JP2019086149A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結した弾性体と、前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備え、前記仕切部材は、前記主液室の隔壁の一部をなすメンブランと、前記メンブランを挟んで前記主液室の反対側に位置し前記メンブランを隔壁の一部に有する中間液室と、前記主液室と前記中間液室とを連通する第1オリフィス通路と、前記中間液室と前記副液室とを連通する第2オリフィス通路と、前記メンブランの外周縁部を、前記主液室側および前記中間液室側の双方向から挟み込む挟着部材と、を備え、前記第1オリフィス通路は、前記主液室側に位置する主液室側通路と、前記中間液室側に位置する中間液室側通路と、を備え、前記主液室側通路および前記中間液室側通路のうちのいずれか一方の通路は、他方の通路より液体の流通抵抗が低く、前記挟着部材は、前記主液室および前記中間液室のうち、前記第1オリフィス通路における液体の流通方向で前記一方の通路側に位置する一方の液室側から前記メンブランを支持する第1挟着部と、前記第1オリフィス通路における液体の流通方向で前記他方の通路側に位置する他方の液室側から前記メンブランを支持する第2挟着部と、を備え、前記第1挟着部は、前記第2挟着部よりも、径方向の内側に長く突出していることを特徴とする。
具体的には、主液室と中間液室とを連通する第1オリフィス通路のうち、中間液室側通路における液体の流通抵抗が、主液室側通路における液体の流通抵抗より低い場合、第2挟着部よりも径方向の内側に向けて長く突出した第1挟着部が、メンブランを中間液室側から支持しているので、同一の押圧力が加えられたときのメンブランの膨出変形量が、主液室側に向けた膨出変形より中間液室側に向けた膨出変形の方が小さくなる。
すなわち、バウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランの中間液室側に向けた膨出変形が第1挟着部により抑止され、主液室の正圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる一方、リバウンド荷重が防振装置に入力されると、第2挟着部が第1挟着部よりも径方向の内側に突出していない分、メンブランの主液室側に向けた膨出変形が、バウンド荷重の入力時の中間液室側に向けた膨出変形と比べて大きくなり、発生する減衰力を低く抑えることができる。
また、前述のように、中間液室側通路における液体の流通抵抗が、主液室側通路における液体の流通抵抗より低い場合、バウンド荷重の入力時に、主液室の液体が、主液室側通路に流入したときに、中間液室側通路に直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、副液室側の液体が、主液室に向けて第1オリフィス通路を流通するときには、主液室側通路と中間液室側通路とで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に発生する減衰力を低く抑えることができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
さらに、前述のように、メンブランが中間液室側よりも主液室側に向けて膨出変形しやすくなっていることから、大きなリバウンド荷重の入力に伴い、主液室が急激に負圧になろうとしても、メンブランが主液室側に向けて膨出変形することで、主液室の負圧を抑えることが可能になり、キャビテーションの発生を抑制することもできる。
すなわち、リバウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランの主液室側に向けた膨出変形が第1挟着部により抑止され、主液室の負圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる一方、バウンド荷重が防振装置に入力されると、第2挟着部が第1挟着部よりも径方向の内側に突出していない分、メンブランの中間液室側に向けた膨出変形が、リバウンド荷重の入力時の主液室側に向けた膨出変形と比べて大きくなり、発生する減衰力を低く抑えることができる。
また、前述のように、主液室側通路における液体の流通抵抗が、中間液室側通路における液体の流通抵抗より低い場合、リバウンド荷重の入力時に、副液室の液体が、第2オリフィス通路を通して中間液室内に流入した後、中間液室側通路に流入したときに、主液室側通路に直接流入する場合と比べて、大きな抵抗が付与される。これにより、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
一方、主液室の液体が、副液室側に向けて第1オリフィス通路を流通するときには、主液室側通路と中間液室側通路とで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、バウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
この場合、メンブランが、第1挟着部の内周縁部に当接しているので、振動の入力時に、メンブランが第1挟着部の内周縁部に衝突するのを抑制することが可能になり、異音の発生を確実に抑制することができる。また、メンブランが、第1挟着部の内周縁部に当接していることから、比較的振幅の小さい振動であっても、メンブランを前記一方の液室側に向けて膨出変形させる荷重が入力されたときに、高い減衰力を発生させることができる。
