に示される例では、凸部11bは、円柱形状であるが、四角柱等の角柱形状であっても良い。
次に、図1を用いて、第1実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法について説明する。まず、図1の(a)に示すように、複数の凸部11bがロウ材層2に当接するように、接合面形成部材11をロウ材層2上に載置する。
次に、図1の(b)に示すように、接合面形成部材11をロウ材層2に押し当てた状態で、少なくとも複数の凸部11bが当接している部分のロウ材層2を溶融させて、凸部11bをロウ材層2内に進入させる。
なお、ロウ材層2を溶融させる方法は、ロウ材層2に接合面形成部材11が押し当てられた状態の金属部材1を加熱炉内に配置したうえで、加熱炉によって、これらを加熱して、ロウ材層2を溶融させている。本実施形態では、金属部材1を含む複数の構成部品を仮組した状態のものを加熱炉内に配置したうえで、加熱炉によって、これらを加熱して、複数の構成部品をロウ付け接合する際に、ロウ材層2が溶融する。
なお、ロウ材層2を溶融させる方法として、接合面形成部材11を加熱することにより行っても良い。
次に、図1の(c)に示すように、接合面形成部材11を、金属部材1から離間させる。すると、ロウ材層2には、凹んだ形状の凹部2aが複数形成され、金属部材1の表面が粗面化された接合面2bが形成される。なお、図1の(a)〜(c)の工程が、接合面形成工程であり、金属部材の製造方法である。
次に、図1の(d)に示すように、樹脂部材3を接合面2bに押し当てた状態で、樹脂部材3が接合面2bに押し当てられている部分における、金属部材1の裏面側(金属部材1のロウ材層2が形成されている表面と反対側)を加熱する。
すると、図1の(e)に示すように、樹脂部材3の一部が溶融した樹脂が複数の凹部2a内に流れ込む。ロウ材層2が溶解する温度は、樹脂部材3が溶解する温度よりも高いので、ロウ材層2は溶解しない。
次に、金属部材1及び樹脂部材3を冷却させて、凹部2a内に流れ込んだ樹脂を凝固させる。すると、樹脂部材3が接合面2bに接合される。つまり、樹脂部材3が金属部材1に接合される。なお、図1の(d)及び(e)の工程が、接合工程であり、金属部材と樹脂部材の接合方法である。
以上の説明から明らかなように、ロウ材層2を溶融させることによって、樹脂部材3を接合する接合面2bを形成している。
これによれば、融点が低いロウ材層2を溶融させることによって、短時間に金属部材1の表面を粗面化させた接合面2bを形成することができる。このため、金属部材1に樹脂部材3を接合する接合面2bを生産性高く形成することができる。
また、金属部材1に向かって突出した形状の複数の凸部11bが形成された接合面形成部材11をロウ材層2に押し当てた状態で、ロウ材層2を溶解させて、接合面2bを形成する。
これによれば、複数の凹部2aが形成された接合面2bを一度に形成することができ、短時間で接合面2bを形成することができる。
金属部材1は、複数の構成部材をロウ付け接合することによって形成される熱交換器の構成部材である。
これによれば、金属部材1を含む複数の構成部品を一体にロウ付けして熱交換器を製造するときと同時に、ロウ材層2を溶融させて接合面2bを形成することができる。
また、樹脂部材3の一部が溶融した樹脂が凹部2a内において凝固した状態で、樹脂部材3が金属部材1に接合されているので、樹脂部材3と金属部材1との接合強度を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下に、図3を用いて、第2実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
以下に、図3を用いて、第2実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
第2実施形態では、まず、図3の(a)に示すように、ロウ材層2上に、内部に空間21aが形成された複数の中空部材21を載置する。本実施形態では、中空部材21は、球形状であるが、直方体形状等であっても良い。中空部材21は、ロウ材層2よりも融点が高い金属で構成されている。
次に、図3の(b)に示すように、複数の中空部材21をブロック状の押圧部材22でロウ材層2側に押し当てた状態で、ロウ材層2を溶融させた後に凝固させる。すると、図3の(c)に示すように、中空部材21がロウ材層2の内部に埋設される。なお、押圧部材22は、溶融したロウ材が張り付き難く、濡れ性の悪い材料、例えば、セラミックスやカーボン等で構成されている。
