JP2001001136A - フラックスが塗布されたアルミニウム合金製ろう付け用部材およびその製造方法 - Google Patents

フラックスが塗布されたアルミニウム合金製ろう付け用部材およびその製造方法

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JP2001001136A
JP2001001136A JP11171524A JP17152499A JP2001001136A JP 2001001136 A JP2001001136 A JP 2001001136A JP 11171524 A JP11171524 A JP 11171524A JP 17152499 A JP17152499 A JP 17152499A JP 2001001136 A JP2001001136 A JP 2001001136A
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Koichi Yamaguchi
浩一 山口
Satoru Tanaka
哲 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラックスが密着性良く塗布されたAl合金
製ろう付け用部材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 Al合金製部材2の表面にろう材が溶射
法により被覆され、その上にフラックスが塗布されてい
るAl合金製ろう付け用部材12。押出機1から押出さ
れる高温のAl合金製部材2の表面にろう材を溶射法に
より被覆し、その上にフラックスを塗布するAl合金製
ろう付け用部材12の製造方法。 【効果】 溶射法はろう材の溶融液滴を噴射する方法の
ため、溶射被覆されたろう材表面は微細な凹凸面とな
り、この凹凸面上に塗布されるフラックスは前記凹凸面
の凹部のアンカー効果によりろう材上に強固に密着す
る。本発明のろう付け用部材は押出機1から押出される
高温のAl合金製部材2にろう材を溶射し、その上にフ
ラックスを塗布することにより生産性良く製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ろう材とフラックスが安定し
て密着性良く塗布されたアルミニウム合金製ろう付け用
部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用熱交換器などに用いられるアル
ミニウム合金製部材は熱間押出や熱間圧延などにより製
造されるため、その表面には酸化皮膜が厚く形成されて
おり、この酸化皮膜はろう付け性を害するため、フラッ
クスをろう付け直前に塗布して除去される。しかし、前
述のフラックスをろう付け直前に塗布する方法では、フ
ラックスによりろう付け時の作業環境およびろう付け設
備が汚染されるという問題がある。
【0003】そこで、押出される高温のアルミニウム合
金製部材上にアルミニウム合金ろう材粉末、フラック
ス、およびバインダーからなる混合物を連続的に塗布し
て、前記合金部材上にフラックスを予め塗布しておく方
法(特開平7-303858号公報)が開発された。しかし、こ
の方法では、押出部材表面が平滑なため混合物の密着性
が悪く、塗布後の切断、巻取り、ろう付け部材の組み立
てなどの工程で混合物が剥離するという問題がある。バ
インダーには、水系バインダーと有機系バインダーとが
ある。水系バインダーを用いた場合は、ろう材粉末が前
記バインダー中の水分と反応して水素ガス爆発が起きる
恐れがあり、また塗布後の乾燥が不十分だと、ろう付け
加熱時に乾燥不足で残った水分が水蒸気となり、これが
フラックス中のフッ素と反応して極めて腐食性の強いフ
ッ化水素が発生することがある。このフッ化水素は人体
および設備に大きなダメージを与える。有機系バインダ
ーを用いた場合は、有毒ガスが発生し、この有毒ガスを
処理するのに高価な設備が必要になる。
【0004】このようなことから、押出される高温のア
ルミニウム合金製部材上にろう材粉末を塗布し、アルミ
ニウム合金製部材の押出時の熱により、ろう材粉末を溶
融させ、この溶融面にフラックスを塗布する方法(特開
平10-128580 号公報)が開発された。この方法によれ
ば、ろう材粉末を塗布し、溶融させた後フラックスを塗
布するので、フラックスを水系バインダーや水単体に懸
濁させて塗布しても爆発が起きたりしない。しかし、こ
の方法では、ろう材表面が平滑な自由凝固面となるため
フラックスの密着性が悪い。またろう材粉末を、アルミ
ニウム合金製部材の押出時の熱で溶融させるため前記ろ
う材粉末には融点の高いものが利用できないなどの問題
