JP2019085717A - 床版防水層の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性の良い簡略な手順にて、防水機能だけでなく、アスファルト舗装およびコンクリート系床版の補強機能を兼ね備えた、床版防水層の施工方法を提供する。【解決手段】コンクリート系床版とアスファルト舗装の間に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法であって、加熱型塗膜防水材を、下塗り用加熱型塗膜防水材と上塗り用加熱型塗膜防水材の2層に分割し、コンクリート系床版に塗布した下地処理剤の上面に、下塗り用加熱型塗膜防水材を塗布した直後、硬化する前に網状補強シートを敷設する第1の工程と、下塗り用加熱型塗膜防水材の硬化後、網状補強シートの上面に、上塗り用加熱型塗膜防水材を塗布する第2の工程と、を備え、網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製である。【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁のコンクリート床版に床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法に関する。
近年、橋梁や高速道路等の道路橋におけるコンクリート系床版は、交通量の増加や車両重量の増大等の過酷な環境に晒されることにより、ひび割れ等の疲労損傷を生じる場合が多い。このような状態において、アスファルト舗装の破損や目地部から雨水等がコンクリート床版の損傷部に侵水すると、床版を構成する鉄筋の腐食やコンクリートの土砂化が進行し、コンクリート床版の最終的な破壊形状であるコンクリートの抜け落ちが生じる。
このため、コンクリート床版の耐久性向上の観点から、コンクリート床版とアスファルト舗装との間には、床版防水層を形成する。床版防水層としては、コンクリート床版上に工場製造品である防水シートを貼り付けて施工するシート系床版防水層と、コンクリート床版上に防水材を塗布もしくは散布して硬化させる塗膜系床版防水層、の2種が主に採用されている。
例えば、特許文献1には、コンクリート床版とアスファルト舗装体との間に複合防水シートを設置する、いわゆるシート系床版防水層の施工方法が開示されている。具体的には、樹脂系防水層と熱可塑性樹脂層と網状の植物繊維を含む層とを積層した複合防水シートを工場にて作製し、これを施工現場に搬入して床版接着剤層を介してコンクリート床版の上面に敷設した後、その上面にアスファルト舗装体を敷設する。このとき、複合防水シートは、網状の植物繊維を含む層が床版接着剤層に面して、また、熱可塑性樹脂層がアスファルト舗装体に面して敷設されている。
特開2012−21315号公報
特許文献1によれば、複合防水シートをコンクリート床版に容易に接着することができるため、短い施工期間でコンクリート床版上に床版防水層を形成することが可能である。また、複合防水シートに網状の植物繊維を含む層を備えることから、コンクリート床版と複合防水シートの接着性がより高まるため、熱可塑性樹脂層に弾性を有する材料を採用することにより、複合防水シートのコンクリート床版に対するひび割れ追従性を向上することが可能となる。
しかし、特許文献1の複合防水シートは、少なくとも樹脂系防水層と熱可塑性樹脂層とを積層した構造であることからその重量が大きく、施工現場への搬入や敷設作業が煩雑となりやすい。
また、複合防水シートを用いて形成した床版防水層は、層厚が厚くなるだけでなく、例えば、熱可塑性樹脂層にポリエステル系の材料を採用した場合には、撤去時に産業廃棄物として取り扱わなければならず、その処分費用が増大しかねない。
さらに、複合防水シートは、網状の植物繊維を含む層を備えるなどしてコンクリート床版への接着性を高めて、ひび割れ追従性能を向上させる構造としているが、コンクリート床版に生じたひび割れの成長を抑止できるような引張強度を有していない。
