JP2019085549A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高弾性率と優れた光学特性とを両立できる光学フィルムを提供する。【解決手段】重量平均分子量が210,000以上のポリアミドイミド樹脂と、シリカ粒子とを含む光学フィルムにおいて、該シリカ粒子の含有量が、光学フィルムの質量に対して3〜70質量%である、光学フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、画像表示装置の前面板等として用いられる光学フィルムに関する。
液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示装置は、携帯電話やスマートウォッチといった種々の用途に広く活用されている。このような画像表示装置の前面板としてガラスが用いられてきた。ガラスは、透明度が高く、ガラスの種類によっては高硬度を発現できる反面、非常に剛直であり、割れやすいため、フレキシブルディスプレイの前面板材料としての利用は難しい。そのため、ガラスに代わる材料として高分子材料の活用が検討されている。高分子材料からなる前面板はフレキシブル特性を発現し易いため、種々の用途に用いることが期待できる。耐屈曲性を有する樹脂としては種々のものが挙げられるが、その一つにポリアミドイミド樹脂がある。ポリアミドイミド樹脂は、透明性や耐熱性の観点から、種々の用途で使用されている(例えば特許文献1)。
特開2011−207955号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、ポリアミドイミド樹脂にシリカ粒子を添加した光学フィルムは、耐屈曲性を維持しつつ、弾性率を向上することができるものの、例えば光学フィルムのヘイズや黄色度を増大させ、光学特性を悪化させる場合があることがわかった。
従って、本発明の目的は、高い弾性率と優れた光学特性とを両立できる光学フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、重量平均分子量が210,000以上のポリアミドイミド樹脂と、シリカ粒子とを含む光学フィルムにおいて、シリカ粒子の含有量が、光学フィルムの質量に対して3〜70質量%であると、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]重量平均分子量が210,000以上のポリアミドイミド樹脂と、シリカ粒子とを含む光学フィルムであって、該シリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量に対して3〜70質量%である、光学フィルム。
[2]シリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量に対して5〜70質量%である、[1]に記載の光学フィルム。
[3]ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して20〜90モル%である、[1]又は[2]に記載の光学フィルム。
[4]ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位のうち、式(2a)
Figure 2019085549
[式(2a)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、*は結合手を表す]
で表される基を有する構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して0〜80モル%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5]ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位のうち、式(2b)
Figure 2019085549
[式(2b)中、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜R14に含まれる水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、mは0又は1であり、A及びAはそれぞれ独立に−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−S−、−SO−、−CO−又は−NR15−を表し、R15は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、*は結合手を表す]
で表される基を有する構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して3〜70モル%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6]ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるテトラカルボン酸化合物由来の構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して10〜60モル%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルム。
[7]ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は800,000以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
本発明の光学フィルムは、高い弾性率を有するとともに、優れた光学特性を有する。
本発明の光学フィルムは、ポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子とを含む。
<ポリアミドイミド樹脂>
本明細書においてポリアミドイミド樹脂とは、イミド基を含む繰り返し構造単位とアミド基を含む繰り返し構造単位の両方を含有する重合体を表す。ポリアミドイミド樹脂は、ジカルボン酸化合物、テトラカルボン酸化合物、必要に応じてトリカルボン酸化合物を含むカルボン酸化合物と、ジアミン化合物とが共重合された樹脂であることが好ましい。そのため、本発明のポリアミドイミド樹脂は、ジカルボン酸化合物由来の構成単位、テトラカルボン酸化合物由来の構成単位、及び必要に応じてトリカルボン酸化合物由来の構成単位を含むカルボン酸化合物由来の構成単位とジアミン化合物由来の構成単位とを含む。なお、本明細書において、「化合物由来の構成単位」を単に、「単位」と称する場合がある。例えば、ジカルボン酸「化合物由来の構成単位」をジカルボン酸「単位」と称し、テトラカルボン酸「化合物由来の構成単位」をテトラカルボン酸「単位」と称し、ジアミン「化合物由来の構成単位」をジアミン「単位」と称する場合などがある。
ジカルボン酸化合物は、ジカルボン酸又はジカルボン酸誘導体を示し、ジカルボン酸誘導体としては、例えば該ジカルボン酸の酸クロリドやエステル体などが挙げられる。ジカルボン酸単位は、式(1)
Figure 2019085549
で表される化合物由来の構成単位(ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位と称する場合がある)を含むことが好ましい。ここで、本発明のポリアミドイミド樹脂において、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位は、ジアミン化合物由来の構成単位とWの両側に形成されたアミド基を介して結合し得る。ジカルボン酸単位として、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位が1種類又は2種類以上含まれていてもよく、2種類以上含まれる場合、それぞれのジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位においてWの種類が異なる。
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、−OH、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu又は−Clであり、好ましくは−Clである。
式(1)において、Wは2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基を表す。前記有機基は、炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。Wとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基、式(2a)で表される基並びに炭素数6以下の2価の鎖式炭化水素基が例示される。なお、式(1)中のWが式(2a)で表される基を含む化合物由来の構成単位を芳香族ジカルボン酸化合物(A)由来の構成単位と称する場合がある。
Figure 2019085549
[式(2a)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、*は結合手を表す]
本発明の実施態様において、得られる光学フィルムの光学特性を向上、例えば黄色度を低減しやすい観点から、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)又は式(27)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基;並びに式(2a)で表される基が好ましい。なお、本明細書において、光学フィルムの光学特性とは、例えば光学フィルムのヘイズ(Hazeと表記することもある)、黄色度(YI値と表記することもある)、全光線透過率などを示し、光学フィルムの光学特性が向上するとは、ヘイズ及び黄色度等が低減されること、並びに全光線透過率が大きくなることを示す。
本発明の好適な実施態様において、得られる光学フィルムの機械的強度を向上、例えば弾性率を高めやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂は、ジカルボン酸単位として、式(1)中のWが後述の式(26)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のうち、隣接しない2つが水素原子に置き換わった基で表される基;並びに式(2a)で表される基を含むことが好ましく、特に式(2a)で表される基を含むことがより好ましい。原料の入手性や有機溶剤への溶解性がよいという観点から、式(2a)中のmが1〜2であるとより好ましく、mが1であるとさらに好ましい。また、式(2a)中のR〜Rが全て水素原子であると、弾性率向上の点でさらに有利である。
本発明の好適な実施態様において、良好な耐屈曲性を発現しやすい観点から、ポリアミドイミド樹脂は、ジカルボン酸単位として、2つ以上の芳香族炭化水素環が単結合及び芳香族基を除く二価の基で連結された芳香族ジカルボン酸化合物由来の構成単位を含む。芳香族炭化水素環としては、例えばベンゼン環等の単環式炭化水素環;ナフタレン等の縮合二環式炭化水素環、ビフェニル等の環集合炭化水素環等の多環式炭化水素環が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。
具体的には、2つ以上の芳香族炭化水素環が単結合及び芳香族基を除く二価の基で連結された芳香族ジカルボン酸化合物由来の構成単位は、式(1)において、Wが、式(2b)
