JPH1157994A - アルミニウム合金チューブまたは条 - Google Patents

アルミニウム合金チューブまたは条

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JPH1157994A
JPH1157994A JP21733197A JP21733197A JPH1157994A JP H1157994 A JPH1157994 A JP H1157994A JP 21733197 A JP21733197 A JP 21733197A JP 21733197 A JP21733197 A JP 21733197A JP H1157994 A JPH1157994 A JP H1157994A
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resin
brazing material
aluminum alloy
tube
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Takenobu Dokou
武宜 土公
Noboru Soga
昇 曽我
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム合金チューブまたは条の所要面
に溶射形成された薄いろう材層の剥離を防止したアルミ
ニウム合金チューブまたは条を提供する。 【解決手段】 所要面にろう材層が溶射により形成さ
れ、ろう材層に樹脂層が20μm以下の厚さに被覆され
ているアルミニウム合金チューブ1または条。 【効果】 ろう材層の剥離脱落が樹脂層により防止され
るので、チューブ1とフィン2のろう付けが良好になさ
れ、またろう材層を薄く形成できるので多段コア5でも
局部的未着部4が生じ難い。またろう材層を薄くできる
ので安価である。また剥離したろう材片に起因するマシ
ントラブルや爆発事故も防げる。また樹脂層にフラック
スを含有させておくことによりフラックスの塗布工程が
省略でき生産性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
チューブまたは条の所要面に溶射形成されたろう材層の
剥離を防止したアルミニウム合金チューブまたは条に関
する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、熱交換器の1種であるコンデ
ンサ(パラレルフロータイプなど)は図1に示すよう
に、冷媒通路となるチューブ1と、チューブ1にろう付
けされた放熱体のフィン2とからなり、チューブ1には
アルミニウム合金製押出多穴管など、フィン2にはアル
ミニウム合金製芯材にろう材をクラッドしたブレージン
グシートフィンなどがそれぞれ使用される。図1で、3
はヘッダーパイプである。近年、熱交換器の小型化と軽
量化を目的に、ベアフィンと外面にろう材を溶射したチ
ューブとでコアを組付けブレージングしたもの、或いは
チューブと表面にろう材を溶射したフィンとでコアを組
付けブレージングしたものなどが提案されている(特開
昭63−34495など)。
【0003】ところで、前記チューブやフィンにろう材
層を厚く溶射形成すると、図2に示すように、ブレージ
ング後のチューブ1とフィン2との間に局部的未着部4
が生じることがある。この局部的未着部4が発生する
と、コア5全体の強度が低下する上、チューブ1に対す
るフィン2の犠牲防食効果が発現されなくなる。この局
部的未着部4はコア5の段数が多い程発生し易く、段数
が40近くになると発生頻度がかなり高くなる。またろ
う材層を厚く溶射形成するのはコスト的にも不利であ
る。このようなことからろう材層は薄く溶射形成する傾
向にある。しかし、ろう材層を薄くすると取り扱い中に
ろう材層が剥離し脱落して十分なろう付けが行えなくな
るという問題がある。
【0004】以下に、前記局部的未着部の発生メカニズ
ムを図を参照して説明する。図3(a)〜(c)は組付
け後のコアのチューブ1とフィン2の関係をブレージン
グ前後について示した部分模式図である。従来のブレー
ジングシートを電縫加工したチューブ1とフィン2との
組付け体のチューブ1の芯材6とフィン2との距離(ブ
レージングシートのろう材層7の厚さ)は20μm程度
であるが(図3a)、ろう材を溶射したチューブ9の場
合は、ろう材層8に凹凸や空洞が存在するため、同じろ
う材量に対して、チューブ9の芯材6とフィン2との距
離(ろう材層8の厚さ)は100μm程度に広がる(図
3b)。前記組付け体を加熱してろう付けするとろう材