がある。更には押出後のアルミニウム合金製部材の温度
が所定温度より低いとろう材粉末が溶融しないなどの問
題も考えられる。
【0005】この他、ろう材粉末とフラックスを同時に
溶射する方法(特願平5-305492号)が開発されたが、こ
の方法では、粉末とフラックスの比重・形状などの相違
により溶射条件が安定せず、そのため得られる製品のろ
う材とフラックスの付着量が不安定になり、ろう付性に
バラツキが生じる。また高温でフラックスが分解し空気
中の水蒸気と反応してフッ化水素が発生して作業環境が
悪化する。このように、この方法は、ろう材とフラック
スの付着量および作業環境の点で工業的に使用するには
問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、これま
でに開発された前記の (1)ろう材粉末、フラックス、バ
インダーからなる混合物を塗布する方法、 (2)ろう材粉
末を塗布溶融し、その上にフラックスを塗布する方法、
(3)ろう材粉末とフラックスを同時に溶射する方法は、
いずれも、ろう材とフラックスの密着性、ろう材とフラ
ックスの付着量の安定性、作業環境などのいずれかに問
題があり実用できない。本発明は、ろう材とフラックス
が安定して密着性良く塗布されたアルミニウム合金製ろ
う付け用部材およびその製造方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
アルミニウム合金製部材の表面にろう材が溶射法により
被覆され、その上にフラックスが塗布されていることを
特徴とするアルミニウム合金製ろう付け用部材である。
【0008】請求項2記載の発明は、押出機から押出さ
れる高温のアルミニウム合金製部材の表面にろう材を溶
射法により被覆し、その上にフラックスを塗布すること
を特徴とするアルミニウム合金製ろう付け用部材の製造
方法である。
【0009】請求項3記載の発明は、フラックス塗布工
程中におけるろう材被覆アルミニウム合金製部材の表面
温度を500℃〜100℃に制御することを特徴とする
請求項2記載のアルミニウム合金製ろう付け用部材の製
造方法である。
【0010】請求項4記載の発明は、アルミニウム合金
製部材表面の酸化皮膜を除去し、次いでろう材を溶射法
により被覆し、その上にフラックスを塗布することを特
徴とするアルミニウム合金製ろう付け用部材の製造方法
である。
【0011】請求項5記載の発明は、フラックスをスプ
レー法、浸漬法、またはロールコーティング法により塗
布することを特徴とする請求項2、3、4のいずれかに
記載のアルミニウム合金製ろう付け用部材の製造方法で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明のアルミニウ
ム合金製ろう付け用部材は、アルミニウム合金製部材の
表面にろう材が溶射法により被覆され、その上にフラッ
クスが塗布されたものである。前記溶射法はろう材の溶
融液滴を噴射する方法のため、溶射被覆されたろう材表
面は微細な凹凸面となり、この凹凸面上に塗布されるフ
ラックスは前記凹凸面の凹部のアンカー効果によりろう
材上に強固に密着する。また、溶射法では、ろう材の溶
融液滴はアルミニウム合金製部材表面に強く衝突するの
で、ろう材はアルミニウム合金製部材表面に強固に凝着
する。前記合金製部材表面が押出直後などで高温且つ活
性なときは特に凝着力が大きい。この溶射法では融点の
高いろう材も使用できる。
【0013】本発明において、アルミニウム合金製部材
とは、例えば、図5に示すようなろう付けにより組立て
られる熱交換器31の偏平多穴管32などで、形状、材
質などの制約がない。前記偏平多穴管32には加工性に
優れるJIS−3003合金(Al−Mn系合金)、J
IS−1100合金やJIS−1050合金(純アルミ
ニウム系)などが使用される。前記偏平多穴管32は、
熱間押出法、コンフォーム押出法などにより容易に製造
される。図5で41はヘッダー管、42はコルゲートフ
ィンである。本発明において、ろう材にはAl−Si系
合金ろう材などが好適である。
【0014】本発明のアルミニウム合金製ろう付け用部
材は、例えば、押出機から押出される高温のアルミニウ
ム合金製部材の表面にろう材を溶射し、その上にフラッ
クスを塗布する方法、或いはアルミニウム合金製部材表
面の酸化皮膜をサンドブラスト法により除去したのち、
ろう材を溶射法により被覆し、その上にフラックスを塗
布する方法などにより製造される。前記フラックスの塗
布方法には、スプレー法、浸漬法、ロールコーティング
法などが適用される。本発明では、アルミニウム合金製