このため、熱可塑性樹脂層および樹脂系防水層が弾性限界に達する程度に成長したひび割れがコンクリート床版に形成された場合には、複合防水シートはそのまま破断してしまい、本来の目的である防水機能を失うこととなる。加えて、このようなコンクリート床版のひび割れが放置されると、アスファルト舗装体に対するリフレクションクラックの発生をも招きかねない。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、作業性の良い簡略な手順にて、防水機能だけでなく、アスファルト舗装およびコンクリート系床版の補強機能を兼ね備えた、床版防水層の施工方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の床版防水層の施工方法は、コンクリート系床版とアスファルト舗装の間に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法であって、加熱型塗膜防水材を、下塗り用加熱型塗膜防水材と上塗り用加熱型塗膜防水材の2層に分割し、前記コンクリート系床版に塗布した下地処理剤の上面に、前記下塗り用加熱型塗膜防水材を塗布した直後、硬化する前に前記網状補強シートを敷設する第1の工程と、前記下塗り用加熱型塗膜防水材の硬化後、前記網状補強シートの上面に、前記上塗り用加熱型塗膜防水材を塗布する第2の工程と、を備え、前記網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製であることを特徴とする。
また、本発明の床版防水層の施工方法は、コンクリート系床版とアスファルト舗装の間に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法であって、前記コンクリート系床版に塗布した下地処理剤の上面に、前記網状補強シートを敷設する第1の工程と、前記網状補強シートの上面に、前記加熱型塗膜防水材を塗布し硬化させる第2の工程と、を備え、前記網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製であるとともに、その裏面に不織布を備え、該不織布を前記下地処理剤に接触させることを特徴とする。
本発明の床版防水層の施工方法は、前記網状補強シートの、引張強度が100kN/m以上230kN/m以下、伸長率が3.0%以下、であることを特徴とする。
本発明の床版防水層の施工方法によれば、コンクリート床版とアスファルト舗装との間に、いわゆる塗膜系床版防水層の施工手順に倣った方法で加熱型塗膜防水材を現場にて塗布しつつ、網状補強シートを敷設することにより、網状補強シートが敷設された積層塗膜防水材を施工し、コンクリート床版の上面に床版防水層を形成することが可能となる。
また、網状補強シートは、いわゆるシート系床版防水層において用いられている防水シートのように、工場等にて改質アスファルトを含浸させたものではないことから、軽量で取り扱いが容易である。したがって、現場への搬入作業を容易に行えるとともに、荷姿をロール形状としておけば、施工時には人力または機械にて、容易に敷設することが可能となり、工期短縮に寄与する。
また、網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製であるとともに、当該網状補強シートと加熱型塗膜防水材とを施工現場にて一体に形成する。すると、コンクリート床版の上面は、加熱型塗膜防水材を介して、高い引張強度と低い伸長率を有する網状補強シートにて補強された態様となる。
これにより、コンクリート床版に対して局所的に繰り返し載荷される通行車両の輪荷重を、網状補強シートにて分散し、コンクリート床版の広い範囲に伝達することができるため、コンクリート床版の押し抜きせん断耐力および正方向の曲げ耐力を向上させることが可能となり、ひび割れやこれが進展して生じるコンクリートの抜け落ち等の疲労損傷の抑制に寄与することが可能となる。
一方で、橋梁の連続桁や連続スラブの中間支点部近傍のような、コンクリート床版に曲げ変形が生じた際に上面側が引張側となる位置では、網状補強シートにて応力を分散してコンクリート床版の上面側に生じるひび割れを抑制させることができ、コンクリート床版の負方向の曲げ耐力を向上することも可能となる。
さらに、網状補強シートにてコンクリート床版の上面に生じるひび割れの成長を抑制することができることから、コンクリート床版のひび割れに起因してアスファルト舗装に生じる、リフレクションクラックの発生を抑制することも可能となる。