層はフィレットを形成し、いずれのチューブ1、9の場
合も芯材6とフィン2とが接触し(図3c)、ろう付け
後のコアはろう材層の厚さ分だけ縦方向に縮む(図2参
照)。この縮み量はブレージングシートを用いたチュー
ブ1の場合はチューブ1本当たり約40μm(片面20
μm×2)であるが、ろう材層9を溶射形成したチュー
ブ9の場合はチューブ1本当たり約200μm(片面1
00μm×2)となり、この縮み量は数十本分蓄積され
ると数mmとなり、これにより局部的未着部4が生じる
のである。この局部的未着部4はろう材層9の厚さを薄
くすることにより抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のように
ろう材層を薄くすると、ろう材層は径が数十μm程度の
ろう材片が芯材上に1〜2層付着した状態になり、この
ろう材片は接合強度が弱く僅かな力で剥離し脱落する。
そのため、ろう材が不足して十分なろう付け強度が得ら
れなくなる。また剥離したろう材片が機械に入り込んで
マシントラブルを惹き起こしたり、集積したろう材片が
引火して爆発を起こしたりする。本発明の目的は、アル
ミニウム合金チューブまたは条の所要面に溶射形成され
た薄いろう材層の剥離を防止したアルミニウム合金チュ
ーブまたは条を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
外面にろう材層が溶射により形成され、前記ろう材層に
樹脂層が0.2μm以上20μm以下の厚さに被覆され
ていることを特徴とするアルミニウム合金チューブであ
る。
【0007】請求項2記載の発明は、片面または両面に
ろう材層が溶射により形成され、前記ろう材層に樹脂層
が0.2μm以上20μm以下の厚さに被覆されている
ことを特徴とするアルミニウム合金条である。
【0008】請求項3記載の発明は、樹脂にフラックス
が含有されていることを特徴とする請求項1記載のアル
ミニウム合金チューブである。
【0009】請求項4記載の発明は、樹脂にフラックス
が含有されていることを特徴とする請求項2記載のアル
ミニウム合金条である。
【0010】請求項5記載の発明は、ろう材がSiを1
5〜50wt%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純
物からなるアルミニウム合金であることを特徴とする請
求項1または3記載のアルミニウム合金チューブであ
る。
【0011】請求項6記載の発明は、ろう材がSiを1
5〜50wt%含有し、残部がアルミニウムと不可避不純
物からなるアルミニウム合金であることを特徴とする請
求項2または4記載のアルミニウム合金条である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明はアルミニウム合金チュー
ブの外面、またはアルミニウム合金条の片面或いは両面
にろう材層を溶射により形成し、さらにその上に樹脂層
を被覆して前記ろう材層の剥離を防止したものである。
【0013】本発明において、ろう材層を被覆する樹脂
層は、ろう材層を直接的な機械的接触から防護し、また
ろう材層の表面の凹凸を平滑化し引っ掛かりをなくし
て、ろう材層が剥離するのを防止する。さらに剥離した
ろう材層を樹脂層内に保持して、実質上の剥がれを防止
し、ろう材不足によるろう付け強度の低下を抑止する。
【0014】本発明で、樹脂層の厚さを0.2μm以上
20μm以下に規定する理由は、0.2μm未満ではろ
う材層を全面的に均一に覆うのが困難になり、その効果
が十分に得られなくなり、また20μmを超えて厚くし
てもその効果は飽和して不経済な上、樹脂層が厚いと局
部的未着部が生じ易くなるためである。またろう付け時
に分解ガスが多量に発生するなどの問題もある。特に望
ましい樹脂層の厚さは0.2μm以上10μm以下であ
る。
【0015】本発明において、樹脂層には、ろう付け性
やろう付け後の耐食性などに悪影響を及ぼさない樹脂で
あれば任意の樹脂、たとえば、アクリル系、メタクリル
系、ウレタン系、エポキシ系などの樹脂が適用できる。
樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、100℃未満では
常温で一部溶融して表面がべたついて取り扱い難くな
る、300℃を超えると樹脂層の乾燥温度が高くなり不
経済である。従ってTgは100〜300℃の温度範囲
が望ましい。
【0016】本発明では樹脂にろう付け用フラックスを
含有させておくと、ろう付けの際にフラックスを塗布す