なお、ロウ材層2を溶融させる方法は、ロウ材層2に複数の中空部材21が押し当てられた状態の金属部材1を加熱炉内に配置したうえで、加熱炉によって、これらを加熱して、ロウ材層2を溶融させている。或いは、押圧部材22を加熱することにより、ロウ材層2を溶融させても良い。
次に、図3の(d)に示すように、ロウ材層2の表面及び中空部材21の頂部を、研磨部材23で研削して除去する。すると、図3の(e)に示すよう、複数の中空部材21の空間21aがロウ材層2の表面に露出し、ロウ材層2に凹んだ形状の凹部21bが複数形成され、金属部材1の表面が粗面化された接合面2bが形成される。なお、図3の(a)〜(e)の工程が、接合面形成工程であり、金属部材の製造方法である。
次に、図3の(f)に示すように、樹脂部材3を接合面2bに押し当てた状態で、樹脂部材3が接合面2bに押し当てられている部分における金属部材1の裏面側を加熱する。
すると、図3の(g)に示すように、樹脂部材3の一部が溶融した樹脂が凹部21bに流れ込む。次に、金属部材1及び樹脂部材3を冷却させて、複数の凹部21b内に流れ込んだ樹脂部材3の一部が溶解した樹脂を凝固させる。すると、樹脂部材3が接合面2bに接合される。つまり、樹脂部材3が金属部材1に接合される。なお、図3の(f)及び(g)の工程が、接合工程であり、金属部材と樹脂部材の接合方法である。
以上の説明から明らかなように、第2実施形態では、内部に空間21aが形成された複数の中空部材21をロウ材層2に押し当てた状態でロウ材層2を溶解させて、複数の中空部材21をロウ材層2に埋設する。そして、ロウ材層2の表面及び複数の中空部材の頂部を除去して、複数の中空部材21の空間21aをロウ材層2の表面に露出させることにより、接合面2bを形成する。
これによれば、複数の中空部材21の空間21aがロウ材層2の表面に露出した接合面2bを一度に形成することができ、短時間で接合面2bを形成することができる。
(第3実施形態)
以下に、図4を用いて、第3実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
以下に、図4を用いて、第3実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
まず、第3実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法に用いられるアンカー部材31及び保持部材32について説明する。アンカー部材31は、板形状であり、ロウ材よりも融点の高い金属で構成されている。
保持部材32は、金属製のブロックである。保持部材32の下面には、アンカー部材31を保持する複数の保持溝32aが形成されている。保持溝32aは、保持溝32aによって保持された隣合うアンカー部材31の延在方向が交互に異なるように形成されている。
次に、第3実施形態の金属部材と樹脂部材の接合方法について説明する。まず、図4の(a)に示すように、保持部材32によって保持された板形状の複数のアンカー部材31をロウ材層2に押し当てた状態で、少なくともアンカー部材31が当接している部分のロウ材層2を溶融させた後に凝固させる接合面形成工程を行う。すると、図4の(b)に示すように、複数のアンカー部材31が接合され、金属部材1の表面が粗面化された接合面2bが形成される。なお、図4の(a)、(b)の工程が、接合面形成工程であり、金属部材の製造方法である。
複数のアンカー部材31は、隣り合うアンカー部材31の延在方向が交互に異なった状態で、ロウ材層2に接合されている。
なお、接合面形成工程において、ロウ材層2を溶融させる方法は、保持部材32によって保持された板形状の複数のアンカー部材31がロウ材層2に押し当てた状態の金属部材1を加熱炉内に配置したうえで、加熱炉によって、これらを加熱して、ロウ材層2を溶融させている。或いは、保持部材32を加熱して、アンカー部材31を加熱することにより、ロウ材層2を溶融させても良い。
次に、図4の(c)に示すように、樹脂部材3を接合面2bに押し当てた状態で、樹脂部材3が接合面2bに押し当てられている部分における金属部材1の裏面側を加熱する。