本発明によれば、塗膜系床版防水層の施工手順に倣った方法で、網状補強シートが敷設された積層塗膜防水材を施工し、コンクリート床版の上面に床版防水層を形成するため、簡略な手順にて作業性良く、防水機能と、アスファルト舗装およびコンクリート系床版の補強機能を兼ね備えた床版防水層を、コンクリート床版とアスファルト舗装との間に形成することが可能となる。
本発明の実施の形態における積層塗膜防水材を備えた床版防水層を示す図である。 本発明の実施の形態における積層塗膜防水材を備えた床版防水層の施工方法を示す図である(その1)。 本発明の実施の形態における網状補強シートの詳細を示す図である。 本発明の実施の形態における積層塗膜防水材を備えた床版防水層の施工方法を示す図である(その2)。 本発明の実施の形態における積層塗膜防水材を備えた床版防水層の施工方法の他の実施の形態を示す図である。
本発明は、コンクリート床版の上面に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を施工し、床版防水層に、コンクリート床版に対する防水機能だけでなく、アスファルト舗装のひび割れ防止機能およびコンクリート床版の補強機能を付与するものである。以下に、本実施の形態におけるコンクリート床版の床版防水層の施工方法を、図1〜図4を参照しつつ説明する。
床版防水層3は、図1(a)で示すように、路面から雨水や塩化物イオンが侵入することにより生じるコンクリート床版1の劣化を防止するべく、コンクリート床版1とアスファルト舗装層2との間に敷設されるものであり、下地処理剤4と珪砂6の間に積層塗膜防水材8を備える、いわゆるアスファルト加熱型の塗膜系床版防水層に準じた構造を有する。
本実施の形態では、これら積層塗膜防水材8が、加熱型塗膜防水材5を下塗り用加熱型塗膜防水材51と上塗り用加熱型塗膜防水材52の上下2層に分割し、その間に網状補強シート7を敷設して形成される点に、大きな特徴を有している。このような積層塗膜防水材8を備えた床版防水層3の施工方法を、順を追って説明する。
<前処理>
まず、前処理として、コンクリート床版1の上面をグラインダーやケレン棒等で研掃した後、エアコンプレッサやブロアにて清掃を行い、平滑面を形成する。この後、コンクリート床版1の上面に、図2(a)で示すように、下地処理剤4を塗布して乾燥させる。なお、本実施の形態では、下地処理剤4をコンクリート床版1に対し0.4l/m2程度塗布している。
下地処理剤4は、コンクリート床版1の表面に浸透し、コンクリート床版1と加熱型塗膜防水材5との接着効果を高めるものであればいずれを採用してもよく、本実施の形態では、ゴムアスファルトを溶剤で溶解した溶解型プライマーを採用している。
<第1の工程>
次に、図2(b)で示すように、下地処理剤4が乾燥したことを確認した後、その上面に加熱溶融した下塗り用加熱型塗膜防水材51をゴム刷毛もしくは毛刷毛等を用いて塗布する。なお、下塗り用加熱型塗膜防水材51は、コンクリート床版1の上面が不陸を生じている場合の調整を行う機能も有しており、本実施の形態では、1.2kg/m2程度塗布している。
2層に分割した加熱型塗膜防水材5の下層をなす下塗り用加熱型塗膜防水材51は、防水対象に塗布した後に硬化させると、防水対象の表面に防水膜を形成するもので、本実施の形態では、アスファルトをベースに、熱可塑性ゴムと高分子エストラマーからなるゴムアスファルト系の加熱型塗膜防水材を採用している。なお、必ずしも上述のものに限定することなく、「構造物施工管理要領」(東日本・中日本・西日本高速道路株式会社、平成26年7月)に記載されている床版防水材のグレードIBの規格に適合する、アスファルト系の塗膜防水材であれば、いずれを採用してもよい。
そして、図2(c)で示すように、下塗り用加熱型塗膜防水材51を塗布した後であって硬化する前に、網状補強シート7の敷設を行い、下塗り用加熱型塗膜防水材51と網状補強シート7とを接着させる。
網状補強シート7は、100kN/m以上230kN/m以下、好ましくは115kN/m以上215kN/m以下の引張強度(縦方向および横方向共に)と、3.0%以下、好ましくは2.5%以下の伸長率を備えた高強度グリッド材であり、図3(a)で示すように、ガラス長繊維グリッド71と、その裏面に塗布した粘着剤72とにより構成されている。