る手間が省ける。樹脂に含有させるフラックスには、通
常使用されるフッ化物系、セシウム系、塩化物系などの
フラックスが用いられる。
【0017】本発明において、チューブには押出法や電
縫加工法など通常の方法で製造したアルミニウム合金チ
ューブが適用できる。前記チューブまたは条用アルミニ
ウム合金にはブレージングが可能で、且つそれぞれの目
的にあった合金、例えば、押出チューブであれば押出が
良好に行える合金、熱交換器用であれば耐食性などの特
性を満足する合金が適用される。
【0018】ろう材にはSiを15〜50wt%含むアル
ミニウム合金が特に推奨される。それは、Si含有量を
通常のろう材より多くすることでろう材の溶射量を減ら
すことが可能であり、本発明の効果が顕著に現れるから
である。Si以外には、Zn、Fe、Cu、Mn、I
n、Snなどの元素をろう付け性を悪化させない範囲で
添加しても良い。例えば、耐食性向上を目的にZnを4
0wt%程度まで添加しても良い。ろう材の溶射量は40
g/m2 以下、特に25g/m2 以下が推奨される。そ
れはろう材は少ないほど局部的未着部が発生し難く、し
かもコスト的に有利なためである。ろう材の溶射量の下
限はろう切れしない範囲で決まり、Siを15wt%含む
ろう材の場合20g/m2 程度である。Si量の多いろ
う材ほどろう切れし難く、溶射量を減らすことができ
る。
【0019】溶射方法としては、高速フレーム溶射、プ
ラズマ溶射、ろう材溶湯をそのまま吹き付ける方法など
が推奨される。それは、前記の溶射方法は溶射エネルギ
ーが大きいため溶射時にろう材が溶けて母材に薄く付着
し易いためである。
【0020】溶射前の芯材表面にブラスト処理などで凹
凸を付けておくとそのアンカー効果により溶射されたろ
う材層が芯材に強固に付着される。しかし、このブラス
ト処理などは生産性を害するので、ろう材が剥離し難い
本発明では、ブラスト処理を省略することを推奨する。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (実施例1)3003合金にZnを1wt%添加した厚さ
0.08mm、幅16mmの条の両面にAl−15wt%
Si合金(ろう材)溶湯を噴霧し、10g/m2 となる
よう溶射によりろう材層を形成した。次に溶射されたろ
う材層上に樹脂を溶媒に溶いた溶液をロールコーターを
用いて塗布し、その後溶媒を加熱蒸発させて、ろう材層
を樹脂層で被覆したアルミニウム合金条を得た。得られ
た各々の条を高さ10mm、間隔2mmのピッチでコル
ゲート加工してフィンとし、このフィンの20山分を、
幅16mm厚さ1mmの3003合金板と組合わせてコ
アに組付け、この組付け体を窒素ガス雰囲気中で600
℃で3分間加熱することによりろう付けして一段コアを
作製した。ろう材層の表面に被覆用樹脂を塗布したが、
その中では樹脂中にフラックスを含有したものもある。
フラックスを含有しない樹脂を塗布したものはフッ化物
系フラックスを塗布してろう付けし、フラックスを含有
した樹脂を塗布したものはフラックスを塗布しないでろ
う付けした。
【0022】得られた一段コアについて、コルゲート加
工前後の条の重量変化(重量差:ろう材の剥離脱落によ
る条の重量変化)、およびフィンの接着率を調べた。接
着率はチューブからフィンを剥がして、接着されている
部分の長さAと未接着部分の長さBを測定し、接着され
ている部分の長さAの割合〔A/(A+B)〕を百分率
で示した。樹脂層の厚さは、樹脂被覆後の条の厚さを測
定し、次に樹脂を溶剤に溶かして除去したあとの条の厚
さを測定し、両者の差を1/2倍して求めた。結果を表
1に示す。
【0023】
【表1】 (注)*各樹脂のガラス転移点温度:アクリル系樹脂 180℃、 メタクリル系樹脂 150℃。
【0024】表1より明らかなように、本発明例品のNo
1〜4は、ろう材層が樹脂層で被覆されているため、コ
ルゲート加工によりろう材が剥離して脱落することがな
く、従ってフィンの接着率が高く、良好なろう付け性を
示した。また、樹脂にフラックスを含有させたNo2〜4
はフラックスを塗布しなくても良好なろう付け性が得ら
れた。前記樹脂のガラス転移点は150℃または180
℃で、べたつかないで作業性が良く、また乾燥温度が低
く経済的である。これに対し、従来品のNo5は樹脂を被
覆しなかったため、ろう材層が剥離脱落して不足し、フ
ィンの接着率が著しく低下した。
【0025】(実施例2)3003合金条の片面にAl
−1wt%Zn合金条をクラッド率10%でクラッドした
厚さ0.30mm、幅37mmのクラッド条の非クラッ
