JP2010075966A - ろう付用複合材 - Google Patents
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Abstract
【課題】Zn被覆層にむらが生じることなく耐食性が良好で、且つ、余剰なフラックスを使用しない、ろう付後の外観が良好な熱交換器が得られるろう付用複合材を提供する。
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材11と、基材11上に形成されたZn被覆層12と、を備えるろう付用複合材である。Zn被覆層12は、基材11上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固して形成される。
【選択図】図1
【解決手段】アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材11と、基材11上に形成されたZn被覆層12と、を備えるろう付用複合材である。Zn被覆層12は、基材11上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固して形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、ろう付工法により製造される自動車熱交換器用に適した複合材に関する。
これまで自動車用のアルミニウム製熱交換器では、ベアフィンとチューブ材やヘッダ材にAl−Si系ろう材をクラッドしたブレージングシートが主にラジエータに使用され、ベア押出多穴管と、Al−Si系ろう材をクラッドしたクラッドフィン材との組み合わせが主にコンデンサに使用されて、ろう付されている。ろう付法には真空ろう付法と、ろう付前にフラックスを塗布し、N2ガス等の不活性雰囲気中でろう付する方法がある。ろう付に用いられるフラックスとしては、一般的にKAlF4を主成分とするNOCOLOK FLUX(登録商標)、又はKZnF3を主成分とするNOCOLOK Zn FLUX(登録商標)が使用されている。
また、自動車用熱交換器は過酷な使用環境となるため、腐食によるチューブへの貫通孔発生を防止するために、チューブ表面に犠牲防食層となるZn溶射膜を設ける手法がとられている(例えば、特許文献1)。
また、自動車用熱交換器は過酷な使用環境となるため、腐食によるチューブへの貫通孔発生を防止するために、チューブ表面に犠牲防食層となるZn溶射膜を設ける手法がとられている(例えば、特許文献1)。
前述したフラックスを用いるろう付では、熱交換器部材を組付け、コア形状とした上で、水や有機溶剤を溶媒としたフラックス混濁液をシャワー等で噴霧し、コアにフラックスを塗付する手法が一般的である。場合によって、湿式ではなくフラックス粉体のみを用いた乾式の静電塗布等を用いる場合もある。いずれの場合も、熱交換器の各部位の塗布量を一様に管理するのは難しく、余剰フラックス使用によるコスト増大問題や、余剰フラックスによりろう付後に残渣が増加して美観を損ねるという問題があった。
また、チューブの防食を目的としたZn溶射膜は、溶射ノズルの工夫や、溶射後の冷却速度の工夫により(例えば、特許文献2)均一性を狙った膜の形成を行っているが、溶射の特性上、チューブ表面のZn被覆層のむらは避けられず、ろう付後コアにZn拡散層のむらを生じてしまう。コアのZn被覆層のむらは、ろう付後に局部的な腐食進行をもたらし、均一なZn被覆層に比べ腐食貫通寿命が短くなってしまう問題があった。
これに対し、特許文献3に示されるバインダを用いたフラックス固定技術、及び、特許文献4に示されるZn置換反応を示すフラックスを併せて用いれば、塗料化したZn置換フラックスに適切な塗装方法を選択することで、均一なZn置換フラックス塗膜を熱交換器部材に形成することが可能であり、これら部材を組合せてろう付することで、均一なZn拡散層を形成した熱交換器を製作できる。ところが、バインダを用いたフラックス塗膜は前記の金属Zn溶射層に比べて強度が低いため、部材同士の擦れやハンドリング時に塗膜が部分的に剥離してしまう懸念がある。塗膜が部分的に剥離してしまえば、Zn溶射のむらと同様、Zn被覆層のむらにつながって問題となる
これに対し、特許文献3に示されるバインダを用いたフラックス固定技術、及び、特許文献4に示されるZn置換反応を示すフラックスを併せて用いれば、塗料化したZn置換フラックスに適切な塗装方法を選択することで、均一なZn置換フラックス塗膜を熱交換器部材に形成することが可能であり、これら部材を組合せてろう付することで、均一なZn拡散層を形成した熱交換器を製作できる。ところが、バインダを用いたフラックス塗膜は前記の金属Zn溶射層に比べて強度が低いため、部材同士の擦れやハンドリング時に塗膜が部分的に剥離してしまう懸念がある。塗膜が部分的に剥離してしまえば、Zn溶射のむらと同様、Zn被覆層のむらにつながって問題となる