すると、図4の(d)に示すように、アンカー部材31が加熱されて、アンカー部材31と当接している部分の樹脂部材3が溶解し、アンカー部材31が樹脂部材3内に進入し、溶解した樹脂部材3が凝固すると、樹脂部材3が接合面2bに接合される。つまり、樹脂部材3が金属部材1に接合される。なお、図4の(c)及び(d)の工程が、接合工程であり、金属部材と樹脂部材の接合方法である。
以上の説明から明らかなように、第3実施形態では、ロウ材層2の表面に複数のアンカー部材31を押し当てた状態で、ロウ材層2の表面を溶解させた後に凝固させて、ロウ材層2の複数のアンカー部材31を接合させて、接合面2bを形成する。
これによれば、一度にロウ材層2の複数のアンカー部材31を接合させて、接合面2bを形成することができるので、短時間に接合面2bを形成することができる。
また、アンカー部材31が樹脂部材3に進入した状態で樹脂部材3が金属部材1に接合されているので、樹脂部材3と金属部材1との接合強度を向上させることができる。
また、複数のアンカー部材31は、隣り合うアンカー部材31の延在方向が異なるように、ロウ材層2の表面に接合されている。
これによれば、アンカー部材31が樹脂部材3から引き抜かれ難いので、樹脂部材3と金属部材1との接合強度を更に向上させることができる。
(第4実施形態)
以下に、図5を用いて、第4実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
以下に、図5を用いて、第4実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法を説明する。
まず、第4実施形態の金属部材の製造方法、及びこの金属部材と樹脂部材の接合方法に用いられるアンカー部材41及び保持部材42について説明する。アンカー部材41は、ブロック形状であり、内部に表面に連通する複数の空隙が形成されている。本実施形態では、アンカー部材41は、基端(上端)が先端(下端)よりも太い円錐台形又は多角錐台形である。アンカー部材41は、ロウ材よりも融点が高い繊維状の金属が押し固められて成型されている。或いは、アンカー部材41をロウ材よりも融点が高い焼結金属によって構成しても良い。
保持部材42は、ブロック形状であり、金属で構成されている。保持部材42の下面には、アンカー部材41の基部を保持するための複数の保持凹部42aが複数行・複数列凹んで形成されている。
次に、第4実施形態の金属部材と樹脂部材の接合方法について説明する。まず、図5の(a)に示すように、保持部材42の複数の保持凹部42aで保持された複数のアンカー部材41の先端をロウ材層2に押し当てた状態で、少なくともアンカー部材41の先端が当接している部分のロウ材層2を溶融させる。
すると、アンカー部材41の先端がロウ材層2内に進入するとともに、毛細管現象によって、溶融したロウ材層2のロウ材がアンカー部材41の複数の空隙に含浸する。そして、溶融したロウ材層2のロウ材が凝固すると、図5の(b)に示すように、複数のアンカー部材41がロウ材層2に接合されて、金属部材1の表面が粗面化された接合面2bが形成される。図5の(a)及び(b)の工程が接合面形成工程であり、金属部材の製造方法である。
なお、接合面形成工程において、ロウ材層2を溶融させる方法は、保持部材42の複数の保持凹部42aで保持された複数のアンカー部材41の先端がロウ材層2に押し当てられた状態の金属部材1を加熱炉内に配置したうえで、加熱炉によって、これらを加熱して、ロウ材層2を溶融させている。或いは、保持部材42を加熱して、アンカー部材41を加熱することにより、ロウ材層2を溶融させても良い。
ロウ材層2に接合されたアンカー部材41は、ロウ材層2から離れるに従って幅寸法が大きくなっている。
次に、図5の(c)に示すように、樹脂部材3を接合面2bに押し当てた状態で、樹脂部材3が接合面2bに押し当てられている部分における金属部材1の裏面側を加熱する。
すると、図5の(d)に示すように、アンカー部材41が加熱されて、アンカー部材41と当接している部分の樹脂部材3が溶解し、アンカー部材41が樹脂部材3内に進入し、溶解した樹脂部材3が凝固すると、樹脂部材3が接合面2bに接合される。つまり、樹脂部材3が金属部材1に接合される。なお、図5の(c)及び(d)の工程が、接合工程であり、金属部材と樹脂部材の接合方法である。
以上の説明から明らかなように、第4実施形態では、アンカー部材41は、内部に表面に連通する複数の空隙が形成された部材であり、アンカー部材41の複数の空隙にロウ材層2が溶解したロウ材を含浸させた後に凝固させることによって、複数のアンカー部材41をロウ材層2の表面に接合する。