ガラス長繊維グリッド71は、12〜25mm程度の目合いを設けるようグラスファイバーを格子状に編み込んで成形したシートであり、全体に含浸材73が含浸されている。含浸材73は、アスファルトとの親和性を有し、また粘着剤72と相まってアスファルトに対して高い接着性能を確保でき、かつ、ガラス長繊維グリッド71に引張力が作用した際に、ガラス長繊維を保護して安定した引張強度を確保できる樹脂であればいずれを採用してもよいが、本実施の形態では、合成樹脂、特に特殊アクリル樹脂を採用している。
粘着剤72は、アスファルトに対して高い接着性能を有する材料であればいずれを採用してもよく、本実施の形態では、圧着型の接着剤を採用している。そして、網状補強シート7は、この粘着剤72が塗布されている裏面を下塗り用加熱型塗膜防水材51に接触するように敷設されている。
上記のとおり網状補強シート7は、いわゆるシート系床版防水層で用いられるような、工場にて不織布や織物にアスファルトとの親和性を確保するべく改質アスファルトを含浸させた防水シートと比較して軽量であるため、現場への搬入作業を容易に行えるとともに、荷姿をロール形状としておくことにより、施工時には人力または機械にて容易に敷設することができる。
なお、ガラス長繊維グリッド71としては、高い引張強度と低い伸長率を備え、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸していれば、いずれの材料より製造されたものを採用してもよいが、例えば、アスファルト舗装のクラック抑制に用いられているサンゴバン株式会社製のグラスグリッド(登録商標)が好適である。グラスグリッドを下塗り用加熱型塗膜防水材51の上面に敷設する際には、橋軸方向の重ね代および橋軸直交方向の重ね代ともに、少なくとも10cm以上確保するとよい。
このような構成の網状補強シート7を、溶融した下塗り用加熱型塗膜防水材51の上面に敷設すると、網状補強シート7は、下塗り用加熱型塗膜防水材51と相性の良い粘着剤72及び含浸材73を介して、下塗り用加熱型塗膜防水材51の上面に完全接着する。また、溶融した下塗り用加熱型塗膜防水材51は、ガラス長繊維グリッド71の目合いから膨出して食い込んだ状態で硬化する。このように、網状補強シート7は、下塗り用加熱型塗膜防水材51と確実に一体となり、コンクリート床版1に対して下塗り用加熱型塗膜防水材51とともに、高い変形追従性を発揮することが可能となる。
<第2の工程>
下塗り用加熱型塗膜防水材51の硬化を確認した後、図4(a)で示すように、網状補強シート7の上面から上塗り用加熱型塗膜防水材52を塗布する。このとき、上塗り用加熱型塗膜防水材52は、網状補強シート7の上面と、網状補強シート7の目合いから膨出する下塗り用加熱型塗膜防水材51の両者に対して塗布する。
なお、2層に分割した加熱型塗膜防水材5の上層をなす上塗り用加熱型塗膜防水材52は、上述した下塗り用加熱型塗膜防水材51と同様の材料を採用している。また、その塗布量は、網状補強シート7を被覆でき、かつ、下塗り用加熱型塗膜防水材51と足し合わせて防水材として機能するに十分な厚さを有していればよく、本実施の形態では、下塗り用加熱型塗膜防水材51より薄い1.0kg/m2程度塗布している。
つまり、下塗り用加熱型塗膜防水材51と上塗り用加熱型塗膜防水材52は、両者の層厚を足し合わせて、床版防水層3に防水機能を付与すべく必要な層厚を確保していれば、施工条件やコンクリート床版1の上面状態等に応じて、下塗り用加熱型塗膜防水材51と上塗り用加熱型塗膜防水材52の層厚のバランスを、現場にて作業性や経済性を考慮しつつ適宜調整することができる。
こうして、網状補強シート7の上面に溶融した上塗り用加熱型塗膜防水材52を塗布した後に硬化させると、上塗り用加熱型塗膜防水材52の下面は、含浸材73を備えた網状補強シート7になじみよく接着されるとともに、網状補強シート7の目合いを介して、下塗り用加熱型塗膜防水材51と接合される。これにより、網状補強シート7を、下塗り用加熱型塗膜防水材51と上塗り用加熱型塗膜防水材52とで挟み込むようにして敷設した、積層塗膜防水材8が形成される。