Figure 2019085549
[式(2b)中、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜R14に含まれる水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、mは0又は1であり、A及びAはそれぞれ独立に−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−S−、−SO−、−CO−又は−NR15−を表し、R15は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、*は結合手を表す]
で表される基であることが好ましい。なお、式(1)中のWが式(2b)で表される基を含む化合物由来の構成単位を芳香族ジカルボン酸化合物(B)由来の構成単位と称する場合がある。
式(2b)において、乾燥温度を低温化しやすく、また良好な耐屈曲性を有する光学フィルムが得られやすい観点から、A及びAは、それぞれ独立に、好ましくは−O−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−S−又は−SO−を表し、より好ましくは−O−、−CH−、−C(CH−又は−SO−を表し、さらに好ましくは−O−を表す。R〜R14は、原料の入手性や機械的強度がよいという観点から、好ましくは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、より好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、さらに好ましくは水素原子を表す。ここで、R〜R14に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、mは好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。mは好ましくは0である。
本発明のより好適な実施態様において、式(2b)は式(2b’):
Figure 2019085549
で表される。ジカルボン酸単位として、式(1)中のWが式(2b’)で表される化合物由来の構成単位を含有するポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムは、より機械的強度(例えば、弾性率や耐屈曲性)を向上しやすい。
ジカルボン酸単位を構成するジカルボン酸化合物の具体例としては、例えば4,4’−オキシビス安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、2つの安息香酸が単結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−もしくはフェニレン基で連結された化合物等の芳香族ジカルボン酸及びそれらの誘導体(例えば酸クロリド、酸無水物);炭素数8以下である鎖式炭化水素のジカルボン酸化合物等の脂肪族ジカルボン酸及びそれらの誘導体(例えば酸クロリド、エステル体)などが挙げられる。これらのジカルボン酸化合物は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中でも、光学フィルムの弾性率と耐屈曲性の両立を達成するためには、前記芳香族ジカルボン酸化合物(A)由来の構成単位を構成するジカルボン酸化合物と芳香族ジカルボン酸化合物(B)由来の構成単位を構成するジカルボン酸化合物を併用することが好ましい。具体的には、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)とテレフタロイルクロリドの併用が好ましい例として挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるジカルボン酸単位の含有量は、カルボン酸単位の全構成単位の総モル数に対して、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上、最も好ましくは60モル%以上であり、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。ジカルボン酸単位の含有量が上記の下限値以上であると、ジカルボン酸単位に由来するアミド結合間水素結合により光学フィルムの機械的強度(例えば弾性率)を向上させることができる。また、ジカルボン酸単位の含有量が上記の上限値以下であると、ジカルボン酸単位に由来するアミド結合間水素結合による増粘を抑制することで、後述するポリアミドイミドワニスの粘度を抑制することができ、光学フィルムの加工を容易にすることができる。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるジカルボン酸単位のうち、式(2a)で表される基を有する構成単位、例えば芳香族ジカルボン酸化合物(A)由来の構成単位の含有量は、カルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは0モル%以上、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上、最も好ましくは50モル%以上であり、好ましくは80モル%以下、より好ましくは75モル%以下、さらに好ましくは70モル%以下である。式(2a)で表される基を有する構成単位の含有量が上記の下限値以上であると、式(2a)で表される基を有する構成単位に由来する構造的剛直性により光学フィルムの機械的強度(例えば弾性率)を向上させることができる。また、上記の上限値以下であると、式(2a)で表される基を有する構成単位に由来するアミド結合間水素結合による増粘を抑制することで、するポリアミドイミドワニスの粘度を抑制することができ、光学フィルムの加工を容易にする。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるジカルボン酸単位のうち、式(2a)で表される基を有する構成単位、例えば芳香族ジカルボン酸化合物(A)由来の構成単位の含有量は、ジカルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは0モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モル%以上であり、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。式(2a)で表される基を有する構成単位の含有量が、上記の下限値以上であると式(2a)で表される基を有する構成単位に由来する構造的剛直性により光学フィルムの機械的強度(例えば弾性率)を向上させることができ、上記の上限値以下であると光学フィルムの耐屈曲性が良好となる傾向がある。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるジカルボン酸単位のうち、式(2b)で表される基を有する構成単位、例えば芳香族ジカルボン酸化合物(B)由来の構成単位の含有量は、カルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは7モル%以上、特に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは65モル%以下、さらに好ましくは60モル%以下である。式(2b)で表される基を有する構成単位の含有量が、上記の下限値以上であると式(2b)で表される基を有する構成単位に由来する構造的柔軟性により光学フィルムの耐屈曲性が向上する傾向があり、上記の上限値以下であると、式(2b)で表される基を有する構成単位に由来するアミド結合間水素結合による増粘を抑制することで、後述するポリアミドイミドワニスの粘度を抑制することができ、光学フィルムの加工を容易にすることができる。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるジカルボン酸単位のうち、式(2b)で表される基を有する構成単位、例えば芳香族ジカルボン酸化合物(B)由来の構成単位の含有量は、ジカルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、さらに好ましくは7モル%以上、特に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは100モル%以下である。式(2b)で表される基を有する構成単位の含有量が、上記の下限値以上であると光学フィルムの耐屈曲性が向上する傾向がある。なお、ジカルボン酸単位の含有量、式(2a)で表される基を有する構成単位、及び式(2b)で表される基を有する構成単位等の含有量等は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
テトラカルボン酸化合物は、テトラカルボン酸又はテトラカルボン酸誘導体を示し、テトラカルボン酸誘導体としては、例えばテトラカルボン酸の無水物などが挙げられる。テトラカルボン酸単位は、式(3)
Figure 2019085549
で表される化合物由来の構成単位(テトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位と称する場合がある)を含むことが好ましい。ここで、本発明のポリアミドイミド樹脂において、テトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位は、ジアミン化合物由来の構成単位とYの両側に形成されたイミド基を介して結合し得る。テトラカルボン酸単位として、テトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位が1種類又は2種類以上含まれていてもよく、2種類以上含まれる場合、それぞれのテトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位においてYの種類が異なる。
式(3)において、Yは、それぞれ独立に、4価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の4価の有機基を表す。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)、又は式(29)で表される基;それらの式で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2019085549
式(20)〜式(29)中、
*は結合手を表し、
は、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−Ar−、−SO−、−CO−、−O−Ar−O−、−Ar−O−Ar−、−Ar−CH−Ar−、−Ar−C(CH−Ar−又は−Ar−SO−Ar−を表す。Arは、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリーレン基を表し、具体例としてはフェニレン基が挙げられる。得られる光学フィルムの弾性率を向上しやすい観点から、式(3)において、Yは、式(26)、(28)及び(29)で表される基が好ましい。また、光学フィルムの黄色度を低減しやすい観点から、式(3)において、Yは、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)又は式(27)で表される基;並びにそれら基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基が好ましい。加えて、Wは、光学フィルムの黄色度を抑制しやすい観点から、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−又は−C(CF−であることが好ましく、単結合、−O−、−CH−、−C(CH−又は−C(CF−であることがより好ましく、−C(CH−又は−C(CF−であることがさらに好ましく、−C(CF−であることが特に好ましい。