具体的には、中間液室側通路における液体の流通抵抗が、主液室側通路における液体の流通抵抗より低い場合、同一の押圧力が加えられたときのメンブランの膨出変形量は、中間液室側に向けた膨出変形より主液室側に向けた膨出変形の方が大きくなる。
したがって、リバウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランが、偏膨出部により主液室側に向けて大きく膨出変形することで、発生する減衰力を低く抑えることができる。一方、バウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランの中間液室側に向けた膨出変形が、リバウンド荷重の入力時の主液室側に向けた膨出変形と比べて小さくなり、主液室の正圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる。
前述とは逆に、主液室側通路における液体の流通抵抗が、中間液室側通路における液体の流通抵抗より低い場合、同一の押圧力が加えられたときのメンブランの膨出変形量は、主液室側に向けた膨出変形量より中間液室側に向けた膨出変形量の方が大きくなる。
したがって、バウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランが、偏膨出部により中間液室側に向けて大きく膨出変形することで、発生する減衰力を低く抑えることができる。一方、リバウンド荷重が防振装置に入力されると、メンブランの主液室側に向けた膨出変形が、バウンド荷重の入力時の中間液室側に向けた膨出変形と比べて小さくなり、主液室の負圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる。
図1に示すように、防振装置1は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材11、および他方に連結される第2取付部材12と、第1取付部材11と第2取付部材12とを連結した弾性体13と、第1取付部材11内の液室14を、弾性体13を隔壁の一部とする主液室15、および副液室16に仕切る仕切部材17と、を備えている。図示の例では、仕切部材17は、液室14を、第1取付部材11の中心軸線Oに沿う軸方向に仕切っている。
この防振装置1が、例えば自動車のエンジンマウントとして使用される場合、第1取付部材11が振動受部としての車体に連結され、第2取付部材12が振動発生部としてのエンジンに連結される。これにより、エンジンの振動が車体に伝達することが抑えられる。なお、第1取付部材11を振動発生部に連結し、第2取付部材12を振動受部に連結してもよい。
第2取付部材12は、表裏面が前記中心軸線Oに直交する平板状に形成されている。第2取付部材12は、例えば円板状に形成され、前記中心軸線Oと同軸に配置されている。第2取付部材12は、第1取付部材11の上方に配置されている。第2取付部材12の外径は、第1取付部材11の内径と同等になっている。
ダイヤフラム19および弾性体13により、液体が封入される液室14が第1取付部材11内に画成されている。なお、液室14に封入される液体としては、例えば水やエチレングリコールなどを用いることができる。
第1オリフィス溝23aは、前記中心軸線Oを中心に、第1連通孔23bから周方向の一方側に向けて180°を超える角度範囲にわたって周方向に延びている。
メンブラン31の外周縁部31aが、第1挟着部25と第2挟着部38とにより軸方向に挟まれて固定されることにより、メンブラン31は、外周縁部31aを固定端として軸方向に弾性変形可能に支持されている。
第2オリフィス溝33aは、前記中心軸線Oを中心に、第2連通孔33bから周方向の一方側に向けて180°を超える角度範囲にわたって周方向に延びている。第2オリフィス溝33a、および第1オリフィス溝23aそれぞれにおける周方向の一方側の端部は、同等の周方向の位置に配置されている。
なお、規制突起26は、中実に形成してもよく、前記中心軸線Oと同軸に配設しなくもてよい。
以下、第1オリフィス通路21のうち、主液室15側に位置して第1オリフィス溝23aにより画成された部分を主液室側通路21aといい、中間液室35側に位置して第2オリフィス溝33aにより画成された部分を中間液室側通路21bという。
図示の例では、主液室側通路21aの流路断面積が、中間液室側通路21bの流路断面積より小さくなっている。接続孔21cの開口面積が、主液室側通路21aの流路断面積より小さくなっている。接続孔21cの流路長は、主液室側通路21aおよび中間液室側通路21bの各流路長より短い。
例えば、主液室側通路21aの流通抵抗が、第1連通孔23bの流通抵抗より高い場合、第1連通孔23bを通過して主液室側通路21aに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、液体を主液室15から副液室16側に向けて流通させるバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、接続孔21cの流通抵抗が、主液室側通路21aの流通抵抗より高い場合、主液室側通路21aを通過して接続孔21cに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、中間液室側通路21bの流通抵抗が、接続孔21cの流通抵抗より高い場合、接続孔21cを通過して中間液室側通路21bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、第2連通孔33bの流通抵抗が、中間液室側通路21bの流通抵抗より高い場合、中間液室側通路21bを通過して第2連通孔33bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、バウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