最後に、図4(b)で示すように、上塗り用加熱型塗膜防水材52の硬化を確認した後、珪砂6を散布して養生し、床版防水層3の施工を終了する。なお、珪砂6には、アスファルト加熱型の塗膜系床版防水層を施工する際に一般に用いられている粒径のものを用いればよく、本実施の形態では、珪砂4号〜6号を採用している。
この後、図4(c)で示すように、アスファルト基層およびアスファルト表層よりなるアスファルト舗装層2を施工して、道路構造物が構築される。
このように、床版防水層3の施工方法は、いわゆる塗膜系床版防水層の施工手順に倣った方法で、網状補強シート7を敷設した積層塗膜防水材8を施工し、コンクリート床版1の上面に床版防水層3を形成する方法であり、工場にて不織布や織物に改質アスファルトを含浸させた防水シートを現場に搬入し、これを用いて床版防水層を施工するシート系床版防水層とは、その施工方法が全く異なるものである。
そして、網状補強シート7が敷設された積層塗膜防水材8は、下塗り用加熱型塗膜防水材51により下地処理剤4を介して、コンクリート床版1の上面に高い接着性をもって接合される。一方で、上塗り用加熱型塗膜防水材52の上面もアスファルト舗装層2の下面になじみよく接着される。
これにより、例えば、アスファルト舗装層2のひび割れ部や部分補修の境界部等から、アスファルト舗装層2の下面に浸水が生じた場合にも、積層塗膜防水材8がコンクリート床版1に対する防水機能を発揮し、コンクリート床版1の劣化を抑制することが可能となり、アスファルト舗装層2の剥離や浮き、ポットホールの発生等を抑制することも可能となる。
また、積層塗膜防水材8は、コンクリート床版1に対するアスファルト舗装層2の接着層として機能することから、アスファルト舗装層2上で、車両が発進および停止を行うことに起因して生じるせん断作用により、アスファルト舗装層2がコンクリート床版1上をスライドする現象を防止することが期待できる。
さらに、積層塗膜防水材8において、下塗り用加熱型塗膜防水材51に食い込んだ状態で完全接着された網状補強シート7は、下塗り用加熱型塗膜防水材51を介してコンクリート床版1の全面に均質に接着される。したがって、コンクリート床版1の上面は、高い引張強度と低い伸長率を備えた網状補強シート7にて、補強された態様となる。
これにより、図1(a)で示すように、コンクリート床版1に対して局所的に繰り返し載荷される通行車両の輪荷重を網状補強シート7にて分散し、コンクリート床版1の広い範囲に伝達することができる。このため、コンクリート床版1の押し抜きせん断耐力および正方向の曲げ耐力を向上させることが可能となり、ひび割れやこれが進展して生じるコンクリートの抜け落ち等の疲労損傷の抑制に寄与することできる。
一方で、橋梁の連続桁や連続スラブの中間支点部近傍のような、コンクリート床版1に曲げ変形が生じた際に上面側が引張側となる位置では、網状補強シート7にて応力を分散して、コンクリート床版1の上面に生じるひび割れを抑制させることができ、コンクリート床版1の負方向の曲げ耐力を向上することも可能となる。
さらに、図1(b)で示すように、コンクリート床版1に対して下面から上面に達するようなひび割れが生じ、ひび割れを挟む左右のコンクリート床版1が異なる挙動を示すような事象が生じた場合にも、これらコンクリート床版1の挙動を網状補強シート7にて吸収し水平方向に分散させることができる。これにより、コンクリート床版1に発生したひび割れ起因してアスファルト舗装層2にひび割れが生じるような、いわゆるリフレクションクラックの発生を抑制することも可能となる。また、網状補強シート7により、流動わだちを軽減することも可能となる。
このように、網状補強シート7が敷設された積層塗膜防水材8を床版防水層3に備えることにより、床版防水層3に、コンクリート床版1に対する防水機能だけでなく、アスファルト舗装のひび割れ防止等の補強機能およびコンクリート床版の補強機能を付与することが可能となる。
また、床版防水層3の施工にあたり、網状補強シート7を敷設した積層塗膜防水材8は、いわゆる塗膜系床版防水層の施工手順に倣った方法で形成できるため、新たな設備や特殊な作業の導入を不要とし、簡略な手順にて施工することが可能となる。