本発明の好適な実施態様において、式(3)中のYは、式(4)
Figure 2019085549
[式(4)中、R16〜R23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R16〜R23に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される。
式(4)において、好ましくはR16〜R21が水素原子、R22及びR23が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはR16〜R21が水素原子、R22及びR23が水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、ここで、R22及びR23に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。R22及びR23は、それぞれ独立に、光学フィルムの弾性率を向上しやすく、かつ光学特性を高めやすい、例えば黄色度を低減しやすいという観点から、さらに好ましくはメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくはメチル基又はトリフルオロメチル基である。
本発明の好適な実施態様において、式(4)は、式(4’):
Figure 2019085549
で表される。テトラカルボン酸単位として、式(3)中のYが式(4’)で表される化合物由来の構成単位を含有するポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムは、ヘイズが低減されるとともに、全光線透過率を高めることができるため、優れた透明性を有する。さらにフッ素元素を含有する骨格によりポリアミドイミド樹脂の溶媒への溶解性を向上し、ポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができ、また光学フィルムの製造が容易となる。
テトラカルボン酸単位を構成するテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸及びその無水物、好ましくはその二無水物等の芳香族テトラカルボン酸化合物;脂肪族テトラカルボン酸及びその無水物、好ましくはその二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸化合物等が挙げられる。テトラカルボン酸化合物は、無水物の他、酸クロリド等のテトラカルボン酸化合物の誘導体であってもよく、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDAと表記することもある)、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。また、単環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物が挙げられ、縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらの中でも、好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、1,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物及び4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられ、より好ましくは4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物及び4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、環式又は非環式の脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、脂環式炭化水素構造を有するテトラカルボン酸二無水物であり、その具体例としては、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等のシクロアルカンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル3,3’−4,4’−テトラカルボン酸二無水物及びこれらの位置異性体が挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物及び非環式脂肪族テトラカルボン酸二無水物を組み合わせて用いてもよい。
テトラカルボン酸化合物の中でも、光学フィルムの弾性率、耐屈曲性、及び光学特性を向上しやすい観点から、好ましくは前記脂環式テトラカルボン酸二無水物又は非縮合多環式の芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。具体例としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物及びこれらの混合物が好ましく、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物及びこれらの混合物がより好ましく、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物がさらに好ましい。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるテトラカルボン酸単位の含有量は、カルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下である。テトラカルボン酸単位の含有量が上記の上限値以下であると機械的強度(例えば弾性率)を向上させることができる傾向があり、上記の下限値以上であると、溶剤への溶解性や光学特性を向上させる(例えばヘイズや黄色度を低減させる)ことができる傾向がある。
ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるテトラカルボン酸単位のうち、式(4)で表される基を有する構成単位、例えば式(3)中のYが式(4)で表される化合物由来の構成単位の含有量は、カルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、好ましくは60モル%以下、より好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは40モル%以下である。また、ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸単位に含まれるテトラカルボン酸単位のうち、式(4)で表される基を有する構成単位の含有量は、テトラカルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上であり、好ましくは100モル%以下である。式(4)で表される基を有する構成単位の含有量が上記の範囲であると、光学フィルムの黄色度が低減され、光学特性を向上できる。さらにポリアミドイミド樹脂の溶媒への溶解性がより向上し、ポリアミドイミドワニスの粘度をより低く抑制することができ、また光学フィルムの製造が容易となる。なお、テトラカルボン酸単位の含有量、及び式(4)で表される基を有する構成単位の含有量等は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
上記ポリアミドイミド樹脂に含まれるカルボン酸単位において、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位の含有量は、テトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは1モル以上、さらに好ましくは2モル以上であり、好ましくは5モル以下、より好ましくは4モル以下、さらに好ましくは3モル以下である。ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位の含有量が上記下限値以上であると、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムは、機械的強度(例えば弾性率)が高くなる傾向があり、上記上限値以下であると、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位中のアミド結合間の水素結合による増粘を抑制し、ポリアミドイミドワニスの粘度を低減することができ、光学フィルムの製造が容易となる。
ポリアミドイミド樹脂は、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの各種物性を損なわない範囲で、式(5)
Figure 2019085549
で表される化合物由来の構成単位(テトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位と称する場合がある)、及び/又はトリカルボン酸化合物由来の構成単位を含むことができる。
本発明のポリアミドイミド樹脂が、テトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位を含む場合、テトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位は、ジアミン化合物由来の構成単位とYの両側に形成されたイミド基又はアミド基を介して結合し得る。テトラカルボン酸単位として、テトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位が1種類又は2種類以上含まれていてもよく、2種類以上含まれる場合、それぞれのテトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位においてYの種類が異なる。
式(5)において、Yは4価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基、並びに4価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。また、R24及びR25は、それぞれ独立して、−OH、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu又は−Clであり、好ましくは−Clである。
トリカルボン酸化合物由来の構成単位を構成するトリカルボン酸化合物は、トリカルボン酸又はトリカルボン酸誘導体を示し、トリカルボン酸誘導体としては、例えばトリカルボン酸の酸クロリドやエステル体などが挙げられる。
トリカルボン酸単位は、式(6)
Figure 2019085549