また本実施形態では、主液室側通路21aおよび中間液室側通路21bは、流路径より流路長が長い通路となっている。ここで、図示の例では、第1オリフィス通路21の流路断面形状が矩形状となっており、この場合、流路径は、流路断面形状を、同一の流路断面積を有する円形状に置き換えたときの、この円形状の直径で表すことができる。
そして、本実施形態では、メンブラン31を中間液室35側から支持する第1挟着部25は、メンブラン31を主液室15側から支持する第2挟着部38よりも、径方向の内側に長く突出している。第1挟着部25において、第2挟着部38より径方向の内側に位置する部分は、メンブラン31の本体部31bの下面における外周部を支持している。第1挟着部25の内周縁部において、メンブラン31が当接する上面は、径方向の内側に向かうに従い漸次、主液室15から離れるように下方に向けて傾斜している。図示の例では、第1挟着部25の内周縁部の上面は、主液室15側に向けて突の曲面状に形成されている。メンブラン31は、第2挟着部38の下面における全域にわたって当接している。
なお、第1挟着部25の内周縁部の上面は、前記中心軸線Oに直交する方向に延びる平坦面であってもよい。メンブラン31は、第1挟着部25の上面における全域にわたって当接してもよい。
すなわち、バウンド荷重が防振装置1に入力されると、メンブラン31の中間液室35側に向けた膨出変形が第1挟着部25により抑止され、主液室15の正圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる一方、リバウンド荷重が防振装置1に入力されると、第2挟着部38が第1挟着部25よりも径方向の内側に突出していない分、メンブラン31の主液室15側に向けた膨出変形が、バウンド荷重の入力時の中間液室35側に向けた膨出変形と比べて大きくなり、発生する減衰力を低く抑えることができる。
一方、副液室16側の液体が、主液室15に向けて第1オリフィス通路21を流通するときには、主液室側通路21aと中間液室側通路21bとで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、リバウンド荷重の入力時に発生する減衰力を低く抑えることができる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
また、前述した各作用効果が、例えば、主液室15内の液圧が所定値に達したときに作動する部材を採用せず、前述したような、中間液室側通路21bにおける液体の流通抵抗と、主液室側通路21aにおける液体の流通抵抗と、が互いに異なり、かつメンブラン31が、主液室15および中間液室35双方の隔壁の一部をなし、挟着部材39が第1挟着部25および第2挟着部38を備える構成によって奏されることから、比較的振幅の小さい振動であっても、前述の作用効果を安定して精度よく奏功させることができる。
また、第1オリフィス通路21の主液室側通路21aが、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する主液室15側からの液体に付与される抵抗が高められ、バウンド荷重の入力時に発生する減衰力をより一層確実に高めることができる。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、メンブラン31の下面を、第1挟着部25の内周縁部の上面から上方に離間させてもよい。メンブラン31の偏膨出部23を、第1挟着部25の内周面より上方に位置させてもよい。メンブラン31の下面を、第1挟着部25の内周面に接触させてもよい。
したがって、リバウンド荷重が防振装置1に入力されると、メンブラン31が、偏膨出部23により主液室15側に向けて大きく膨出変形することで、発生する減衰力を低く抑えることができる。一方、バウンド荷重が防振装置1に入力されると、メンブラン31の中間液室35側に向けた膨出変形が、リバウンド荷重の入力時の主液室15側に向けた膨出変形と比べて小さくなり、主液室15の正圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を確実に高めることができる。
また、偏膨出部23が、第1挟着部25の内側に張り出しているので、同一の押圧力が加えられたときの、主液室15側に向けたメンブラン31の膨出変形を、中間液室35側に向けたメンブラン31の膨出変形よりも大きくする構成をより一層確実に実現することができる。
また、メンブラン31が、第1挟着部25の内周縁部に当接しているので、バウンド荷重の入力時に、メンブラン31が第1挟着部25の内周縁部に衝突するのを抑制することが可能になり、異音の発生を確実に抑制することができる。また、メンブラン31が、第1挟着部25の内周縁部に当接していることから、比較的振幅の小さい振動であっても、バウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