これによれば、一度にロウ材層2の表面に接合面2bを形成することができ、短時間で接合面2bを形成することができる。
また、ロウ材層2とアンカー部材41との接合強度を向上させることができる。
また、接合面2bのロウ材層2の表面からの突出寸法を、樹脂部材3と金属部材1との接合強度が充分に保たれる寸法に容易に設定することができ、樹脂部材3と金属部材1との接合強度を向上させることができる。
また、ロウ材層2に接合されたアンカー部材41は、ロウ材層2から離れるに従って幅寸法が大きくなっている。
これによれば、アンカー部材41が樹脂部材3から引き抜かれ難いので、樹脂部材3と金属部材1との接合強度を更に向上させることができる。
(適用例)
以下、上述の実施形態で説明した金属部材の製造方法を、図6に示す熱交換器10に適用した適用例を説明する。この熱交換器10は、複数本のチューブ19、一対のタンク14等を有する、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器である。
以下、上述の実施形態で説明した金属部材の製造方法を、図6に示す熱交換器10に適用した適用例を説明する。この熱交換器10は、複数本のチューブ19、一対のタンク14等を有する、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器である。
このような熱交換器は、冷凍サイクル装置において、冷媒と空気とを熱交換させる凝縮器や蒸発器、または、車両用のエンジン冷却回路において、冷却水と空気と熱交換させるラジエータとして用いることができる。
複数本のチューブ19は、内部に流体を流通させる管である。複数本のチューブ19は互いに間隔をあけて一定の方向に積層配置されている。隣り合うチューブ19同士の間には、流体と熱交換する空気を流通させる空気通路が形成される。
空気通路には、流体と空気との熱交換を促進するフィン12が配置されている。フィン12は、薄板金属を波状に折り曲げることによって形成された、いわゆるコルゲートフィンである。複数本のチューブ19の積層方向両側には、複数本のチューブ19とフィン12によって形成される熱交換部を補強する補強部材としてのサイドプレート15が配置されている。
一対のタンク14は、複数本のチューブ19の積層方向に延びる有底筒状部材である。一つのタンク14は、複数本のチューブ19へ流体を分配する機能、及び複数本のチューブ19から流出した流体を集合させる機能を果たす。タンク14は、プレートヘッダー14a、タンクヘッダー14b、蓋部材18を有している。
プレートヘッダー14aは、複数本のチューブ19の積層方向に延びて、複数本のチューブ19が接続される部材である。タンクヘッダー14bは、複数本のチューブ19の積層方向に延びて、プレートヘッダー14aと同等の長さに形成されている。
タンクヘッダー14bは、プレートヘッダー14aと組み合わされることによって筒状部材を形成し、内部に流体の分配用あるいは集合用の空間を形成する。蓋部材18は、プレートヘッダー14aとタンクヘッダー14bとを組み合わせることによって形成された筒状部材の長手方向両端部を閉塞するものである。
更に、タンクヘッダー14bには、タンク14内に流体を流入させる流入口、あるいは、タンク14内から流体を流出させる流出口を形成するコネクタ17が接続されている。
これらの熱交換器10の構成部材12、14、17、19は、いずれも金属(本実施形態では、アルミニウム合金)で形成されている。各構成部材12、14、17、19同士の接合面には、ロウ材が被覆されている。例えば、タンクヘッダー14bには、その外表面にロウ材が被覆されている。
次に、熱交換器10の製造方法を説明する。上述した各構成部材12、14、17、19をワイヤ治具やかしめ等によって、仮固定する。そして、仮固定された各構成部材12、14、17、19を加熱炉に投入する。これにより、各構成部材12、14、17、19の外表面にクラッドされたロウ材を溶融させる。そして、再びロウ材が凝固するまで冷却することによって、各金属部材を一体にロウ付けする。これにより、熱交換器10が製造される。