で表される化合物由来の構成単位(トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位と称する場合がある)を含むことが好ましい。本発明のポリアミドイミド樹脂が、トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位を含む場合、トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位は、ジアミン化合物由来の構成単位とYの両側に形成されたイミド基又はアミド基を介して結合し得る。トリカルボン酸単位として、トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位が1種類又は2種類以上含まれていてもよく、2種類以上含まれる場合、それぞれのトリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位においてYの種類が異なる。また、R26は、−OH、−OMe、−OEt、−OPr、−OBu又は−Clであり、好ましくは−Clである。
式(6)において、Yは3価の有機基であり、好ましくは有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよい有機基である。Yとしては、式(20)、式(21)、式(22)、式(23)、式(24)、式(25)、式(26)、式(27)、式(28)又は式(29)で表される基の結合手のいずれか1つが水素原子に置き換わった基、並びに3価の炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
本発明のポリアミドイミド樹脂がトリカルボン酸単位を含む場合、トリカルボン酸単位を構成するトリカルボン酸化合物としては、芳香族トリカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸及びそれらの誘導体(例えば、酸クロリド、酸無水物等)が挙げられ、その具体例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸の無水物;2,3,6−ナフタレントリカルボン酸−2,3−無水物;フタル酸無水物と安息香酸とが単結合、−O−、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−SO−もしくはフェニレン基で連結された化合物が挙げられる。これらのトリカルボン酸化合物は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の好適な実施態様において、ポリアミドイミド樹脂に含まれるカルボン酸単位は、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位及びテトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位、並びに場合によりトリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位からなる。また、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの光学特性の向上、例えば黄色度低減の観点から、ポリアミドイミド樹脂に含まれるカルボン酸単位のうち、ジカルボン酸単位及びテトラカルボン酸単位の総モル数は、ジカルボン酸単位及びテトラカルボン酸単位、並びに場合によりトリカルボン酸単位の総モル数に対して、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、よりさらに好ましくは98モル%以上であり、100モル%であってもよい。また、ジカルボン酸単位及びテトラカルボン酸単位は、ジカルボン酸単位及びテトラカルボン酸単位、並びに場合によりトリカルボン酸単位の総モル数に対して、通常100モル%以下である。なお、上記含有量は、例えば、H−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
ジアミン化合物は、式(7)
Figure 2019085549
で表される化合物由来の構成単位(ジアミン化合物(7)由来の構成単位)を含むことが好ましい。ジアミン単位として、ジアミン化合物(7)由来の構成単位が1種類又は2種類以上含まれていてもよく、2種類以上含まれる場合、それぞれのジアミン化合物(7)由来の構成単位においてXの種類が異なる。ここで、本発明のポリアミドイミド樹脂において、ジアミン化合物(7)由来の構成単位は、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位とXの両側に形成されたアミド基を介して結合でき、テトラカルボン酸化合物(3)由来の構成単位とXの両側に形成されたイミド基を介して結合でき、テトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位とXの両側に形成されたイミド基又はアミド基を介して結合でき、トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位とXの両側に形成されたイミド基又はアミド基を介して結合できる。
式(7)において、Xは、2価の有機基を表し、好ましくは炭素数4〜40の2価の有機基を表す。前記有機基は、有機基中の水素原子が炭化水素基又はフッ素置換された炭化水素基で置換されていてもよく、その場合、炭化水素基及びフッ素置換された炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜8である。Xとしては、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)又は式(18)で表される基;それらの式で表される基中の水素原子がメチル基、フルオロ基、クロロ基又はトリフルオロメチル基で置換された基;並びに炭素数6以下の鎖式炭化水素基が例示される。
Figure 2019085549
式(10)〜式(18)中の*は結合手を表し、V、V及びVは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−S−、−SO−又は−CO−を表す。VとV、及び、VとVは、それぞれ、各環に対してメタ位又はパラ位に位置することが好ましい。
式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)、式(17)又は式(18)で表される基の中でも、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの弾性率を向上しやすい観点から、式(13)、式(14)、式(15)、式(16)又は式(17)で表される基が好ましく、式(14)、式(15)又は(16)で表される基がより好ましい。また、V、V及びVは、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの弾性率を向上しやすい観点から、それぞれ独立して、単結合、−O−又は−S−であることが好ましく、単結合又は−O−であることがより好ましく、単結合であることがさらに好ましい。
本発明の好適な実施態様において、式(7)中のXは、式(8):
Figure 2019085549
[式(8)中、R27〜R34は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R27〜R34に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、*は結合手を表す]
で表される。ポリアミドイミド樹脂に含まれるジアミン単位として、式(7)中のXが式(8)で表される化合物由来の構成単位を含むと、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムは、高い弾性率及び優れた光学特性を両立しやすい。
式(7)において、R27〜R34は、好ましくはR27〜R32が水素原子、R33及びR34が水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくはR27〜R32が水素原子、R33及びR34が水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表し、ここで、R33及びR34に含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよい。R27〜R34は、それぞれ独立に、優れた光学特性、例えば低ヘイズ、低黄色度の光学フィルムを得やすいという観点から、さらに好ましくはメチル基、又はトリフルオロメチル基であり、特に好ましくはトリフルオロメチル基である。
本発明の好適な実施態様において、式(8)は、式(8’):
Figure 2019085549
で表される。ジアミン単位として、式(8)中のXが式(8’)で表される化合物由来の構成単位を含有するポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムは、ヘイズが低減されるとともに、黄色度を低減することができるため、優れた光学特性を有することができる。さらにフッ素元素を含有する骨格によりポリアミドイミド樹脂の溶媒への溶解性を向上し、ポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができ、また光学フィルムの製造が容易となる。
ジアミン単位を構成するジアミンとしては、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン及びこれらの混合物が挙げられる。なお、本実施形態において「芳香族ジアミン」とは、アミノ基が芳香環に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に脂肪族基又はその他の置換基を含んでいてもよい。この芳香環は単環でも縮合環でもよく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環及びフルオレン環等が例示されるが、これらに限定されるわけではない。これらの中でも、好ましくはベンゼン環である。また「脂肪族ジアミン」とは、アミノ基が脂肪族基に直接結合しているジアミンを表し、その構造の一部に芳香環やその他の置換基を含んでいてもよい。
脂肪族ジアミンの具体例としては、ヘキサメチレンジアミン等の非環式脂肪族ジアミン、;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等の環式脂肪族ジアミン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン等の、芳香環を1つ有する芳香族ジアミン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMBと表記することもある)4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン等の、芳香環を2つ以上有する芳香族ジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