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、Zn被覆層にむらが生じることなく耐食性が良好で、且つ、余剰なフラックスを使用しない、ろう付後の外観が良好な熱交換器が得られるろう付用複合材を提供することを目的とする。
そこで本発明者等は、Zn粉末、さらにはろう付に用いるフラックス組成物粉末を混合して熱交換器を構成する基材に塗布し、その後、Znの融点以上まで基材を加熱し、Zn被覆層又はフラックス組成物を含有するZn被覆層を基材表面に形成した。Zn被覆層は溶融後に一様な金属層となっているため、バインダ塗膜のように容易に欠落することは無く、また、含有されるフラックス組成物は溶融Zn被覆層内に固定されているため、不用意な脱落から守られる。さらに、フラックス組成物はZn粉末とある一定割合で配合されるので、余剰なフラックス使用も抑えられる。
以上の検討に基づく本発明のろう付用複合材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材と、基材上に形成されたZn被覆層と、を備え、Zn被覆層は、基材上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固して形成されたことを特徴とする。
本発明のろう付用複合材において、Zn被覆層内に、フラックス組成物を含有することが好ましい。フラックス組成物としては、KAlF4、K2SiF6、KZnF3の何れか1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
本発明のろう付用複合材において、Zn被覆層内に、フラックス組成物を含有することが好ましい。フラックス組成物としては、KAlF4、K2SiF6、KZnF3の何れか1種又は2種以上の混合物であることが好ましい。
本発明によれば、Zn粉末を溶融、凝固して形成されているので、Zn被覆層にむらが生じることなく耐食性が良好なろう付用複合材を得ることができる。
また、Zn被覆層がフラックス組成物を含む場合、フラックス組成物の含有量を塗布時に制御できるので、余剰フラックスがほとんど生じないので、ろう付後の外観が良好になる。
また、Zn被覆層がフラックス組成物を含む場合、フラックス組成物の含有量を塗布時に制御できるので、余剰フラックスがほとんど生じないので、ろう付後の外観が良好になる。
図1は、本実施の形態におけるろう付用複合材10の断面を模式的に示す図である。
ろう付用複合材10は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材11と、基材11上に形成されるZn被覆層12と、基材11とZn被覆層12との間に介在される金属結合層13とから構成される。なお、図1ではZn被覆層12は、基材11の一方の面の全面に形成された例を示しているが、本発明は他方の面にもZn被覆層12を設けることもできるし、基材11の一方又は双方の面の一部にZn被覆層12を設けることもできる。
ろう付用複合材10は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材11と、基材11上に形成されるZn被覆層12と、基材11とZn被覆層12との間に介在される金属結合層13とから構成される。なお、図1ではZn被覆層12は、基材11の一方の面の全面に形成された例を示しているが、本発明は他方の面にもZn被覆層12を設けることもできるし、基材11の一方又は双方の面の一部にZn被覆層12を設けることもできる。
<基材11>
基材11は、公知のアルミニウム又はアルミニウム合金を広く適用できる。つまり、純アルミニウム(1000系合金)、Al−Cu系合金(2000系合金)、Al−Mn系合金(3000系合金)、Al−Mg系合金(5000系合金)、Al−Mg−Si系合金(6000系合金)、Al−Zn−Mg系合金(7000系合金)のいずれをも基材11に用いることができる。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、JIS 1050合金に代表される1000系合金やJIS 3003合金に代表される3000系合金が基材11にとって好ましい。