ド面に、Al−30wt%Si合金のろう材粉末を高速ガ
ス炎溶射法により、12g/m2 となるように溶射し
た。前記ろう材粉末には窒素ガスアトマイズ法にて製造
した粒径100μm以下、不純物量0.3wt%以下の粉
末を用いた。高速ガス炎溶射法ではプロピレンガスと酸
素と空気を150psi:100psi:80psiの
割合で混合した混合ガスを用いた。次に非クラッド面に
溶射したろう材層上に、樹脂を溶媒に溶いた溶液をロー
ルコーターを用いて塗布し、これを加熱して溶媒を蒸発
させて、ろう材層を樹脂で被覆したアルミニウム合金条
を得た。これをろう材層側を外側にして筒状に丸め、突
き合わせ端面を連続的に溶接(電縫加工)して幅16m
mの扁平チューブを得た。この扁平チューブを長さ20
0mmに切断し、厚さ0.07mmのAl−0.5wt%
Si−1wt%Fe−0.5wt%Ni−1wt%Zn合金条
をコルゲート加工したフィンと組合せて一段のコアを組
立て、これを窒素ガス雰囲気中で595℃で3.5分間
加熱してろう付けして一段コアを作製した。比較のた
め、前記ろう材を溶射したクラッド条を、幅16mm、
長さ200mmに切断し、これをチューブの代わりに用
いた一段コアも作製した。ろう材層の表面に被覆用樹脂
を塗布したが、その中では樹脂中にフラックスを含有し
たものもある。フラックスを含有しない樹脂を塗布した
ものはフッ化物系フラックスを塗布してろう付けし、フ
ラックスを含有した樹脂を塗布したものはフラックスを
塗布しないでろう付けした。
【0026】得られた各々の一段コアについてフィンの
接着率を実施例1と同じ方法により調べた。樹脂層の厚
さは樹脂被覆後の条の厚さを測定し、次に樹脂を溶剤に
溶かしたあとの条の厚さを測定し、その差から求めた。
結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より明らかなように、本発明例品のNo
6〜9は、ろう材層が樹脂層で被覆されているため電縫
加工中にろう材が剥離して脱落することがなく、従って
フィンの接着率は、樹脂被覆と電縫加工を行わない参考
品のNo11と同程度に高くなり良好なろう付け性を示し
た。また樹脂にフラックスを含有させたNo7〜9はフラ
ックスを塗布しなくても良好にろう付けされた。樹脂の
ガラス転移点はいずれも200℃前後で作業性と経済性
に優れた。これに対し、従来品のNo10は樹脂が被覆さ
れていないためろう材層が剥離し脱落してフィンの接着
率が低下した。
【0029】(実施例3)JISA1050アルミニウ
ムの円筒状ビレットを多穴扁平管(高さ1.8mm、幅
16mm、19孔)に押出し、この多穴扁平管の上下両
外面にAl−22wt%Si−20wt%Zn合金のろう材
粉末を高速ガス炎溶射法により片面当たり20g/m2
または60g/m2 となるように溶射した。前記溶射に
用いたろう材粉末は窒素ガスアトマイズ法にて製造した
粒径100μm以下、不純物量0.3wt%以下の粉末で
ある。高速ガス炎溶射法ではプロピレンガスと酸素と空
気とを150psi:100psi:80psiの割合
で混合した混合ガスを用いた。次に多穴扁平管のろう材
層上に樹脂を溶媒で溶いた溶液をスプレーで塗布し、溶
媒を加熱蒸発させて、ろう材層を樹脂で被覆したアルミ
ニウム合金チューブを得た。得られた各々のチューブを
直径400mmのリールに巻き、その後整直に加工した
ものを580mm長さに切断した。また、比較のため、
押出後に整直加工し切断したチューブに1本づつろう材
を溶射したアルミニウム合金チューブも用意した。次
に、前記各々のチューブと、厚さ0.07mmのAl−
0.5wt%Si−1wt%Fe−0.5wt%Ni−2wt%
Zn合金条をコルゲート加工したフィンと、3003合
金製ヘッダーパイプとをコアに組付け、これを窒素ガス
雰囲気中で595℃で3.5分間加熱してろう付けして
図1に示す多段コアを作製した。多穴管には、外面をブ
ラスト処理したものとしないものの2種類を用いた。被
覆用樹脂にはフッ化物系フラックスを含有したもの、ま
たはフラックスを含有しないもののいずれかを用い、実
施例1と同様にしてろう付けを行った。
【0030】得られた各々の多段コアを外観観察して局
部的未着部の有無を調べ、また局部的未着部が生じてい
ない部分のフィンの接着率を実施例1と同じ方法により
測定した。結果を表3、4に示す。表3、4には、樹脂
層の厚さを併記する。樹脂層の厚さは樹脂を形成したチ
ューブの重量を測定し、次に樹脂を溶剤に溶かして除去
し乾燥した後の条の重量を測定し、両測定値の差を樹脂