この際、タンクヘッダー14bに対して、上述の実施形態で説明した接合面形成工程を行う。つまり、本実施形態におけるタンクヘッダー14bは、接合用金属部材である。これによれば、熱交換器10を製造すると同時に、タンクヘッダー14bの外表面のロウ材が凝固したロウ材層2が形成され、更に、このロウ材層2に接合面2bを形成することができる。
そして、この接合面2bに図6の破線で示すように、樹脂部材であるブラケット3を接合することで、ブラケット3を熱交換器10に対して、強固に接合することができる。
(他の実施形態)
第1実施形態の金属部材と樹脂部材の接合方法に用いられる接合面形成部材11の凸部11bは、所定の長さに切断された濡れ性の悪い材料で構成されたワイヤであっても良い。この接合面形成部材11は、所定の長さに切断されたワイヤである凸部11bが基部11aの裏面に接合されている。
第1実施形態の金属部材と樹脂部材の接合方法に用いられる接合面形成部材11の凸部11bは、所定の長さに切断された濡れ性の悪い材料で構成されたワイヤであっても良い。この接合面形成部材11は、所定の長さに切断されたワイヤである凸部11bが基部11aの裏面に接合されている。
以上説明した第2実施形態では、ロウ材層2の表面及び中空部材21の頂部を、研磨部材23で研削して除去している。ロウ材層2の表面及び中空部材21の頂部を、切削加工によって除去しても良い。
以上説明した第3実施形態及び第4実施形態では、接合面形成工程において、ロウ材層2の表面に複数のアンカー部材31、41を押し当てた状態で、ロウ材層2の表面を溶解させた後に凝固させて、ロウ材層2に複数のアンカー部材31、41を接合させている。接合面形成工程において、ロウ材層2の表面に複数のアンカー部材31、41を載置した状態で、ロウ材層2の表面を溶解させた後に凝固させて、ロウ材層2に複数のアンカー部材31、41を接合させても良い。
1 金属部材
2 ロウ材層
2b 接合面
3 樹脂部材、ブラケット
14b タンクヘッダー(接合用金属部材)
2 ロウ材層
2b 接合面
3 樹脂部材、ブラケット
14b タンクヘッダー(接合用金属部材)
Claims (8)
- 樹脂部材(3)を接合するための接合面(2b)が形成された金属部材の製造方法であって、
前記金属部材の表面には、ロウ材層(2)が形成されており、
前記ロウ材層を溶融させることによって、前記接合面を形成する金属部材の製造方法。 - 前記金属部材に向かって突出した形状の複数の凸部(11b)が形成された接合面形成部材(11)を前記ロウ材層に押し当てた状態で、前記ロウ材層を溶解させて、前記接合面を形成する請求項1に記載の金属部材の製造方法。
- 内部に空間(21a)が形成された複数の中空部材(21)を前記ロウ材層に押し当てた状態で、前記ロウ材層を溶解させて、複数の前記中空部材を前記ロウ材層に埋設したうえで、前記ロウ材層の表面及び複数の前記中空部材の頂部を除去して、複数の中空部材の前記空間をロウ材層の表面に露出させることにより、前記接合面を形成する請求項1に記載の金属部材の製造方法。
- 前記ロウ材層の表面に複数のアンカー部材(31)を載置又は押し当てた状態で、前記ロウ材層の表面を溶解させた後に凝固させて、前記ロウ材層に複数の前記アンカー部材を接合させて、前記接合面を形成する請求項1に記載の金属部材の製造方法。
- 前記アンカー部材は金属板であり、
隣り合う前記アンカー部材の延在方向が異なるように、複数の前記アンカー部材が前記ロウ材層の表面に接合される請求項4に記載の金属部材の製造方法。 - 前記アンカー部材は、内部に表面に連通する複数の空隙が形成された部材であり、
前記アンカー部材の複数の前記空隙に前記ロウ材層が溶解したロウ材を含浸させた後に凝固させることによって、複数の前記アンカー部材が前記ロウ材層の表面に接合される請求項4に記載の金属部材の製造方法。 - 前記金属部材は、複数の構成部材をロウ付け接合することによって形成される熱交換器の構成部材である請求項1ないし6のいずれか一つに記載の金属部材の製造方法。
- 複数の金属部材をロウ付け接合して形成された熱交換器であって、
前記複数の金属部材のうち少なくとも1つは、外表面に樹脂部材(3)が接合される接合面(2b)が形成された接合用金属部材(14b)であり、
前記接合用金属部材の外表面には、溶融したロウ材が凝固したロウ材層(2)が形成されており、
前記接合面は、前記ロウ材層に形成されている熱交換器。
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