基材11の形状、寸法も本発明で限定される要素ではなく、いかなる形状、寸法についても本発明を適用できる。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、厚さ0.1〜1.0mmの板材を基材11とすることが好ましい。また、ヘッダープレートやサイドサポートに用いる場合には、0.5〜2.0mm程度が好ましい。また、フィン材に用いる場合には、0.05〜0.2mm程度が望ましい。
基材11は、公知のアルミニウム又はアルミニウム合金を広く適用できる。つまり、純アルミニウム(1000系合金)、Al−Cu系合金(2000系合金)、Al−Mn系合金(3000系合金)、Al−Mg系合金(5000系合金)、Al−Mg−Si系合金(6000系合金)、Al−Zn−Mg系合金(7000系合金)のいずれをも基材11に用いることができる。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、JIS 1050合金に代表される1000系合金やJIS 3003合金に代表される3000系合金が基材11にとって好ましい。
基材11の形状、寸法も本発明で限定される要素ではなく、いかなる形状、寸法についても本発明を適用できる。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、厚さ0.1〜1.0mmの板材を基材11とすることが好ましい。また、ヘッダープレートやサイドサポートに用いる場合には、0.5〜2.0mm程度が好ましい。また、フィン材に用いる場合には、0.05〜0.2mm程度が望ましい。
<Zn被覆層12>
Zn被覆層12は、基材11上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固することにより形成される。
本発明におけるZn粉末の塗布量は任意であるが、0.1〜50g/m2の範囲で選択することが好ましい。0.1g/m2未満では十分な厚さのZn被覆層12を形成することが容易でなく、また、50g/m2を超えると犠牲防食層として機能するZn被覆層12の腐食しろが大きくなり過ぎ、腐食によってろう付構造物の形態変化が大きくなってしまう問題点が挙げられる。好ましいZn粉末の塗布量は1〜20g/m2である。
Zn粉末の粒径も、本発明において任意である。一つの指標として、Zn被覆層12の目標厚さ、さらに均一に塗布できるか否かを考慮し、適切な粒径を選択すべきである。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、Zn粉末の粒径は0.1〜50μmとすることが好ましく、0.1〜20μmとすることがより好ましい。
Zn被覆層12は、基材11上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固することにより形成される。
本発明におけるZn粉末の塗布量は任意であるが、0.1〜50g/m2の範囲で選択することが好ましい。0.1g/m2未満では十分な厚さのZn被覆層12を形成することが容易でなく、また、50g/m2を超えると犠牲防食層として機能するZn被覆層12の腐食しろが大きくなり過ぎ、腐食によってろう付構造物の形態変化が大きくなってしまう問題点が挙げられる。好ましいZn粉末の塗布量は1〜20g/m2である。
Zn粉末の粒径も、本発明において任意である。一つの指標として、Zn被覆層12の目標厚さ、さらに均一に塗布できるか否かを考慮し、適切な粒径を選択すべきである。ろう付用複合材10を自動車用熱交換器のチューブに用いることを考慮すると、Zn粉末の粒径は0.1〜50μmとすることが好ましく、0.1〜20μmとすることがより好ましい。
本発明において、Zn粉末を基材11上に塗布する方法は任意であり、静電塗布法、粉体スプレー塗布法等、基材11上に粉末を塗布させられる方法であれば何れの方法でも選択が可能である。溶媒を用いた湿式塗装も選択できるが、溶媒使用によるコストアップを考えれば、溶媒を用いない乾式法による塗布が好適である。
Zn被覆層12は、フラックス組成物を含有することができる。この場合、Zn粉末とフラックス組成物粉末との混合物を基材11上に塗布し、溶融、凝固することによりZn被覆層12が形成される。
本発明は、フラックス組成物を限定するものでないが、KAlF4、K2SiF6、KZnF3の何れか1種又は2種以上の混合物が好ましい。これらフラックス組成物は、ろう付後残渣がアルミニウムに対して非腐食性である点、また、融点やコストの点で好ましい。ただし、ZnF2、ZnCl2、KF、K2AlF5、K3AlF6、AlF3、CsF、RbF、LiF、NaF、Ca2F、CsAlF4等のアルミニウム合金のろう付に一般的なフラックスを用いることもできる。