芳香族ジアミンとしては、好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルであり、より好ましくは4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニルである。これらは単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記ジアミン化合物の中でも、光学フィルムの弾性率を向上しやすく、また光学特性を向上、例えばヘイズを低減しやすい観点から、ビフェニル構造を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。2,2’−ジメチルベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1種以上を用いることがより好ましく、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニルを用いることがよりさらに好ましい。
ポリアミドイミド樹脂を構成するジアミン単位のうち、式(8)で表される基を有する構成単位、例えば式(7)中のXが式(8)で表される化合物由来の構成単位の含有量は、ジアミン単位の総モル数に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上、よりさらに好ましくは70モル%以上、とりわけ好ましくは80モル%以上であり、好ましくは100モル%以下である。式(8)で表される基を有する構成単位の含有量が上記の範囲であると、得られる光学フィルムはヘイズが低減され、より高い透明性を有することができ、また光学フィルムの製造が容易となる。なお、式(8)で表される基を有する構成単位の含有量等は、例えばH−NMRを用いて測定することができ、又は原料の仕込み比から算出することもできる。
本発明の好ましい実施態様において、上記ポリアミドイミド樹脂には、上記の通り、ハロゲン原子が含まれ得る。含フッ素置換基の具体例としては、フルオロ基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂がハロゲン原子を含むことにより、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの光学特性を向上、例えばヘイズや黄色度を低減させることができる場合がある。また、光学フィルムの光学特性、弾性率及び耐屈曲性をより向上させる観点から、ハロゲン原子は好ましくはフッ素原子である。
ポリアミドイミド樹脂におけるハロゲン原子の含有量は、光学フィルムの光学特性をさらに向上させる観点から、ポリアミドイミド樹脂の質量を基準として、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは3〜35質量%、さらに好ましくは5〜32質量%である。
本発明のポリアミドイミド樹脂は、上述のように、例えば、前記ジカルボン酸化合物、前記テトラカルボン酸化合物、及び必要に応じて前記トリカルボン酸化合物を含むカルボン酸化合物と、前記ジアミン化合物との反応、例えば重縮合によって製造される。本発明の一実施態様において、ポリアミドイミド樹脂の合成において、イミド化触媒が存在してもよい。イミド化触媒としては、例えばトリプロピルアミン、ジブチルプロピルアミン、エチルジブチルアミン等の脂肪族アミン;N−エチルピペリジン、N−プロピルピペリジン、N−ブチルピロリジン、N−ブチルピペリジン、及びN−プロピルヘキサヒドロアゼピン等の脂環式アミン(単環式);アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、及びアザビシクロ[3.2.2]ノナン等の脂環式アミン(多環式);並びにピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3,4−シクロペンテノピリジン、5,6,7,8−テトラヒドロイソキノリン、及びイソキノリン等の芳香族アミンが挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の製造において、反応温度は、特に限定されないが、例えば50〜350℃である。反応時間も特に限定されないが、例えば30分〜10時間程度である。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において反応を行ってよい。また、反応は溶剤中で行ってよく、溶剤としては例えば、ポリアミドイミドワニスの調製に用いられる後述する溶剤が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が、210,000以上、好ましくは3000,000以上、より好ましくは350,000以上であり、好ましくは800,000以下、より好ましくは750,000以下、さらに好ましくは600,000以下、好ましくは500,000以下である。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量が上記の下限値以上であると、ポリアミドイミド樹脂を含んでなる光学フィルムの弾性率や耐屈曲性が向上されるとともに、光学特性を向上、例えばヘイズを低減できる。また、ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量が上記上限値以下であると、ポリアミドイミドワニスの粘度を低く抑制することができ、また光学フィルムの延伸が容易であるため、加工性が良好となる。なお、本明細書において重量平均分子量は、例えばGPC測定を行い、標準ポリスチレン換算によって求めることができ、具体的には実施例に記載の方法により求めることができる。
光学フィルムにおいて、ポリアミドイミド樹脂の含有量は、光学フィルムの質量に対して、好ましくは30〜99質量%、より好ましくは35〜90質量%、さらに好ましくは40〜80質量%、特に好ましくは40〜70質量%である。上記範囲であると、高い弾性率及び優れた光学特性を有する光学フィルムが得られやすい。
より具体的には、本発明の好適な実施形態に係るポリアミドイミド樹脂は、式(31)で表される繰り返し構成単位と式(34)で表される繰り返し構成単位とを有する。本実施形態に係るポリアミドイミド樹脂は、式(31)で表される繰り返し構成単位及び式(34)で表される繰り返し構成単位が、ポリアミドイミド樹脂の主な構成単位であると、フィルムの強度及び透明性の観点で好ましい。式(31)で表される繰り返し構成単位と式(34)で表される繰り返し構成単位との合計が、ポリアミドイミド樹脂の全繰り返し構成単位に対し、好ましくは40モル%以上であり、より好ましくは50モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、よりさらに好ましくは90モル%以上であり、とりわけ好ましくは98モル%以上である。式(31)で表される繰り返し構成単位と式(34)で表される繰り返し構成単位との合計が、100モル%であってもよい。
また、本実施形態に係るポリアミドイミド樹脂は、式(34)で表される繰り返し構成単位が、式(31)で表される繰り返し構成単位と式(34)で表される繰り返し構成単位との合計に対し、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上、特に好ましくは50モル%以上、最も好ましくは60モル%以上である。また、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは85モル%以下であり、さらに好ましくは80モル%以下である。式(34)で表される繰り返し構成単位が上記の範囲であると、光学フィルムの弾性率及び樹脂の溶解性向上による良好な成膜性の観点で好ましい。
さらに、本発明の好適な実施形態に係るポリアミドイミド樹脂は、得られるポリアミドイミド系高分子フィルムの各種物性を損なわない範囲で、式(32)及び式(33)のいずれかで表される繰り返し構成単位のいずれか1つ以上を含んでいてもよい。また、該ポリアミドイミド樹脂は、式(31)、式(32)、式(33)又は式(34)で表される繰り返し構成単位を、それぞれ2種類以上含んでいてもよい。
式(31)で表される繰り返し構成単位及び式(32)で表される繰り返し構成単位は、テトラカルボン酸化合物(3)又はテトラカルボン酸化合物(5)とジアミン化合物(7)とが反応して形成される構成単位であり、テトラカルボン酸化合物(3)又はテトラカルボン酸化合物(5)由来の構成単位とジアミン化合物(7)由来の構成単位とを共に含む構成単位である。式(33)で表される繰り返し構成単位は、トリカルボン酸化合物(6)とジアミン化合物(7)とが反応して形成される構成単位であり、トリカルボン酸化合物(6)由来の構成単位とジアミン化合物(7)由来の構成単位とを共に含む構成単位である。式(34)で表される繰り返し構成単位は、ジカルボン酸化合物(1)とジアミン化合物(7)とが反応して形成される構成単位であり、ジカルボン酸化合物(1)由来の構成単位とジアミン化合物(7)由来の構成単位とを共に含む構成単位である。
そのため、式(31)、式(32)、式(32)又は(34)のそれぞれにおいて、G及びGは式(3)中のY又は式(5)中のY、Gは式(6)中のY、Gは式(1)中のWと同じであり、式(31)、式(32)、式(33)及び(34)においてX〜Xはそれぞれ式(7)中のXと同じであり、X〜Xはぞれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
Figure 2019085549
<シリカ粒子>
本発明の光学フィルムは、シリカ粒子を含む。シリカ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上であり、好ましくは100nm以下、より好ましくは80nm以下、さらに好ましくは60nm以下、とりわけ好ましくは40nm以下、特に好ましくは30nm以下である。シリカ粒子の平均一次粒子径が上記範囲であると、シリカ粒子の凝集を抑制し、光学フィルムの光学特性を向上、例えばヘイズを低減できる。なお、本発明において、平均一次粒子径は、BET法により測定できる。
本発明の光学フィルムに含まれるシリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量(100質量%)に対して、3〜70質量%である。本発明の光学フィルムは、重量平均分子量が210,000以上の前記ポリアミドイミド樹脂と、3〜70質量%の前記シリカ粒子とを含むことにより、高い弾性率を有するとともに、優れた光学特性、例えば低ヘイズ(Haze)、低黄色度(YI値)、及び高い全光線透過率を有する。
本発明の光学フィルムに含まれるシリカ粒子の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、好ましくは60質量%以下である。シリカ粒子の含有量が上記の下限値以上であると弾性率をより向上させやすく、またシリカ粒子の含有量が上記の上限値以下であると、光学特性を向上、例えばヘイズ(Haze)を低減し、折り曲げ試験における耐久性(耐屈曲性)を向上させやすい。
本発明の一実施態様において、光学フィルムに含まれるポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量が比較的大きい場合に、シリカ粒子の含有量が比較的小さいと、例えばヘイズ(Haze)が高くなる等、光学特性が低下する場合がある。そのため、ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量が比較的大きい場合には、シリカ粒子の含有量を比較的大きくすることが好ましい。例えばポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量が210,000以上である場合、シリカ粒子の含有量は光学フィルムの質量(100質量%)に対して、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、とりわけ好ましくは30質量%以上であり、シリカ粒子の含有量は70質量%以下である。このようにシリカ粒子の含有量を所定量以上に調整することにより、高分子量のポリアミドイミド樹脂を光学フィルムに含んでいても、高い弾性率と優れた光学特性とを発現することができる。