外側フランジ部24は、本体部材34の上面における内周縁部から上方に向けて突出している。外側フランジ部24、および本体部材34それぞれの内周面は、面一となっている。
例えば、中間液室側通路21bの流通抵抗が、第2連通孔33bの流通抵抗より高い場合、第2連通孔33bを通過して中間液室側通路21bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、液体を副液室16から主液室15側に向けて流通させるリバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、接続孔21cの流通抵抗が、中間液室側通路21bの流通抵抗より高い場合、中間液室側通路21bを通過して接続孔21cに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、主液室側通路21aの流通抵抗が、接続孔21cの流通抵抗より高い場合、接続孔21cを通過して主液室側通路21aに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
例えば、第1連通孔23bの流通抵抗が、主液室側通路21aの流通抵抗より高い場合、主液室側通路21aを通過して第1連通孔23bに進入したときの液体の流通抵抗が増大し、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力が発生する。
そして、本実施形態では、第2挟着部29よりも径方向の内側に向けて長く突出した第1挟着部27が、メンブラン37を主液室15側から支持し、第2挟着部29が、メンブラン37を中間液室35側から支持している。
メンブラン37の本体部37bのうち、外周縁部37aより下方に位置する部分は、第2挟着部29の内側に挿入されている。メンブラン37の本体部37bのうち、外周縁部37aより下方に位置する部分の外周面(以下、メンブラン37の本体部37bの外周面37cという)と、第2挟着部29の内周面と、の間に径方向の隙間が設けられている。第2挟着部29の内周面、およびメンブラン37の本体部37bの外周面37cはそれぞれ、軸方向に延びている。第2挟着部29の内周面と、メンブラン37の本体部37bの外周面37cと、は略平行になっている。なお、第2挟着部38の内周面、およびメンブラン37の本体部37bの外周面37cを互いに傾斜させてもよい。
なお、第1挟着部27の内周縁部の下面は、前記中心軸線Oに直交する方向に延びる平坦面であってもよい。メンブラン37は、第1挟着部27の下面における全域にわたって当接してもよい。
すなわち、リバウンド荷重が防振装置2に入力されると、メンブラン37の主液室15側に向けた膨出変形が第1挟着部27により抑止され、主液室15の負圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる一方、バウンド荷重が防振装置2に入力されると、第2挟着部29が第1挟着部27よりも径方向の内側に突出していない分、メンブラン37の中間液室35側に向けた膨出変形が、リバウンド荷重の入力時の主液室15側に向けた膨出変形と比べて大きくなり、発生する減衰力を低く抑えることができる。
一方、主液室15の液体が、副液室16側に向けて第1オリフィス通路21を流通するときには、主液室側通路21aと中間液室側通路21bとで流通抵抗が互いに異なっていたとしても、両者が互いに連続して1つのオリフィス通路を構成しているので、液体がその境界部分を通過する際に生ずる抵抗を抑えることが可能になり、バウンド荷重の入力時に発生する減衰力を抑制することができる。
以上より、リバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力を、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力より確実に高めることが可能になり、これらの両減衰力の差を大きくし、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を高めることができる。
また、第1オリフィス通路21の中間液室側通路21bが、流路径より流路長が長い通路となっているので、この部分を流通する副液室16側からの液体に付与される抵抗が高められ、リバウンド荷重の入力時に発生する減衰力をより一層確実に高めることができる。
なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、メンブラン37の上面を、第1挟着部27の内周縁部の下面から下方に離間させてもよい。メンブラン37の偏膨出部36を、第1挟着部27の内周部の内周面より下方に位置させてもよい。メンブラン37の上面を、第1挟着部27の内周部の内周面に接触させてもよい。
したがって、バウンド荷重が防振装置2に入力されると、メンブラン37が、偏膨出部36により中間液室35側に向けて大きく膨出変形することで、発生する減衰力を低く抑えることができる。一方、リバウンド荷重が防振装置2に入力されると、メンブラン37の主液室15側に向けた膨出変形が、バウンド荷重の入力時の中間液室35側に向けた膨出変形と比べて小さくなり、主液室15の負圧が緩和しにくく、発生する減衰力が高くなる。