フラックス組成物粉末の塗布量は任意であるが、1〜50g/m2の範囲で選択することが好ましい。1g/m2未満ではフラックスとしての機能を果たすことができず、また、50g/m2を超えると、フラックスとしての機能は飽和し、且つ、材料成形時にフラックスの崩落が顕著になるためである。好ましいフラックス組成物粉末の塗布量は1〜25g/m2である。
フラックス組成物粉末の粒径も、本発明において任意である。一つの指標として、Zn被覆層12への分散性を考慮すれば、75μm以下とすることが好ましく、25μm以下とすることがより好ましい。
本発明は、フラックス組成物を限定するものでないが、KAlF4、K2SiF6、KZnF3の何れか1種又は2種以上の混合物が好ましい。これらフラックス組成物は、ろう付後残渣がアルミニウムに対して非腐食性である点、また、融点やコストの点で好ましい。ただし、ZnF2、ZnCl2、KF、K2AlF5、K3AlF6、AlF3、CsF、RbF、LiF、NaF、Ca2F、CsAlF4等のアルミニウム合金のろう付に一般的なフラックスを用いることもできる。
フラックス組成物粉末の塗布量は任意であるが、1〜50g/m2の範囲で選択することが好ましい。1g/m2未満ではフラックスとしての機能を果たすことができず、また、50g/m2を超えると、フラックスとしての機能は飽和し、且つ、材料成形時にフラックスの崩落が顕著になるためである。好ましいフラックス組成物粉末の塗布量は1〜25g/m2である。
フラックス組成物粉末の粒径も、本発明において任意である。一つの指標として、Zn被覆層12への分散性を考慮すれば、75μm以下とすることが好ましく、25μm以下とすることがより好ましい。
Zn粉末、さらにはフラックス組成物粉末が塗布された基材11を加熱してZn粉末(フラックス組成物粉末)を溶融、凝固させると、基材11上にZn被覆層12が形成される。加熱の際にZn粉末等の飛散を防ぐために、遠赤外線加熱装置、誘導加熱装置、又は低風速の熱風炉を使用して加熱するのが適当である。
加熱は、大気中でも十分実施可能であるが、塗布量が多い場合等で、加熱中の基材や粉末の酸化膜成長により、基材と粉末の結合が十分に得られない場合には、不活性ガス等の非酸化性雰囲気を用いることも可能である。
加熱温度は、Znの融点(419.5℃)以上であることが要件となる。ただし、この加熱により基材11が溶融することは避けたいので、基材11の融点未満の温度で加熱する必要がある。具体的には、420〜550℃とすれば、Zn粉末を十分に溶融できる。
加熱時間は、加熱方法及び温度によっても左右されるが、全てのZn粉末を溶融させるために、融点以上の温度に達してから好ましくは10秒〜5分保持する。
加熱は、大気中でも十分実施可能であるが、塗布量が多い場合等で、加熱中の基材や粉末の酸化膜成長により、基材と粉末の結合が十分に得られない場合には、不活性ガス等の非酸化性雰囲気を用いることも可能である。
加熱温度は、Znの融点(419.5℃)以上であることが要件となる。ただし、この加熱により基材11が溶融することは避けたいので、基材11の融点未満の温度で加熱する必要がある。具体的には、420〜550℃とすれば、Zn粉末を十分に溶融できる。
加熱時間は、加熱方法及び温度によっても左右されるが、全てのZn粉末を溶融させるために、融点以上の温度に達してから好ましくは10秒〜5分保持する。
<金属結合層13>
基材11とZn被覆層12との間に介在する金属結合層13は、Zn粉末を溶融、凝固させてZn被覆層12を形成する過程で生成される。金属結合層13は、基材11とZn被覆層12との間に拡散で生じた金属結合組織である。この金属結合層13が存在することにより、Zn被覆層12は、基材11に強固に接合される。
基材11とZn被覆層12との間に介在する金属結合層13は、Zn粉末を溶融、凝固させてZn被覆層12を形成する過程で生成される。金属結合層13は、基材11とZn被覆層12との間に拡散で生じた金属結合組織である。この金属結合層13が存在することにより、Zn被覆層12は、基材11に強固に接合される。
基材11として、厚さ1.2mmのJIS 3003/JIS 4045−5%クラッド材を用い、この基材11の片面に、Zn粉末、又はZn粉末とフラックス組成物粉末の混合物(以下、単に混合物)を表1に示すように塗布した。塗布は静電塗布によって行った。
Zn粉末を塗布した後に、450℃で1分保持してZn粉末又は混合物を溶融させ、しかる後室温まで冷却して凝固させてZn被覆層12を形成した。なお、加熱、冷却ともに窒素雰囲気中で行い、加熱は誘導加熱とした。なお、比較例1、2として樹脂バインダでZn粉末又は混合物を基材の片面に固定したろう付用複合材を作製した。また、比較例3としてZn被覆層12を溶射法により形成したろう付用複合材を作製した。なお、比較例3のZn被覆層12は、以下の通りである。