の比重とチューブの上下両外面の面積で除して求めた。
【0031】
【表3】 (注)各樹脂のガラス転移点温度:アクリル系樹脂 180℃、ウレタン系樹脂 200℃、 エポキシ系樹脂 220℃、 メタクリル系樹脂 150℃。
【0032】
【表4】
【0033】表3、4より明らかなように、本発明例品
のNo12〜21はいずれも、リール巻きや整直加工でろ
う材が剥離して脱落したりすることがなく、フィンの接
着率は押出材を直管のまま切断し、溶射後、樹脂被覆し
なかった参考品のNo28と同程度に高くなり良好なろう
付け性を示した。また樹脂にフラックスを混合したNo1
3、14、16、17、19、21はフラックスを塗布
してろう付けしたものと同程度にフィンの接着率が高か
った。ブラスト処理の効果は明瞭には認められなかっ
た。用いた樹脂のガラス転移点はすべて100〜300
℃の範囲内にあり、作業性と経済性に優れた。これに対
し、比較例品のNo22、24は樹脂層が薄かったため、
フィンの接着率が低下した。No23、25は樹脂層が厚
かったため、従来品のNo27はろう材量が多かったため
いずれも局部的未着部が発生した。また従来品のNo26
は樹脂が被覆されていなかったためろう材層が剥離脱落
して不足し、フィンの接着率が著しく低下した。
【0034】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のアルミニ
ウム合金チューブおよび条は、所要面に形成したろう材
層の剥離脱落が樹脂層により防止されるので、チューブ
とフィンのろう付けが良好になされ、またろう材層を薄
く形成できるので多段コアでも局部的未着部が生じ難
い。またろう材層を薄くできるので安価である。また剥
離したろう材片に起因するマシントラブルや爆発事故も
防げる。また樹脂層にフラックスを含有させておくこと
によりフラックスの塗布工程が省略でき生産性が向上す
る。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンデンサの例を示す模式図である。
【図2】コンデンサに生じる局部的未着部の説明図であ
る。
【図3】(a)〜(c)は図2に示した局部的未着部の
発生メカニズムの説明図である。
【符号の説明】
1 チューブ 2 フィン 3 ヘッダーパイプ 4 局部的未着部 5 コア 6 芯材 7 ブレージングシートのろう材層 8 ろう材を溶射したチューブのろう材層 9 ろう材を溶射したチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23C 4/08 C23C 4/08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外面にろう材層が溶射により形成され、
    前記ろう材層に樹脂層が0.2μm以上20μm以下の
    厚さに被覆されていることを特徴とするアルミニウム合
    金チューブ。
  2. 【請求項2】 片面または両面にろう材層が溶射により
    形成され、前記ろう材層に樹脂層が0.2μm以上20
    μm以下の厚さに被覆されていることを特徴とするアル
    ミニウム合金条。
  3. 【請求項3】 樹脂にフラックスが含有されていること
    を特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金チュー
    ブ。
  4. 【請求項4】 樹脂にフラックスが含有されていること
    を特徴とする請求項2記載のアルミニウム合金条。
  5. 【請求項5】 ろう材がSiを15〜50wt%含有し、
    残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウ
    ム合金であることを特徴とする請求項1または3記載の
    アルミニウム合金チューブ。
  6. 【請求項6】 ろう材がSiを15〜50wt%含有し、
    残部がアルミニウムと不可避不純物からなるアルミニウ
    ム合金であることを特徴とする請求項2または4記載の
    アルミニウム合金条。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002542044A (ja) * 1999-04-22 2002-12-10 コラス・アルミニウム・バルツプロドウクテ・ゲーエムベーハー ろう付け用の複合シート状材料料
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