<光学フィルム>
本発明の光学フィルムは、重量平均分子量が210,000以上のポリアミドイミド樹脂と、光学フィルムの質量に対して3〜70質量部のシリカ粒子とを含むため、高い弾性率を有するとともに、優れた光学特性を有する。また本発明の光学フィルムは耐屈曲性にも優れる。そのため、本発明の光学フィルムは、画像表示装置の部材、特にフレキシブルディスプレイの前面板(ウィンドウフィルム)に用いることができる。前面板は、フレキシブルディスプレイ内の画像表示素子を保護する機能を有する。画像表示装置としては、テレビ、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション、タブレットPC、携帯ゲーム機、電子ペーパー、インジケーター、掲示板、時計、及びスマートウォッチ等のウェアラブルデバイス等が挙げられる。フレキシブルディスプレイとしては、フレキシブル特性を有する画像表示装置、例えばテレビ、スマートフォン、携帯電話、カーナビゲーション、タブレットPC、携帯ゲーム機、電子ペーパー、インジケーター、掲示板、時計、及びウェアラブルデバイス等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、さらに紫外線吸収剤を含むことができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール誘導体(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、1,3,5−トリフェニルトリアジン誘導体等のトリアジン誘導体(トリアジン系紫外線吸収剤)、ベンゾフェノン誘導体(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤)、及びサリシレート誘導体(サリシレート系紫外線吸収剤)が挙げられ、これらからなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。良好な紫外線吸収能を有することから、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、式(9)で表される化合物、が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。式(9)で表される化合物の具体例としては、住友化学(株)製の商品名:Sumisorb 200(2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb 300(2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、Sumisorb 340(2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール)、Sumisorb 350(2−(2−ヒドロキシ3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)ベンゾトリアゾール)が挙げられる。
Figure 2019085549
式(9)中、Tは水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり、R35及びR36はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R35又はR36のうち少なくともいずれか一方は炭素数1〜20の炭化水素基である。
Tにおける炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチル−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチル−プロピル基等が挙げられる。
Tにおける炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチル−ブトキシ基、3−メチルブトキシ基、2−エチル−プロポキシ基等が挙げられる。
Tは、好ましくは水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、より好ましくは水素原子、フッ素原子又は塩素原子である。
35及びR36はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、R35及びR36のうち少なくともいずれか一方は炭化水素基である。R35及びR36は、それぞれ炭化水素基である場合、好ましくは炭素数1〜12の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜8の炭化水素基である。具体的にはメチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基及びtert−オクチル基が例示される。
光学フィルムにおいて、紫外線吸収剤の含有量は、ポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子との総質量100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは3〜7質量部である。紫外線吸収剤の含有量が上記下限値以上であると、紫外線吸収性を向上できる。紫外線吸収剤の含有量が上記上限値以下であると、光学フィルム製造時の熱による紫外線吸収剤の分解を抑制でき、光学特性を向上、例えばヘイズを低減することができる。
本発明の光学フィルムは、ポリアミドイミド樹脂、シリカ粒子及び紫外線吸収剤以外の他の添加剤を含んでいてよい。他の添加剤としては、例えば、ポリアミドイミド樹脂以外の他の樹脂、酸化防止剤、離型剤、安定剤、ブルーイング剤などの着色剤、難燃剤、滑剤、及びレベリング剤が挙げられる。光学フィルムが添加剤を含む場合、添加剤の含有量は、光学フィルムの質量に対して、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
他の樹脂としては特に限定されず、慣用の樹脂、例えばポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。他の樹脂は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
光学フィルムの厚みは、用途に応じて適宜調整されるが、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μm、より好ましくは25〜80μm、さらに好ましくは30〜50μmである。光学フィルムの厚みが上記範囲であると、光学特性と耐屈曲性が良好となる。なお、本発明において、光学フィルムの厚みは、例えば実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムのヘイズは、好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。光学フィルムのヘイズが上記の上限値以下である光学フィルムの透明性が良好となり、画像表示装置の前面板に使用した場合に、高い視認性に寄与することができる。またヘイズの下限値は通常0.01%である。なお、ヘイズは実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムの黄色度は、好ましくは8以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは3以下である。光学フィルムの黄色度が上記の上限値以下である光学フィルムの透明性が良好となり、画像表示装置の前面板に使用した場合に、高い視認性に寄与することができる。また黄色度は通常−5以上であり、好ましくは−2以上である。なお、黄色度は実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムにおいて、厚み50μmにおける全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは91%以上、最も好ましくは92%以上である。光学フィルムの全光線透過率が上記の下限値以上である光学フィルムは透明性が良好であり、画像表示装置の前面板に使用した場合に、高い視認性に寄与することができる。また全光線透過率の上限値は通常99.99%である。なお、全光線透過率は実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の光学フィルムの弾性率は、好ましくは3GPa以上、より好ましくは4GPa以上、さらに好ましくは5GPa以上、特に好ましくは6GPa以上であり、好ましくは10GPa以下、より好ましくは8GPa以下、さらに好ましくは7GPa以下である。
光学フィルムの弾性率が上記範囲であると、耐屈曲性が向上されやすい。なお、弾性率は実施例に記載の方法により測定できる。
光学フィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば以下の工程:
(a)ポリアミドイミド樹脂及びシリカ粒子を含む液(ポリアミドイミドワニスと称する場合がある)を調製する工程(ポリアミドイミドワニス調製工程)、
(b)ポリアミドイミドワニスを基材に塗布して塗膜を形成する工程(塗布工程)、及び(c)塗布された液(塗膜)を乾燥させて、光学フィルムを形成する工程(光学フィルム形成工程)
を含む方法によって製造することができる。
ポリアミドイミドワニス調製工程において、ポリアミドイミドワニスの調製のために、前記ジカルボン酸化合物、前記テトラカルボン酸化合物、前記ジアミン化合物、及び必要に応じて、トリカルボン酸化合物、イミド化触媒として作用する第三級アミン、脱水剤などの他の成分を混合し、反応させてポリアミドイミド樹脂混合液を調製する。第三級アミンとしては、前述の芳香族アミンや脂肪族アミンなどが挙げられる。脱水剤としては、無水酢酸やプロピオン酸無水物、イソ酪酸無水物、ピバル酸無水物、酪酸無水物、イソ吉草酸無水物などが挙げられる。このポリアミドイミド樹脂混合液に貧溶媒を加えて再沈殿法によりポリアミドイミド樹脂を析出させ、乾燥し沈殿物を取り出す。必要に応じて沈殿物をメタノール等の溶媒で洗浄して乾燥させ、ポリアミドイミド樹脂を得る。次いで、ポリアミドイミド樹脂を溶剤に溶解し、上記シリカ粒子及び必要に応じて紫外線吸収剤や他の添加剤を添加して撹拌することにより、ポリアミドイミドワニスを調製する。なお、シリカ粒子を含むシリカゾルの分散媒を、ポリアミドイミド樹脂が溶解可能な溶剤、例えば下記のポリアミドイミドワニスの調製に用いられる溶剤と置換したシリカゾルをポリアミドイミド樹脂に添加してもよい。