部材の表面にろう材が溶射法により被覆され、その上に
フラックスが塗布されているので、ろう材の被覆量とフ
ラックスの塗布量とは適正に制御される。
【0015】以下に、本発明の製造方法の実施形態を図
を参照して具体的に説明する。なお、実施形態を説明す
るための全図において、同一機能を有するものは同一符
号を付け、その繰り返しの説明は省略する。図1は、本
発明の製造方法の第1の実施形態を示す工程説明図であ
る。押出機1より偏平多穴管2が連続的に押出され、こ
の偏平多穴管2はろう材溶射ブース(以下溶射ブースと
略記する)3内に移送されて、その表面にろう材の溶融
液滴4が溶射ガン5から噴射される。次いで偏平多穴管
2はフラックス塗布ブース(以下塗布ブースと略記す
る)6内に移送され、ここでフラックス懸濁液(以下懸
濁液と略記する)7がノズル8から偏平多穴管2表面に
噴霧される。次いで偏平多穴管2は乾燥装置9により乾
燥され、次いで冷却装置10で冷却され、圧延ロール1
1で軽圧延されて、アルミニウム合金製ろう付け用偏平
多穴管12が製造される。このろう付け用偏平多穴管1
2は巻付ロール14を具備したスプール13に巻取られ
る。懸濁液7はタンク15に貯留されており、送り管1
6を通って塗布ブース6に移送される。塗布後の余剰と
なった懸濁液7は受け皿17に集められ、戻り管18を
通ってタンク15に戻る。図1で19は懸濁液7を移送
するポンプ、20は懸濁液7を攪拌する装置である。
【0016】図2は、本発明の製造方法の第2の実施形
態を示す工程説明図である。この方法は、フラックス
を、タンク15内の懸濁液7中に浸漬して塗布する他
は、図1に示した製造方法と同じである。図2で21は
ガイドプーリである。
【0017】図3は、本発明の製造方法の第3の実施形
態を示す工程説明図である。この方法では、スプール1
3に巻取られた偏平多穴管2を連続的に繰り出し、これ
をサンドブラスト装置23に通して表面の酸化皮膜を除
去したのち、ろう材を溶射する。ろう材溶射後の工程は
図1に示したものと同じである。この方法では、偏平多
穴管2の表面の酸化皮膜が除去されるので、ろう材は偏
平多穴管2上に良好に密着する。
【0018】アルミニウム合金製部材に残留する水分は
腐食の原因になるのでフラックスを懸濁液として塗布し
た後は水分を十分除去する必要がある。押出される高温
のアルミニウム合金製部材上に、オンラインで、ろう材
を溶射被覆し、その上にフラックスを塗布する方法で
は、水分を十分蒸発させるためにフラックス塗布工程中
におけるろう材被覆アルミニウム合金製部材の表面温度
は500℃〜100℃に制御するのが良い。前記表面温
度が500℃を超えるとフラックスが分解して懸濁液の
水分と反応して有害なフッ化水素ガスが発生する。また
500℃を超えるとフラックスがろう材と先行して反応
し、肝心のろう付時に作用しなくなり良好なろう付けが
できなくなる。因みに常用されるフッ化物系フラックス
の溶融温度は約560℃であり500℃以下なら有害ガ
スの発生やろう材との先行反応は起きない。一方、前記
表面温度が100℃未満では懸濁液中の水分が蒸発せず
に残る恐れがある。100℃以上にすれば、懸濁液中の
水分はアルミニウム合金製部材の押出とろう材の溶射に
よる保有熱により殆どが蒸発する。もし水分が残っても
僅かであり、この僅かな水分は風量の弱いブロワーなど
の簡単な設備で容易に蒸発させることができる。この方
法では、フラックス塗布時の部材温度が高いことと、溶
射により部材表面が凹凸になっていることとが相乗して
フラックスは極めて良好に密着する。前記表面温度は、
押出速度、懸濁液濃度、塗布方法などにより制御するこ
とができる。
【0019】本発明において、フラックスは、スプレー
法、浸漬法、またはロールコーティング法により良好に
塗布することができる。前記浸漬法では、アルミニウム
合金製部材の温度低下が大きいので、懸濁液を加熱する
などして温度低下を極力避けるようにするのが良い。ま
た浸漬後の水分除去には強力な乾燥装置が必要である。
アルミニウム合金製部材をスプールから連続的に供給
し、酸化皮膜除去後、ろう材を溶射被覆し、その上にフ
ラックスをスプレーまたはロールコーターで塗布する方
法では、フラックスはろう材溶射後直ちに塗布して水分
除去に溶射熱を利用するのが望ましい。
【0020】本発明において、懸濁液のフラックス混合
率〔フラックス重量×100/(溶媒重量+フラックス
重量)〕は2〜15%にするのが望ましい。前記混合率
が2%未満では懸濁液の使用量が多くなり水分の除去に
強力な乾燥設備が必要になる。またオンラインで塗布す
る場合はラインスピードを落とす必要があり生産性が低