以上より、バウンド荷重の入力時に生ずる減衰力に対するリバウンド荷重の入力時に生ずる減衰力の比率を確実に高めることができる。
また、偏膨出部36が、第1挟着部27の内側に張り出しているので、同一の押圧力が加えられたときの、中間液室35側に向けたメンブラン37の膨出変形を、主液室15側に向けたメンブラン37の膨出変形よりも大きくする構成をより一層確実に実現することができる。
また、メンブラン37が、第1挟着部27の内周縁部に当接しているので、リバウンド荷重の入力時に、メンブラン37が第1挟着部27の内周縁部に衝突するのを抑制することが可能になり、異音の発生を確実に抑制することができる。また、メンブラン37が、第1挟着部27の内周縁部に当接していることから、比較的振幅の小さい振動であっても、リバウンド荷重の入力時に高い減衰力を発生させることができる。
なお、この第5実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
また、前記実施形態では、支持荷重が作用することで主液室15に正圧が作用する圧縮式の防振装置1〜5について説明したが、主液室15が鉛直方向下側に位置し、かつ副液室16が鉛直方向上側に位置するように取り付けられ、支持荷重が作用することで主液室15に負圧が作用する吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
また、本発明に係る防振装置1〜5は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
11 第1取付部材
12 第2取付部材
13 弾性体
14 液室
15 主液室
16 副液室
17 仕切部材
21 第1オリフィス通路
21a 主液室側通路
21b 中間液室側通路
22 第2オリフィス通路
23、36 偏膨出部
25、27 第1挟着部
29、38 第2挟着部
31、37 メンブラン
31a、37a 外周縁部
35 中間液室
41 支持突起
Claims (8)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、
前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結した弾性体と、
前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に仕切る仕切部材と、を備え、
前記仕切部材は、
前記主液室の隔壁の一部をなすメンブランと、
前記メンブランを挟んで前記主液室の反対側に位置し前記メンブランを隔壁の一部に有する中間液室と、
前記主液室と前記中間液室とを連通する第1オリフィス通路と、
前記中間液室と前記副液室とを連通する第2オリフィス通路と、
前記メンブランの外周縁部を、前記主液室側および前記中間液室側の双方向から挟み込む挟着部材と、を備え、
前記第1オリフィス通路は、前記主液室側に位置する主液室側通路と、前記中間液室側に位置する中間液室側通路と、を備え、前記主液室側通路および前記中間液室側通路のうちのいずれか一方の通路は、他方の通路より液体の流通抵抗が低く、
前記挟着部材は、前記主液室および前記中間液室のうち、前記第1オリフィス通路における液体の流通方向で前記一方の通路側に位置する一方の液室側から前記メンブランを支持する第1挟着部と、前記第1オリフィス通路における液体の流通方向で前記他方の通路側に位置する他方の液室側から前記メンブランを支持する第2挟着部と、を備え、
前記第1挟着部は、前記第2挟着部よりも、径方向の内側に長く突出していることを特徴とする防振装置。 - 前記第1挟着部の内周縁部において、前記メンブランが当接する部分は、径方向の内側に向かうに従い漸次、前記他方の液室から離れるように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記メンブランは、前記第1挟着部の内周縁部に当接していることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
- 前記メンブランは、前記挟着部材に挟み込まれた外周縁部と、前記外周縁部より径方向の内側に位置し、かつ厚肉に形成された本体部と、を備え、
前記本体部のうち、前記外周縁部より前記他方の液室側に位置する部分の外周面と、前記第2挟着部の内周面と、の間に径方向の隙間が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置。 - 前記メンブランには、同一の押圧力が加えられたときに、前記一方の液室側に向けた膨出変形より、前記他方の液室側に向けた膨出変形を大きくする偏膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の防振装置。
- 前記偏膨出部は、前記一方の液室側に向けて突の曲面状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の防振装置。
- 前記偏膨出部は、前記第1挟着部の内側に張り出していることを特徴とする請求項6に記載の防振装置。
- 前記第1挟着部、および前記メンブランの外周縁部のうちの少なくとも一方に、他方に向けて突出して当接する複数の支持突起が形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の防振装置。
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