さらに、アスファルト舗装層2および床版防水層3の撤去時には、網状補強シート7を含めて切削してアスファルト殻とし、これを再生加熱アスファルト混合物として利用することも可能である。
本発明の床版防水層の施工方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、網状補強シート7に、裏面に粘着剤72が塗布されたガラス長繊維グリッド71を採用したが、ガラス長繊維グリッド71には、アスファルトとの親和性を有する含浸材73が含浸されていることから、粘着剤72は、必ずしも塗布されていなくてもよい。
また、本実施の形態では、加熱型塗膜防水材5を下塗り用加熱型塗膜防水材51と上塗り用加熱型塗膜防水材52の上下2層に分割し、その間に網状補強シート7を敷設して、積層塗膜防水材8を備える床版防水層3を形成したが、必ずしも加熱型塗膜防水材5を2層に分割しなくてもよい。
具体的には、図5(a)で示すように、前処理工程にてコンクリート床版1の上面に、下地処理剤4を塗布して乾燥させた後、第1の工程として、下地処理剤4の上面に網状補強シート7を敷設する。この後、第2の工程として、網状補強シート7の上面から加熱型塗膜防水材5を塗布する。こうして、網状補強シート7の上面に溶融した加熱型塗膜防水材5を塗布した後に硬化させると、コンクリート床版1上に積層塗膜防水材8が形成される。
このとき、加熱型塗膜防水材5は、前述した下塗り用加熱型塗膜防水材51および上塗り用加熱型塗膜防水材52と同様の材料を採用すればよい。また、網状補強シート7は、図5(b)で示すように、含浸材73を含浸したガラス長繊維グリッド71の裏面に、粘着剤72に代えて不織布74を積層したものを採用するとよい。こうすると、コンクリート床版1の上面が平滑面に形成されていない場合であっても、不織布74を介してガラス長繊維グリッド71をコンクリート床版1の上面になじみよく敷設することが可能となる。
1 コンクリート床版
2 アスファルト舗装層
3 床版防水層
4 下地処理剤
5 加熱型塗膜防水材
51 下塗り用加熱型塗膜防水材
52 上塗り用加熱型塗膜防水材
6 珪砂
7 網状補強シート
71 ガラス長繊維グリッド
72 粘着剤
73 含浸材
74 不織布
8 積層塗膜防水材

Claims (3)

  1. コンクリート系床版とアスファルト舗装の間に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法であって、
    加熱型塗膜防水材を、下塗り用加熱型塗膜防水材と上塗り用加熱型塗膜防水材の2層に分割し、
    前記コンクリート系床版に塗布した下地処理剤の上面に、前記下塗り用加熱型塗膜防水材を塗布した直後、硬化する前に前記網状補強シートを敷設する第1の工程と、
    前記下塗り用加熱型塗膜防水材の硬化後、前記網状補強シートの上面に、前記上塗り用加熱型塗膜防水材を塗布する第2の工程と、を備え、
    前記網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製であることを特徴とする床版防水層の施工方法。
  2. コンクリート系床版とアスファルト舗装の間に、加熱型塗膜防水材と網状補強シートを積層した積層塗膜防水材を備える床版防水層を形成するための、床版防水層の施工方法であって、
    前記コンクリート系床版に塗布した下地処理剤の上面に、前記網状補強シートを敷設する第1の工程と、
    前記網状補強シートの上面に、前記加熱型塗膜防水材を塗布し硬化させる第2の工程と、を備え、
    前記網状補強シートが、アスファルトとの親和性を有する樹脂を含浸したガラス長繊維製であるとともに、その裏面に不織布を備え、該不織布を前記下地処理剤に接触させることを特徴とする床版防水層の施工方法。
  3. 請求項1または2に記載の床版防水層の施工方法であって、
    前記網状補強シートの、引張強度が100kN/m以上230kN/m以下、伸長率が3.0%以下、であることを特徴とする床版防水層の施工方法。
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