下する。一方前記混合率が15%を超えると懸濁液の粘
度が増加してノズルに目詰まりが生じたり、フラックス
の塗布厚さが厚くなり過ぎて乾燥し難くなったり、コイ
ル巻き時にフラックスが剥離したりする。
【0021】本発明において、フラックスの塗布量は、
フラックス重量で2〜15g/m2程度が望ましい。前
記重量が2g/m2 未満ではフラックスの酸化皮膜除去
効果が十分に得られず、15g/m2 を超えるとフラッ
クスの塗布厚さが厚くなり剥離し易くなる。
【0022】本発明において、アルミニウム合金製部材
上に被覆されるろう材の表面粗度(Rz)は5〜100
μmが望ましい。表面粗度が5μm未満では十分なアン
カー効果が得られず、100μmを超えると凹部が深く
なり過ぎて懸濁液の乾燥が困難になる。表面粗度は15
〜50μmが特に望ましい。前記表面粗度は、ろう材の
粉末粒度、溶射温度、噴射圧力などにより調節できる。
本発明において、フラックスを塗布し乾燥させたのち、
軽圧延するとフラックスの密着性が向上する。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)図1に示した工程に従ってアルミニウム合
金製ろう付け用偏平多穴管を製造した。即ち、JIS−
1050合金の中実ビレット(外径145mm、長さ4
00mm)を50m/分の押出速度で偏平多穴管2に熱
間押出し、押出される高温の偏平多穴管2表面にAl−
15%Si合金のろう材粉末(粉末粒度37〜75μ
m)を溶射被覆し、その上に濃度5%の弗化物系フラッ
クスの懸濁液7をスプレーにより塗布した。次いで乾燥
装置9にて塗布されたフラックス中の水分を除去してフ
ラックスを偏平多穴管2表面に固着させ、その後冷却装
置10で50℃以下に冷却し、次いで圧延ロール11に
より3%程度軽圧延したのち、スプール13に巻取っ
た。ろう材の被覆量は30g/m2 、弗化物系フラック
スの塗布量は5g/m2 に制御した。
【0024】(実施例2)図2に示した工程に従った他
は、実施例1と同じ方法によりろう付け用偏平多穴管を
製造した。
【0025】(実施例3)図3に示した工程に従った他
は、実施例1と同じ方法によりろう付け用偏平多穴管を
製造した。
【0026】(比較例1)押出される高温のアルミニウ
ム合金製偏平多穴管表面に、Al−15%Si合金のろ
う材粉末を塗布して溶融させ、この上に懸濁液をスプレ
ーした他は、実施例1と同じ方法によりろう付け用偏平
多穴管を製造した。
【0027】実施例1〜3および比較例1で得られた各
々のろう付け用偏平多穴管を長さ500mmに切断して
曲げ試験片とし、この曲げ試験片を図4に示す曲げ試験
治具31を用いて曲げ試験してフラックスの密着性を調
べた。前記曲げ試験では、曲げ試験治具31の円筒体3
2に曲げ試験片33を押付けつつ180°繰返し往復曲
げを行い、剥離せずに曲げられる最大曲げ回数(未剥離
曲げ回数)を調べた。曲げ回数は片道を1回、1往復を
2回と数え、曲げ回数は最大10回までとした。円筒体
32には直径が50〜300mmの6種類を用いた。結
果を表1に示す。
【0028】
【表1】 (注)No.1:実施例1、No.2:実施例2、No.3:実施例3、No.4:比較例1。 *曲げ試験治具の円筒体の直径、単位mm。 ※偏平多穴管の酸化皮膜を除去したのちろう材溶射。#比較例。
【0029】表1より明らかなように、本発明例 (No.1
〜3)は、いずれも10回曲げたあとも剥離は認められな
かった。これに対し、比較例(No.4)では、円筒体の直径
が300mmおよび250mmの場合は3回目の曲げの
途中で、200mmの場合は2回目の曲げの途中で、1
50mm以下の場合は1回目の曲げの途中でそれぞれ剥
離が生じた。
【0030】ところで、図1に示すように、ろう付け用
偏平多穴管12はスプール13に巻取られ、使用時にス
プール13から繰出され、整直、定尺切断されたのち、
熱交換器に組立てられる。このようにろう付け用偏平多
穴管12には、巻取り時と繰出し整直時に曲げ加工が入
る。またスプール13の巻取ロール14には直径200
mm程度のものが多く使用される。このことを背景に実
施例1〜3および比較例1の結果を検討すると、ろう付
け用偏平多穴管をスプールに巻取り、これを熱交換器に
使用する際にフラックスが剥離する危険性は、本発明例
(No.1〜3)では全くないが、比較例(No.4)では大いに
有り得ることが明白である。
【0031】実施例1〜3で製造した本発明例の各々の
ろう付け用偏平多穴管12をスプールから繰り出し整直
し、これを所定長さに切断し、この切断したろう付け用
偏平多穴管の複数本を、図5に示すように一対のヘッダ
ー管41に取付け、前記複数のろう付け用偏平多穴管1