ポリアミドイミドワニスの調製に用いられる溶剤は、ポリアミドイミド樹脂を溶解可能であれば特に限定されない。かかる溶剤としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶剤;ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄系溶剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;及びそれらの組み合わせ(混合溶剤)が挙げられる。これらの溶剤の中でも、シリカゾルを添加したワニスの調整には、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶剤が好ましい。また、ポリアミドイミドワニスには水、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、非環状エステル系溶剤、エーテル系溶剤などが含まれてもよい。
塗布工程において、公知の塗布方法により、基材上にポリアミドイミドワニスを塗布して塗膜を形成する。公知の塗布方法としては、例えばワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティング等のロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法、流涎成形法等が挙げられる。
光学フィルム形成工程において、塗膜を乾燥し、基材から剥離することによって、光学フィルムを形成することができる。剥離後にさらに光学フィルムを乾燥する乾燥工程を行ってもよい。塗膜の乾燥は、通常50〜350℃の温度にて行うことができる。必要に応じて、不活性雰囲気又は減圧の条件下において塗膜の乾燥を行ってよい。
基材の例としては、PETフィルム、PENフィルム、ポリイミドフィルム、及びポリアミドイミドフィルム等が挙げられる。中でも、耐熱性に優れる観点から、PETフィルム、PENフィルム、ポリイミドフィルム、及び他のポリアミドイミドフィルムが好ましい。さらに、光学フィルムとの密着性及びコストの観点から、PETフィルムがより好ましい。
本発明の光学フィルムに、ハードコート層、粘着層、色相調整層などの機能層を付加した積層フィルムを形成することもできる。さらに光学フィルムの表面には、保護フィルムを貼合してもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部を意味する。まず測定及び評価方法について説明する。
<ヘイズ(Haze)>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを30mm×30mmの大きさにカットし、ヘイズコンピューター(スガ試験機(株)製、「HGM−2DP」)を用いてヘイズ(%)を測定した。
<黄色度(YI値)>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを30mm×30mmの大きさにカットし、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)製V−670)を用いて、三刺激値(X,Y,Z)を求め、下記計算式に代入することにより、YI値を算出した。
YI=100×(1.2769X−1.0592Z)/Y
評価は下記規準に基づいて判定した。
<評価方法>
◎…YI≦3.5
○…3.5<YI≦5
×…5<YI
<全光線透過率>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを30mm×30mmの大きさにカットし、ヘイズコンピューター(スガ試験機(株)製、「HGM−2DP」)を用いて、光学フィルムの厚み50μmにおける全光線透過率(%)を測定した。
<弾性率>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを、ダンベルカッターを用いて10mm×100mmの短冊状にカットし、サンプルを得た。このサンプルの弾性率を島津製作所製オートグラフAG−ISを用い、チャック間距離500mm、引張速度20mm/minの条件でS−S曲線を測定し、その傾きから光学フィルムの弾性率を算出した。
<重量平均分子量(Mw)>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定
・前処理方法
実施例及び比較例で得られたポリアミドイミド樹脂にDMF溶離液(10mM臭化リチウム溶液)を濃度2mg/mLとなるように加え、80℃にて30分間攪拌しながら加熱し、冷却後、0.45μmメンブランフィルターでろ過したものを測定溶液とした。
・測定条件
カラム:TSKgel SuperAWM−H×2+SuperAW2500×1(6.0mm I.D.×150mm×3本)
溶離液:DMF(10mMの臭化リチウム添加)
流量:1.0mL/min.
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μL
分子量標準:標準ポリスチレン
<光学フィルムの厚み>
実施例及び比較例で得られた光学フィルムを、ABSデジマチックインジケーター((株)ミツトヨ製、「ID−C112BS」)を用いて、光学フィルムの厚みを測定した。
(シリカゾルの調製)
ゾル−ゲル法により作製されたBET径(BET法で測定された平均粒子径)が異なるアモルファスシリカゾルを原料とし、溶媒置換により、γ−ブチロラクトン(以下、GBLと表記することもある)置換シリカゾルを調製した。得られたゾルを目開き10μmのメンブレンフィルターでろ過し、GBL置換シリカゾルを得た。得られたGBL置換シリカゾルは、いずれもシリカ粒子が30〜32質量%であった。表1に記載のように、アモルファスシリカゾルとして、BET径が23nm、27nmのいずれかを実施例及び比較例において使用した。
(ポリアミドイミド樹脂の調製)
1.合成例1
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジフェニル(TFMB)45g(140.52mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)770.40gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物(6FDA)19.01g(42.80mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、4,4’−オキシビス(ベンゾイルクロリド)(OBBC)4.21g(14.27mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)17.38g(85.60mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン4.65g(49.93mmol)と無水酢酸13.11g(128.39mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、250,000であった。
2.合成例2
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB45g(140.52mmol)及びDMAc768.55gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA18.92g(42.58mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC4.19g(14.19mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)17.29g(85.16mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン4.63g(49.68mmol)と無水酢酸13.04g(127.75mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、355,000であった。
3.合成例3
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB40g(124.91mmol)及びDMAc682.51gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA16.78g(37.77mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC3.72g(12.59mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)15.34g(75.55mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン8.21g(88.14mmol)と無水酢酸15.43g(151.10mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は400,000であった。
4.合成例4
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB40g(124.91mmol)及びDMAc682.18gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA16.76g(37.74mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC3.71g(12.58mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)15.32g(75.47mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン8.20g(88.05mmol)と無水酢酸15.41g(150.95mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は475,000であった。
5.合成例5
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB40g(124.91mmol)及びDMAc681.21gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA16.71g(37.62mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC3.70g(12.54mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)15.28g(75.25mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン8.18g(87.79mmol)と無水酢酸15.36g(150.49mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は602,000であった。
6.合成例6
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB40g(124.91mmol)及びDMAc680.57gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA16.68g(37.55mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC3.69g(12.52mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)15.25g(75.09mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン8.16g(87.61mmol)と無水酢酸15.33g(150.19mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は750,000であった。