溶射によるZn被覆層:溶融した亜鉛を圧縮空気にて吹付けるアーク溶射法を用い、20g/m2の割合で溶融亜鉛を吹付けて亜鉛溶射被覆膜を形成し、引続いて材料を水槽に投入し20℃以下に冷却し比較材とした。
Zn粉末を塗布した後に、450℃で1分保持してZn粉末又は混合物を溶融させ、しかる後室温まで冷却して凝固させてZn被覆層12を形成した。なお、加熱、冷却ともに窒素雰囲気中で行い、加熱は誘導加熱とした。なお、比較例1、2として樹脂バインダでZn粉末又は混合物を基材の片面に固定したろう付用複合材を作製した。また、比較例3としてZn被覆層12を溶射法により形成したろう付用複合材を作製した。なお、比較例3のZn被覆層12は、以下の通りである。
溶射によるZn被覆層:溶融した亜鉛を圧縮空気にて吹付けるアーク溶射法を用い、20g/m2の割合で溶融亜鉛を吹付けて亜鉛溶射被覆膜を形成し、引続いて材料を水槽に投入し20℃以下に冷却し比較材とした。
以上のようにして作製したろう付用複合材を用いて、ラジエータのヘッダープレートの形状にプレス成形加工を実施して、最終工程後(ピアス工程後)にZn被覆層の剥離状況を目視にて観察して、Zn被覆層の耐加工密着性を評価した。プレス成形加工は、図2に示すように、(a)ドロー → (b)トリム → (c)曲げ → (d)ピアスの計4工程からなる。結果を表1に示す。なお、評価基準は以下のとおりである。
基準: ○:剥離なし △:若干剥離あり ×:剥離大
基準: ○:剥離なし △:若干剥離あり ×:剥離大
また、成形加工後、チューブと組み合わせてろう付処理を行い、以下の基準でろう付性を判定した。
なお、ろう付熱処理については、窒素ガス雰囲気中において605℃の温度で3分間保持した後、100℃/分の冷却速度で室温(25℃)まで冷却して行った。結果を表1に示す。
○:接合部の残存数/接合部の全数の割合が100%であった。
×:接合部の残存数/接合部の全数の割合が100%未満であった。
さらに、ろう付後の耐食性の評価、外観の評価を以下の基準によって行った。
耐食性評価基準:ASTM G85−A3にて規定されるSWAAT耐食試験にて、ろう付熱処理(600℃×3分保持)後の試料につき、Zn被覆層を25日間大気中に曝露した。
○:試験後、孔食による貫通孔が発生しなかったもの
×:試験後、孔食による貫通孔が発生したもの
外観評価基準:○:フラックス残渣が少ない、若しくは外観で殆どみられなかったもの
×:フラックス残渣が多くみられたもの
なお、ろう付熱処理については、窒素ガス雰囲気中において605℃の温度で3分間保持した後、100℃/分の冷却速度で室温(25℃)まで冷却して行った。結果を表1に示す。
○:接合部の残存数/接合部の全数の割合が100%であった。
×:接合部の残存数/接合部の全数の割合が100%未満であった。
さらに、ろう付後の耐食性の評価、外観の評価を以下の基準によって行った。
耐食性評価基準:ASTM G85−A3にて規定されるSWAAT耐食試験にて、ろう付熱処理(600℃×3分保持)後の試料につき、Zn被覆層を25日間大気中に曝露した。
○:試験後、孔食による貫通孔が発生しなかったもの
×:試験後、孔食による貫通孔が発生したもの
外観評価基準:○:フラックス残渣が少ない、若しくは外観で殆どみられなかったもの
×:フラックス残渣が多くみられたもの
基材11として、厚さ1.2mmのJIS 1100/JIS 4045−5%クラッド材を用いた以外は、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
10…ろう付用複合材、11…基材、12…Zn被覆層、13…金属結合層
Claims (3)
- アルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材と、
前記基材上に形成されたZn被覆層と、を備え、
前記Zn被覆層は、前記基材上に塗布されたZn粉末を溶融、凝固して形成されたことを特徴とするろう付用複合材。 - 前記Zn被覆層中に、フラックス組成物を含有することを特徴とする請求項1に記載のろう付用複合材。
- 前記フラックス組成物は、KAlF4、K2SiF6、KZnF3の何れか1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項2に記載のろう付用複合材。
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