2の間隙に厚さ70μmのA3003合金製コルゲート
フィン42を配置して組付体43とし、これを窒素雰囲
気炉中で600℃で3分間ろう付け加熱した。得られた
熱交換器についてろう付け部を観察したところ、フィレ
ット形状は極めて良好であり、フラックスが密着性良く
塗布されていたことが確認された。
【0032】以上フラックスを水単体に懸濁させて塗布
する場合について説明したが、本発明では、フラックス
を水系バインダー、或いは有機系バインダーに混合して
塗布する場合にも同様の効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のアルミニ
ウム合金製ろう付け用部材は、ろう材が溶融液滴を噴射
する溶射法により被覆されているため、溶射被覆された
ろう材表面は微細な凹凸面となり、この凹凸面上に塗布
されるフラックスは前記凹凸面の凹部のアンカー効果に
よりろう材上に強固に密着する。また、溶射法では、ろ
う材の溶融液滴はアルミニウム合金製部材表面に強く衝
突するので、ろう材はアルミニウム合金製部材表面に強
固に凝着する。ろう材被覆後にフラックスを塗布するの
でろう材の被覆量とフラックスの塗布量とは適正に制御
される。本発明のろう付け用部材は押出機から押出され
る高温のアルミニウム合金製部材にろう材を溶射しその
上にフラックスを塗布する方法で生産性良く、かつ有害
ガスの発生や水素ガス爆発を起こすことなく安定して製
造することができる。室温のアルミニウム合金製部材上
にも、その表面の酸化皮膜をショットブラスト法などで
除去しておくことによりろう材を強固に溶射被覆するこ
とができる。依って、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の第1の実施形態を示す工程
説明図である。
【図2】本発明の製造方法の第2の実施形態を示す工程
説明図である。
【図3】本発明の製造方法の第3の実施形態を示す工程
説明図である。
【図4】アルミニウム合金製ろう付け用部材の曲げ試験
方法の説明図である。
【図5】熱交換器の正面説明図である。
【符号の説明】
1 押出機 2 偏平多穴管(アルミニウム合金製部材) 3 ろう材溶射ブース 4 ろう材の溶融液滴 5 溶射ガン 6 フラックス塗布ブース 7 フラックス懸濁液 8 ノズル 9 乾燥装置 10 冷却装置 11 圧延ロール 12 ろう付け用偏平多穴管(アルミニウム合金製ろう
付け用部材) 13 スプール 14 スプールに具備される巻取ロール 15 タンク 16 送り管 17 受け皿 18 戻り管 19 懸濁液を移送するポンプ 20 攪拌装置 21 ガイドプーリ 23 サンドブラスト装置 31 曲げ試験治具 32 円筒体 33 曲げ試験片 41 ヘッダー管 42 コルゲートフィン 43 組付体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 21/08 F28F 21/08 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金製部材の表面にろう材
    が溶射法により被覆され、その上にフラックスが塗布さ
    れていることを特徴とするアルミニウム合金製ろう付け
    用部材。
  2. 【請求項2】 押出機から押出される高温のアルミニウ
    ム合金製部材の表面にろう材を溶射法により被覆し、そ
    の上にフラックスを塗布することを特徴とするアルミニ
    ウム合金製ろう付け用部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 フラックス塗布工程中におけるろう材被
    覆アルミニウム合金製部材の表面温度を500℃〜10
    0℃に制御することを特徴とする請求項2記載のアルミ
    ニウム合金製ろう付け用部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム合金製部材表面の酸化皮膜
    を除去し、次いでろう材を溶射法により被覆し、その上
    にフラックスを塗布することを特徴とするアルミニウム
    合金製ろう付け用部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 フラックスをスプレー法、浸漬法、また
    はロールコーティング法により塗布することを特徴とす
    る請求項2、3、4のいずれかに記載のアルミニウム合
    金製ろう付け用部材の製造方法。
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