7.合成例7
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB65g(202.97mmol)及びDMAc834.69gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA27.09g(60.98mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC12.00g(40.66mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)20.63g(101.64mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン6.63g(71.15mmol)と無水酢酸18.68g(182.95mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は310,000であった。
8.合成例8
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB50g(156.13mmol)及びDMAc642.07gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA20.84g(46.91mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC9.23g(31.27mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)15.87g(78.18mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン9.89g(106.17mmol)と無水酢酸14.37g(140.73mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は400,000であった。
9.合成例9
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB45g(140.52mmol)及びDMAc635.28gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA25.01g(56.29mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC24.92g(84.44mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコにピリジン9.97g(126.01mmol)と無水酢酸22.99g(225.17mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は320,000であった。
10.合成例10
窒素ガス雰囲気下、撹拌翼を備えた1Lセパラブルフラスコに、TFMB45g(140.52mmol)及びDMAc574.25gを加え、室温で撹拌しながらTFMBをDMAcに溶解させた。次に、フラスコに6FDA19.11g(43.02mmol)を添加し、室温で3時間撹拌した。その後、OBBC4.23g(14.34mmol)、次いでテレフタロイルクロリド(TPC)17.47g(86.03mmol)をフラスコに加え、室温で1時間撹拌した。次いで、フラスコに4−メチルピリジン9.35g(100.37mmol)と無水酢酸17.57g(172.07mmol)とを加え、室温で30分間撹拌後、オイルバスを用いて70℃に昇温し、さらに3時間撹拌し、反応液を得た。
得られた反応液を室温まで冷却し、大量のメタノール中に糸状に投入し、析出した沈殿物を取り出し、メタノールで6時間浸漬後、メタノールで洗浄した。次に、100℃にて沈殿物の減圧乾燥を行い、ポリアミドイミド樹脂を得た。ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は205,000であった。
(光学フィルム)
1.実施例1〜12、14〜19、20、及び比較例1
合成例1〜5及び7〜10のポリアミドイミド樹脂をGBLに溶解し、上記のGBL置換シリカゾルを加えて十分に混合することで、表1に記載の組成であるポリアミドイミド樹脂/シリカ粒子混合ワニス(以下、混合ワニスと称することがある)を得た。その際、ポリアミドイミド樹脂/シリカ粒子濃度(樹脂とシリカ粒子の総質量に対する濃度)が9〜13質量%となるように混合ワニスを調製した。
得られた混合ワニスを目開き10マイクロメートルのフィルターでろ過した後、ポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃で30分間、次いで140℃で15分間乾燥した後、ポリエステル基材を剥離して、自立膜を得た。得られた自立膜を金枠に固定して200℃で乾燥させ、膜厚50μmの光学フィルムを得た。表1中、シリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量(ポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子との総質量)を基準とする。
2.実施例13
紫外線吸収剤(住化ケムテックス(株)製、製品名「Sumisorb 340」)をGBLに溶解し、合成例6のポリアミドイミド樹脂と、上記のGBL置換シリカゾルを加え、GBLに溶解した十分に混合することで、樹脂/シリカ粒子混合ワニスを得た。その際、原料の仕込み比率は、紫外線吸収剤がポリアミドイミド樹脂とシリカ粒子との総質量100質量部に対して4質量部となるようにし、樹脂/シリカ粒子濃度(樹脂とシリカ粒子の総質量に対する濃度)が11質量%となるように混合ワニスを調製した。
得られた混合ワニスを目開き10マイクロメートルのフィルターでろ過した後、ポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃で30分間、次いで140℃で15分間乾燥した後、ポリエステル基材を剥離して、自立膜を得た。得られた自立膜を金枠に固定して200℃で乾燥させ、膜厚50μmの光学フィルムを得た。
3.実施例21
合成例9のポリアミドイミド樹脂をGBLに溶解し、GBL置換シリカゾルを加えて十分に混合することで、表1に記載の組成である樹脂/シリカ粒子混合ワニスを得た。その際、樹脂とシリカ粒子の濃度が16質量%となるように混合ワニスを調製した。得られた混合ワニスを目開き10マイクロメートルのフィルターでろ過した後、ポリエステル基材(東洋紡(株)製、商品名「A4100」)の平滑面上に自立膜の膜厚が55μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工し、50℃30分間、次いで140℃15分間で乾燥した後、ポリエステル基材を剥離して、自立膜を得た。得られた自立膜を金枠に固定して200℃で乾燥させ、膜厚50μmのフィルムを得た。
表1に、実施例1〜21、及び比較例1で得られた光学フィルムのヘイズ(Haze)、黄色度(YI値)、弾性率、及び全光線透過率を示す。なお、表1中、ポリアミドイミド樹脂を構成する構成単位の割合は、TPC由来の構成単位/6FDA由来の構成単位/OBBC由来の構成単位/TFMB由来の構成単位の割合(モル%)を表す。
Figure 2019085549
実施例1〜21の光学フィルムは、比較例1と比べ、ヘイズ及び黄色度が低いとともに、優れた弾性率を有し、さらに高い全光線透過率を有する。従って、実施例1〜21の光学フィルムは、高い弾性率と優れた光学特性とを両立することができる。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が210,000以上のポリアミドイミド樹脂と、シリカ粒子とを含む光学フィルムであって、該シリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量に対して3〜70質量%である、光学フィルム。
  2. シリカ粒子の含有量は、光学フィルムの質量に対して5〜70質量%である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して20〜90モル%である、請求項1又は2に記載の光学フィルム。
  4. ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位のうち、式(2a)
    Figure 2019085549
    [式(2a)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜Rに含まれる水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、*は結合手を表す]
    で表される基を有する構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して0〜80モル%である、請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム。
  5. ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるジカルボン酸化合物由来の構成単位のうち、式(2b)
    Figure 2019085549
    [式(2b)中、R〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R〜R14に含まれる水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜4の整数であり、mは0又は1であり、A及びAはそれぞれ独立に−O−、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−S−、−SO−、−CO−又は−NR15−を表し、R15は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、*は結合手を表す]
    で表される基を有する構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して3〜70モル%である、請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム。
  6. ポリアミドイミド樹脂を構成するカルボン酸化合物由来の構成単位に含まれるテトラカルボン酸化合物由来の構成単位の含有量は、カルボン酸化合物由来の全構成単位の総モル数に対して10〜60モル%である、請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム。
  7. ポリアミドイミド樹脂の重量平均分子量は800,000以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルム。
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